JPH0781752A - 焼成台車への棚板積み込み・降ろし装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 焼成台車上での整列ピッチを小と成して積載
重量の増加を図ると共に、焼成台車の任意位置での棚板
の積み込み、積み降ろしを可能にする。 【構成】 焼成台車移動ライン４と棚板搬送ライン１０
とを往復させる移動台車１９に回転制御される回転軸下
端に支持アーム２３を設け、焼成台車３上の焼成品（白
地）群間の隙間より支持アーム２３を通過させて棚板６
直下に位置させると共に、支持アーム２３にて棚板６を
掬い上げて他へ移載する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は焼成台車上に移載すべき
棚板を、焼成台車における任意位置での積み込み、積み
降ろしを可能にした焼成台車への棚板積み込み・降ろし
装置。

【０００２】

【従来の技術】従来、乾燥処理された多数の白地を焼成
台車上に移載する手段としては、白地の両側を挾持板に
よって挾持して焼成台車における棚板上に白地群を一括
して移載したり、又固定されたフオークを具備した移載
機により焼成台車上の棚板自体を掬い上げたりするもの
が知られている。

【０００３】然しながら、前者の挾持手段にあっては、
白地を挾持するために挾持板を一旦拡幅させるため、焼
成台車上に移載された隣合う白地間の間隔を広くしなけ
ればならず、積載重量が減少する欠点を有し、又後者の
掬い上げ手段にあっては、フオークが固定されているた
め、焼成台車の任意位置への棚板移載は不可能となり、
焼成台車の一側方より順次他側方へ移動させながら移載
することしか出来ず、甚だ作業性が面倒である欠点を有
していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は焼成品（白
地）群間の隙間を回転軸の通過を許容する程度に設ける
ことにより、整列ピッチを小と成して積載重量の増加を
図ると共に、回転軸を所定角度回転制御して支持アーム
を棚板直下に位置させられることにより、焼成台車の任
意位置での棚板の積み込み、積み降ろしが可能に成る焼
成台車への棚板積み込み・降ろし装置を提供せんとする
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術に
基づく積載重量、作業性等の課題に鑑み、焼成台車移動
ラインと棚板搬送ラインとを往復させる移動台車に回転
制御される回転軸下端に支持アームを設け、焼成台車上
の焼成品（白地）群間の隙間より支持アームを通過させ
て棚板直下に位置させると共に、支持アームにて棚板を
掬い上げて他へ移載することを要旨とする焼成台車への
棚板積み込み・降ろし装置を提供して上記欠点を解消せ
んとしたものである。

【０００６】以下本発明に係る焼成台車への棚板積み込
み・降ろし装置としては、棚板を多数枚整列させて載せ
る焼成台車を移動させる移動ラインと棚板を搬送する棚
板搬送ラインとが配設されている。

【０００７】又、移動ラインと棚板搬送ライン間の上方
にわたって移動レールが配設され、該移動レール上を往
復走行制御する移動台車を配設し、該移動台車の下方に
は上下動制御される支持枠体を配設している。

【０００８】又、支持枠体には下端部に支持アームを固
定する回転軸を所定角度回転制御する様に垂設してい
る。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
すると、１は桟瓦、軒瓦、袖瓦の各種形状を有する粘土
瓦の製造システムであり、該製造システム１は粘土瓦の
白地Ｗを連続的に焼成処理すべきトンネル窯２が配設さ
れると共に、該トンネル窯２と並行して窯内に搬入され
る焼成台車３を走行移動させる移動ライン４が配設さ
れ、さらに移動ライン４とトンネル窯２との間には焼成
台車３を移動させるトラバーサ５、5aを配設している。

【００１０】６、6a…は焼成台車３の支持脚部７、7a…
上に焼成台車３の幅方向である移動ライン４のライン方
向と平行して多数並列状態にして載せられる棚板であ
り、該棚板６、6a…は長方板状に棚板本体８を形成し、
その長手方向にわたって所定間隔毎に白地Ｗを立設支持
する支持ピン９、9a…を設けている。

【００１１】又、支持ピン９、9a…としては、白地Ｗが
一般的なる和型の桟瓦Ｗ１の場合には、尻側Ｗ1aを下方
にすると共に、差込側Ｗ1bと桟側Ｗ1cとを棚板本体８の
長手方向に対して前後位置を概ね一致させて桟瓦Ｗ１の
投影面積が棚板本体８の長手方向にて最大となる様に多
数枚を縦列状態にて移載する様に所定間隔毎に立設して
いる。

【００１２】又、支持ピン９、9a…の他の実施例として
は、白地Ｗが一般的なる和型の軒瓦Ｗ２の場合には、差
込側Ｗ2aを下方にすると共に、頭側Ｗ2bと尻側Ｗ2cとを
棚板本体８の長手方向に対して前後に位置をずらして表
面側を傾斜状態と成し、且つ頭垂れＷ2dと瓦本体Ｗ2eと
の接続個所の表裏側を夫々対向させて棚板本体８の長手
方向に対して概ね直線的となる様に所定間隔毎に縦列状
態にて立設している。

【００１３】又、支持ピン９、9a…の他の実施例として
は、白地Ｗが一般的なる和型の袖瓦Ｗ３の場合には、尻
側Ｗ3aを下方にすると共に、桟側Ｗ3bと袖側Ｗ3cとを棚
板本体８の長手方向に対して前後に位置をずらして表面
側を傾斜状態と成し、且つ袖垂れＷ3dと瓦本体Ｗ3eとの
接続個所の表裏側を夫々対向させて棚板本体８の長手方
向に対して概ね直線的となる様に所定間隔毎に縦列状態
にて立設している。

【００１４】10は移動ライン４の側方に並設する棚板
６、6a…の棚板搬送ラインであり、該棚板搬送ライン10
は連続回転若しくは間歇回転制御される多数の片持支持
されるローラ11を所定間隔毎に配設して構成する第一コ
ンベヤ12と第二コンベヤ13を、夫々の搬送方向を逆にし
て並設し、第一コンベヤ12と第二コンベヤ13の端側には
該第二コンベヤ13上の棚板６、6a…を第一コンベヤ12上
に移動させる棚板移動装置14を設けて棚板６、6a…をＵ
ターン状に搬送している。

【００１５】かかる棚板移動装置14としては、例えば第
一コンベヤ12と第二コンベヤ13のローラ11間より上下動
制御されるベルトコンベヤ15を設けて構成している。

【００１６】尚、この棚板移動装置14は必ずしも設ける
必要はなく、例えば後述する棚板移載装置16によって第
二コンベヤ13上から第一コンベヤ12上へと棚板６、6a…
を移載しても良い。

【００１７】かかる棚板移載装置16としては、支柱17、
17a …を介して移動ライン４と棚板搬送ライン10の上方
にわたって移動レール18、18a を平行に配設すると共
に、該移動レール18、18a 上には移動ライン４と棚板搬
送ライン10間を往復走行制御される移動台車19を配設し
ている。

【００１８】又、移動台車19の下方には移動ライン４お
よび棚板搬送ライン10のライン方向に沿って且つ、棚板
６、6a…の長さに対応した支持枠体20を上下動自在に配
設すると共に、該支持枠体20にモーター（図示せず）等
によって巻き上げられるチェーン、ロープ等の連繋部材
21を連結し、モーターの作動によって支持枠体20を上下
動制御している。

【００１９】又、支持枠体20における前記ライン方向に
は、所定間隔にて少なくとも２本の回転軸22、22a …を
垂直に挿通して回動自在に支持すると共に、支持枠体20
より下方に延出する寸法Ｘを、棚板６、6a…上に載せる
白地Ｗの高さ寸法Ｈより長く設定し、かかる回転軸22、
22a …の下端部には水平に支持アーム23、23a …を固定
している。

【００２０】又、回転軸22、22a …は適宜なるリンク機
構24、24a …を介して空油圧の直動シリンダーの駆動源
25、25a と連結され、該駆動源25、25a の作動により回
転軸22、22a …を所定方向に回転させて支持アーム23、
23a …を前記ライン方向と直交する様に回転制御してい
る。

【００２１】26は白地搬送コンベヤであり、該白地搬送
コンベヤ26は棚板搬送ライン10における第一コンベヤ12
の側方に配設するものにして、白地Ｗを起立搬送させる
針山コンベヤ、若しくは倒伏搬送させる平ベルトコンベ
ヤから構成している。

【００２２】27は白地搬送コンベヤ26と第一コンベヤ12
との間に配設する白地移載装置であり、該白地移載装置
27は多軸制御されるロボット（図示せず）を使用して白
地Ｗを吸着ハンド、掴持ハンド等のハンド機構（図示せ
ず）によりハンドリングして第一コンベヤ12上をピッチ
送りされる棚板６、6a…上に移載する様に成している。

【００２３】28は焼成品搬送コンベヤであり、該焼成品
搬送コンベヤ28は棚板搬送ライン10における第二コンベ
ヤ13の側方に配設され、上記と同様に、多軸制御される
ロボットを使用して焼成品Ｗa を吸着ハンド、掴持ハン
ド等のハンド機構を具備する焼成品移載装置29によりハ
ンドリングして第二コンベヤ13上をピッチ送りされる棚
板６、6a…上の焼成品Ｗa を焼成品搬送コンベヤ28上に
移載する様に成している。

【００２４】尚、上記白地移載装置27、焼成品移載装置
29はロボットから構成されるものにて説明したが、かか
る構成に何ら限定されず、例えば白地搬送コンベヤ26と
第一コンベヤ12との上方を往復動制御される移動車（図
示せず）より上下動自在に吊設したハンド機構（図示せ
ず）により移載しても良い。

【００２５】又、乾燥ライン（図示せず）と接続される
白地搬送コンベヤ26は、予め乾燥ラインによって乾燥処
理された白地Ｗを整列移載した棚板６、6a…を移動パレ
ット（図示せず）上に移載して多数個保管しておくべき
白地ストックヤード（図示せず）と連設する様に構成し
ても良い。

【００２６】次に本発明に係る棚板積み込み・降ろし装
置による棚板の焼成台車への積込方法について説明する
と、トンネル窯２にて焼成された焼成品Ｗa が載った焼
成台車３は、トラバーサ５によって移動ライン４へ移送
され、その後移動ライン４上を順次移動する。

【００２７】そして、移動ライン４を移動して棚板移載
装置16まで達した焼成台車３は停止制御され、かかる棚
板移載装置16によって焼成品Ｗa が載った棚板６、6a…
は棚板搬送ライン10の第二コンベヤ13上に移載された
り、棚板搬送ライン10の第一コンベヤ12上を搬送させて
くる白地Ｗが載った棚板６、6a…を焼成台車３上に移載
したりしている。

【００２８】かかる棚板６、6a…の移載については、棚
板移載装置16の移動台車19を焼成台車３の上方へ移動さ
せると共に、移動台車19に設けられる支持枠体20を下降
させ、該支持枠体20より垂設する回転軸22、22a …を焼
成台車３上の各焼成品群間の隙間を通過させ、該回転軸
22、22a …下端の支持アーム23、23a …を棚板６、6a…
下方に位置させた後、駆動源25、25a …を作動させてリ
ンク機構24、24a …を介して支持アーム23、23a …を水
平回転させて棚板６、6a…直下に位置する様にし、かか
る状態より支持枠体20を上昇させると、支持アーム23、
23a …によって棚板６、6a…の底面を支持した状態で掬
い上げる。

【００２９】しかる後、移動台車19を棚板搬送ライン10
の第二コンベヤ13の上方に移動し、支持枠体20を下降さ
せて第二コンベヤ13を構成している多数のローラ11上に
棚板６、6a…を移載する。

【００３０】そして、第二コンベヤ13上に移載された棚
板６、6a…は搬送されて焼成品移載装置29まで達する
と、棚板６、6a…上の焼成品Ｗa は焼成品移載装置29の
ハンド機構によって保持されながら焼成品搬送コンベヤ
28上までハンドリングされて移載される。

【００３１】次に、空の棚板６、6a…は第二コンベヤ13
終端側に達すると、かかる位置に設けている棚板移動装
置14のベルトコンベヤ15を上下に作動制御させることに
より、第二コンベヤ13上より第一コンベヤ12上へと棚板
６、6a…が移載され、その後棚板６、6a…上には第一コ
ンベヤ12上を順次搬送される途中において、白地移載装
置27のハンド機構により白地搬送コンベヤ26上を搬送さ
れてくる白地Ｗがハンドリングされて移載される。

【００３２】即ち、桟瓦Ｗ１の場合には、尻側Ｗ1aを下
方にすると共に、差込側Ｗ1bと桟側Ｗ1cとを棚板本体８
の長手方向に対して前後位置を概ね一致させて縦列状態
にて移載し、又軒瓦Ｗ２の場合には、差込側Ｗ2aを下方
にすると共に、頭側Ｗ2bと尻側Ｗ2cとを棚板本体８の長
手方向に対して前後に位置をずらして表面側を傾斜状態
と成し、且つ頭垂れＷ2dと瓦本体Ｗ2eとの接続個所の表
裏側を夫々対向させて縦列状態にて移載し、又袖瓦Ｗ３
の場合には、尻側Ｗ3aを下方にすると共に、桟側Ｗ3bと
袖側Ｗ3cとを棚板本体８の長手方向に対して前後に位置
をずらして表面側を傾斜状態と成し、且つ袖垂れＷ3dと
瓦本体Ｗ3eとの接続個所の表裏側を夫々対向させて縦列
状態にて移載している。

【００３３】又、上記棚板６、6a…は第一コンベヤ12に
より搬送されて棚板移載装置16下方まで達すると、前記
の積み降ろしとは逆の操作を行って焼成台車３上に棚板
６、6a…を移載し、しかる後焼成台車３は移動ライン４
上を順次移動し、トラバーサ5aを介してトンネル窯２内
に搬入される。

【００３４】

【発明の効果】要するに本発明は、棚板６、6a…を多数
枚並列して載せる焼成台車３の移動ライン４と、各棚板
６、6a…を搬送する棚板搬送ライン10とを配設し、移動
ライン４と棚板搬送ライン10の上方にわたって移動レー
ル18、18a 上を往復走行制御される移動台車19を配設
し、該移動台車19の下方には上下動制御される支持枠体
20を配設すると共に、該支持枠体20には下端部に支持ア
ーム23、23a …を固定する回転軸22、22a …を所定角度
回転制御する様に垂設したので、支持枠体20の回転軸2
2、22a …を焼成台車３上の各焼成品Ｗa （白地Ｗ）群
間の隙間を通過させ、該回転軸22、22a …下端の支持ア
ーム23、23a …を棚板６、6a…下方に位置することが出
来るため、上記隙間を回転軸22、22a …の通過を許容す
る程度に設ければよく、これにより隙間を小と成して積
載重量の増加を図ることが出来、又回転軸22、22a …を
所定角度回転制御して支持アーム23、23a …を棚板６、
6a…直下に位置させ、支持枠体20を上昇させて支持アー
ム23、23a …によって棚板６、6a…を支持した状態で掬
い上げて他へ移載することが出来るため、焼成台車３の
任意位置での棚板６、6a…の積み込み、積み降ろしが可
能になり、これによって焼成台車３上でのあらゆる個所
にて発生した白地荷崩れ等にも対応することが出来る等
その実用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る焼成台車への棚板積み込み・降ろ
し装置の側面図である。

【図２】図１のＡ矢視図である。

【図３】図２のＢーＢ矢視図である。

【図４】棚板移載装置の部分斜視図である。

【図５】粘土瓦の製造システムの概略平面図である。

【図６】焼成台車の斜視図である。

【図７】棚板上に桟瓦を縦列させて載せた状態を示す平
面図である。

【図８】同上斜視図である。

【図９】棚板上に軒瓦を縦列させて載せた状態を示す平
面図である。

【図１０】同上斜視図である。

【図１１】棚板上に袖瓦を縦列させて載せた状態を示す
平面図である。

【図１２】同上斜視図である。

【図１３】従来における軒瓦を縦列させて載せた状態を
示す平面図である。

【図１４】従来における袖瓦を縦列させて載せた状態を
示す平面図である。

【符号の説明】

３ 焼成台車 ４ 移動ライン ６、6a… 棚板 10 棚板搬送ライン 18、18a 移動レール 19 移動台車 20 支持枠体 22、22a …回転軸 23、23a …支持アーム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｃ０４Ｂ 35/64

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 棚板を多数枚並列して載せる焼成台車の
   移動ラインと、各棚板を搬送する棚板搬送ラインとを配
   設し、移動ラインと棚板搬送ラインの上方にわたって移
   動レール上を往復走行制御される移動台車を配設し、該
   移動台車の下方には上下動制御される支持枠体を配設す
   ると共に、該支持枠体には下端部に支持アームを固定す
   る回転軸を所定角度回転制御する様に垂設したことを焼
   成台車への棚板積み込み・降ろし装置。