JPH0780865A - 光学用樹脂薄膜の剥離方法及びその剥離用枠状体 - Google Patents

光学用樹脂薄膜の剥離方法及びその剥離用枠状体

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JPH0780865A
JPH0780865A JP22588593A JP22588593A JPH0780865A JP H0780865 A JPH0780865 A JP H0780865A JP 22588593 A JP22588593 A JP 22588593A JP 22588593 A JP22588593 A JP 22588593A JP H0780865 A JPH0780865 A JP H0780865A
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frame
peeling
coating film
film
substrate
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JP22588593A
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Takashi Yamamoto
隆 山本
Kenichi Sekimoto
謙一 関本
Takeshi Tanaka
剛 田中
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Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異物の付着による不良が少なく、併せてキ
ズ、シワなどが発生しない、高品質な光学用樹脂薄膜を
歩留りよく製造するための方法とそれに用いられる枠状
体を提供する。 【構成】 1)基板側面部分と基板周縁部分の塗膜を除
去する工程、2)可撓性の枠状体を塗膜に貼り付ける工
程、3)塗膜を引き剥がす工程からなる光学用樹脂薄膜
の剥離方法及びその剥離用枠状体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塵埃の付着や、キズ、シ
ワなどの不良の少ない高品質な光学用樹脂薄膜を歩留り
よく製造する方法とその製造用の枠状体に関するもので
あり、製造された樹脂薄膜は、とりわけLSIや超LS
Iなどの半導体装置の製造工程におけるリソグラフィー
工程で使用されるフォトマスクやレチクルなどについ
て、保護、防塵の目的で装着されるペリクル用の膜とし
て利用される。
【0002】
【従来の技術】ペリクルの製法は通常、平滑な基板上に
スピン塗布法などによって樹脂塗膜を形成し、その後こ
れを剥がしてペリクル枠の一側面に張設することによっ
て行われる。
【0003】この塗膜の剥離方法としては、塗膜が形成
された基板を水中に浸漬して基板と塗膜とを分離し、つ
いで塗膜を水中から引上げペリクル枠に固着し、乾燥さ
せる方法(特開昭58−219023号)や、塗膜が形
成された基板にペリクル枠を直接固着し、これを水中に
浸漬して基板と塗膜とを分離する方法(特開昭60−2
37450号)が提案されている。これらの方法は、前
者の方法では水中に浮遊するペリクル膜を枠に固着する
際、膜にシワやタルミが生じやすく、後者の方法では引
き剥がす際に膜にキズが発生する問題があった。また、
いずれの場合も得られたペリクル膜に水によるシミが発
生したり、水中の微小の異物が膜上に付着する問題点も
あった。
【0004】これらの問題点を改善する方法として、可
とう性の環状枠(特開平2−84646号)や、弾性体
が介在した粘着剤層を少なくとも一端面に有する枠体
(特開平2−272550号)をそれぞれ基板上の塗膜
に貼り付け、これを空気中で引き剥がすことにより、塗
膜をこれらの枠状体へ移し取る方法が提案されている。
これらの方法によれば前記したシミの問題は解決され、
シワや、タルミ、キズの問題も大幅に軽減するに至っ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、異物が
膜上に付着する問題点については、幾分改善できたもの
の、微小の異物が無数に膜上に付着する現象がときおり
発生し、完全に解決するに至っていなかった。
【0006】異物の発生原因は以下のようなものである
と推定される。基板上にスピン塗布により塗膜を形成し
た場合、通常図1に示すように基板の側面部分にまで塗
膜が形成される。これに前記した剥離用の枠状体を貼り
付け塗膜を剥離した場合、塗膜が基板側面部分と基板表
面部分との境界面で引きちぎられる場合があり、この部
分から異物が発生する。発生した異物は塗膜を剥離する
際の空気の流れによって塗膜の内側に巻き込まれ、膜に
付着すると考えられる。さらに膜を基板から剥離する
際、膜は強く帯電するため、これが異物を吸い寄せ、異
物の付着をさらに促進しているものと推定される。
【0007】このような異物の問題以外にも、昨今の半
導体装置の高集積化に伴って、ペリクル膜の品質に対す
る要求は高まる一方であり、前記した異物の問題のみな
らずキズ、シワや、シミに対する品質も、より厳しい要
求がなされるようになってきた。このため、前記した異
物の問題も含め、不良の極めて少ない高品質なペリクル
膜を歩留り良く製造する方法が求められていた。
【0008】本発明は以上の問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、異物の付着による不良が少な
く、併せてキズ、シワなどが発生しない、高品質な光学
用樹脂薄膜を歩留りよく製造するための方法とそれに用
いられる枠状体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、前記した微
小の異物の発生と膜への付着を軽減できる方法を見出
し、この方法がキズ、シワなどの品質をも併せて向上す
ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の光学用樹脂薄膜の剥離方法は、前記
課題を解決するために、1)異物の発生源である基板側
面部分と基板周縁部分の塗膜を除去する工程、2)剥離
の際、異物の発生と拡散を防止するため、塗膜の周縁部
分の全周を、両面テープで覆うように可撓性の枠状体を
貼り付ける工程、発生した異物が内側に巻き込まれる
のを防止するため、塗膜を毎秒5cm以下の速度で引き
剥がす工程とからなり、剥離の際、塗膜が強く帯電して
周囲の異物を吸い寄せるのを防止する目的で塗膜、基
板、枠状体それぞれを除電することを特徴としている。
また、その剥離用枠状体は、上記した操作が可能となる
ように、両面テープが基板上の塗膜の周縁部を全て覆う
ように貼り付けられる。また剥離速度が枠状体の引上げ
速度によらずに一気に発生するのを防止するため、剥離
する際の反り角度が剥離開始時で5°以上であり、剥離
中の最大反り角度が50°以下となることを特徴として
いる。
【0010】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0011】本発明の光学用樹脂薄膜の剥離方法は、
1)基板側面部分と基板周縁部分の塗膜を除去する工
程、2)可撓性の枠状体を塗膜に貼り付ける工程、3)
塗膜を引き剥がす工程、の3つの工程からなっている。
【0012】本発明の剥離方法における、1)基板側面
部分と基板周縁部分の塗膜を除去する工程において、除
去する塗膜の範囲は、図2に示すように支持基板の側面
部分と、外周端部から内側に向かって0〜5mmの範囲
にある周縁部分の塗膜である。側面部分と周縁部分の塗
膜の除去が不十分である場合、塗膜を引き剥がす際に基
板側面部分と基板表面部分との境界面付近で塗膜が引き
ちぎられて、異物が多量に発生する場合があり好ましく
ない。また、周縁部分の塗膜の除去範囲が5mmを上回
る場合、続く2)枠状体を貼付ける工程で両面粘着テー
プが直接基板に強く粘着し、3)塗膜を引き剥がす工程
において、枠状体が基板から剥がれ難くなるため好まし
くない。
【0013】このように塗膜を除去する方法としては特
に限定するものではなく、例えば、支持基板を回転し
た状態で支持基板の周縁部に向かって、樹脂を溶解可能
な有機溶剤をノズルから吐出し、この部分の被膜を溶解
した後、溶液を回転による遠心力で流し去ることにより
行なう方法、塗膜を溶解可能な有機溶剤を染み込ませ
た布やスポンジなどを、塗膜の形成された基板の側面と
周縁部分に押し当てて、基材を徐々に回転させ、塗膜を
溶解させながら拭き取る方法などがあげられる。
【0014】本発明の剥離方法における、2)可撓性の
枠状体を塗膜に貼り付ける工程においては、図3及び図
4に示すように枠状体に装着された両面テープが、基板
上の塗膜の外周端部を全周に渡って覆うように貼り付け
られる。これは、先の1)基板側面部分と基板周縁部分
の塗膜を除去する工程で、除去した後の塗膜の外周端部
がかならずしも平滑に仕上げられず、部分的にバリが存
在するためで、このバリ部分も併せて粘着テープで粘着
して剥離するためのものである。両面粘着テープが、塗
膜の外周端部を十分に覆っていない場合、この部分のバ
リが塗膜の剥離の際に欠け落ちて、かえって異物発生の
原因となるため好ましくない。
【0015】枠状体と両面粘着テープの形状としては、
前記基板が円形である場合においては、枠状体の内周も
円形であって、その内径が対応する基板の外径より20
mm以上小さいものであり、これにドーナツ状の両面粘
着テープがその内周は枠状体の内周と同じ位置で、外周
は上記支持基板より直径で10mm以上大きくなるよう
に貼り付けられているものである。枠状体と両面粘着テ
ープの内径が対応する支持基板の外径より20mm以上
大きい場合や、両面粘着テープの外径が前記支持基板の
外径より10mm以上小さい場合には、塗膜を枠状体へ
固着するためののりしろが十分得られないため、塗膜と
枠状体とを貼り付ける際の位置関係の許容範囲が狭くな
り、塗膜の外周端部を十分に覆えない状況が生じる他、
塗膜と枠状体との固着力が弱くなり、塗膜を剥離できな
かったり、剥離した塗膜が枠状体から剥がれ落ちたりす
るおそれがある。
【0016】枠状体と両面粘着テープの内径、及び両面
粘着テープの外径についてはいずれも特に限定するもの
ではないが、対応する支持基板より製造する光学用樹脂
薄膜を効率良く得るために、枠状体と両面粘着テープの
内径は支持基板の外径より25mm以上小さくならない
ほうが好ましく、また、両面粘着テープの外径は枠状体
のハンドリングの点から支持基板の外径より15mm以
上大きくならないほうが好ましい。
【0017】また、枠状体の外周の形状については特に
限定するものではないが、正方形、正6角形、正8角形
などの正多面体又は円形などがあげられる。特に、枠状
体のハンドリングの点から正方形又は円形が好ましい。
【0018】本発明の剥離方法における、3)塗膜を基
板から引き剥がす工程において、枠状体はいずれか任意
の一端とその対角にある一端との双方を把持し、その片
側は固定し片側は引き起こすようにして、枠状体を反ら
せながら引き剥がされる。このとき、剥離の速度は毎秒
5cm以下となるように行なわれる。
【0019】ここで枠状体の両端を把持して、枠状体を
反らせながら剥離するのは、剥離速度が毎秒5cmを越
える速度で剥離するのを防ぐ目的で行われる。枠状体の
一端のみを把持して持ち上げる場合、剥離の後半部分で
剥離速度の制御が困難となり、一気に剥離が生じる場合
があり好ましくない。
【0020】また、同様の理由で枠状体は反らせながら
剥離する。この際の枠状体の反り角度は、塗膜の剥離開
始時で5°以上であり、剥離中の最大時で50°以下と
なるものである。ここでいう反り角度bとは、図5に示
すように、枠状体の一端部を持ち上げて樹脂塗膜を剥離
する際の剥離開始側の枠状体端部の接線aと、支持基板
とで構成される角度のことをいい、反り角度が0°の場
合は枠状体が全く反らされていない状態を指す。剥離開
始時の反り角度が5°を下回る場合、剥離開始部付近の
剥離が一気に生じてしまい、異物が巻き込まれて膜に付
着したり、樹脂薄膜にキズやシワが発生する場合があり
好ましくない。また、剥離中の最大反り角度が50°を
上回る場合、得られた樹脂薄膜に剥離方向と直行する向
きにスジ状のキズが発生しやすく好ましくない。
【0021】このような枠状体の材質としては、可撓性
のものであれば特に限定するものではないが、樹脂材
料、金属材料のなかから好ましく選ぶことができる。樹
脂性の好ましい材料としては、ポリアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、テフロンなどがあげられる。また金属性の好ま
しい材料としては、アルミニウム、ステンレススチール
などがあげられる。好ましい反り角度は、これらの材質
からなる枠状体の厚みを調整することで可能である。枠
状体の好ましい厚みについては、樹脂塗膜と支持基板と
の組合せによって、剥離する際に枠状体へ加わる応力が
異なるために、特に限定するものではなく、前記した反
り角度を満足するようにその都度調整される。
【0022】剥離の際、前記の枠状体、塗膜、支持基盤
はそれぞれ帯電圧±100V以内まで除電された状態で
行われる。除電が不十分で上記の範囲を逸脱する場合、
剥離時に発生する異物が樹脂薄膜に静電気によって吸い
寄せられ、樹脂薄膜に異物が多量に付着する場合があり
好ましくない。このような除電の方法としては、コロナ
放電現象によってイオン化された空気を前記の枠状体、
塗膜、支持基盤全体に静かに吹き付け、除電する方法な
どをあげることができる。このようなイオン化空気の発
生装置としては具体的にはイオン化エアー送風機、ヒュ
ーグルエレクトロニクス製などをあげることができる。
【0023】
【実施例】次に、実施例をあげて、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0024】実施例1 下記一般式(1)で示されるポリビニルプロピオナール
樹脂10g(重量平均分子量Mw;15.7万、重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn;
2.07)
【0025】
【化1】
【0026】(式中の数値は各繰り返し単位の組成比率
(モル分率)を示す値である。)とシクロヘキサノン9
5mlとからなる溶液を、ポアサイズ0.22μmのメ
ンブランフィルター(「フルオロポア」(商標)FP−
22、住友電工製)にてろ過し、塗布溶液とした。この
溶液を、表面に金属クロム薄膜がスパッタリングによっ
て形成されている円形の合成石英硝子基板(200mm
φ)上にスピン塗布した。続いて、基板を回転させたま
ま基板の周縁部に向かって、メチルエチルケトンをノズ
ルから吐出し、基板上に形成された樹脂塗膜のうち、基
板の側面部と外周端部から約2mmの範囲にある周縁部
分の塗膜を溶解除去した。次いでこの基板をホットプレ
ートにより加熱乾燥して樹脂塗膜を得た。
【0027】次に、内周が円形、内径が185mmφ、
外周が一片220mmの正方形、材質がポリカーボネー
ト、厚みが2mmの枠状体を準備し、これに内径が18
5mmφ、外径が205mmφのドーナッツ状の両面粘
着テープ(571、日東電工製)を準備し、粘着テープ
の内周と枠状体の内周とが一致するように貼り付け、剥
離用枠状体とした。
【0028】次いで、この剥離用枠状体を前記の支持基
板上の塗膜へ、塗膜の外周端部が上記の両面テープで完
全に覆われるように貼り付けた。
【0029】次に、枠状体の対角上の両角を掴み、その
片方を固定した。もう一方の角を持ち上げ、枠状体を反
らせながら、枠状体を支持基板から剥がしとった。剥離
はイオン化エアー送風機(ESCA150、ヒューグル
エレクトロニクス製)でイオン化された空気を吹き付け
ながら行った。この際、剥離は枠状体の反り角度が7°
を越えた付近で開始され、最大剥離角度は30°以下で
あった。また剥離速度は剥離開始から終了までほぼ一定
の速度でなされ、3m/s以下で剥離した。剥離直後の
樹脂薄膜と支持基板の帯電圧を測定したところ、樹脂薄
膜が50V、支持基板が−20Vであった。
【0030】以上と同様の操作を繰り返し、樹脂薄膜を
50枚製造した。
【0031】得られた樹脂薄膜を投光機(YP−150
I、ヤマダ光学工業製)を用い、20万ルクスの照度で
全数目視観察した結果、サイズ5μm以上15μm未満
相当の付着異物数は全樹脂薄膜の平均値で2.3個であ
り、サイズ15μm以上30μm未満相当の付着異物数
は全樹脂薄膜の平均値で0.1個であり、また、サイズ
30μm以上相当の異物については全く認められなかっ
た。さらに、その他のキズ、シワなどの発生は50枚全
てについて全く認められなかった。
【0032】実施例2 主鎖に環状エーテル構造を有する非晶質含フッ素樹脂と
パーフルオロ溶剤とからなる溶液(「サイトップ」(商
標)、旭硝子製)を、円形の合成石英硝子基板(200
mmφ)上にスピン塗布した。続いてこの基板をホット
プレートにより加熱乾燥して、樹脂塗膜を得た。得られ
た塗膜のうち、基板の側面と外周端部から約2mmの周
縁部分の塗膜を、パーフルオロ溶剤(「アフルード」
(商標)E−10、旭硝子製)を染込ませたガーゼを用
いて溶解させながら拭き取った。
【0033】次に、内周形状が円形、内径が185mm
φ、外周形状が一片220mmの正方形、材質がポリカ
ーボネート、厚みが1.5mmの枠状体を準備し、これ
に内径が185mmφ、外径が205mmφのドーナッ
ツ状の両面粘着テープ(501L、日東電工製)を準備
し、粘着テープの内周が枠状体の内周と一致するように
貼り付け、剥離用枠状体とした。
【0034】次いで、剥離用枠状体を前記の支持基板上
の塗膜へ、塗膜の外周端部が上記の両面テープで覆われ
るように貼り付けた。
【0035】次に、枠状体の対角上の両角を掴み、その
片方を固定した。もう一方の角を持ち上げ、枠状体を反
らせながら、枠状体を支持基板から剥がしとった。剥離
はイオン化エアー送風機(ESCA150、ヒューグル
エレクトロニクス製)でイオン化された空気を吹き付け
ながら行った。この際、剥離は枠状体の反り角度が10
°を越えた付近で開始され、最大剥離角度は35°以下
であった。また剥離速度は剥離開始から終了までほぼ一
定の速度でなされ、3m/s以下で剥離した。剥離直後
の樹脂薄膜と支持基板の帯電圧を測定したところ、樹脂
薄膜が50V、支持基板が−20Vであった。
【0036】以上と同様の操作を繰り返し、樹脂薄膜を
50枚製造した。
【0037】得られた樹脂薄膜を投光機(YP−150
I、ヤマダ光学工業製)を用い、20万ルクスの照度で
全数目視観察した結果、サイズ5μm以上15μm未満
相当の付着異物数は全樹脂薄膜の平均値で3.6個であ
り、サイズ15μm以上30μm未満相当の付着異物数
は全樹脂薄膜の平均値で0.15個であり、サイズ30
μm以上相当の異物については全く認められなかった。
また、その他のキズ、シワなどの発生は50枚全てにつ
いて全く認められなかった。
【0038】比較例1 実施例1で使用したポリビニルプロピオナール溶液を、
表面に金属クロム薄膜がスパッタリングによって形成さ
れている円形の合成石英硝子基板(200mmφ)上に
スピン塗布した。次いでこの基板をホットプレートによ
り加熱乾燥して、樹脂塗膜を得た。この塗膜について
は、実施例1で実施したような基板側面と周縁部の塗膜
の除去作業を実施せず、そのまま実施例1で用いた枠状
体を貼り付けた。
【0039】次に、枠状体の対角上の両角を掴み、その
片方を固定した。もう一方の角を持ち上げ、枠状体を反
らせながら、枠状体を支持基板から剥がしとった。剥離
はイオン化エアー送風機(ESCA150、ヒューグル
エレクトロニクス製)でイオン化された空気を吹き付け
ながら行った。剥離はその開始枠状体の反り角度が25
°を越えた付近で開始され、最大剥離角度は30°以下
であった。また剥離速度は剥離開始から終了までほぼ一
定の速度でなされ、3m/s以下で剥離した。剥離直後
の樹脂薄膜と支持基板の帯電圧を測定したところ、樹脂
薄膜が80V、支持基板が−70Vであった。
【0040】以上と同様の操作を繰り返し、樹脂薄膜を
50枚製造した。
【0041】得られた樹脂薄膜を投光機(YP−105
I、ヤマダ光学工業製)を用い、20万ルクスの照度で
全数目視観察した結果、サイズ5μm以上15μm未満
相当の付着異物数は全樹脂薄膜の平均値で15.3個で
あり、サイズ15μm以上30μm未満相当の付着異物
数は全樹脂薄膜の平均値で2.3個であり、サイズ30
μm以上相当の異物についても全樹脂薄膜の平均値で
1.2個認められた。さらに、50枚中3枚について、
剥離開始部付近に樹脂膜が伸びることで発生したような
キズがみられた。
【0042】比較例2 実施例1で使用したポリビニルプロピオナール溶液を、
表面に金属クロム薄膜がスパッタリングによって形成さ
れている円形の合成石英硝子基板(200mmφ)上に
スピン塗布した。次いでこの基板をホットプレートによ
り加熱乾燥して、樹脂塗膜を得た。この塗膜について、
実施例1と同様にして、基板側面と周縁部の塗膜の除去
作業を実施した。
【0043】次に、内周が円形、内径が185mmφ、
外周形状が一片220mmの正方形、材質がポリカーボ
ネート、厚みが5mmの枠状体を準備し、これに内径が
185mmφ、外径が205mmφのドーナッツ状の両
面粘着テープ(571、日東電工製)を準備し、粘着テ
ープの内周と枠状体の内周とが一致するように貼り付
け、剥離用枠状体とした。
【0044】次いで、剥離用枠状体を前記の支持基板上
の塗膜へ、塗膜の外周端部が上記の両面テープで覆われ
るように貼り付けた。
【0045】次に、枠状体の角のうち一箇所のみを把持
し、持ち上げて、枠状体を支持基板から剥がしとった。
剥離はイオン化エアー送風機(ESCA150、ヒュー
グルエレクトロニクス製)でイオン化された空気を吹き
付けながら行った。剥離はその開始枠状体の反り角度が
3°付近で開始され、最大剥離角度は10°以下であっ
た。剥離速度については、剥離開始時の枠状体の反り角
度が不足したことと、枠状体の片側のみを把持して引き
剥がされたことにより、剥離開始部と終了部付近で、5
m/s以上の速度で剥離した。剥離直後の樹脂薄膜と支
持基板の帯電圧を測定したところ、樹脂薄膜が45V、
支持基板が−20Vであった。
【0046】以上と同様の操作を繰り返し、樹脂薄膜を
50枚製造した。
【0047】得られた樹脂薄膜を投光機(YP−105
I、ヤマダ光学工業製)を用い、20万ルクスの照度で
全数目視観察した結果、50枚中2枚にサイズ5μm以
下の異物が無数に付着しており、これとは別にサイズ5
μm以上15μm未満相当の付着異物数は全樹脂薄膜の
平均値で6.5個であり、サイズ15μm以上30μm
未満相当の付着異物数は全樹脂薄膜の平均値で0.8個
であり、サイズ30μm以上相当の異物についても全樹
脂薄膜の平均値で0.2個認められた。さらに、50枚
中9枚について、剥離開始部付近または終了部付近に樹
脂膜が伸びることで発生したようなキズがみられた。
【0048】比較例3 実施例2で用いた非晶質含フッ素樹脂溶液(「サイトッ
プ」(商標)、旭硝子製)を、円形の合成石英硝子基板
(200mmφ)上にスピン塗布した後、ホットプレー
トにより加熱乾燥して、樹脂塗膜を得た。この塗膜につ
いて、実施例2と同様にして、基板側面と周縁部の塗膜
の除去作業を実施した。
【0049】次に、実施例2で使用したものと同じ枠状
体を準備し、これを実施例2と同様に塗膜に貼り付け
た。
【0050】次に、枠状体の対角上の両角を掴み、その
片方を固定した。もう一方の角を持ち上げ、枠状体を反
らせながら、枠状体を支持基板から剥がしとった。この
時、特に除電は実施しなかった。剥離は枠状体の反り角
度が10°を越えた付近で開始され、最大剥離角度は3
5°以下であった。また剥離速度は剥離開始から終了ま
でほぼ一定の速度でなされ、3m/s以下で剥離した。
剥離直後の樹脂薄膜と支持基板の帯電圧を測定したとこ
ろ、樹脂薄膜が12500V、支持基板が−13750
Vであった。
【0051】以上と同様の操作を繰り返し、樹脂薄膜を
50枚製造した。
【0052】得られた樹脂薄膜を投光機(YP−105
I、ヤマダ光学工業製)を用い、20万ルクスの照度で
全数目視観察した結果、50枚中6枚にサイズ5μm以
下の異物が無数に付着しており、これとは別にサイズ5
μm以上15μm未満相当の付着異物数は全樹脂薄膜の
平均値で15.8個であり、サイズ15μm以上30μ
m未満相当の付着異物数は全樹脂薄膜の平均値で1.7
個であった。さらに、サイズ30μm以上相当の異物に
ついても全樹脂薄膜の平均値で0.9個認められた。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
異物の付着による不良が少なく、併せてキズ、シワなど
が発生しない、光学用樹脂薄膜の剥離方法及びその剥離
用枠状体を提供するものである。
【0054】従って、本発明の剥離方法を用いた光学用
樹脂薄膜の製造によれば、年々品質への要求が厳しくな
りゆく光学用樹脂薄膜(特に、ペリクル膜)を、高品質
に歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持基板上にスピン塗布法にて塗膜を形成した
場合の断面図。
【図2】スピン塗布にて形成した塗膜のうち、支持基板
の側面部と外周端部から0〜5mmの範囲にある周縁部
分の塗膜を除去した状態の断面図。
【図3】支持基板上の塗膜に剥離用の枠状体を接着した
状態の平面図。
【図4】支持基板上の塗膜に剥離用の枠状体を接着した
状態の断面図。
【図5】剥離用枠状体の反り角度を示す図。
【符号の説明】
1…支持基板 2…樹脂塗膜 3…支持基板の側面部と外周縁部にある塗膜を除去した
状態の塗膜 4…剥離用枠状体 5…両面粘着テープ a…枠状体の剥離開始端の接線 b…反り角度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)スピン塗布により円形の支持基板上
    に形成された塗膜のうち、支持基板の側面部分と、基板
    の外周端部から内側に向かって0〜5mmの範囲にある
    塗膜を除去する工程、2)その一側面に両面粘着テープ
    を貼り付けた可撓性の枠状体を、支持基板上の塗膜に貼
    り付ける際、両面粘着テープが塗膜の外周端部を全周覆
    うようにして貼り付ける工程、3)枠状体の任意の両端
    を把持し、その片側は固定し、片側は引き起こすように
    して枠状体を反らせながら、支持基板の一方向からその
    対角方向へ向かって毎秒5cm以下の速度で塗膜を連続
    的に引き剥がし、枠状体へ移しとる工程からなることを
    特徴とする光学用樹脂薄膜の剥離方法。
  2. 【請求項2】 塗膜を支持基板から引き剥がす際、塗
    膜、枠状体及び支持基板をそれぞれ帯電圧±100V以
    内まで除電することを特徴とする請求項1に記載の光学
    用樹脂薄膜の剥離方法。
  3. 【請求項3】 可撓性の枠状体の内周が円形であり、こ
    の内周部から外周に向かってドーナツ状に両面粘着テー
    プが貼り付けられており、これらの内径が対応する支持
    基板の外径より20mm以上小さく、両面粘着テープの
    外径が対応する支持基板の外径より10mm以上大きい
    ことを特徴とする光学用樹脂薄膜の剥離用枠状体。
  4. 【請求項4】 塗膜を支持基板から引き剥がす際の可撓
    性の枠状体の反り角度が、塗膜の剥離開始時で5°以上
    であり、剥離中の最大時で50°以下であることを特徴
    とする請求項3に記載の光学用樹脂薄膜の剥離用枠状
    体。
JP22588593A 1993-09-10 1993-09-10 光学用樹脂薄膜の剥離方法及びその剥離用枠状体 Pending JPH0780865A (ja)

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