JPH0779591A - Dcブラシレスモータ駆動回路 - Google Patents

Dcブラシレスモータ駆動回路

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JPH0779591A
JPH0779591A JP6161563A JP16156394A JPH0779591A JP H0779591 A JPH0779591 A JP H0779591A JP 6161563 A JP6161563 A JP 6161563A JP 16156394 A JP16156394 A JP 16156394A JP H0779591 A JPH0779591 A JP H0779591A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回路構成を複雑化することなく、モータの駆
動特性を確保し、DCブラシレスモータの定常運転時に
発生するスパイク性ノイズを低減させる。 【構成】 DCブラシレスモータを定格速度で回転させ
る定常運転時に、そのモータコイルからリニア検出され
る逆起電圧を上記モータの駆動入力信号源として使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DC(直流)ブラシレ
スモータの駆動回路に関し、さらにはセンサレス多相D
Cブラシレスモータの駆動回路に適用して有効な技術に
関する。本発明は、たとえば、ハードディスク・ドライ
ブ(以下、HDDとも言う)やフロッピィディスク・ド
ライブ(以下、FDDとも言う)に使用されるスピンド
ルモータの駆動回路に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】小型ワークステーションやパーソナルコ
ンピュータなどのデータ処理装置の外部記憶装置とし
て、ハードディスク・ドライブ(以下、HDDとも言
う)やフロッピィディスク・ドライブ(以下、FDDと
も言う)が使用されている。これらの外部記憶装置は、
スピンドルモータによって回転された磁気ディスク(磁
気メディアとも言う)のトラックにデータを磁気ヘッド
で書き込んだり、あるいは磁気ディスクのトラックに書
き込まれたデータを磁気ヘッドで読み出す様になってい
る。
【0003】データ処理装置の処理速度の向上とアプリ
ケーションソフトの大規模化のため、磁気ディスク上で
のデータ記録密度(面記録密度)の高密度化およびハー
ドディスク・ドライブやフロッピィディスク・ドライブ
のデータ伝送速度の高速化が、年々進められている。
【0004】一方、データ処理装置の小型化や省電力化
のため、ハードディスク・ドライブやフロッピィディス
ク・ドライブの装置自体の小型化、薄型化および省電力
化も、年々進められている。
【0005】たとえば、ハードディスク・ドライブにお
いて、それに内蔵される磁気ディスクの直径として、
3.5インチ、2.5インチ、1.8インチの様に徐々
に直径の小さな磁気ディスクが開発されている。また、
ハードディスク・ドライブの装置自体の厚さも、ラップ
トップ型パーソナルコンピュータやノート型パーソナル
コンピュータの小型化、薄型化の要求に対応して、10
mmの様に薄型化されている。
【0006】このような、ハードディスク・ドライブの
装置自体の薄型化は、それに内蔵されるスピンドルモー
タの薄型化を進め、結果的に、スピンドルモータのロー
タの位置検出素子(ホール素子)をスピンドルモータか
ら削除し、ロータの内部にモータコイルを組み込んだと
ころのインハブ型センサレススピンドルモータが開発さ
れるに至った。したがって、ロータの位置検出素子(ホ
ール素子)の様なセンサを必要としないセンサレスブラ
シレスモータを高精度に回転制御するための駆動方式
(センサレス駆動方式)を考慮する必要がある。
【0007】このようなセンサレス・ブラシレスDC
(直流)モータの駆動方法に関しては、「センサレス・
ブラシレスDCモータの駆動技術」、東芝発行、東芝レ
ビュー1990 vol.45 No.9、756〜7
58頁、がある。
【0008】この文献によれば、センサレス3相DCブ
ラシレスモータを定格速度で回転させる定常運転におい
て、各相のモータコイルのそれぞれに誘起される逆起電
圧Eu,Ev,Ewのゼロクロス点をコンパレータで検
出し、このゼロクロス点をタイミング基準にしてディジ
タル的な3相パルス信号U1,V1,W1を作成し、こ
の3相パルス信号U1,V1,W1を駆動入力信号源と
する3つの出力アンプによって、上記3つのモータコイ
ルを通電駆動することが行なわれている。
【0009】また、3相DCブラシレスモータの駆動方
式としては、各相のモータコイルをそれぞれ両方向から
通電駆動する全波駆動と、各相のモータコイルをそれぞ
れ片方向だけから通電駆動する半波駆動とがある。大き
なトルクの必要なモータの起動時には、モータが全波駆
動によって駆動される。一方、モータの回転数がある程
度の回転数に達した後トルクがあまり必要でないので、
モータの駆動方式が全波駆動から半波駆動に切り替えら
れて、モータが駆動される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術には、次のような問題のあることが本発明者らに
よってあきらかとされた。
【0011】すなわち、上述したDCブラシレスモータ
駆動回路では、各相のモータコイルへの駆動電流が、デ
ィジタル的なパルス信号U1,V1,W1によって制御
されるため、その駆動電流の立上り/立下り時の過渡現
象によるスパイク性ノイズの発生が著しい。このノイズ
は、電圧ノイズ、音響ノイズ、電磁波ノイズの形で現
れ、周囲に悪影響を及ぼす。
【0012】そこで、本発明者らは、そのスパイク性ノ
イズを低減させるため、モータコイルへの駆動電流の立
上り/立下り速度を遅らせるスルーレート制御を行なう
ことを検討した。
【0013】しかし、このスルーレート制御を行なう
と、回路が複雑化するとともに、そのスルーレート制御
にともなって生じる通電相の切り替え遅れによってモー
タの駆動効率が低下する、という問題を生じることがあ
きらかになった。
【0014】また、ブラシレスモータの半波駆動におい
ては、各相のモータコイルLu,Lv,Lwの中性点N
が電源電位Vccにプルアップされた状態で、各相のモ
ータコイルLu,Lv,Lwが半波駆動される。そのた
め、非通電相の駆動トランジスタには、その中性点Nの
電圧(Vcc−Vsat:VsatはトランジスMcの
飽和電圧)とモータコイル(Lu,Lv,Lw)に生じ
る逆起電圧Emとの加算電圧Vr(Vr=Em/2+V
cc−Vsat)が印加されてしまう。
【0015】この結果、3つのモータコイルを相別に通
電駆動する3つの駆動トランジスタにはそれぞれ、上記
電圧Vr(Vr=Em/2+Vcc−Vsat)に十分
に耐えられるだけの耐圧が必要となり、この耐圧を得る
ために、高耐圧のトランジスタを形成可能な製造プロセ
スが必要となる。その結果、上記駆動トランジスタが形
成される半導体チップ上において大きな素子形成面積が
必要になってしまう。
【0016】また、モータの回転を制御するためのパワ
ー制御は、3つのモータコイルを相別に駆動する3つの
駆動トランジスタの通電電流によって行なっている。こ
のため、各駆動トランジスタをそれぞれアクティブ状態
でリニア動作させなければならず、そのための回路構成
が複雑になる。
【0017】本発明の目的は、回路構成を複雑化するこ
となく、モータの駆動特性を確保しながら、センサレス
のDC(直流)ブラシレスモータの定常運転時に発生す
るスパイク性ノイズを低減させることが可能な技術を提
供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、回路構成を複雑化す
ることなく、DC(直流)ブラシレスモータの半波駆動
を行なうことにある。
【0019】本発明のさらに他の目的は、センサレスの
DC(直流)ブラシレスモータの全波駆動および半波駆
動を行ない、かつ、半波駆動において駆動トランジスタ
に必要な耐圧を低くさせることが可能な技術を提供する
ことにある。
【0020】本発明の前記ならびにそのほかの目的と特
徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかにな
るであろう。
【0021】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0022】すなわち、DCブラシレスモータを定格速
度で回転させる定常運転時に、そのモータコイルからリ
ニア検出される逆起電圧(誘起電圧)の位相情報および
振幅情報がそのまま使用され、その逆起電圧は上記モー
タの駆動トランジスタの駆動入力信号源として使用され
る。すなわち、定常運転時において、モータコイルから
検出される逆起電圧が、直接的に、駆動トランジスタの
制御入力端子に印加される。
【0023】一方、ブラシレスモータの半波駆動におい
ては、通電相ごとに設けられたモータコイルの各一端の
それぞれは、相ごとにオンまたはオフに2値的に制御さ
れる駆動トランジスタを介して接地基準電位(第1電源
電圧)に接続される。そして、上記モータコイルの各他
端を互いに共通接続した中性点は、アクティブ状態でリ
ニア動作する制御トランジスタを介して、電源電位(第
2電源電圧)に接続される。
【0024】
【作用】上述した手段によれば、モータの駆動特性の低
下原因となるスルーレート制御に依存することなく、モ
ータコイルへの駆動電流の過渡現象を緩和させることが
できる。すなわち、モータコイルからリニア検出される
逆起電圧(誘起電圧)は正弦波状となっており、その位
相情報および振幅情報を用いてモータコイルへの駆動電
流が駆動トランジスタによって形成される。その結果、
駆動トランジスタの制御入力に印加される逆起電圧(誘
起電圧)は正弦波状となっているので、駆動トランジス
タによって形成される駆動電流の立上りおよび立下り
は、ディジタル的に切り替わるのではなく、リニア的な
所定の傾きを有することになる。言い替えるならば、駆
動トランジスタによって形成される駆動電流の波形は、
台形状にされる。
【0025】したがって、駆動電流の立上りおよび立下
りがリニア的な所定の傾きを有しているので、ブラシレ
スモータの定常運転時において、相切り替えに伴うスパ
イク性ノイズの発生が抑制される。これにより、回路構
成を複雑化することなく、モータの駆動特性を確保しな
がら、DCブラシレスモータの定常運転時に発生するス
パイク性ノイズを低減させる、という目的が達成され
る。
【0026】さらに、各モータコイルの各一端のそれぞ
れはオン状態になる通電相の駆動トランジスタによって
ほぼ確実に接地基準電位に接続されることにより、非通
電相の駆動トランジスタに印加される逆起電圧に電源電
位がそのまま加算されるのを回避させることができる。
【0027】また、各相のモータコイルを相別に通電駆
動する駆動トランジスタはオンまたはオフに2値制御さ
れれば良いので、それらの駆動トランジスタをアクティ
ブ状態でリニア動作させる場合に比べて、回路構成を大
幅に簡略化させることができる。これにより、回路構成
を複雑化することなく、ブラシレスモータの半波駆動を
行なうトランジスタの必要耐圧を低くする、という目的
が達成される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面を参照し
ながら説明する。なお、図において、同一符号は同一あ
るいは相当部分を示すものとする。図1は、本発明の技
術が適用されたDC(直流)ブラシレスモータ駆動回路
1の一実施例の回路ブロック図を示している。
【0029】本実施例のブラシレスモータ駆動回路1
は、単結晶シリコンのような四角形の1つの半導体基板
IC上に、周知の半導体集積回路製造技術によって形成
される。なお、同図において、上記ブラシレスモータ駆
動回路1を示している四角形の線上に記載された複数の
丸印は、上記ブラシレスモータ駆動回路1の外部端子を
示している。
【0030】点線で囲まれたモータMは、ロータの位置
検出器としてのホール素子(ホールセンサー)の省略さ
れたセンサレス型3相DCブラシレスモータを示してい
る。上記モータMは3つのモータコイルLu,Lv,L
wを有し、各モータコイルLu,Lv,Lwの 片側
一端は共通接続されて中性点とされる。一方、各モータ
コイルLu,Lv,Lwの他端および上記中性点は、ブ
ラシレスモータ駆動回路1の外部端子U,V,Wにそれ
ぞれ結合される。モータMにおいて、モータMのロータ
が回転される時、上記モータコイルLu,Lv,Lwに
誘起される逆起電圧はEu,Ev,Ewとして示され
る。
【0031】モータ駆動回路1は、上記モータコイルに
誘起される逆起電圧Eu,Ev,Ewを相ごとに分離し
て検出するリニアアンプ(AMP)1u,1v,1wを
含み、各リニアアンプ(AMP)1u,1v,1wのそ
れぞれの入力端子(+、−)はアッテネッタ(抵抗減衰
器)ATTを介して、外部端子U, V, W, Nに結
合される。各リニアアンプ(AMP)1u,1v,1w
のそれぞれの入力端子(−)は、外部端子 Nに結合さ
れる。一方、リニアアンプ(AMP)1uの入力端子
(+)は、アッテネッタ(抵抗減衰器)ATTの抵抗素
子R1とR2との共通接続点に結合される。抵抗素子R
1の他端は外部端子Uに結合され、抵抗素子R2の他端
は外部端子Nに結合される。同様に、リニアアンプ(A
MP)1vの入力端子(+)は、アッテネッタ(抵抗減
衰器)ATTの抵抗素子R3とR4との共通接続点に結
合される。抵抗素子R3の他端は外部端子Vに結合さ
れ、抵抗素子R4の他端は外部端子Nに結合される。リ
ニアアンプ(AMP)1wの入力端子(+)は、アッテ
ネッタ(抵抗減衰器)ATTの抵抗素子R5とR6との
共通接続点に結合される。抵抗素子R5の他端は外部端
子Wに結合され、抵抗素子R6の他端は外部端子Nに結
合される。
【0032】ロー・パス・フィルタ(LPF)2u,2
v,2wのそれぞれは、上記リニアアンプ(AMP)1
u,1v,1wのよって検出された逆起電圧を受けるよ
うに、上記リニアアンプ(AMP)1u,1v,1wの
出力端子に結合される。ロー・パス・フィルタ(LP
F)2u,2v,2wは、上記リニアアンプ(AMP)
1u,1v,1w、出力アンプ5v、5u、5wおよび
モータコイルLu,Lv,Lwから構成される帰還ルー
プの位相補償を行なうために設けられる。ロー・パス・
フィルタ(LPF)2u,2v,2wは、位相補償手段
とみなされる。
【0033】ロー・パス・フィルタ(LPF)2u,2
v,2wの出力信号U2,V2,W2は、切換回路3内
のスイッチング素子SW1、SW2、SW3の第1入力
端子(1i)にぞれぞれ供給される。一方、切換回路3
内のスイッチング素子SW1、SW2、SW3の第2入
力端子(2i)には、上記モータコイルLu,Lv,L
wへの通電比を決定するマトリクス回路4の出力信号U
1,V1,W1がぞれぞれ供給される。したがって、切
換回路3内のスイッチング素子SW1、SW2、SW3
は、モード制御信号MCの電気的信号レベルの状態に応
答し、ロー・パス・フィルタ(LPF)2u,2v,2
wの出力信号U2, V2, W2とマトリクス回路(M
TR)4の出力信号U1,V1,W1とのいずれか一方
の出力信号(U2,V2,W2またはU1,V1,W
1)を、選択的にスイッチング素子SW1、SW2、S
W3の出力端子(o)に供給するように、制御される。
【0034】出力アンプ5u,5v,5wは、上記モー
タコイルLu,Lv,Lwへの通電駆動を行なう。出力
アンプ5u,5v,5wの入力端子は、スイッチング素
子SW1、SW2、SW3の出力端子(o)にそれぞれ
結合され、スイッチング素子SW1、SW2、SW3の
出力端子(o)から選択的に供給されるロー・パス・フ
ィルタ(LPF)2u,2v,2wの出力信号U2,V
2,W2あるいはマトリクス回路4の出力信号U1,V
1,W1を受けるようにされる。出力アンプ5u,5
v,5wは、スイッチング素子SW1、SW2、SW3
の出力端子(o)から選択的に供給されるロー・パス・
フィルタ(LPF)2u,2v,2wの出力信号U2,
V2,W2あるいはマトリクス回路4の出力信号U1,
V1,W1に応答し、上記モータコイルLu,Lv,L
wに選択的に供給すべき駆動電流を形成し、外部端子
U, V, Wに出力する。
【0035】電流検出用の抵抗素子Rnfは、上記モータ
コイルLu,Lv,Lwに流された駆動電流を電圧値に
変換するためのであり、その一端は外部端子Rに結合さ
れ、その他端は0ボルトのような回路の接地基準電位
(第1電源電圧)に結合される。電流制御アンプ(AM
P4)6は、外部端子Rに結合された第1入力(−)と
外部端子VCTLに結合された第2入力(+)とを有す
る。電流制御アンプ(AMP4)6は、抵抗素子Rnfに
よって変換された電圧値と外部端子VCTLに供給され
た速度制御信号Vctlの電圧値との電位差に基づいて、
上記出力アンプ5u,5v,5wの通電量を制御するた
めの電流制御信号Ictlを上記出力アンプ5u,5v,
5wに出力する。
【0036】モータ起動用クロック発生器(OSC)7
1は、モータMを停止状態から起動する時に用いられる
クロック信号CLKを出力するために設けられる。すな
わち、モータMは、停止状態から起動される時に、クロ
ック信号CLKに同期して駆動されるところの同期運転
によって回転される。
【0037】72は相選択スイッチ、73は電圧比較器
(CMP1)、74はゼロクロス検出器(ZED)、7
5はコミュテーションシーケンサ(COMS)、8は電
圧比較器(CMP2)であり、以下で詳細に説明され
る。
【0038】切換回路3はバイポーラトランジスタ(あ
るいはMOSFET)などから構成されたアナログスイ
ッチ(SW1、SW2、SW3)を用いて構成され、第
1と第2の2つの被選択ポート(1i、2i)のいずれか
一方を切換選択して出力アンプ5u,5v,5wの入力
に接続する。この切換回路3内のアナログスイッチ(S
W1、SW2、SW3)の切換制御は、ヒステリシス特
性をもつ電圧比較器(CMP2)8の出力信号とされる
モード制御信号MCによって行なわれる。電圧比較器
(CMP2)8は、基準電圧値Vrが供給される外部端
子Vrefに結合された第1入力(−)と外部のマイクロ
コンピュータから速度制御信号Vctlが供給されるとこ
ろの外部端子VCTLに結合された第2入力(+)とを
有する。
【0039】すなわち、電圧比較器(CMP2)8は、
速度制御信号Vctlの電圧値が所定の基準電圧値Vr
の電圧値以下の場合、モータMが定格速度で回転してい
る定常運転時の場合、第1の被選択ポート(1i)に与
えられる信号(U2,V2,W2)が出力アンプ5u,
5v,5wの入力に供給されるように、たとえばローレ
ベルのモード制御信号MCを切換回路3に供給する。一
方、電圧比較器(CMP2)8は、速度制御信号Vct
lの電圧値が上記基準電圧値Vrの電圧値以上の場合、
たとえば、モータMの起動から定格速度で回転するまで
の同期運転および逆起検出運転の場合、第2の被選択ポ
ート(2i)に与えられるマトリクス回路4の出力信号
(U1,V1,W1)が出力アンプ5u,5v,5wの
入力に供給されるように、たとえばハイレベルのモード
制御信号MCを切換回路3に供給する。
【0040】電流制御アンプ(AMP4)6は、出力ア
ンプ5u,5v,5wによるモータコイルへの通電量
を、上記速度制御信号Vctlに応じて可変制御する。す
なわち、電流制御アンプ(AMP4)6は、抵抗Rnfに
よって検出される出力アンプ5u,5v,5wのコイル
駆動電流の値が上記速度制御信号Vctlによって設定さ
れる電流の値となるように、上記出力アンプ5u,5
v,5wの駆動電流の出力レベル(電流利得)を調整す
るための電流制御信号Ictlを上記出力アンプ5u,5
v,5wに出力する。すなわち、電流制御アンプ(AM
P4)6は、負帰還制御を行う。
【0041】相選択スイッチ72、電圧比較器73、お
よびゼロクロス検出器74は、モータコイルLu,L
v,Lwに誘起される逆起電圧Eu,Ev,Ewのゼロ
クロス点を、相ごとに分離して検出するために設けられ
る逆起電圧検出回路とみなされる。
【0042】コミュテーションシーケンサ75は、モー
タ起動用のクロック信号CLKによって与えられるタイ
ミング基準、または相ごとに検出される逆起電圧Eu,
Ev,Ewのゼロクロス点をタイミング基準にして、マ
トリックス回路(MTR)4の各入力に対して、タイミ
ング信号とされる出力信号TU1,TV1,TW1を出
力する。マトリックス回路(MTR)4は、コミュテー
ションシーケンサ75の出力信号TU1,TV1,TW
1に基づいて、上記モータMの駆動入力信号源となるデ
ィジタル的な3相パルス信号U1,V1,W1を作成す
る。この3相パルス信号U1,V1,W1は上記選択回
路3の第2の被選択ポート(2i)に与えられるように
なっている。
【0043】相選択スイッチ72、電圧比較器73、ゼ
ロクロス検出器74およびコミュテーションシーケンサ
75は、以下のように動作する。
【0044】モータMの起動時、発振回路OSCから供
給されるクロック信号CLKを用いて、コミュテーショ
ンシーケンサ75が動作され、モータMの同期運転が行
われる。コミュテーションシーケンサ75は、同期運転
において、モータMに正方向の回転を生じさせるよう
に、クロック信号CLKに同期して、モータMのコイル
Lu,Lv,Lwの通電相を順次相切り替えるためのタ
イミング信号TU1,TV1,TW1を発生する。
【0045】一方、モータMが同期回転し始めて、モー
タMのコイルLu,Lv,Lwに逆起電圧Eu,Ev,
Ewが発生したところで、モータMの運転が、同期運転
から、モータMのコイルLu,Lv,Lwの各相の逆起
電圧Eu,Ev,EwとモータMの中性点(外部端子
N)の電位とのゼロクロス点を捕えて相切り替えを行う
逆起検出運転に切り替えられる。
【0046】逆起検出運転において、モータMの回転に
よって発生する各相の逆起電圧Eu,Ev,Ewとモー
タMの中性点の電位とのゼロクロス点に同期して相切り
替えが行われる。モータMは、回転トルクを維持しなが
ら正転方向に回転される。モータMのコイルLu,L
v,Lwの各相の逆起電圧Eu,Ev,Ewの検出は、
検出相切り替えスイッチとされる相選択スイッチ72、
電圧比較器73、ゼロクロス検出器74によって行われ
る。
【0047】相選択スイッチ72は、外部端子U,V,
Wのそれぞれに電気的に結合された一端と、共通接続さ
れた他端とを有する3つのスイッチ回路から構成され、
3つのスイッチ回路の共通接続された他端は電圧比較器
73の第1入力(+)に結合される。電圧比較器73の
第2入力(−)は、外部端子Nに電気的に結合される。
電圧比較器73の比較出力は、ゼロクロス検出器74に
供給され、ゼロクロス検出器74によって検出された各
相の逆起電圧Eu,Ev,EwとモータMの中性点の電
位とのゼロクロス点に関する情報がコミュテーションシ
ーケンサ75に供給される。したがって、コミュテーシ
ョンシーケンサ75は、ゼロクロス点に関する情報に基
づいて、マトリックス回路(MTR)4の各入力に対し
て、タイミング信号とされる出力信号TU1,TV1,
TW1を出力する。マトリックス回路(MTR)4は、
コミュテーションシーケンサ75の出力信号TU1,T
V1,TW1に基づいて、上記モータMの駆動入力信号
源となるディジタル的な3相パルス信号U1,V1,W
1を作成する。
【0048】逆起検出運転において、逆起電圧は非通電
相に発生したものだけしか検出できないため、コミュテ
ーションシーケンサ75は相選択スイッチ72に対して
相選択信号Lselを発生し、随時非通電相の逆起電圧の
みが検出されるように相選択スイッチ72を制御する。
また、通電相の切り替え直後は、モータMのキックバッ
クによって誤検出の可能性があるので、コミュテーショ
ンシーケンサ75はマスク信号MASKをゼロククロス
検出器74に出力し、通電相の切り替え直後におけるゼ
ロクロス検出器74のゼロクロス点の検出が禁止される
ようになっている。なお、ゼロクロス検出器74の出力
信号は、外部端子PHASEにも供給され、モータ駆動
回路1の外部に結合されるマイクロコンピュータに対し
て、モータMの速度信号として速度制御などに利用され
る。
【0049】一方、コミュテーションシーケンサ75
は、ゼロクロス検出回路74にゼロクロス検出方向指定
信号DIRを出力する。このゼロクロス検出方向指定信
号DIRは、モータMの中性点Nの電位と各検出相の逆
起電圧(Eu,Ev,Ew)とのゼロクロス点の方向を
指定するため信号である。すなわち、モータMの中性点
Nの電位と各検出相の逆起電圧(Eu,Ev,Ew)と
のゼロクロス点のゼロクロスタイミングの方向は、1)
逆起電圧(Eu,Ev,Ew)が中性点Nの電位以下の
電位から中性点Nの電位以上の電位に変化する場合、
2)逆起電圧(Eu,Ev,Ew)が中性点Nの電位以
上の電位から中性点Nの電位以下の電位に変化する場合
の2通りの場合がある。したがって、検出しようとする
ゼロクロス点の方向が、上記1)の場合か上記2)の場
合なのかを信号DIRによって指定することによって、
所望のゼロクロスタイミングが、誤りなく検出されるこ
とになる。
【0050】一方、モータMが定格速度(定格回転)で
回転させられる定常運転の時、リニアアンプ1u,1
v,1wおよびロー・パス・フィルタ2u,2v,2w
は、逆起電圧Eu,Ev,Ewの正弦波形をそのまま残
した3相の正弦波信号U2,V2,W2を上記選択回路
3の第1の被選択ポート(1i)を介して、出力アンプ
5u、5v、5wの入力に与えられるようになってい
る。
【0051】すなわち、モータMを定格速度(定格回
転)で回転させる定常運転時に、そのモータコイルL
u,Lv,Lwからリニア検出される逆起電圧(誘起電
圧)の位相情報および振幅情報がそのまま使用され、そ
の逆起電圧は上記モータMの駆動入力信号源として使用
される。定常運転時において、モータコイルから検出さ
れる逆起電圧が、直接的に、出力アンプ5u、5v、5
wの駆動トランジスタの制御入力端子に印加される。
【0052】モータコイルからリニア検出される逆起電
圧(誘起電圧)は正弦波状となっており、その位相情報
および振幅情報を用いてモータコイルLu,Lv,Lw
への駆動電流が出力アンプ5u、5v、5wの駆動トラ
ンジスタによって形成される。その結果、出力アンプ5
u、5v、5wの駆動トランジスタの制御入力に印加さ
れる逆起電圧(誘起電圧)は正弦波状となっているの
で、出力アンプ5u、5v、5wの駆動トランジスタに
よって形成される駆動電流の立上りおよび立下りは、デ
ィジタル的に切り替わるのではなく、リニア的な所定の
傾きを有することになる。言い替えるならば、出力アン
プ5u、5v、5wの駆動トランジスタによって形成さ
れる駆動電流の波形は、台形状にされる。したがって、
駆動電流の立上りおよび立下りがリニア的な所定の傾き
を有しているので、ブラシレスモータMの定常運転時に
おいて、相切り替えに伴うスパイク性ノイズの発生が抑
制される。
【0053】図2は、リニアアンプ(AMP)1u,1
v,1wとロー・パス・フィルタ(LPF)2u,2
v,2wの具体的な回路図を示している。
【0054】リニアアンプAMPは、入力端子(+)に
ベース電極が結合されたpnp型バイポーラトランジス
タQ100と入力端子(−)にベース電極が結合された
pnp型バイポーラトランジスタQ101とを有する。
トランジスタQ100とQ101のそれぞれのエミッタ
電極は、エミッタ抵抗素子Re1とRe2に結合される。
エミッタ抵抗素子Re1とRe2の共通接続点は、定電流
源Icsを介して回路の電源電圧(第2電源電圧)Vccが
供給されるノードに結合される。
【0055】トランジスタQ100とQ101のコレク
タ電極は、npn型バイポーラトランジスタQ102と
Q103のコレクタ電極にそれぞれ結合される。トラン
ジスタQ102のベース電極は、トランジスタQ102
のコレクタ電極に結合されて、ダイオード接続される。
トランジスタQ102のベース電極は、トランジスタQ
103のベース電極にも結合されており、トランジスタ
Q102とQ103のエミッタ電極は回路の接地基準電
位(第1電源電圧)GNDに結合される。したがって、
トランジスタQ102とQ103は、トランジスタQ1
00とQ101の負荷回路を構成するところのカレント
ミラー回路とされる。
【0056】トランジスタQ101のコレクタ電極は、
たとえば、抵抗素子R100および容量素子C100か
らなるロー・パス・フィルタ(LPF)を介して、切換
回路3の各スイッチSWの第1入力(1i)に結合され
る。また、トランジスタQ101のコレクタ電極は、負
荷抵抗素子R101を介して接地基準電位に結合され
る。したがって、リニアアンプAMPは入力端子(+)
と入力端子(−)とに供給される電圧信号に基づいて正
弦波状の逆起電圧を出力し、その正弦波信号はロー・パ
ス・フィルタ(LPF)を介して切換回路3の第1入力
(1i)に供給されることになる。
【0057】図3は、モータ駆動回路1の出力アンプ5
u,5v,5wの具体的回路図を示している。なお、図
3は当業者にとってその動作が容易に理解されるので、
詳細な説明はされないが、以下に簡単に説明される。
【0058】出力アンプ5u,5v,5wにおいて、n
pnバイポーラトランジスタQ24とQ28のペア、n
pnバイポーラトランジスタQ34とQ38のペア、お
よびnpnバイポーラトランジスタQ44とQ48のペ
アはそれぞれ、各相のモータコイルLu,Lv,Lwを
駆動するプッシュプル方式の出力段を形成する。この場
合、Q24,Q34,Q44は電流ソース側の出力駆動
トランジスタ、Q28,Q38,Q48は電流シンク側
の出力駆動トランジスタとされる。pnpバイポーラト
ランジスタQ23,33,43は、出力駆動トランジス
タQ24,Q34,Q44のベース電流を形成するため
に設けられる。一方、npnバイポーラトランジスタQ
26とQ27のペア、npnバイポーラトランジスタQ
36とQ37のペア、およびnpnバイポーラトランジ
スタQ46とQ47のペアはそれぞれ、出力駆動トラン
ジスタQ28,Q38,Q48のベース電流を形成する
ために設けられる。
【0059】npnバイポーラトランジスタQ21,Q
31,Q41はエミッタ共通の3差動アンプを形成し、
最も高い電位がベースに入力されたトランジスタだけが
択一的に導通して、他のトランジスタは遮断する。導通
したトランジスタは、そのコレクタ側につながる電流ソ
ース側の出力トランジスタを導通させる。なお、トラン
ジスタQ21,Q31,Q41の各ベース電極(制御入
力端子)は、切換回路3内のSW1、SW2、SW3の
出力端子(o)に結合されることになる。
【0060】また、pnpバイポーラトランジスタQ2
5,35,45もエミッタ共通の3差動アンプを形成
し、最も低い電位がベースに入力されたトランジスタだ
けが択一的に導通して、他のトランジスタは遮断する。
導通したトランジスタは、そのコレクタ側につながる電
流シンク側のトランジスタを導通させる。なお、pnp
バイポーラトランジスタQ22,32,42のトランジ
スタは、pnpバイポーラトランジスタQ25,35,
45の電流源として利用される。
【0061】モータコイルの駆動パワーの制御は、電流
シンク側の出力トランジスタQ28,Q38,Q48の
共通エミッタと接地基準電位GNDの間に直列に介在さ
せられた電流センス抵抗Rnfによって検出される駆動電
流をモニターしながら行なわれる。図1において説明さ
れたように、電流センス抵抗Rnfによって検出される駆
動電流にもとずいて、電流制御アンプ6は、電流制御信
号IctlをトランジスタQ21,Q31,Q32の共通
エミッタに供給するようになっている。
【0062】トランジスタQ21,Q31,Q32が、
切換回路3内のSW1、SW2、SW3の出力端子
(o)から供給される3相信号Ux,Vx,Wxにした
がって交代に1つずつ導通し、これにより、電流ソース
側の出力トランジスタQ24,Q34,Q44も通電相
に応じて1つずつ交代に導通させられるようになる。こ
れとともに、3差動アンプを形成するトランジスタQ2
5,35,45のうち、ベース入力電位が最も低くなっ
たトランジスタが導通し、この導通したトランジスタに
つながる電流シンク側の出力トランジスタが導通させら
れることにより、モータMが全波駆動される。
【0063】次に、回路動作が説明される。図4は、モ
ータの起動時におけるモータ起動用のクロックCLKと
マトリクス回路4の出力信号U1,V1,W1との波形
を示している。
【0064】モータMの起動時、モータMは、先に述べ
られたように、クロックCLKに基づいて同期運転され
る。図4に示すように、モータ起動用のクロックCLK
に基づいて作成される3相ディジタルパルス信号U1,
V1,W1が、マトリクス回路4から切換回路3を介し
て出力アンプ5u,5v,5wに駆動入力信号源として
与えられる。
【0065】図5は、モータMが起動されて定格速度に
達するまでの間のモータMの逆起電圧とマトリクス回路
4信号U1,V1,W1との波形を示している。モータ
Mが起動されて定格速度に達するまでの間、モータM
は、先に述べられたように、逆起電圧検出運転される。
図5に示すように、相ごとに検出される逆起電圧Eu,
Ev,Ewのゼロクロス点に基づいて作成される3相デ
ィジタルパルス信号U1,V1,W1が、マトリクス回
路4から切換回路3を介して出力アンプ5u,5v,5
wに駆動入力信号源として与えられる。
【0066】図6は、モータが定格速度(定格回転)に
達した場合の、逆起電圧Eu,Ev,Ewとロー・パス
・フィルタ2u,2v,2wの出力およびモータコイル
の駆動電流の波形を示している。モータが定格速度に達
すると、モータMは、先に述べられたように、モータコ
イルに発生する逆起電圧Eu,Ev,Ewの位相情報お
よび振幅情報をそのまま利用して駆動される。本明細書
では、このような運転方法が、ソフトスイッチング運転
と呼ばれることもある。
【0067】モータMが定格速度に達すると、図6に示
すように、各モータコイルLu,Lv,Lwに発生する
逆起電圧がリニアアンプ1u,1v,1wによって検出
される。リニアアンプ1u,1v,1wによって検出さ
れた各モータコイルLu,Lv,Lwの逆起電圧は、さ
らに、ロー・パス・フィルタ2u,2v,2wを通過し
た後、3相正弦波信号U2,V2,W2として、切換回
路3を介して出力アンプ5u,5v,5wに駆動入力信
号源として与えられるようになる。
【0068】このとき、モータコイルLu(Lv,L
w)、リニアアンプ1u(1v,1w)、ロー・パス・
フィルタ2u(2v,2w)と出力アンプ5u(5v,
5w)とによって形成される経路は、一種の正帰還ルー
プとみなすことができるので、安定性に注意することが
必要である。しかし、いったん定格速度に達したモータ
Mの駆動電流は、電流制御アンプ8の出力信号とされる
電流制御信号Ictlによって小さく絞り込まれるため、
その正帰還のループ利得は小さくなる。したがって、正
帰還ループは形成されるものの、その正帰還による動作
の不安定化は回避することができる。
【0069】さらに、本発明の実施例では、誘導性負荷
とされるモータコイルLu,Lv,Lwの駆動におい
て、高周波数領域における正帰還ループのループ利得
(ゲイン)の上昇を抑えるために、ロー・パス・フィル
タ2u,2v,2wが上記正帰還ループ内に挿入され
る。さらに、正帰還ループ全体の利得調整のために、ア
ッテネッタATTが正帰還ループ内に挿入される。した
がって、アッテネッタATTの挿入、ロー・パス・フィ
ルタ2u,2v,2wによる位相補償、および電流制御
アンプ8による出力アンプ5u,5v,5wの通電量の
制御によって、上記正帰還ループのループ利得(ゲイ
ン)は確実に低下させられる。
【0070】これにより、モータ駆動回路1のソフトス
イッチング運転に基づき正帰還ループが形成されたとし
ても、モータ駆動回路1の動作の不安定化は確実に抑制
される。言い替えるならば、上記ソフトスイッチング運
転においては、基本的に正帰還ループが構成されること
になるので、位相補償用にロー・パス・フィルタ2u,
2v,2wが用いられている。また、モータMの駆動電
流が増加すると、各相の出力アンプ5u,5v,5wに
利得が高くなり、正帰還ループが不安定となる。そこ
で、モータMが定格回転数に達してモータMの駆動電流
が絞られたところでのみ、モータ駆動回路1がソフトス
イッチング運転に切り替えられる。
【0071】図6に示すように、モータコイルLu,L
v,Lwの駆動電流波形は、そのピークがつぶれた波形
となるが、スパイク性ノイズの発生が問題となる駆動電
流の立上り/立下り付近で駆動電流の波形は滑らかに保
たれている。
【0072】すなわち、出力アンプ5u、5v、5wの
駆動トランジスタの制御入力に印加される逆起電圧(誘
起電圧)は正弦波状となっているので、出力アンプ5
u、5、v5wの駆動トランジスタによって形成される
駆動電流の立上りおよび立下りは、ディジタル的に切り
替わるのではなく、リニア的な所定の傾きを有すること
になる。言い替えるならば、出力アンプ5u、5v、5
wの駆動トランジスタによって形成される駆動電流の波
形は、台形状にされる。
【0073】したがって、駆動電流の立上りおよび立下
りがリニア的な所定の傾きを有しているので、ブラシレ
スモータMの定常運転時において、相切り替えに伴うス
パイク性ノイズの発生が抑制される。駆動電流の立上り
および立下りがリニア的な所定の傾きを有している理由
は、図3に示された出力アンプ5u、5v、5wの具体
的回路図において、駆動トランジスタQ21、Q31、
Q41、Q25、Q35、Q45のベース電極(制御入
力)に正弦波状の入力信号を印加したことを考えれば、
容易に理解されるであろう。
【0074】図7は、モータMの回転数とモータ駆動回
路1の動作モードとの関係を示している。同図に示され
る区間Aは、モータMが起動されたときを示しており、
モータ駆動回路1は同期運転によって、モータMを駆動
する。このとき、モード制御信号MCはローレベルとさ
れ、出力アンプ5u、5v、5wの駆動電流値は大きい
ので、センス抵抗Rnfによって検出されるセンス電圧は
大きな値となっている。
【0075】同図に示される区間Bは、モータMが起動
され定格速度に至るまでの期間を示しており、モータ駆
動回路1は逆起検出運転によって、モータMを駆動す
る。このとき、モード制御信号MCはローレベルとさ
れ、出力アンプ5u、5v、5wの駆動電流値は大きい
ので、センス抵抗Rnfによって検出されるセンス電圧は
大きな値となっている。
【0076】同図に示される区間Cは、モータMが定格
速度に達した期間を示しており、モータ駆動回路1はソ
フトスイッチング運転によって、モータMを駆動する。
このとき、モード制御信号MCはハイレベルとされ、出
力アンプ5u、5v、5wの駆動電流値は、小さくされ
ている。したがって、センス抵抗Rnfによって検出され
るセンス電圧は、モータMが定格速度で運転されている
ので、小さな値となっている。
【0077】図8は、図1に示されたモータ駆動回路1
を利用した磁気記憶装置、たとえば、ハードディスクド
ライブ(HDD)装置のシステムブロック図を示してい
る。なお、同図において、スピンドルモータ制御部は、
モータ駆動回路1に対応するので、その参照番号を60
1として示しており、以下スピンドルモータ制御部60
1はモータ駆動回路1と同一とみなされる。
【0078】ハードディスクドライブ(HDD)装置
は、図1のモータMに相当するスピンドルモータ22
と、上記スピンドルモータ22によって回転駆動されて
いる磁気ディスク200の所望トラックに対して情報
(データ)の読み出しあるいは情報に書き込みを行う磁
気ヘッド300と、読み出しデータあるいは書き込みデ
ータに所定の処理を行う信号処理糸400と、ハードデ
ィスクドライブ(HDD)装置の外部に対して読み出し
データあるいは書き込みデータのやり取りを行うインタ
ーフェイス系500と、上記モータ22および磁気ヘッ
ド300を駆動する機構駆動系600とを含む。そし
て、上記機構駆動系600の中にスピンドルモータ制御
部601が組み込まれ、スピンドルモータ制御部601
が上記モータ22の速度制御および起動制御を担ってい
る。
【0079】信号処理糸400は、磁気ヘッド300に
結合されたリードアンプおよびライトアンプ401と、
データ再生回路402と、エンコーダ/デコーダ403
などを含む。インターフェイス系500は、ファイルデ
ータプロセッサ501、SCSI(small computer sy
stem interface)コントローラ502と、CPU(マイ
クロコンピュータ、中央処理装置)503を含む。機構
駆動系600は、上記スピンドルモータ制御部601に
加えて、磁気ヘッド300を駆動するボイスコイルモー
タドライバ602を有する。
【0080】上記スピンドルモータ制御部601は、図
1に示されるゼロクロス検出器74の出力信号を外部端
子PHASEからマイクロコンピュータ503に対して
供給するようにされ、マイクロコンピュータ503はゼ
ロクロス検出器74の出力信号をモータM(スピンドル
モータ22)の速度信号として速度制御などに利用す
る。マイクロコンピュータ503は、ゼロクロス検出器
74の出力信号を受け、それに基づいて、図1に示され
る速度制御信号Vctlをスピンドルモータ制御部60
1の外部端子VCTLに供給する。このようにして、モ
ータM(スピンドルモータ22)の速度がスピンドルモ
ータ制御部601によって制御されることになる。
【0081】以上のように、定常運転時のモータ駆動電
流は、少なくともその相切り替えが正弦波状に行なわれ
て、スパイク性ノイズの原因となる急激なコイル駆動電
流の切り替わりが回避される。これにより、モータ駆動
特性の低下原因となるスルーレート制御に依存すること
なく、モータコイルLu,Lv,Lwへの駆動電流の過
渡現象を緩和させることができる。したがって、回路構
成を複雑化することなく、モータの駆動特性を確保しな
がら、DCブラシレスモータの定常運転時に発生するス
パイク性ノイズを低減させることが可能になる。
【0082】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実施
例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえ
ば、切換回路3の制御は、モータの逆起電圧などに基づ
いて検出される回転速度によって行なわせるようにして
もよい。
【0083】以上の説明では主として、本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野である3相
DCブラシレスモータ駆動回路に適用した場合について
説明したが、それに限定されるものではなく、あらゆる
種類の多相モータの駆動回路に適用できる。
【0084】以下、本発明の他の実施例を図面を参照し
ながら説明する。図9は、本発明の技術が適用されたブ
ラシレスモータの半波駆動回路の一実施例を示したもの
であって、Mは3相DCブラシレスモータ、Lu,L
v,Lwはモータコイル、Em(EU,Ev,Ew)は
上記モータコイルに生じる逆起電圧、Mu,Mv,Mw
は出力アンプ5に含まれ、上記モータコイルの各一端を
それぞれ接地基準電位GNDに接続するパワー電界効果
トランジスタ(駆動トランジスタ)、Mcは上記モータ
コイルの各他端を互いに共通接続した中性点Nを電源電
位Vccに接続するパワー電界効果トランジスタ、14
は上記中性点Nに接続されたトランジスタMcをアクテ
ィブ状態でリニア動作させるアンプ、21はパワー制御
回路(速度制御回路)である。
【0085】次に、動作について説明する。モータコイ
ルLu,Lv,Lwの各一端に接続されたトランジスタ
Mu,Mv,Mwは、マトリックス回路4から入力され
る多相信号Ux,Vx,Wxによってオン/オフ制御さ
れる。これにより、モータコイルLu,Lv,Lwの各
一端は、上記多相信号Ux,Vx,Wxにしたがって交
代に接地基準電位GNDに接続されて通電駆動される。
この場合、各トランジスタMu,Mv,Mwはそれぞ
れ、飽和状態でのオンまたはカットオフ状態でのオフの
いずれかに2値制御され、アクティブ状態でのリニア動
作は行なわない。
【0086】一方、モータコイルLu,Lv,Lwの中
性点Nに接続されたトランジスタMcは、パワー制御回
路21からアンプ14を介して入力される制御信号によ
りアクティブ状態でリニア動作させられ、電源電位Vc
cから上記中性点Nに供給される駆動電流Icを可変制
御する。
【0087】以上のようにして、ブラシレスモータM
は、モータコイルLu,Lv,Lwの各一端に接続され
たトランジスタMu,Mv,Mwのオン/オフ動作によ
って半波駆動されるとともに、モータコイルLu,L
v,Lwの中性点Nに接続されたトランジスタMcがア
クティブ状態でリニア動作させられることによって、上
記モータMの回転を制御するためのパワー制御が行なわ
れる。
【0088】このとき、カットオフ状態になった非通電
相のトランジスタには、通電相のモータコイルと非通電
相のモータコイルにそれぞれ生じる2つの逆起電圧の和
が印加される。たとえば、トランジスタMuがオン状態
で、トランジスタMw,Mvがカットオフ状態となった
場合、トランジスタMwには、モータコイルLuに生じ
る逆起電圧EuとモータコイルLwに生じる逆起電圧E
wとが加算されて印加される。
【0089】ところが、この2つの逆起電圧EuとEw
は互いに相を違えて発生する電圧であり、たとえば3相
の場合は120度の位相差がある。このため、その2つ
の逆起電圧EuとEwを加算した電圧(Eu+Ew)の
最大ピークは、EuとEwのそれぞれの最大ピークを単
純加算した場合よりも大幅に低くなる。
【0090】しかも、一方の逆起電圧Euを発生するモ
ータコイルLuの一端が、飽和状態でオンする通電相の
トランジスタMuによってほぼ確実に接地基準電位GN
Dに接続されるため、図10に示すように、非通電相の
トランジスタMwに印加される電圧Vrは、上記加算電
圧(Eu+Ew)にトランジスタMuの飽和電圧Vsa
tを加算しただけの電圧にすることができる。他の非通
電相のトランジスタMvについても同様である。
【0091】このように、モータコイルLu,Lv,L
wの各一端がそれぞれ、オン状態となる通電相のトラン
ジスタ(Mu)によってほぼ確実に接地基準電位に接続
されることにより、非通電相のトランジスタ(Mv,M
w)に印加される逆起電圧に電源電位Vccがそのまま
加算されるのが回避される。
【0092】また、各相のモータコイルLu,Lv,L
wを相別に通電駆動するトランジスタMu,Mv,Mw
はオンまたはオフに2値制御されれば良いので、アクテ
ィブ状態でリニア動作させる場合に比べて、回路構成を
大幅に簡略化させることができる。これにより、回路構
成を複雑化することなく、ブラシレスモータMの半波駆
動を行なうトランジスタMu,Mv,Mwの必要耐圧を
低くすることができる。
【0093】図11は、本発明の思想を適用した出力ア
ンプ5をバイポーラ・トランジスタを使って構成した場
合の具体的な回路図を示す。同図に示す出力アンプ5の
回路は、3相DCブラシレスモータMを全波駆動と半波
駆動に切り替えて使用できるようにした出力アンプであ
って、pnpとnpnの2種類のバイポーラ・トランジ
スタQ11〜Q48によって構成されている。出力アン
プ5は、モータMのコイルLuを駆動するための出力段
5uと、モータMのコイルLvを駆動するための出力段
5vと、モータMのコイルLwを駆動するための出力段
5wとを含む。さらに、モータMを全波駆動と半波駆動
に切り替えて使用できるように、出力アンプ5の動作を
制御する制御回路55が設けられる。
【0094】まず、npnバイポーラ・トランジスタQ
24とQ28のペア、npnバイポーラ・トランジスタ
Q34とQ38のペア、およびnpnバイポーラ・トラ
ンジスタQ44とQ48のペアはそれぞれ、各相のモー
タコイルLu,Lv,Lwを駆動するプッシュプル方式
の出力段を形成する。この場合、トランジスタQ24,
Q34,Q44は電流ソース側の出力駆動トランジス
タ、トランジスタQ28,Q38,Q48は電流シンク
側の出力駆動トランジスタとなる。pnpバイポーラト
ランジスタQ23,33,43は、出力駆動トランジス
タQ24,Q34,Q44のベース電流を形成するため
に設けられる。
【0095】一方、npnバイポーラトランジスタQ2
6とQ27のペア、npnバイポーラトランジスタQ3
6とQ37のペア、およびnpnバイポーラトランジス
タQ46とQ47のペアはそれぞれ、出力駆動トランジ
スタQ28,Q38,Q48のベース電流を形成するた
めに設けられる。npnバイポーラ・トランジスタQ2
4とQ28のペア、Q34とQ38のペア、およびQ4
4とQ48のペアにおいて、電流シンク側の出力トラン
ジスタの駆動能力が電流ソース側の出力トランジスタの
駆動能力より大きくなるように、npnバイポーラトラ
ンジスタQ36とQ37のペア、およびnpnバイポー
ラトランジスタQ46とQ47のペアのカレントミラー
比が選択される。
【0096】npnバイポーラ・トランジスタQ11,
Q21,Q31,Q41はエミッタ共通の4差動アンプ
を形成し、最も高い電位がベースに入力されたnpnバ
イポーラ・トランジスタだけが択一的に導通して、他の
トランジスタは遮断する。導通したトランジスタは、そ
のコレクタ側につながる電流ソース側の出力トランジス
タを導通させる。
【0097】また、pnpバイポーラ・トランジスタQ
25,35,45もエミッタ共通の3差動アンプを形成
し、最も低い電位がベースに入力されたpnpバイポー
ラ・トランジスタだけが択一的に導通して、他のトラン
ジスタは遮断する。導通したトランジスタは、そのコレ
クタ側につながる電流シンク側のトランジスタを導通さ
せる。
【0098】ここで、Q11のベース入力(制御入力)
をQ21,Q31,Q41のベース入力(制御入力)に
対して常に最高電位になるように、駆動方式切り換え指
定信号とされる切り換え信号Dselの電位を設定すると、
pnpバイポーラ・トランジスタQ12、Q13および
npnバイポーラトランジスタQ14が導通状態になる
とともに、電流ソース側の出力トランジスタQ24,Q
34,Q44が遮断状態になり、電流シンク側のQ2
8,Q38,Q48だけがそれぞれの通電相にてオン動
作することにより、モータMが半波駆動される。Q12
は、半波駆動時において、トランジスタQ25,Q3
5,Q45の電流源として動作する。すなわち、半波駆
動において、npnバイポーラトランジスタQ21,Q
31,Q41およびpnpバイポーラ・トランジスタQ
22、Q32、Q42は動作状態にされないからであ
る。
【0099】このとき、導通状態のトランジスタQ14
はアクティブ状態でリニア動作し、中性点Nへの通電量
によってモータMの駆動パワーを制御する。なお、この
駆動パワー制御は、電流シンク側の出力トランジスタQ
28,Q38,Q48の共通エミッタと接地基準電位G
NDの間に直列に介在させられた電流センス抵抗Rsに
よって検出される駆動電流をモニターしながら行なわれ
る。
【0100】一方、トランジスタQ11のベース入力を
トランジスタQ21,Q31,Q41のベース入力に対
して常に最低電位になるように切り換え信号Dselの電位
を設定すると、トランジスタQ11、Q12、Q13お
よびQ14が非導通状態にされ、トランジスタQ11以
外のトランジスタQ21,Q31,Q32が多相信号U
x,Vx,Wxにしたがって交代に1つずつ導通し、こ
れにより、電流ソース側の出力トランジスタQ24,Q
34,Q44も通電相に応じて1つずつ交代に導通させ
られるようになる。pnpバイポーラ・トランジスタQ
22、Q32、Q42は、このとき、トランジスタQ2
5,Q35,Q45の電流源として動作する。
【0101】これとともに、3差動アンプを形成するト
ランジスタQ25,35,45のうち、ベース入力電位
が最も低くなったトランジスタが導通し、この導通した
トランジスタにつながる電流シンク側の出力トランジス
タが導通させられることにより、モータMが全波駆動さ
れる。
【0102】図12は、全波駆動時のモータコイルに流
れる電流の順番を示し、図13は、半波駆動時のモータ
コイルに流れる電流の順番を示している。モータコイル
Lu,Lv,Lwが全波駆動方式で駆動される時、モー
タコイルLu,Lv,Lwには、図12に丸付き数字
1,2,3,4,5,6で示される様な順番に、図12
に示される様な方向へ駆動電流が流されることになる。
一方、モータコイルLu,Lv,Lwが半波駆動方式で
駆動される時、モータコイルLu,Lv,Lwには、図
13に丸付き数字1,2,3で示される様な順番に、図
13に示される様な方向へ、中性点Nから駆動電流が流
されることになる。
【0103】図14は、図11に示された出力アンプ
を、図1に適用する場合の構成を示す回路図をである。
図14に示された出力アンプ5、および制御回路55の
回路構成および回路動作自体は、図11に示されたそれ
と変わりが無いので、その説明は省略される。
【0104】図11と異なるところは、図11のマトリ
ックス回路4が、図14においては、図1に示された切
換回路3に変更されているところである。したがって、
トランジスタQ21とQ25の各ベース(制御入力)電
極、トランジスタQ31とQ35の各ベース(制御入
力)電極、トランジスタQ41とQ45の各ベース(制
御入力)電極は、図14において、切換回路3内のスイ
ッチング素子SW1、SW2、SW3の各出力端子
(o)に、それぞれ結合される。
【0105】この場合、トランジスタQ11のベースに
入力される切り換え信号Dselは、図8のCPU503
からモータ駆動回路(図1における参照番号1で示され
る)の外部端子に供給されることになる。図8のCPU
503は、図7に示される区間Bの途中、すなわち、モ
ータMの回転数がある程度定格回転数Noに近づいたと
ころで、モータMの駆動方式を全波駆動方式から半波駆
動方式へ切り換えるために、切り換え信号Dselをモー
タ駆動回路(図1における参照番号1で示される)の外
部端子に供給することになる。
【0106】したがって、モータ駆動回路は、モータM
の起動時、同期運転によってモータMを駆動する。その
後、モータMが同期回転し始めて、モータMのコイルL
u,Lv,Lwに逆起電圧Eu,Ev,Ewが発生した
ところで、モータ駆動回路の運転は、同期運転から、モ
ータMのコイルLu, Lv, Lwの各相の逆起電圧E
u,Ev,EwとモータMの中性点(外部端子N)の電
位とのゼロクロス点を捕えて相切り替えを行う逆起検出
運転に切り替えられる。そして、図8のCPU503
は、モータの回転数がある程度定格回転数Noに近づい
たことを、モータ駆動回路から供給される速度信号P1
(図1参照)に基づいて認識し、図7に示される区間B
の途中でモータ駆動回路の駆動方式を全波駆動方式から
半波駆動方式に変更するため、切り換え信号Dselをモ
ータ駆動回路(図1における参照番号1で示される)の
外部端子に供給する。
【0107】そして、モータMの回転数が定格回転数N
oに達した時、すなわち、図7に示される区間Cにおい
て、そのモータコイルLu,Lv,Lwからリニア検出
される逆起電圧(誘起電圧)の位相情報および振幅情報
がそのまま使用されてモータMが駆動されるところのソ
フトスイッチング運転に、モータ駆動回路(図1におけ
る参照番号1で示される)の動作モードが切り換えられ
る。すなわち、切換回路3は、モード切り換え信号MC
に応答して、出力アンプ5u,5v,5wの駆動入力信
号源として、マトリックス回路4の出力U1,V1,W
1に代わりに、リニアアンプ(1u,1v,1w)およ
びロー・パス・フィルタ(2u,2v,2w)の出力信
号とされる3相正弦波信号U2,V2,W2を、出力ア
ンプ5u,5v,5wに駆動入力信号源として選択す
る。したがって、上記ソフトスイッチング運転におい
て、モータMは半波駆動方式で駆動されていることにな
る。
【0108】したがって、大きなトルクの必要なモータ
の起動直後には、モータMが全波駆動方式によって駆動
される。一方、モータMの回転数がある程度の回転数に
達した後、モータMの駆動方式が全波駆動方式から半波
駆動方式に切り替えられて、モータMの回転速度が加速
される。モータMの回転数が定格回転数に達した時、定
常運転時に発生するスパイク性ノイズを低減させるた
め、モータMはソフトスイッチング運転によって、半波
駆動方式で駆動される。
【0109】図15は、モータMを、ソフトスイッチン
グ運転時において、半波駆動方式で駆動した場合のタイ
ミング波形図を示している。このタイミング波形図は、
図6と比較してわかるように、各モータコイルLu,L
v,Lwの駆動電流は、各モータコイルLu,Lv,L
wに発生する逆起電圧の低レベル期間にのみ、各モータ
コイルLu,Lv,Lwに供給されていることがわか
る。
【0110】以上のようにして、全波駆動と半波駆動が
容易に切り替え行なわれるとともに、半波駆動の際に
は、モータコイルLu,Lv,Lwの各一端がそれぞ
れ、オン状態になる通電相のトランジスタによって確実
に接地基準電位GNDに接続されることにより、非通電
相のトランジスタに印加される逆起電圧に電源電位がそ
のまま加算されるのを回避させることができる。
【0111】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実施
例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0112】以上の説明では主として、本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野である3相
DCブラシレスモータの半波駆動回路に適用した場合に
ついて説明したが、それに限定されるものではなく、あ
らゆる種類の多相モータの半波駆動回路にも適用でき
る。
【0113】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものの効果を簡単に説明すれば、下記のとおりで
ある。
【0114】すなわち、回路構成を複雑化することな
く、モータの駆動特性を確保しながら、DCブラシレス
モータの定常運転時に発生するスパイク性ノイズを低減
させることができる、という効果が得られる。
【0115】また、回路構成を複雑化することなく、ブ
ラシレスモータの半波駆動を行なうトランジスタの必要
耐圧を低くすることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の技術が適用されたDCブラシレスモー
タ駆動回路の回路図を示す。
【図2】図1に示されるリニアアンプおよびロー・パス
・フィルタの回路図の一例を示す。
【図3】図1に示される出力アンプの具体的回路図の一
例を示す。
【図4】同期運転時の動作波形のチャート図を示す。
【図5】逆起検出運転時の動作波形のチャート図を示
す。
【図6】ソフトスイッチング運転時の動作波形のチャー
ト図を示す。
【図7】モータの回転数とモータの運転方式との関係を
示している。
【図8】図1のモータ駆動回路を用いた記憶ドライブ装
置のシステムブロック図を示す。
【図9】本発明の技術が適用されたブラシレスモータの
半波駆動回路の概略構成を示す回路図である。
【図10】図9に示した回路の概略動作を示す波形チャ
ート図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す出力アンプの回路
図である。
【図12】全波駆動方式におけるコイル駆動電流の駆動
順序および電流方向を説明する図を示している。
【図13】半波駆動方式におけるコイル駆動電流の駆動
順序および電流方向を説明する図を示している。
【図14】図11に示された出力アンプ回路を図1の出
力アンプに適用した場合の回路図を示す。
【図15】モータMを、ソフトスイッチング運転時にお
いて、半波駆動方式で駆動した場合のタイミング波形図
を示している。
【符号の説明】
M センサレス3相DCブラシレスモータ Lu,Lv,Lw モータコイル N 中性点 1u,1v,1w リニアアンプ 2u,2v,2w ロー・パス・フィルタ 3 切換回路 4 マトリクス回路 5u,5v,5w 出力アンプ Rs 電流検出用シャント抵抗 6 電流制御アンプ 71 モータ起動用クロック発生器 72 相選択スイッチ 73 電圧比較器 74 ゼロクロス検出器 75 コミュテーションシーケンサ 8 電圧比較器 Eu,Ev,Ew 逆起電圧 U1,V1,W1 3相パルス信号 U2,V2,W2 3相正弦波信号 CLK 起動用クロック Em 逆起電圧の振幅 Vcc 電源電位 GND 接地基準電位 Mu,Mv,Mw トランジスタ Mc トランジスタ 14 アンプ 21 パワー制御回路(速度制御回路)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータを通電駆動する出力アンプと、上
    記モータのコイルに発生する逆起電圧を検出するリニア
    アンプを含み、上記モータを定格速度で回転させる定常
    運転時に、上記リニアアンプの出力が上記出力アンプの
    入力信号源とされることを特徴とするモータ駆動回路。
  2. 【請求項2】 上記リニアアンプによって検出された逆
    起電圧に位相補償を行なうロー・パス・フィルタを含
    み、上記モータを定格速度で回転させる定常運転時に、
    上記ロー・パス・フィルタで位相補償された逆起電圧が
    上記出力アンプの入力信号源とされることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載のモータ駆動回路。
  3. 【請求項3】 上記出力アンプの通電量を制御する電流
    制御回路を含み、上記モータが定格速度で回転させる定
    常運転時、上記出力アンプの通電量は上記電流制御回路
    によって低減されることを特徴とする特許請求の範囲第
    2項記載のモータ駆動回路。
  4. 【請求項4】 モータに駆動電流を出力する出力アンプ
    と、上記モータのコイルに発生する正弦波状の逆起電圧
    を検出するリニアアンプと、上記リニアアンプによって
    検出された逆起電圧に位相補償を行なう位相補償回路
    と、上記モータを駆動するためのディジタルパルス信号
    を発生するマトリックス回路と、上記位相補償回路の出
    力信号を受ける第1入力、上記マトリックス回路の出力
    信号を受ける第2入力、および上記出力アンプの入力に
    結合された出力とを有し、切換信号に応答して、選択的
    に上記位相補償回路の出力信号あるいは上記マトリック
    ス回路の出力信号を上記出力アンプの入力に供給する切
    換回路とを含むことを特徴とするモータ駆動回路。
  5. 【請求項5】 上記モータが定格回転数で運転される定
    常運転時、上記切換回路は上記位相補償回路の出力信号
    を上記出力アンプの入力に供給することを特徴とする特
    許請求の範囲第4項記載のモータ駆動回路。
  6. 【請求項6】 上記出力アンプの通電量を制御する電流
    制御回路を含み、上記モータが定格速度で回転させる定
    常運転時、上記出力アンプの通電量は上記電流制御回路
    によって低減されることを特徴とする特許請求の範囲第
    4項記載のモータ駆動回路。
  7. 【請求項7】 上記モータは、ホールセンサレス型のブ
    ラシレスモータであることを特徴とする特許請求の範囲
    第4項記載のモータ駆動回路。
  8. 【請求項8】 ホールセンサレス型のモータの駆動方法
    であって、上記モータの起動時、クロック信号に同期す
    る同期運転で上記モータを駆動する第1工程と、上記モ
    ータが起動されて回転された後、上記モータの回転数が
    定格回転数に達するまでの期間、上記モータのコイルに
    発生する逆起電圧と上記コイルの中性点の電圧とのゼロ
    クロス点を検出し、上記検出されたゼロクロス点に基づ
    いて上記モータを駆動する第2工程と、上記モータの回
    転数が定格回転数となった後、上記モータのコイルに発
    生する逆起電圧の位相情報および振幅情報を用いて上記
    モータを駆動する第3工程とを含むことを特徴とするモ
    ータの駆動方法。
  9. 【請求項9】 上記第1工程および上記第2工程の途中
    まで、上記モータのコイルは全波駆動方式で駆動され、
    上記第2工程の途中から第3工程の間、上記モータのコ
    イルは、全波駆動方式から半波駆動方式に切り替えられ
    て駆動されるを特徴とする特許請求の範囲第8項記載の
    モータの駆動方法。
  10. 【請求項10】 通電相ごとに設けられたモータコイル
    の各一端をそれぞれ、相ごとに飽和状態またはカットオ
    フ状態に2値制御されるトランジスタを介して接地基準
    電位に接続するとともに、上記モータコイルの各他端を
    互いに共通接続した中性点を、アクティブ状態でリニア
    動作させられるトランジスタ介して電源電位に接続した
    ことを特徴とするブラシレスモータの半波駆動回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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