JPH07780B2 - 蛍光体 - Google Patents
蛍光体Info
- Publication number
- JPH07780B2 JPH07780B2 JP60164168A JP16416885A JPH07780B2 JP H07780 B2 JPH07780 B2 JP H07780B2 JP 60164168 A JP60164168 A JP 60164168A JP 16416885 A JP16416885 A JP 16416885A JP H07780 B2 JPH07780 B2 JP H07780B2
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- Japan
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- phosphor
- brightness
- deterioration
- current density
- luminance
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は陰極線管用蛍光体、特に高電流密度励起する投
射型ブラウン管用蛍光体に関する。
射型ブラウン管用蛍光体に関する。
投射型ブラウン管に代表されるように、高密度電子線を
蛍光体に照射する場合には、蛍光体の劣化防止が高信頼
性を得るためにも非常に重要である。また、一般に蛍光
体は、輝度が励起電流の増大につれて飽和現象を示す、
いわゆる輝度飽和が見られる。励起密度の高い陰極配管
では、特に輝度飽和特性の良好な蛍光体が要求されてい
る。母体がInBO3で、希土類イオンを発光イオンとした
蛍光体については、1968年に米国特許第3,394,084号に
開示されている。この蛍光体は、発光色が良好で、現在
使用されているY3Al5O12:Tb系の蛍光体より10%以上高
輝度化が実現可能である。しかし、投射型ブラウン管の
ように高電流密度領域で励起される場合には、劣化、輝
度飽和特性の点で問題を残しており、これを改善するこ
とによつて、投射型ブラウン管の性能をかなり向上させ
ることが可能である。
蛍光体に照射する場合には、蛍光体の劣化防止が高信頼
性を得るためにも非常に重要である。また、一般に蛍光
体は、輝度が励起電流の増大につれて飽和現象を示す、
いわゆる輝度飽和が見られる。励起密度の高い陰極配管
では、特に輝度飽和特性の良好な蛍光体が要求されてい
る。母体がInBO3で、希土類イオンを発光イオンとした
蛍光体については、1968年に米国特許第3,394,084号に
開示されている。この蛍光体は、発光色が良好で、現在
使用されているY3Al5O12:Tb系の蛍光体より10%以上高
輝度化が実現可能である。しかし、投射型ブラウン管の
ように高電流密度領域で励起される場合には、劣化、輝
度飽和特性の点で問題を残しており、これを改善するこ
とによつて、投射型ブラウン管の性能をかなり向上させ
ることが可能である。
本発明の目的は、高電流密度励起において劣化が小さ
く、かつ輝度飽和特性の良好な蛍光体を提供することで
ある。
く、かつ輝度飽和特性の良好な蛍光体を提供することで
ある。
InBO3を母体とする蛍光体について、高電流密度領域に
おける発光特性を調べた。その結果、この蛍光体の輝度
が劣化することが明らかになつた。劣化の一因として、
母体の構成元素であるInが3価から1価に価数変化する
ことが考えられるので、Inの価数変化を抑制することが
期待される各種不純物の添加実験を行つた。その結果、
Ce添加がInBO3を母体とする蛍光体の劣化防止に効果が
あることを見出した。また、輝度飽和特性についても改
善されることがわかつた。一般式In1-x-yTbxCeyBO3で表
わされる蛍光体のTb濃度x、Ce濃度yは次のようにして
範囲を限定した。Ce無添加で、蛍光体の輝度のTb濃度依
存性を調べたところ、第1図に示す結果が得られた。図
の縦軸には、最高の輝度を示したものを100として相対
値で示した。xが10-4未満では発光輝度が低く、一方5
×10-2より高い領域では、濃度消光のため輝度が低下
し、いずれの場合も実用にならない。輝度の最高値は、
xが約3×10-3の場合である。Tb濃度xが3×10-3で、
Ce濃度を変えて蛍光体の輝度を測定した結果が第2図で
ある。Ce無添加が最も輝度が高いが、Ce濃度yが10-6で
は、劣化改善に対して効果がほとんどない。また、10-4
より高濃度領域になると濃度消光により輝度が大幅に低
下して実用にならない。
おける発光特性を調べた。その結果、この蛍光体の輝度
が劣化することが明らかになつた。劣化の一因として、
母体の構成元素であるInが3価から1価に価数変化する
ことが考えられるので、Inの価数変化を抑制することが
期待される各種不純物の添加実験を行つた。その結果、
Ce添加がInBO3を母体とする蛍光体の劣化防止に効果が
あることを見出した。また、輝度飽和特性についても改
善されることがわかつた。一般式In1-x-yTbxCeyBO3で表
わされる蛍光体のTb濃度x、Ce濃度yは次のようにして
範囲を限定した。Ce無添加で、蛍光体の輝度のTb濃度依
存性を調べたところ、第1図に示す結果が得られた。図
の縦軸には、最高の輝度を示したものを100として相対
値で示した。xが10-4未満では発光輝度が低く、一方5
×10-2より高い領域では、濃度消光のため輝度が低下
し、いずれの場合も実用にならない。輝度の最高値は、
xが約3×10-3の場合である。Tb濃度xが3×10-3で、
Ce濃度を変えて蛍光体の輝度を測定した結果が第2図で
ある。Ce無添加が最も輝度が高いが、Ce濃度yが10-6で
は、劣化改善に対して効果がほとんどない。また、10-4
より高濃度領域になると濃度消光により輝度が大幅に低
下して実用にならない。
以下に本発明の実施例を説明する。
実施例1 In2O3 4.48g、H3BO3 2.00g、Tb4O7 0.018gと融剤Li2B4O
7 0.20gに、1.0mol l-1硝酸セリウム水溶液0.32mlを加
えてメノウ製乳鉢で湿式混合した。混合物を15mlアルミ
ナルツボに入れ、空気中、400℃1時間の予備焼成を行
つた。冷却後、乳鉢内で粉砕混合して、空気中、1000℃
1時間、さらに冷却後再度混合して、空気中1200℃1時
間の焼成を行つた。得られた白色粉末をビーカーに移
し、1mol l-1硝酸を用いて後処理し、その後イオン交換
水で洗浄処理した。得られた蛍光体の組成は、In0.997T
b0.003Ce0.00001BO3である。この蛍光体を膜厚7mgcm-2
でステンレスホルダ上に水ガラス沈降塗布してテストピ
ースを作製し、10-9〜10-8Torrの真空下、電子線励起に
よる発光特性を調べた。上述の方法で得られた蛍光体の
輝度−電流密度曲線を第3図2に示す。電流密度は照射
電流をビーム断面積(円形近似)で割つたものである。
比較のために、Ce無添加で、前述の原料使用量と同一の
ものを同一条件で焼成し、その輝度−電流密度曲線を第
3図1に示した。Ce添加品を曲線が、より高い電流密度
領域まで伸びている。一方、劣化の評価は、次のように
行つた。10-8Torrの真空下、150μAの電子線(ビーム
径:0.20mmφ)を10分間ラスタ照射して蛍光体を強制的
に劣化させ、その後十分冷却させて、500μAの電子線
を強制劣化部分と未照射部分にあててそれぞれの輝度出
力を測定する。この輝度の比、すなわち輝度維持率を劣
化の尺度として採用し、Ce添加試料と無添加試料を比較
した。その結果、輝度維持率の値は、Ce添加試料が0.7
5、無添加試料が0.70であつた。
7 0.20gに、1.0mol l-1硝酸セリウム水溶液0.32mlを加
えてメノウ製乳鉢で湿式混合した。混合物を15mlアルミ
ナルツボに入れ、空気中、400℃1時間の予備焼成を行
つた。冷却後、乳鉢内で粉砕混合して、空気中、1000℃
1時間、さらに冷却後再度混合して、空気中1200℃1時
間の焼成を行つた。得られた白色粉末をビーカーに移
し、1mol l-1硝酸を用いて後処理し、その後イオン交換
水で洗浄処理した。得られた蛍光体の組成は、In0.997T
b0.003Ce0.00001BO3である。この蛍光体を膜厚7mgcm-2
でステンレスホルダ上に水ガラス沈降塗布してテストピ
ースを作製し、10-9〜10-8Torrの真空下、電子線励起に
よる発光特性を調べた。上述の方法で得られた蛍光体の
輝度−電流密度曲線を第3図2に示す。電流密度は照射
電流をビーム断面積(円形近似)で割つたものである。
比較のために、Ce無添加で、前述の原料使用量と同一の
ものを同一条件で焼成し、その輝度−電流密度曲線を第
3図1に示した。Ce添加品を曲線が、より高い電流密度
領域まで伸びている。一方、劣化の評価は、次のように
行つた。10-8Torrの真空下、150μAの電子線(ビーム
径:0.20mmφ)を10分間ラスタ照射して蛍光体を強制的
に劣化させ、その後十分冷却させて、500μAの電子線
を強制劣化部分と未照射部分にあててそれぞれの輝度出
力を測定する。この輝度の比、すなわち輝度維持率を劣
化の尺度として採用し、Ce添加試料と無添加試料を比較
した。その結果、輝度維持率の値は、Ce添加試料が0.7
5、無添加試料が0.70であつた。
本実施例によれば、InBO3:TbについてCe添加が、高電流
密度領域での輝度飽和特性および劣化を改善する効果が
ある。
密度領域での輝度飽和特性および劣化を改善する効果が
ある。
実施例2 実施例1で述べたCe添加の試料とCe無添加の試料を、投
射型ブラウン管に塗布して実球試験を行つた。4〜5mg/
cm2の膜厚で、水ガラス沈降塗布した実球作製した。実
球の劣化評価は次の手順で行つた。0.35mAの電子線をク
ロスハツチパターン(縦横の格子縞模様)で蛍光面に照
射する。5分間ごとに、電流を切つて全面発光させ、劣
化した部分が肉眼で確認できるまで継続して行い、確認
できたクロスハツチパターン照射総時間(劣化発生時
間)を、劣化の尺度とした。劣化発生時間は、実施例1
のCe添加品、Ce無添加品について、それぞれ、25分,20
分であつた。実球試験の結果は、実施例1で述べた劣化
についての効果と同様の効果を示している。
射型ブラウン管に塗布して実球試験を行つた。4〜5mg/
cm2の膜厚で、水ガラス沈降塗布した実球作製した。実
球の劣化評価は次の手順で行つた。0.35mAの電子線をク
ロスハツチパターン(縦横の格子縞模様)で蛍光面に照
射する。5分間ごとに、電流を切つて全面発光させ、劣
化した部分が肉眼で確認できるまで継続して行い、確認
できたクロスハツチパターン照射総時間(劣化発生時
間)を、劣化の尺度とした。劣化発生時間は、実施例1
のCe添加品、Ce無添加品について、それぞれ、25分,20
分であつた。実球試験の結果は、実施例1で述べた劣化
についての効果と同様の効果を示している。
本発明によれば、高電流密度励起において、蛍光体の劣
化が改善され、かつ輝度飽和特性が改善されるので、陰
極線管の信頼性、寿命を向上するうえで、非常に効果が
ある。
化が改善され、かつ輝度飽和特性が改善されるので、陰
極線管の信頼性、寿命を向上するうえで、非常に効果が
ある。
第1図はIn1-xTbxBO3の輝度のTb濃度(x)依存性を示
す図、第2図は、In0.997−yTb0.003CeyBO3の輝度のCe
濃度(y)依存性を示す図、第3図は、In1-x-yTbxCeyB
O3の輝度出力−電流密度曲線を示す図である。 第3図において 1……In0.997Tb0.003BO3(Ce無添加)、2……In0.997
Tb0.003Ce0.00001BO3(Ce添加)。
す図、第2図は、In0.997−yTb0.003CeyBO3の輝度のCe
濃度(y)依存性を示す図、第3図は、In1-x-yTbxCeyB
O3の輝度出力−電流密度曲線を示す図である。 第3図において 1……In0.997Tb0.003BO3(Ce無添加)、2……In0.997
Tb0.003Ce0.00001BO3(Ce添加)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 安一 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内 (72)発明者 上原 保彦 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内 (72)発明者 横田 伸司 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オプ トニクス株式会社小田原工場内 (72)発明者 長谷 尭 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オプ トニクス株式会社小田原工場内 (56)参考文献 特公 昭49−46237(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 In1-x-yTbxCeyBO3 (ただし、x及びyは1×10-4≦x≦5×10-2、1×10
-6≦y≦1×10-4の範囲の値である)で示される組成を
有することを特徴とする蛍光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60164168A JPH07780B2 (ja) | 1985-07-26 | 1985-07-26 | 蛍光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60164168A JPH07780B2 (ja) | 1985-07-26 | 1985-07-26 | 蛍光体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6254786A JPS6254786A (ja) | 1987-03-10 |
JPH07780B2 true JPH07780B2 (ja) | 1995-01-11 |
Family
ID=15788018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60164168A Expired - Lifetime JPH07780B2 (ja) | 1985-07-26 | 1985-07-26 | 蛍光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07780B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5132043A (en) * | 1991-12-24 | 1992-07-21 | Gte Products Corporation | Method of preparing small particle size borate phosphor |
KR100263307B1 (ko) * | 1997-12-31 | 2000-08-01 | 김순택 | 장잔광 형광체의 제조 방법 |
JP2012049422A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Sanken Electric Co Ltd | 発光装置 |
JP6103042B2 (ja) * | 2013-04-12 | 2017-03-29 | 日立金属株式会社 | 蛍光材料、シンチレータ、並びに放射線変換パネル |
CN109786681B (zh) * | 2017-12-28 | 2021-03-16 | 湖南长远锂科股份有限公司 | 一种具有导电性复合包覆层的锂离子电池正极材料及其制备方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS539433B2 (ja) * | 1972-09-09 | 1978-04-05 | ||
JPS5940176B2 (ja) * | 1979-08-03 | 1984-09-28 | 化成オプトニクス株式会社 | 螢光体 |
JPS57128777A (en) * | 1981-02-02 | 1982-08-10 | Mitsubishi Electric Corp | Fluorescent lamp |
JPS6042484A (ja) * | 1983-08-18 | 1985-03-06 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 螢光体 |
-
1985
- 1985-07-26 JP JP60164168A patent/JPH07780B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6254786A (ja) | 1987-03-10 |
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