JPH0778099B2 - オレフィン重合触媒系で用いられる重合体担体に担持された遷移金属成分の調製方法 - Google Patents

オレフィン重合触媒系で用いられる重合体担体に担持された遷移金属成分の調製方法

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JPH0778099B2
JPH0778099B2 JP60155010A JP15501085A JPH0778099B2 JP H0778099 B2 JPH0778099 B2 JP H0778099B2 JP 60155010 A JP60155010 A JP 60155010A JP 15501085 A JP15501085 A JP 15501085A JP H0778099 B2 JPH0778099 B2 JP H0778099B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はオレフィン重合触媒系の重合体担体に担持され
る遷移金属成分の新規な製造方法に関するものである。
遷移金属成分と助触媒(大抵の場合ヒドロカルビルアル
ミニウムまたはヒドロカルビルマグネシウム化合物で構
成される)とを組み合わせたチーグラー・ナッタ型の触
媒系を用いてオレフィン、例えばエチエンとその高級同
族体、特にプロペン、ブテン−1、ペンテン−1、4−
メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1を
重合または共重合して高分子量で低灰分含有率のオレフ
ィン系重合体または共重合体を製造する方法は周知であ
る。上記遷移金属成分は、遷移金属化合物、特にTiC
l4、TiCl3や各種アルキルチタンのようなチタン化合物
と、マグネシウム化合物、特にMgCl2を含む化合物と、
場合によっては電子供与体である有機化合物と、場合に
よっては有機または無機の多孔性担体とを組み合せるこ
とによって一般には得ることができる。
重合体担体に付着し、遷移金属特にチタンと、塩化物と
してのマグネシウムとを含有する遷移金属成分を製造す
ることのできる各種の方法が従来から知られている。
例えば、1972年5月31日公告の特願昭47-18846号明細書
には、ポリエチレン粉末をMgCl2のエタノール溶液およ
びTiCl4によって処理し、次いで上記処理によって得ら
れる生成物を約85℃の温度で乾燥する方法が記載されて
いる。
また、米国特許第4,021,599号には、まずマグネシウム
塩、特にMgCl2、硝酸マグネシウムまたは酢酸マグネシ
ウムのアルカノール溶液中にポリエチレンまたはポリプ
ロピレンのような重合体粉末を懸濁させ、次いで上記マ
グネシウム化合物を重合体担体に付着させるために、上
記アルカノールを留去し、最後に上記マグネシウム化合
物を担持した上記担体を液状若しくは炭化水素中に溶解
した遷移金属ハロゲン化物、特にTiCl4によって処理す
る方法が提案されている。ベルギー特許第855,241号に
は上記方法の変性が記載されており、それによるとマグ
ネシウム化合物を担持した重合体担体を、遷移金属ハロ
ゲン化物で処理する前に、アルキルアルミニウム化合物
で処理している。
しかしながら、マグネシウム化合物を担体に付着させる
ためにマグネシウム塩のアルカノール溶液を使用する上
述の各種方法はいくつかの欠点を有している。とりわ
け、マグネシウム塩のアルカノール溶液で重合体担体を
含浸することにより得られる生成物からアルカノールを
完全に除去することは困難であり、遷移金属成分中にア
ルカノールが残留すると、該遷移金属成分を含有する触
媒系を使用する際に障害となる場合がある。
更に、ベルギー特許第876,583号明細書には、炭化水素
型の不活性液状媒体中で操作することによって、20ミク
ロン〜5mmの平均粒径を有する粒子状の重合体担体と、
どのような混合順序であれ、アルキルアルミニウムハロ
ゲン化物、ジアルキルマグネシウム化合物および場合に
よってはハロゲン化チタンアルコラートとの混合物を
得、次いで上記溶媒を留去し、残る固体生成物を上記重
合体の軟化点以下の温度で、不活性雰囲気下に加熱する
ことによって乾燥することから成る方法が記載されてい
る。
このような方法においては、ジアルキルマグネシウム化
合物のうちの一定量が塩化マグネシウム誘導体に転化さ
れる。しかしながら、生成される塩化マグネシウム誘導
体の品質と量は、担体中における上記誘導体の分布と同
様、該塩化マグネシウム誘導体の前駆体同しが相互に接
触した順序によっておおいに左右される。これは、上記
方法によって製造される遷移金属成分を使用する触媒系
の活性に好ましくない影響を及ぼす。
本発明は、高い活性を有し、且つ上述した従来法の各種
欠点を有しない、重合体担体に担持された遷移金属成分
の製造方法を提供するものである。特に本発明による方
法は、マグネシウムの塩素化型化合物の生成をより良く
制御することができ、これは高活性の遷移金属成分、特
にMgCl2を含有するチタン成分を得るためには不可欠の
条件である。
本発明は、接触オレフィン重合系の一構成要素として利
用することのできる、重合体担体に担持された遷移金属
成分の製造方法の改良を含む。該方法は、分散状態の重
合体担体を、該担持を溶解しない不活性溶媒中で有機金
属マグネシウム化合物の溶液に含浸することによって、
上記担持に上記有機金属マグネシウム化合物を付着さ
せ、次いで上記溶媒を留去し、上記重合体担体の軟化点
以下の温度で、チタン化合物を含む液相によって、上記
マグネシウム化合物を担持させた担体を処理し、上記少
なくとも1種の遷移金属化合物を含む液相による処理の
前若しくは後に、上記マグネシウム化合物を担持させた
担体を、クロル化する。該クロル化は溶媒を使用せずに
該重合体担体の軟化温度よりも低い温度で、且つ該担体
中に存在する有機金属化合物を完全にクロル化するのに
必要な化学量論的量と少なくとも同じ量のガス状または
液状クロル化剤を使用して行う。
本発明の方法の好ましい態様によれば、上記重合体担体
のマグネシウム化合物溶液による含浸は、1回乃至数回
の工程で行い、各工程は、上記重合体担体と溶液とが接
することによって生じる生成物が、十分細かい状態の固
形物を形成するような容量のマグネシウム化合物溶液を
使用し、且つ含浸の各工程が終わる毎に上記不活性溶媒
を留去することによって行われる。
本発明による方法で使用される分散状態の重合体担体
は、適切な多孔度と粒度を有する熱可塑性重合体粉末か
ら選択され、該重合体はマグネシウム化合物および/ま
たは遷移金属化合物と反応したり、担体の性質の劣化を
生じうる架橋を起こしたりする性質を有する反応基を有
していないことが好ましい。
該重合体担体粉末の粒度は、平均粒度が約1〜5000ミク
ロン、好ましくは40〜2500ミクロンの範囲にある。ここ
で使用する「平均粒径」とは、粉末粒子の重量による累
積粒度分布曲線における50%値に対応する。
また上記重合体担体粉末は、5〜7500nmの気孔半径の水
銀ポロシメーターを用いて測定した気孔容積が、0.005
〜3cm3/g、更に特定するならば0.01〜1.5cm3/gの範囲
にあり、好ましくは0.02〜0.8cm3/gの範囲にある多孔度
を有している。
重合体担体粉末は、それを構成する粉末粒子の中心に向
かって広がる均一な多孔度を有していることが好まし
い。これによって、クロル化工程において担体中に塩素
化マグネシウム誘導体が均一に分布するようになる。
好ましい重合体担体とは、ポリスチレンの他、高密度ポ
リエチレン、遊離基低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンと低密度線状ポリエチレンとして知られて
いる炭素数3〜12のアルファオレフィンの1種または数
種との共重合体のような非常に特殊なポリオレフィンの
様な熱可塑性重合体の粉末であり、既に定義した粒度お
よび多孔度を有するものである。
このような分散状態の重合体担体上にマグネシウム化合
物を付着する操作に先立って、該担体に1〜数回の前処
理を施すことができる。
該担体の第1の前処理は、窒素および/または真空によ
る処理によって担体をガス抜きし、乾燥することから成
る。
該担体のその他の前処理としては、マグネシウム以外の
周期律表第I〜III族に属する金属の有機金属化合物と
該担体とを接触させることから成る。この目的のために
は、リチウム、ナトリウム、亜鉛およびアルミニウムの
有機金属化合物が特に適しており、とりわけこれらの金
属のアルキル化合物が適している。このような化合物の
うちの第1群は、以下の一般式: AlRCl(3-x) ただし、上記式においてRは炭素数1〜12、特に炭素数
2〜8を有するアルキル基を表わし、Xは1≦X≦3の
整数を表わす、 を有するアルキルアルミニウム化合物であって、例え
ば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オ
クチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリドお
よびエチルアルミニウムセスキクロリド等の化合物であ
る。また、上記前処理に使用する化合物の他の群は、以
下の一般式: ただし、上記式において、R′は炭素数1〜16、好まし
くは炭素数1〜12を有するアルキル基を表わし、R″
は、2個のR″が一緒になって2価の−O−基を形成す
るか、若しくは各R″が各々R′基を表わし、またnは
0〜20の整数、好ましくは0〜12の整数を表わす、 を有するアルミノキサン化合物から成る。好ましいアル
ミノキサン化合物は、上記式においてR′およびR″が
各々炭素数1〜6のアルキル基であり、nが0〜8の整
数であるような化合物である。このような化合物の例と
しては、テトライソブチルジアルミノキサン(R′=
R″=イソブチル:n=0)およびヘキサイソブチルテト
ラアルミノキサン(R′=R″=イソブチル:n=2)を
挙げることができる。
上記有機金属化合物による担体の前処理は、該担体重合
物を溶解しない不活性溶媒、特にペンタン、ヘキサン、
ヘプタンまたはシクロヘキサンやメチルシクロヘキサン
のような脂環式炭化水素中に有機金属化合物を溶解した
溶液と、或いは該有機金属化合物が液体である場合には
該有機金属化合物と直接、上記担体を接触させることに
よって行う。有機金属化合物の不活性溶媒溶液または液
体有機金属化合物から成る液相に重合体担体を接触させ
る上記処理は、マグネシウム化合物の溶液に担体を含浸
する工程で既に示したような方法で行うことが有利であ
る。即ち、1〜数回の工程で行い、各工程では重合体担
体と液相との接触によって生じる生成物が分散状態の固
形物を形成するような容量の液相を使用し、且つ各工程
の終わる毎に溶媒を留去して行う。上記前処理は、担体
の軟化点以下の温度、例えば−40〜+70℃の温度で行
う。
上記重合体担体の前処理を行う際には、抗ケーキング剤
として0.01〜8重量%の超微粉砕状シリカを担体に加え
ることもできる。
重合体担体に有利に付着されるマグネシウム化合物は、
一般式:YaMgmXbを有する化合物である。ただし、上記
式においてYは炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8
のアルキルまたはアルコキシ基であり、XはY基または
ハロゲン原子、好ましくは塩素原子であり、mは1また
は2以上の整数であり、aおよびbは0または1以上の
整数であり、a+b=2mである。このような化合物の例
としては、特にエチルマグネシウムクロリド、ブチルマ
グネシウムクロリド、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ
−イソブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシ
ウム、ブチルオクチルマグネシウム、ジ−n−オクチル
マグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウムおよび (C4H93Mg2(C2H5)を挙げることができる。更にマグ
ネシウム化合物には、一般式:YaMgmXbを有する化合物
と、一般式:Al(R)3(ただし、Rは上記した定義通
り)を有するアルキルアルミニウム若しくは上記したよ
うなアルミノキサン化合物との反応生成物から成る錯体
をも含めることができ、その際上記Al(R)3の化合物
若しくはアルキノキサン化合物のモル数に対するマグネ
シウム化合物のモル数の比は、0.1〜100であり、好まし
くは0.2〜50の範囲である。
かくして、場合によっては1〜数回の上記前処理を施し
た重合体担体を上述したようにマグネシウム化合物の溶
液によって数工程で含浸するが、該含浸は、重合体担体
を溶解しない不活性溶媒中にマグネシウム化合物を溶解
した溶液を用いて行う。該溶媒は、特に担体を前処理す
る場合に述べたような脂肪族または脂環式炭化水素型の
溶媒であり、各含浸工程の終わる毎に該溶媒を留去して
行う。上記担体の含浸操作および溶媒留去操作は、担体
の軟化点以下の温度で行う。特に、含浸は、−40〜+60
℃の温度、好ましくは周囲温度で行い、一方、溶媒の留
去は、窒素等の不活性ガスでストリッピングするか或い
は周囲温度〜70℃の温度で減圧下に蒸留して行う。
本発明に従うと、遷移金属化合物で処理する前または後
で、マグネシウム化合物で含浸した担体をクロル化す
る。該クロル化は溶媒を使用せず、重合体担体の軟化点
以下の温度で、且つマグネシウム化合物を完全にクロル
化するのに必要な化学量論的量と少なくとも同量のガス
状または液状のクロル化剤によって行う。
好ましくは、クロル化剤の量は、担体に付着したマグネ
シウム原子数に対する、クロル化剤によって供給される
塩素原子数の比が2〜100になるようにする。
クロル化を行うために用いる温度は、特に−30〜+70
℃、好ましくは10〜60℃の温度である。
上述した温度条件下で使用する液状またはガス状クロル
化剤として特に適当なものは、無水HCl、塩素、SOCl2
SO2Cl2、SiCl4、COCl2、NOCl、アセチルクロリドやベン
ゾイルクロリドのような一般式:R1COClで表わされるア
シルクロリド、一般式:R1Clで表わされる塩化物(R1
炭素数1〜6を有するアルキル基、炭素6〜12を有する
アリール基,アラルキル基またはアルカリール基を表わ
す)および一般式:(R2tSiCl(4-t)(R2は水素原子ま
たは上記定義のR1基を表わし、tは1、2若しくは3の
数である)のクロロシランである。更に特定するなら
ば、クロル化剤は上述したクロル化剤のうち、クロル化
温度において高い蒸気圧を有するものから選択するもの
とし、好ましいクロル化剤が無水HClである場合には完
全なガス状のものを使用すると尚良い。
クロル化剤が、クロル化に用いる温度において液体であ
る場合には、クロル化全処理過程を通じて、クロル化す
べき生成物とクロル化剤との反応混合物が十分に細かい
固形物状であり続けるような方法で、クロル化すべき生
成物を一定量のクロル化剤と逐次接触させることによっ
てクロル化を行うことができる。
必要ならば、クロル化生成物中に含まれる過剰のクロル
化剤を、窒素ガスのような不活性ガスでフラッシュする
ことによって除去することができる。
マグネシウム化合物で含浸した重合体担体をガス状また
は液体クロル化剤と接触させることによって得られるク
ロル化生成物を、次いで、該重合体担体の軟化点以下の
温度で遷移金属化合物によって処理する。該処理に特に
適した温度は、−30〜+70℃、好ましくは10〜60℃の温
度である。遷移金属化合物によるクロル化生成物の処理
は以下のように行う。即ち、上述した温度において、重
合体担体を溶解しない不活性液状溶媒中、特にペンタ
ン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘ
キサンやメチルシクロヘキサンのような脂環式炭化水素
中に遷移金属化合物を溶解または懸濁した後にし、上記
クロル化生成物を接触させることによって行う。また、
遷移金属化合物が液体である場合に該遷移金属化合物に
よるクロル化生成物の処理は、遷移金属化合物を気体状
態で供給しクロル化生成物に付着させることによっても
行うことができる。
クロル化生成物を、重合体担体を溶解しない不活性液状
媒体中において、遷移金属化合物の溶液若しくは懸濁液
を用いて処理する場合には、該処理の全過程を通じて、
クロル化生成物と上記溶液または懸濁液との反応体が十
分に細かい状態の固形物であり続けるように、クロル化
生成物に上記溶液または懸濁液を1〜数回に分けて加え
ることによって処理操作を行うことが好ましい。上記一
定容量の溶液または懸濁液のクロル化生成物への添加が
終わる毎に、該溶液または懸濁液に伴って導入され、且
つ分散状態の固形反応物中に含まれる不活性溶媒を窒素
等の不活性ガスでフラッシュするか、若しくは減圧下で
蒸留することによって除去する。
遷移金属化合物はTi、V、ZrまたはCrの化合物にするこ
とができるが、本発明では一般式:Ti(OR)pCl
(4-p)(ここで、Rは炭素数1〜12、好ましくは炭素数
2〜8のアルキル基を表わし、pは0〜4の整数を表わ
す)で表わされるチタン化合物、例えば、TiCl4またはT
iCl3を選択するのが好ましい。クロル化に用いる温度で
液体であるTiCl4をクロル化剤として選択することによ
って、クロル化および遷移金属による処理を1回の工程
で行うことができる。
遷移金属成分にルイス塩基をベースとした電子供与体を
組み合わせることもできる。この電子供与体は遷移金属
成分製造の最終段階で混合することができる他、遷移金
属成分の任意の調整段階で遷移金属成分に加えることが
できる。
電子供与体としては、脂肪族若しくは芳香族カルボン
酸、そのアルキルエステル、脂肪族若しくは環状エーテ
ル、ケトン、ビニルエステル、アクリル酸誘導体、特に
アルキルアクリレート若しくはメタアクリレートおよび
シランから選択される1官能価または多官能価化合物が
有利である。とりわけ、電子供与体としては、メチルパ
ラトルエート、エチルベンゾエート、エチル若しくはブ
チルアセテート、エチルエーテル、エチルパラアニセー
ト、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン、ビニルアセテート、メチルメタア
クリレートおよびフェニルトリエトキシシランのような
化合物が適している。
遷移金属成分を製造する際の、マグネシウム化合物、遷
移金属化合物および分散状態の重合体担体の量は、生成
する遷移金属成分が0.01〜10重量%、好ましくは0.2〜
5重量%のマグネシウムを含有し、且つ遷移金属原子数
に対するマグネシウム原子数の比が0.5〜100、好ましく
は2〜50となるようにする。
電子供与体を使用する場合におけるその量は、かなり広
い範囲で変えうる。電子供与体の量は、該電子供与体の
分子数に対する遷移金属成分中のマグネシウム原子数の
比が0.5〜200、好ましくは1〜100となるような量で使
用することが有利である。
上述した方法で製造される重合体担体に付着した遷移金
属成分は、オレフィン重合に適した触媒系を構成するた
めに、周期律表第I〜III族の金属を有する有機金属化
合物から選択される助触媒と組み合せて用いることがで
きる。
遷移金属成分と組み合せる助触媒は、特に一般式:YaMg
mXbを有する有機マグネシウム化合物、イソプレニルア
ルミニウム、上記定義のアルミノキサンおよび一般式:A
l(R)qMrHs(ただし、MはClまたはORを表わし、
Rは炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜12のアルキ
ル基であり、q、rおよびsは1≦q≦3、0≦r≦
2、0≦s≦2で且つq+r+s=3であるような整数
である)を有する有機アルミニウム化合物から選択され
る。好ましくは該助触媒は、イソプレニルアルミニウ
ム、一般式:YaMgmXbを有する有機マグネシウム化合物
および一般式:AlRxCl(3−x)(ただし、Rは炭素数
2〜12、好ましくは炭素数2〜8のアルキル基であり、
Xは1≦X≦3となる整数である)を有する有機アルミ
ニウム化合物から選択される。このような化合物の例と
して、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘ
キシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムクロリド、イソプレニルアル
ミニウム、ジブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマ
グネシウム、ブチルオクチルマグネシウムを挙げること
ができる。
遷移金属成分と助触媒とは、該成分中の遷移金属原子数
に対する、助触媒中に含まれる周期律表第I〜III族の
金属原子数の比が0.5〜1000、好ましくは1〜400となる
ような割合で組み合せる。
触媒系は、遷移金属成分と助触媒とを接地させることに
よって、重合すべきオレフィンに作用させる前に、あら
かじめ製造しておくことができる。しかし、触媒系を重
合現場で製造するために、遷移金属成分と助触媒とを別
々にオレフィンの重合領域に加えることもできる。
上記遷移金属成分が電子供与体を含んでいる、いないに
かかわらず、助触媒と遷移金属成分との組み合せで生成
する触媒系に,既に定義した電子供与体から選択される
化合物を加えることができ、また触媒系を生成するため
に助触媒と遷移金属成分とを接触させる前の段階で該助
触媒に電子供与体を加えることもできるし、更には、該
電子供与体を触媒系の他の2成分と同時に接触させるこ
とも可能である。電子供与体の量は、該電子供与体の分
子数に対する、助触媒由来の周期律表第I〜III族の金
属原子、特にアルミニウムまたはマグネシウム原子の数
の比が1〜50の範囲となるようにすることが有利であ
る。
本発明による遷移金属成分と、助触媒と、場合によって
は既に定義したような電子供与体との会合によって生成
する触媒系を用いて重合若しくは共重合することのでき
るオレフィンは、炭素数2〜18を有し、且つただ1個の
エチレン性不飽和結合を有する炭化水素、特にエチレ
ン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−ヘキサデセ
ン、1−オクタデセンのような炭素数2〜18のモノオレ
フィンのみならず、共役および非共役ジエン、特にブタ
ジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサ
ジエン、ビニルノルボルネンおよびエチリデンノルボル
ネをも含んでいる。
上述したような触媒系は、例えばエチレン、プロペン、
1−ブテンおよび1−ヘキセンのような炭素数2〜12の
モノオレフィンの場合にとりわけ利用することができ
る。
特に、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ヘ
キセンのような炭素数2〜12の1種のモノオレフィンを
上記触媒系と接触して重合し、該モノオレフィンに対応
するホモ重合体を製造することができる。
また、炭素数2〜12のオレフィンの少なくとも2種から
成る混合物を上記触媒系と接触させて重合し、該オレフ
ィンの共重合体を製造することもできる。更に、エチレ
ンと、1種または数種の炭素数3〜12のアルファオレフ
ィンとの混合物を重合することもでき、該混合物は、上
記触媒系と接触させる際に、炭素数3〜12のアルファオ
レフィンを、その全モル比が0.1〜90%、好ましくは1
〜60%となるように含有している。
同様に、プロペンと、エチレンおよび/または炭素数4
〜12のアルファオレフィンの1種若しくは数種との混合
物を重合することも可能であり、該混合物を上記触媒系
と接触させる場合には、該混合物中に、エチレンおよび
/または炭素数4〜12のアルファオレフィンを全モル比
で0.1〜90%好ましくは1〜60%含むものとする。
更に、エチレンとプロペンとの混合物(それに更に他の
アルファオレフィン若しくはジオレフィンを加える場合
もあるが)をも重合することができ、その場合のプロペ
ンに対するエチレンのモル比は0.02〜50、好ましくは0.
05〜1である。
上述したオレフィン類、特に炭素数2〜12のモノオレフ
ィンを、上述したように単一若しくは混合状態で、既に
定義した触媒系によって重合を行うには、不活性液状触
媒、特にn−ヘプタン、n−ヘキサン、イソブタンのよ
うな脂肪族炭化水素中に懸濁して行うが、液状または超
臨界状態に保持した少なくとも1種の重合すべきオレフ
ィン中で行うことも可能である。
かかる液相での重合を行うための操作条件、特に温度、
圧力および触媒系の量は、担体に保持された、若しくは
保持されていない慣用のチーグラー・ナッタ型触媒系を
用て重合する際に通常用いられている条件でよい。
例えば、不活性液状媒体中に懸濁して重合する場合に
は、該溶液の崩壊温度以下の温度、若しくは場合によっ
ては該溶媒中における重合体の軟化温度以下の温度で、
大気圧近傍若しくは大気圧以上の圧力下で操作を行う。
液体プロペンを溶媒として重合を行う場合には、圧力は
大気圧〜50バールの範囲であり、且つ温度は、該溶媒が
重合圧力下で液相となるような範囲である。
本発明による遷移金属成分と、助触媒および場合によっ
ては上記定義の電子供与体との会合によって得られる触
媒系は、既に記載したオレフィン若しくはオレフィン混
合物のガス相中での重合にも利用することができる。特
に、エチレンと、プロペン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンのような
炭素数3〜12のアルファオレフィンの1種若しくは数種
とから成る混合物を上記触媒系と接触させてガス相で重
合することができ、上記触媒系と接触させて低密度線状
ポリエチレンとして知られている、炭素数3〜12のアル
ファオレフィンを少量含むエチレン/アルファオレフィ
ン共重合体を製造する目的の場合には、上記混合物にお
ける上記炭素数3〜12の1種若しくは数種のアルファオ
レフィンのモル比は0.1〜90%、好ましくは1〜60%の
範囲、である。
1種若しくは数種のアルファオレフィンを上記触媒系と
ガス相で接触させて行う重合反応は、ガス相での重合反
応に使用しうるいずれの反応容器を用いても行うことが
でき、特に攪拌床若しくは流動床を備えた反応容器中で
行うことができる。ガス相で重合反応を行う条件、特に
温度、圧力、攪拌床若しくは流動床を有する反応容器ヘ
の1種または数種のオレフィンの注入、重合温度および
圧力の制御は、公知の触媒を用いてガス相でオレフィン
の重合を行うために当該技術分野で既に用いられ、また
は提案されている条件と同様である。一般には、操作は
合成すべき重合体または共重合体の融点Tfよりも低い温
度、更に特定すれば、−20℃〜(Tf−5)℃の温度範囲
で、且つ1種若しくは数種のオレフィンと、場合によっ
ては反応容器中に存在する他の炭化水素単量体が本質的
に気相状態となるような圧力下で行う。
懸濁液またはガス相中での重合反応は、製造すべき重合
体若しくは共重合体のメルト・インデックスを制御でき
るような方法で、連鎖移動剤、特に水素またはジエチル
亜鉛のようなアルキル亜鉛の存在下に行うことができ
る。好ましい連鎖移動剤は水素であって、反応容器中に
導入された全オレフィンおよび水素の容積の80%まで増
加することができるが、好ましい量は0.1〜40%であ
る。
本発明による遷移金属成分は、1983年2月28日出願のフ
ランス国特許出願第83-03229号明細書中で定義されてい
るような、オレフィンを重合するために用いうる活性炭
素水素固体(active hydrocarbon solid)を製造するた
めの遷移金属成分としても利用することができる。
本発明を以下の実施例によって更に詳しく説明するが、
本発明の範囲はこれによって何等制限されるものではな
い。
実施例1 攪拌器および反応容器を適温に保つために熱制御流体を
流二重ジャケットを備えた容量1リットルのガラス反応
容器中で操作を行った。
窒素雰囲気下に保持した乾燥反応容器中に、窒素で乾燥
しガス抜きした線状低密度ポリエチレン粉末30gを導入
した。該粉末は、平均粒径が85ミクロンで、気孔容積が
0.2cm3/gであった。
40℃で攪拌中の該反応容器の内容物に、溶液1中に3
0.3gのマグネシウムを含有するジブチルマグネシウムの
ヘプタン溶液10cm3を加えたが、該添加は5cm3ずつ2回
に分けて行い、各溶液を添加する毎に窒素気流でヘプタ
ンをストリッピングした。
次いで反応容器を周囲温度に戻し、攪拌しながら、該反
応容器に0.6モル/時の速度で40分間にわたって無水HCl
を注入することによって、上記マグネシウム化合物を担
持させた粉末のクロル化を行った後、該粉末に残留した
過剰のHClを、窒素ガス流でフラッシュすることにより
除去する。
次いで反応容器を再び44℃に加熱し、該温度に保持しな
がらTiCl4へのヘプタン溶液3cm3を反応容器の内容物に
滴下した。該溶液は1当たり55.2gのチタンを含有し
ている。20分間攪拌によって均一化を行った後、粉末中
に含まれている残留ヘプタンを窒素のフラッシュにより
除去した。
上述した各種操作を通じて、反応容器中の内容物は分散
状態の固形物であった。
粉末状の生成物が遷移金属成分を形成して得られ、該粉
末は最初の粉末と同じ粒度を有しており、重量にしてTi
0.44%、Mg 1.04gおよび塩素3.05%を含んでいた。該
生成物を不活性雰囲気下に保存した。
実施例2 実施例1で記載したのと同様の反応容器を用いて操作を
行った。
窒素雰囲気下に保持した乾燥反応容器に、窒素で乾燥し
ガス抜きした線状密度ポリエチレン粉末50.3gを導入し
た。該粉末の平均粒度は85ミクロンで、気孔容積は0.2c
m3/gであった。
40℃で攪拌中の該反応容器に、溶液1中に30.3gのマ
グネシウムを含有するジブチルマグネシウムのヘプタン
溶液20cm3を加えた。該添加操作は、該溶液を10cm3ずつ
2回に分けて反応容器に注入し、各溶液を添加する毎に
粉末中に存在するヘプタンを窒素気流でストリッピング
した。
該反応容器を周囲温度に戻して、攪拌しながら、反応容
器に0.6モル/時の速度で無水HClを40分間注入して上記
マグネシウム化合物を保持させた粉末のクロル化を行っ
た。次いで粉末中に含まれる過剰のHClを窒素気流をフ
ラッシュすることによって除去した。
周囲温度に保持し、攪拌を続けている反応容器の内容物
に、次いでイソペンタン100cm3と、溶液1中に0.714
モルのTiCl4を含有するTiCl4のヘプタン溶液5cm3とを
混合して得られる、TiCl4のイソペンタン懸濁液105cm3
を加えて、次いで更に反応容器の内容物を1時間攪拌し
た。
1時間経過後、反応容器の内容物を濾過し、該濾過によ
って得られた固体生成物を、窒素気流でフラッシュし
て、さらさらした粉末が得られるようになるまで残留イ
ソペンタンおよびヘプタンを取り除く。
かくして得られる遷移金属成分を構成する粉状生成物は
最初の粉末と同じ粒度を有しており、重量にして0.116
%のTi、1.09%のおよび3.1%のClを含有していた。該
生成物を窒素雰囲気下に容器に入れて保存した。
実施例3 実施例1で使用したものと同様な反応容器を用いて操作
を行った。
窒素雰囲気下に保持した乾燥反応容器中に、窒素でガス
抜きした線状低密度ポリエチレンの乾燥粉末30.3gを導
入した。該粉末は、平均粒径が85ミクロンで、気孔容積
が0.2cm3/gであった。
40℃で攪拌中の該反応容器の内容物に、溶液1中に3
0.3gのマグネシウムを含有するジブチルマグネシウムの
ヘプタン溶液18.5cm3を加えたが、該添加は等量ずつ4
回に分けて行い、各溶液を添加する毎に窒素気流でヘプ
タンをストリッピングした。
次いで反応容器を周囲温度に戻し、該温度に維持し攪拌
しながら、該反応容器に0.6モル/時の速度で40分間に
わたって無水HClを注入することによって、上記マグネ
シウム化合物を担持させた粉末のクロル化を行った。反
応しない過剰のHClは窒素気流でフラッシュすることに
よって除去した。
次いで反応容器を40℃で攪拌しながら、純粋TiCl45cm3
を含む発泡装置を反応容器に接続し、40℃で、窒素気流
によるストリッピングによって、該反応容器に発泡装置
中に収納されているTiCl4を送りこむ。ストリッピング
操作の終わった時点で、4.8cm3のTiCl4が蒸気として反
応容器中に通じた。
上記操作の後、反応容器の内容物を更に15分間攪拌し
た。
かくして、最初の粉末に対応する粒度を有する遷移金属
成分を含む粉末生成物を得、該粉末は重量にしてTi 0.0
94%、Mg 1.7%およびCl 5%を含有していた。該生成物
を窒素雰囲気下に容器中に保存した。
実施例4 実施例1で記載したのと同様の反応容器を用いて操作を
行った。
窒素雰囲気下に保持した乾燥反応容器に、乾燥し窒素で
ガス抜きした線状低密度ポリエチレン粉末30.2gを導入
した。該粉末の平均粒径は90ミクロンで、気孔容積は0.
2cm3/gであった。
40℃で攪拌中の該反応容器の内容物に、ジブチルマグネ
シウムとトリエチルアルミニウムとの錯体であって、ジ
ブチルマグネシウム/トリエチルアルミニウムのモル比
が7.5/1である錯体〔商標名マガラ(MAGARA7.5〕のヘプ
タン溶液(該溶液は1当たり10.9gのマグネシウムと
1.6gのアルミニウムとを含有している)30cm3を加え
た。上記容量の溶液を反応容器に注入するには5cm3
つ6回に分けて行い、各注入を行う毎に窒素気流でヘプ
タンをストリッピングした。
次いで反応容器を周囲温度に戻し、該温度に保持して、
反応容器の内容物を攪拌しながら0.6モル/時の速度で
無水HClを40分間反応容器に注入して、上記マグネシウ
ムおよびアルミニウム化合物を担持させた粉末のクロル
化を行った。
更に周囲温度に保持し穏やかに攪拌を行いながら、溶液
1当たり0.667モルのTiCl4を含有する、TiCl4のヘキ
サン溶液6cm3を加えた。
次いで反応容器を40℃にし、該温度に保ちながら、ヘキ
サンを除去するために反応容器の内容物を窒素気流でス
トリッピングした。
上記各種一連の操作を通じて、反応容器に含まれる生成
物は、分散状態でさらさらした粒子から成る固形物の形
を維持していた。
かくして得られた遷移金属成分を構成する粉状生成物
は、最初の粉末の粒度に対応する粒度を有しており、重
量にして0.18%のTi、1.08%のMgおよび4.46%のClを含
有していた。該粉末を窒素雰囲気下に容器中に保存し
た。
実施例5 実施例1と同様の反応容器を用いて操作を行った。
窒素雰囲気下に保たれた乾燥反応容器に、真空下で乾燥
した低密度線状ポリエチレン粉末50gを導入した。該粉
末の平均粒径は680ミクロンで、気孔容積は0.2cm3/gで
あった。
40℃で攪拌中の上記反応容器の内容物に、ヘキサイソブ
チルテトラアルミノキサンのヘキサン溶液7.8cm3を加え
たが、該溶液は重量にして20%のアルミノキサン化合物
若しくは4.35%のアルミニウムを含有していた。次いで
攪拌によって添加中の媒質を均一にした後、ヘキサンを
窒素気流のストリッピングによって除去した。
更に40℃に保持し、攪拌中の反応容器の内容物中に、溶
液1当たり32.2gのマグネシウムを含有するn−ブチ
ルエチルマグネシウム 〔一般式:(n-C4H9)Mg(C2H5)〕のヘプタン溶液5cm
3を加えた。次いで、攪拌によって媒質を均一にした
後、窒素気流でストリッピングしてヘプタンを除去し
た。
次いで反応容器を周囲温度に戻し、該温度に保持して反
応容器の内容物を穏やかに攪拌しながら、該反応容器に
0.6モル/時の速度で無水HClを50分間注入することによ
って、上記アルミノキサン化合物で処理し、且つマグネ
シウム化合物を負荷した粉末のクロル化を行った。反応
容器を再度40℃に加熱した後、反応容器の内容物を窒素
でフラッシュすることによって、未反応のHClを除去し
た。
40℃に保持し、穏やかに攪拌中の上記反応容器の内容物
中に、1当たり38.4gのTiCl4を含有するTiCl4のヘプ
タン溶液5cm3を滴下し、次いで該媒質を均一化した
後、窒素をストリッピングしてヘプタンを除去した。
遷移金属成分を構成する、反応容器中に含まれる粉末生
成物を次いで、容量で50%のトリエチルアルミニウムを
有するヘプタン溶液6cm3で処理するが、この添加は3c
m3ずつ2回に分けて行う。添加終了後、媒質を均一化し
た後、残留ヘプタンを窒素気流でストリッピングして除
去した。
かくして得られる、助触媒として添加したトリエチルア
ルミニウムによって活性化された遷移金属成分を構成す
る生成物は、オレフィンを重合することのできる完全な
触媒系を形成する。
該触媒系は、最初の担体ポリマーの粒度に匹敵する粒度
を有しており、重量にして0.093%のTi、0.32%のMgお
よび2%のClを含有しており、チタン原子数に対する、
助触媒として使用したトリエチルアルミニウムに由来す
るアルミニウム原子数の比は20であった。該触媒系を窒
素雰囲気下の容器中に保存した。
上記した粉末ポリマー担体から触媒系に至る一連の各種
操作を通じて、反応容器中の生成物は、さらさらした粒
子状の分散状態の固形物の形を維持していた。
実施例6 3.5lの容量を有するリボンミキサー型の水平反応容器中
で操作を行った。
窒素雰囲気下に保った乾燥反応容器に、あらかじめ真空
中で乾燥した。メルトインデックス7、密度0.960の高
密度ポリエチレン粉末500gを導入した。該粉末の平均粒
径は190ミクロンで気孔容積は0.11cm3/gであった。
50℃に保持した反応容器の内容物中に、溶液1中に3
0.3gのマグネシウムを含有する、ジブチルマグネシウム
のヘプタン溶液73cm3を30分かけて滴下した。次いで、
反応容器の内容物を1時間攪拌して均一にした後、窒素
気流を3時間にわたってストリッピングすることによっ
てヘプタンを除去した。
反応容器を次いで周囲温度に戻し、該温度に保持しつ
つ、反応容器の内容物を攪拌しながら、0.6モル/時の
速度で無水HClを1時間反応容器に注入することによっ
て、上記マグネシウム化合物を担持させた粉末のクロル
化を行った。未反応のHClは窒素を1時間フラッシュし
て除去した。
次いで反応容器を再び50℃に加熱し、該温度に保持しつ
つ攪拌を行いながら、反応容器の内容物にTiCl4のヘプ
タン溶液38cm3を滴下するが、該溶液はTiCl413.2をヘプ
タン250cm3で希釈して得られる。該添加の終了時に、上
記粉末含有媒体を30分間攪拌して均一化した。
遷移金属成分を形成した反応容器中に含まれる粉末生成
物を次いで、50℃で攪拌しながら、容量で50%のトリエ
チルアルミニウムを含むヘプタン溶液60cm3によって処
理し、該処理は各々30cm3ずつを2回にわけて滴下する
ことにより実施した。各々の添加が終了する毎に、攪拌
による均一化と、窒素気流によるヘプタンのストリッピ
ングを行った。
かくして、遷移金属成分をトリエチルアルミニウムで活
性化して得られる生成物は、それ自体でオレフィンを重
合することのできる触媒系を形成する。
該触媒系は、最初の粉末の粒度に匹敵する粒度を有して
おり、重量にして0.065%のTi、0.39%のMgおよび1.37
%のClを含み、Ti原子数に対する、トリエチルアルミニ
ウムに由来するAl原子数の比は20であった。上記触媒系
を窒素雰囲気下の容器に保存する。
上記した粉末重合体担体から触媒系に至る一連の各種操
作を通じて、反応容器中に含まれる生成物は、さらさら
した粒子の分散状態の固形物の形を維持していた。
実施例7 実施例1と同様の反応容器中で操作を行った。
窒素雰囲気下に保った乾燥反応容器中に、メルトインデ
ックス2のポリプロピレン粉末50gを導入した。該粉末
はあらかじめ周囲温度で2時間、真空中でガス抜きする
ことによって乾燥したものであり、その平均粒径は250
ミクロンで、気孔容積は0.10cm3/gであった。
50℃に保持し、攪拌中の上記反応容器の内容物中に、溶
液1当たり18gのマグネシウムを含有するジ−n−ヘ
キシルマグネシウムのヘプタン溶液10.8cm3を滴下し
た。次いで、反応容器の内容物を20分間攪拌して均一化
した後、窒素気流を1時間ストリッピングしてヘプタン
を除去した。
次いで反応容器を周囲温度に戻し、該温度に保ちながら
反応容器の内容物を攪拌して、0.6モル/時の速度で無
水HClを40分間注入することによって、上記マグネシウ
ム化合物を担持させた粉末のクロル化を行った。未反応
のHClは窒素をストリッピングすることによって除去し
た。
次に反応容器を再度50℃に加熱して、該温度に保持して
穏やかに攪拌を行いながら、TiCl4のヘプタン溶液4cm3
を上記反応容器の内容物に滴下した。該溶液は、TiCl4
13.2gをヘプタン250cm3に希釈して得られた。この添加
の終了後、粉末含有媒質を15分間攪拌して均一化し、次
いで残留ヘプタンを除去するために窒素気流でフラッシ
ュした。
かくして、遷移金属成分を構成する、反応容器中に含ま
れる粉末生成物を、50℃に保ち攪拌しながら、容量で50
%のトリエチルアルミニウムを含むヘプタン溶液3cm3
を加えた。ここに、この溶液は、反応容器の内容物中に
滴下して加えるものとする。該添加に続いて、反応容器
の内容物を15分間攪拌して均一化し、窒素気流でストリ
ッピングして残留ヘプタンを除去した。
かくして、トリエチルアルミニウムによって遷移金属成
分を活性化して得られる生成物は、それ自体でオレフィ
ンを重合することのできる触媒系を構成する。
該触媒系は最初のポリプロピレン粉末の粒度に対応する
粒度を有しており、重量にしてTi 0.08%、Mg 0.39%お
よびCl 1.25%を含んでおり、Ti原子数に対するトリエ
チルアルミニウムに由来するAl原子数の比は30であっ
た。上記触媒を不活性雰囲気下に容器に入れ保持した。
粉末重合体担体から上記触媒系に至る一連の操作を通じ
て、反応容器中に含まれる生成物は、さらさらした粒子
状の分散状態の固形物の形を維持していた。
実施例8 実施例1と同様の反応容器を用いて操作を行った。
窒素雰囲気下に保持した乾燥反応容器中に、あらかじめ
窒素でガス抜きした平均粒径680ミクロン、気孔容積0.2
cm3/gの低密度線状ポリエチレンの乾燥粉末50gを導入し
た。
45℃に保ち、攪拌を続ける上記反応容器の内容物中に、
純粋トリ−n−ヘキシルアルミニウム3cm3を加え、次
いで媒質を30分間攪拌して均一化した。
続いて、再度40℃に戻し、攪拌を続ける反応容器中に、
溶液1当たり21gのマグネシウムを含有する、ブチル
オクチルマグネシウムのヘプタン溶液9.9cm3を導入し
た。次いで、攪拌によって媒質を均一化した後、窒素気
流でストリッピングして残留ヘプタンを除去した。上記
ブチルオクチルマグネシウムの化合物は平均して (n-C4H91.5(n-C8H170.5Mgの化学式を有してい
る。
次に、反応容器を周囲温度に戻し、該温度に保ち反応容
器の内容物を穏やかに攪拌しながら、0.6モル/時の速
度で無水HClを60分間反応容器に注入することによっ
て、上記アルミニウム化合物で前処理し、且つ上記マグ
ネシウム化合物を担持させた粉末のクロル化を行った。
未反応のHClは窒素気流をストリッピングすることによ
って除去した。
45℃に戻し、穏やかに攪拌し、該温度に保持しながら、
反応容器の内容物中に、溶液1当たり、0.72モルのTi
Cl4を含むTiCl4のヘプタン溶液1.5cm3を滴下して加え
た。次いで、45分間攪拌して媒質を均一化した後、窒素
気流でストリッピングすることによって残留ヘプタンを
除去した。
次いで、遷移金属成分を構成する、上記反応容器中に含
まれる粉末生成物を、容量で50%のトリエチルアルミニ
ウムを含むヘプタン溶液7cm3で処理し、次いで媒質を2
0分間攪拌して均一化した後、窒素気流を45分間フラッ
シュして残留ヘプタンを除去した。
かくして得られる、トリエチルアルミニウムによって活
性化された遷移金属成分から成り、オレフィンの重合反
応を促進することのできる触媒系を形成する生成物は、
最初の担体ポリマーの粒度に対応する粒度を有してい
た。上記触媒系は、重量にしてTi 0.112%、Mg 0.415%
およびCl 2.6%を含んでおり、Ti原子数に対するトリエ
チルアルミニウムを由来するAl原子数の比は30であっ
た。
該触媒系を不活性雰囲気下に容器に入れて保存した。
粉末重合体担体から触媒系に至る一連の操作を通じて、
反応容器中に含まれる生成物は、さらさらした粒子状の
粉末固形物の形を維持していた。
実施例9 実施例1と同様の反応容器を用いて操作を行った。
窒素雰囲気下に保った乾燥反応容器中に、あらかじめ窒
素でガス抜きしておいた、平均粒径85ミクロン、気孔容
積0.2cm3/gの低密度線状ポリエチレンの乾燥粉末30.2g
と、あらかじめ真空中200℃で乾燥しておいた熱分解シ
リカ粉末1.68gとを導入した。該シリカ粉末は、デガッ
サ(DEGUSSA)社製でアエロシル(AEROSIL)200の商品
名で販売されているものである。
40℃に保持し、攪拌中の上記反応容器の内容物中に、溶
液1当たり30.3gのマグネシウムを含有する、ジブチ
ルマグネシウムのヘプタン溶液17cm3を添加した。上記
量の溶液を反応容器に添加するには、等量ずつ4回に分
けて行い、各添加の終わる毎に、窒素気流でヘプタンを
ストリッピングした。
次いで上記反応容器を周囲温度に戻し、該温度に保持し
て反応容器の内容物を穏やかに攪拌しながら、0.6モル
/時の速度で無水HClを40分間反応容器中へ注入するこ
とによって、上記マグネシウム化合物を担持させた粉末
のクロル化を行った。未反応のHClを窒素でフラッシュ
して除去した。
再度40℃に戻し、穏やかに攪拌し該温度に保ちながら、
反応容器の内容物中に、溶液1当たり0.485モルのTiC
l4を含有するTiCl4のヘプタン溶液8cm3を滴下して加え
た。該添加の後、反応容器の内容物を20分間攪拌して均
一化し、次いで窒素気流をストリッピングして残留ヘプ
タンを除去した。
かくして、遷移金属成分を構成する粉末生成物が得られ
るが、該生成物は、担体として使用する重合体粉末の粒
度に対応する粒度を有しており、重量にしてTi 0.38
%、Mg 1.42%およびCl 5.4%を含んでいた。該粉末
を、窒素雰囲気下の容器中に保存した。
粉末重合体担体から上記遷移金属成分に至る一連の操作
を通じて、反応容器に含まれる生成物はさらさらした粉
末固形物の形を維持した。該粉末中に少量含まれる熱分
解シリカは、抗ケーキング剤の働きをし、それによっ
て、上記粉末固形物を処理する各段階で該粉末固形物の
流動性を改良することができる。
実施例10 遷移金属成分を用いる触媒若しくは、これ以前の実施例
で調製され、以下に「触媒」と称される触媒系の存在下
に、エチレン1−ブテンの混合物をガス相で共重合して
得られるエチレン/1−ブテン共重合体で、なお線状低密
度ポリエチレンと呼ぶことのできる共重合体の製造を行
うための試験を行った。
ガス相での共重合反応は、回転速度400rpmで回転する攪
拌装置を備えた容量8.2lの反応容器中で行い、共重合反
応の全工程を85℃で行った。
あらかじめ乾燥し、減圧にした上記反応器中に絶対圧1
バールの1−ブテン、適当量の助触媒、再度絶対圧1.5
バールの1−ブテン、次いで絶対圧1.5バールの水素お
よび最後に絶対圧13バールのエチレンを逐次導入した。
次いで一定量の遷移金属成分若しくは、先行する実施例
において得られた触媒系を、絶対圧4バールの窒素圧下
で上記反応容器中に導入した。次いでエチレンと1−ブ
テンとを、1−ブテン/エチレンのモル比0.0466で注入
することによって、反応容器の圧力を絶対圧21バールに
保持した。
上記反応の終わった時点で反応容器を減圧にし、窒素で
パージした後、冷却した。生成した共重合体は粉末状で
回収した。
各試験の特殊な操作条件および得られた結果を以下の第
1表にまとめた。
実施例11 実施例9で製造した遷移金属成分と助触媒トリ−n−ヘ
キシルアルミニウムとの組み合せから成る触媒系を用い
て、エチレン、1−ブテンおよび1−ヘキセンの混合物
をガス相で共重合反応することによって、線状低密度ポ
リエチレンと称される製品の範囲に含まれる、エチレン
/1−ブテン/1−ヘキセンの共重合体の合成を行った。
上記共重合反応は、回転速度400rpmで回転する攪拌装置
を備え、共重合反応の全工程を通じて85℃に保持された
容量8.2lの反応容器中で行った。
あらかじめ乾燥し、真空にした上記反応容器中に、絶対
圧1バールの1−ブテンと1−ヘキセンとの混合物(該
混合物の1−ヘキセン/1−ブテンのモル比は0.112)、
次いで助触媒、即ち純粋トリ−n−ヘキシルアルミニウ
ム3cm3、絶対圧2バールの上記1−ブテンと1−ヘキ
センとの混合物、絶対圧1.5バールの水素および最後に
絶対圧12.5バールのエチレンを逐次導入した。
上記反応容器の内容物が85℃に達した時点で、該反応容
器に実施例9で製造した遷移金属成分0.7438gを導入し
た。該導入は、窒素圧下に行い、該窒素の流入が、反応
容器内における圧力が絶対圧21バールとなるまで行われ
る。次いで1時間当たり1000ノルマルリットルのガス状
エチレンと、1−ヘキセン/1−ブテンのモル比が0.112
である1−ブテンと1−ヘキセンとの液体混合物170cm3
とを注入することによって上記反応容器内の圧力を上記
の値に保持した。なお、上記注入に際する1−ブテン/
エチレンのモル比は0.036であり、1−ヘキセン/エチ
レンのモル比は0.0043であった。
4時間後に上記オレフィンの注入を停止し、反応容器に
減圧し、窒素でパージして冷却した。
かくして、平均粒径900ミクロンの粉末状を呈するエチ
レン/1−ブテン/1−ヘキセンの共重合体1060gを回収し
た。
該共重合体の密度は0.919であり、その見掛密度は0.389
g/cm3であり、メルトインデックス(MI 2.16)および流
動性インデックス(FI 21.6)は夫々1.9および61.2であ
った。
本合成の生産性は、Ti1g当たり375,000gの共重合体に相
当する。
実施例12 実施例8で製造した遷移金属成分および助触媒、即ちト
リ−エチルアルミニウムとから成る触媒系を用いて、懸
濁状でエチレンを重合することによって高密度ポリエチ
レンの合成を行った。
あらかじめ窒素でパージした1の容量の3つ口ガラス
球形フラスコ中に、ヘキサン500mlとトリエチルアルミ
ニウム2.5ミリモルを導入し、次いで数分間攪拌した
後、実施例8で製造した遷移金属成分1.2gを導入した。
かくして得られた懸濁液を次いで、攪拌装置を具備し、
且つあらかじめ窒素でパージした1.5lの容量のオートク
レーブ中に窒素通気下に移した。
このように移した後、攪拌を開始し、反応容器を80℃に
加熱した。該温度を保持し、攪拌を続けながら、次いで
全圧力が絶対圧5.6バールとなるまで上記オートクレー
ブ中に水素を導入し、次に全圧力が絶対圧12バールに達
するようにエチレンを導入し、次いでオートクレーブの
全圧力を12バールに保持するために上記エチレンの導入
を続ける。
2時間反応させた後、オートクレーブを減圧し、重量に
して10%のHClを含有するメタノールとHClの混合物をオ
ートクレーブの内容物中に加えることによって重合反応
を停止した。
生成した重合体を濾過によって回収し、乾燥した。
かくして、メルト・インデックス(MI 5.16、190℃)が
1.75で密度0.957の高密度ポリエチレン90gを得た。この
重合反応の生産性は、触媒系のチタン1g当たり67,000g
の重合体に相当した。
以上、本発明を好ましい態様と関連させて説明したが、
これは本発明の範囲を特定分野に限定するものではな
く、特許請求の範囲に定義した本発明の思想および範囲
に含まれる変形、変更および均等例を示すためのもので
ある。
実施例13 実施例1の操作を繰り返したが、TiCl4のヘプタン溶液
の代わりに3cm3のTiCl2(OBu)2のヘプタン溶液を用い
た(1リットル当たり52.2gのチタンを含む)。
得られた粉末状の遷移金属成分は、出発原料の粉末と同
じ粒度分布を有し、重量でTi:0.47%、Mg:1.1%、Cl:3.
5%を含んでいた。
この遷移金属成分を0.3g用いて実施例10に従った重合を
行った。580gのエチレン/ブテン−1共重合体が得られ
た。この共重合体の特性は下記の通り: 平均粒径:680μm メルトインデックス:MI2.16=1 流動性インデックス:FI21.6=27 実施例14 実施例1の操作を繰り返したが、無水HClの代わりにt
−ブチルクロライドを用いた。すなわち、無水HCl処理
の行程を下記の通りに変更した: 反応容器の温度を80℃に上げた後、マグネシウム化合物
を担持させたポリエチレン粉末に、31.6ミリモルのt−
ブチルクロライドを攪拌下しながら15分かけて滴下し
た。その後、攪拌を続け、30分後に反応容器をチッソガ
スで洗う。その後は実施例1に記載の方法でTiCl4のヘ
プタン溶液で処理した。
得られた粉末状は重量でTi:0.40%、Mg:1.01%、Cl:3%
を含んでいた。
この遷移金属成分を0.32g用いて実施例10に従った重合
を行った結果、470gのエチレン/ブテン−1共重合体が
得られた。この共重合体の平均粒径は610μmであっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の触媒成分の調整行程を説明するための
概念図。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体担体を溶解しない不活性溶媒中で有
    機金属マグネシウム化合物の溶液を重合体担体に含浸さ
    せることによって分散状態の多孔性な重合体担体粒子に
    有機金属マグネシウム化合物を付着させ、次いで溶媒を
    蒸発させ、有機金属マグネシウム化合物を担持した重合
    体担体をチタン化合物を含む液体で処理し、しかも、上
    記の各操作を重合体担体の軟化点以下の温度で行う、オ
    レフィン重合の触媒系の構成要素として用いられる重合
    体担体に担持された遷移金属成分の調製方法において、 重合体担体としてポリオレフィンを選択し、 有機金属マグネシウム化合物として、下記一般式
    (I): Ya Mgm Xb (I) (ここで、 Yは炭素数1〜12のアルキルまたはアルコキシ基を表
    し、 XはY基またはハロゲン原子を表し、 mは1以上の整数であり、 aおよびbは0以上の整数であり、 a+b=2mである) の有機金属マグネシウム化合物またはこの有機金属マグ
    ネシウム化合物と下記一般式(II): Al(R)3 (II) (ここで、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す) のアルキルアルミニウム化合物とを式(II)のモル数に
    対する有機金属マグネシウム化合物のモル数の比を0.1
    〜100にして反応させた反応生成物から成る錯体を選択
    し、 チタン化合物として一般式(III): Ti(OR)pCl(4-p) (III) (ここで、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、pは
    0〜4の整数である) を選択し、 重合体担体をチタン化合物で処理する前または後で、有
    機金属マグネシウム化合物を担持した重合体担体を、少
    なくとも重合体担体中に存在する有機金属化合物を完全
    にクロル化するのに必要な化学量論量の気体または液体
    のクロル化剤を用い、溶媒を用いず且つ重合体担体の軟
    化点以下の温度でクロル化することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】有機金属マグネシウム化合物溶液による重
    合体担体の含浸を、重合体担体と有機金属マグネシウム
    化合物溶液との接触で生じる生成物が分散状態の固体の
    形状を維持するような容積の有機金属マグネシウム化合
    物溶液を用いて1回以上行い、各含浸操作が終わる毎に
    不活性溶媒を蒸発させる特許請求の範囲第1項に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】ポリオレフィンの多孔性重合体担体が高密
    度ポリエチレン、低密度ポリエチレンまたはポリプロピ
    レンの粉末である特許請求の範囲第1項または第2項に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】ポリオレフィンの粉末の平均粒径が1〜50
    00ミクロンである特許請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】重合体担体粉末の多孔度が0.005〜3cm3/g
    の範囲の気孔容積である特許請求の範囲第4項に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】重合体担体に有機金属マグネシウム化合物
    を付着する前に、重合体担体を窒素処理および/または
    真空処理して脱気・乾燥する特許請求の範囲第1〜5項
    のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】重合体担体に有機金属マグネシウム化合物
    を付着する前に、重合体担体を下記一般式(IV): AlRxCl(3-x) (IV) (ここで、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、Xは
    1≦X≦3を満足する数である) で表わされるアルキルアルミニウム化合物または下記一
    般式(VI): (ここで、 R′は炭素数1〜16のアルキル基であり、 R″はR′基を表すか、2つのR″が一緒になって2価
    の−O−基を表し、 nは0〜20の数である) で表わされるアルミノキサン化合物から選択される有機
    金属化合物で処理する特許請求の範囲第1〜6項のいず
    れか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】一般式(VI)のR′およびR″の各々が炭
    素数1〜16のアルキル基を表し、nが0〜8の整数であ
    る特許請求の範囲第7項に記載の方法。
  9. 【請求項9】上記有機金属化合物による重合体担体の処
    理を、重合体担体を溶解しない不活性溶媒中に上記有機
    金属化合物を溶解した溶液または有機金属化合物が液体
    である場合にはその有機金属化合物から成る液相と重合
    体担体とを接触させることによって行い、この接触は接
    触で生じる生成物が分散状態の固体の形状を維持するよ
    うな容積の液相を用いて1回以上行い、各接触操が終わ
    る毎に不活性溶媒を蒸発させる特許請求の範囲第7項ま
    たは第8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】重合体担体に有機金属マグネシウム化合
    物を付着する前の上記の処理を、重合体担体の軟化点以
    下の温度で行う特許請求の範囲第6〜9項のいずれか一
    項に記載の方法。
  11. 【請求項11】重合体担体に有機金属マグネシウム化合
    物を付着する前に、0.01〜8重量%の微細シリカを重合
    体担体に加える特許請求の範囲第1〜10項のいずれか一
    項に記載の方法。
  12. 【請求項12】有機金属マグネシウム化合物による重合
    体担体の含浸を−40〜+60℃の温度で行う特許請求の範
    囲第1〜11項のいずれか一項に記載の方法。
  13. 【請求項13】有機金属マグネシウム化合物溶液による
    重合体担体の含浸工程の後に行う溶媒の蒸発を温度〜70
    ℃の温度での不活性ガスを用いたストリッピングまたは
    減圧蒸留で行う特許請求の範囲第1〜12項のいずれか一
    項に記載の方法。
  14. 【請求項14】有機金属マグネシウム化合物を含浸した
    重合体担体のクロル化を−30〜+70℃の温度で行う特許
    請求の範囲第1〜13項のいずれか一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】クロル化剤を無水HCl、塩素、SOCl2、CO
    2Cl2、SiCl4、COCl2、NOCl、一般式:R1COClのアシルク
    ロリド、一般式:R1Clの塩化物または一般式:(R2tS
    iCl(4-t)のクロロシラン(ここで、R1は炭素数1〜6の
    アルキル基、炭素数6〜12のアラルキル基またはアルキ
    ルアリール基を表し、R2は水素原子またはR1基であり、
    tは1、2または3の数を表す)の中から選択する特許
    請求の範囲第1〜14項のいずれか一項に記載の方法。
  16. 【請求項16】クロル化剤を、重合体担体に付着したマ
    グネシウム原子数に対するクロル化剤によって供給され
    る塩素原子数の比が2〜100となるような量だけ使用す
    る特許請求の範囲第1〜15項のいずれか一項に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】重合体担体を溶解しない不活性液状媒体
    中にチタン成分を溶解または懸濁した液にクロル化生成
    物を接触させることによって、チタン成分の処理を行う
    特許請求の範囲第1〜16項のいずれか一項に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】チタン成分の溶液または懸濁液とクロル
    化生成物との接触を、この処理中に反応生成物が分散状
    態の固体の形状を維持するように、クロル化生成物中に
    チタン成分の溶液または懸濁液を1〜数回に分けて添加
    することによって行い、しかも、各添加が終わる毎に不
    活性ガスをフラッシュするか、減圧蒸留して不活性液体
    を除去する特許請求の範囲第17項に記載の方法。
  19. 【請求項19】チタン成分が液体であり、このチタン成
    分をクロル化生成物に気体状態で供給して付着させる特
    許請求の範囲第1〜18項のいずれか一項に記載の方法。
  20. 【請求項20】チタン成分による上記処理を−30〜+70
    ℃の温度で行う特許請求の範囲第19項に記載の方法。
  21. 【請求項21】チタン成分をTiCl4、TiCl3および一般式
    Ti(OR)pCl(4-p)を有する化合物(ここで、Rは炭素数
    1〜12のアルキル基であり、pは0〜4の整数である)
    で構成される群の中から選択する特許請求の範囲第1〜
    20項のいずれか一項に記載の方法。
  22. 【請求項22】遷移金属成分の製造後または製造中の任
    意の時点でルイス塩基から成る電子供与体を遷移金属成
    分に加える特許請求の範囲第1〜21項のいずれか一項に
    記載の方法
  23. 【請求項23】電子供与体の量を、電子供与体の分子数
    に対する遷移金属成分中のマグネシウム原子数の比が0.
    5〜200の範囲となるような量にする特許請求の範囲第22
    項に記載の方法。
  24. 【請求項24】遷移金属成分の製造で使用する有機金属
    マグネシウム化合物、チタン成分および重合体担体の量
    を、遷移金属成分が0.01〜10重量%のマグネシウムを含
    み、チタン原子数に対するマグネシウム原子数の比が0.
    5〜100となるような量にする特許請求の範囲第1〜23項
    のいずれか一項に記載の方法。
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