JPH0778086B2 - 架橋重合体分散物媒染剤の製造法 - Google Patents

架橋重合体分散物媒染剤の製造法

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JPH0778086B2
JPH0778086B2 JP19017988A JP19017988A JPH0778086B2 JP H0778086 B2 JPH0778086 B2 JP H0778086B2 JP 19017988 A JP19017988 A JP 19017988A JP 19017988 A JP19017988 A JP 19017988A JP H0778086 B2 JPH0778086 B2 JP H0778086B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は三級アミノ基またはそのアンモニウム塩を有す
るモノマー単位と、アニオン性官能基を有するモノマー
単位を構成成分としても持つ架橋分散物重合体媒染剤の
製造法に関する。
(従来の技術) 従来、三級アミノ塩または、そのアンモニウム塩を有す
るビニルモノマーの架橋重合体分散物(ラテックス)の
製造は、例えば特開昭55-33172号に記載されている様に
エチレン性不飽和基を少くとも2個含有する共重合可能
なモノマー、エチレン性不飽和モノマー、及び三級アミ
ノ基を有するビニルモノマーを界面活性剤を用いて水中
に乳濁させ、重合開始剤を用いて乳化重合した後、塩酸
等の酸によってアンモニウム塩とする方法か、またはエ
チレン性不飽和基を少くとも2個含有する共重合可能な
モノマー、エチレン性不飽和モノマー、および第二級ア
ミンと反応して三級アンモニウム塩を生成するような塩
を分子内に有するモノマー(たとえば、ビニルベンジル
クロリド)を、界面活性剤を用いて乳濁させ、重合開始
剤を用いて乳化重合した後、高分子反応により(場合に
よっては補助溶媒を併用して)、第二級アミンを反応さ
せて架橋分散物重合体とする方法が知られている。
これらの方法は、架橋分散物重合体媒染剤を製造する上
では極めて有用な方法であるが、アニオン性官能基を有
するモノマーを共重合した架橋重合体分散物媒染剤を製
造することは著しく困難であった。
すなわち、前者の方法を用いると、乳化重合の初期段階
で粒子同志の凝集がすみやかに起こり、生成した凝集物
は、その後の酸の添加等によっても、もはや再分散する
ことはない。
一方、後者の方法を用いると乳化重合反応は安定に行う
ことができる。しかしながら、この反応は高分子反応で
あり、またポリマーラテックス中の反応性基の加水分解
反応が同時に進行するため添加した第二級アミンを完全
に反応させることができないという欠点を本来有してい
る。さらに、アニオン性基を有するモノマーを共重合し
た分散物にこの方法を適用すると、分散物中に存在する
アニオン成分によって第二級アミンとの反応は、さらに
阻害され、目的とする三級アミン成分を十分に導入する
ことができないばかりか、未反応の二級アミンやその塩
のような目的物以外の不純物が多量の残存してしまうと
いう欠点を有していた。
(本発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、三級アミノ基または、そのアンモニウ
ム塩を有するモノマー単位とアニオン性官能基を有する
モノマー単位を構成成分として有する安定な架橋重合体
分散物媒染剤を、前記のような製造上の欠点なく、製造
する方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは鋭意検討の結果、三級アミノ基または、そ
のアンモニウム塩を有するモノマー単位と、アニオン性
官能基を有するモノマー単位を構成成分として持つ架橋
重合体分散物媒染剤において、該媒染剤が、エチレン性
不飽和基を少なくとも2個含有する共重合可能なモノマ
ー、三級アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマー及
び塩基性化合物によって中和されたアニオン性官能基を
有するエチレン性不飽和モノマーとをラジカル重合開始
剤で乳化重合させた後、酸によって三級アミンの塩とす
ることを特徴とする架橋分散物重合体媒染剤の製造法に
より、上記目的物を達成できることを見出した。
本発明において用いられるアニオン性官能基を有するモ
ノマーのアニオン性官能基としては−COOH基、−SO3H
基、−SO2H基などが挙げられる。また三級アミノ基また
はそのアンモニウム塩を有するモノマーとしては、後記
する一般式(III)または(IV)で表わされるモノマー
などが挙げられる。
本発明によって得られる重合体媒染剤について以下に詳
細に説明する。
本発明における好ましい架橋重合体分散物媒染剤は下記
一般式(I)または(II)で表される。
一般式(I) 一般式(II) 式中Aは共重合可能なエチレン性不飽和基を少なくとも
2つ有し、その少なくとも1つを側鎖に含むような共重
合可能なモノマーを共重合したモノマー単位を表わす。
Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを共重合し
たモノマー単位を表わす。
Eは本発明に用いられるアニオン性官能基を有する共重
合可能なエチレン性不飽和モノマー単位を表す。
R1は水素原子又は低級アルキル基又はアラルキル基を表
わす。R2、R3はアルキル基、アラルキル基を表わし、こ
れらは互いに同じであっても、異なってもよく、また置
換されていてもよい。
又、R2、R3は相互に結合して、窒素原子とともに5員環
又は6員環の構造を形成してもよい。Qはアルキレン
基、フエニレン基、アラルキレン基、 で表わされる基を表わす。ここでLはアルキレン基、ア
リーレン基又はアラルキレン基を表わし、Rはアルキル
基を表わす。X は陰イオンを表わす。D は5員環又
は6員環の窒素原子を1つ又は2つ有する複素環で窒素
原子がに荷電しているものを表わす。
は置換基を持っていてもよい。w、x、y、及びzはモ
ル百分散率を表わし、wは0.1ないし50、xは0ないし6
0、yは1ないし45、zは20ないし95の値をとる。ここ
で、同一化合物内において、yがzより大きい値をとる
ことはない。
さらに詳細に説明すると本発明の好ましい架橋分散物重
合体媒染剤において、上記一般式で、Aにおけるモノマ
ーの例は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレ
ングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、テトラ
メチレングリコールジメタクリレート等であり、このう
ちジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレ
ートが特に好ましい。
Bにおけるエチレン性不飽和モノマーの例は、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、脂肪族酸のモノ
エチレン性不飽和エステル(例えば酢酸ビニル、酢酸ア
リル)、エチレン性不飽和のモノカルボン酸もしくはジ
カルボン酸のエステル(例えばメチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、n
−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート)モノエチレン性不飽和化合物(例えばアク
リロニトリル)またはジエン類(例えばブタジエン、イ
ソプレン)等であり、このうちスチレン、n−ブチルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどが特
に好ましい。Bは上記のモノマー単位を二種以上含んで
いてもよい。
Eはアニオン性官能基を有する共重合可能なエチレン性
不飽和モノマー単位を表し、好ましくは−COOH基、−SO
3H基、−SO2H基を有するモノマー単位である。
Eで表されるモノマー単位を与えるアニオン性官能基を
有するエチレン性不飽和モノマーの例を以下に示すが、
これに限定されるものではない。
これらのEで表されるモノマー単位は、単独で用いても
よいし、二種以上を同時に用いてもよい。
R1は水素原子あるいは炭素数1〜6個の低級アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブ
チル基、n−アミル基、n−ヘキシル基)が好ましく、
このうち水素原子あるいはメチル基が特に好ましい。
R2、R3はそれぞれ同一または異種の1〜20個の炭素原子
を有するアルキル基もしくは7〜20個の炭素原子を有す
るアラルキル基が好ましく、このアルキル基およびアラ
ルキル基には、置換アルキル基および置換アラルキル基
が包含される。
R2、R3は相互に連結して窒素原子とともに5員又は6員
の環状構造を形成してもよい。
アルキル基としては無置換アルキル基、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−アミル
基、イソアミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル
基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキ
シル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル
基、など;アルキル基の炭素原子は好ましくは1〜6個
である。
置換アルキル基としては、例えばアルコキシアルキル基
(例えばメトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキ
シブチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、
エトキシブチル基、ブトキシエチル基、ブトキシプロピ
ル基、ブトキシブチル基、ビニロキシエチル基)、シア
ノアルキル基(例えば、2−シアノエチル基、3−シア
ノプロピル基、4−シアノブチル基)、ハロゲン化アル
キル基(例えば2−フルオロエチル基、2−クロロエチ
ル基、3−フルオロプロピル基)、アルコキシカルボニ
ルアルキル基(例えばエトキシカルボニルメチル基な
ど)、アリル基、2−ブテニル基、プロパギル基などが
ある。
アラルキル基としては,無置換アラルキル基、例えばベ
ンジル基、フエネチル基、ジフエニルメチル基、ナフチ
ルメチル基など;置換アラルキル基例えば(アルキルア
ラルキル基、例えば4−メチルベンジル基、2,5−ジメ
チルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、アルコ
キシアラルキル基、例えば4−メトキシベンジル基、4
−エトキシベンジル基、4−(4−メトキシフエニル)
ベンジル基、シアノアラルキル基、例えば4−シアノベ
ンジル基、4−(4−シアノフエニル)ベンジル基、パ
ーフロロアルコキシアラルキル基、例えば4−ペンタフ
ルオロプロポキシベンジル基、4−ウンデカフルオロヘ
キシロキシベンジル基、ハロゲン化アラルキル基、例え
ば、4−クロロベンジル基、4−ブロモベンジル基、3
−クロロベンジル基、4−(4−クロロフエニル)ベン
ジル基、4−(4−ブロモフエニル)ベンジル基などが
ある。アラルキル基の炭素数は好ましく7〜14個であ
る。このうちベンジル基が特に好ましい。
R2、R3が相互に結合して窒素原子とともに環状構造を形
成する例としては、形成される環構造として、ピロリジ
ン環、ピペリジン環、モルホリン環等があげられる。
Qは好ましくは、炭素数1〜12の2価のアルキレン基
(例えばメチレン基又は−(CH2)6−で示される基)、フ
エニレン基又は炭素数7〜12のアラルキレン基(例えば 又は で示される基)が好ましく、又、下記の式で示される基
も好ましい。
ここでLは炭素数1〜6のアルキレン基又はアリーレン
基又は炭素数7〜12のアラルキレン基が好ましく、Rは
炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
は陰イオンを表わし、例えばハロゲンイオン(例え
ば塩素イオン、臭素イオン)、アルキルあるいはアリー
ルスルホン酸イオン(例えばメタンスルホン酸、エタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸)、酢酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオンなどがあ
り、塩素イオン、酢酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン
が特に好ましい。
の例としては以下のような基が挙げられる。
wは0.1ないし50モル%、好ましくは3ないし30モル%
であり、xは0ないし60モル%、好ましくは0ないし30
モル%である。
yは1ないし45モル%、好ましくは5ないし35モル%で
あり、zは20ないし95モル%、好ましくは30ないし85モ
ル%である。
本発明の方法で製造される架橋重合体分散物媒染剤の例
を下記に示すが、これに限定されるものではない。
(W、X、Y、Zの比はモル%を表す) 本発明の方法による架橋重合体分散物媒染剤の合成法を
以下に詳細に記す。
一般式(I)または、一般式(II)で表される重合体分
散物は、まず上記のエチレン性不飽和基を少くとも2個
含有する共重合可能なモノマー、エチレン性不飽和モノ
マー、および塩基性化合物(たとえば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アミン類)によって中和された上
記のアニオン性官能基を有するモノマー、および下記一
般式(III)または一般式(IV)で表されるエチレン性
不飽和モノマーとを乳化重合させた後、H−Xの構造を
有する酸(式中、Xは上記に示されたものに同じ)(例
えば塩酸、硝酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、また
は酢酸)によって三級アミンの塩とする事によって得る
ことが出来る。
一般式(III) R1、R2、R3、Qは上記に示されたものに同じ。
一般式(III)で表される化合物としては、例えば、N,N
−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノ
エチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアク
リレート、N−(N,N−ジメチルアミノプロピル)アク
リルアミド、N−(N,N−ジヘキシルアミノメチル)ア
クリルアミド、3−(4−ピリジル)プロピルアクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノメチルスチレンなどが挙げ
られる。
一般式(IV) R1は上記に示されたものに同じ。Dは5員環又は6員環
の窒素原子を1つ又は2つ有する複素環を表わす。Dは
置換基を持っていてもよい。
一般式(IV)で表される化合物としては、例えば2−ビ
ニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−4−ビニル
ピリジンなどが挙げられる。
アニオン官能基を有するモノマーを中和するのに用いら
れる塩基性化合物としては、無機の塩基(たとえば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア)や有機
の塩基(たとえば、メチルアミン、エチルアミン、n−
プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ト
リメチルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピロリジン
などのアミン類)が挙げられ、中でも、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムが特に好ましい。
また、アニオン性官能基を有するモノマーに添加される
塩基性化合物の量は60モル%が好ましく、特に好ましく
は90モル%以上である。
上記の乳化重合は少なくとも一種の乳化剤を用いて水あ
るいは水と水に混和しうる有機溶媒(たとえばメタノー
ル、エタノール、アセトン等)の混合溶媒中でモノマー
を乳化させラジカル重合開始剤を用いて一般に30℃ない
し約100℃、好ましくは40℃ないし約90℃の温度で行な
われる。
重合反応は、通常重合すべき単量体にたいし0.05〜5重
量%のラジカル重合開始剤と必要に応じて0.1〜10重量
%の乳化剤を用いて行なわれる。重合開始剤としては、
アゾビス化合物、パーオキサイド、ハイドロパーオキサ
イド、レドックス触媒など、たとえば過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、tert−ブチルパーオクトエート、
ペンゾイルパーオキサイド、イソプロピルパーカーボネ
ート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、アゾビスイソブチ
ロニトリル、2−2′−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)ハイドロクロライドなどがある。
乳化剤としてはアニオン性、カチオン性、両性、ノニオ
ン性の界面活性剤の他、水溶性ポリマーなどがある。た
とえばラウリン酸ソーダ、ドデシル硫酸ナトリウム、1
−オクトキシカルボニルメチル−1−オクトキシカルボ
ニルメタンスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレン
スルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、セチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、N−2−エチルヘキシルピリジニウ
ムクロライド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステ
ル、ポリビニルアルコール、特公昭53-6190号に記載の
乳化剤、水溶性ポリマーなどがある。
本発明の重合体分散物の合成においては、その目的に応
じて、重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅
広く、かつ、容易に変更できることはいうまでもない。
上記の三級アミンの塩とする反応は一般に−10℃ないし
約90℃の温度で行なわれるが、特に20℃〜80℃が好まし
い。
また添加する酸の量は、アニオン単量体の中和に用いた
塩基とアミンの総量に対し、好ましくは30ないし150モ
ル%、特に好ましくは50ないし100モル%である。
このようにして本発明により製造された架橋重合体分散
物は、透明性の良い皮膜を形成させることができ、特に
写真用分野において、イラジェーション防止あるいはハ
レーション防止層用の染料の媒染剤として有用である。
イラジェーション防止あるいはハレーション防止のため
の染料を固定するための媒染剤は、米国特許2,326,057
号や特開昭55-33172号などに記載されている。
写真分野に用いられる三級アミノ基及びそのアンモニウ
ム塩を有するカチオン性重合体分散物の製造法について
は特開昭55-33172号に、2種の方法が記載されている。
第1の方法は、エチレン性不飽和基を少くとも2個含有
する共重合可能なモノマー、エチレン性不飽和モノマ
ー、及び三級アミノ基を有するビニルモノマーを界面活
性剤を用いて水中に乳濁させ、重合開始剤を用いて乳化
重合した後、塩酸等の酸によってアンモニウム塩とする
方法であり、第2の方法はエチレン性不飽和基を少くと
も2個含有する共重合可能なモノマー、エチレン性不飽
和モノマー、および第二級アミンと反応して三級アンモ
ニウム塩を生成するような基を分子内に有するモノマー
(たとえば、ビニルベンジルクロリド)を、界面活性剤
を用いて乳濁させ、重合開始剤を用いて乳化重合した
後、高分子反応により(場合によっては補助溶媒を併用
して)、第二級アミンを反応させて架橋分散物重合体と
する方法である。
しかしながら、これらの方法はアニオン性のモノマーを
共重合した架橋分散物重合体の製造にそのまま応用して
必要とする安定な分散物を得ることは極めて困難であ
る。
ここで言う“安定”とは、重合体分散物の製造時に凝集
等による粗大粒子化(数ミクロン以上の大きさとなるこ
と)や、粒子の沈降現象がなく、また、生成した重合体
分散物の粒子径が経時により変化しにくく、かつ、沈澱
を生じないことを指す。
すなわち、第一の方法を用いると、乳化重合の初期の段
階で生成しつつあるポリマー粒子の凝集がすみやかに起
こり、巨大な凝集物となってしまう。この生成した凝集
物はその後に酸を添加しても、もはや再分散することは
ない。これは、おそらく重合体中に存在するアニオン官
能基を有するモノマー成分と、三級アミンを有するモノ
マー成分の強い相互作用により引き起こされる凝集と推
測される。これを回避するための一つの方法として、三
級アミンを有するモノマーを予め酸によって中和で用い
て乳化重合する手段が考えられる。しかしながら酸によ
って中和された三級アミノ基を有するモノマーは水溶性
となる。乳化重合において主成分となる三級アミノ基を
有するモノマーが水溶性となると、これらの重合体を架
橋分散粒子の形で重合させることは極めて困難であり、
結果としてゲル状の重合体を得るのみとなってしまう。
一方、第二の方法を用いた場合、乳化重合反応は安定に
行うことができる。しかしながら、この反応は、高分子
反応であり、またポリマーラテックス中の反応性基の加
水分解反応が同時に進行するため添加した第二級アミン
を完全に反応させることができないという欠点を本来有
している。さらに、アニオン性基を有するモノマーを共
重合した分散物にこの方法を適用すると、分散物中に存
在するアニオン成分によって第二級アミンとの反応はさ
らに阻害され、目的とする三級アミン成分を十分に導入
することができないばかりか、未反応の二級アミンやそ
の塩のような目的物以外の不純物が多量に残存してしま
うという欠点を有している。
これらの欠点は必要とされる媒染剤の媒染能力を低下さ
せるばかりでなく、写真系に組込んだ場合、残留物がハ
ロゲン化銀乳剤のかぶりをもたらしたり、ステインが増
加する等の好ましくない結果を誘起する。
本発明による製造法は、上記のような欠点をすべて解決
し、アニオン性官能基を共重合した安定な架橋重合体分
散物媒染剤を得ることができる。
また、本発明の重合体分散物媒染剤は、全製造工程が一
個の容器内で行なうことが出来、きわめて容易に製造さ
れ、多量の溶媒を用いる必要もない。
本発明によって得られた媒染剤は、特にハロゲン化銀写
真感光材料に有用に用いられる。例えば特開昭62-89045
号に記載された受像要素に用いて染料を固定する方法、
特願昭62-221284号(特開平1-65540号公報)に記載され
たように塗布性を改良する方法(また同時に染料も固定
することができる)等に用いることができる。
本発明を以下の実施例により更に具体的に説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1(例示化合物1の合成) 温度計、還流冷却管を装着した1三ツ口フラスコに、
蒸留水560ml、ソジウムドデシルサルフェート8.4g、亜
硫酸水素ナトリウム0.88g、ジビニルベンゼン17.0g、N,
N−ジエチルアミノメチルスチレン89.2g、アクリル酸9.
9g、水酸化ナトリウム5.48gを加え、窒素気流下攪拌し
つつ80℃に加熱した。過硫酸カリウム0.44gを蒸留水30m
lに溶解した溶液を1時間ごとに計4回加え、さらに2
時間攪拌を続けた。その後、室温まで冷却し、蒸留水15
9mlに濃硫酸28.4gをとかしたものを加え、濾過して固型
分濃度15.3重量%、粒子径105nm(コールターサブミク
ロン粒子アナライザー、日科機(株)により測定)の重
合体分散物を得た。
本実験において、フラスコ壁及び攪拌羽には、粒子の凝
集等による付着物は全く認められず、また、得られた分
散物は低粘でかつ極めて安定であった。
実施例2(例示化合物2の合成) 温度計、還流冷却管を装着した1三ツ口フラスコに、
蒸留水560ml、ソジウムドデシルサルフェート8.4g、亜
硫酸水素ナトリウム0.88g、ジビニルベンゼン17.0g、N,
N−ジエチルアミノメチルスチレン79.3g、アクリル酸1
9.8g、水酸化ナトリウム10.96gを加え、窒素気流下攪拌
しつつ80℃に加熱した。過硫酸カリウム0.44gを蒸留水3
0mlに溶解した溶液を1時間ごとに計4回加え、さらに
2時間攪拌を続けた。その後、室温まで冷却し、蒸留水
159mlに濃硫酸35.3gをとかしたものを加え、過して固
型分濃度15.3重量%、粒子径108nm(コールターサブミ
クロン粒子アナライザー、日科機(株)により測定)の
重合体分散物を得た。
本実験において、フラスコ壁及び攪拌羽には、粒子の凝
集等による付着物は全く認められず、また、得られた分
散物は低粘でかつ極めて安定であった。
実施例3(例示化合物5の合成) 温度計、還流冷却管を装着した1三ツ口フラスコに、
蒸留水500ml、ソジウムドデシルサルフェート8.5g、亜
硫酸水素ナトリウム0.88g、ジビニルベンゼン13.0g、N
−ビニルベンジルモルホリン88.0g、p−ビニル安息香
酸19.7g、水酸化ナトリウム5.8gを加え、窒素気流下攪
拌しつつ80℃に加熱した。過硫酸カリウム0.44gを蒸留
水30mlに溶解した溶液を1時間ごとに計4回加え、さら
に2時間攪拌を続けた。その後、室温まで冷却し、蒸留
水150mlに濃塩酸(36%塩化水素)55.8gをとかしたもの
を加え、濾過して固型分濃度16.2重量%、粒子径120nm
(コールターサブミクロン粒子アナライザー、日科機
(株)により測定)の重合体分散物を得た。
本実験において、フラスコ壁及び攪拌羽に対する付着物
はごく微量であった。また、得られた分散物は低粘でか
つ極めて安定であった。
比較例 温度計、還流冷却管を装着した1三ツ口フラスコに、
蒸留水560ml、ソジウムドデシルサルフェート8.4g、亜
硫酸水素ナトリウム0.88g、ジビニルベンゼン17.0g、N,
N−ジエチルアミノメチルスチレン89.2g、アクリル酸9.
9gを加え、窒素気流下攪拌しつつ80℃に加熱した。過硫
酸カリウム0.44gを蒸留水30mlに溶解した溶液を添加し
て重合を開始させた。
重合開始から数分後に系は白濁し、即座に粗大な凝集物
となり、均一な攪拌も困難なほどだった。
実施例1に準じて過硫酸カリウム0.44gを蒸留水30mlに
溶解した溶液をさらに1時間おきに3回加え、さらに2
時間経過したのちに、室温で、蒸留水159mlに濃硫酸28.
4gをとかしたものを加えたが、もはや安定な分散物へと
変化させることはできなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三級アミノ基または、そのアンモニウム塩
    を有するモノマー単位と、アニオン性官能基を有するモ
    ノマー単位を構成成分として持つ架橋重合体分散物媒染
    剤において、該媒染剤が、エチレン性不飽和基を少なく
    とも2個含有する共重合可能なモノマー、三級アミノ基
    を有するエチレン性不飽和モノマー及び塩基性化合物に
    よって中和されたアニオン性官能基を有するエチレン性
    不飽和モノマーとをラジカル重合開始剤で乳化重合させ
    た後、酸によって三級アミンの塩とすることを特徴とす
    る架橋分散物重合体媒染剤の製造法。
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