JPH0777829A - Micrプリンター用磁性トナー - Google Patents

Micrプリンター用磁性トナー

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JPH0777829A
JPH0777829A JP5225557A JP22555793A JPH0777829A JP H0777829 A JPH0777829 A JP H0777829A JP 5225557 A JP5225557 A JP 5225557A JP 22555793 A JP22555793 A JP 22555793A JP H0777829 A JPH0777829 A JP H0777829A
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toner
magnetic
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micr
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Application number
JP5225557A
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English (en)
Inventor
Hiroe Okuyama
浩江 奥山
Seiichi Takagi
高木  誠一
Ikutaro Nagatsuka
育太郎 長束
Teruo Masukawa
照男 増川
Yoshihiro Maekawa
佳洋 前川
Jun Igarashi
潤 五十嵐
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 MICR磁気読み取りの記号認識が正確で、
磁気ヘッドとの繰り返し摺擦によるトナー像の剥離、画
質の低下、画像の汚れ、磁気ヘッドの汚染を抑制するこ
とができるMICR用磁性トナーを提供しようとするも
のである。 【構成】 結着樹脂と磁性粉を含有するMICRプリン
ター用磁性トナーにおいて、ポリオレフィンを1〜10
重量部含有し、かつ、トナー中のポリオレフィンの平均
分散径が0.01〜0.5μmであり、トナーの残留磁
化が4.0〜7.0emu/gであり、トナーの個数分
布で5μm以下の粒子が10個数%以下であることを特
徴とするMICRプリンター用磁性トナーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MICRプリンター用
磁性トナーに関し、詳しくは、印刷後定着された磁性ト
ナーを磁気ヘッド等により繰り返し読み取りを可能にす
る磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、実用化されている静電現像方式に
おける乾式現像法としては、トナー及び鉄粉などのキャ
リアを用いる二成分現像方式と、キャリアを用いずにト
ナー内部に磁性体を含有する磁性トナーを用いる一成分
現像方式が知られている。一成分現像方式は、二成分現
像方式の現像機に必要な自動濃度調整機などが不用で、
キャリア交換メンテナンスも不用であるため、小型複写
機やプリンターだけでなく中速以上の複写機にも用いら
れるようになり、性能の一層の向上が期待されている。
【0003】ところで、このような一成分磁性トナー現
像方式を利用し、磁気画像文字認識に適した書類、特に
個人用小切手などを非常に簡単に作成し、印刷するとい
う試みがなされてきた。このような方式はMICR(Ma
gnetic Ink Character Recognization)と呼ばれてい
る。MICRは、画像を磁化し、磁気ヘッドにより読み
出すというものであり、通常、液体の磁性インクを用い
て印刷し、その画像を読み取るもので、画像形成が複雑
である。その点、一成分磁性トナー現像方式は、機械が
コンパクトでしかもメンテナンスが簡単であるため、画
像形成を非常に効率的に行うことができる。
【0004】しかし、従来の一成分現像方式では画像を
形成する磁性トナーの磁化が弱すぎて、MICRの読み
取り機で正しく認識することができないという問題があ
る。また、現在のMICRの読み取り機は、液体印刷さ
れた画像を読み取ることを前提に作られている。磁性ト
ナーは、紙などの定着画像担持体に滲み混むものではな
く、定着画像担持体表面に熱融着して定着されるため、
形成された磁性トナー像は画像担持体である紙から容易
に剥離され、さらに剥離されたトナーが磁気ヘッドを汚
染したりして正確な読み取りを妨げるという問題があ
る。
【0005】ところで、MICRプリンター用磁性トナ
ーは、MICR適性とプリンター適性の両方の性能を兼
ね備える必要がある。即ち、磁気ヘッドとの繰り返し摺
擦による上記の問題を生じないというMICR適性と、
従来の電子写真方式の一成分磁性トナーシステムに対す
る適応性、及び、画質的にも従来の電子写真方式のプリ
ンターと同等以上のプリンター適性を兼ね備えていなけ
ればならない。
【0006】そこで、磁気ヘッドで読み取り可能な適度
の磁化を得る方法として、従来の磁性トナーに対して、
画像当たりのトナーののり量を多くして、トナー像の磁
化を高めて読み取りを確実にする方法が考えられるが、
磁化としては充分であっても、トナー量が多すぎて画像
が潰れたり、ブラー(トナーの飛散)が出てくるため、
記号を正しく認識することができなくなる。また、トナ
ー粒子の磁性体含有量そのものを増やしてトナー画像の
磁気力を高くする方法も考えられるが、これはトライボ
を低下させる方向であり、画像のシャープネス、特に高
温高湿下での画像濃度の低下や耐久安定性の低下を招
き、さらには定着性も低下するため、MICRの読み取
り機で画像が擦り取られ易く、記号を正確に認識できな
くなる。以上のように、画像当たりのトナーののり量を
多くしたり、あるいはトナー粒子の磁性体含有量を多く
するという、トナーの磁化を単に増す方法は多くの問題
をかかえ、有効な方法とはいえない。
【0007】これに対して、特開平4─166850号
公報では、MICR用トナーとして、磁性体含有量を5
0%以下、保磁力145〜200Oe、残留磁化3.0
〜5.5emu/gのトナーが提案されている。この磁
性トナーは、MICR用の磁気力の点では有効である
が、実際には、MICRに用いると、磁気ヘッドとの繰
り返し摺擦による画像汚れ(スミア)、磁気ヘッド汚れ
(ホイルコンタミネーション)、読み取りエラー率(リ
ジェクトレイト)の増大を生ずるので、実用上大きな問
題である。特に、磁気力を高めるために、磁性体に磁気
力の高い針状磁性体等を単に用いると、カサ密度が非常
に低下するため、分散性が悪くなるので特に問題であ
る。
【0008】他方、MICR読み取り機におけるトナー
の剥離やトナーによる磁気ヘッドの汚染を改善する方法
がいくつか提案されている。例えば、近年省資源化のた
めに、中速クラス以上の複写機等に両面コピー装置が搭
載されているが、両面コピーを行う場合、トナー像表面
の滑り性を高め、スマッジ性、即ち、定着像が強く擦り
取られ、トナー像が剥離汚染する現象を改善するため、
トナー中にポリオレフィンを含有させる方法が提案され
ているが、このポリオレフィンの添加はスマッジ性の改
善には効果的であるが、MICRシステムのように同じ
定着画像が繰り返し摺擦される場合には耐摺擦性におい
て実用上未だ不十分である。
【0009】そして、このポリオレフィンの添加量を従
来のものより増加すると、耐摺擦性の向上は期待できる
が、ポリオレフィンがトナーに対してほとんど相溶しな
いため、単に増量しただけでは分散性が悪く、遊離した
ポリオレフィンがトナー担持体を汚染し、画像濃度の低
下を招く。そこで、ポリオレフィンの分散性を改善して
トナーの流動性、画質等を向上させる方法として、特開
平2─251968号公報には、非相溶性物質、例え
ば、ポリオレフィン等を最大粒子径5μm以下にして分
散する方法が提案されている。この方法は、当初は画質
が向上するが、長期的にはトナー表面のワックス量が多
くなり、帯電量が低下するため、ガブリが発生する。ま
た、マグロールへの付着も発生する。
【0010】以上のように、ポリオレフィンをある程度
以上多く含有させたトナーは、通常使用されているトナ
ーと表面構造が異なるため、特に中高速機に用いて、例
えば10000コピー枚数以上の長期にわたる使用にお
いて、トナー担持体のトナー成分による汚染によって画
像濃度が低下する傾向があり、特にMICRシステムで
は、読み取るべきMICR文字の磁気強度が十分に得ら
れない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題点を解消し、下記の目的を達成することができ
るMICRプリンター用磁性トナーを提供しようとする
ものである。 磁気力が適切で、MICRによる磁気読み取りの記号
認識を正確に行うことができること。 磁気読み取りに際し、磁気ヘッドとの繰り返し摺擦に
おいても、トナー像が剥離せず、画質の低下、画像の汚
れ、及び、磁気ヘッドの汚染を抑制することができるこ
と。 MICR読み取り機によるリジェクトレイト(読み取
りエラー率)を実用上問題にならない程度に低く抑えら
れること。 トナー担持体汚染が少なく、特に中高速機で長期にわ
たって安定して使用できること。 画像濃度が高く、バックグランドの汚れ、ブラーの発
生等を低く抑えられること。 環境安定性が優れ、低温低湿環境下でもゴースト現象
を発生しないこと。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂と磁
性粉を含有するMICRプリンター用磁性トナーにおい
て、ポリオレフィンを1〜10重量部含有し、かつ、ト
ナー中のポリオレフィンの平均分散径が0.01〜0.
5μmであり、トナーの残留磁化が4.0〜7.0em
u/gであり、トナーの個数分布で5μm以下の粒子が
10個数%以下であることを特徴とするMICRプリン
ター用磁性トナーである。なお、上記磁性トナーにおい
て、ポリオレフィンはポリエチレンであることが好まし
く、また、磁性粉は20〜80重量部の範囲で含有させ
ることが好ましい。
【0013】
【作用】本発明者等は、MICR適性とプリンター適性
を兼ね備えた磁性トナーを検討する中で、磁性トナーの
残留磁化と磁性トナー中のポリオレフィンの含有量を特
定し、ポリオレフィンの平均分散径を微小に特定し、か
つ、トナーの微粒子の量を抑えることにより、上記の目
的を達成することができることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0014】本発明で使用するポリオレフィンは一般に
使用される公知のものが挙げられるが、その中でもポリ
エチレンワックスを用いると、MICRシステムで優れ
た耐摺擦性を発揮することができる。ポリオレフィンの
添加量は、トナー中、1〜10重量%の範囲、好ましく
は1〜8重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
添加量が1重量%より小さいと耐摺擦性を発揮させるこ
とができず、10重量%より大きいと現像性が悪化す
る。
【0015】ポリオレフィンの平均分散径は0.01〜
0.5μmの範囲にある必要があり、好ましくは0.0
1〜0.3μm、より好ましくは0.02〜0.2μm
の範囲である。平均分散径が0.01μmより小さいと
十分な耐摺擦性を発揮させることができず、0.5μm
より大きいとトナー担持体あるいはキャリア汚染による
現像性の低下を来す。
【0016】なお、ポリオレフィンの平均分散径が0.
01〜0.5μmの範囲で、2μmを越える粗大分散粒
子もしくはフリーのポリオレフィン粒子の個数は5個数
%以下であることが好ましく、より好ましくは3個数%
以下、さらに好ましくは1個数%以下である。なお、ポ
リオレフィンの分散径は、トナー粒子をミクロトームの
ようなカッターで0.3μm程度の厚さに切り、透過型
電子顕微鏡で9000倍の写真を撮り、約100個のポ
リオレフィン分散粒子をランダムに選んで画像解析装置
により解析して数値化した。
【0017】本発明のトナーに含まれるトナー微粒子
は、5μm以下の量が10個数%以下であることが必要
である。5μm以下のトナー微粒子の量が10個数%よ
り多いと、通常の小型プリンターで採用される程度の寿
命、例えば、10000コピー枚数程度の使用では何ら
問題はないが、それ以上の長期使用の場合は、ポリオレ
フィンの分散が細かく良好であっても、トナー担持体へ
のトナー微粒子の汚染により、画像維持性が低下し、特
にMICRシステムに用いる場合、適度な磁気強度が得
られず問題となる。なお、トナーの粒子径は、コールタ
ーカウンター社製の粒度分布測定器TA−11を用い、
アパーチャー径100μm以下で測定した。
【0018】本発明で使用する磁性体は、従来から一般
に使用されている公知の磁性体を使用することができる
が、好ましくは針状磁性体、ドープ磁性体である。ま
た、熱処理を加えた磁性体、例えば、キュービック型磁
性体を700℃の酸素雰囲気中で100分間加熱酸化し
た後冷却し、これを300℃の水素雰囲気中で200分
間加熱還元して、冷却後解砕して得た磁性トナーは、環
境安定性に優れている。
【0019】磁性体の残留磁化σrmは、磁性一成分現
像システムの場合7〜24emu/gの範囲にあるのが
好ましく、より好ましくは7〜16emu/g、さらに
好ましくは8〜14emu/gの範囲である。磁性体の
残留磁化σrmが7emu/g未満であると、磁化が弱
く記号を正確に認識することができない。また、24e
mu/gを越えると、磁化が強すぎてやはり記号を正確
に認識することができない。
【0020】磁性体の含有量は、20〜80重量%の範
囲であることが必要であり、好ましい範囲は30〜70
重量%、さらに好ましい範囲は40〜60重量%であ
る。磁性体の含有量が20重量%未満であると、帯電量
のコントロールが難しく、特に低温低湿環境下では画像
濃度の低下又は不均一現像が生じ、MICR用読み取り
機で記号を正確に認識することができなくなる。また、
磁性体の含有量が80重量%を越えると、トナーの磁力
が大きくなりすぎ、通常の現像システムで現像しにくく
なり、十分な画像濃度が得られなくなる。磁性体の含有
量が多すぎると、トナーの定着性が悪化し、MICR用
読み取り機では、画像が擦り取られるか、磁性体が剥離
して記号を正確な認識することができなくなる。
【0021】本発明の磁性トナーに使用する結着樹脂と
しては、ビニル系重合体を挙げることができる。具体的
には、1又は2以上のビニルモノマーのホモポリマー又
はコポリマーである。代表的なビニルモノマーとして
は、スチレン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレ
ン、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブ
チレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類;塩化ビ
ニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、ぎ酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、カプロン酸ビニル等のビニル
エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−
クロルエチル、アクリル酸フェニル、メチル−α−クロ
ルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル等のエチレン性モノカルボン
酸及びそのエステル類;アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、アクリルアミド等のエチレン性モノカルボン
酸置換体;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、
マレイン酸ジブチル等のエチレン性カルボン酸及びその
エステル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニリデン
クロリド、ビニリデンクロルフロリド等のビニリデンハ
ロゲン化物;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾ
ール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
のN−ビニル化合物類等が挙げられる。さらに、ポリエ
ステルなどの樹脂を単独又は併用して用いてもよい。
【0022】本発明の磁性トナーは、荷電制御、電気抵
抗制御等の目的で種々の物質を添加することができる。
例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸クロム錯体の
ようなクロム系染料、マレイン酸を単量体成分として含
む共重合体などの高分子酸、4級アンモニウム塩、ニグ
ロシン等のアジン系染料、カーボンブラック等を添加す
ることができる。
【0023】さらに、トナーの耐久性、流動性又はクリ
ーニング性を向上するために、シリカ等の無機微粉末、
脂肪酸又はその誘導体、金属塩等を含む有機微粉末、フ
ッ素系樹脂微粉末等を添加することもできる。
【0024】上記の構成成分よりなる本発明の磁性トナ
ーは、トナー粒子の残留磁化σrが、4〜7emu/g
の範囲にあることが必要であり、好ましくは4.2〜7
emu/g、さらに好ましくは4.5〜6.5emu/
gの範囲である。残留磁化が4emu/g未満である
と、磁化が弱く記号を正確に認識することができない。
また、7emu/gを越えると、磁化が強すぎてやはり
記号を正確に認識することができない。なお、本発明で
は、磁化の強さは東英工業社製VSMP−7型を用い、
測定磁場は5kOeで測定した値である。
【0025】本発明のトナーの製造は、ポリオレフィン
を微粒子状にトナー中に分散させることができれば、い
かなる方法も適用できる。例えば、予めポリオレフィン
を粉砕して粒径10μm以下の粉体とし、結着樹脂その
他のトナー形成成分と共にエクストルーダー等の公知の
混練装置で溶融混練する方法、溶融混練時に水を添加
し、混練物の温度上昇を抑えて、シエアが十分かかるよ
うにする方法、また、酸化ワックス等の分散剤を添加す
る方法等を使用できる。
【0026】トナーの製造法の中で、予めポリオレフィ
ンを結着樹脂中に微粒子状で分散させておき、その結着
樹脂を磁性粉や他のトナー構成成分と混合してトナーを
製造する方法が、ポリオレフィンをより効率的に微細に
分散できるので好ましい。その場合、分散剤としてポリ
オレフィンを構成成分としたグラフト又はブロック共重
合体を用いると、ポリオレフィンを一層効率的に微細に
分散できるので好ましい。この場合、ポリオレフィン分
散微粒子は粒度分布がさらに狭くなる。
【0027】ポリオレフィンを結着樹脂中に微粒子状で
分散させる方法は、結着樹脂製造時、例えば、モノマー
重合時又は結着樹脂溶解時にポリオレフィンを添加し、
分散剤として上記のグラフト又はブロック共重合体を用
いて、粒径3μm以下になるように分散させる方法であ
る。特に、モノマー重合時にポリオレフィンの一部を添
加し、重合系内でグラフト又はブロック共重合体を形成
させ、該共重合体をそのまま分散剤として利用すれば、
粒度分布の狭いポリオレフィン微粒子含有結着樹脂を得
ることができる。
【0028】上記のポリオレフィン微粒子含有結着樹脂
は、次いで磁性粉、及びその他のトナー構成成分と混合
し、溶融、混練し、公知の粉砕機、分級機により所望の
粒径のトナーを得ることができる。溶融・混練はロール
ミル、エクストルーダー等の一般のトナー製造用のもの
が使用される。このようにして得た磁性トナーには、ポ
リオレフィン微粒子が最終的に0.5μm以下の分散粒
子径で分散されている。
【0029】
〔結着樹脂製造例1〕
キシレン 1000g スチレンモノマー 558g n−ブチルアクリレートモノマー 142g ジ−t−ブチルパーオキサイド 0.27g ポリエチレン(Mn=3000) 10g 上記の材料を3リットルの反応容器に入れて155℃に
加熱して溶液重合させ、ポリエチレンとスチレン−アク
リル共重合体がグラフト重合したポリマーを若干含む低
分子量のスチレン−アクリル共重合体のキシレン溶液を
得た。この共重合体の分子量(Mw)は5700であっ
た。得られたキシレン溶液に、別の懸濁重合で合成した
Mw=820000のスチレン−n−ブチルアクリレー
ト共重合体(組成比=85/15)300gと、上記と
同じポリエチレン80gを加えて溶解した。その後、約
210℃でキシレンを除去した。このようにして、平均
分散粒子径0.10〜0.20μmのポリエチレン微粒
子8重量%を含むトナー用結着樹脂組成物を得た。
【0030】〔結着樹脂製造例2〕結着樹脂製造例1の
トナー用結着樹脂組成物において、ポリエチレンを除い
た以外は同じ方法でトナー用結着樹脂組成物を得た。
【0031】〔結着樹脂製造例3〕結着樹脂製造例1の
トナー用結着樹脂組成物において、後添加ポリエチレン
量を80gから20gに減少させた以外は同じ方法でト
ナー用結着樹脂組成物を得た。
【0032】〔結着樹脂製造例4〕結着樹脂製造例1の
トナー用結着樹脂組成物において、後添加ポリエチレン
量を80gから15gに減少させた以外は同じ方法でト
ナー用結着樹脂組成物を得た。
【0033】〔磁性体例〕
【表1】
【0034】〔実施例1〕 結着樹脂製造例1の樹脂組成物 49重量% 磁性体A 25重量% 磁性体B 25重量% 負帯電性電荷制御剤E 1重量% (商品名:ボントロンE84、オリエント化学社製) 上記の材料をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、こ
れを設定温度140℃でエクストルーダーにより熱処理
した。冷却後、微粉砕し、50%体積径D50が10.1
μmの粉砕物を得た。さらに、この粉砕物を2回分級し
てD50が10.8μm、個数分布の5μm以下の粒子が
6個数%の分級品(トナーの残留磁化5.4emu/
g)の分級品を得た。これに疎水性コロイダルシリカ
0.5重量%をヘンシェルミキサーで外添し、磁性トナ
ーを得た。
【0035】〔実施例2〕 結着樹脂製造例3の樹脂組成物 49重量% 磁性体B 50重量% 負帯電性電荷制御剤E 1重量% (商品名:ボントロンE84、オリエント化学社製) 上記の材料を実施例1と同様にして、50%体積径D50
が9.5μmの粉砕物を得た。さらに、この粉砕物を2
回分級してD50が10.5μm、個数分布の5μm以下
の粒子が6個数%の分級品(トナーの残留磁化4.2e
mu/g)の分級品を得た。これに疎水性コロイダルシ
リカ0.5重量%をヘンシェルミキサーで外添し、磁性
トナーを得た。
【0036】〔実施例3〕 結着樹脂製造例1の樹脂組成物 49重量% 磁性体A 50重量% 負帯電性電荷制御剤E 1重量% (商品名:ボントロンE84、オリエント化学社製) 上記の材料を実施例1と同様にして、50%体積径D50
が9.2μmの粉砕物を得た。さらに、この粉砕物を2
回分級してD50が9.8μm、個数分布の5μm以下の
粒子が7個数%の分級品(トナーの残留磁化6.9em
u/g)の分級品を得た。これに疎水性コロイダルシリ
カ0.5重量%をヘンシェルミキサーで外添し、磁性ト
ナーを得た。
【0037】〔実施例4〕実施例1と同じ材料をヘンシ
ェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度140
℃でエクストルーダーにより熱処理した。冷却後、微粉
砕し、50%体積径D50が7.2μmの粉砕物を得た。
さらに、この粉砕物を2回分級してD50が7.9μm、
個数分布の5μm以下の粒子が10個数%の分級品(ト
ナーの残留磁化5.4emu/g)の分級品を得た。こ
れに疎水性コロイダルシリカ0.5重量%をヘンシェル
ミキサーで外添し、磁性トナーを得た。
【0038】〔実施例5〕 結着樹脂製造例2の樹脂組成物 40.5重量% 磁性体A 25 重量% 磁性体B 25 重量% ポリエチレン 8.0重量% (Mn=3000) 酸化ポリエチレン 0.5重量% 負帯電性電荷制御剤E 1 重量% (商品名:ボントロンE84、オリエント化学社製) 上記の材料をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、こ
れを設定温度140℃でエクストルーダーにより熱処理
した。冷却後、微粉砕し、50%体積径D50が10.1
μmの粉砕物を得た。さらに、この粉砕物を2回分級し
てD50が10.8μm、個数分布の5μm以下の粒子が
6個数%の分級品(トナーの残留磁化5.3emu/
g)の分級品を得た。これに疎水性コロイダルシリカ
0.5重量%をヘンシェルミキサーで外添し、磁性トナ
ーを得た。
【0039】〔比較例1〕 結着樹脂製造例1の樹脂組成物 49重量% 磁性体C 50重量% 負帯電性電荷制御剤E 1重量% (商品名:ボントロンE84、オリエント化学社製) 上記材料を実施例1と同様にして、50%体積径D50
10.2μmの粉砕物を得た。さらに、この粉砕物を分
級して、D50が10.5μm、個数分布の5μm以下の
粒子が12.5個数%の分級品(トナーの残留磁化3.
7emu/g)の分級品を得た。これに疎水性コロイダ
ルシリカ0.5重量%をヘンシェルミキサーで外添し、
磁性トナーを得た。
【0040】〔比較例2〕 結着樹脂製造例1の樹脂組成物 49重量% 磁性体C 35重量% 磁性体D 15重量% 負帯電性電荷制御剤E 1重量% (商品名:ボントロンE84、オリエント化学社製) 上記材料を実施例1と同様にして、50%体積径D50
8.5μmの粉砕物を得た。さらに、この粉砕物を分級
して、D50が9.1μm、個数分布の5μm以下の粒子
が16.8個数%の分級品(トナーの残留磁化7.9e
mu/g)の分級品を得た。これに疎水性コロイダルシ
リカ0.5重量%をヘンシェルミキサーで外添し、磁性
トナーを得た。
【0041】〔比較例3〕 結着樹脂製造例4の樹脂組成物 49重量% 磁性体A 25重量% 磁性体B 25重量% 負帯電性電荷制御剤E 1重量% (商品名:ボントロンE84、オリエント化学社製) 上記材料を実施例1と同様にして、50%体積径D50
9.6μmの粉砕物を得た。さらに、この粉砕物を分級
して、D50が10.3μm、個数分布の5μm以下の粒
子が13.0個数%の分級品(トナーの残留磁化5.3
emu/g)の分級品を得た。これに疎水性コロイダル
シリカ0.5重量%をヘンシェルミキサーで外添し、磁
性トナーを得た。
【0042】〔比較例4〕 結着樹脂製造例2の樹脂組成物 38.5重量% 磁性体A 25 重量% 磁性体B 25 重量% ポリエチレン 10.5重量% (Mw=3000) 負帯電性電荷制御剤E 1 重量% (商品名:ボントロンE84、オリエント化学社製) 上記材料を実施例1と同様にして、50%体積径D50
10.0μmの粉砕物を得た。さらに、この粉砕物を分
級して、D50が10.5μm、個数分布の5μm以下の
粒子が11.5個数%の分級品(トナーの残留磁化5.
5emu/g)の分級品を得た。これに疎水性コロイダ
ルシリカ0.5重量%をヘンシェルミキサーで外添し、
磁性トナーを得た。
【0043】〔比較例5〕 結着樹脂製造例1の樹脂組成物 49重量% 磁性体A 25重量% 磁性体B 25重量% 負帯電性電荷制御剤E 1重量% (商品名:ボントロンE84、オリエント化学社製) 上記材料を実施例1と同様にして、50%体積径D50
9.9μmの粉砕物を得た。さらに、この粉砕物を分級
して、D50が10.2μm、個数分布の5μm以下の粒
子が11.2個数%の分級品(トナーの残留磁化5.6
emu/g)の分級品を得た。これに疎水性コロイダル
シリカ0.5重量%をヘンシェルミキサーで外添し、磁
性トナーを得た。
【0044】(評価)上記の実施例及び比較例の磁性ト
ナーは、プリンター4197(富士ゼロックス社製)を
トナー供給用ホッパー等を改造した改造機を用いて評価
し、表2及び表3にその結果を示した。得られた画像の
MICR適性テストは以下のように行った。
【0045】(1)シグナル強度 小切手用紙に印字して、その磁気量を測定機Signa
Measure IV(XYTEC社製)で測定した。この値
が100〜200%のときは実際のMICRシステムの
読み取り機のリーダーソーターで読み取りエラーがな
い。表中では、○は良好、△は実用上可能限界、×は実
用上使用不可能との評価基準で表記した。
【0046】(2)リーダーソーター走行性 小切手用紙に印字したものを約500枚実際にリーダー
ソーター(IBM3890MICR Reader S
orter)に30回かけて評価した。その際、次の3
つの評価を行った。画像汚れ及びヘッド汚れは画像
の摺擦性に起因するものであり、読み取りエラーの原因
になると考えられている。読み取りエラー率は実際の
エラー率であり、及び以外の原因、例えば、不適性
なシグナル強度によるエラーも含んでいる。
【0047】摺擦性は、画像汚れ、及び、ヘッド汚
れの評価結果を表す。 画像汚れ(スミア) 摺擦により文字部から剥離したか削られたトナーにより
文字部周辺やバックグランドが汚れる現象であり、この
現象に対するランク見本を作成し、○:良好、△:実用
上可能限界、×:実用上使用不可能、の評価基準で評価
した。
【0048】ヘッド汚れ(ホイルコンタミネイショ
ン) 摺擦により文字部から剥離したか削られたトナーがヘッ
ドの保護テープに付着する現象であり、この現象に対す
るランク見本を作成し、○:良好、△:実用上可能限
界、×:実用上使用不可能、の評価基準で評価した。
【0049】読み取りエラー率(リジェクトレイト=
R.R.) リーダーソーターで読み取らせ、読み取れないものをエ
ラーとして自動的に除外し、その時のエラー率は次のよ
うに表される。 R.R.=(除外された枚数/延べ通過枚数)×100 ここで、○は0.5%以下、△は0.5%を越え、1%
未満、×は1%以上を意味する。 (3)画像濃度(SAD) 画像のソリッド部の反射濃度をX−rite装置により
測定した。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、トナーの担持体汚染が少なく、特に、10000
コピー枚数を越える長期の使用においても、画像濃度を
低下させることなく、良好な画像を得ることができるよ
うになった。また、磁気読み取りの際に、磁気ヘッドと
の繰り返し摺擦においても、トナー像が剥離し難く、画
像の汚れ、磁気ヘッドの汚染を起こすことがなくなっ
た。それ故、本発明の磁性トナーは、特にMICRによ
る磁気読み取りに有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増川 照男 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 前川 佳洋 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 五十嵐 潤 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂と磁性粉を含有するMICRプ
    リンター用磁性トナーにおいて、ポリオレフィンを1〜
    10重量部含有し、かつ、トナー中のポリオレフィンの
    平均分散径が0.01〜0.5μmであり、トナーの残
    留磁化が4.0〜7.0emu/gであり、トナーの個
    数分布で5μm以下の粒子が10個数%以下であること
    を特徴とするMICRプリンター用磁性トナー。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンがポリエチレンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のMICRプリンター用磁
    性トナー。
  3. 【請求項3】 磁性粉を20〜80重量部含有すること
    を特徴とする請求項1記載のMICRプリンター用磁性
    トナー。
JP5225557A 1993-09-10 1993-09-10 Micrプリンター用磁性トナー Pending JPH0777829A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10171150A (ja) * 1996-12-06 1998-06-26 Hitachi Metals Ltd 三成分系磁性現像剤
US5853937A (en) * 1995-09-22 1998-12-29 Hitachi Metals Ltd. Two-component magnetic developer for printing characters for magnetic ink character recognition
US6677092B2 (en) 2000-04-27 2004-01-13 Kyocera Corporation Magnetic toner for MICR printers, developer for MICR printers and manufacturing method thereof
US6852460B2 (en) 2001-04-23 2005-02-08 Kyocera Corporation Toner and image forming method using the same

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