JP3972069B2 - 安定した摩擦電気特性を有する電子写真用トナー - Google Patents
安定した摩擦電気特性を有する電子写真用トナー Download PDFInfo
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Description
発明の背景
関連出願との相互参照
本出願は、開示内容全体が本願明細書に援用される、2001年5月14日に出願された米国仮特許出願番号第60/290,707号の35 U.S.C.§119(e)のもとに利益を請求するものである。
【0002】
発明の背景
本発明は電子写真用トナーに関する。さらに詳しくは、本発明は、安定した摩擦電気特性を有する電子写真用トナーおよび前記トナーを用いて像を印刷する方法に関する。
【0003】
現時点で実現されている画質は、プリントの中実領域反射濃度(solid area reflection density)が高く、非画像領域のバックグラウンドが少なく、そしてトナーロット毎の印刷画質および新しい現像剤の使用開始から取替え時期までの印刷画質が安定しているという点で、一般に良好である。しかしながら、現在のトナーは、溶融定着性およびトナーの擦り落ち(例えば、溶融定着した像の耐摩耗性)に関しては、それほど良好ではない。
【0004】
トナーの擦り落ちを改善しようとする場合、例えばワックスをトナーに含有させることができる。しかしながら、ワックスは、トナーの摩擦電気特性を高めることがある。摩擦電気特性が高くなると、紙に転写されるトナーの量が減るため、得られるプリントが灰色に見えることがある。さらに、トナーの易流動性が所望のレベルに達しないこともある。
【0005】
従って、電荷特性および/または流動性に影響を与えることなく擦り落ちを改善し、且つ、低減させる新規なトナー配合物は、当業者らにとって有益である。
【0006】
発明の開示
本発明の特徴の1つは、安定した摩擦電気特性を有する電子写真用トナーを提供することである。
【0007】
本発明の他の特徴は、擦り落ち性が改善されたトナー配合物を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる特徴は、擦り落ちを低減させる一方で、満足のゆく電荷特性および/または流動性を提供する電子写真用トナー配合物を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる特徴および利点については、一部が以下の説明において述べられ、一部は前記説明から明らかとなり、または本発明を実施することによって認識されるであろう。本発明の目的および他の利点は、以下の説明および前記の請求の範囲に詳述されている要素およびそれらの組み合わせによって理解および実現されるであろう。
【0010】
本願明細書において具体的かつ一般的に説明されるように、本発明の目的に従ってこれらの利点および他の利点を達成するために、本発明は、少なくとも1種のトナー樹脂と、安定したまたは制御可能な電荷レベルを与えることのできる少なくとも1種の第1の電荷制御剤と、持続した電荷レベルを与えることのできる少なくとも1種の第2の電荷制御剤と、場合により少なくとも1種の表面処理剤と、場合により少なくとも1種の剥離剤と、場合により少なくとも1種の着色剤とを含有するトナー配合物に関する。
【0011】
さらに、本発明は、像におけるトナーの擦り落ちを減らす方法に関するものであり、この方法は、前述の本発明のトナー配合物を用いて支持体に像を印刷する。
【0012】
上記の一般的な説明および下記の詳細な説明は、本発明を例示および説明するものに過ぎず、請求の範囲に記載されているように、本発明をさらに説明することを目的としている。
【0013】
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、安定した摩擦電気特性を有することが好ましく、さらに、許容可能なトナー擦り落ち性を有することが好ましいとされるトナー配合物に関する。さらに、本発明のトナー配合物は易流動的であることが好ましい。さらに詳しくは、本発明のトナー配合物は、少なくとも1種のトナー樹脂と、安定した電荷レベルを与えることのできる少なくとも1種の第1の電荷制御剤と、持続した電荷レベルを与えることのできる少なくとも1種の第2の電荷制御剤とを含有する。さらに、前記トナー配合物は、場合により少なくとも1種の表面処理剤と、場合により少なくとも1種の剥離剤とを含有することが好ましい。場合により、前記トナー配合物は、少なくとも1種の着色剤と、トナー配合物に通常見られる他の慣用の成分とを含有することができる。
【0014】
本発明のトナー配合物は、単一成分トナーまたは2成分トナーに用いることができる。本発明のトナー配合物は、2成分トナー/現像剤システムに用いられることが好ましい。
【0015】
本発明において、トナー樹脂は、トナー配合物に慣用の量で通常用いられる任意の慣用のポリマー樹脂または樹脂の組み合わせでもよい。
【0016】
トナー粒子は1種以上のトナー樹脂を含んでいてもよく、それらのトナー樹脂は、少なくとも1種の着色剤と任意の他の成分と混ぜ合わせることによって1種以上の着色剤で任意に着色されてもよい。着色は任意に行われるものであるが、着色剤を含ませる方が一般的であり、着色剤は、その内容が本願明細書に援用されるカラーインデックスIおよびII巻、第2版(Colour Index、Volumes I and II、Second Edition)に記載されている任意の材料でよい。トナー樹脂は、例えば、米国特許第4,076,857号、3,938,992号、3,941,898号、5,057,392号、5,089,547号、5,102,765号、5,112,715号、5,147,747号、5,780,195号などに記載されているような天然樹脂、合成樹脂および改質された天然樹脂を包含する各種材料から選択することができる。前記すべての特許は本願明細書に援用される。好ましい樹脂または結合材としては、ポリエステルおよびスチレン−アクリル共重合体が挙げられる。トナー粒子の形状は、溶媒に溶かしたトナー樹脂の溶液を噴霧乾燥させることによって得られる球状粒子の如き定形または不定形の任意の形状でよい。あるいは、球状粒子は、その全文が本願明細書に援用される1979年9月5日発行の欧州特許第3,905号に記載されているようなポリマービーズ膨潤法によって調製することができる。
【0017】
一般に、トナー配合物中に存在するトナー樹脂の量は、トナー配合物の約85〜約95重量%である。
【0018】
「電荷制御」という用語は、得られるトナーの摩擦電気帯電性を変更するトナー添加物の性質を意味する。正に帯電したトナーおよび負に帯電したトナーのための非常に多様な電荷制御剤が入手可能である。好適な電荷制御剤は、例えば、米国特許第3,893,935号、4,079,014号、4,323,634号および4,394,430号並びに英国特許第1,501,065号および1,420,839号に開示されている。これらの特許の全文が本願明細書に援用される。他の有用な電荷制御剤は、米国特許第4,624,907号、4,814,250号、4,840,864号、4,834,920号、4,683,188号および4,780,553号に記載されている。これらの特許の全文が本願明細書に援用される。電荷制御剤同士を混ぜ合わせて用いることもできる。電荷制御剤の具体的な例としては、サリチル酸クロム有機錯塩、並びにアゾ−鉄錯塩、特に鉄酸塩(1−)、ビス[4−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)アゾ]−3−ヒドロキシ−N−フェニル−2−ナフタレンカルボキシアミデート(2−)]、アンモニウム、ナトリウムおよび水素からなるアゾ−鉄錯塩(保土ヶ谷化学社製のOrganoiron)が挙げられる。
【0019】
第1の電荷制御剤については、前述のように、1種以上の第1の電荷制御剤を用いることができる。第1の電荷制御剤は、安定した電荷レベル(例えば、制御可能な電荷レベル)を与えることができる。第1の電荷制御剤は、所望の電荷レベルに「同調」する能力を有する。本発明の目的にとって好ましい安定した電荷レベルは、約−10〜約−30μC/gmである。トナーのQ/m比は、空間を置いて平行に配置された2枚の電極板で構成されるMECCA装置で測定することができる。前記電極板は、現像剤サンプルに電界と磁界の両方を印加することにより、電界と磁界の組み合わせの影響下において、前記混合物の2種の成分、すなわちキャリア粒子とトナー粒子、とを分離させることができる。0.100gの現像剤混合物のサンプルを、下側の金属板の上に設置する。次に、このサンプルを、前記2枚の電極板の間で30秒間、60Hzの磁界と2,000ボルトの電位に曝すことによって、現像剤を攪拌させる。電界による影響と磁界による影響を受けてキャリア粒子からトナー粒子が放出され、放出されたトナー粒子は上側の電極板に引き付けられて、その上に堆積するが、磁気キャリア粒子の方は下側の電極板に留まったままである。電位計を用いて上側の電極板に堆積したトナーの累積電荷を測定する。1グラム当たりのマイクロクーロン(μC/g)に換算されたトナーのQ/m比は、上側の電極板から回収した堆積トナーの質量で前記累積電荷を割ることによって算出される。
【0020】
好適な第1の電荷制御剤の例として酸性有機電荷制御剤が挙げられるが、これに限定されるわけではない。具体例としては、2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オン(MPP)および2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3H−ピラゾール−3−オン、2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−3H−ピラゾール−3−オン、2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−(2−トリフルオロメチルフェニル)−3H−ピラゾール−3−オンおよびこれらから誘導される相当する亜鉛塩の如きMPPの誘導体が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。他の例としては、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、テレフタル酸、サリチル酸、フマル酸モノエチルエステル、スチレン/メタクリル酸共重合体、スチレンとメタクリルサンのリチウム塩との共重合体、5,5’−メチレンジサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチル安息香酸、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、5−t−オクチルサリチル酸、7−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびこれらの組み合わせの如き、1種以上の酸性官能基を有する電荷制御剤が挙げられる。本発明の適用範囲に入ると考えられるさらに他の酸性電荷制御剤としては、N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル)−4−クロロベンゼンスルホンアミドおよび1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オンおよび1,1−ジオキサイドの如きN−アシルスルホンアミドが挙げられる。
【0021】
一般に、第1の電荷制御剤は、安定したまたは制御可能な電荷レベルを与える量、好ましくは、帯電時にトナー配合物中で約−10〜約−30μC/gmの安定した電荷レベルを与える量でトナー配合物中に存在する。このレベルは、トナー粒子の大きさが例えば約10〜約12ミクロンといったように大きい場合に特に好ましい。好適な量の例としては、トナー配合物中に存在する樹脂の100部当たり約1/2〜約3部の量が挙げられる。安定した電荷レベルについての他の好ましい範囲として、帯電時のトナー配合物中における約−30〜約−120μC/gmが挙げられる。これは、トナー粒子の大きさが例えば約4〜約8ミクロンといったように小さい場合に特に好ましい。
【0022】
pKaが約2〜約8である任意の酸性材料を第1の電荷制御剤として用いることができる。pKa値が3〜7である酸性材料が特に好ましい。酸性材料は、カルボン酸、フェノール酸またはスルホン酸のように、活性陽子を含有していることが好ましい。より広義には、酸は、G.N.ルイスによって提案されている定義、すなわち、酸とはドナー分子から一対の電子を受け取ることのできるすべての物質であるという定義に該当する化合物を含む。pKaという用語は、
pKa = −log(Ka)
と定義される。ここでKaは酸性化合物の固有分子特性を表し、酸解離定数と呼ばれる。Kaは以下の式で定義される。
Ka = ([H+][B-])/[HB]
実用性の意味では、pKa値が低いほど酸は強い。本発明において有用な酸は、ジカルボン酸、トリカルボン酸、ジスルホン酸およびトリスルホン酸のように、1分子当たり複数の酸性官能基を有していてもよい。さらに、例えばp−カルボキシベンゼンスルホン酸の如き有用な分子中には複数種類の酸性官能基が存在していてもよい。当業者は、他のそのような酸を前述の定義に基づいて容易に提案することができる。本発明において有用な一部のモノマー酸を、それらのpKa値と共に表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
[表註]
(a)滴定によって測定された値
他の値はすべて、Morrison and Boyd,Organic Chemistry,2nd edition,Allyn and Bacon,Boston,1966中の表から得られるかまたは外挿された。
【0025】
第2の電荷制御剤については、1種以上の異なる種類の第2の電荷制御剤を用いることができる。第2の電荷制御剤は、トナー配合物中において、持続した電荷レベル(例えば、安定した電荷レベル)を与えることができる。持続した電荷レベルは、ある期間にわたってトナー配合物中で持続する摩擦電気電荷であることが好ましい。例えば、実施例に示されるように、本発明の目的にとって、第2の電荷制御剤が2〜10分間にわたって約−10〜約−30μC/gmのトナー摩擦電気電荷を維持することが好ましい。この持続した電荷レベルは、トナー粒子の大きさが例えば約10〜約12ミクロンといったように大きい場合に特に好ましい。他の好ましい持続した電荷レベルとして、トナー配合物中において約−30〜約−120μC/gmのレベルが挙げられる。これは、トナー粒子の大きさが例えば約4〜約8ミクロンといったように小さい場合に特に好ましい。持続した電荷レベルは、2分間および10分間攪拌された現像剤混合物中のトナー摩擦電気電荷を測定することによって測定される。
【0026】
好ましい種類の第2の電荷制御剤としては、オルガノ鉄錯体の如き鉄オルガノ金属錯体が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。具体的な例としては、保土ヶ谷社のT77が挙げられる。一般に、第2の電荷制御剤は、トナー中の摩擦電気電荷が、2〜10分間の間、−10〜−30μC/gmまたは約−30〜約−120μC/gmの範囲内に維持される量でトナー配合物中に存在する。他の例としては、サリチル酸の金属塩およびサリチル酸誘導体の金属塩が挙げられる。具体例は、本願明細書に援用される米国特許第4,762,763号に記載されている。第2の電荷制御剤の好適な量の例としては、トナー配合物中のトナー樹脂の100部当たり約1/2〜約3部の量が挙げられるが、これに限定されるわけではない。
【0027】
本発明においては、一部の実施態様において、少なくとも1種の剥離剤がトナー配合物中に存在していることが好ましい。好適な剥離剤の例として、1種以上のワックスが挙げられる。有用とされる剥離剤は公知の技術である。有用な剥離剤としては、低分子量ポリプロピレン、天然ワックス、低分子量合成ポリマーワックス、ステアリン酸およびその塩の如き一般に認められている剥離剤などが挙げられる。
【0028】
ワックスは、トナーの重量に基づいて、約0.1〜約10重量%の量で存在することが好ましく、約1〜約6重量%の量で存在することがさらに好ましい。好適なワックスの例としては、低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの共重合体およびそれらの混合物の如きポリオレフィンワックスが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。さらに詳しくは、より具体的な例として、分子量が約1,000〜約5,000g/モルであることが好ましいとされるエチレンとプロピレンとの共重合体、特に分子量が約1,200g/モルであるエチレンとプロピレンとの共重合体が挙げられる。他の例としては、分子量が約4,000g/モルであるポリプロピレンワックスの如き、分子量が約3,000〜約15,000g/モルであることが好ましいとされる合成低分子量ポリプロピレンワックスが挙げられる。他の好適なワックスは合成ポリエチレンワックスである。好適なワックスは、Polywax2000、Polywax3000および/またはUnicid700の如き三井石油化学社、ベイカーペトロライト社から入手可能なワックス、並びにViscol 550Pおよび/またはViscol 660Pの如き三洋化成工業社から入手可能なワックスである。好適なワックスの他の例としては、クラリエント社製のLicowax PE130の如きワックスが挙げられる。
【0029】
スペーシング剤としても知られる表面処理剤に関しては、トナー粒子上の前記剤の量は、帯電した像に関連する静電力または機械的力によって、2成分系におけるキャリア粒子から前記トナー粒子を引き離すのに十分な量である。スペーシング剤の量は、トナーの重量に基づいて、約0.05〜約5重量%であることが好ましく、約0.1〜約3重量%であることがさらに好ましく、約0.2〜0.6重量%であることが最も好ましい。
【0030】
スペーシング剤は、スペーシング剤の存在下においてトナー粒子を転がすといったような慣用の粉末混合法の如き慣用の表面処理法によってトナー粒子の表面に塗布することができるが、この方法に限定されるわけではない。スペーシング剤がトナー粒子の表面に分散されることが好ましい。スペーシング剤はトナー粒子の表面に付着し、静電力または物理的手段またはその両方によって付着させることができる。混合するのであれば、均一に混合することが好ましく、そのような混合は、スペーシング剤を凝集させないようにするのに十分であるかまたは少なくとも凝集を最小限に抑える高エネルギーヘンシェルミキサーの如き混合機によって達成される。さらに、スペーシング剤をトナー粒子と混ぜ合わせることによって前記トナー粒子の表面上に分散させる場合、得られる混合物をふるいに掛けることによって凝集したスペーシング剤または凝集したトナー粒子をすべて取り除くことができる。本発明の目的のために、他の手段を用いて凝集した粒子を分離することもできる。
【0031】
好ましいスペーシング剤は、デグッサ社から市販されているR−972またはワッカー社から市販されているH2000の如きシリカである。他の好適なスペーシング剤としては、他の無機酸化物粒子などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。具体的な例としては、チタニア、アルミナ、ジルコニアおよび他の金属酸化物だけでなく、アクリルポリマー、シリコーン系ポリマー、スチレンポリマー、フルオロポリマー、それらの共重合体およびそれらの混合物の如き直径が好ましくは1μm未満(さらに好ましくは約0.1μmである)ポリマービーズも挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0032】
本発明のトナー配合物が2成分トナーに用いられる場合、トナー配合物に関して用いられるキャリア粒子は慣用のキャリア粒子でもよい。従って、キャリア粒子は、硬質または軟質磁気キャリア粒子でもよい。2成分現像剤の場合、本発明のトナーは、現像剤の重量に基づいて、約1〜約25重量%の濃度で存在することが好ましく、約3〜約12重量%の濃度で存在することがさらに好ましい。
【0033】
さらに詳しくは、前記現像システムの構成は、例えば米国特許第4,473,029号および4,546,060号に詳述されているような、非磁性円筒シェルと、磁気コアと、前記コアおよび場合により前記シェルを回転させるための手段とを備える現像装置を用いたHeidelberg Digimaster 9110プリンターの如きデジタルプリンターであることが好ましい。前記両特許の全文が本願明細書に援用される。これらの特許に記載されている現像システムは、本発明での使用に合わせて改造することができる。さらに詳しくは、これらの特許に記載されている現像システムは、硬質磁気キャリア粒子を用いることが好ましい。例えば、前記硬質磁気キャリア粒子は、磁気的に飽和したときに少なくとも約300ガウスの飽和保磁力を示すだけでなく、1,000ガウスの外部印加フィールドにおいては少なくとも約20EMU/gmの誘導磁気モーメントを示すことができる。前記磁気キャリア粒子は、バインダーレスキャリアでもコンポジットキャリアでもよい。有用な硬質磁気材料としては、フェライトおよびガンマ酸化第2鉄が挙げられる。前記キャリア粒子は、鉄を主な金属成分として含有する磁気酸化物の化合物であるフェライトで構成されることが好ましい。例えば、Mが1価または2価の金属を表し、鉄の酸化状態が+3である一般式MFeO2またはMFe2O4の如き塩基性金属酸化物で形成される酸化鉄(III)、Fe2O3、が挙げられる。好ましいフェライトは、BaFe12O19やSrFe12O19の如きバリウムおよび/またはストロンチウムを含有するもの、および、米国特許第3,716,630号に記載されているような、Mがバリウム、ストロンチウムまたは鉛である式MO・6Fe2O3の磁気フェライトである。前記特許の全文が本願明細書に援用される。本発明において有用とされる磁気キャリア粒子の可能な大きさは様々であるが、その平均粒径が100ミクロンよりも小さいことが好ましく、約5〜約45ミクロンであることがさらに好ましい。
【0034】
一般的な製造工程において、トナー用の所望の高分子結合剤が製造される。静電複写用トナーのための高分子結合剤は、選択されたモノマーを重合し、得られたポリマーを各種添加剤と混ぜ合わせた後、所望の大きさの範囲にまで粉砕することによって一般に製造される。トナーの製造中、高分子結合剤は溶融加工に附される。この溶融加工において、前記ポリマーは、中位〜高い範囲のせん断力と、前記ポリマーのガラス転移温度を超える温度とに曝される。ポリマーメルトの温度は、部分的に、前記溶融加工の摩擦力に因るものである。前記溶融加工では、トナー付加物をポリマーの塊に溶融混入させる。
【0035】
前記ポリマーは、本願明細書にその全文が援用されるAmeringらに対する米国特許第4,912,009号に開示されている懸濁重合法の如き制限凝集反応を用いて製造することができる。
【0036】
有用な結合剤ポリマーとしては、スチレンのホモポリマーおよびコポリマーの如きビニルポリマーが挙げられる。スチレンポリマーとしては、40〜100重量%のスチレンあるいはスチレン同族体と、0〜40重量%の1種以上の低級アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートとを含有するものが挙げられる。他の例としては、ジビニルベンゼンの如きジビニル化合物と共有結合的にゆるく架橋結合された可融性スチレン−アクリル共重合体が挙げられる。この種の結合剤は、例えば、本願明細書にその全文が援用される米国再発行特許第31,072号に記載されている。好ましい結合剤は、スチレン、アルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートからなり、結合剤のスチレン含有率は、少なくとも約60重量%であることが好ましい。
【0037】
また、スチレンブチルアクリレートおよびスチレンブタジエンの如きスチレン富欲共重合体もポリマーブレンドと同様にバインダーとして有用である。そのようなブレンドの場合、スチレンブタジエンに対するスチレンブチルアクリレートの比は10:1〜1:10となり得る。5:1〜1:5の比および7:3の比が特に有用である。スチレンブチルアクリレートおよび/またはブチルメタクリレート(30〜80%のスチレン)およびスチレンブタジエン(30〜80%のスチレン)のポリマーも有用なバインダーである。
【0038】
スチレンポリマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、パラ−クロロスチレンおよびビニルトルエンだけでなく、アクリル酸、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクチルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルアクリル酸、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびオクチルメタクリレートから選択されるアルキルアクリレートまたはメチルアクリレートまたは二重結合を有するモノカルボン酸が挙げられ、これらも有用な結合剤である。
【0039】
また、イソフタル酸またはテレフタル酸とエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールおよびビスフェノールの如きジオールとのポリエステルの如き、芳香族ジカルボン酸と1種以上の脂肪族ジオールとのポリエステルおよびコポリエステルの如き縮合ポリマーも有用である。他の有用な樹脂としては、例えば、原子価が2以上のカルボン酸、その酸無水物またはその低級アルキルエステル(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸)からなるカルボン酸成分と、ビスフェノール誘導体またはその置換化合物であるジオール成分との共重縮合によって得られるポリエステル樹脂が挙げられる。具体的な例は、本願明細書に全文が援用される米国特許第5,120,631号、4,430,408号および5,714,295号に記載されており、例えば以前はICIアメリカズ社のAtlac(登録商標)382ESとして知られていたライクォールドケミカルズ社のFinetone(登録商標)382ESの如きプロポキシル化フマル酸ビスフェノールAが挙げられる。
【0040】
有用な結合剤は、ビニル芳香族モノマーと、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートの如き共役ジエンモノマーまたはアクリレートモノマーのいずれかから選択される第2のモノマーとの共重合体から形成することもできる。
【0041】
前記トナーに対する任意の添加剤は着色剤である。場合によって、磁気成分が存在するのであれば、それが着色剤として作用するので、別の着色剤を用意する必要が無くなる。好適な染料および顔料は、例えば、米国再発行特許第31,072号並びに米国特許第4,160,644号、4,416,965号、4,414,152号および2,229,513号に開示されている。これらの特許の全文が本願明細書に援用される。白黒静電型複写機および印刷機に用いられるトナーに対する特に有用な着色剤の1つはカーボンブラックである。着色剤は、トナー粉末の総重量に基づいて、約1〜約30重量%の範囲で一般に用いられ、好ましくは約2〜約15重量%の範囲で用いられる。また、トナー配合物は、磁気顔料、着色剤、レベリング剤、界面活性剤、安定剤の如き従来のトナーに用いられてきた種類の他の添加剤を1種以上含有していてもよい。
【0042】
硬質磁気キャリア粒子と同様にトナー粒子の残りの成分も、慣用の成分でよい。例えば、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデンフルオライド)およびポリ(ビニリデンフルオライドコテトラフルオロエチレン)のようなフッ素樹脂の如き各種樹脂材料を、硬質磁気キャリア粒子のコーティング剤として場合により用いることができる。キャリア粒子に対する好適な樹脂材料の例としては、シリコーン樹脂、フルオロポリマー、ポリアクリル、ポリメタクリル、それらの共重合体、それらの混合物、および他の市販のコーティングキャリア等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0043】
本発明のトナー配合物が単一成分トナー系で用いられる場合、前記トナー配合物は、負に帯電した粒子の如き既存の帯電粒子も含有する。単一成分任意系における帯電粒子の量は慣用の量である。単一成分系が用いられる場合、帯電粒子は、トナー中に分散した軟質酸化鉄の如き、少なくとも1種の磁気添加剤または材料であることが好ましい。有用な帯電粒子の例としては、鉄、鉄ケイ素合金、鉄アルミニウム、鉄アルミニウムケイ素、ニッケル鉄モリブデン、クロム鉄、鉄ニッケル銅、鉄コバルト、鉄の酸化物および磁鉄鉱の混合酸化物が挙げられる。トナー中に存在していてもよい他の好適な磁気材料としては、針状磁鉄鉱を含有する磁気材料、立方体状磁鉄鉱を含有する磁気材料および多面体磁鉄鉱を含有する磁気材料が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。有用な軟質酸化鉄は、マグノックス社のTMB1120である。
【0044】
さらに、本発明のトナー配合物は、磁気イメージ文字認識(MICR)に用いることもできる。そのような用途の場合、本発明のトナー粒子中の磁気材料の量は、好ましくは工業用のニーズを満たすのに十分な任意の量、例えば像として現像されたトナーに十分な信号強度を与えるのに十分な任意の量で構わない。トナー組成物中における磁気材料の配合量は、トナー粒子の約40〜約50重量%であることが好ましく、約42〜約45重量%であることがさらに好ましいが、他の量を用いてもよい。トナーは、前記トナーの重量に基づいて、約40〜約60重量%のポリマーと、約30〜約55重量%の磁気添加剤または材料と、場合により約1〜約5重量%の剥離剤と、好ましい濃度の前述の二酸化ケイ素とを含んでなることが好ましい。
【0045】
さらに、本発明は、本発明のトナーおよび現像剤を用いて像を形成する方法に関する。一般に、この方法では、電子写真素子の表面上に静電潜像を形成し、前記潜像を本発明のトナー/現像剤と接触させることによって前記像を現像する。
【0046】
さらに、本発明は、本発明のトナーを用いた静電像の現像における前述の現像システムの使用に関する。前記方法では、静電像を本発明のトナーと接触させる。例えば、前記方法では、静電像パターンを載せた静電像部材を現像帯内で移動させ、且つ予め選択された磁界強度の交番極磁気コアを外側に在る回転可能でも固定されていてもよい非磁性シェルの内部で回転させ、そして現像剤が前記像部材の移動する方向と同じ方向に向かって前記現像帯内を流通するように前記コアの方向および速度と場合により前記シェルの回転とを制御することによって前記移動する結像部材の電荷パターンと現像関係で前記現像帯内に現像剤を給送することによって前記静電像部材を現像する。この場合、エレクトログラフ2成分乾式現像剤組成物を用いることが好ましい。前記乾式現像剤組成物は、帯電したトナー粒子と、前記トナー粒子とは逆の極性に帯電したキャリア粒子とを含有する。前記キャリア粒子は、磁気的に飽和したときに少なくとも約300ガウスの飽和保磁力を示し、かつ、1,000ガウスの外部印加フィールドにおいて少なくとも約20EMU/gmの誘導磁気モーメントを示す硬質磁気材料であることが好ましい。前記キャリア粒子は、自身が静電像に移動しないようにするのに十分な磁気モーメントを有する。本発明のトナーを本願明細書に記載される方法で用い、米国特許第4,473,029号および4,546,060号に記載される各種方法を本発明で用いることができる。これらの特許の全文が本願明細書に援用される。
【0047】
このように現像される静電像は、感光体(photoreceptor)を像に合わせて光減衰させる方法または誘電記録素子の表面に像に合わせて電荷パターンを適用する方法の如きいくつかの方法によって形成することができる。高速電子写真式複写機のように感光体を用いる場合、ハーフトーンスクリーニングを用いて静電気像を修正することが特に望ましい。本発明に従った現像をスクリーニングと組み合わせることによって、高いDmaxと優れた階調範囲とを示す高品質の像が得られる。代表的なスクリーニングの方法としては、米国特許第4,385,823号に記載されているような一体型ハーフトーンスクリーンを感光体と併用する方法が挙げられる。前記特許の全文が本願明細書に援用される。
【0048】
本発明の現像システムにおける現像剤は、帯電した像へ高速度でトナーを運ぶことができることが好ましい。従って、大量の電子写真印刷用途および複写用途に特に適している。
【0049】
本発明を下記実施例によってさらに明確にすることができるが、これらの実施例は単に本発明を例示するものに過ぎない。
【0050】
擦り落ちの処置
第1の面と第2の面とを有し、かつ、前記第1の面の上にトナー像を有する支持体からの擦り落ちを測定するための試験装置は、第1の端部と第2の端部とを有し、かつ、平らな表面(テストシート)の前記第1の端部を越えて一方の端部が延びている第1の支持体の支持に適応した前記平らな表面と、前記平らな表面の長さ方向に第2の支持体(レシーバシート)が動くのを防ぐための抑制装置と、試験領域内の前記第1の支持体と前記第2の支持体に選択された圧力をかけることに適応した圧力パッドと、前記第2の支持体に関して前記試験領域内を選択された距離だけ前記第1の支持体を引っ張ることに適応したプーラーと、検定されたスキャナーと、スキャン結果を数値での試験結果に変換するためのコンピュータープログラムとを有する。前記テストシートは、その第1の面が前記レシーバ支持体と向き合うように配置される。前記テストシートの像を載せた面を、前記レシーバシートに選択された圧力で接触した状態で、前記レシーバシートに関して試験領域内を有効距離だけ動かすのに効果的な任意の装置が好適である。
【0051】
試験に附される支持体は、通常は紙である。このテストシートは、その第1の面の上にトナー像を載せている紙である。この紙は、前記平らな表面との接触および前記平らな表面からの剥離のために、その一方の端部が前記平らな表面の第1の端部から突き出すように配置される。次に、前記第2の紙を前記第1の紙の上に配置し、しっかりと固定することによって、前記平らな表面に対してその動作が制限されることになる。次に、通常は前記平らな表面の第1の端部の近くに在る試験領域へ圧力をかける。そして、前記第1の紙を前記平らな表面から引き剥がす。前記試験領域において得られたトナーの擦り落ちが前記テストシートからの擦り落ちを示す。
【0052】
そのような装置および試験方法は、John R.Lawson、Gerard Darby IIおよびJoseph A.Basileによって2001年3月13日に出願された、代理人整理番号がHEID−25,491である「擦り落ちの試験方法および試験装置」という表題の米国特許出願第(未指定)に開示されている。この出願の全文が本願明細書に援用される。
【0053】
試験装置は、試験圧力下にある試験領域内を前記レシーバシートに関して選択された距離だけテストシートを動かすことによって前記テストシートの擦り落ちの傾向が分かるように設計されている。前記テストシートが前記レシーバシートに関して動かされる限り前記テストシートが前記レシーバシートの上に在る状態で前記装置が作動しうることは理解される。
【0054】
擦り落ちの測定は2つの工程にわたって行われる。第1の工程では、好適な装置でテストシートの像を擦る。第2の工程では、前記摩耗試験の結果を回収および分析することによって前記テストシートの擦り落ち特性の定量的測度を得る。
【0055】
テストシートを生成する第1の工程は、評価対象のシステムでテストシートを作成することによって達成される。擦り落ち試験用のテストプリントは、8.5x11インチの大きさの紙の結像領域全体にテキストが印刷されたもので構成されることが望ましい。代表的なテストシート(対象)が作製される。テキストは、水平に対して好適な角度(すなわち7度)でテストシートに書き込まれることが望ましい。これは、単語間に区切りが存在する最終的な像における縞を無くすためである。一般的な使用においては、この対象はポストスクリプトファイル化され、プリンターに送られる。そして、プリンターはこの入力されたファイルを用いて、特定の試験条件下における評価のためのテストシートを生成する。一般に、試験同士の整合性のためにHammermill Bondの如き標準的な紙が用いられる。
【0056】
一旦調査対象のプリンターでテストシートが作成されると、評価用サンプルが作成される。これらは、テストシート(Hammermill Bondあるいは任意の他の標準紙)をレシーバシートに対して制御された状態で擦り付けることによって生成される。この制御は、前述の装置を用いることによって実現される。
【0057】
前記装置は以下の工程に従って用いられる。
1. テストシートを上向きに平らな表面の上に設置する。このテストシートの先端部が前記平らな表面の第1の端部から突き出るように、前記シートの位置を位置合わせ用の印に合わせる。
2. レシーバシート(第2のシート)を前記テストシートの上に設置する。前記レシーバシートを前記平らな表面の第1の端部に揃える。前記レシーバシートのもう一端は所定の位置に固定する。
3. 次に、公知の重りをホルダーに入れ、前記シートを重ねたものの上に載せる。この重りは、試験領域内において前記シートを重ねたものに公知の圧力をかける。これらの実験では、3PSIが用いられた。
4. 次に、前記テストシートの先端部がローラーのニップと噛み合うまで前記平らな表面を横方向に動かす。ローラーが回転し、前記テストシートを掴み、前記レシーバシートの下から21インチ/秒の速度で引っ張り出す。前記テストシートと前記レシーバシートの間の相対的な運動により、前記テストプリントのトナーが前記試験領域内のレシーバシートによって擦られる。これにより、レシーバシート上で像に「トナーの滲み(スミア)」が生じる。前記試験領域内の「滲むこと(スミアリング)」の度合が擦り落ちの主観的測度と相関関係にあることが示された。
5. 工程1〜4を6回繰り返す。これらの反復試験は、2種類の方法のうちの一方で処理することができる。第1の方法では、6回の反復試験のすべてを約0.5〜約5lb/inch2(PSI)の選択圧力を用いて行う。第2の方法では、3つの異なる圧力、例えば1PSI、2PSIおよび3PSI、のそれぞれにおいて2種類のサンプルが作製される。これらの2種類の方法の分析における違いを次の段落で説明する。
【0058】
テストシートは以下の手順に従って分析される。
1. 各試験領域を検定されたスキャナーでスキャンする。スキャナーは以下のようにして検定される。
a) 公知の濃度のステップタブレットを、プリントをスキャンするときに用いたのと同じスキャン条件下においてスキャンする。
b) ステップタブレットのデジタル値が限度内の所定の値になるようにスキャナーのコントラストおよび零点を調節する。
c) スキャンを繰り返す間にステップタブレットの値を定期的に検査する(例えば、1時間に1回)
2. 検定されたスキャナーを用いて、各試験領域からの6つの像をスキャンする。6つのスキャンされた試験領域に連続した名前が割り当てられるようにスキャンオプションを選択する。スキャンは、230x230ピクセル、600dpi、グレースケールモードで行う。スキャンされた試験領域はファイルサーバーに保存される。
3. スキャンファイル内のデータは、スキャンされた領域内のピクセルの輝度を表す。0は黒を表し、255は白を表す。各試験領域について、輝度値の標準偏差を計算する。標準偏差は、擦り落ちの主観的評価と相関関係にある良好なS/N比を測度に与えることが示された。
4. 6つの試験領域のすべてを同じ重りを用いて作製した場合、輝度についての標準偏差値を平均し、その平均値が試験対象のサンプルの擦り落ちとして報告される。
5. 前記6つの試験領域を3種類の重りを用いて作製した場合、6つの標準偏差値は、それらが試験された圧力に対して回帰される。最小自乗回帰曲線、好ましくは二次直線回帰は、このデータを通じて適しており、所定の圧力における擦り落ちの推算値が計算される。圧力の関数としてのこれらの擦り落ち値は、試験について報告された結果である。
6. 報告された値についての信頼限界を両方のデータ分析方法について計算する。一般に、これらの信頼限界は擦り落ち値の±10%である。
【0059】
各種装置を用いて、所望の圧力を生じさせる重りを有する圧力パッドを試験領域内の所定の位置に維持することができる。基本的に、前記圧力パッドは、いずれかのシートが動かされたときに前記平らな表面に関する所定の位置に維持されたままで前記第2のシートの上に所望の圧力をかけることができる位置に維持されなければならない。これは様々な機械的構成によって達成することができる。そのようなバリエーションは当業者らにとっては明らかである。
【0060】
実施例
実施例1
トナー配合物を下記成分から調製した。
【0061】
【表2】
【0062】
これらの成分を40リットルのヘンシェルミキサーにおいて1,000RPMで60秒間ドライパウダーブレンドすることによって均質のブレンドが得られた。次に、得られたパウダーブレンドを二軸共回転押出機で溶融混合することによってポリマーバインダーを溶融すると共に顔料、電荷剤およびワックスを分散させた。溶融混合は、押出機の入口温度:230°F、押出機の混合領域の温度:230°F→385°F、押出機のダイの出口温度:385°Fで行われた。処理条件は、パウダーブレンド供給速度:10kg/hrおよび押出機スクリュー速度:490RPMであった。その後、冷えた押出物を約1/8インチの大きさの顆粒に細断した。
【0063】
溶融混合の後に、得られた顆粒をエアジェット粉砕機で微粉砕して体積荷重された直径の中央値が11ミクロンの粒子にした。トナーの粒径分布はコウルター・カウンター・マルチサイザー(Coulter Counter Multisizer)を用いて測定された。次に、微粉砕されたトナーを遠心空気分級機で分級することによって、最終的に得られるトナーに存在していては好ましくないとされる非常に小さなトナー粒子およびトナー微粒子を取り除いた。分級して微粒子を取り除いた後、得られたトナーは、16%パーセンタイルの累積粒子数対粒径における50%パーセンタイル/直径での直径として表される幅が1.30〜1.35である粒径分布を有していた。
【0064】
次に、分級されたトナーをヒュームドシリカで表面処理した。日本アエロシル社製の商品名がR972である疎水性シリカを用いた。2,000グラムのトナーを10グラムのシリカと混ぜ合わせて、シリカを0.5重量%含有する生成物を得た。前記トナーおよびシリカを10リットルのヘンシェルミキサー中で4エレメントインペラーを用いて2,000RPMで2分間混ぜ合わせた。
【0065】
シリカで表面処理されたトナーを230メッシュの振動ふるいでふるいにかけることによって、表面処理中に形成された可能性のある分散していないシリカの凝集物やあらゆるトナーフレークを取り除いた。
【0066】
実施例において、トナー摩擦電気電荷の時間依存性電荷レスポンスを、2分間および10分間攪拌した現像剤混合物中で測定した。トナー摩擦電気電荷は、前述のMECCA装置で測定された。トナー混合物の「飛散」は、印刷物にバックグラウンドを作り得る現像剤中の帯電度の低いトナーの尺度である。「飛散(T−O)」は、補充トナーを作動中の現像装置に添加した後、飛塵として前記装置から吐き出されるトナーを捕獲および計量することによって測定される。10mg未満のT−O値が好ましく、この数値が低ければ低いほど良い。
【0067】
表3は、摩擦電気電荷、これらの電荷の安定度、並びにトナーの飛散について試験された各種配合物の測定結果をまとめたものである。
【0068】
【表3】
【0069】
上記表から、以下の点が分かる。
【0070】
トナーの擦り落ちは、ワックスをトナー配合物に添加することによって改善された。この場合、ポリエチレンワックスであるLicowax PE130を用いた。擦り落ちは改善されたが、ワックスの添加によってトナーの電荷レベルの絶対値が増加した。ポリエチレンワックスを全く含有していない実施例1は、2’電荷値が−17.0μC/gm、10’電荷値が−28.0μC/gmであり、共に、所望の範囲である−10〜−30mC/g内であった。1pphのポリエチレンワックスを含有する実施例2は、10’電荷値が−40μC/gmであり、所望の電荷範囲外であった。さらに、ワックスを添加することによって、トナー粉末の凝集性が高まり、粉末流動性が低くなった。トナーが消費されるに従ってトナーカートリッジの中身を現像装置に空けるためおよび前記現像装置に対するトナーの補充速度を調節するためには、易流動性のトナー粉末が好ましい。ポリエチレンワックスを含有するトナーの粉末流動性を改善するために、前記トナーをヒュームド疎水性シリカであるDegussa R−972とブレンドすることによって表面処理した。
【0071】
表3は、電荷特性は良好であるが擦り落ち性は低いトナーである実施例1の摩擦電気電荷と「飛散値」、および、擦り落ち性を改善するためのポリエチレンワックスと良好な摩擦電気特性を得るための複数の電荷剤とを用いて調製されたトナーの摩擦電気電荷と「飛散値」をまとめたものである。実施例2は擦り落ち性を改善する目的でワックスが添加されているが、高い10’電荷値と、実施例1よりも高い飛散値を有していた。実施例7、8および9は、2種の電荷制御剤(CCA)、すなわち1.5pphのT77と1.0pphのMPPの混合物を含有していた。これらの10’電荷レベルは実施例2よりも低かったが、所望の範囲である−10〜−30μC/gm内ではなかった。これらのT−O値は低く、比較対照である実施例1および2よりも良好であった。実施例3、4、5および6も、2種のCCA、すなわち1.5pphのT77および2.0pphのMPPと、0.1〜0.30重量%のシリカ表面処理剤との混合物を含有していた。すべてのこれらのトナーの10’電荷レベルは、所望の範囲である−10〜−30μC/gm内であった。実施例3はシリカ表面処理剤を含有しておらず、その2’電荷レベルは10よりも低く、飛散レベルは10よりも高く、共に所望の範囲外であった。これにシリカ表面処理剤を添加すると、2’電荷レベルが上がり、T−Oレベルが下がり、共に所望の範囲内の値となった。実施例4、5および6は、いずれも電荷レベルとT−O値が所望の範囲内であった。
【0072】
特定の実施例についてトナーの擦り落ち値も試験した。特に、実施例1のトナー3PSI擦り落ち値は約15〜20であった。実施例5の擦り落ち値は4〜7であり、これは市販のトナー配合物よりも著しく低い値であった。
【0073】
本発明のトナー配合物は、安定した電荷レベルと、持続した電荷レベルと、優れた擦り落ち性と、優れた流動性とを有していた。
【0074】
従って、本発明のトナー配合物によって特性同士の均衡が達成された。
【0075】
実施例2
様々な組成のポリエステルトナーバインダー樹脂を和歌山県和歌山市の湊に在る花王(株)から入手した。表4は、これらの材料の酸分特性をまとめたものである。酸価は滴定(サンプルを中和するための1グラム当たりの水酸化カリウムのミリグラム数)によって求められ、モノマー酸分はガスクロマトグラフィーによって求められた。特にバインダーC材料は、モノマー酸に起因する全滴定酸価の約10%に相当するかなり高い濃度のモノマー状態の酸性材料、すなわち約0.2重量%のマレイン酸/フマル酸のほぼ50/50混合物を含有していた。
【0076】
【表4】
【0077】
表5は、バインダーC樹脂から調製されたトナーにフマル酸をさらに添加した実験の結果を示している。トナーは、2ロールミルで原料を溶融混合した後、TrostモデルTXジェットミルで約8ミクロンの粒径まで粉砕することによって調製された。それぞれについて、46.63gのバインダーCを、ドイツのルードウィッヒスハーフェンにあるバスフ社(BASF AG)から入手されたLUPRETON RED SE1255TMの5.63g分と、大阪府にあるオリエント社から入手されたBONTRON E−84TM電荷剤の1g分と混ぜ合わせた。さらに、フマル酸(アルドリッチケミカルズ社)を0、0.1、0.5または2.5gの量で含有させることによってサンプルの濃度を0、0.2、1.0および5.0pphにした。LUPRETON RED SE1255TM自体、40%のピグメントレッド57:1と、60%のバインダーCと性質の似ているポリエステルトナー樹脂との混合物である。このように、トナーは、総量50gの樹脂(100pphとして規定)と、2.25gのマゼンタピグメント(4.5pph)と、1gの電荷剤(2pph)と、0、0.2、1.0または5.0pphのフマル酸とを含有していた。
【0078】
8%の上記トナーを92%の磁気キャリア材料と混ぜ合わせることによって現像剤を調製した。前記磁気キャリア材料は、平均粒径が約25ミクロンのストロンチウムフェライトコアと、1.25%のポリフッ化ビニリデン/ポリメチルメタクリレートの60/40混合物のコーティングとからなる。これらの現像剤の質量当たりの電荷を、第1の運動期間の後および第2の運動期間の後に測定した。第1の運動期間では、4〜7グラム分の現像剤を4ドラムのガラス製ねじ口びんに投入し、蓋をし、そして約2ヘルツ(Hz)および約11cmの最大振幅で作動する「手首運動型」ロボットシェーカでこのびんを2分間振動させることによって、前記現像剤を激しく振動させて摩擦電気を帯電させた。この状態を「未再生の現像剤、2分間の振とう」とラベル表示した。同じ現像剤サンプルを回転コア磁気ブラシの上でさらに10分間の運動期間に附した。ロボットシェーカから回収したびんを前記ブラシに固定した状態で磁気コアを2,000rpmで回転させることによってエレクトログラフ処理における現像剤の実際の使用を推定した。このように、まるで磁気ブラシの上に直に接しているかのようにして現像剤が運動させられるが、現像剤はびんに入っているので全く減ることはなかった。この運動の後のトナーの電荷レベルを「未再生の現像剤、10分間の振とう」と示した。次に、バイアス電圧をかけた状態で磁気ブラシから金属シリンダーへと転写することによってトナーをキャリアから静電的に取り除いた。そして、このキャリアを8%の未使用トナーで再生し、同じ2回の運動サイクルに附して質量当たりの電荷を測定し、それぞれ「再生現像剤、2分間の振とう」および「再生現像剤、10分間の振とう」とラベル表示した。
【0079】
トナーQ/m比は、空間を置いて平行に配置された2枚の電極板から成るMECCA装置で測定された。前記2枚の電極板は、現像剤のサンプルに電界と磁界の両方を印加することによって、電界と磁界の組み合わせの影響で混合物の2種の成分、すなわちキャリア粒子とトナー粒子、とを分離させることができる。0.100gの現像剤混合物のサンプルを下の方の金属板の上に設置した。次に、このサンプルを前記2枚の電極板の間で30秒間、60Hzの磁界と2,000ボルトの電位に附し、現像剤を攪拌させた。磁界と電界の組み合わせの影響を受けてキャリア粒子からトナー粒子が放出され、放出されたトナー粒子は上の方の電極板に引き付けられて、その上に堆積したが、磁気キャリア粒子の方は下の方の電極板に留まったままであった。電位計を用いて上の方の電極板に堆積したトナーの累積電荷を測定した。マイクロクーロン/グラム(μC/g)単位で表されるトナーのQ/m比は、前記累積電荷を上の方の電極板から回収した堆積トナーの質量で割ることによって算出された。
【0080】
表5では、フマル酸を添加すると電荷レベルが低下することが分かる。8ミクロンの大きさのトナーにとって望ましい電荷範囲は約−20〜−60μC/gであった。10分間の運動の状態によって実際の電子写真式プリンターの現像装置内での現像剤の動作状態が推定されることが分かった。従って、この酸性帯電成分を適量添加することによって電荷を適正範囲内にすることができる。
【0081】
【表5】
【0082】
表6は、前述のように金属錯体電荷剤であるBontron E−84を用いておよび用いずに酸性電荷制御物質であるアジピン酸を試験した実施例を示している。トナーは、あくまでも簡略化のために着色剤を用いずに調製した以外は、表5に示す実施例の場合に説明した方法に従って、バインダーCを用いて調製した。着色剤を省くことによって、添加された酸性材料がトナー内部で巨視的に相分離を起こさないことが光学顕微鏡法を介して観察することができた。前述のようにして現像剤を調製および運動させ、それらの電荷/質量レベルを測定した。表5では、Bontron E−84電荷剤が存在していてもいなくても、アジピン酸の濃度が高くなると電荷レベルが低くなることが分かる。しかしながら、Bontron E−84の存在しない場合に対する2pphのBontronE−84が存在する場合の各種運動条件に対する総合的な電荷レベルは高く、(パーセント値での)変化も少ない。両方の電荷誘導物質を用いても電荷レベルを約−20〜−60μC/gの有用範囲内にすることができるだけである。
【0083】
【表6】
【0084】
表7の実施例の場合、様々な濃度の各種酸を2pphのBontron E−84電荷剤と共に用い、さらに、簡略化のために着色剤は用いずにLLT−101樹脂に基づくポリエステルトナーを調製した。前記トナーは、表5の実施例に関して説明した方法によって調製され、摩擦電気帯電性について試験された。LLT−101樹脂自体はモノマー酸材料を含有していなかったのに対し、表5および6のバインダーC樹脂は製造業者によって提供された時点でフマル酸とマレイン酸の混合物(表4を参照)を約0.2pph含有していた。表7では、酸性物質が全く添加されていないコントロールトナーは、バインダーCに基づく表6の対応するコントロールトナーよりも高く帯電することが分かる。さらに表7では、一般に、酸性添加剤のpKaが低ければ低いほど、前記添加剤のトナーの摩擦電気電荷レベルを下げる能力が高くなることが分かる。2酸の場合、pKa1で表される第1の酸の解離定数が考慮すべき値である。多くの酸が、LLT−101樹脂中に2pphのBontron E−84が存在する状態で所望のレベルである−20〜−60μC/gを実現するのに有用であることが分かる。
【0085】
【表7】
【0086】
表8は、2pphのBontron E−84電荷剤を含有するバインダーCに基づく透明なトナーに酸性材料を添加した実施例を示している。このように、これらの実施例のトナーは、樹脂中に、小分子酸の混合物と、前述の一連の濃度で実施例に添加された材料と、0.2%のフマル酸/マレイン酸混合物とを含有していた。表8においても、一般に、酸性添加剤のpKaが低ければ低いほど、摩擦電気電荷値が低くなることが分かる。例えば、シュウ酸は最も低いpKa1を有するが、1pph添加するだけでトナーの帯電性が大幅に低減してしまい、現像剤が両極性に帯電してしまった。両極性に帯電した現像剤は両極性のトナーを含有しており、高品質の像を形成する上では役に立たなかった。表8の末部に見られるパラ置換安息香酸には、pKaが減少するにつれて電荷も減少する傾向が非常にはっきりと見られた。適切な酸性電荷添加剤を適量添加することによって、バインダーC樹脂中に2pphのBontron E−84が存在する状態で有用な摩擦電気電荷範囲である−20〜−60μC/gの範囲内で作用するトナーを調製することができたことが分かる。
【0087】
【表8】
【0088】
【表9】
【0089】
表9は、酸濃度の異なる樹脂に基づくトナーを用いた現像剤寿命試験の結果を示している。用いた樹脂の説明は表4に記してある。Werner and PfleidererのZSK−30型2軸押出機で溶融混合した後、Hosakawa−Alpineの200AFG型ジェットミルで体積平均粒径が約8ミクロンになるまで粉砕することによって黒いトナーとマゼンタのトナーを調製した。次に、得られたトナー粉末を、Henschel FM75高エネルギードライミキサー中で、オハイオ州のアクロンにあるデグッサ社から入手したR972ヒュームド疎水化シリカで表面処理した。マゼンタトナー中の着色剤は、ポリエステル樹脂中の40%濃縮物を介して添加されたピグメントレッド57:1であるドイツのルードウィッヒスハーフェンにあるバスフ社から入手されたLUPRETON RED SE1255TMからなり、ブラックトナー中の着色剤は、カボット社から入手されたRegal 330カーボンブラックからなっていた。すべてのトナーは、大阪府にあるオリエント社から入手されたBONTRON E−84TM電荷剤を含有していた。BONTRON E−84TMは、3個のジ−t−ブチルサリチル酸配位子のアルミニウム塩または錯体である。現像剤は、前述のように、1.25%のポリフッ化ビニリデン/ポリメチルメタクリレートの60/40混合物でコーティングされたストロンチウムフェライトキャリアに対して、6%のトナー濃度で調製された。
【0090】
現像剤の寿命試験を寿命試験装置で数回行った。この寿命試験装置は、教示全体が本願明細書に援用される米国特許第4,473,029号に開示されている調色装置と同様の調色装置を備えている。この調色装置は、磁気トナー濃度モニターと、供給装置(搬送ローラまたはバケットブリゲードおよびフィードスキーブ(feed skive))と、回転コアと、シェル調色ローラーと、トナー補充装置とを備えたミキシングサンプ(sump)を有する。トナーは、バイアス現像によって連続して金属ドラム上へ取り出され、ブレードクリーニング装置によって前記金属ドラムから取り除かれた。前記装置からトナーが無くなると、前記サンプ中のトナーの濃度が一定に保たれるように、磁気モニターと制御回路とが補充トナーを補填した。取り出し速度は、バイアス現像の電圧によって制御された。質量当たりの電荷は、前述のMECCA法によってオフラインで測定された。表6に示される電荷の測定値は、各試験の最後の5時間に測定された値の平均値である。
【0091】
ブラックトナーを用いた一組目の実験におけるバインダーI樹脂、バインダーA樹脂およびバインダーC樹脂の場合、トナー樹脂のモノマー酸の量が0.01%から0.06%を経て0.2%になるまでに電荷レベルが−112から−80を経て−54μC/gへと減少したことが分かった。これらの結果は、トナーがシリカで表面処理されていない場合の表5〜8における結果と一致している。さらに、一般にシリカの濃度が高くなると負電荷のレベルも高くなったことにも注意すべきである。約−20〜−60μC/gという適正範囲内の摩擦電気電荷を得るには特定の量の小分子酸が必要であることが分かった。さらに、バインダーIに基づく最も帯電度の高いトナーが最も高い電荷を有することにより、電荷レベルを決定する際の制御因子は樹脂の酸価ではなく、むしろ支配的なのは小分子酸の量であることが分かった。
【0092】
表9における2組目の実験におけるマゼンタトナーは、バインダーCとLLT−101樹脂との各種ブレンドから調製された。モノマー酸材料の量がLLT−101について非常に低い(GC検知限界値よりも低い)値からバインダーCについて0.2%になるまで、電荷は単調に減少する。モノマー酸の効果は先に観察された通りである。
【0093】
表9における3組目の実験におけるマゼンタトナーは、バインダーCと、0.7%のR972シリカと、1、2または3pphのE−84電荷剤とを用いて調製された。E−84の濃度が高いほど試験終盤の電荷レベルも高かったが、電荷制御効果の傾斜は、小分子酸添加剤による電荷制御効果の傾斜ほど急ではなかった。さらに、3つの試験は、いずれも約−35μC/gの電荷レベルで始められたが、1pphのE−84を用いた場合の電荷は減少し、2pphのE−84を用いた場合の電荷はほぼ試験開始時のレベルを維持し、そして3pphのE−84を用いた場合の電荷はわずかに増加した。E−84電荷剤が持続した電荷レベルを得るのに用いることができるのに対し、酸添加剤は広範囲にわたる電荷レベルを制御するのに用いることができるように思われる。この最終組の寿命試験では、前述のデータの測定に用いたMECCA装置に対して、ET装置を用いて摩擦電気電荷レベルを測定した。このET装置は、MECCA装置よりも高いQ/M値が得られることで知られている。MECCA装置では60Hzのコイルによって磁界を生じさせるのに対し、ET装置では回転永久磁石装置を用いる。それ以外、トナーの質量当たりの電荷は前述のようにして測定される。
【0094】
【表10】
【0095】
本発明の他の実施態様は、本願明細書を検討し、かつ、本願明細書に開示される本発明を実施することによって、当業者らに明らかとなるであろう。本願明細書および実施例は、あくまでも模範である考えられ、本発明の真の適用範囲および精神は前述の請求の範囲およびそれと同等なものによって示されることが意図される。
Claims (7)
- 少なくとも1種のトナー樹脂と、2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オンまたはその誘導体、フマール酸、リンゴ酸、アジピン酸、テレフタル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸性有機電荷制御剤を含有してなる少なくとも1種の第1の電荷制御剤と、少なくとも1種の鉄オルガノ金属錯体を含有してなる少なくとも1種の第2の電荷制御剤と、場合により少なくとも1種の表面処理剤と、場合により少なくとも1種の剥離剤と、場合により少なくとも1種の着色剤とを含有してなる、トナー配合物。
- 前記少なくとも1種の剥離剤が存在する、請求項1に記載のトナー配合物。
- 前記第1の電荷制御剤が−10〜−30μC/gmの安定した電荷レベルを与える、請求項1に記載のトナー配合物。
- 4〜12ミクロンの粒径を有するトナー粒子を含有してなる、請求項3に記載のトナー配合物。
- 前記剥離剤が少なくとも1種のワックスを含有してなる、請求項2に記載のトナー配合物。
- 請求項1に記載のトナー粒子と硬質磁気キャリア粒子からなる乾式現像剤混合物の供給と、
前記現像剤を前記供給から現像帯へと給送するための、回転可能なまたは固定された非磁性円筒シェルと、
予め選択された磁界強度の回転磁気コアと、
少なくとも前記磁気コアを回転させて前記トナー粒子を前記シェルから静電像へと移動させるための手段、とを備えるトナー用現像システム。 - 静電像パターンを載せた静電像部材を現像帯内で移動させ、且つ予め選択された磁界強度の交番極磁気コアを外側に在る回転するかまたは固定された非磁性シェルの内部で回転させそして現像剤が前記像部材の移動する方向と同じ方向に向かって前記現像帯内を流通するように前記コアの方向および速度と場合により前記シェルの回転とを制御することによって前記移動する結像部材の電荷パターンと現像関係で前記現像帯内に現像剤を給送することによって前記静電像部材を現像することからなる、請求項1に記載のトナーで静電像を現像するための方法であって、前記現像剤は、請求項1に記載の帯電したトナー粒子と、前記トナー粒子とは逆の極性に帯電した硬質磁気キャリア粒子とを含有してなる、前記現像方法。
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