JP3908507B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナーであり、特に静電式複写機やレーザービームプリンター等の、いわゆる電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機及びレーザービームプリンターのごとき電子写真技術を用いた画像形成装置の機能が多用化し、より一層の画像の高精細化、高画質化が求められている。それに伴い、トナー粒子は粒子径が従来以上に細かいものを使用する傾向にある。また、これらはデジタル複合機の場合、同一の現像システムで複写機、プリンター、ファックスと複数の機能を果たす必要がある。それぞれによって使用される原稿濃度に差があり、どの様な使用状態によっても最適な画像品質を維持する必要がある。原稿濃度がある程度以上高い場合(6%以上)、現像剤中へは適度にトナーが補給され現像剤中を循環するため問題は発生しにくいが、原稿濃度が低い場合(1%以下)、現像剤中へのトナー補給は少なく撹拌のみ繰り返されるため、チャージアップによる画像濃度低下が発生していた。特にファックスの場合、一般的に印字の濃度が低いため、チャージアップによる画像濃度低下がしばしば問題となっていた。この様な問題を解決するために、磁性微粉体を外添剤としてトナー表面に一定量外添し、トナーの表面抵抗を低下させて過剰に帯電された電荷をリークさせることにより帯電上昇を防止させ、低温・低湿環境下でも濃度低下の発生しないトナーが従来から提案されている。
【0003】
しかしながら、この様な外添剤が一定量以上存在すると、逆に原稿濃度が更に高い場合(30%以上)、現像剤中へのトナー補給は多くなり、撹拌能力が追い付かず帯電不良が発生し画像かぶりが増加するといった問題が発生していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
複写機及びレーザービームプリンタにおいて、高画質化を達成する為には、トナー粒子径の小粒径化、感光体ドラム径、プロセススピード等幾つかの条件が必至条件となる。その場合には、多少それに伴う問題点が発生する。原稿濃度が高い(35%以上)ものを連続して出力する場合、補給及び現像されるトナーは多くなり、現像槽内での撹拌能力が追い付かない事から帯電量が不安定になって異常に画像上のかぶりが増加するといった不具合が生じていた。特にこれらの現象は帯電量が安定しにくい高温高湿環境下において発生しやすい。
【0005】
本発明の目的は、トナー粒子に外添剤として使用する磁性微粉体の量を規定することにより、過剰にトナー補給させた場合においても、帯電量を安定させ、画像のかぶりを上昇させる事なく安定した画像を可能とする静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0006】
本発明は、使用するトナーが少なくともスチレンアクリル系結着樹脂と着色剤及び帯電制御剤で構成されており、該トナーに0.6〜0.8重量部の磁性微粉体Aが外添剤として使用されている事により、コピーかぶりに対して最も厳しい条件である高温・高湿環境下でのコピーかぶりの上昇を防止し、又、コピー濃度に対し最も厳しい条件である低温・低湿環境下でのコピー濃度低下を防止する事を可能とし、又、粒子径の異なる磁性微粉体Bを磁性微粉体Aと同重量部以上0.8重量部以下で外添する事により、感光体ドラム上への磁性微粉体の付着(フィルミング)を防止することが出来、どの様な環境下においても、安定したコピー画質を可能とする静電荷現像用トナーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2成分からなる現像剤に使用される静電荷像現像用トナーであって、少なくともスチレンアクリル系結着樹脂と着色剤及び帯電制御剤で構成され、磁性微粉体Aが外添剤として0.6〜0.8重量部使用されるとともに、重量平均粒径が0.30〜0.60μmであり、かつ、79.58kA/m(1Kエルステッド)の磁界下における残留磁化σr b (Am 2 /kg)と飽和磁化σs b (Am 2 /kg)との比が下記条件を満足する磁性微粉体Bが、前記磁性微粉体Aと同重量部以上0.8重量部以下で外添されている静電荷像現像用トナーである。ただし、σr b /σs b ≦0.10である。
【0008】
また、本発明は、上記磁性微粉体Aは、表面にアミノシラン基を有し、形状が八面体であり、電気抵抗ra(Ω・cm)が下記条件を満足している静電荷像現像用トナーである。ただし、1×103≦ra≦9×103 である。
【0012】
そして、本発明は、上記外添磁性微粉体Bは、その組成または構造式がFe3O4・MnOで表される磁性微粒子で構成され、電気抵抗rb(Ω・cm)が下記条件を満足している静電荷像現像用トナーである。ただし、1×108≦rb≦9×108 である。
【0013】
更に、本発明は、トナー粒子の重量平均粒子径dが d≦9μmである静電荷像現像用トナーである。
【0014】
また、本発明は、感光体ドラム径dが d≦30φ、プロセススピードが60〜90mm/secである静電荷像現像装置に使用される静電荷像現像用トナーである。
【0015】
そして、本発明は、上記静電荷像現像装置の感光体ドラムと現像用マグローラの周速比が2.7〜3.3で使用される静電荷像現像用トナーである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーの実施例について、図1〜図11を用いて説明する。図1は、実施例の静電荷像現像用トナーを使用する静電荷現像装置の一例の説明図である。図2は、実施例1の静電荷像現像用トナーのトナー材料組成を示す図表である。図3は、実施例1における外添剤を示す図表である。図4は、実施例1におけるコピー評価を説明する図表である。図5は、実施例1におけるコピー濃度推移を確認する図表である。図6は、実施例2における確認結果を説明する図表である。図7は、実施例3における確認結果を説明する図表である。図8は、実施例4の静電荷像現像用トナーのサンプルを説明する図表である。図9は、実施例4における評価結果を説明する図表である。図10は、実施例5における評価結果を説明する図表である。図11は、実施例6における評価結果を説明する図表である。
【0017】
実施例の静電荷像現像用トナーを使用するデジタル複合機の一例の全体図を図1に示す。デジタル複合機は、静電荷像現像装置の一つであり、感光体ドラムと現像用マグローラの周速比が2.7〜3.3で使用され、2成分からなる現像剤を使用する。デジタル複合機において、原稿像はコピーランプ1により照射され、その反射光が第2/第3ミラーユニット2を経てレンズユニット3へ送られる。LSUユニット4により、画像信号をレーザービームに変換し、感光体ドラム5上に結像する。感光体ドラムはMCユニット6により均一に帯電され、レーザービームにより静電潜像を形成し、更に現像槽中で帯電されたトナーを感光体ドラム上にのせる為のMGローラー7により電気的吸収力により感光体ドラム上にトナーを付着させる。カセット給紙ローラー8により給紙されレジストローラー9により一旦待機させられていた記録紙はレジストローラー9の駆動により感光体ドラム上に搬送され、可視像化されトナーが付着している感光体ドラムに重ね合わされる。次に重ね合わされた記録紙の裏面に転写ローラー10により電荷を与えると、感光体ドラム上からトナーは記録紙上に転写される。感光体ドラム上に残った未転写トナー等は、感光体ドラムユニットに設けられているクリーニングブレードによって除去される。一方、トナーを載せた記録紙は定着ユニットまで搬送され、上ヒートローラー11と下ヒートローラー12に挟まれて熱定着され搬送ローラー13、排紙ローラー14により排紙される。又、熱定着の仕組みとしては上ヒートローラー11内部にヒーターランプが設置されており定着サーミスターにより温度管理がなされている。以上のように原稿上の画像データを記録紙上に複写する工程が完了する。
【0018】
実施例1を説明する。本実施例の静電荷現像用トナーは、少なくともスチレンアクリル系結着樹脂と着色剤及び帯電制御剤で構成され、磁性微粉体Aが外添剤として0.6〜0.8重量部使用されている。図2に示す材料を乾式混合機(へンシェルタイプのミキサー)にて分散混合したのち、2軸混練機にて溶融混練し、ジェットミルにて粉砕、分級を行い平均粒子径8.5μmの粉体を作製した。該トナーの物性値としては、tanδ(誘電率)が2.76(1.E−03)であり、抵抗値rが258(1.E−09)であった。又、シェイカー(高速振動ふるい器)試験による帯電量としては、15分値で32.9μc/gであった。次に、乾式混合機(へンシェルタイプのミキサー)にて図3に示す内容の外添剤の混合を行い、数種類の電子写真用トナーを得た。又、実機評価にはシャープ製デジタル複合機AR−275を用いて行った。
【0019】
実施例で使用する測定装置を説明する。(a)コピー濃度:直径55mmの黒円を含む原稿を用いて、3枚複写し得られたコピーサンプルの黒部をマクべス濃度計にて測定しそれらを平均した値を採用する。本願の評価基準としては、1.50以下であれば良好とした。(b)コピーかぶり:A4サイズの白紙を予め白度計(ハンター白度計、日本電色工業社製)にて白度を測定しその値を第1測定値とする。次に直径40mmの白円を含む原稿を用いて3枚複写し得られたコピーサンプルの白部を前述の白度計にて測定しこの値を第2測定値とし、第2測定値の値を第1測定値から差し引いた値をコピーかぶりの値とする。本願の評価基準としては、全ての環境下に於いて、1.20以上であれば良好とした。
【0020】
(c)tanδ:誘電体損測定装置(TRS−10T型、安藤電気社製)を用いて測定した。測定方法としては、まず、得られたトナーから錠剤成形器を用いて約1.5mm軽度の測定用サンプルを作成する。次に上記サンプルを固体用電極内部に装着し、電極を恒温槽の中にプラグインする。測定装置の測定モードをゼロバランスモードに設定し、測定周波数に応じてPATIO値を決定し、平衝の操作を行う。この時のコンダクタンスの値をRoとする。さらに測定モードを替えて零平衝と同様に平衝操作を行う。この時のキャパシタンスをCx、コンダクタンスをR’とする。tanδは上記測定値を用いて次のように求めることができる。まず、
誘電率(ε’)=Cx/Co………(1)
ここで、Coは誘電体を空気で置き換えたときの静電容量である幾何学的静電容量である。一方、誘電損率(ε”)を次式により求める。
誘電損率(ε”)=Gx/ωCo………(2)
ここで、ωは角周波数であり、2πf(fは周波数Hz),Gxはコンダクタンスで、Gx=PATIO値×(R’−Ro)で示される。tanδは、
tanδ=ε”/ε’………(3)
にて示され、(3)式に(1)式及び(2)式を代入すると、
tanδ=Gx/ωCx
=PATIO値×(R’−Ro)/2πfCx
と表され、測定した各値をそれぞれ代入してtanδを測定した。本実施例での測定方法は、測定周波数1kHzで行い、それに応じたPATIO値は1×10−9であった。
【0021】
(d)シェイカー試験:株式会社 レッチェ(Retsch)社のミキサーミルMM200を使用し測定した。容量20mlのサンプル瓶に得られたトナー0.7gと鉄粉キャリア9.3gを入れ、ミキサーミルMN200に装着し、1800回/minの振動数で15分間振動させた後、ブローオフ測定機にて帯電量(チャージ)の測定を行う。
【0022】
得られたトナーサンプルを実機マシンにより評価確認を行った。又、評価確認に於いては、全てに対して厳しい条件での確認を行うため、デベロッパー、感光体ドラム等はそれぞれの寿命(ライフ)を越えたものを使用し確認を行った。
【0023】
コピーかぶり評価結果を図4に示す。高濃度(35%)原稿を連続して100枚コピーした場合に、外添している磁性微粉体が1.0重量部(サンプル5)になると1枚目から15枚目までにコピーかぶりが急激に上昇し、その後も上昇したままの値でコピーかぶりが推移している事がわかる。次に、各トナーサンプルの低温/低湿環境(5℃/20%)下でのコピー濃度推移を確認した結果を図5に示す。通常環境下(25℃/50%)から低温/低湿環境(5℃/20%)に切り替えた時点がコピー濃度に対して一番厳しい条件となることがわかり、外添している磁性微粉体が0.5重量部(サンプル1)になると急激なコピー濃度低下が発生するこる事がわかる。上記実機評価結果より、どの様な環境下に於いても安定したコピー画質を提供する為には、外添する磁性微粉体は0.6〜0.8重量部にすることにより可能となった。
【0024】
実施例2を説明する。本実施例の静電荷現像用トナーは、磁性微粉体Aは、表面にアミノシラン基を有し、形状が八面体であり、電気抵抗(ra(Ω・cm))が 1×103≦ra≦9×103 である。実施例1で得られたトナー粒子に対して、外添剤の磁性微粉体の電気抵抗を変化させて性能確認を行い、確認結果を図6に示す。確認結果よりわかる様に、磁性微粉体の電気抵抗が小さくなる(サンプル6)とチャージリーク作用が大きくなり帯電量の低下によるコピーかぶりが発生しやすくなる。この現象は、特にチャージリーク作用の発生しやすい高温・高湿環境下において発生しやすい。逆に電気抵抗が大きくなる(サンプル9)と、磁性徴粉体によるチャージリーク作用が起こりにくくトナー粒子の帯電量が大きくなりコピー濃度の低下が特に低温・低湿環境下において発生しやすくなる。好ましいのは、1×103≦ra≦9×103である。
【0025】
実施例3の実施例を説明する。本実施例の静電荷現像用トナーは、トナー粒子100重量部当り1.5〜2.5重量部の磁性微粉体Aと混合されている。磁性徴粉体Aを混合させてトナー粒子を作製し、外添した後性能評価を実施した。確認結果を図7に示す。トナー粒子に磁性微粉体を混合させる(サンプル11〜13)ことにより、磁性微粉体の磁力が現像スリーブと引きつけあいコピー動作を続ける事(ライフ後半)により発生しやすくなるトナー飛散(マシン機内汚れ)やそれに伴うコピー裏面汚れの発生がなくなることがわかった。しかしながら、混合させる量が多ければ(サンプル13)、磁性微粉体のチャージリーク作用によりコピーかぶりが増大し、それに伴うトナー飛散が発生した。上記確認結果より、トナー粒子に混合させる磁性微粉体は100重量部に対し1.5〜2.5重量部が最適となった。
【0026】
実施例4の実施例を説明する。本実施例の静電荷現像用トナーは、重量平均粒径が0.30〜0.60μmである磁性微粉体Bが上記磁性微粉体Aと同重量部以上0.8重量部以下で外添されている。上記実施例1〜3により作製されたトナーを通常濃度(6%)の原稿で評価確認を実施した結果、低温/低湿環境下に於いて感光体ドラム上に磁性微粉体が付着し、コピー画質を悪化させる現象が発生する可能性がある事がわかった。本実施例では、図8に示す様なトナーサンプルを作成し、上記磁性微粉体とは異なる磁性微粉体Bを外添剤として使用する事により、磁性微粉体の感光体ドラムへの付着を防止する検討を実施した。評価確認結果を図9に示す。表からわかる様に、磁性微粉体Bを磁性微粉体Aと同量以上添加する(サンプル16〜18)ことにより、低温/低湿環境下でも感光体ドラムへの磁性微粉体の付着を防止する事が可能となった。しかしながら、前記で述べた内容と同様に0.8重量部を超える磁性微粉体を外添する(サンプル18)とコピーかぶりが上昇することから、磁性微粉体Bの添加量は0.8重量部以下、最も好ましくは磁性微粉体Aと磁性微粉体Bは同重量部使用する事が良い。
【0027】
実施例5の実施例を説明する。本実施例の静電荷現像用トナーにおいて、外添磁性微粉体Bは、79.58kA/m(1Kエルステッド)の磁界下における残留磁化σrb(Am2/kg)と飽和磁化σsb(Am2/kg)との比が σrb/σsb≦0.10である。磁性微粉体Bは、79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における磁性微粉体の残留磁化〔σr(Am2/kg)〕と飽和磁化〔σs(Am2/kg)〕との比がσr/σs≦0.10であることが好ましい。σr/σsが0.10を超過した磁性微粉体Bを用いた場合には、残留磁化が支配的となり、外添剤どうしの磁気的拘束力による擬集により外添剤の効果を発揮することが出来なくなり、図10に示す様に特にはコピー濃度に対して大きく影響し濃度不足や濃度低下が発生する原因となる。本実施例において、磁気特性は、VSMP−1−10(東英工業社製)を用い、外部磁場79.58kA/mで測定を行なった。
【0028】
実施例6の実施例を説明する。本実施例の静電荷現像用トナーは、外添磁性微粉体Bは、その組成または構造式がFe3O4・MnOで表される磁性微粒子で構成され、電気抵抗rb(Ω・cm)が 1×108≦rb≦9×108である。実施例2で行った確認と同様に、磁性微粉体Bにおいても、電気抵抗の変化による性能確認を実施した結果、図11からわかる様に規定範囲よりも小さい場合コピーかぶりの増大が発生し、逆に大きい場合にはコピー濃度が低下した。この現象を発生させずに感光体ドラムへの磁性微粉体の融着を防止するためには、磁性微粉体3の電気抵抗を1×108≦ra≦9×108に規定する必要があることがわかった。
【0029】
実施例7,8を説明する。本実施例の静電荷現像用トナーにおいては、トナー粒子の重量平均粒子径dが d≦9μmである。また、感光体ドラム径dが d≦30φ、プロセススピードが60〜90mm/secである静電荷像現像装置に使用される。本実施例ではトナー粒子径の変化による画質確認を行った。トナー粒子径が大きくなることにより、本来の目的である高画質の達成が困難になり、又、感光体ドラムと現像用マグローラの周速比に於いても、大きくなるとキャリア上がり(キャリアの飛び散り)やキャリアの劣化が早まり耐久性を悪化させる原因となる。逆に、小さくなると感光体ドラムへの現像性が低下しコピー濃度の低下の原因となる。以上の様な内容から、トナー粒子の重量平均粒子径は≦9μmであり、感光体ドラムと現像用マグローラの周速比を2.8〜3.2で使用し前述した磁性微粉体の外添添加量を規定し使用することにより、画質不良発生のない高画質を達成することが可能となった。
【0030】
実施例1,2の効果を説明する。どの様な環境下に於いても、コピーかぶり上昇やコピー濃度低下等の不具合の発生しないコピー画像を提供する事が可能となる。
【0031】
実施例3の効果を説明する。磁性微粉体を1.5〜2.5重量部混合させてトナー粒子を作製し使用する事により、特にライフ後半に発生しやすくなるトナー飛散やそれに伴うコピー用紙の汚れを防止する事が可能となる。
【0032】
実施例4〜6の効果を説明する。低温/低湿環境下において、感光体ドラム上への磁性微粉体の付着を防止し更なる不具合改善を実施する事が可能となる。
【0033】
実施例7〜9の効果を説明する。上記内容を改害した上での高画質な画像を提供する事が可能となる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、使用するトナーが少なくともスチレンアクリル系結着樹脂と着色剤及び帯電制御剤で構成されており、該トナーに0.6〜0.8重量部の磁性微粉体Aが外添剤として使用されている事により、コピーかぶりに対して最も厳しい条件である高温・高湿環境下でのコピーかぶりの上昇を防止し、又、コピー濃度に対し最も厳しい条件である低温・低湿環境下でのコピー濃度低下を防止する事を可能とし、又、粒子径の異なる磁性微粉体Bを磁性微粉体Aと同重量部以上0.8重量部以下で外添する事により、感光体ドラム上への磁性微粉体の付着(フィルミング)を防止することが出来、どの様な環境下においても、安定したコピー画質を可能とする静電荷現像用トナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の静電荷像現像用トナーを使用する静電荷現像装置の一例の説明図。
【図2】実施例1の静電荷像現像用トナーのトナー材料組成を示す図表。
【図3】実施例1における外添剤を示す図表。
【図4】実施例1におけるコピー評価を説明する図表。
【図5】実施例1におけるコピー濃度推移を確認する図表。
【図6】実施例2における確認結果を説明する図表。
【図7】実施例3における確認結果を説明する図表。
【図8】実施例4の静電荷像現像用トナーのサンプルを説明する図表。
【図9】実施例4における評価結果を説明する図表。
【図10】実施例5における評価結果を説明する図表。
【図11】実施例6における評価結果を説明する図表。
【符号の説明】
1 コピーランプユニット
2 第2/3ミラーユニット
3 レンズユニット
4 LSUユニット
5 感光体ドラムユニット
6 MCホルダーユニット
7 現像用MGローラー
8 記録紙給紙ローラー
9 レジストローラー
10 転写ローラー
11 上ヒートローラー
12 下ヒートローラー
13 搬送ローラー
14 排紙ローラー
Claims (6)
- 2成分からなる現像剤に使用される静電荷像現像用トナーであって、
少なくともスチレンアクリル系結着樹脂と着色剤及び帯電制御剤で構成され、磁性微粉体Aが外添剤として0.6〜0.8重量部使用されるとともに、重量平均粒径が0.30〜0.60μmであり、かつ、79.58kA/m(1Kエルステッド)の磁界下における残留磁化σr b (Am 2 /kg)と飽和磁化σs b (Am 2 /kg)との比が下記条件を満足する磁性微粉体Bが、前記磁性微粉体Aと同重量部以上0.8重量部以下で外添されている事を特徴とする静電荷像現像用トナー。
σr b /σs b ≦0.10 - 上記磁性微粉体Aは、表面にアミノシラン基を有し、形状が八面体であり、電気抵抗ra(Ω・cm)が下記条件を満足している請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
1×103≦ra≦9×103 - 上記外添磁性微粉体Bは、その組成または構造式がFe 3 O 4 ・MnOで表される磁性微粒子で構成され、電気抵抗r b (Ω・cm)が下記条件を満足している請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
1×10 8 ≦r b ≦9×10 8 - トナー粒子の重量平均粒子径dが d≦9μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 感光体ドラム径dが d≦30φ、プロセススピードが60〜90mm/secである静電荷像現像装置に使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 上記静電荷像現像装置の感光体ドラムと現像用マグローラの周速比が2.7〜3.3で使用される請求項5記載の静電荷像現像用トナー。
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