JP3250330B2 - Micrプリンター用磁性トナー - Google Patents

Micrプリンター用磁性トナー

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JP3250330B2
JP3250330B2 JP20211093A JP20211093A JP3250330B2 JP 3250330 B2 JP3250330 B2 JP 3250330B2 JP 20211093 A JP20211093 A JP 20211093A JP 20211093 A JP20211093 A JP 20211093A JP 3250330 B2 JP3250330 B2 JP 3250330B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電複写方式MICR
用画像形成システムに使用する磁性トナーに関する。さ
らに詳しくは、印刷後定着されたトナー画像が磁気ヘッ
ド等により読み出し可能であり、かつ繰り返し読み取り
に関しても問題のない画像を形成する磁性トナーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、静電複写方式を用いた印刷システ
ムでは、入力された信号をレーザー、発光ダイオード等
を用いて光信号に変換し、潜像形成体上に静電潜像を形
成し現像するデジタル式プリンターが広く実用化されて
いる。静電複写方式における乾式現像システムとして
は、トナー及び鉄粉、フェライト粉等のキャリアを用い
る二成分現像方式と、キャリアを用いない一成分現像方
式が知られている。ところで、磁性インクを用いて特殊
な文字を印刷し、この磁性を持った画像を磁化し、磁気
ヘッドにより読み出す文字認識システムが、欧米を中心
に広く実用化されている。一般にこのようなシステム
は、MICR(Magnetic Ink Chara
cter Recognization)システムと呼
ばれている。
【0003】従来、MICRシステムでは、液体の磁性
インクを用いて印刷を行っているため、印刷装置も大型
であり、画像の形成は簡便ではない。また、近年コンピ
ューターのダウンサイジング化に伴い、MICR印刷シ
ステムの分散が行われ、小型MICRプリンターへの要
求がさらに強まっている。これまで、トナー中に磁性体
を含有させた磁性トナーを用いた現像方式を利用し、磁
気画像文字認識に適した書類、特に個人用小切手を非常
に簡単に印刷するプリンターが実用化されている。MI
CRシステムにおける磁気強度は、各国の規格で厳しく
定められている。例えば、米国ANSI規格では、磁気
強度は70〜200%、カナダCPA規格では100〜
200%の間に制御することが定められている。しかし
ながら、従来の静電現像方式では、画像を形成する磁性
一成分現像用トナーの磁化は弱すぎて、MICRの読み
取り機で正しく認識することができないという問題があ
る。また、磁性トナーを用いた場合は、紙などの定着画
像担持体に滲み込むのではなく、定着画像担持体に熱融
着により定着させている。したがって、MICR用の読
取り機は、液体印刷された画像を読み取ることを前提に
作られているため、形成された磁性トナー像が画像担持
体である紙から用意に剥離したり、さらに剥離したトナ
ーが磁気ヘッドを汚染したりする等、読取りに問題が生
じる。
【0004】ところで、MICR用にも適用できる磁性
トナーは、MICR適性とプリンター適性の両方の性
能、すなわち、磁気ヘッドとの繰り返し摺擦により問題
が生じないというMICR適性と、従来の電子写真方式
に対する適応性、及び画質的にも従来の電子写真方式の
プリンターと同等以上のプリンター適性を共に兼ね備え
ていなければならないという厳しい条件が求められてい
る。そこで、磁気ヘッドで読み取り可能な適度の磁化を
得る方法として、従来、画像あたりのトナーの現像量を
多くして、トナー像の磁化を高め読み取れるようにする
方法が考えられる。この場合、磁化としては充分であっ
ても、トナー量が多すぎて画像が潰れたり、ブラーが出
てくるため、記号を正しく認識することができなくな
る。また、トナー粒子の磁性体含有量そのものを増やし
てトナー画像の磁気力を高くする方法も考えられるが、
この場合はトナー帯電量を低下させる方向であり、画像
のシャープネス、特に高温高湿下での画像濃度の低下や
耐久安定性の低下を招き、更には定着性も低下するた
め、MICRの読み取り機で画像が擦り取られやすく、
記号の認識ができなくなる。以上のように画像あたりの
トナーの現像量を多くしたり、或いはトナー粒子の磁性
体含有量を多くするという単純にトナーの磁化を増す方
法は、多くの問題をかかえ有効な方法とはいえない。
【0005】これに対して、特開平4−166850号
公報には、MICR用トナーとして、磁性体含有量50
%以下、保磁力145〜200Oe、残留磁化3.0〜
5.5emu/gのトナーが提案されている。この磁性
トナーは、MICR用の磁気力の点では有効であるが、
実際にはMICR用として用いた場合、磁気ヘッドとの
繰り返し摺擦による画像汚れ(スミア)、磁気ヘッド汚
れ(ホイルコンタミネーション)、読み取りエラー率
(レジェクトレイト)の増大を生じ、実用上問題とな
る。特に、磁気力を高めるために、単純に磁性体に磁気
力の高い針状磁性体等を用いると、カサ密度が非常に低
下するため、分散性が悪くなり、特に問題となる。
【0006】また、MICRの読み取り機におけるトナ
ーの剥離や、トナーによる磁気ヘッドの汚染を改善する
方法が幾つか提案されている。例えば、近年省資源化の
ために中速クラス以上の複写機等に両面コピー装置が搭
載されているが、両面コピーする場合、トナー像表面の
滑り性を高め、スマッジ性、すなわち、定着像が強く擦
り取られ、トナー像が剥離汚染する現象を改善するため
に、トナー中にポリオレフィンを含有させる方法が提案
されている。確かにポリオレフィンの添加は、スマッジ
性の改善には効果的であるが、MICRシステムのよう
に同じ定着画像が繰り返し摺擦される場合には、耐摺擦
性において実用上未だ不十分である。そこで耐摺擦性を
向上させるために、通常よりも多量のポリオレフィンを
分散させることが考えられる。しかしながら、その場
合、耐摺擦性の向上が期待できるが、トナー自体が付着
しやすいため、トナー担持体へのトナーによる汚染、ト
ナー帯電量の低下、搬送不良による画像濃度の低下等が
起こり、MICR読み取り機で十分に読み取れなくな
る。また、特に、含有しているポリオレフィンが感光体
を汚染し、コメットを引き起こし、黒画像上に白点が発
生する問題が生じる場合がある。この場合、磁気強度、
磁気パターンを正確に読み取れなくなり、読取りエラー
率が増大する。以上のように、MICR用として優れた
磁性トナーは、未だ得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする問題】本発明は、上記の如き
問題点を解決することを目的としてなされたものであ
る。 すなわち、本発明の目的の一つは、安定した磁気
強度が得られるMICR用磁性トナーを提供することに
ある。本発明の他の目的は、磁気力が適切でMICRに
よる磁気読み取り記号認識を正確に行うことができるM
ICR用磁性トナーを提供することにある。本発明の他
の目的は、磁気読み取りの際の磁気ヘッドとの繰り返し
摺擦においても、トナー像が剥離し難く、画質の低下、
画質の汚れ及び磁気ヘッドの汚染の少ないMICR用磁
性トナーを提供することにある。本発明の他の目的は、
MICR読み取り機によるレジェクトレイト(読み取り
エラー率)が実用上十分に低いMICR用磁性トナーを
提供することにある。本発明の他の目的は、トナー担持
体汚染が少なく、維持性の優れたMICR用磁性トナー
を提供することにある。本発明の他の目的は、画像濃度
が高く、バックグラウンドの汚れ、ブラーの発生等の少
ないMICR用磁性トナーを提供することにある。本発
明のさらに他の目的は、感光体の汚染が少なく、コメッ
トの発生がないMICR用磁性トナーを提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のMICR用磁性
トナーは、結着樹脂、磁性体及びポリオレフィンを含有
してなる磁性トナーにおいて、外添剤としてシリコーン
オイル処理シリカを含有し、該シリコーンオイル処理シ
リカのBET比表面積が50ないし400m2/gであ
って、該シリコーンオイル処理シリカのカーボン含有量
が3〜20重量%であり、かつ、外添剤が添加される磁
性トナー粒子の残留磁化が4.0emu/gないし7.
0emu/gであることを特徴とする。
【0009】本発明において、外添剤として用いるシリ
コーンオイル処理シリカは、従来知られているシリコー
ンオイルにより処理された疎水性シリカを使用すること
ができる。シリコーンオイル処理シリカのBET比表面
積は、50〜400m2 /g、好ましくは60〜250
2 /g、特に好ましくは70〜200m2 /gの範囲
である。BET比表面積が50m2 /g未満の場合は、
トナーの粉体流動性が悪化し、400m2 /gよりも大
きい場合はトナー表面への均一な分散が困難になる。ま
た、上記シリコーンオイル処理シリカに含まれるカーボ
ン量は、3〜20%、好ましくは3.5〜15%、特に
好ましくは4〜10%の範囲である。カーボン量が3%
未満の場合は、十分なクリーニング性向上の効果が得ら
れず、20%より高い場合はシリカ自体の凝集性が強く
なり、トナー表面への均一な分散が困難になる。なお、
カーボン量は、シリコーンオイル処理シリカを燃焼さ
せ、発生した二酸化炭素ガスの量から測定した値であ
る。シリコーンオイル処理シリカは、0.01ないし1
0重量%の範囲でトナー粒子に添加すればよい。含有量
が0.01重量%よりも低い場合には改善効果が得られ
ず、また10重量%よりも高い場合には、シリカ粉の凝
集が多くなり、トナー表面への分散が不良となる。
【0010】本発明の磁性トナーに含有される磁性体
は、従来から一般に使われている公知の磁性体であれば
如何なるものでも使用できるが、好ましくは、針状磁性
体、ドープ磁性体が使用される。更に、熱処理を加えた
磁性体、例えば、キュービック型磁性体を700℃の酸
素雰囲気中で100分間加熱酸化した後、冷却し、これ
を300℃の水素雰囲気中で200分間加熱還元して、
冷却後解砕することにより得られたものが好ましく、こ
れを用いることにより、環境安定性の優れた磁性トナー
を得ることができる。
【0011】磁性体の残留磁化σrmは、磁性一成分現
像システムの場合、7〜24emu/gの範囲にあるの
が好ましく、より好ましくは7〜16emu/g、特に
好ましくは、8〜14emu/gの範囲である。磁性体
の残留磁化σrmが、7emu/g未満であると、磁化
が弱く正確に記号を認識することができない。また、2
4emu/gを越えると、磁化が強すぎてやはり正確に
記号を認識することができない。また、磁性体の含有量
は、20〜80重量%の範囲であることが必要であり、
好ましい範囲は、30〜70重量%であり、更に好まし
い範囲は、40〜60重量%である。磁性体の含有量
が、20重量%未満であると帯電量のコントロールが難
しく、特に低温低湿環境下では、画像濃度の低下或いは
不均一現像が生じ、MICR用読み取り機で正確に記号
を認識することができなくなる。また、磁性体の含有量
が60重量%を越えると、トナーの定着性が悪化し、M
ICR用読み取り機では、画像が擦り取られるか、或い
は磁性体の剥離が生じ、正確に記号を認識することがで
きなくなる。
【0012】本発明の磁性トナーにおける結着樹脂とし
ては、従来から一般に使われている樹脂が使用できる
が、具体的には以下の1又は2以上のビニルモノマーの
ホモポリマー又はコポリマーである。代表的なビニルモ
ノマーとしては、スチレン、p−クロルスチレン、ビニ
ルナフタレン、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン
類、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪
酸ビニル、ギ酸ビニル、ステアリン酸ビニル、カプロン
酸ビニル等のビニルエステル類、例えば、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸
フェニル、メチル−α−クロルアクリレート、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル
等のエチレン性モノカルボン酸及びそのエステル類、例
えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド等のエチレン性モノカルボン酸置換体、例えば、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
ジブチル等のエチレン性カルボン酸及びそのエステル
類、例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、
例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル等の如きビニルエーテル類、
例えばビニリデンクロリド、ビニリデンクロルフロリド
等のビニリデンハロゲン化物、例えばN−ビニルピロー
ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、
N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等があげ
られる。更にポリエステル等の樹脂を用いたり併用して
もよい。
【0013】本発明の磁性トナーに含有させるポリオレ
フィンとしては、従来から一般的に公知のものがあげら
れるが、特にポリエチレンワックスを用いた場合、MI
CRシステムにおいて優れた耐摺擦性が発揮されるた
め、最適である。ポリオレフィンの添加量は、トナー中
1〜10重量%の範囲内であることが好ましく、より好
ましくは1〜8重量%、特に好ましくは2〜5重量%で
ある。添加量が1重量%より少ないと十分な摺擦性を発
揮できなくなり、また10重量%より大きいと、トナー
担持体、感光体汚染による現像性の低下、白点コメット
が発生する。ポリオレフィンの平均分散粒子径は0.0
1〜0.5μmの範囲内であることが好ましく、より好
ましくは0.01〜0.3μm、特に好ましくは0.0
2〜0.2μmの範囲である。平均粒子径が0.01μ
mより小さいと十分な耐摺擦性を発揮できなくなり、ま
た0.5μmより大きいと長期に使用した場合、トナー
担持体或いはキャリア汚染による現像性の低下が発生す
る。またポリオレフィンの平均粒子径が0.5μm以下
であっても、2μmを越える粗大分散粒子もしくはフリ
ーのポリオレフィン粒子は個数で5%以下が好ましく、
さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下で
ある。上記ポリオレフィンの分散粒子径は、トナー粒子
を、ミクロトームの如きカッターで0.3μm程度の厚
さに切り、透過型電子顕微鏡で9000倍の写真を取
り、約100個のポリオレフィン分散粒子をランダムに
選び、画像回析装置により解析を行い数値化して求め
る。
【0014】また、本発明の磁性トナーにおいては、荷
電制御、電気抵抗制御、色調調整等の目的で種々の物質
を添加することができる。例えば、フッ素系界面活性
剤、サリチル酸クロム錯体のようなサリチル酸系化合
物、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体の如き
高分子酸、4級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン
系染料、カーボンブラック等を添加することができる。
さらに、トナーの耐久性、流動性、或いはクリーニング
性を向上することを目的として、二酸化チタン、アルミ
ナ等の無機微粉末、脂肪酸或いはその誘導体、及び金属
塩等を含む有機微粉末、フッ素系樹脂微粉末等を添加す
ることもできる。
【0015】上記の構成成分より形成される本発明の磁
性トナーにおいては、平均粒子径D50が4〜15μmで
あることが好ましく、また磁性トナー粒子の残留磁化σ
rは、4.0〜7.0emu/gの範囲にあることが
要である。好ましくは4.2〜7emu/g、特に好ま
しくは、4.5〜6.5emu/gの範囲である。残留
磁化が4.0emu/g未満であると、磁化が弱く正確
に記号を認識することができない。また、7.0emu
/gを越えると、磁化が強すぎてやはり正確に記号を認
識することができない。なお、本発明において磁化の強
さは、東英工業社製VSM−7型により、測定磁場5k
Oeで測定した値である。
【0016】次に本発明の磁性トナーの製造方法につい
て説明する。本発明の画像形成システムに用いられるト
ナーはトナー中にポリオレフィンを微粒子状に分散させ
ることが可能であれば、如何なる方法を適用してもよ
い。例えば、あらかじめポリオレフィンを粉砕して粒径
10μm以下の粉体とし、結着樹脂その他のトナー形成
成分と共にエクストルーダー等の公知の混練装置によっ
て溶融混練する方法、溶融混練時に水を添加し、混練物
の温度上昇を抑えてシェアが十分かかるようにする方
法、さらに酸化ワックス等の分散剤を添加する方法等が
使用できる。しかしながら、あらかじめポリオレフィン
が微粒子状に分散された結着樹脂を作製しておき、それ
を磁性粉、及びその他のトナー構成成分と混合して作製
する方法が、ポリオレフィンをより効率的に微細に分散
できるので好ましい。その場合、分散剤としてポリオレ
フィンを構成成分としたグラフトまたはブロック共重合
体を用いると、ポリオレフィンを効率的に微細に分散で
きるので好ましい。また、このグラフトまたはブロック
共重合体は、トナー結着樹脂を構成するモノマーの少な
くとも一種を構成成分として含有することが好ましい。
この場合ポリオレフィン分散微粒子の分散粒子径分布が
さらに狭くなる。
【0017】ポリオレフィンが微粒子状に分散された結
着樹脂を作製する方法について、より具体的に説明する
と、結着樹脂製造時、例えばモノマー重合時、或いは結
着樹脂溶解時にポリオレフィンを添加し、分散剤として
上記グラフトまたはブロック共重合体を用いて、粒径3
μm以下になるように分散させる。この場合、モノマー
重合時にポリオレフィンの一部を添加し、重合系内でグ
ラフトまたはブロック共重合体を形成させ、それをその
まま分散剤として利用すれば、粒度分布の狭いポリオレ
フィン微粒子を含有する結着樹脂を得ることができる。
上記の様にして作製されたポリオレフィンが微粒子状に
分散された結着樹脂は、次いで磁性体粉末、およびその
他のトナー構成成分と混合し、溶融、混練する。溶融、
混練はロールミル、エクストルーダー等一般のトナー製
造に使用されているものが使用でき、それによりポリオ
レフォイン微粒子の分散粒子径は、最終的に0.5μm
以下になる。得られた混練物は、一般に用いられる公知
の粉砕機、分級機により粉砕、分級することにより所望
の粒径のトナーが得られる。これに、シリコーンオイル
処理シリカを添加し、ヘンシェルミキサー内で攪拌、混
合して目的とする磁性トナーを得る。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明するが、
これ等により本発明が限定されるものではない。なお、
実施例において「部」は「重量部」を意味する。 (樹脂製造例1) キシレン 1000g スチレンモノマー 1000g n−ブチルアクリレートモノマー 617.5g ジ−t−ブチルパーオキサイド 32.5g ポリエチレン(Mn=3000) 10g 上記材料を3リットルの反応槽に入れ、160℃に加熱
して溶液重合を行い、ポリエチレンとスチレン−アクリ
ル共重合体がグラフト重合したポリマーを含む低分子量
スチレン−アクリル共重合体のキシレン溶液を得た。こ
の共重合体の重量平均分子量は5200であった。得ら
れた共重合体のキシレン溶液に、別に懸濁重合で合成し
た重量平均分子量80万のスチレン−n−ブチルアクリ
レート共重合体(組成比75/25)350gと上記と
同じポリエチレン60gを加え、溶解した。その後約2
10℃でキシレンを除去し、分散粒子径0.1〜2μm
のポリエチレン微粒子を約7重量%含むトナー用樹脂組
成物を得た。
【0019】(樹脂製造例2)樹脂製造例1でポリエチ
レンを加えずに重合を行う以外は、同様に溶液重合を行
い、重量平均分子量5500の低分子量スチレン−アク
リル共重合体のキシレン溶液を得た。この溶液に樹脂製
造例1で用いたのと同様の高分子量スチレン−n−ブチ
ルアクリレート共重合体350gを加え、同様の操作を
行い、トナー用樹脂組成物を得た。
【0020】実施例1 樹脂製造例1で得られたトナー用樹脂組成物 48部 不定形磁性体 50部 (飽和磁化80emu/g、残留磁化13emu/g) 荷電制御剤 2部 (スピロンブラックTRH、保土谷化学社製) 上記混合物をエクストルーダーで混練後、粉砕、分級を
行い平均粒径9μm、残留磁化6emu/gのトナー組
成物を得た。 上記トナー組成物 100部 シリコーンオイル処理シリカ 1部 (BET比表面積:100m2 /g、カーボン量:5%) 上記組成物をヘンシェルミキサー内で撹拌、混合しトナ
ーを得た。
【0021】実施例2 実施例1で得られたトナー組成物 100部 シリコーンオイル処理シリカ 1部 (BET比表面積:200m2 /g、カーボン量:15%) 酸化チタン(平均粒子径0.35μm) 0.6部 上記組成物をヘンシェルミキサー内で撹拌、混合しトナ
ーを得た。
【0022】比較例1 実施例1で得られたトナー組成物 100部 疎水性コロイダルシリカ 1部 (BET比表面積:100m2 /g、カーボン量:1%) 上記組成物をヘンシェルミキサー内で撹拌、混合しトナ
ーを得た。
【0023】比較例2 樹脂製造例1で得られたトナー用樹脂組成物 48部 不定形磁性体 50部 (飽和磁化80emu/g、残留磁化8emu/g) 荷電制御剤 2部 (スピロンブラックTRH、保土谷化学社製) 上記混合物をエクストルーダーで混練後、粉砕、分級を
行い平均粒径9μm、残留磁化3.8emu/gのトナ
ー組成物を得た。 上記トナー組成物 100部 シリコーンオイル処理シリカ 1部 (BET比表面積:100m2 /g、カーボン量:5%) 上記組成物をヘンシェルミキサー内で撹拌、混合しトナ
ーを得た。
【0024】実施例3 樹脂製造例2で得られたトナー用樹脂組成物 44.5部 不定形磁性体 50部 (飽和磁化80emu/g、残留磁化13emu/g) 荷電制御剤 2部 (スピロンブラックTRH、保土谷化学社製) ポリエチレン(Mn=3000) 3.5部 上記混合物をエクストルーダーで混練後、粉砕、分級を
行い平均粒径9μm、残留磁化6emu/gのトナー組
成物を得た。 上記トナー組成物 100部 シリコーンオイル処理シリカ 1部 (BET比表面積:100m2 /g、カーボン量:5%) 上記組成物をヘンシェルミキサー内で撹拌、混合しトナ
ーを得た。
【0025】以上の得られた磁性トナーを、プリンター
(4197;富士ゼロックス社製)を用いて2万枚の走
行テストを実施し、評価した。得られた画像のMICR
適性は以下のように行った。小切手用紙に印字を行い、
X−Rite404型にて濃度を測定した。 (1)画像濃度 (2)シグナル強度 小切手用紙に印字を行い、その磁気を測定機:Sign
a MeasureIV(XYTEC Corp.)で
測定した。この値が、100〜200%であれば実際の
MICRシステムの読み取り機のリーダーソーターで読
取りエラーのないことが確認されている。○は100〜
200、×は100未満を意味する。
【0026】(3)読み取りエラー率(リジェクトレイ
ト) 小切手用紙に印字したもの約500枚を実際にリーダー
ソーター(IBM−3890MICR Reader
Sorter)に30回かけ評価した。○は0.5%以
下、△は1%未満、×は1%以上を意味する。 (4)感光体汚染 感光体表面上に付着した外添剤痕が、A4ベタ黒のプリ
ントにプリントアウトされるか否かを目視観察した。○
は発生なし、△は3個以下、×は4個以上を意味する。 (5)MICRゴースト評価法 ベタ黒後のシグナル強度と白紙後のシグナル強度の差を
測定した。◎は0ないし10未満、○は10ないし30
を意味する。
【0027】評価結果を下記表1にまとめて示す。
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明においては、上記の磁性トナー粒
子に上記のシリコーンオイル処理シリカを添加すること
により、ポリオレフィンの量が多くても、トナーのトナ
ー担持体や感光体へのフィルミングが防止され、良好な
画質を得ることが可能になる。したがって、本発明のM
ICR用磁性トナーは、長期使用時、環境変同時におい
ても、安定なMICR信号強度を得ることが可能であ
る。また、磁気読み取りの際、磁気ヘッドとの繰り返し
摺擦においても、トナー像が剥離し難く、画像の汚れ、
磁気ヘッドの汚染を起こすことがない。したがって、本
発明のMICR用磁性トナーは、特にMICRによる磁
気読取りのために有用である。
フロントページの続き (72)発明者 奥山 浩江 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 前川 佳洋 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 五十嵐 潤 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−86672(JP,A) 特開 平4−358164(JP,A) 特開 平4−358162(JP,A) 特開 平4−358165(JP,A) 特開 平4−166850(JP,A) 特開 平4−255865(JP,A) 特開 平4−246653(JP,A) 特開 平5−45925(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、磁性体及びポリオレフィンを
    含有してなるMICR用磁性トナーにおいて、外添剤と
    してシリコーンオイル処理シリカを含有し、該シリコー
    オイル処理シリカのBET比表面積が50ないし40
    0m2 /gであって、該シリコーンオイル処理シリカの
    カーボン含有量が3〜20重量%であり、かつ、外添剤
    が添加される磁性トナー粒子の残留磁化が4.0emu
    /gないし7.0emu/gであることを特徴とするM
    ICR用磁性トナー。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンの含有量が1ないし10
    重量%であることを特徴とする請求項1記載のMICR
    用磁性トナー。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンがポリエチレンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のMICR用磁性トナー。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンの平均分散径が0.01
    μmないし0.5μmであることを特徴とする請求項1
    記載のMICR用磁性トナー。
  5. 【請求項5】 シリコーンオイル処理シリカの含有量が
    0.01ないし10重量%であることを特徴とする請求
    項1記載のMICR用磁性トナー。
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