JPH0777823B2 - 感熱記録材料用増感剤 - Google Patents

感熱記録材料用増感剤

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JPH0777823B2
JPH0777823B2 JP61147034A JP14703486A JPH0777823B2 JP H0777823 B2 JPH0777823 B2 JP H0777823B2 JP 61147034 A JP61147034 A JP 61147034A JP 14703486 A JP14703486 A JP 14703486A JP H0777823 B2 JPH0777823 B2 JP H0777823B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、感熱記録材料用増感剤に関し、さらに詳しく
はスルホフェニルジフェノールのエーテル誘導体からな
る感熱記録材料用増感剤に関する。
〔従来の技術〕
加熱により発色する感熱発色層を紙、合成紙、プラスチ
ックフィルム等の支持体上に設けた感熱記録材料はファ
クシミリ、電卓、マイコン等のサーマルプリンタ、心電
図や分析機器等のサーモペンレコーダ、乗車券、スーパ
ーマーケットでのPOS用ラベル等に利用されている。
感熱記録材料は、通常、発色物質として無色又は淡色の
ラクトン、ラクタム又はスピロピラン系のロイコ染料
と、およびこの発色物質と熱時反応して発色させる顕色
物質とをそれぞれ別個にボールミルやサンドミルで粉砕
して溶剤に分散させたのち、結合剤を加えて混合し、必
要に応じてワックス、増感剤、界面活性剤、消泡剤、無
機顔料等を添加し、紙等の支持体上に塗布し、乾燥して
製造される。そして、従来、顕色剤としては、各種のフ
ェノール化合物が用いられている。とりわけ多用される
ものとしては、ビスフェノールA(イソプロピリデンジ
フェノール)がある。しかし、このもの単独では高い感
度を必要とする高速ファクシミリ用としては不十分であ
り、顕色剤に増感剤を添加して発色温度を下げることが
行われている。しかして、この目的で現在使用されてい
る増感剤としては、たとえば、パラフィンワックス、脂
肪酸アミド、ジメチルテレフタレート等のアミド、エー
テル、エステル化合物等がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、これらの増感剤も特に融点の高い顕色剤である
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いる場合
には効果が充分ではない。本発明者らは、上記の問題点
を解決することのできる、性能の良い増感剤に関し鋭意
検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、高
融点の顕色剤、とくにビスフェノールS誘導体を用いる
場合に、高感度に発色させることができ、堅牢性に優れ
た発色画、増を与える増感剤を提供しようとするもので
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、即ち、それぞれ発色物質として無色または淡
色のロイコ染料を含有し、顕色物質としてフェノール化
合物を含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱
記録材料の感度を向上させるために使用される増感剤を
提供するものであって、この増感剤は、下記一般式
(1)で示されるスルホニルジフェノールのエーテル誘
導体の少くとも1種を主成分とするものである。
上式中、R1及びR2は同一であっても相異っていてもよ
く、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルケ
ニル基、ベンジル基、クロルベンジル基又は式−CH2COO
R3(式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基又はアルケニ
ル基を表す)の基を表す。
本発明の感熱記録材料に有用な無色又は淡色の発色物質
としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイ
トグリーンラクトン、3,3−ビス(P−ジメチルアミノ
フェニル)−6−アミノフタリド、3,3−ビス(P−ジ
メチルアミノフェニル)−6−(P−トルエンスルホン
アミド)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラ
ン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラ
ン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、1,3,3−トリメチル
−6′−クロロ−8′メトキシインドリノベンゾスピロ
ピラン等が挙げられる。これらの発色物質は、単独で用
いられてもよいし、併用して用いられてもよい。また、
使用量比を用いられる顕色剤により適宜変えてもよい。
本発明に有用な顕色剤としては、P−ヒドロキシ安息香
酸エステル類、4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、
ビスフェノールA誘導体、ビスフェノールS誘導体等が
挙げられる。とりわけ、ビスフェノールS誘導体、例え
ば、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジアリル−
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンが使用され
る。
本発明の増感剤は、他の増感剤と併用して使用されても
良い。併用される増感剤としては、高級脂肪酸又はその
エステル、アミド、金属塩のほか、各種ワックス類、芳
香族カルボン酸とアミンとの縮合物、高級直鎖グリコー
ル類、高級ケトン類、ビスフェノールS誘導体等が挙げ
られる。とりわけ、ビスフェノールS誘導体との併用が
堅牢性に優れ、好ましい。
発色物質及び顕色物質を紙等の支持体上に塗布する技術
としては、常用される方法に従って、各種添加剤ととも
に結合剤中に分散して塗布するものがある。結合剤とし
ては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニルアルコール、デンプン、ポリア
クリル酸、ポリアクリルアミド、スチレン−マレイン酸
共重合物などが挙げられる。
〔発明の効果〕
本発明の増感剤を使用して感熱記録材料を製造すること
により、高融点の顕色剤を使用しても、低温にて発色す
る様になり、高速印字にも十分対応できる様になる。
本発明の一般式(1)で表わされる化合物の数例につい
て融点を表1に示す。
〔実施例〕 本発明をさらに具体的に説明するために、以下に例を示
す。尚、例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を
表わす。
実施例1 感熱発色層形式液として、下記A液、B液及びC液をそ
れぞれ別途に用意し、サンドミルを用いて3時間微粉砕
して分散させた。
A 液(発色物質分散液) 3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ− 6−メチル−7−アニリノフルオラン 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.3部 水 2.0部 B 液(顕色物質分散液) 4,4′ジヒドロキシジフェニルスルホン (ビスフェノールS) 2.8部 10%ポリビニルアルコール水溶液 12.0部 水 5.2部 C 液(増感物質分散液) 2,4′−ジメトキシジフェニルスルホン 2.8部 10%ポリビニルアルコール水溶液 12.0部 水 5.2部 次にB液、C液を混合し、D液を調製した。
D 液 B液 3.0 部 C液 3.0 部 10%ポリビニルアルコール水溶液 0.8 部 カオリン 0.61部 次いで、A液0.78部及びD液10部を混合して感熱発色層
の塗布液を調製し、坪量65g/m2の上質紙に、乾燥塗布量
が約7g/m2となるように塗布し、風乾して感熱記録紙を
得た。
実施例2〜6 実施例1におけるC液の増感剤2,4′−ジメトキシジフ
ェニルスルホンの代わりに、2,4′−ジ−n−プロポキ
シジフェニルスルホン、2,4′−ジアリルオキシジフェ
ニルスルホン、2,4′−ジエトキシカルボニルメトキシ
ジフェニルスルホン、2,4′−ジベンジルオキシジフェ
ニルスルホン及び2,4′−ジ(p−クロロベンジルオキ
シ)ジフェニルスルホンを使用したほかは実施例1と同
様にして感熱記録紙を得た。それらをそれぞれ実施例2,
3,4,5及び6とする。
比較例1 実施例1におけるB液を調製してE液とした。
E 液 B液 3.0 部 10%ポリビニルアルコール水溶液 2.6 部 水 1.2 部 カオリン 0.61部 次いで、実施例1におけるA液0.78部及びE液10部を混
合したほかは実施例1と同様にして、比較用感熱記録紙
を得た。
比較例2 実施例1におけるC液の増感剤2,4′−ジメトキシジフ
ェニルスルホンをステアリン酸アミドに代えたほかは実
施例1と同様にして、比較用感熱記録紙を得た。
実施例7 実施例1におけるB液の顕色剤4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルスルホンを2,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホンに代えたほかは実施例1と同様にして、感熱記録
紙を得た。
実施例8〜12 実施例7におけるC液の増感剤2,4′−ジメトキシジフ
ェニルスルホンを2,4′−ジ−n−プロポキシジフェニ
ルスルホン、2,4′−ジアリルオキシジフェニルスルホ
ン、2,4′−ジエトキシカルボニルメトキシジフェニル
スルホン、2,4′−ジベンジルオキシジフェニルスルホ
ン及び2,4′−ジ(p−クロロベンジルオキシ)ジフェ
ニルスルホンに代えたほかは実施例7と同様にして感熱
記録紙を得た。それらをそれぞれ実施例8,9,10,11及び1
2とする。
比較例3 実施例7におけるB液を比較例1と同様に調製したほか
は実施例7と同様にして、比較用感熱記録紙を得た。
比較例4 実施例7におけるC液の増感剤2,4′−ジメトキシジフ
ェニルスルホンをステアリン酸アミドに代えたほかは実
施例7と同様にして、比較用感熱記録紙を得た。
実施例13 実施例1におけるB液の顕色剤4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルスルホンを3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルホンに代えたほかは実施例1と同様
にして、感熱記録紙を得た。
実施例14〜18 実施例13におけるC液の増感剤2,4′−ジメトキシジフ
ェニルスルホンを2,4−ジ−n−プロポキシジフェニル
スルホン、2,4′−ジアリルオキシジフェニルスルホ
ン、2,4′−ジエトキシカルボニルメトキシジフェニル
スルホン、2,4′−ジベンジルオキシジフェニルスルホ
ン及び2,4′−ジ(p−クロロベンジルオキシ)ジフェ
ニルスルホンに代えたほかは実施例13と同様にして、感
熱記録紙を得た。それらをそれぞれ実施例14,15,16,17
及び18とする。
比較例5 実施例13におけるB液を比較例1と同様に調製したほか
は実施例13と同様にして、比較用感熱紙を得た。
比較例6 実施例13におけるC液の増感剤2,4′−ジメトキシジフ
ェニルスルホンをステアリン酸アミドに代えたほかは実
施例13と同様にして、比較用感熱紙を得た。
性能試験例 実施例及び比較例で得られた感熱記録紙の性能比較試験
を次のようにして行なった。
(1)発色性 熱傾斜試験機(東洋精機製作所)を用いサンプル加圧2k
g/cm2加熱時間5秒で発色させた。発色温度は5℃きざ
みとして行なった。次に、カラーコンピューター(スガ
試験機)を用い、色濃度Cを測定した。発色前の感熱
記録紙の色濃度をC0 (地肌カブリ)、発色後の色濃度
をC1 とした。
a)地肌カブリ 地肌カブリは小さい方が良い。
b)立ち上り及び立ち終り温度と色濃度C 発色温度とその時の色濃度Cをグラフにプロットし、
接線を引いてその交点より、立ち上り濃度と色濃度
、立ち終り温度と色濃度Cを求めた。立ち上り温
度と立ち終り温度との差が小さい程良い。
(2)耐塩ビ可塑剤性 熱傾斜試験機で、加熱発色させた感熱記録紙を塩ビシー
トで密着させ、60℃で6時間保持後、地肌と発色部の色
濃度Cを測定した。発色部の残存率は、 残存率=(密着後の色濃度/密着後の色濃度)×100
(%) で表した。残存率は大きい方が良い。
実施例1〜6と比較例1及び2の結果を表2に、実施例
7〜12と比較例3及び4の結果を表3に、そして実施例
13〜18と比較例5及び6の結果を表4に示す。
上記の表2,3及び4より、顕色剤として4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン及び3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルスルホンをそれぞれ単独で用いた場合に比
べ、本発明の増感剤を併用すれば、立ち上り温度を低く
し、同時に立ち終り温度も低くしていることがわかる。
しかも、その温度差もステアリン酸アミドに比べ、格段
に小さくなっていることがわかる。耐塩ビ可塑剤性につ
いては、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび3,3′−ジ
アリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンをそ
れぞれ単独で用いた場合に良好であり、これらの顕色剤
に本発明の増感剤を併用しても、その特性は低下しない
事が確認できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ発色物質として無色又は淡色のロ
    イコ染料を含有し、顕色物質としてフェノール化合物を
    含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材
    料の感度を向上させるために使用される増感剤であっ
    て、下記一般式(1)で示されるスルホニルジフェノー
    ルのエーテル誘導体の少くとも1種を主成分とする感熱
    記録材料用増感剤。 上式中、R1及びR2は同一であっても相異っていてもよ
    く、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルケ
    ニル基、ベンジル基、クロルベンジル基又は式−CH2COO
    R3(式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基又はアルケニ
    ル基を表す)の基を表す。
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