JPH0777797B2 - ゴム胴又はブランケット胴にブランケットを固定するための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、枚葉紙輪転印刷機のゴ
ム胴又はブランケット胴にブランケットを固定するため
の装置、それも特に、胴軸線に対して平行に延びる、ブ
ランケット胴の開放する溝内に配置され、かつ、緊締軸
を用いてブランケットを固定する緊締部材を備えた、多
層の胴ばりの最も下に存在する１層又は複数の層を別個
に固定するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】張ろうとするゴムブランケットの厚さに
応じて、胴の直径を胴まくらの直径に合わせるために、
ゴムブランケット又はブランケットの下側に１層又は多
層の胴ばり紙を配置することは知られている。

【０００３】ＤＤ−ＷＰ１２８８８６号明細書には、ゴ
ム胴又はブランケット胴のための、多層の胴ばりの最も
下に存在する１層又は複数の層を固定するための装置が
開示されている。この公知の装置においては、最も下に
存在するブランケットが台形の部材を用いてばね力によ
って胴緊締溝の側面に緊締されるようになっているが、
この公知の装置においては、台形の部材をレンチを用い
て手によって調節しなければならないという欠点があ
る。

【０００４】またドイツ連邦共和国特許出願公告第１１
４５１８５号明細書によれば、印刷機の圧胴に２層の胴
ばりを固定するための装置が公知である。この公知の装
置においては、胴ばりの最も下の層が、圧胴の室状の切
欠と緊締ロッドとの間に形成された溝内でガイドされる
ようになっている。緊締面を備えた緊締ロッドを回転さ
せることによって、緊締ロッドと室壁との間の胴ばりの
最も下の層が緊締されるようになっている。この公知の
装置においては、緊締ロッドをまわすために工具が必要
であるという点が欠点である。さらにまた、胴ばりの最
も下の層を室壁に当てつける際に、緊締ロッドの緊締面
に押し付けられるので、枚葉紙若しくは胴ばりの最も下
の層がずれて、胴に不都合に作用するとい欠点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、印刷機においてゴム胴又はブランケット胴にブラン
ケットを固定するための装置で、最も上のブランケット
層を緊締する際に、最も下のブランケット層を自動的に
及び確実に緊締することができ、しかも工具を必要とす
ることがないようなものを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発
明によれば、緊締部材が、緊締軸の半径方向に延びるス
リットの縁部に作用接続していて、これによってこのス
リットの縁部に圧着可能となっている。

【０００７】

【発明の効果】本発明の装置は、特に、付加的な作業段
階を必要とすることなしに、又は工具を使用することな
しに、ブランケットを緊締する際に胴ばり紙を自動的に
かつ確実に緊締することができるという利点を有してい
る。本発明の固定装置の構成によれば、胴ばり紙は滑っ
たり又はずれたりすることがない。緊締部材に補強成形
材を配置したことによって、緊締縁と制御縁とを均一に
当てつけることができる。緊締部材が半径方向に延びる
スリットを有していることによって、緊締部材のばね作
用が高められる。

【０００８】

【実施例】次に図面に示した実施例について本発明の構
成を具体的に説明する。

【０００９】図１には、枚葉紙輪転印刷機のためのブラ
ンケット胴１の部分断面図が示されている。ブランケッ
ト胴の図示していない軸に対して平行に溝２が延びてお
り、この溝２内に、スリット４を備えた緊締軸３が配置
されている。溝縁部６には、ねじ７によって、ほぼＬ字
形の横断面を有する、軸方向に延びる緊締部材８が固定
されている。

【００１０】緊締部材８は、溝縁部６に対して平行に延
びる緊締縁９と緊締軸３に対して接線方向に延びる制御
縁１１とを有している。Ｌ字形成形材の２つの脚の間の
角度、つまり横断面で見て緊締縁９と制御縁１１との間
の角度は９０°よりやや大きい。緊締部材８はばね弾性
的な材料より製造されている。図１によれば胴ばり紙１
２は緊締部材８内に導入されている。

【００１１】図２に示されているように、緊締軸３を矢
印方向Ｂで小さい角度だけやや回転させることによっ
て、緊締部材８の制御縁１１は緊締軸３の外周面と作用
接続する。それに応じて緊締部材８の緊締縁９は胴ばり
紙１２に当接し、この胴ばり紙１２を圧力をかけて溝縁
部６でしっかりと保持する。図２では見やすくするため
にねじ７は省かれている。図３には、ブランケット１３
の端部がどのようにして緊締軸３のスリット４内に差し
込まれているかが示されている。ブランケット１３の端
部はくわえ部材１４内で固定されている。緊締軸１３
は、図２に示した状態からほぼ９０°だけ矢印方向Ｂで
移動せしめられ。ブランケット１３の緊締が開始され
る。胴ばり紙１２は、緊締軸３の運動中に工具を使用す
ることなしに自動的に緊締部材８によって緊締されてい
る。１枚又は複数枚の胴ばり紙１２の厚さは、この胴ば
り紙１２とブランケット１３とを合わせて胴まくら１６
の直径に等しくなるように選定されている。図３にもね
じ７は示されていない。ブランケット１３の他方の端部
は、図示していないブランケット胴１の周壁に約２８０
°巻き付けられて、同様に緊締軸によって緊締されてい
る。下側の胴ばりのための別個の緊締部材は必要ない。

【００１２】図４には、図１の矢印Ａ方向で見た図が示
されている。この図４で分かるように、緊締部材８はそ
のＬ字形の脚の間に補強成形材１７を有しており、この
補強成形材１７は例えば横断面が管状に構成されてい
る。緊締部材９はスリット１８を有しており、このスリ
ット１８によってばね作用が高められている。緊締軸１
３はその一方側で、ウォーム２１とウォームホイール１
９とから成る調節駆動部材を備えている。

【００１３】本発明による緊締装置は巻取り紙オフィセ
ット印刷機に使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】胴ばり（胴ばり紙）の下の層が、溝内に設けら
れた固定装置内に差し込まれている状態にある、ブラン
ケット胴の部分横断面図である。

【図２】図１に示したブランケット胴の部分横断面図
で、胴ばり紙が緊締されている状態を示した図である。

【図３】図１に示したブランケット胴の部分横断面図
で、胴ばりの下の層の緊締状態並びにブランケットの緊
締を状態を示した図である。

【図４】図１の矢印Ａ方向で見た図である。

【符号の説明】

１ ブランケット胴、 ２ 溝、 ３ 緊締軸、 ４
スリット、 ６ 溝縁部、 ７ ねじ、 ８ 緊締部
材、 ９ 緊締縁、 １１ 制御縁、 １２ 胴ばり
紙、 １３ ブランケット、 １４ くわえ部材、 １
６ 胴まくら、 １７補強成形材、 １８ スリット、
１９ ウォームホイール、 ２１ ウォーム

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枚葉紙輪転印刷機のゴム胴又はブランケ
   ット胴(１)にブランケットを固定するための、それも、
   胴軸線に対して平行に延びる、ブランケット胴（１）の
   開放する溝（２）内に配置され、かつ、緊締軸(３)を用
   いてブランケット（１３）を固定する緊締部材（８）を
   備えた、多層の胴ばりの最も下に存在する１層又は複数
   の層を別個に固定するための装置において、前記緊締部
   材（８）が、緊締軸（３）の半径方向に延びるスリット
   (４)の縁部に作用接続していて、これによってこのスリ
   ット（４）の縁部に圧着可能となっていることを特徴と
   する、ゴム胴又はブランケット胴にブランケットを固定
   するための装置。
2. 【請求項２】 緊締部材（８）が、ほぼＬ字形の横断面
   を有し、制御縁（１１）及び緊締縁（９）を備えてい
   て、緊締軸（３）に対して平行な溝（２）内でブランケ
   ット胴（１）の外周面と緊締軸（３）との間に配置され
   ており、制御縁（１１）が緊締軸（３）のスリット
   （４）に作用接続していて、緊締縁（９）が胴ばり紙
   （１２）を介して溝（２）の溝縁部（６）に作用接続し
   ている、請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 緊締部材（８）がそのほぼ全長にわたっ
   て軸方向で補強成形材（１７）を有している、請求項２
   記載の装置。
4. 【請求項４】 補強成形材（１７）が一本の管部材より
   成っている、請求項１から３までのいずれか１項記載の
   装置。
5. 【請求項５】 緊締部材（８）が、その緊締縁（９）
   で、ねじ（７）によって溝（２）の溝縁部（６）に固定
   されている、請求項１から４までのいずれか１項記載の
   装置。
6. 【請求項６】 緊締部材(８)の緊締縁(９)に、半径方向
   に延びるスリット(１８）が形成されている、請求項１
   から５までのいずれか１項記載の装置。