JPH0777780A - 供給物質のキットおよび供給方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真用現像剤および定着剤の成分供給、ま
た、種々の異なる物質を処理ユニットに供給しなければ
成らない他の分野において発生する、供給物質の取扱
上、環境上等の問題を解決する方法を提供する。 【構成】 キットが、処理の予め決められた段階まで分
離が保たれている複数の異なる物質を含んでなり、それ
ぞれの異なる物質が、異なる物質をお互いに分離してお
くのに役に立つ複数の別個の殻に封入されており、全て
同一物質を含有する殻の群に、殻を分類できるように、
それぞれの異なる物質の前記殻が、お互いに識別可能で
ある、処理に使用する物質のキット。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般的に供給物質に関
し、特に、処理に用いるいくつかの異なる物質を供給す
る形状および処理に用いるそれらの物質の供給方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、写真材料の処理ユニットは、現
像剤物質および定着剤物質を補給しなければならない。
これらの物質は、通常、正しい比率で一緒に混合しなけ
れば成らないいくつかの成分から成っている。これらの
成分は、しばしば、液状もしくは粉末状のいずれかとな
ることができる濃縮物の形態で供給される。この濃縮物
は、それらを一緒に混合して現像剤物質もしくは定着物
質を生成する前に、所望する強度に希釈するため水と混
合しなければならない。このように、要求される成分容
量を減少させる濃縮物として、成分物質を提供するが、
重くて手で取扱にくい大量の水の支給が必要である。ま
た、その水を貯蔵する大きなタンクも必要である。

【０００３】希釈して一緒に混合して、現像剤物質もし
くは定着剤物質を生成するいくつかの異なる成分を供給
することは、また、多量のパッケージの使用を必要とす
る。近年、パッケージの再利用の増大が生じており、環
境保護および天然資源保護についての心配が増大してい
る。現在では、製品の供給者が、製品が供給されている
範囲内において、パッケージを片付け、再利用すること
を提供することも希ではなく、これにより、「環境重
視」の購買者が、廃棄物のパッケージの片付けおよび再
利用を提供できない競争者の、競争製品を購入するより
もむしろ前者の製品を購入することを促進する。この状
況では明かに、供給者は、パッケージの片付けおよび再
利用を、最少に維持しようと努める。

【０００４】写真用現像剤および定着剤の成分は、液体
濃縮物もしくは粉末濃縮物の形態のいずれかで供給する
ことができる。それぞれの形態は、それ自身の利点およ
び欠点を有している。即ち、粉末は、小型、軽量であ
り、それ故比較的に運び易いが、そのコンテナーから移
す場合、ほこりっぽく、有害な環境を創り出す。一方液
体は、使用に際して上記のような害はほとんど無いが、
重くて嵩張り、それを取扱にくくかつ輸送しにくくして
いる。また、写真用現像剤および定着剤の濃縮成分をフ
リーズドライすることも提案されている。これは、液体
濃縮物に関する問題を避け、そしてこれらのタイプの物
質によって生成される不快な香を除くことができるけれ
ども、この手順中に大きな注意を払わずに、コンテナー
から移すと、フリーズドライした生成物が、なお、ほこ
りっぽく潜在的に有害な大気を生成する。写真用現像剤
および定着剤の成分をフリーズドライすることに伴うも
う一つの問題は、その成分をラミネートしたコンテナー
もしくはパッケージに真空パック詰めにしなければなら
ず、このタイプのパッケージは再利用されにくいという
ことである。従って、このパッケージのタイプは、特
に、「環境にやさしく」ない。

【０００５】写真用現像剤および定着剤の供給におい
て、心に留めておかなければ成らないもう一つの要因
は、現像剤および定着剤を、分離しておかなければ成ら
ず、従って、それらの二種類の物質の各成分を別々にパ
ッケージすることが常である。このことは、片付けそし
て再利用されねば成らない、そうでなければ使い捨てら
れるパッケージを増大する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】写真用現像剤および定
着剤の成分供給に特に言及したが、本発明は、そのよう
な物質に使用することに限定されず、上記の問題、そし
て、また、種々の異なる物質を処理ユニットに供給しな
ければ成らない他の分野、もしくは処理において使用を
必要とする他の分野においても発生する問題、を取り扱
うこととする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のある態様では、
処理に使用する物質のキットを提供し、このキットは、
処理の予め決められた段階まで分離が保たれている複数
の異なる物質を含んでなり、それぞれの異なる物質は、
異なる物質をお互いから分離しておくのに役立つ複数の
別個の殻（shell ）に封入されており、それぞれの異な
る物質の殻は、全て同一物質を含有する殻の群に、殻を
分類できるように、お互いに識別可能である。

【０００８】それぞれの異なる物質の殻は、異なるサイ
ズ、異なる形状および／もしくは異なる色であっても良
い。好ましい殻は、実質的に硬質である。この殻は、水
溶性であることが都合が良い。これらは、砂糖を含んで
なる物質から形成されても良い。

【０００９】都合良く、このキットを、複数の異なる物
質を含んでなる、単一のコンテナーとして供給する。こ
の場合、このコンテナーが、処理において使用する際に
必要とされるのに近い比率で、異なる物質を含んでなる
ことが好ましい。本発明は、また、上記のような物質の
キットを含んでなる写真用処理物質のキットを提供す
る。

【００１０】好ましくは、この物質は、写真用現像剤も
しくは定着剤の成分を含んでなる。本発明の別の態様
は、処理に使用するために必要とされる複数の異なる物
質を供給する方法を提供し、そしてこの物質は、処理の
予め決められた段階まで分離されており、この方法は、
異なる物質をお互いから分離しておくのに役立つ複数の
別個の殻の中に、それぞれの異なる物質を、封入する工
程を含んでなり、それぞれの異なる物質の殻は、同じ物
質を全て含有する殻の群に殻の分類ができるようにお互
いに識別可能である。

【００１１】都合良く、この方法は、複数の異なる、封
入された物質を単一のコンテナーに充填し、そして前記
単一コンテナー中の異なる物質を供給する工程を更に含
んでなる。この方法は、また、異なる物質をお互いに分
類すること、およびそれらを別々に貯蔵することを含ん
でなることができる。

【００１２】本発明は、更に、写真処理ユニットにおい
て使用される複数の異なる物質の在庫を補充する方法も
提供し、この方法は、上記の方法に従って、処理ユニッ
トに前記物質を供給することを含んでなる。

【００１３】

【実施例】本発明をより容易に理解し、そして、この発
明の更なる特徴を認識するために、本発明を、本発明の
方法に従って物質を供給する処理ユニットの一部を図に
よって説明する添付図面を参照して、例によって説明す
る。本発明では、処理ユニットもしくは処理に供給され
る物質は、一般的に、多くの比較的小さい、硬いカプセ
ルもしくは殻の形態でそれぞれ供給される。それぞれの
異なる物質のカプセルは、特定の処理において必要とさ
れる種々の異なる物質を単一のコンテナーもしくはパッ
ケージ中に供給し、そしてその後、自動分類装置によっ
て分類できるように、識別可能である。分類装置は、光
学的もしくは機械的分類手段またはその他の適当な分類
手段を含んでなることができる。それぞれの異なる物質
は、例えば、砂糖から形成されることができる実質的に
硬い殻に、包まれていることが考えられる。異なる物質
の殻は、異なるサイズ、異なる形状もしくは異なる色と
なることによって、識別可能となることができる。殻の
中の物質は、固体、粉末もしくは液体の形態であっても
良い。これらの物質が、予め決められた比率で混合され
ねばならない成分を構成する場合、適当な比率の異なる
物質を含有する単一のパッケージを供給しても良い。中
に前記物質を含有するカプセルもしくは殻は、殻が壊れ
て開き、溶解されるまで、またはその物質が、適当な手
段でそこから出ることが可能なるまで、その成分が、一
緒に混ざらないことを保証する。

【００１４】添付する図面は、写真処理ユニットの一部
を表わし、三種類の異なる物質を本発明に従って、処理
ユニットに供給することができる方法を具体的に表わ
す。三種類の異なる物質のそれぞれを、殻もしくはカプ
セル１の中に供給する（三種類の異なる物質に対応する
三種類の異なるタイプのカプセルが有る）。三種類の異
なるタイプのカプセルは、異なるサイズ、異なる形状も
しくは異なる色からなることができる。図示されている
例では、一種類のカプセルが、相対的により大きい球体
であるが、二番目はより小さい球体であり、三番目は、
形状がより細長い。球形カプセルもしくは殻は、他の形
状のカプセルも同じようなサイズであるが、典型的に、
おおよそ１ｃｍ〜２ｃｍの直径を有する。三種類のカプ
セルは、さらに、異なる色となることができる。このカ
プセルは、水溶性であっても良く、上述したように、砂
糖から形成されることができる。

【００１５】三種類のタイプのカプセルを、単一のパッ
ケージで供給し、その内容物は、そこからシュート３上
にカプセルが落ちるその下方の端部に出口を有するホッ
パーもしくは漏斗２の中を通過する。カプセルがシュー
ト３に沿って通過するとき、それらは、次第に分離され
て、その結果別々のカプセルの流れが、シュート３のよ
り低い方の端部から落ちる。三種類の異なる物質を含有
する三種類の異なるタイプのカプセルは、もちろん、シ
ュート３を通り過ぎるカプセルの流れに、ランダムに整
列される。これらのカプセルは、分離される必要があっ
ても良く、これは、都合の良いいずれの分類方法を用い
て達成することができる。

【００１６】図示された配置では、カプセルを光学式分
類装置４に運び、そこでカプセルをまず、異なるタイプ
のカプセルを形状、サイズもしくは色に基づいて同定す
る光学式ビューイング（viewing)検査装置５を通して移
動する。光学式ビューイング検査装置５は、信号を送
り、カプセルの流路からある一定のカプセルを偏向させ
るために、カプセルの流れ上に空気の噴射を向けるノズ
ル６に接続されている圧縮空気源をコントロールする。

【００１７】このように、一つがカプセルの流れのいず
れか一方の側にある、二つの別のノズル６、７を備え
る。光学式ビューイング検査装置５によって第一のタイ
プのカプセルを検出すると、第一ノズルを作動し、そし
て、このノズルは、第一タイプのカプセルを流れの一方
の側に偏向し、このカプセルは、次ぎのシュート８上に
落ち、そして第一収集貯蔵容器９に運ばれる。ビューイ
ング検査装置５によって第二のタイプのカプセルが検出
されると、第二ノズル７が作動して、この第二タイプの
カプセルをカプセルの流れの正常流路のもう一方の側に
偏向する、空気の噴射を与え、そして別のシュート１０
を経由して第二収集貯蔵容器１１に運ばれる。ビューイ
ング検査装置５によって第三のタイプのカプセルが検出
されると、ノズル６、７の両方とも作動せず、この第三
タイプのカプセルは、カプセルの流れの正常流路に沿っ
て、第三収集貯蔵容器１２に続く。添付図面は、単なる
概略図であり、ノズル６、７は、ビューイング装置と一
体の部分のように形成され、あるいは、ビューイング装
置で検出されるとき、適当なタイプのカプセルが、適当
なノズルによって偏向されるように、その後のカプセル
の流れ方向のすぐ近くに配置されているらしいことが認
められる。

【００１８】図示されている光学式分類装置の代わりと
して、例えば、最後に、全てのカプセルが、同じタイプ
のカプセル（同じ物質のみ含有する）だけ含有する一群
に分離されるまで、各ふるいもしくはメッシュを通過す
るある一定のカプセルおよび次ぎのふるいもしくはメッ
シュを通過する残りだけを伴うカプセルを通す、一連の
傾斜したふるいもしくはメッシュフィルターを含んでな
る機械的分類装置を使用することができる。

【００１９】分類した後、次ぎの処理のためにこのカプ
セルを収集貯蔵容器９、１１、１２から取り出すことが
できる。カプセルが、砂糖から形成され、写真現像剤も
しくは定着剤を生成するために使用される濃縮成分を含
有している場合、次ぎに、それらを正しい比率で混合
し、砂糖カプセルを溶解し、それによってそこに含有さ
れている物質を逃がす水を用いて希釈する。カプセルに
用いられる砂糖の量は、写真処理に有益な効果のみを有
する。

【００２０】カプセルが、砂糖以外の物質から形成され
ている場合、その場合は、他の適当な任意の方法で、破
砕、孔開け、もしくは開口しても良い。必要ならば、殻
の物質を、その含有物を処理ユニットもしくは処理に使
用する前に、濾過しても良い。一旦、それらの物質がカ
プセルから放出されると、通常の方法で使用することが
できる。

【００２１】硬いカプセルもしくは殻で供給される場
合、処理のための物質を乾燥形態で提供し、そしてかな
りの量のほこりを生じること無しに、コンテナーから
「注ぐ」ことができる。カプセルもしくは殻の硬い性質
のため、異なる物質を分離したままで、単一パッケージ
もしくはバルク（bulk）コンテナーで、何種類かの物質
を供給することができる。これにより、処理において必
要な全ての「材料」の取扱を容易にし、必要とされる包
装の量を最少にする。また、種々の材料を単一の在庫品
として注文することができるので、これは、何種類かの
異なる「材料」の補給を必要とする処理に関する在庫管
理手順を簡便にする。種々の物質の処理ユニットへの供
給に際して、分類装置を、それらを分離するために準備
する場合、それらが次ぎに処理ユニットで使用されるよ
うに、種々の物質の比率を、容易に変えることができ
る。分類装置は通常自動化されており、正しい比率で物
質を供給する場合の人的エラーを避けるのに役に立つ。

【００２２】分類装置は、それ自身容易に入手可能なタ
イプとなることができる。従って、例えば、上述したタ
イプの光学式分類装置は、この装置を、エンドウ豆、イ
ンゲン豆等のような代替品を分類するために使用する食
品工業において周知である。あるいは、機械式分類装置
もまた、多くの用途において周知であり、本発明におい
ても容易に使用することができる。

【００２３】本発明の特別な利点は、特定の処理で必要
な、何種類かの異なる物質を、単一のパッケージに供給
できることであり、その物質を硬い殻の中に封入した、
単一の物質のみを含んでなるパッケージを供給すること
がまた可能である。このことは、種々のその他の物質と
混合するいくつかに異なる処理において、問題の特定の
物質を用いる場合に、有効である。

【００２４】種々のタイプの物質を砂糖から形成されて
いる殻の中に封入する技法は、菓子製造工業から良く知
られており、従って、この特定の技法を、本発明におい
て容易に使用できることは予見される。本発明を、写真
処理ユニットに関連して用いると、処理ユニット内で必
要な物質の補充を、非常に簡単な作業にする。処理ユニ
ット内で使用する現像剤および定着剤に必要な全ての
「材料」を、処理ユニットの中で、直接使用しても良い
単一パッケージで供給することができる。このユニット
が、任意のある特定の「材料」の在庫が乏しい状態で運
転しているときはいつでも、混合された成分の追加供給
品を、機械の中に注ぐことができ、これにより、自動的
に、異なる「材料」のそれぞれの供給品を補充する。

【００２５】特に、写真処理ユニットに関して言及して
きたが、種々の成分が特定のプロセスに供給されること
を必要とする場合はいつでも、本発明を他の業界および
他のプロセスに用いても良いことが理解される。例え
ば、スイミングプールの水処理のような、種々の水処理
プロセスは、種々の薬品の補給が必要である。その中に
物質が与えられているカプセルのサイズ、形状もしくは
色を通して、種々の物質を識別することに関して言及し
てきたが、異なる物質を同定するためにカプセルが、そ
の表面にマーキングを有することできる。これらのマー
キングは、カプセル面に施された、書かれた文、目に見
える印刷もしくは三次元的刻印を含んでなることができ
る。好ましい態様において、堅いもしくは硬質として記
載したけれども、前記カプセルもしくは殻を、内容物を
封入でき、殻を壊して開きもしくは溶解するまで、異な
る物質を分離しておくことができる所望する材料から作
ることができる。従って、必要ならば、カプセルもしく
は殻は、可撓性であっても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】写真処理ユニットの一部を表わす。

【符号の説明】

１…カプセル ２…ホッパーもしくは漏斗 ３…シュート ４…光学式分類装置 ５…光学式ビューイング検査装置 ６…ノズル ７…ノズル ８…シュート ９…第一収集貯蔵容器 １０…シュート １１…第二収集貯蔵容器 １２…第三収集貯蔵容器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キットが、処理の予め決められた段階ま
   で分離が保たれている複数の異なる物質を含んでなり、
   それぞれの異なる物質が、異なる物質をお互いに分離し
   ておくのに役に立つ複数の別個の殻に封入されており、
   全て同一物質を含有する殻の群に、殻を分類できるよう
   に、それぞれの異なる物質の前記殻が、お互いに識別可
   能である、処理に使用する物質のキット。
2. 【請求項２】 物質が、処理の予め決められた段階ま
   で分離が保たれている、処理に使用するのに必要とされ
   る複数の異なる物質を供給する方法であって、前記方法
   が、異なる物質をお互いに分離しておくのに役に立つ複
   数の別個の殻の中に、それぞれの異なる物質を封入する
   工程を含んでなり、それぞれの異なる物質の前記殻が、
   お互いに識別可能である供給方法。