JPH0777752B2 - 押出機用シリンダのガス抜方法及びガス抜構造 - Google Patents

押出機用シリンダのガス抜方法及びガス抜構造

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JPH0777752B2
JPH0777752B2 JP3290015A JP29001591A JPH0777752B2 JP H0777752 B2 JPH0777752 B2 JP H0777752B2 JP 3290015 A JP3290015 A JP 3290015A JP 29001591 A JP29001591 A JP 29001591A JP H0777752 B2 JPH0777752 B2 JP H0777752B2
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博文 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押出機用シリンダのガ
ス抜方法及びガス抜構造に関し、特に、サイドフィーダ
により多量の副原料を供給する場合に、副原料である粉
体原料の吹き上げとガス抜穴への樹脂のひっかかり(焼
けの発生)を防止するための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、用いられていたこの種の押出機用
シリンダのガス抜構造としては、一般に、図3、図4で
示す構成が採用されていた。すなわち、図3、図4にお
いて符号1で示されるものは全体形状が長手筒形をなし
複数のブロックよりなるシリンダであり、このシリンダ
1内には一対の第1、第2スクリュ2、3が互いに噛合
して双方向に回転可能に設けられている。
【0003】前記シリンダ1の中間側部に設けられた側
部開口4には、スクリュ形のサイドフィーダ5が回転自
在に設けられており、このシリンダ1の前記サイドフィ
ーダ5に対応する上部位置には、頂部開口6が設けられ
ている。従来周知のように、例えば特開昭61−277
421号公報の第1図に示されるように、主原料に対し
て副原料を、例えばサイドフィーダを介して、途中から
供給する場合、シリンダの上流端から供給された主原料
がスクリュのすき間容積を徐々に減少させることにより
溶融され、その後このすき間容積を拡大してガス抜が行
なわれるガス抜部、すなわち、溶融した主原料が充満せ
ずすき間のできたシリンダ部に副原料が供給される。
【0004】前記頂部開口6はに、ガス抜穴7を有する
ガス抜部材8が設けられており、このガス抜穴7は、前
記サイドフィーダ5側に位置する第1スクリュ2上で、
かつ、前記ガス抜部材8の中心8aよりも樹脂流れ方向
9の下流側9aに位置している。
【0005】従って、前述の構成において、樹脂流れ方
向9の上流側9bから樹脂よりなる主原料を供給し、サ
イドフィーダ5によってペレット、フイラー及びグラス
ファイバ等の何れかからなる粉体の副原料を供給し、主
原料から発生するガスと共に副原料に含まれるガスを側
部開口4の間近かに設けられたガス抜穴7から容易にガ
ス抜きを行いつつ、主原料と副原料の混練・搬送を行う
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の押出機用シリン
ダのガス抜構造は、以上のように構成されていたため、
次のような課題が存在していた。すなわち、サイドフィ
ーダ側の第1スクリュ上にガス抜穴が形成されていたた
め、排気ガス量が多い場合、粉体の副原料を供給すると
粉体の吹き上げが発生し、供給した副原料の主原料に対
する混合効率が極めて低くなっていた。
【0007】さらに、ガス中に水分が含まれる場合、未
溶融の粉体が付着堆積し、ゲル化した原料がガス抜穴に
ひっかかり、焼けの発生となることがあり、品質低下の
原因となっていた。また、サイドフィーダで副原料を供
給する場合の粉体の吹き上げを避けるために、当該ガス
抜穴を盲しと、樹脂流れ方向における1つ上流側のシリ
ンダフロックにガス抜穴を形成した構成を採用した場合
には、スクリュの隙間容積の大きい部分を余分に長く構
成する必要があり、押出機のシリンダの全長がその分長
くなり、極力短くしたいとするユーザー側の要望に反す
ることとなっていた。
【0008】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、副原料である粉体原料の吹
き上げとガス抜穴への樹脂のひっかかり(焼けの発生)
を防止するようにした押出機用シリンダのガス抜方法及
びガス抜構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による押出機用シ
リンダのガス抜方法は、シリンダ内に水平かつ平行に配
置されて主原料を混練・搬送する第1、第2スクリュを
有し、サイドフィーダにより前記シリンダの一方の側部
から前記各スクリュに副原料を供給するようにした押出
機用シリンダにおいて、前記シリンダの前記サイドフィ
ーダに対応する上部位置の頂部開口に設けられたガス抜
部材に形成され前記サイドフィーダとは反対側に位置す
る前記第2スクリュ上に位置し、かつ、前記ガス抜部材
の中心よりも上流側に位置するガス抜穴からガス抜きを
行う方法である。
【0010】また、押出機用シリンダのガス抜構造は、
水平かつ平行に配置されて主原料を混練・搬送する第
1、第2スクリュが内挿され、副原料を前記スクリュに
供給するようにサイドフィーダが一方の側部に設けられ
たシリンダと、前記シリンダの前記サイドフィーダに対
応する上部位置の頂部開口に設けられたガス抜部材と、
前記ガス抜部材に設けられたガス抜穴とを備え、前記ガ
ス抜穴は、前記サイドフィーダとは反対側に位置する前
記第2スクリュ上で、かつ、前記ガス抜部材を中心より
も上流側に位置した構成である。
【0011】
【作用】本発明による押出機用シリンダのガス抜方法及
びガス抜構造においては、ガス抜穴が、シリンダのサイ
ドフィーダに対応する位置に設けられたガス抜部材のサ
イドフィーダとは反対側に位置する第2スクリュ上で、
かつ、ガス抜部材の中心よりも上流側に位置しているた
め、主原料に含まれる空気(ガス、水蒸気を含む)がガ
ス抜穴から排気され、その直後にガス抜穴から離れた位
置に副原料が供給されるので粉体の副原料がサイドフィ
ーダにより供給された場合でも、副原料は第1、第2ス
クリュにより押さえ込まれて下流側にスムーズに送り込
まれる。一方、ガス抜穴は、副原料の供給位置とは離れ
た第2スクリュの上流側に位置しているため、副原料が
ガスと共に、ガス抜穴から吹き上げることもなく、従っ
て、ガス中に含まれる水分によって未溶融の粉体が付着
堆積し、ゲル化した主原料がひっかかって焼きつきを起
こすことも防止できる。そのため、副原料としてペレッ
トやグラスファイバを供給した場合も、全く問題なく運
転を行うことが可能である。また、副原料に含まれる空
気は副原料が溶融状態の主原料とともに混練されること
により放出され、間近かの上流に位置するガス抜穴に容
易に流動し、排気される。
【0012】
【実施例】以下、図面と共に本発明による押出機用シリ
ンダのガス抜方法及びガス抜構造の好適な実施例につい
て詳細に説明する。なお、従来例と同一又は同等部分に
は、同等符号を用いて説明する。図1及び図2は本発明
による押出機のガス抜構造を示すもので、図1は平面
図、図2は図1の断面図である。
【0013】図1、図2において符号1で示されるもの
は、全体形状が長手筒形をなし複数のブロックよりなる
シリンダであり、このシリンダ1内には一対の第1、第
2スクリュ2、3が互いに噛合して双方向に回転可能に
設けられている。
【0014】前記シリンダ1の中間側部に設けられた側
部開口4には、スクリュ形のサイドフィーダ5が回転自
在に設けられており、このシリンダ1の前記サイドフィ
ーダ5に対応する上部位置には、頂部開口6が設けられ
ている。
【0015】前記頂部開口6には、ガス抜穴7を有する
ガス抜部材8が設けられており、このガス抜穴7は、前
記サイドフィーダ5とは反対側に位置する第2スクリュ
3上で、かつ、前記ガス抜部材8の中心8aよりも樹脂
流れ方向9の上流側9bに位置している。
【0016】従って、前述の構成において、樹脂流れ方
向9の上流側9bから樹脂よりなる主原料を供給し、サ
イドフィーダ5によってペレット、フィラー及びグラス
ファイバ等の何れかからなる粉体の副原料を供給する
と、主原料に含まれていた空気(ガス、水分を含む)
は、混練され溶融状態の主原料とともに高温加圧状態の
ガスとなり、ガス抜穴7から排気され、その直後にガス
抜穴7から離れた位置に供給される副原料は逆流してガ
ス抜穴7から吹き出す前に直ちにスクリュ2、3によっ
て押さえ込まれて下流側9aにスムーズに送り込まれ
る。
【0017】また、主原料および副原料に含まれて供給
されシリンダ1内に発生するガスは、ガス抜穴7から外
部に案内されるが、副原料の供給位置とは離れた上流側
9bに位置しているため、副原料がガスと共に吹き上げ
ることもなく、また、ガス中に含まれる水分がガス抜穴
7に付着しても、粉体が吹き出さないために未溶融の粉
体の付着による堆積によって上流側9bから搬送される
ゲル化した主原料がひっかかり、焼きつきを起こすこと
もない。なお、実験の結果、ペレットやグラスファイバ
を副原料として供給した場合も、何ら問題なく混練・搬
送を行うことができる。すなわち、サイドフィーダ5か
ら供給される副原料がまずサイドフィーダ5側の第1ス
クリュ2で溶融状態の主原料と混練され、次いで、第2
スクリュ3で混練されながらその中に含まれる空気(ガ
ス等)が放出されて第2スクリュ3側へ流れ、間近かの
上流に位置するガス抜穴7へ容易に流動し排気される。
副原料は主原料と直ちに接触して混練されるので、従来
のように空気(ガス)と共に流動して排出されることは
なくなる。また、主原料及び副原料は回転駆動される各
スクリュ2、3により下流方向へ搬送されるので、ガス
抜部材8の中心より上流側へ設けられたガス抜穴7側へ
の副原料の到達は難しく、従来構成よりも粉体の吹き上
げ、付着堆積と云う問題は殆んど避けることができる。
従って、主原料に含まれていた高温加圧状態のガスはガ
ス抜穴7から排気され、その直後へ副原料が供給され、
副原料に含まれている空気も空気のみが放出されてガス
抜穴7から排気される。
【0018】
【発明の効果】本発明による押出機用シリンダのガス抜
方法及びガス抜構造は、以上のように構成されているた
め、次のような効果を得ることができる。すなわち、ガ
ス抜穴がサイドフィーダと反対側の第2スクリュ上に設
けられたことにより、副原料が先ず溶融状態の主原料と
接触して混練され、混練されながら下流方向へ搬送され
るので、粉体を含む副原料でも直ちに主原料と混練状態
となる。また、ガス抜穴がさらにガス抜部材の中心線よ
りも上流側に設けられたことにより、主原料に含まれる
高温加圧状態のガスが副原料の供給される直前に排気さ
れるとともに、副原料から放出された空気も容易に排気
される。従って、主原料に含まれる高温加圧状態のガス
が排気された直後の圧力の無い状態で副原料が供給され
ることにより副原料の吹き上げは起こらない。また、副
原料は先ず主原料と混練されて放出された副原料を含ま
ない空気をガス抜穴から排気するので、ガス抜穴に焼け
が発生しない。その結果、副原料の吹き上げが起こらな
いことにより多量の副原料の供給を可能とし、焼けが発
生しないことにより、押出製品の品質を確保することが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による押出機用シリンダのガス抜構造を
示す平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】従来のガス抜構造を示す平面図である。
【図4】図3の断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 第1スクリュ 3 第2スクリュ 5 サイドフィーダ 6 頂部開口 7 ガス抜穴 8 ガス抜部材 8a 中心 9b 上流側

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(1)内に水平かつ平行に配置さ
    れて主原料を混練・搬送する第1、第2スクリュ(2,3)
    を有し、サイドフィーダ(5)により前記シリンダ(1)の一
    方の側部から前記各スクリュ(2,3)に副原料を供給する
    ようにした押出機用シリンダにおいて、前記シリンダ
    (1)の前記サイドフィーダ(5)に対応する上部位置の頂部
    開口(6)に設けられたガス抜部材(8)に形成され前記サイ
    ドフィーダ(5)とは反対側に位置する前記第2スクリュ
    (3)上に位置し、かつ、前記ガス抜部材(8)の中心(8a)よ
    りも上流側(9b)に位置するガス抜穴(7)からガス抜きを
    行うことを特徴とする押出機用シリンダのガス抜方法。
  2. 【請求項2】 水平かつ平行に配置されて主原料を混練
    ・搬送する第1、第2スクリュ(2,3)が内挿され、副原
    料を前記スクリュ(2,3)に供給するようにサイドフィー
    ダ(5)が一方の側部に設けられたシリンダ(1)と、前記シ
    リンダ(1)の前記サイドフィーダ(5)に対応する上部位置
    の頂部開口(6)に設けられたガス抜部材(8)と、前記ガス
    抜部材(8)に設けられたガス抜穴(7)とを備え、前記ガス
    抜穴(7)は、前記サイドフィーダ(5)とは反対側に位置す
    る前記第2スクリュ(3)上で、かつ、前記ガス抜部材(8)
    を中心(8a)よりも上流側(9b)に位置した構成よりなるこ
    とを特徴とする押出機用シリンダのガス抜構造。
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US5876647A (en) * 1994-04-21 1999-03-02 Lion Corporation Method for preparing conductive thermoplastic resin compositions
JP6763733B2 (ja) * 2016-09-28 2020-09-30 旭化成株式会社 押出機、サイドフィードバレル

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