JPH0776829A - 高強度重防食被覆鋼管杭 - Google Patents

高強度重防食被覆鋼管杭

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JPH0776829A
JPH0776829A JP22338193A JP22338193A JPH0776829A JP H0776829 A JPH0776829 A JP H0776829A JP 22338193 A JP22338193 A JP 22338193A JP 22338193 A JP22338193 A JP 22338193A JP H0776829 A JPH0776829 A JP H0776829A
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JP
Japan
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coating layer
steel pipe
anticorrosion
layer
pipe pile
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Pending
Application number
JP22338193A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Sasaki
俊幸 佐々木
Hiroshi Okada
弘 岡田
Yasuhiro Sueuchi
末内康博
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海洋、港湾等で使用される重防食被覆鋼管杭
において、鋼管杭の施工中、施工後に加えられる厳しい
機械条件に対し、充分な耐久性を保有しかつ被覆コスト
が安価な重防食被覆鋼管杭を得る。 【構成】 表面にエンボス加工を施したポリオレフィン
樹脂もしくはポリウレタン樹脂を防食被覆層とし、該防
食被覆層上の一部に1.5mm膜厚以上のガラスマッ
ト、あるいはガラスクロス、もしくはその両者にて強化
したポリエステル樹脂もしくはビニルエステル樹脂を保
護層として被覆することにより、充分な耐衝撃性、耐摩
耗性を保有しかつ重防食被覆鋼管杭が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海洋、港湾等で使用さ
れる重防食被覆鋼管杭において水中及び空中にわたって
使用され、施工中もしくは使用中に該鋼管杭に加えられ
る衝撃、摩耗等の機械的作用に起因する防食被覆層の損
傷を防止するために該防食被覆層の表面に強化プラスチ
ックを被覆した複合被覆鋼管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海洋、港湾等で使用される鋼管杭は、厳
しい使用環境にさらされ中でも干満帯の腐食は深刻な問
題である。そのため周知のようにポリオレフィン樹脂も
しくはポリウレタン樹脂の重防食被覆鋼材が広く使用さ
れるようになった。これらの重防食被覆鋼材は、防食性
のみならず流木等の衝撃にも充分耐えられるような機械
的性質を保有している。
【0003】ところが、近年になって鋼管杭の打設場
所、打設方法によっては打設時に杭打船もしくは杭打船
繋ぎ用チェーンが波浪の影響等により鋼管杭に衝突した
り、また有脚浮体式係船岸の浮体構造の支柱杭では50
トン前後の押圧による摩耗作用が生じたりして、従来以
上に機械的作用条件の厳しい場所での使われ方が増えて
きており、従来の重防食被覆では防食被覆層が貫通する
疵も発生するなど、機械強度が不充分になってきてい
る。そのため、このような用途に対しては、本発明者等
は被覆の機械強度を向上させるために特願平04−29
7258号公報に防食被覆層上に繊維強化プラスチック
を被覆して得られる高強度重防食被覆鋼管杭を提供して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
高強度重防食被覆鋼管杭では防食被覆層上全面に繊維強
化プラスチックの保護被覆層を形成させるが、保護被覆
層を形成させる分、被覆コストが高くなるという課題が
ある。そのような課題に対し本発明は、杭の施工中、使
用中に被覆に対して加えられる衝撃及び摩耗に対し充分
な耐久性を保持し、かつできるだけ安価な被覆コストの
重防食被覆鋼管杭を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、被
覆コストをできるだけ安価にするという観点から防食被
覆鋼管杭の用途を検討した結果、杭の施工中、使用中に
被覆に対して衝撃及び摩耗作用が加えられる部分は海水
面近傍のみであり、防食被覆が施される部分の一部であ
るという知見を得、本発明の重防食被覆鋼管杭を創案し
た。
【0006】すなわち本発明は、鋼管にグリットブラス
ト、サンドブラスト、ショットブラスト等で除錆後、ク
ロム酸系の化成処理を施すか、あるいは有機系プライマ
ーを塗布するか、もしくはクロム酸系の化成処理を施し
た後有機系プライマーを塗布するかした下地処理層、ポ
リオレフィン系接着剤層、膜厚2mm以上のポリオレフ
ィン樹脂の防食被覆層を順次形成させ、防食被覆層の表
面の一部に深さ0.1mm以上のエンボス加工を施した
後、そのエンボス加工部上に膜厚1.5mm以上のガラ
スクロス、あるいはガラスマット、もしくはその両者に
て強化したビニルエステルもしくはポリエステル樹脂の
保護被覆層を形成させてなることを特徴とする高強度重
防食被覆鋼管杭、及び鋼管にグリットブラスト、サンド
ブラスト、ショットブラスト等で除錆後、クロム酸系の
化成処理を施すか、あるいは有機系プライマーを塗布す
るか、もしくはクロム酸系の化成処理を施した後有機系
プライマーを塗布するかした下地処理層、膜厚2mm以
上のポリウレタン樹脂の防食被覆層を順次形成させ、防
食被覆層上の一部に膜厚1.5mm以上のガラスクロ
ス、あるいはガラスマット、もしくはその両者にて強化
したビニルエステルもしくはポリエステル樹脂の保護被
覆層を順次形成させてなることを特徴とする高強度重防
食被覆鋼管杭である。
【0007】以下に本発明における高強度重防食被覆鋼
管杭について具体的に説明する。
【0008】本発明の請求項1に示す高強度重防食被覆
鋼管杭の構成説明図を図1に示す。図において、1は鋼
材、2は下地処理層、3はポリオレフィン系接着剤層、
4はポリオレフィン樹脂の防食被覆層、5は保護被覆層
である。鋼材1の被覆面をショットブラスト、グリット
ブラスト、サンドブラストなどにより除錆した後、クロ
ム酸系の化成処理を施すか、あるいは有機系プライマー
を塗布するか、もしくはクロム酸系の化成処理を施した
後有機系プライマーを塗布するかした下地処理層2、ポ
リオレフィン系接着剤層3、膜厚2mm以上のポリオレ
フィン樹脂の防食被覆層4を順次形成させる。防食被覆
層4が充分に硬化しない間に防食被覆層4の表面に深さ
0.1mm以上のエンボス加工を施し、防食被覆層4の
表層に凹凸をつける。この凹凸は、本来他の樹脂との間
に化学的密着性を持たないポリオレフィン樹脂に密着性
を持たせる意味で必須である。その後、膜厚1.5mm
以上のガラスクロス、ガラスマットもしくはその両者に
て強化したビニルエステルもしくはポリエステル樹脂の
保護被覆層5を形成させる。
【0009】ここで下地処理層2、ポリオレフィン系接
着剤層3は、鋼材1とポリオレフィン樹脂の防食被覆層
4との充分な密着性を保持するためのものであり、その
機能を満足する材料及び被覆方法であれば特に限定はな
い。防食被覆層4は、充分な防食機能を保有するもので
あれば特に問題はなく、押出し被覆等の方法にて容易に
被覆できるものである。防食被覆層4上に施すエンボス
加工は、防食被覆層4が軟化している状態で施す必要が
あり、その加工温度はポリオレフィン樹脂の融点によっ
ても若干異なるが約100℃以上であることが必要であ
る。エンボス加工後、膜厚1.5mm以上のガラスクロ
ス、あるいはガラスマット、もしくはその両者にて強化
したビニルエステルもしくはポリエステル樹脂の保護被
覆層5を形成させる。保護被覆層5は充分な強度を持
ち、厳しい衝撃条件にも耐えられるものである。また、
保護被覆としての機能を失わない範囲であれば、美観を
保つために着色等を施しても構わない。
【0010】図2には、本発明の請求項2に示す高強度
重防食被覆鋼管杭の構成説明図を示す。図において、1
は鋼材、2は下地処理層、6はポリウレタン樹脂の防食
被覆層、5は保護被覆層である。請求項1の発明と請求
項2の発明との違いは、ポリウレタン樹脂の防食被覆層
6は、ポリエチレン樹脂の防食被覆層4より下地処理層
2及び保護被覆層5との密着性の点ですぐれるため、ポ
リオレフィン系接着剤層3及び防食被覆層表層のエンボ
ス加工が不要である点であり、請求項2の発明も請求項
1の発明と同様の効果が得られる。
【0011】図3には、本発明の請求項1及び2に示す
高強度重防食被覆鋼管杭の構成説明図を示す。図におい
て、7は鋼管杭、8は防食被覆層、5は保護被覆層、9
は海水面である。図に示すように、保護被覆層5は杭の
打設時、打設後に被覆に対して衝撃及び摩耗作用が加え
られる部分である海水面9の近傍のみに施す。保護被覆
層5の被覆長さは、潮の干満を考慮して約3m前後が好
ましい。このようにして得られた高強度重防食被覆鋼管
杭は、保護被覆層5の被覆長さが短いため、防食被覆層
8上全面に保護被覆を施した時と比較し、安価で被覆可
能でかつ杭の施工中、使用中に被覆に対して加えられる
衝撃及び摩耗に対し充分な耐久性を有する。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0013】表1には実施例−1〜3及び比較例−1〜
4の防食被覆層、エンボス加工の有無、保護被覆層を示
す。鋼管(外径400mm×板厚9mm×長さ10m)
をグリットブラストにて除錆しクロム酸系の化成処理、
有機系プライマー、ポリエチレン系接着剤を塗布後防食
被覆層としてポリエチレン樹脂を膜厚2.0mmに押出
し被覆した。防食被覆層が軟化した状態で6m長さ分だ
け0.1mm深さで、周方向、長さ方向共20mmピッ
チで凹み部が10mm角となるようにエンボス加工を施
した。その後ガラスマット及びガラスクロスにて強化し
たポリエステル樹脂をエンボス加工を施した部分2mを
含む長さ4mについて膜厚1.5mmに被覆し、エンボ
ス加工を施した次の2mにはガラスマット及びガラスク
ロスにて強化したビニルエステル樹脂を膜厚1.5mm
に被覆した。また比較として、エンボス加工を施した残
りの2mにはガラスマット及びガラスクロスにて強化し
たポリエステル樹脂を膜厚0.5mmに被覆した。また
エンボス加工を施していない4mについては、2mをそ
のままとし、2mについては、ガラスマット及びガラス
クロスにて強化したポリエステル樹脂を膜厚1.5mm
に被覆した。以上により、実施例−1〜2、比較例−1
〜3を得た。また、鋼管(外径400mm×板厚9mm
×長さ4m)をグリットブラストにて除錆し有機系プラ
イマーを塗布後、防食被覆層としてポリウレタン樹脂を
膜厚2.0mmにスプレー塗装した。その後2mについ
ては、ガラスマット及びガラスクロスにて強化したポリ
エステル樹脂を膜厚1.5mmに被覆し、残りの2mに
ついては、比較としてガラスフレーク入りビニルエステ
ル樹脂を膜厚1.5mmにスプレー塗装した。以上によ
り、実施例−3、比較例−4を得た。
【0014】以上のようにして作製した各実施例及び比
較例について、衝撃試験及び摩耗試験を実施した。試験
片は衝撃試験用としては200mm幅に切断したリン
グ、摩耗試験用としては150mm×500mmに切断
した鋼板とした。衝撃試験は先端をコンクリートにてコ
ーン状にし鋼材を取り付けて重量を35kgに調整した
ものを2m高さから落下させ被覆の損傷状況を比較し
た。また摩耗試験は、径120mm、幅100mmのナ
イロンロールに3Tonの荷重をかけストローク長=3
00mm、ストローク速度=24回/分にて3000回
試験し、被覆の損傷状況を比較した。その結果も表1に
列記する。
【0015】表1に示す如く本発明の実施例において
は、耐衝撃性、耐摩耗性共良好であることがわかる。そ
れに対し、比較例−1では、保護被覆層がないため耐衝
撃性、耐摩耗性共不充分であり、比較例−2では、ポリ
エチレン樹脂の防食被覆層にエンボス加工が施してない
ために、摩耗試験で保護被覆層が剥離している。また、
比較例−3では保護被覆層の膜厚が薄いために耐衝撃性
が不充分であり、比較例−4で保護被覆層をガラスクロ
スもしくはガラスマットで強化していないため、耐衝撃
性、耐摩耗性共不充分である。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明により、海洋、港湾等で使用され
る重防食被覆鋼管杭において、厳しい機械条件にも充分
な耐久性を保有するとともに被覆コストが安価な重防食
被覆鋼管杭を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高強度重防食被覆鋼管杭の被覆構成
図。
【図2】本発明の高強度重防食被覆鋼管杭の被覆構成
図。
【図3】本発明の高強度重防食被覆鋼管杭の側面図。
【符号の説明】
1…鋼材 2…下地処理層 3…ポリオレフィン系接着剤層 4…ポリオレフィ
ン樹脂の防食被覆層 5…保護被覆層 6…ポリウレタン
樹脂の防食被覆層 7…鋼管杭 8…防食被覆層 9…海水面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管に下地処理層、ポリオレフィン系接
    着剤層、膜厚2mm以上のポリオレフィン樹脂の防食被
    覆層を順次有し、防食被覆層の表面の一部に施した深さ
    0.1mm以上のエンボス加工部上に膜厚1.5mm以
    上のガラスクロス、あるいはガラスマット、もしくはそ
    の両者にて強化したビニルエステルもしくはポリエステ
    ル樹脂の保護被覆層を形成させたことを特徴とする高強
    度重防食被覆鋼管杭。
  2. 【請求項2】 鋼管に下地処理層、膜厚2mm以上のポ
    リウレタン樹脂の防食被覆層を順次有し、防食被覆層上
    の一部に膜厚1.5mm以上のガラスクロス、あるいは
    ガラスマット、もしくはその両者にて強化したビニルエ
    ステルもしくはポリエステル樹脂の保護被覆層を順次形
    成させたことを特徴とする高強度重防食被覆鋼管杭。
JP22338193A 1993-09-08 1993-09-08 高強度重防食被覆鋼管杭 Pending JPH0776829A (ja)

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Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19990518