JP2814526B2 - 防汚防食被覆鋼材 - Google Patents

防汚防食被覆鋼材

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、防汚防食被覆鋼材に関し、具体的には火力
発電所の冷却用海水取水管をはじめとする海水輸送管、
あるいは海洋土木構造物(鋼矢板、鋼管矢板)に適用で
きる、良好な生物付着防止効果を有し、毒性もなく、防
食性も良好な被覆鋼材に関する。
(従来の技術) 取水管や水輸送管、とりわけ海水取水管や海水輸送配
管において、配管内壁に動物性あるいは植物性の水中汚
染生物が付着・繁殖することにより、配管の流送効率の
減少や閉塞による事故等の大きな被害が生じることは周
知である。また鋼矢板、鋼管矢板といった重防食被覆海
洋構造物においても、海洋生物付着による美観の損失
や、防食被覆層の破損の害が問題になっている。
このような問題に対する対策としては、亜酸化銅や有
機錫等の毒性物質を含む塗料を構造物の没水部表面に被
覆することにより、海洋生物の付着を防止する方法があ
る。この亜酸化銅や有機錫等を利用した防汚被覆は、こ
れら有毒物質が水中に徐々に溶出していくことにより、
その効果を発揮するものであるが、微量とは言え有毒物
質の溶出は環境衛生上好ましくない。また、この方法
は、被覆中に含有する有毒物質が溶出によりすべて失わ
れると防汚性の効果がなくなるため、2〜3年毎には再
塗装が必要になるという欠点があった。
一方、海水配管に対する海洋生物付着対策としては、
取水口より直接塩素ガスを注入する方法、あるいは海水
中で電解を行い、それにより得られる塩素ガスを混入さ
せる方法、または特に防汚対策は施さずに、防食塗装の
みを施した配管に対して定期的に送水を休止し、付着し
た生物を機械的に除去する方法等が試みられてきた。し
かし、このような塩素注入法や機械的除去法はコスト的
に不利であり、海水配管に関しても、メンテナンスフリ
ーの防汚被覆法の開発が望まれていた。
近年、無毒性防汚塗料として、シリコーンゴム単独ま
たはシリコーンゴムとシリコーンオイルとの混合物から
なる撥水性物質を被覆する方法が提案されている(米国
特許第3702778号明細書および特開昭51−96830号公
報)。しかし、この方法には、皮膜の付着性、耐食性等
に種々の問題があった。この問題を解決するために、特
開昭55−41666号公報には、ポリビニルブチラールにシ
リコーンゴム1.5〜5重量%を他の添加剤とともに配合
させた中塗り用塗料組成物が開示されている。これは、
下塗りの防食塗膜と前記上塗りのシリコーンゴム塗膜と
の中間層に存在させ、両塗膜相互の付着を強固にするバ
インダー層として作用させるものである。また、特公昭
57−16868号には、同様の目的でポリビニルブチラール
−シリコーンゴム混合系、ポリウレタン系、またはクロ
ロプレン系の中塗り塗膜を含む防食防汚塗膜が開示され
ている。
このような中塗り層の存在により、上塗りのシリコー
ンゴム防汚塗膜の下塗りの防食塗膜に対する付着性を改
善することができるが、この防汚塗膜の海洋生物付着防
止効果が不十分であることから、特公昭60−3433号に
は、上塗りのシリコーンゴム塗膜の防汚効果低下を改善
するために、シリコーンゴムに、流動パラフィンやペト
ロラタムなどの石油直溜系低臨界表面張力物質を含有さ
せた塗料について記載されている。
(発明が解決しようとする課題) 前記海洋生物付着防止のためのシリコーン撥水型防汚
被覆は、それ自身が耐食性に劣るため、前記のように、
通常は防食塗料の下塗り(例えばタールエポキシ被覆)
を行うことで防食性を発現させている。しかし、タール
エポキシ等の海水配管用の慣用の防食塗料は皮膜が軟か
いため、海水生物であるフジツボやカラス貝等が少しで
も付着すると、侵入した生物が食い込んで、その部分か
ら下地腐食が進行するという問題点があり、長期耐久性
には劣っている。そのため、現在でも、海水配管の防汚
対策としては、塩素注入、あるいは人力による付着した
生物の機械的除去が一般的である。
また鋼矢板、鋼管矢板等は、従来は無塗装で使われる
ことが多かったが、近年重防食塗装を施こした鋼矢板、
鋼管矢板が使われるようになってきた。これらは耐食性
と共に耐衝撃性が要求されることから、ウレタン被覆や
ポリエチレン被覆が施されている。このような重防食被
覆海洋構造物に関しても、生物付着による美観の損失や
被覆の損傷が問題となっているのにもかかわらず、現在
のところ防汚被覆はほとんど施されていない。
一方、前記上塗りとしてのシリコーン撥水塗料による
塗装は、工場内で行った場合、工場内の塵埃が塗膜面に
付着したり、塗膜表面が空気により酸化される等の影響
により皮膜となったときの撥水性が低下し、それにより
防汚性能が低下するため、現地施工でしかできなかっ
た。しかし、現地施工は施工管理や品質管理が難しいた
め、工場塗装による生産が望まれていた。
本発明の目的は、安全無害で、防汚・防食特性に優
れ、工場塗装可能な、安価で品質の安定した防汚防食被
覆鋼材を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成するために検討を重ね
た結果、前記下塗り(防食被覆層)−中塗り(シリコー
ン含有バインダー層)−上塗り(シリコーン撥水塗料に
よる防汚被覆層)構成の防汚防食被覆において、前記
下塗り層としてガラスフレークを10〜50重量%含有する
タールエポキシ塗料、またはウレタン塗料もしくはポリ
エチレン樹脂から構成することにより、下地腐食を効果
的に阻止し、長期間の耐食性を確保できること、さらに
は耐衝撃性を改善できることを知り、また工場内での
塗装時における上塗り被覆表面への塵埃の付着や被覆表
面の酸化を防止するために、上塗りであるシリコーン撥
水塗料を塗布した直後に、塗膜表面に酸素遮断性の保護
フィルムを被覆し、その状態で塗膜を硬化させたとこ
ろ、保護フィルムを除いた使用状態において、上塗り被
覆による防汚性能を長期的に保持できることを見い出
し、本発明を完成した。
本発明の要旨は、1つの面からは、鋼材に対し、ウレ
タン塗料またはポリエチレン樹脂である防食材料を塗装
または被覆して成る下塗り層、該下塗り層の上にシリコ
ーンゴムを3重量%以上含有する塗料を塗装して成る中
塗り層、そして該中塗り層の上にシリコーンゴム塗料を
塗布して成る上塗り層を備えた防汚防食被覆鋼材であ
る。
また別の面からは、本発明の要旨は、鋼材に対し、防
食塗料を塗装して成る下塗り層と、該下塗り層の上にシ
リコーンゴムを3重量%以上含有する塗料を塗装して成
る中塗り層と、該中塗り層の上に、シリコーンゴム塗料
を塗布してなる上塗り層を設け、該上塗り層を塗布した
直後に、塗膜表面に酸素遮断性の保護フィルムを被覆し
て成る防汚防食被覆鋼材である。
(作用) 本発明の防汚防食被覆鋼材は、鋼材の上に防食被覆層
である下塗り、バインダー層である中塗り、および防汚
被覆層である上塗りを施したものである。本発明におい
て、前記三層被覆を施す鋼材の種類および形状は特に制
限されない。板、棒、管、鋼矢板、鋼管矢板等が例示さ
れる。
本発明においては、前記三層構造塗装の下塗りとなる
防食塗料としてガラスフレークを10〜50重量%含有する
タールエポキシ塗料を用いる。このような塗料を用いる
と、船底や海水配管などの防汚防食被覆の下塗り用防食
塗料として従来用いられている、タールエポキシ系、塩
化ゴム系、塩化ビニル系、エポキシ系などの塗料を用い
た場合と比較して、高い防食性が得られる。
ガラスフレークの含有量が10重量%より少ないと耐食
性が劣り、50重量部より多くなると塗装性が悪化する。
ガラスフレークは鱗片形状を有した偏平なガラス粉末
であり、これを含有した塗料を鋼材に塗布すると、鋼板
面にガラスフレークが平行に配列することにより、水分
や塩素イオンの透過を著しく抑制して防食性を向上する
ことができる。それと共に、皮膜の硬度を向上し、万一
生物が付着した場合でも、生物の食い込みによる皮膜の
損傷と腐食を防止することができることを確認した。
本発明において、ガラスフレークとしては、一般のガ
ラスフレークを用いることができ、その表面をシランカ
ップリング処理したものを用いることが好ましい。ま
た、この防食塗料は、一般のタールエポキシ塗料に前記
ガラスフレークを所定の割合で混合することにより簡単
に得ることができる。
一方、本発明の防汚防食被覆鋼材を、鋼矢板や鋼管矢
板のような海洋構造物に適用する場合には、打設時の打
撃に耐えうる必要があるため、その被覆には耐衝撃性が
要求される。そのため、前記のように、従来は、耐食性
と耐衝撃性とに優れるウレタン塗料やポリエチレン樹脂
による2.5mm程度以上の厚膜被覆が行われていた。
本発明の別の態様においては、前記三層構造塗装の下
塗りとして、このようなウレタン塗料またはポリエチレ
ン樹脂を施すことにより、鋼矢板等に適用可能な防汚防
食被覆鋼材が得られる。また、この場合には、下塗り塗
膜厚は1mm以上であればよい。下塗り層の防食被覆の厚
みは500μm〜3mmであることが好ましい。500μmより
薄いと十分な耐食性が得られず、3mmより厚いと経済性
の点で不利となる。なお、ウレタン塗料と鋼材との接着
力を向上させるために、プライマー塗装後ウレタン塗料
を塗装する方が好ましい。またポリエチレン樹脂を下塗
層として用いる場合は鋼板にプライマー塗装後、変性ポ
リエチレン樹脂/ポリエチレン樹脂/変性ポリエチレン
樹脂を溶融押出しで被覆後中塗層、上塗層を塗装するの
が一般的である。
第1図に示すように、上塗り層の塗膜を、表面に保護
フィルムを被覆した状態で硬化することにより製造し、
使用時には、この保護フィルムをはがして用いるように
構成してもよい。本発明の上記態様によれば、このよう
に、上塗り被覆硬化時に保護フィルムを被覆することに
より、従来問題となっていた工場塗装時における上塗り
層表面への塵埃の付着、および上塗り層表面の酸化に伴
う防汚性能の低下を防ぐことができる。
下塗り用の塗料としては、従来の防食塗料が使用で
き、防食被覆の厚みは500μm〜3mmであることが好まし
い。500μmより薄いと十分な耐食性が得られず、3mmよ
り厚いと経済性の点で不利となる。
中塗り用の塗料としては、シリコーンゴムを3重量%
以上含有する塗料を塗布する。シリコーンゴムの含有量
が3重量%より少ないと、上塗りとの接着性が低下す
る。一方、30重量%を超えると下塗りとの密着性が低下
するため、好ましくは3〜30重量%とする。中塗り塗料
に含有させるシリコーンゴムは、上塗りに使用するシリ
コーンゴム塗料と同一のものを使用することが好まし
い。中塗り塗料のベースとなる樹脂としては、ウレタ
ン、エポキシ、塩化ビニル、ポリエステル樹脂等を用い
ることができるが、下塗りとして使用する塗料の種類に
応じ、下塗り層との接着性が良好なものを用いる。中塗
り層の厚みは20μm以上であることが好ましく、これよ
り薄いと接着性に欠ける。また100μmより厚いと経済
性の点で好ましくない。
上塗り用の塗料としては、シリコーンゴム塗料を用い
る。
フジツボやアオノリ等の貝類や海藻類が通常の固体表
面に付着すると、その幼生や胞子は付着直後に蛋白質性
の粘性物質を分泌し、海水中で生化学合成が行われ、接
着性セメントを生成して固着し、生長する。しかし、シ
リコーンゴムのように表面張力が低い(水との接触角が
100〜105゜)固体表面は、撥水性を有するため、前記生
物の分泌物の付着性を減退させる。また、仮に生物が付
着した場合でも、その付着力は非常に弱いため、流速等
の影響で簡単に脱離する。
上塗り塗料がシリコーンゴム100%であると、長期使
用において被覆が劣化する傾向があるが、シリコーンオ
イルやパラフィン等を5〜30重量%添加することによ
り、長期耐久性を向上させることができる。
この長期使用におけるシリコーンゴムの劣化、および
シリコーンオイルやパラフィン等の添加による劣化防止
機構については明白ではないが、劣化に関しては、酸化
により生成したOH基が表面撥水性を低減させ、防汚性を
低下させるものと考えられる。したがって、本発明にあ
っては上塗り層の表面を塗布直後に酸素遮断性フィルム
で覆うのである。
上塗り被覆の厚みは50μm以上が好ましく、これより
薄いと防汚性が低下し、経済性の点では300μmより薄
いことが好ましい。
本発明においては、鋼板表面に以上のような構成の塗
装を施すが、塗装方法は特に制限されず、従来採られて
いる方法で行うことができる。なお、内面被覆管の場合
には、管を回転しながらポールガン等によりエアレスス
プレー塗装することにより、鋼矢板、鋼管矢板の場合に
は、通常のエアレススプレー塗装で被覆することができ
る。
下塗り、中塗り、上塗りの塗装インターバルは、通
常、24時間とることが好ましいが、溶剤タイプの塗料を
下層に使用する場合には、その乾燥硬化時間以上であれ
ばよい。
本発明においては、前述のように、上塗りのシリコー
ンゴム塗膜表面に保護フィルムを被覆し、このフィルム
が付いた状態で上塗り塗料を硬化させる。上塗りのシリ
コーンゴム防汚塗料を塗布した後、塗膜の硬化過程にお
いて塵埃が付着すると、塵埃がアンカー的に表面に取り
込まれ、得られる皮膜は部分的に表面撥水性を失うこと
になる。また、シリコーンゴム塗料は硬化するまでに通
常1〜4日程度かかるため、その間の表面酸化により、
皮膜は表面撥水性が低下することになる。しかし、本発
明においては、上塗り塗料を塗布した直後に、その塗膜
表面に保護フィルムを被覆することにより、このような
不都合を回避することができ、上塗り被覆の防汚性を最
大限に発揮させることができる。
本発明において使用できる保護フィルムとしては酸素
遮断性で、上塗り塗膜硬化後に剥離可能なものであれば
特に制限されず、例えばPET(ポリエチレンテレフタレ
ート)フィルム、ポリエステルフィルム、等が適用でき
る。フィルムの厚みも特に限定されないが、通常10〜50
μm程度のものを用いる。
フィルムによる上塗り層の被覆は例えばロールによる
ラミネート法によるようなフィルム貼付を行えばよい。
また管内面被覆の場合は管の両端をフィルムで覆えばよ
い。この時、予め管内面の空気をN2等の不活性ガス等で
パージしておけば更に防汚性能が向上する。
被覆鋼材の使用時には、この保護フィルムをはがして
使用する。フィルムを付けたままで使用すると、そのフ
ィルムに対して生物付着が進行する。使用時には、塗膜
は完全に硬化しており、使用環境においては表面に海水
の流れがあるため、被覆鋼材表面へのゴミの付着はな
く、酸化劣化の進行も遅い。
本発明においては、このように製造時に上塗り塗膜上
に保護フィルムを被覆した状態で上塗り塗膜を硬化させ
ることにより、防汚性および防食性に優れた被覆鋼材を
工場塗装で生産できるため、安価で均一な品質のものを
得ることができる。
次に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明す
る。
(実施例1) 300mm×300mmで厚み3.2mm、および同じ厚みで150mm×
100mm(促進耐食試験用)の各ブラスト処理したSS−41
鋼板に対し、工場にて、第1表に示す構成になるよう
に、エアレススプレー塗装により被覆を形成させた。な
お下塗り層にウレタン塗料を用いた場合は、鋼板にプラ
イマー塗装を行った後ウレタン塗料を塗装した。また、
下塗り層にポリエチレン樹脂を用いた場合には、鋼板に
スプレー塗装後予熱し、その上に変性ポリエチレン樹脂
およびポリエチレン樹脂のシートを加熱圧着させ被覆し
た。さらに中塗りにも変性ポリエチレン樹脂シートを加
熱圧着後中塗り層を塗装した。
下塗り、中塗り、上塗りの塗装インターバルは各24時
間とった。
各試験片を工場内で7日間放置した後、促進耐食性試
験、および衝撃試験に供した。
促進耐食性試験は、60℃の人工海水中に2年間浸漬し
た試験片の被覆部分をタガネやカッターナイフ等により
機械的に剥離して、鋼板/下塗りの界面の鋼材面(下
地)を観察した。
衝撃試験は、ASTM G−14に従い、12℃において膜厚
(mm)×10KVでホリデーテストを行った。結果を、○:1
kg.m OK、△:0.5〜1kg.m、×:0.5kg.m以下の三段階で評
価した。
結果を第1表に示した。
本発明例1(参考例)は、ガラスフレーク含有タール
エポキシ塗料を下塗りとしたため、耐食性が良かった。
本発明例2および3では、下塗りにウレタン系常温硬化
型塗料を用いたが、被覆厚を1mmとした本発明例3で
は、耐食性だけでなく耐衝撃性も良好であった。しか
し、ウレタン系塗料はガラスフレーク入りタールエポキ
シ塗料と比べて高価であるため、耐衝撃性がさほど必要
とされない海水配管の内面には、安価なガラスフレーク
入りタールエポキシ塗料の適用が好ましい。
本発明例4ではポリエチレン塗料を使った。
一方、比較例2では、中塗りにシリコーンゴムを含ま
ないエポキシ塗料を使用したため、上塗りとの剥離が発
生している。さらに、比較例3は防汚被覆を施こさない
例であり、下地全面に錆が発生していた。また、比較例
4は上塗りのみを行った例であるが、鋼板への付着力が
弱く剥離した。
(実施例2) 300mm×300mmで厚み3.2mm、および同じ厚みで150mm×
100mm(促進耐食試験用)の各ブラスト処理したSS−41
鋼板に対し、工場にて、第2表に示す構成になるよう
に、エアレススプレー塗装により被覆を形成させた。
下塗り、中塗り、上塗りの塗装インターバルは各24時
間とった。
実施例については、上塗り塗料の塗布後即時に、塗膜
上に空気およびゴミが入らないようにして塗膜表面に厚
み25μmのPETフィルムを置いた。
各試験片を工場内で7日間放置した後、保護フィルム
付きのものは試験開始直前にはがして、浸海試験、促進
耐食試験、および衝撃試験に供した。
浸海試験は、三重県鳥羽湾の界面下30cmのところに各
試験片を置き、2年間経過後にとり出して、目視により
表面状態(スライム付着の量、海水生物の付着状態を調
べた。
結果を第2表に示した。
保護フィルムを被覆した状態で上塗り塗膜を硬化させ
て得られた本発明例においては、すべて浸海試験による
海水生物の付着がなく、表面へのスライムの付着も少な
く、防汚性が良好であった。それに比べて比較例1、2
では、保護フィルムを使用しなかったため、防汚性の低
下が見られた。
さらに、比較例3は防汚被覆を施こさない例であり、
生物付着が全面に激しく起こっていた。
本発明例における被覆は、工場で塗装装置を用いて行
うことができる、現地施工に比べて労務費が安価で、膜
厚も均一に塗装できる。そのため品質安定性も向上す
る。
(発明の効果) 本発明によれば、前記下塗り−中塗り−上塗り構成の
防汚防食被覆において、上塗り塗膜表面に保護フィルム
を被覆した状態で上塗り塗膜を硬化させることにより、
防汚性能、防食特性に優れ、安定な品質の被覆鋼材が工
場で安価に製造できる。このようにして得られる本発明
の被覆鋼材は、下塗り塗料を適当に選択することによ
り、海水取水管や、鋼矢板、鋼管矢板等の海洋土木建材
への利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の被覆鋼材の製造時における断面を表
す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 15/08 B32B 15/06 B05D 7/14 B05D 7/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼材に対し、ウレタン塗料またはポリエチ
    レン樹脂である防食材料を塗装または被覆して成る下塗
    り層、該下塗り層の上にシリコーンゴムを3重量%以上
    含有する塗料を塗装して成る中塗り層、そして該中塗り
    層の上にシリコーンゴム塗料を塗布して成る上塗り層を
    備えた防汚防食被覆鋼材。
  2. 【請求項2】鋼材に対し、防食塗料を塗装して成る下塗
    り層と、該下塗り層の上にシリコーンゴムを3重量%以
    上含有する塗料を塗布して成る中塗り層と、該中塗り層
    の上に、シリコーンゴム塗料を塗布してなる上塗り層を
    設け、該上塗り層を塗布した直後に、塗膜表面に酸素遮
    断性の保護フィルムを被覆して成る防汚防食被覆鋼材。
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