JP2019143086A - シリコーン系シール材 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬化特性およびシール特性に悪影響を及ぼさずに酸素透過阻止性能を高めることのできるシリコーン系シール材を提供する。【解決手段】本発明は、自己接着シリコーンゴム製のシール層10と、シール層10の片面を覆う自己接着シリコーンゴム若しくは硬化シリコーンゴムの被覆層11とを備え、被覆層11の厚さ方向内部若しくは被覆層11とシール層10との境界に酸素透過抑制層12を有するシリコーン系シール材1に関する。【選択図】図1
Description
本発明は、孔、隙間あるいは窪み等をシールするシリコーン系シール材に関する。
従来から、未硬化の状態で自立した形状に賦形されたシリコーン系接着剤が知られている(例えば特許文献1を参照)。この種の接着剤は、液状の接着剤と異なり、接着剤の使用直後から硬化までの間に液だれの問題が無く、またチューブ等の容器から適量の接着剤を吐出させる手間も無い。このため、上記シリコーン系接着剤は、例えばコンクリート製の建造物の施工時に生じる隙間をシールし、あるいは当該建造物の経年劣化に伴って発生する孔やヒビをシールするのに好適に用いられている。
上記シリコーン系接着剤の代表例は、湿気硬化型のシリコーンゴム層であり、シート状あるいはそれより幅の狭い紐状に成形されている。当該シリコーンゴム層は、その一方若しくは両方の接着面にフィルム状の基材を備える。フィルム状の基材を備えるシリコーン系接着剤は、保存時には防湿袋に封入されており、使用時に防湿袋から取り出される。上記基材および防湿袋は、いずれも、シリコーンゴム層が湿気を吸収して硬化するのを防止する機能を有する。
しかし、上記シリコーン系接着剤には、シール材として使用される場合に、さらなる改良が求められている。それは、酸素透過阻止性能を高めることである。一般的に、シリコーンゴムのような非極性ゴムは、ブチルゴム、フッ素ゴム、高ニトリルゴムのような極性ゴムに比べて、ガス透過性の高いゴムに分類される。このため、大気中から、シリコーン系シール材にてシールした部位に酸素が供給されて、シール後であっても損傷が完全に停止せずにわずかながらでも進行する可能性がある。
一方、酸素透過阻止性能を高めるためにシリコーン系シール材の表側の面あるいは補修対象との境界面に、樹脂や金属製のフィルムを貼る方法も考えられる。しかし、シリコーン系シール材の表側の面に当該フィルムを貼ると、シール材自体への水分の供給も遮断されてしまい、硬化不全若しくは硬化に長時間を要する。また、上記境界面に当該フィルムを介在させると、シール性能が低下するという問題が生じる。
本発明は、上記改良の要求に対応するためになされたものであり、硬化特性およびシール特性に悪影響を及ぼさずに酸素透過阻止性能を高めることのできるシリコーン系シール材を提供することを目的とする。
(1)前記目的を達成するための一実施形態に係るシリコーン系シール材は、自己接着シリコーンゴム製のシール層と、シール層の片面を覆う層であって自己接着シリコーンゴム若しくは硬化シリコーンゴムの被覆層とを備え、被覆層の厚さ方向内部若しくは被覆層とシール層との境界に酸素透過抑制層を有する。
(2)別の実施形態に係るシリコーン系シール材は、好ましくは、被覆層を前記硬化シリコーンゴムとし、酸素透過抑制層を被覆層の厚さ方向内部に埋設している。
(3)別の実施形態に係るシリコーン系シール材は、好ましくは、被覆層を自己接着シリコーンゴムとし、酸素透過抑制層を被覆層とシール層との境界に備える。
(4)別の実施形態に係るシリコーン系シール材は、好ましくは、酸素透過抑制層をポリエステル若しくはポリウレタンから成る層とする。
(5)別の実施形態に係るシリコーン系シール材は、好ましくは、酸素透過抑制層をポリエステルからなる層とし、その層の厚さ方向に貫通する貫通孔を複数備える。
(6)別の実施形態に係るシリコーン系シール材は、好ましくは、シール層における被覆層と反対側の面に、使用時に剥離するフィルム基材を備える。
本発明によれば、シリコーン系シール材において、硬化特性およびシール特性に悪影響を及ぼさずに酸素透過阻止性能を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、当該実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るシリコーン系シール材の斜視図(1A)および該シール材を(1A)中のA−A線で切断した際のA−A線断面図(1B)をそれぞれ示す。
第1実施形態に係るシリコーン系シール材1は、自己接着シリコーンゴム製のシール層10と、そのシール層10の片面を覆う層であって硬化シリコーンゴムの被覆層11と、を備える。シリコーン系シール材(以後、単に「シール材」とも称する。)1は、被覆層11の厚さ方向内部に、酸素透過抑制層12を埋設している。また、シール材1は、シール層10における被覆層11と反対側の面(すなわち、コンクリート等の被修復部分に貼る面)に、シール層10を使用する際に剥離するフィルム基材13を備える。シール材1を構成する要素は、図1では、平面視にて矩形であるが、三角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形などの如何なる形状でも良い。
(1)シール層
シール層10は、シート形状に賦形された半固形状(半硬化状ともいう)の湿気硬化型のシリコーンゴムである。その成分については特に制約はないが、一例として、以下の縮合反応型の自己接着シリコーンゴムから成る材料を挙げることができる。
シール層10は、シート形状に賦形された半固形状(半硬化状ともいう)の湿気硬化型のシリコーンゴムである。その成分については特に制約はないが、一例として、以下の縮合反応型の自己接着シリコーンゴムから成る材料を挙げることができる。
シール層20を好適に構成する縮合反応型の自己接着シリコーンゴムは、主に以下の成分から構成される。
(a)オルガノポリシロキサン
縮合反応型の自己接着シリコーンゴムの主剤成分であり、下記の化学式(1)または化学式(2)により表されるジオルガノポリシロキサンである。
縮合反応型の自己接着シリコーンゴムの主剤成分であり、下記の化学式(1)または化学式(2)により表されるジオルガノポリシロキサンである。
上記の化学式(1),(2)において、Rは一価の炭化水素基である。Rとしては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブチル基、オクチル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基(ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、アリル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフェニル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェニルエチル基等)、および、上記炭化水素基の炭素原子に結合している水素原子の少なくとも一部をハロゲンやシアノ基等で置換したもの(クロロメチル基、トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基等)から選択される一または複数の炭化水素基を挙げることができる。Rの炭素数としては、1〜12であることが好ましく、1〜10であることが一層好ましい。上記の化学式(1),(2)においては、Aは酸素原子または−(CH2)m−(mは1〜8)で表されるポリメチレン基(メチレン基を含む)である。Aは、酸素原子またはエチレン基であることが好ましい。
上記の化学式(1),(2)において、nは(a)成分の25℃における動粘度を100〜1000000cm2/sの範囲内とする任意の数である。当該動粘度は、500〜500000cm2/sの範囲内とすることが一層好ましい。
上記の化学式(1),(2)において、Bは加水分解性基である。Bとしては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基等)、アルケニルオキシ基(イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等)を挙げることができる。なお、上記の化学式(1),(2)におけるxは2または3である。
上記(a)成分は、公知の方法(例えば、環状シロキサンまたは線状オリゴマーと酸触媒または塩基触媒とを用いた平衡反応による方法)により製造することができる。なお、(a)成分であるジオルガノポリシロキサンに分岐構造を導入する場合には、常法として、重合中にSiO3/2単位およびSiO4/2単位のうち少なくとも一方を含むシランまたはシロキサンをジオルガノポリシロキサンがゲル化しない程度に添加する方法を用いることができる。(a)成分については、汚れを低減するため、洗浄等により低分子シロキサンを除去してから用いることが好ましい。
(b)架橋剤
架橋剤としては、加水分解性基を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するシラン、または、当該シランの部分加水分解縮合物を用いる。加水分解性基の例としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基等)、アルケニルオキシ基(イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等)、アミノ基(N−ブチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、アミド基(N−メチルアセトアミド基等)を挙げることができる。これらの中では、アルコキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基を用いることが好ましい。架橋剤の配合量は、(a)成分100質量部に対して1〜50質量部の範囲内にあることが好ましく、2〜30質量部の範囲内にあることが一層好ましく、5〜20質量部の範囲内にあることがより一層好ましい。
架橋剤としては、加水分解性基を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するシラン、または、当該シランの部分加水分解縮合物を用いる。加水分解性基の例としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基等)、アルケニルオキシ基(イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等)、アミノ基(N−ブチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、アミド基(N−メチルアセトアミド基等)を挙げることができる。これらの中では、アルコキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基を用いることが好ましい。架橋剤の配合量は、(a)成分100質量部に対して1〜50質量部の範囲内にあることが好ましく、2〜30質量部の範囲内にあることが一層好ましく、5〜20質量部の範囲内にあることがより一層好ましい。
(c)硬化触媒
硬化触媒は必須ではないが、硬化触媒を用いることにより、自己接着シリコーンゴムの硬化を促進することができる。硬化触媒の例としては、アルキル錫エステル化合物(ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等)、チタン酸エステルまたはチタンキレート化合物(テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等)、その他の適切な有機金属化合物(ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等)、アミノアルキル基置換アルコキシシラン(3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、アミン化合物またはその塩(ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等)、第4級アンモニウム塩(ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等)、アルカリ金属の低級脂肪酸塩(酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸リチウム等)、のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン(ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等)、グアニジル基を有するシランまたはシロキサン(テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等)を挙げることができる。これらは、1種のみで用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。硬化触媒の配合量は、(a)成分100質量部に対して0〜20質量部の範囲内にあることが好ましく、0.001〜10質量部の範囲内にあることが一層好ましく、0.01〜5質量部の範囲内にあることがより一層好ましい。
硬化触媒は必須ではないが、硬化触媒を用いることにより、自己接着シリコーンゴムの硬化を促進することができる。硬化触媒の例としては、アルキル錫エステル化合物(ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等)、チタン酸エステルまたはチタンキレート化合物(テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等)、その他の適切な有機金属化合物(ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等)、アミノアルキル基置換アルコキシシラン(3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、アミン化合物またはその塩(ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等)、第4級アンモニウム塩(ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等)、アルカリ金属の低級脂肪酸塩(酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸リチウム等)、のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン(ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等)、グアニジル基を有するシランまたはシロキサン(テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等)を挙げることができる。これらは、1種のみで用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。硬化触媒の配合量は、(a)成分100質量部に対して0〜20質量部の範囲内にあることが好ましく、0.001〜10質量部の範囲内にあることが一層好ましく、0.01〜5質量部の範囲内にあることがより一層好ましい。
(d)充填剤
充填剤は、必須ではないが、補強等の目的で好適に用いることができる。充填剤の例としては、補強剤(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、これらのシリカの表面を有機珪素化合物で疎水化処理したシリカ、石英粉末、タルク、ゼオライト、ベントナイト等)、繊維質充填剤(アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等)、塩基性充填剤(炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セライト等)を挙げることができる。これらの中では、シリカ、炭酸カルシウムおよびゼオライトを用いることが好ましく、表面を疎水化処理したヒュームドシリカおよび炭酸カルシウムを用いることが一層好ましい。上記充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択することができるが、(a)成分に対して1〜90体積%の範囲内にあり、5〜60体積%の範囲内にあることが好ましい。
充填剤は、必須ではないが、補強等の目的で好適に用いることができる。充填剤の例としては、補強剤(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、これらのシリカの表面を有機珪素化合物で疎水化処理したシリカ、石英粉末、タルク、ゼオライト、ベントナイト等)、繊維質充填剤(アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等)、塩基性充填剤(炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セライト等)を挙げることができる。これらの中では、シリカ、炭酸カルシウムおよびゼオライトを用いることが好ましく、表面を疎水化処理したヒュームドシリカおよび炭酸カルシウムを用いることが一層好ましい。上記充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択することができるが、(a)成分に対して1〜90体積%の範囲内にあり、5〜60体積%の範囲内にあることが好ましい。
(e)接着性付与成分
接着性付与成分は必須ではないが好適に用いられる。接着性付与成分の例としては、アミノ基含有オルガノアルコキシシラン(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、メルカプト含有オルガノアルコキシシラン(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、アミノ基含有オルガノアルコキシシランとエポキシ基含有オルガノアルコキシシランとの反応混合物を挙げることができる。接着性付与成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲内にあることが好ましい。
接着性付与成分は必須ではないが好適に用いられる。接着性付与成分の例としては、アミノ基含有オルガノアルコキシシラン(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、メルカプト含有オルガノアルコキシシラン(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、アミノ基含有オルガノアルコキシシランとエポキシ基含有オルガノアルコキシシランとの反応混合物を挙げることができる。接着性付与成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲内にあることが好ましい。
(2)被覆層
被覆層11は、この実施形態では、硬化シリコーンゴム、すなわち、硬化済みのシリコーンゴムの層である。被覆層11は、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴム層であれば、上述の縮合反応型の自己接着シリコーンゴム(縮合反応によって硬化可能な硬化性オルガノポリシロキサンを含む組成物)を用いて得られたものか、あるいは付加反応によって硬化可能な硬化性オルガノポリシロキサンを含む組成物を用いて得られたものかを問わない。シール材1の片面を被覆層11にて覆うのは、シール材1は被覆層11側の面をシール面とする必要がなく、かつ酸素透過抑制層12を確実に保持する必要からである。
被覆層11は、この実施形態では、硬化シリコーンゴム、すなわち、硬化済みのシリコーンゴムの層である。被覆層11は、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴム層であれば、上述の縮合反応型の自己接着シリコーンゴム(縮合反応によって硬化可能な硬化性オルガノポリシロキサンを含む組成物)を用いて得られたものか、あるいは付加反応によって硬化可能な硬化性オルガノポリシロキサンを含む組成物を用いて得られたものかを問わない。シール材1の片面を被覆層11にて覆うのは、シール材1は被覆層11側の面をシール面とする必要がなく、かつ酸素透過抑制層12を確実に保持する必要からである。
被覆層11は、好ましくは、シール層10と同一厚さの層、若しくはシール層10より厚さの小さい層である。被覆層11の厚さをシール層10の厚さと同一若しくはそれ以下とすると、シール材1からフィルム基材13を剥離して補修部位に貼る場合に、相対的に被覆層11よりも柔軟性に富むシール層10を補修部位に追従させて密着させやすい。
(3)酸素透過抑制層
酸素透過抑制層12は、フィルム基材13を除去した状態のシール材1を補修部位に貼り付けて硬化させた後、大気中の酸素がシール材1を透過して補修部位に到達するのを抑制する機能を有する。酸素透過抑制層12は、この実施形態では、被覆層11の厚さの内部に埋設されている。すなわち、酸素透過抑制層12の厚さ方向両側に被覆層11が存在する。酸素透過抑制層12の厚さは、好ましくは、当該層の酸素透過抑制機能とシール層10への水分供給機能との両立から決定される。酸素透過抑制層12の厚さは、好ましくは50〜1000μm、より好ましくは20〜500μmである。
酸素透過抑制層12は、フィルム基材13を除去した状態のシール材1を補修部位に貼り付けて硬化させた後、大気中の酸素がシール材1を透過して補修部位に到達するのを抑制する機能を有する。酸素透過抑制層12は、この実施形態では、被覆層11の厚さの内部に埋設されている。すなわち、酸素透過抑制層12の厚さ方向両側に被覆層11が存在する。酸素透過抑制層12の厚さは、好ましくは、当該層の酸素透過抑制機能とシール層10への水分供給機能との両立から決定される。酸素透過抑制層12の厚さは、好ましくは50〜1000μm、より好ましくは20〜500μmである。
酸素透過抑制層12は、好ましくは、ポリエステル若しくはポリウレタンから成る層である。ポリエステルの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ましく、PETがより好ましい。PETは、比較的価格が安価で、酸素透過抑制機能に優れ、かつシール材1の補強機能にも優れるからである。
酸素透過抑制層12をポリエステルからなる層とする場合、その層の厚さ方向に貫通する貫通孔を複数備えるのが好ましい。シール層10が硬化するまでの期間、PETに代表されるポリエステルからなる層の通気性を確保しつつ、硬化後に酸素の透過を抑制する機能をも発揮させるためである。貫通孔の数や大きさ(円換算の直径)は、シール層10側への上記通気性と酸素透過抑制機能の両立から適宜決定できる。例えば、酸素透過抑制層12の開口率(酸素透過抑制層12の全体に対する貫通孔の総面積の割合)を0.1〜30%、好ましくは2〜25%、貫通孔の平均直径(円換算の平均直径を意味する)を0.1〜2000μmの範囲、好ましくは0.2〜1000μmの範囲に、それぞれ設定できる。
(4)フィルム基材
フィルム基材13は、シール層10から剥離可能であってシール層10に剥離不能に接着せず、かつ簡単に剥離しない程度にシール層10に貼り付く材料にて構成される。フィルム基材13の構成材料としては、ポリカーボネート系、ポリエステル系あるいはオレフィン系の樹脂が好ましく、それらの中でもポリプロピレン(PP)が好ましく、さらにはニ軸延伸ポリプロピレン(OPP)がより好ましい。フィルム基材13は、その一部を把持してシール層10から剥離するのに好適なサイズであるのが好ましい。例えば、フィルム基材13は、シール層10の平面視にて全周囲に亘ってシール層10より大きいか、あるいは平面視にて一部分だけがシール層10の周囲から突出しているのが好ましい。
フィルム基材13は、シール層10から剥離可能であってシール層10に剥離不能に接着せず、かつ簡単に剥離しない程度にシール層10に貼り付く材料にて構成される。フィルム基材13の構成材料としては、ポリカーボネート系、ポリエステル系あるいはオレフィン系の樹脂が好ましく、それらの中でもポリプロピレン(PP)が好ましく、さらにはニ軸延伸ポリプロピレン(OPP)がより好ましい。フィルム基材13は、その一部を把持してシール層10から剥離するのに好適なサイズであるのが好ましい。例えば、フィルム基材13は、シール層10の平面視にて全周囲に亘ってシール層10より大きいか、あるいは平面視にて一部分だけがシール層10の周囲から突出しているのが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るシリコーン系シール材について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係るシリコーン系シール材について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図2は、本発明の第2実施形態に係るシリコーン系シール材の斜視図(2A)および該シール材を(2A)中のA−A線で切断した際のA−A線断面図(2B)をそれぞれ示す。
第2実施形態に係るシリコーン系シール材(第1実施形態と同様、「シール材」と称する。)1aは、自己接着シリコーンゴム製のシール層10aと、シール層10aの片面を覆う層であって自己接着シリコーンゴムの被覆層10bと、を備える。シール材1aは、被覆層10bとシール層10aとの境界に酸素透過抑制層12を有する。酸素透過抑制層12の厚さは、被覆層10bの厚さに対して大きいか否かを問わない。また、シール材1aは、シール層10における被覆層10bと反対側の面(すなわち、コンクリート等の被修復部分に貼る面)に、シール層10を使用する際に剥離するフィルム基材13を備える。
シール層10aおよび被覆層10bは、共に、シート形状に賦形された半固形状(半硬化状ともいう)の湿気硬化型のシリコーンゴムからなる。その一例は、第1実施形態で説明した縮合反応型の自己接着シリコーンゴムから成る材料である。シール層10aと被覆層10bとは、完全に同じ成分であるか否かを問わない。シール層10aと被覆層10bとが同じ成分である場合には、酸素透過抑制層12は、シール層10aと被覆層10bとの総厚のシール層10の厚さの内部に備えられていることになる。
この実施形態では、被覆層10bの厚さは、シール層10aの厚さより小さいが、シール層10aの厚さに対して同一あるいは大きくても良い。また、この実施形態では、酸素透過抑制層12の厚さは、被覆層10bおよびシール層10aの厚さに対して小さいが、同一若しくは大きくても良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るシリコーン系シール材について説明する。第3実施形態において、前述の各実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態に係るシリコーン系シール材について説明する。第3実施形態において、前述の各実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図3は、第3実施形態に係るシリコーン系シール材の斜視図およびその一部Bの拡大図を示す。
第3実施形態に係るシリコーン系シール材(前述の各実施形態と同様、「シール材」と称する。)1bは、渦巻状に巻いた形態を有しており、フィルム基材13を備えていない。シール層10のシール面は、シール材1b自身の被覆層11に接している状態で保存されているため、シール層10に大気中の水分が接触する可能性が低いからである。ただし、シール材1bは、使用時まで、大気に晒さないように密封されているのが好ましい。
シール材1bは、第1実施形態に係るシール材1より細長いが、同じ積層構造を有する。ただし、シール材1bの積層構造を第2実施形態に係るシール材1aと同じ構造にしても良い。その場合には、被覆層10bが外に露出しているため、埃や水分と接触しにくいようにシール基材13に相当する基材をシール1bの最表面に貼るか、あるいは容器内にて確実に密封するのが好ましい。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されることなく、種々変形を施して実施可能である。
以上、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されることなく、種々変形を施して実施可能である。
例えば、酸素透過抑制層12は、上述の各実施形態において、平面視にてシール層10,10aおよび被覆層11,10bと同じ形状かつ同じ面積でシール材1,1a,1b中に備えられている。しかし、酸素透過抑制層12は、平面視にてシール層10,10aおよび被覆層11,10bより小さい面積でシール材1,1a,1b中に備えられていても良い。特に、酸素透過抑制層12がシール層10,10aの硬化を阻害するほどに通気性(水分透過性と称しても良い)を阻害する場合には、酸素透過抑制層12を平面視にてシール層10,10aおよび被覆層11,10bより小さい面積で備えるのが有効である。酸素透過抑制層12にて覆われていない部分からシール層10,10aに水分が供給されるからである。ただし、酸素透過抑制層12の厚さ方向に貫通する貫通孔を同層12に形成している場合には、その必要はない。
酸素透過抑制層12は、第1実施形態において、被覆層11とシール層10との境界に備えられていても良い。このような場合、酸素透過抑制層12とシール層10あるいは被覆層11との間にプライマー等の易接着層を設けて、酸素透過抑制層12とそれを挟む層10,11との接着力を高めるのが好ましい。ただし、シール材1,1a,1bを長期保存中に、プライマー等の接着剤が失活する可能性もあるので、過度に長期の保存を避けるのが好ましい。
本発明は、例えば、封止材として用いることができる。
1,1a,1b・・・シリコーン系シール材、10,10a・・・シール層、11,10b・・・被覆層、12・・・酸素透過抑制層、13・・・シール基材。
Claims (6)
- 自己接着シリコーンゴム製のシール層と、
前記シール層の片面を覆う層であって自己接着シリコーンゴム若しくは硬化シリコーンゴムの被覆層と、
を備え、
前記被覆層の厚さ方向内部若しくは前記被覆層と前記シール層との境界に酸素透過抑制層を有するシリコーン系シール材。 - 前記被覆層を前記硬化シリコーンゴムとし、
前記酸素透過抑制層を前記被覆層の厚さ方向内部に埋設している請求項1に記載のシリコーン系シール材。 - 前記被覆層を前記自己接着シリコーンゴムとし、
前記酸素透過抑制層を前記被覆層と前記シール層との境界に備える請求項1に記載のシリコーン系シール材。 - 前記酸素透過抑制層をポリエステル若しくはポリウレタンから成る層とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシリコーン系シール材。
- 前記酸素透過抑制層をポリエステルからなる層とし、その層の厚さ方向に貫通する貫通孔を複数備える請求項4に記載のシリコーン系シール材。
- 前記シール層における前記被覆層と反対側の面に、使用時に剥離するフィルム基材を備える請求項1から5のいずれか1項に記載のシリコーン系シール材。
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JPH02238941A (ja) * | 1989-03-13 | 1990-09-21 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 防汚防食被覆鋼材 |
JP2014125638A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Nitto Denko Corp | シーリングシート |
-
2018
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