JPH0776741A - 焼結によるチタン部品の製造方法およびこの種の製造方法を用いて作られる装飾品 - Google Patents

焼結によるチタン部品の製造方法およびこの種の製造方法を用いて作られる装飾品

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JPH0776741A JP6184127A JP18412794A JPH0776741A JP H0776741 A JPH0776741 A JP H0776741A JP 6184127 A JP6184127 A JP 6184127A JP 18412794 A JP18412794 A JP 18412794A JP H0776741 A JPH0776741 A JP H0776741A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より美観の高いチタン製品を得るための方法
を提供する。 【構成】 （ａ）水素化チタン粉を一時的な結合剤と混
合し、（ｂ）得られた混合物を所望の形状が得られるよ
うな金型に射出し、（ｃ）結合剤を除去し、（ｄ）部品
を水素雰囲気中で所望の焼結温度まで加熱し、（ｅ）焼
結温度に達したら、水素雰囲気を真空または非反応性雰
囲気に置換し、（ｆ）部品を非反応性雰囲気ガス中で冷
却することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体工学を利用するチ
タン部品の製造方法に関し、特に、水素化チタン粉（Ｔ
ｉＨ2 ）を焼結することにより気孔率が約２％未満のチ
タン部品を製造できる方法に関する。本発明は又、この
種の方法を利用して作られる装飾品にも関する。
【０００２】本発明の方法は、時計ケース、ブレスレッ
ト用の鎖、時計文字盤または同類のもののように研磨し
た後、非常に輝く表面をみせる装飾品をつくろうとする
場合のチタンの半製品の製造には特によく適している。
【０００３】
【従来の技術】以前は、チタン塊から手が込んでかつ高
くつく機械加工によってしか得られなかった複雑な形状
のチタン部品を、近年、粉末冶金工学、特に金属粉の射
出により製造できるようになった。
【０００４】チタン粉の自燃性および取扱いと加工に細
心の注意を要することを考慮にいれて、焼結によってチ
タン部品を製造するのに空気に僅か触れただけでは自然
発火の恐れのないＴｉＨ2粉を使用することが開発され
てきた。
【０００５】この種の方法は、ケイ アメヤマ（Ｋｅｉ
Ａｍｅｙａｍａ）らによる「チタン粉の射出成形（Ｉ
ＮＪＥＣＴＩＯＮ ＭＯＬＤＩＮＧ ＯＦ ＴＩＴＡＮ
ＩＵＭ ＰＯＷＤＥＲＳ）」（発行：米国ニュージャー
ジー州プリントン大学通り金属粉体工業連盟（ｔｈｅ
Ｍｅｔａｌ Ｐｏｗｄｅｒ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ Ｆｅ
ｄｅｒａｔｉｏｎ）１９８９年）の題名の刊行物の１２
１から１２６頁に記載されている。
【０００６】この刊行物に記載の方法によると、ＴｉＨ
2 を、最初に、ポリマー、可塑剤およびワックスの混合
物から成る結合剤と混合する。次いで、ここで得られた
混合物を所望の形状が得られる金型に射出する。その次
に、空気中で加熱して、成形された部品からその結合剤
を除去し、次いで、アルゴンもしくは窒素雰囲気、また
は真空の炉に入れて、その部品を焼結するために約１，
１００℃まで漸次加熱する。
【０００７】この方法で得られた部品の気孔率を分析す
ると、最も小さい気孔率の部品は真空またはアルゴン雰
囲気中での焼結によって得られ、その得られた気孔率は
３％のレベルであることが判った。これは、加熱時に多
数の気泡または気孔を生じるように水素化チタンから猛
烈に水素が放出されることによるものである。
【０００８】この様な小さい気孔率にも拘らず、研磨し
た後の部品の表面には微細孔が見られ、これらの微細孔
は入射光を乱反射させるので部品への入射光は完全な鏡
面反射とはならない。この結果、表面は光沢のないすな
わち、すっきりしない外観となり顧客用の製品として審
美的に満足できない。
【０００９】結局、この方法を使って得られるチタン部
品は、研磨しても装飾品として使えるような充分な平滑
さと輝きを持つ表面とはならず、表面の美しさが重要で
ない産業用に限られる。
【００１０】
【発明が解決しようとしている課題】従って、本発明の
目的は、焼結によって極めて低い気孔率を持ち、かつ研
磨した時にチタンの装飾品を作るための要件を満たす美
的外観をみせるチタン部品の製造方法を提供することに
より、前述の先行技術の欠点を克服することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、焼結に
よるチタン部品の製造方法において、（ａ）水素化チタ
ン粉を一時的な結合剤と混合する段階と、（ｂ）得られ
たその混合物を所望の形状が得られるような金型に射出
する段階と、（ｃ）その結合剤を除去する段階と、
（ｄ）その部品を水素雰囲気中で所望の焼結温度まで加
熱する段階と、（ｅ）その焼結温度に達したら、前記水
素雰囲気を真空または非反応性雰囲気に置換する段階
と、かつ（ｆ）部品を非反応性雰囲気ガス中で冷却する
段階とを有することを特徴とする前記製造方法を提供す
ることである。本発明の方法により、２％未満の気孔率
を持つ焼結チタン部品を製造できる。
【００１２】本発明のもう一つの特徴によると、本発明
は水素化チタン粉から出発して、前述の方法によって得
られる研磨された表面を持つ焼結チタン装飾品に関す
る。
【００１３】従って、この種の製品は、研磨後には焼結
チタン部品や先行技術の方法によって得られる部品より
もずっと輝きをみせるので、時計ケース、ブレスレット
用の鎖または同類のような装飾品の製造に特に適してい
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【００１４】高純度（９９．５％）で、かつ数ミクロン
のレベル、一般的に１０ミクロンの平均粒度を持つ水素
化チタン粉（ＴｉＨ2 ）を、均質な混合物が得られるま
で普通の方法で一時的な結合剤と混合する。
【００１５】その結合剤は熱可塑性ポリマーまたはコポ
リマーから成るのが好ましいが、ワックスから成っても
よい。使用する結合剤の性質にもよるが、この混合物を
１２０℃と１８０℃の間の温度で作る。この混合物の温
度は、一般的に熱可塑性コポリマーの場合は１７０℃の
レベルである。
【００１６】その後、作ろうと思う部品、例えば時計の
ケースの形状を持ち、本法の以後の工程で生じる一般的
には１５％レベルの収縮率を考慮にいれた寸法を持つ金
型にペースト状で得られる混合物を通常の方法で射出す
る。射出するのは約１４０℃の温度が好ましい。
【００１７】次いで、その成形部品に含まれている結合
剤を除去する。除去の仕方は、結合剤の種類によって変
わる。本発明の結合剤の除去は、度々、熱的に実施され
る。結合剤の除去を達成するために、成形部品を炉に容
れてそこで２００℃と３００℃の間の温度に漸次加熱す
る。この加熱工程中に結合剤は蒸発によって漸次除去さ
れるが、部品の形状を損なわないように、この加熱は６
時間から９時間、好ましくは８時間にわたって実施され
る。部品の機械的性質および耐食性の劣化をおこさせる
ことがあるので、結合剤の炭素および／または酸素で部
品が汚染されないように、結合剤を完全に除去すること
が重要である。
【００１８】結合剤を除去するに当たっては、一方で
は、結合剤の除去の間に結合剤が酸化されないように、
他方では、部品の形状を損なわずに結合剤を部品から除
去する作業速度を早めるように真空または水素雰囲気で
実施するのが好ましい。本発明の実施態様によると、特
に、結合剤が熱可塑性ポリマーの場合には、熱可塑性ポ
リマーを、適切な酸性蒸気で分解させる化学的方法でで
も除去することができる。
【００１９】本発明の特に重要な特徴によると、結合剤
を部品から完全に除去してしまった後、炉中の雰囲気が
水素雰囲気に置換される（たとえ、結合剤が水素雰囲気
中で除去されてしまっていなくても）。この水素雰囲気
は、連続的方法で炉中を循環する流体の形をとって形成
されるのが好ましい。部品の温度を、所望の焼結温度に
達するまで同時進行的に上げる。焼結温度は１，０００
と１，４００℃の間の温度であるが、ポリマーの形状が
損なわれ始めるような温度に余り近くならないように
１，２００℃に極めて近いのが好ましい。
【００２０】このような加熱が約５時間から７時間続
く。この加熱期間中に水素化チタンは漸次水素を放出す
る。これに関連して本発明の方法によると、部品内で気
孔が形成され、部品の研磨後の表面の輝きが変わること
があるので、水素が急速に放出されないように加熱は余
り速くないことが重要である。加熱速度は１時間当たり
１５０℃と２５０℃の間が好ましい。
【００２１】水素雰囲気中で部品を加熱することによ
り、水素化チタンの水素が漸次放出されるので、部品内
で気泡または気孔が生成する傾向はかなり減る。更に、
高温ではチタンは反応性に富むという観点からみると、
本発明の方法は、得られる部品の純度に影響を及ぼすこ
とがある、水素以外の成分とチタンが反応する恐れがな
いのは好都合である。
【００２２】焼結温度に達し、部品の水素が大部分放出
されてしまったら、炉中の雰囲気を再び置換、すなわ
ち、水素をアルゴンもしくはヘリウムのような非反応性
の雰囲気または真空に置換する。アルゴンが好ましい。
部品は焼結温度のままで水素を非反応性雰囲気に置換す
る。この工程は５分と８０分の間の時間を要するが、約
２０分間が好ましい。
【００２３】その後、部品は非反応性雰囲気中で１時間
当たり３００℃のレベルの冷却速度で室温まで冷却され
る。この冷却期間に部品はゆっくりと残りの水素を放出
するので、水素が段々と除去される。今まで説明してき
た本方法で得られるチタンの焼結部品の気孔率は極めて
低く、即ち２％未満である。
【００２４】従って、この部品は、時計ケース、ブレス
レット用の鎖、文字盤または同類のような、表面に光沢
と輝きを持つ装飾品に得るためにその表面を鏡面研磨に
かけることができる。
【００２５】次の実施例は、本発明の目的を形成する、
焼結によるチタン部品の製造方法の好ましい実施態様で
ある。
【００２６】
【実施例】３２容量％のポリエチレンオキサイド（２４
６ｇ）および４容量％のポリプロピレン（２６ｇ）を含
むコポリマーから成る結合剤を容器の中で調製した。こ
の結合剤を約１７０℃まで加熱して均質な物質を得た。
次に、その物質に９９．５％の純度を持つ６４容量％の
ＴｉＨ2 （１９２０ｇ）を添加して、均質なペーストが
得られるまで結合剤と混練した。
【００２７】引き続いて、冷却した混合物を造粒した。
その次に、得られた造粒物を射出成形機に装入して、例
えば、時計ケースの形状をしている金型に約１４０℃の
温度で射出した。
【００２８】その後、成形部品を約１０-2ミリバールの
真空度が得られる炉に入れた。次いで、部品を８時間か
けて約３００℃の温度まで直線的に加熱した。
【００２９】次に、炉中の真空を１５０ミリリッター／
分の流速を持つ流体の形の水素雰囲気に置換することに
より部品を焼結させて、部品を４時間かけて３００℃か
ら１，２００℃の温度に直線的に加熱した。１，２００
℃の温度に達すると、水素雰囲気を１５０ミリリッター
／分の流速を持つ流体の形の窒素雰囲気に置換して、
１，２００℃の温度を約２０分間保持した。
【００３０】次いで、部品を同じ窒素雰囲気中で室温ま
で直線的に冷却した。冷却速度は１時間当たり３００℃
で、冷却後チタンの焼結部品を得たが、その気孔率は
１．５％であった。最後に焼結部品を電解研磨にかける
と、非常に輝く外観を持つ時計ケースを得た。
【００３１】前記実施例の変法としてポリアセタールを
結合剤に使い、この結合剤を１２０℃で硝酸蒸気中で分
解させて除去した。この変法で得た結果は前述の実施例
で得た結果と全く同じであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ２２Ｆ 3/02 Ｇ０４Ｂ 37/22 Ｎ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 焼結によるチタン部品の製造方法におい
    て、（ａ）水素化チタン粉を一時的な結合剤と混合する
    段階と、（ｂ）得られた混合物を所望の形状が得られる
    ような金型に射出する段階と、（ｃ）前記結合剤を除去
    する段階と、（ｄ）部品を水素雰囲気中で所望の焼結温
    度まで加熱する段階と、（ｅ）その焼結温度に達した
    ら、水素雰囲気を真空または非反応性雰囲気に置換する
    段階と、（ｆ）部品を非反応性雰囲気ガス中で冷却する
    段階とを有することを特徴とする前記製造方法。
  2. 【請求項２】 前記請求項１に記載の方法において、段
    階（ｄ）の期間に該水素が連続的な流体の形で供給され
    ることを特徴とする前記方法。
  3. 【請求項３】 前記請求項１又は２に記載の方法におい
    て、部品が鏡面研磨にかけられる追加段階（ｇ）を含む
    ことを特徴とする前記方法。
  4. 【請求項４】 水素化チタン粉を用いかつ請求項３に記
    載の方法により得られる研磨された表面を持つ焼結チタ
    ンの装飾品。
JP18412794A 1993-07-23 1994-07-14 焼結によるチタン部品の製造方法およびこの種の製造方法を用いて作られる装飾品 Expired - Fee Related JP3443175B2 (ja)

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