JPH07331379A - 高密度ステンレス鋼焼結品の製造方法 - Google Patents

高密度ステンレス鋼焼結品の製造方法

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JPH07331379A
JPH07331379A JP12999794A JP12999794A JPH07331379A JP H07331379 A JPH07331379 A JP H07331379A JP 12999794 A JP12999794 A JP 12999794A JP 12999794 A JP12999794 A JP 12999794A JP H07331379 A JPH07331379 A JP H07331379A
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JP
Japan
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stainless steel
binder
sintering
temperature
sintered product
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JP12999794A
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English (en)
Inventor
Tomio Kono
富夫 河野
Tetsuya Kondo
鉄也 近藤
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼粉末にバインダーを加え、射出
成形などの手段で成形し、成形体を加熱してバインダー
を除去し、続いて焼結することからなる高密度の焼結体
の製造方法を実施するに当って、焼結工程を1段で済ま
せ、生産性を高める。 【構成】 焼結を、圧力1〜100Torr、好ましくは5
〜10Torrの非酸化性雰囲気たとえばN2ガス雰囲気
で、1000〜1350℃に加熱することによって実施
する。 このとき、1000℃から1350℃に向って
連続的に昇温することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼粉を焼結
して高密度の焼結品を製造する方法の改良に関する。
この焼結品は、研磨することにより鏡面が得られる。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金による製品を、いわゆる「ニア
ネットシェイプ」で得る技術として、金属粉末にワック
スや熱可塑性プラスチックスをバインダーとして混合
し、射出成形を行なってグリーン製品とし、これを加熱
してバインダーを除去した後さらに加熱して金属粉末を
焼結させることからなる技術が「ウイテック・プロセ
ス」の名で知られ、この系統の技術が展開をみせてい
る。
【0003】たとえば特公平6−8490号公報に記載
の方法は、原料として、平均粒径15μm以下であり非
金属介在物の含有量が1%以下であるオーステナイト系
もしくはフェライト系ステンレス鋼粉を用い、これに結
合材を添加し、混合、成形した後、この成形体中の結合
材を非酸化性雰囲気下で加熱除去し、続いて1050〜
1350℃の温度、0.1Torr以下の減圧下で焼結し、
その後、1250〜1350℃の温度、非酸化性雰囲気
下で焼結することからなる。
【0004】この技術は、ウイテック・プロセスのひと
つとして、得られた焼結体を研磨することにより鏡面光
沢をもった製品を製造できることが利点であるが、焼結
工程を2段に行なわなければならないという煩雑さがあ
る。 すなわち、より低い温度での真空中の焼結からよ
り高い温度での非酸化性雰囲気下の焼結へ、温度と雰囲
気の両方を切り換えて制御しなければならない。
【0005】いうまでもなくこの切り換えと制御は面倒
であり、時間もかかるから、生産性を高める観点から改
善が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ステ
ンレス鋼粉末から高密度の焼結体を製造するに当って、
焼結工程を簡易化して1工程でこれを完了できるように
し、雰囲気の切り換えや温度制御を容易にした生産性の
高い製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の高密度ステンレ
ス鋼焼結品の製造方法は、平均粒径が15μm以下であ
って非金属介在物の含有量が1重量%以下であるステン
レス鋼粉末にバインダーを混合し、混合物を所望の形状
に成形した後、成形体を非酸化性ガスの雰囲気下で加熱
してバインダーを除去し、続いて圧力1〜100Torrの
非酸化性ガスの雰囲気下に1000〜1350℃の温度
に加熱して焼結することからなる。
【0008】混合物の成形方法は任意であり、射出成
形、押出成形、プレス成形などが採用できるが、複雑な
形状を与えるには射出成形によるのがよいことはもちろ
んである。
【0009】焼結時の加熱は、温度を1000℃近辺か
ら1350℃近辺に向けて連続的に、または断続的に上
昇させて実施することが好ましい。
【0010】上記の方法で製造した焼結品は、研磨すれ
ば表面は鏡面となる。 この研磨工程を付加した製造方
法も本発明に含まれる。
【0011】非酸化性ガスの雰囲気とは、N2,Arな
ど、ステンレス鋼に対して不活性なガスの雰囲気であっ
て、通常はN2ガスで十分である。
【0012】
【作用】加熱によるバインダーの除去は、バインダーの
いく分かを残して止め、炭化したバインダーによりステ
ンレス鋼粉末の成形体の形状が維持されている状態で、
焼結工程に進む必要がある。 そこで前記した技術にお
いては、焼結工程において残ったバインダーの除去を促
進するため、真空下に加熱するという手段をえらんだも
のであり、続く高温の焼結工程では、ステンレス鋼合金
成分であるCrの揮散を防ぐため常圧下で焼結を行なう
ものと解される。
【0013】これに対し本発明では、0.1Torr以下と
いう高真空ではなく、1〜100Torrの減圧下にN2
ような非酸化性ガスの雰囲気で加熱れば、残留バインダ
ーの除去が順調に進行し、かつCr成分の揮散も問題に
なるほどではないという、発明者らの得た知見にもとづ
いて、1種類の焼結条件で焼結工程を完了することに成
功した。 炭化したバインダー中にはC成分が含まれて
いるが、これはCr酸化物中のOと結合してCO,CO2
に変化して系から去る。 Crの揮散は、高度に真空吸
引しない限り、上記のようにさして進まず、数Torrの雰
囲気圧があれば、実際上は抑制できる。
【0014】焼結工程の温度を次第に高めて行くこと
は、残留バインダーの除去を、それに伴う成形品の変形
を最少限に止めて行ない、かつ焼結の速度を次第に高め
て、不相当に長い時間を費すことなく焼結を完了できる
点で有利である。
【0015】本発明の実施に当って、焼結工程における
非酸化性ガス雰囲気の圧力は重要であって、1Torrより
低い真空下では、焼結中に合金成分中のCrの揮散が著
しく焼結体の表層部においてCr含有量が低下する結
果、耐食性が低下する。 また、焼結体を研磨したとき
の鏡面性もよくない。 一方、100Torrより高い圧力
下では、焼き締りが不十分で相対密度を95%以上に高
めることができず、従って焼結体は鏡面性が不満足なも
のとなる。
【0016】好適な圧力は、一般に5〜10Torrであ
る。 雰囲気ガスの圧力も調節して、焼結の初期におい
ては低く、のち次第に高くすることは好ましい。 前記
の加熱温度を次第に高めて行く態様と、雰囲気ガス圧力
を次第に高めて行く態様を組み合わせて実施すれば、C
rの揮散を抑制して高い相対密度を実現でき、いっそう
好ましい。
【0017】〔実施例1〕下記の合金組成(重量%、残
部Fe)のステンレス鋼SUS316Lの粉末を用意し
た。 平均粒径は8.7μmである。
【0018】 C Si Mn P S Ni Cr Mo N O .022 .70 .36 .025 .003 13.0 16.9 2.09 .084 .57 このステンレス鋼粉末に、ポリオレフィン系樹脂とワッ
クス(潤滑剤)およびステアリン酸(可塑剤)などを加
えて調製したバインダーを8.5重量%添加し、二軸加
圧ニーダーで加熱混練してペレットにした。
【0019】ペレットを、シリンダー温度160〜19
0℃の射出成形機により射出成形し、厚さ3mm×幅10
mm×長さ20mmの板状体に成形した。
【0020】雰囲気、加熱温度および温度の昇降を制御
できる炉内に成形体を入れ、N2ガス流通下に400〜
500℃に60分間加熱して、バインダーの大部分を除
去したのち室温に戻した。 続いて、炉内を1,5,1
0または100Torrに減圧して(N2ガスの流通は保っ
て)1000℃まで速やかに昇温し、1000℃到達後
は1℃/min.の速度で連続的に1350℃まで昇温(こ
の間の加熱時間は5時間50分)し、そこでさらに60
分間保持してから冷却した。
【0021】比較のため、焼結雰囲気の圧力を、200
Torrのゆるい減圧、0.1Torrおよび高真空(おおよそ
0.001Torr)にえらんだ場合についても、実験し
た。
【0022】得られた焼結体の相対密度およびC含有量
を測定し、かつ表層部のCr含有量を分析した。 続い
て表面をバフ研磨して鏡面性を評価し、JIS−Z23
71に定める96時間の塩水噴霧試験を行なって耐食性
をしらべた。 それらの結果を、つぎの表に一括して示
す。
【0023】 No. 焼結雰囲気 相対密度 Cr量 C量 鏡面性 耐食性 (torr) (%) (%) (%) 実施例 1 N2 1 97.2 15.5 0.001 優 A 2 N2 5 97.0 16.0 0.002 優 A 3 N2 10 96.1 16.3 0.006 優 A 4 N2 100 95.8 16.8 0.010 優 A 比較例 1 高真空 97.5 8.5 0.001 優 C 2 N2 0.1 97.3 10.7 0.083 良 B 3 N2 200 93.8 16.8 0.001 不良 B 耐食性の評価 A:錆の発生なし B:錆少し発生 C:錆かなり発生
D:全面に錆発生 上のデータから、焼結雰囲気ガスの圧力が低すぎるとC
rの揮散による損失が無視できず、焼結体の耐食性が低
いこと、また圧力が高すぎると焼結体の相対密度が低い
レベルに止まることがわかる。
【0024】上記の例では、便宜上、成形体のバインダ
ーを加熱除去したのちいったん冷却したが、そのまま加
熱を続行して焼結工程に進むことができるのは、いうま
でもない。
【0025】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ステンレス
鋼粉末の焼結体であって高密度かつ鏡面性の高いもの
が、1段の焼結工程によって得られる。 焼結の雰囲
気はN2ガスのような非酸化性ガスの1種で足り、加熱
炉の温度制御さえ行なえばよく、生産性は高い。 場合
によっては、バインダーの加熱除去と焼結とをひとつの
炉中で連続して行なうことも可能である。
【0026】得られた焼結体は研磨により鏡面光沢をも
った表面ができ、耐食性はステンレス鋼としてのそれが
維持されているから、ステンレス鋼粉末焼結品の通常の
用途はもとより、寸法の小さな部品、たとえば腕時計の
胴、ベゼル、側などの部品や、装飾品、ドットプリンタ
のアマチュア、ヨーク、あるいは歯科用詰め物具、水・
エアー噴射装置用レバー、さらにはさまざまな細かな機
械部品のように、複雑な形状を要求される用途に、とく
に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が15μm以下であって非金属
    介在物の含有量が1重量%以下であるステンレス鋼粉末
    にバインダーを混合し、混合物を所望の形状に成形した
    後、成形体を非酸化性ガスの雰囲気下で加熱してバイン
    ダーを除去し、続いて圧力1〜100Torrの非酸化性ガ
    スの雰囲気下に1000〜1350℃の温度に加熱して
    焼結することからなる高密度ステンレス鋼焼結品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 混合物の成形を射出成形により行なう請
    求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 焼結の温度を、1000℃近辺から13
    50℃近辺に向けて連続的に、または断続的に上昇させ
    て実施する請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】 焼結品を研磨して鏡面を得る工程を付加
    した請求項1の製造方法。
JP12999794A 1994-06-13 1994-06-13 高密度ステンレス鋼焼結品の製造方法 Pending JPH07331379A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2228467A2 (en) 2009-03-11 2010-09-15 Fujifilm Corporation Aluminum alloy substrate and solar cell substrate
EP2248662A1 (en) 2009-05-01 2010-11-10 Fujifilm Corporation Metal composite substrate and method of producing the same
CN114829655A (zh) * 2019-12-20 2022-07-29 安赛乐米塔尔公司 用于马氏体时效钢的增材制造的方法

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