JPH0776465A - あや巻きボビン巻回体を形成するせんい機械の生産能力を求める方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 あや巻きボビン巻回体を形成するせんい機械
の生産能力の算出の精度を向上させることである。 【構成】 少なくとも１つのボビンステーションにおけ
るボビン巻回速度を、走行中の糸から直接測定し、この
測定から平均値を形成する。この平均値をその他のボビ
ンステーションのために、ボビン巻回速度のための値の
基礎とする。所望の目標速度を得る目的で、相応の調整
回路により設定されたボビン巻回速度の補正を自動的に
行う。ボビン巻回速度の測定は有利に、走行時間相関器
を用いて非接触式に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、請求項１の上位概念に
記載のあや巻きボビン巻回体を形成するせんい機械の生
産能力を求める方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】生産能力を求める場合に従来の方法にお
いては、ボビンステーションの定常的な作動における目
標速度としての調整設定された平均のボビン巻回速度
は、生産速度としての糸の太さ（番手）と関連づけて、
休止時間を考慮する効率と乗算される。この場合、ボビ
ンステーションの定常的な作動とは、中断されないボビ
ンの動作過程の進行するそれぞれの作動時相のことであ
る。効率との乗算により、作動時間の間に設けられてい
る休止時間が考慮される。その結果、実際の生産能力が
求められる。

【０００３】例えばボビン巻回体自動作成装置における
ボビン巻回速度の検出は、以前からの大きい問題点であ
る。糸案内ドラムの円周速度は実際のボビン巻回速度と
は一致しない。そのため糸案内ドラムとボビン表面との
間のスリップ−これは糸の相異なる表面構造にもとづい
てロット毎に変化する−が考慮されない。同じくボビン
走行中に円錐形のあや巻きボビンにおいて変化してゆく
駆動される、ボビンの平均の巻回速度に著しい影響を与
える直径も考慮されない。この駆動されるボビンの直径
は、ボビン走行中に例えばあや巻ボビンの円錐の形状の
変化にもとづいて変化する。さらに駆動されるボビンの
直径の糸の層は、まさつ、糸引っ張り力、当接力および
その他のパラメータに依存する。

【０００４】経験的に求められた補正係数を算入して
も、設定されたボビン巻回速度と実際のボビン巻回速度
との間に、１５〜２０％の大きさの偏差が生ずる。その
ためせんい機械の生産能力の算出において許容できない
不正確が生ずる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は公知の
方法を、生産能力の算出が著しく一層正確に実施できる
ように、改善することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この課題は本発明の請求
項１の構成要件により解決されている。

【０００７】

【発明の効果】走行中の糸においてボビン巻回速度を直
接的に算出することにより、生産能力の算出の精度を低
下させる全部の障害要因を実質的に除去できる。そのた
めその都度のロットの糸の性質、状態に依存するスリッ
プも、ボビン走行中に変化する駆動されるボビン直径も
考慮される。形成される平均値はせんい機械のその他の
ボビンステーションに対しても適用される。

【０００８】せんい機械における１ロットだけが処理さ
れると、１つまたはわずかな個数のボビンステーション
の測定値がせんい機械全体に対する基礎となる。複数個
のロットが処理されると、この直接求められた値は同じ
ロットのその他のボビンステーションだけへ伝送され
る。それの例外は、次の時に生ずることがある。即ち処
理されるロットが複数個ある場合、速度に影響を与える
走行特性において実質的に何らの相違が生じないことが
予測される時に、生ずることがある。

【０００９】相異なる走行特性が予測できる場合は、ロ
ット毎に、それぞれ少なくとも１つのボビンステーショ
ンにおいて、走行する糸でのボビン巻回速度の直接の測
定を行わなければならなくなる。

【００１０】走行する糸においてボビン巻回速度を求め
るために、１つまたはわずかな個数のボビンステーショ
ンにおいてだけ測定装置を設けることは、全部のボビン
ステーションにおいて複数個のこの種の測定装置を設け
ることに比較して、著しい節約となる。せんい機械のボ
ビンステーションにおける、またはロットの内部におけ
るボビン巻回速度の予測されるべき相違は、スリップま
たは駆動されるボビンの直径の変化により発生する相違
よりも著しく小さい、それどころかこの相違は無視でき
るほど小さく、多数の測定装置の節約に関連づけてその
まま許容される。

【００１１】本発明の別の利点は、駆動速度またはドラ
フト装置の押圧力の制御の構成も、実質的に一様な糸張
力を維持するために、考慮する点にある。この種の構成
は例えばスピンコップのくり出しの際に、例えば巻回体
の最後の３分の１のくり出しの際に、増加する糸の張力
を補償するために行われる。そのため他方では、コップ
の巻回体の最初の３分の２のくり出しの際に、より小さ
い糸張力にもとづいてより高いボビン巻回速度が、付加
的な糸切断なく実現できる。

【００１２】本発明の方法の使用の場合、コップ走行の
終わりにおいて減少してゆくボビン巻回速度を有する形
式のこの種の方法の効率を可視化することもできる。そ
のため相応の結論を得る目的で、この構成を有しない場
合の生産能力と有する場合の生産能力とを直接対比でき
る。

【００１３】本発明は有利に、請求項２と３の構成によ
り発展される。

【００１４】通常はあや巻ボビンを形成するせんい機械
の生産能力の算出は、駆動装置に、所定のロット寸法の
ための生産時間を前もってできるだけ正確に求めるため
に、用いられる。平均のボビン巻回速度の本発明による
測定法の使用により、入力されたボビン巻回速度との偏
差が検出される。そのため最初に前もって与えられた生
産時間はさらに、入力されたボビン巻回速度の補正が行
われるように、設定される。この補正により、平均のボ
ビン巻回速度と、所要の生産能力に必要とされる目標速
度との一致が達成されるせんい機械の相応のプログラミ
ングの下で、前述の比較にもとづく目標速度の補正が自
動的に実現される。このようにして操作者側でロット寸
法のための最初に与えられた生産時間を維持する目的
で、介入は必要とされない。

【００１５】ボビン巻回速度の算出のために通常の様
に、走行中の糸においても測定装置を機械的な理由で用
いるが、速度測定を非接触式に実施することもでいる。
これにより糸走行と糸張力は不利には影響を与えない。
これに対して著しく正確で、糸走行を損なわない糸速度
の測定が、走行時間相関器を用いて可能となる。この種
の走行時間相関器は例えば同じ出願者によるドイツ連邦
共和国特許出願公開公報第Ｐ４２２５８４２．１号公報
に示されており、著しく良好なダイナミック特性を有す
る。これによりその都度の瞬時速度が速度変動の際も著
しく正確に得られる。

【００１６】公知技術の場合はボビン巻回速度は従来は
ボビン巻回速度の維持のための調整機構の基本状態のた
めにだけ（例えばボビンステーションが直接駆動される
精密ボビンステーションにおいて）糸の長さの一様化を
得る目的でまたはあや巻ボビンへ巻回される糸の長さの
算出のために測定される。両方の場合に不可欠なこと
は、各々のボビンステーションに相応の測定装置を配置
することである。そのためこの種の方法は従来は実質的
に精密ボビン機においてだけ実施される。

【００１７】次に本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。

【００１８】

【実施例】添付の図面は、ボビンステーションの２つの
休止状態の間の、ボビンステーションにおけるボビン巻
回速度の速度経過を示す。第１の時相Ｉに、ボビンステ
ーションの始動時の過渡的な状態が示されている。この
過渡的な状態はあや巻ボビンの糸の上層の損傷を回避す
る目的で、できるだけスリップなく行うべきであり、実
質的にあや巻ボビンの慣性に適合化されている。

【００１９】生産速度を求める公知の方法の場合、この
過渡的な始動時相は既に通常のボビン工程として定めら
れている、即ち通常のボビン巻回速度にもとづく。

【００２０】時相ＩＩは通常のボビン作動を示す。この
場合、巻回形成の発生の回避の目的で通常の様に、糸案
内ドラムとあや巻ボビンとの間にわずかなスリップが発
生される形式の形成障害法へのわずかな変動が示されて
いる。

【００２１】糸速度のこのわずかな変動さえも、ドイツ
連邦共和国特許出願第Ｐ４２２５８４２．１号公報に示
されている走行時間相関器を用いて検出して平均化でき
る。時相ＩＩＩにおいてコップの最後の３分の１のくり
出しの際の速度低下が示されている。ボビン巻回速度の
この変化もそのまま走行時間相関器を用いて求められ
て、次に平均値形成へ関与される。時相ＩＩＩの終わり
に例えばコップが動作を終了し、これにより、糸におい
て測定されたボビン巻回速度が瞬時ゼロに等しくなる。
ボビン巻回速度がボビンドラムまたはボビンの回転を介
して検出される形式の従来の方法においては、以後は糸
が巻回されないのに、場合によりなお生産速度が表示さ
れてしまう。

【００２２】本発明による、生産高の算出の基礎とする
平均の糸巻き速度Ｖｍは、ボビンステーションの定常状
態の作動をすべて考慮する。即ち糸の走行中に、発生す
る相異なる複数個の速度を考慮する。この平均値は、ボ
ビンステーションの２つの静止状態の間の各々の測定サ
イクルにおいて代表的な平均値に一層近づく。もちろん
少なくとも１つのあや巻ボビンが完成される、何故なら
ばあや巻ボビンの移動中に、例えば円錐形のあや巻ボビ
ンにおいて、スリップに関する、または駆動される直径
に関する一連の変化が、生ずるからである。

【００２３】このように著しく迅速に、実際の生産高に
関する確実な情報が求められる。いずれにしても休止状
態の時間は求められ、効率として生産速度に乗算され
る。そのため休止状態時間は生産速度の平均値の算出の
中に算入されない。このことは必要でもある、何故なら
ば休止状態時間は個々のボビンステーションにおいて相
異なり、そのため１つのボビンステーションまたはわず
かな個数のボビンステーションにおける測定にもとづく
代表的なデータは、ボビン機械のその他のボビンステー
ションに対しては適用できないからである。

【００２４】生産速度と生産高の算出は次のように行わ
れる： Vp ＝Vm(m／min)×60(min／h)：Nm(m／g)×1.000(g／k
g) Lp ＝Ｖｐ（ｋｇ／ｈ）×η（％）：１００ ただし、 Vp ＝生産速度 Vm ＝平均のボビン巻回速度 Nm ＝メートル番号、（糸単位） Lp ＝生産高 η ＝効率 せんい機械の中央制御ユニットにおける比較回路によ
り、設定されたボビン巻回速度と、本発明により求めら
れた平均のボビン巻回速度との常時の比較が実施され
る。この比較回路の出力側にこれらの両方の値の間の相
応の差信号が現れることがある。この差は次に、調整回
路において通常のように、増幅されて目標速度の補正の
ために用いられる。この自動的な調整により操作者の介
入なしにロット量のための所定の生産時間が維持され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】ボビンステーションの２つの休止状態の間のボ
ビンステーションにおけるボビン巻回速度の経過図であ
る。

【符号の説明】

Ｉ，ＩＩ，ＩＩＩ 時相

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボビンステーションの定常的な運転中の
   ボビン巻回速度からと糸の太さ算出された平均の生産速
   度に、休止時間を考慮する効率を乗算する形式のあや巻
   きボビン巻回体を形成するせんい機械の生産能力を求め
   る方法において、少なくとも１つのボビンステーション
   におけるボビン巻回速度を、走行中の糸から直接測定
   し、この測定から平均値を形成し、この平均値をその他
   のボビンステーションのために、ボビン巻回速度のため
   の値の基礎とすることを特徴とする、あや巻きボビン巻
   回体を形成するせんい機械の生産能力を求める方法。
2. 【請求項２】 平均のボビン巻回速度を設定されたボビ
   ン巻回速度と比較し、入力される巻回（ボビン）速度の
   補正を平均のボビン巻回速度と必要とされる生産能力の
   ために必要な目標速度との一致を形成するために実施す
   る、請求項１記載の方法。
3. 【請求項３】 ボビン巻回速度の測定を、走行時間相関
   器を用いて非接触式に行う、請求項１又は２記載の方
   法。