JP2022082520A - 綾巻きパッケージの重量を求める方法 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、綾巻きパッケージの重量を求める方法であって、該綾巻きパッケージは、複数の作業ユニットを備えた繊維機械で製造される。繊維機械は、綾巻きパッケージ上に糸を敷設するための巻取り装置と、巻取りプロセス中に糸の望ましくない質量偏差を除去する、糸走行経路の領域に配置された静電容量式の糸クリアラとをそれぞれ有している。綾巻きパッケージを製造する繊維機械のオペレータに、繊維機械の製造出力の把握を可能にするために、繊維機械の作業ユニットで製造される綾巻きパッケージの重量は設定可能であり、そのパッケージ重量に関してできるだけ同一であることが望ましい。【解決手段】糸クリアラが走行する糸の糸質量を逐次走査して、糸質量値を求め、糸クリアラの糸走査に基づいて、綾巻きパッケージの重量を求めるために、綾巻きパッケージの糸製造長さにわたって積算される値を求めることが規定されている。【選択図】図１

Description

本発明は、複数の作業ユニットを備えた繊維機械において製造される綾巻きパッケージの重量を求める方法に関する。作業ユニットは、綾巻きパッケージ上に糸を敷設する巻取り装置と、巻取りプロセス中に糸の望ましくない質量偏差を除去する、糸走行経路の領域に配置された静電容量式（kapazitiv）の糸クリアラとをそれぞれ有している。本発明はさらに、この方法を実施する、綾巻きパッケージを製造する繊維機械に関する。

綾巻きパッケージを製造するこのような繊維機械は、たとえば自動綾巻きワインダとして構成されている。この自動綾巻きワインダは、複数の作業ユニットを有しており、これらの作業ユニットは、給糸ボビンのための繰出しユニットと、糸走行経路の領域に配置され、巻取りプロセス中に糸の望ましくない質量偏差、いわゆる糸欠陥を除去する静電容量式の糸クリアラと、計算装置と、巻取り装置とをそれぞれ有している。しかし、綾巻きパッケージを製造するこのような繊維機械は、同様に対応する巻取り装置を有するロータ紡績機または空気紡績機として構成されていてもよい。

綾巻きパッケージを製造する繊維機械の運転に関連して、オペレータの側では通常、綾巻きパッケージを製造するこのような繊維機械の作業ユニットで製造された綾巻きパッケージが常にほぼ同一の糸長さを有しているか、または常にほぼ同一の直径を有している、という要求が生じている。この要求が満たされることを保証する対応する装置および方法が公知であり、特許文献において種々異なる特許明細書に記載されている。

独国特許出願公開第４２２５８４２号明細書では、たとえば、ランタイム相関器を使用して走行している糸の速度を求め、この速度を積分器によって直接に、作業ユニットにおいて巻成されて綾巻きパッケージを形成する繊維糸の累積的な走行長さを特定するために評価する装置もしくは方法が記載されている。つまり、この公知の装置は、常に同一の糸長さを有する綾巻きパッケージの作製を可能にする。

独国特許出願公開第１０２０６７６１号明細書および独国特許出願公開第１９６２５５１２号明細書には、それぞれ同一の直径を有する綾巻きパッケージを製造する装置もしくは方法が記載されている。

独国特許出願公開第１０２０６７６１号明細書により、たとえば、その作業ユニットが巻取り装置をそれぞれ有している繊維機械が公知であり、巻取り装置は、制限されて回転可能であるように支承されたパッケージフレームを備えており、パッケージフレームが、巻取り工程中に、形成される綾巻きパッケージの直径を検出する測定装置を有している。公知の測定装置は、測定トランスデューサを備えている。この測定トランスデューサは、パッケージフレームアームの比較的小さな変位が既に、測定トランスデューサの測定素子のより大きな変位をもたらすように、変速装置を介してパッケージフレームアームのうちの１つに連結されている。測定トランスデューサの測定値は、次いで、綾巻きパッケージ直径を計算するための処理ユニットによって使用される。

独国特許出願公開第１９６２５５１２号明細書には、摩擦ローラにより駆動される綾巻きパッケージの直径を、綾巻きパッケージの製造中に特定することができる方法が記載されている。

この公知の方法では、綾巻きパッケージ直径の特定時に、特に綾巻きパッケージの角速度が使用される。つまり、綾巻きパッケージの直径は、綾巻きパッケージの表面の周速度を綾巻きパッケージの角速度で割ることによって算出される。ここで、周速度は、綾巻きパッケージの周方向で固定の間隔で連続している、綾巻きパッケージの表面特徴を検出する２つのセンサからのセンサ信号に基づいて、ランタイム相関法において算出される。

さらに、綾巻きパッケージの製造時に、綾巻きパッケージのおおよその重量を、糸番手および糸の製造長さを用いて特定することが公知である。しかし、この場合に問題となるのは、たとえばリング精紡機における紡績工程中に誤差が生じるか、または既に使用されたフライヤボビンが差異を有していることによって、通常はリング精紡機において製造される紡績コップである給糸ボビンの糸番手（Garn-Nummer）がばらつくことだけではなく、たとえば綾巻きパッケージの駆動ローラの回転を介して特定される糸の製造長さがしばしば不正確であることである。つまり、ドラム回転毎に特定の糸製造長さが想定される。しかし、この特定の糸製造長さは、たとえば滑りや糸張力のような製造技術的な基本条件に基づいて、しばしば実際に製造された糸長さとは異なり、その結果、製造される綾巻きパッケージの重量も部分的に著しく変動してしまう。

望ましくない質量偏差を検知してこの質量偏差を除去する静電容量式の糸クリアラを使用するだけでは、糸番手および糸製造長さのみに基づく綾巻きパッケージの重量の特定はあまりにも不正確である。公知のように、このような静電容量式の糸クリアラの使用時には、自動綾巻きワインダのオペレータによって、まず、いわゆる許容範囲、つまり糸の質量偏差が許容される範囲が定義される。糸の製造長さにわたって、この定義された許容範囲内で発生する糸の質量偏差の合計はたしかに均されてしまうものの、許容範囲の枠内で正または負の傾向を示し、その結果、正の傾向も負の傾向もパッケージ重量の大きなばらつきを引き起こしてしまう。

上述で示唆したように、同一の糸長さまたは同一の直径を有する綾巻きパッケージを作製する公知の装置もしくは方法は、現場において十分に有効であると実証されている。しかし、巻取り工程中に綾巻きパッケージの重量の正確な特定が可能である装置または方法はこれまでに知られていない。対応して、公知の装置もしくは方法では、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の目下の機械生産性を正確に表すことは不可能であるが、このことは、綾巻きパッケージを製造する繊維機械、特に自動綾巻きワインダのオペレータの側でますます要求されている。

上述の先行技術を起点として、本発明の根底にある課題は、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニットにおける綾巻きパッケージの巻取り中に、個別の綾巻きパッケージの重量を正確に特定することを可能にする方法もしくは繊維機械を開発することである。

この課題は、本発明によれば、糸クリアラが、綾巻きパッケージの重量を求めるために、走行する糸の糸質量を逐次、つまり連続的に走査して、糸質量値を求め、糸クリアラの糸走査に基づいて、綾巻きパッケージの重量を求めるために、綾巻きパッケージの糸製造長さにわたって積算される値を求めることによって解決される。この場合に、走行する糸は完全に走査される。これにより、合計には、糸製造長さの完全な走査時に生じる全ての走査結果もしくは値が含まれる。

本発明の有利な構成は従属請求項の対象である。

本発明に係る方法は、比較的簡単な方法で、つまり高価な新しい追加のハードウェアを使用することなしに、綾巻きパッケージの製作を保証することができ、この綾巻きパッケージの重量を常に正確に知ることができるという利点を有している。製造された綾巻きパッケージの重量を正確に知ることにより、綾巻きパッケージを製造する繊維機械のオペレータは、綾巻きパッケージを製造する該当の繊維機械の製造能力を正確に把握している。本発明に係る方法により、重量は計量器の精度で特定することができる。これにより、後からの計量を省略することができる。

同一の長さのパッケージ間の重量偏差は、概して望ましくない。したがって、本発明の改良形によれば、綾巻きパッケージの、逐次求められた重量を期待値からの偏差に関して監視し、綾巻きパッケージの求められた重量の望ましくない偏差がある場合に、重量偏差が巻取り工程中に相殺されることが提案される。期待値は、同一のロットの、先行して巻かれた綾巻きパッケージの重さと、パッケージ形成過程にわたる重さの増加に基づいて求めることができる。綾巻きパッケージの重量に影響を与えるために、たとえば、最小の長さを設定することができ、この最小長さを超える糸長さを既に到達した重さに関連させることができる。綾巻きパッケージを製造する繊維機械が紡績機である限り、重量偏差を相殺するために、紡績パラメータを調整することも可能であるだろう。

方法の実施は、原理的には、直径変化を検出するあらゆる糸クリアラにより行うことができる。つまり、光学式の糸クリアラおよび静電容量式の糸クリアラを使用することが可能であるだろう。しかし、静電容量式の糸クリアラは、糸の横断面に関係する糸繊維の質量を直接検出するので、綾巻きパッケージの重量を著しく正確に特定することができる。走査値は、糸重量に比例する。これにより、糸質量値を直接に得られる。光学センサでは、糸質量値は、直径値に基づいて単に間接的にしか推測することができない。したがって、所望の精度を得るために、本発明に係る方法のためには、専ら静電容量式の糸クリアラを使用することが提案される。

これにより、糸クリアラは、単位製造長さ毎の糸質量値を提供する。綾巻きパッケージの重量を求めるために、糸質量値を綾巻きパッケージの製造長さにわたって積算するか、もしくは積分することができる。しかし、糸クリアラは、しばしば変化のみを測定する。したがって、好適には、糸質量値の偏差に基づいてパッケージの重量が求められる。

好ましくは、ロット開始時に、複数の糸質量値に基づいて糸質量平均値を計算する。パッケージ形成過程全体にわたって、この糸質量平均値からの個々の糸の検出値の全ての相対的な偏差が、糸製造長さにわたって積算される。つまり、糸質量が積分され、この糸質量積分は、０に等しくない場合に、修正係数を形成するために使用される。修正係数は、作業ユニットにおいて製造された綾巻きパッケージの重量に、糸番手もしくは糸質量平均値および糸製造長さに基づいて算出された、綾巻きパッケージの製造重量を近似させるために使用される。つまり、綾巻きパッケージの求められた製造重量は、糸番手もしくは糸質量平均値、製造長さおよび修正係数に基づいて算出される。計算および評価は、繊維機械の計算装置を用いて行うことができる。

有利な実施形態では、さらに、糸質量平均値からの許容不能な偏差に基づいて除去された全ての糸欠陥の長さをバッファリング（一時記憶）し、バッファリングされた糸欠陥の長さを、糸質量積分の修正のために使用することが提案されている。これにより、修正係数の形成時に、糸質量平均値に対して許容される変動範囲内にある糸走査値のみが考慮され、パッケージ形成過程中に糸欠陥として除去された糸走査値は、修正係数の形成時に考慮されないことが確実にされる。

さらに、有利な実施形態では、生産中に糸質量平均値が変化した場合に、糸質量積分の値が後調整されることが規定されている。つまり、パッケージ形成過程中に、たとえば繰出しボビンの糸番手が幾らか変化したことによって、当初求められた糸質量平均値が変化したことが明らかになった場合、糸質量積分の値も対応して適合させられる。

静電容量式の糸クリアラの運転に関連して自体公知であるように、糸質量の値を求める場合に、糸横断面に関係する（つまり糸横断面積に対応した）糸繊維の質量の他に、仕上げ剤（アビバージ）ならびに糸の湿分含有量が考慮される。つまり、糸質量値を求める場合、糸材料の湿分含有量ならびに糸材料に付加的に付着している全ての物質が考慮される。

本発明は、同様に、本発明に係る方法を実施する、綾巻きパッケージを製造する繊維機械に関し、繊維機械は、計算装置と、複数の作業ユニットとを備え、作業ユニットは、綾巻きパッケージ上に糸を敷設する巻取り装置と、巻取りプロセス中に糸の望ましくない質量偏差を除去する、糸走行経路の領域に配置された静電容量式の糸クリアラとをそれぞれ有している。本発明によれば、糸クリアラは、走行する糸の糸質量を逐次走査し、求められた糸質量値を計算装置に伝達するように構成されており、計算装置は、糸クリアラの糸走査に基づいて綾巻きパッケージの重量を求めるために、綾巻きパッケージの糸製造長さにわたって積算される値を求めるように構成されている。

本発明に係る繊維機械の場合、計算装置として、たとえば綾巻きパッケージを製造する繊維機械の中央制御ユニットが使用される。しかし、計算装置として、綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業ユニットの作業ユニット計算器も使用することができる。つまり、繊維機械の中央制御ユニットも、繊維機械の作業ユニットの作業ユニット計算器も、必要に応じて必要な全ての計算を確実に実行するように、比較的簡単にソフトウェアにより変更することができる。

本発明の別の詳細は、以下に図面につき説明する実施形態から判る。

本発明に係る方法が使用される自動綾巻きワインダの１つの作業ユニットを示す側面図である。

周知のように、自動綾巻きワインダ１は、その（図示しない）端部フレームの間に、多数の同一の作業ユニット２、この場合は巻取りユニットを有している。これらの作業ユニット２では、同様に既知でありしたがって詳細に説明しないが、生産プロセスにおいて前置されたリング紡績機で製造された、比較的少ない糸材料を有している紡績コップ３が、巻き返されて大容量の綾巻きパッケージ５を形成する。これらの綾巻きパッケージは、完成後に、自動的に作業するサービスユニット（図示せず）によって、好適にはいわゆる綾巻きパッケージ交換器によって、機械長さの綾巻きパッケージ搬送装置７に移送され、この綾巻きパッケージ搬送装置７から機械端部側に配置されたパッケージ積込みステーション等に搬送される。このような自動綾巻きワインダ１は、さらに、ボビン・巻管搬送システム６の形の物流装置を有していることが多く、ボビン・巻管搬送システム６内では紡績コップ３もしくは繰り出された空管が搬送ディスク１１上に乗せられて循環する。このようなボビン・巻管搬送システム６のうち、図１には専らコップ供給区間２４、可逆的に駆動可能な蓄え区間２５、作業ユニット２へとガイドされる横方向搬送区間２６のうちの１つおよび巻管戻し区間２７が図示されている。ボビン・巻管搬送システム６を介して供給された紡績コップ３は、それぞれ作業ユニット２に設けられた横方向搬送区間２６の領域に位置する繰出し位置１５に位置決めされて、巻き返されて大容量の綾巻きパッケージ５を形成する。

自動綾巻きワインダ１の個別の作業ユニット２は、作業ユニット２の規定通りの巻取り運転を保証する種々異なる装置を有している。これらの装置のうちの１つは、たとえば、巻取り装置４であり、この巻取り装置４は、通常のように、旋回軸１２を中心として制限されて可動であるように支承されたパッケージフレーム８を有しており、このパッケージフレーム８内に、綾巻きパッケージ５が回転可能に保持されている。また、図１に図示された実施形態では、さらに、綾巻きパッケージ５の表面は、巻取り運転中に、電動モータにより駆動されるパッケージ駆動ローラ９上に載置されており、このパッケージ駆動ローラ９は、巻取り運転中に摩擦結合式に綾巻きパッケージ５を回転させる。

さらに、巻取り装置４の領域には、糸綾振り装置１０が設置されており、この糸綾振り装置１０は、巻取りプロセス中に、糸１６が交差しながら綾巻きパッケージ５上に巻き取られるように働く。実施例では、糸綾振り装置１０は、電子機械的な駆動装置１４に接続された、糸１６をパッケージ形成過程中に常に綾巻きパッケージ５の端面間で往復運動させるフィンガ糸ガイド１３を有している。糸綾振り装置１０の駆動装置１４は、パッケージ駆動ローラ９の電動モータと同様に、制御線路を介して作業ユニット２の作業ユニット計算器２８に接続されており、この作業ユニット計算器２８自体は、バス接続部２９を介して自動綾巻きワインダ１の中央制御ユニット３０に接続されている。

個別の作業ユニット２は、さらに、サクションノズル１７とグリッパ管１８とをそれぞれ備えており、種々異なる別の糸監視装置もしくは糸処理装置を有しており、これらの糸監視装置もしくは糸処理装置は同様に、対応する制御線路を介して作業ユニット計算器２８に接続されている。このような作業ユニット２は、たとえば、ニューマチック式のスプライシング（糸継ぎ）装置１９をそれぞれ有している。このスプライシング装置１９により、たとえば糸破断後のような必要な場合に、上糸の糸端部を下糸の糸端部に糸継ぎすることができる。

作業ユニット２はさらに、下糸センサ３２、糸テンショナ２０、静電容量式の糸クリアラ２１、油剤供給装置２２、糸切断装置２３、糸張力センサ３１ならびに走行する糸１６の長さを求める測定装置３３をそれぞれ有している。測定装置３３は、たとえば、独国特許出願公開第４２２５８４２号明細書に記載されているような装置であり、つまり、ランタイム相関器により糸速度が求められ、糸速度が、作業ユニット２において巻成されて綾巻きパッケージ５を形成した糸１６の累積走行長さを求めるために、積分器によって直接に評価されるようになっている、測定装置３３である。しかし、このような非常に精密な測定装置３３を用いる代わりに、糸製造長さを別の方法で求めることもできる。糸製造長さを求めることは、たとえばパッケージ駆動ローラ９の回転数を介しても行うことができ、この場合に、ローラ回転毎の特定の糸製造長さが推定される。しかし、滑りや糸張力の変動のような製造技術的な基本条件に基づいて、この公知の方法により求めることができる値は常に極めて正確とはならない。

本発明に係る方法の機能
巻取り運転の開始前に、たとえばロット交換後に、自動綾巻きワインダ１の個別の作業ユニット２に、まず新しい繰出しボビン、好適にはリング精紡機により製造された新しい糸ロットの紡績コップ３が供給される。

つまり、ボビン・巻管搬送システム６を介して、まず、自動綾巻きワインダ１の各作業ユニット２に少なくとも１つの紡績コップ３が送り込まれ、作業ユニット２の横方向搬送区間２６の領域において繰出し位置１５に位置決めされる。次いで、たとえば紡績コップ３の巻管先端部に準備された糸端部が、作業ユニット２の繰出し位置１５の領域に配置された糸端部解き装置（図示せず）によって上方に向かって吹き出され、グリッパ管１８およびサクションノズル１７を用いて、パッケージフレーム８に回転可能に支承された綾巻管に直接に固定されるか、または綾巻きパッケージ交換器の糸引取り装置の作業領域に搬送される。

このような場合、綾巻きパッケージ交換器の糸引取り装置は、次いで糸１６を作業ユニット２のパッケージフレーム８の領域に位置決めし、この場合、パッケージフレーム８の閉鎖時に、前記糸１６は、綾巻きパッケージ交換器が先にパッケージフレーム８に挿入した綾巻管の基部と、パッケージフレーム８の管収容ディスクのうちの一方との間でクランプされるようになっている。これにより、新しい糸ロットの紡績コップ３の糸１６は、新しい綾巻管に固定されるので、関連する作業ユニット２において新たな巻取りプロセスを開始することができる。

本発明に係る方法によれば、静電容量式の糸クリアラ２１は、ロット開始時の最初に、紡績コップ３から繰り出された通過する糸１６の糸質量を逐次複数回求め、これらの多数の糸質量の値を計算装置、たとえば関連する作業ユニット２の作業ユニット計算器２８または自動綾巻きワインダ１の中央制御ユニット３０に伝達する。計算装置２８または中央制御ユニット３０は、これらの糸質量の値に基づいて糸質量平均値を計算する。単位製造長さあたりの糸重量にそれぞれ比例している糸質量を求める場合、静電容量式の糸クリアラ２１は、糸横断面に関係する（つまり糸の太さに関係する）糸繊維の質量の他に、繊維に付着している仕上げ剤、糸の湿分含有量が考慮される。

さらに、計算装置２８，３０では、パッケージ形成過程全体にわたって、つまり糸の全製造長さにわたって、糸質量平均値からの個々の糸走査での全ての相対的な偏差が積算され、これに基づいて糸質量が積分される。つまり、パッケージの全製造期間にわたって考えた場合に、正の糸質量偏差の合計と負の糸質量偏差の合計が等しければ、糸の質量積分値は、０になる。しかし、正の糸質量偏差の合計と負の糸質量偏差の合計が等しくない場合、これにも基づいて、製造される糸重量に関して修正係数が生じる。つまり、修正係数によって、計算装置２８，３０により算出された製造重量を、自動綾巻きワインダ１の該当する作業ユニット２において実際に製造された綾巻きパッケージ５の糸重量に、比較的正確に近似させることができる。これにより、自動綾巻きワインダ１のオペレータは、特定の糸ロットの製造時の繊維機械の正確な製造能力を把握することができる。

上記で既に説明したように、糸質量積分を求める場合に、除去された糸欠陥の長さが考慮される。つまり、正確な糸質量積分の計算時に、糸質量平均値からの許容できない逸脱のために除去された全ての糸欠陥の長さが一時記憶され、糸質量積分の値の修正のために使用される。パッケージ形成過程中に糸質量平均値が変化した場合には、さらに糸質量積分の値が後調整される。

１ 自動綾巻きワインダ
２ 作業ユニット
３ 紡績コップ
４ 巻取り装置
５ 綾巻きパッケージ
６ ボビン・巻管搬送システム
７ 綾巻きパッケージ搬送装置
８ パッケージフレーム
９ パッケージ駆動ローラ
１０ 糸綾振り装置
１１ 搬送ディスク
１２ 旋回軸
１３ フィンガ糸ガイド
１４ 駆動装置
１５ 繰出し位置
１６ 糸
１７ サクションノズル
１８ グリッパ管
１９ スプライシング装置
２０ 糸テンショナ
２１ 糸クリアラ
２２ 油剤供給装置
２３ 糸切断装置
２４ コップ供給区間
２５ 蓄え区間
２６ 横方向搬送区間
２７ 巻管戻し区間
２８ 作業ユニット計算器
２９ バス接続部
３０ 中央制御ユニット
３１ 糸張力センサ
３２ 下糸センサ
３３ 測定装置

Claims (9)

1. 綾巻きパッケージ（５）の重量を求める方法であって、前記綾巻きパッケージ（５）を、複数の作業ユニット（２）を備えた繊維機械（１）で製造し、該作業ユニット（２）が、前記綾巻きパッケージ（５）上に糸（１６）を敷設する巻取り装置（４）と、巻取りプロセス中に前記糸（１６）の望ましくない質量偏差を除去する、糸走行経路の領域に配置された静電容量式の糸クリアラ（２１）とをそれぞれ有している、方法において、
   前記糸クリアラ（２１）が、走行する糸（１６）の糸質量を逐次走査して、糸質量を求め、
   前記綾巻きパッケージ（５）の重量を求めるために、前記糸クリアラ（２１）の前記糸走査に基づいて、前記綾巻きパッケージ（５）の糸製造長さにわたって積算される値を求めることを特徴とする、方法。
2. ロット開始時に、多数の糸質量の値から糸質量平均値を計算し、
   パッケージ形成過程全体にわたって、前記糸質量平均値からの個々の糸走査での偏差を求め、該偏差を前記糸製造長さにわたって積算し、
   前記糸（１６）の糸番手、前記糸製造長さおよび前記偏差の合計に基づいて、前記綾巻きパッケージ（５）の重量を算出する、請求項１記載の方法。
3. 前記偏差の前記合計に基づいて、修正係数を求め、前記糸（１６）の前記糸番手、前記糸製造長さおよび前記修正係数に基づいて、前記綾巻きパッケージ（５）の前記重量を算出する、請求項２記載の方法。
4. 前記糸質量平均値からの許容不能な偏差に基づいて除去された全ての糸欠陥の長さを一時記憶し、前記偏差の前記合計の修正のために考慮する、請求項２または３記載の方法。
5. 製造中に前記糸質量平均値が変化した場合に、前記偏差の合計を後調整する、請求項２から４までのいずれか１項記載の方法。
6. 前記糸質量値を求める場合に、糸横断面に関係する糸繊維の質量、仕上げ剤および糸の湿分含有量を考慮する、請求項１から５までのいずれか１項記載の方法。
7. 計算装置（２８，３０）と複数の作業ユニット（２）とを備えた、請求項１から６までのいずれか１項記載の方法を実施する、綾巻きパッケージを製造する繊維機械（１）であって、前記作業ユニット（２）が、前記綾巻きパッケージ（５）上に糸（１６）を敷設する巻取り装置（４）と、巻取りプロセス中に前記糸（１６）の望ましくない質量偏差を除去する、糸走行経路の領域に配置された静電容量式の糸クリアラ（２１）とをそれぞれ有している、繊維機械（１）において、
   前記糸クリアラ（２１）は、走行する糸（１６）の糸質量を逐次走査し、求められた糸質量の値を前記計算装置（２８，３０）に伝達するように構成されており、前記計算装置（２８，３０）は、前記綾巻きパッケージ（５）の重量を求めるために、前記糸クリアラ（２１）の糸走査に基づいて、綾巻きパッケージ（５）の糸製造長さにわたって積算される値を求めるように構成されていることを特徴とする、綾巻きパッケージを製造する繊維機械（１）。
8. 前記静電容量式の糸クリアラ（２１）により求められた前記値を処理する前記計算装置が、前記繊維機械（１）の中央制御ユニット（３０）である、請求項７記載の綾巻きパッケージを製造する繊維機械（１）。
9. 前記静電容量式の糸クリアラ（２１）により求められた値を処理する前記計算装置が、前記繊維機械（１）の該当する前記作業ユニット（２）の作業ユニット計算器（２８）である、請求項７記載の綾巻きパッケージを製造する繊維機械（１）。

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