JPH077476U - 緑茶粉末コーティング緑茶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造工程で緑茶粉末の浮遊が少なく、衛生的
で、製品の緑茶粉末の離脱が少なく、しかも、緑茶粉末
の品質を長期間保持しうる緑茶粉末が入った緑茶を提供
する。 【構成】 緑茶の表面に、無味無臭の水溶性糊料を接合
剤にして、緑茶粉末または、サイクロデキストリンで包
接した緑茶粉末をコーティングする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、緑茶に緑茶の粉末をコーティングした茶に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、抹茶入り煎茶や抹茶入り玉露として市販されている茶は、茶に少量の抹 茶をまぶして、その表面に静電気の作用等により付着させたものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べた抹茶入り煎茶や抹茶入り玉露等の茶は、茶と抹茶をまぶす 混合工程や包装工程で抹茶が工場内に浮遊し、その製造過程の作業環境や衛生面 に於いて悪影響を及ぼしていた。

【０００４】 包装工程では、茶から離脱した抹茶が、包装フィルムに付着して、熱圧着性を 悪くしていた。

【０００５】 抹茶と茶の接着力が弱いので、抹茶のみが袋の底に溜まったり、ティーバック では離脱した抹茶がフィルターよりこぼれ落ちるなど、付着の均一性に欠けてい た。

【０００６】 また、まぶす茶種が抹茶に限定されており、水色の改善にはよいが、茶の香味 を強化するには至っていない。

【０００７】 また、抹茶は常温での流通では品質の劣化が早く激しいため、正味期間が短い 事や変質した製品を飲用していた。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の欠点を除くために為されたもので、請求項１記載の通り、緑 茶の表面に、緑茶の粉末を無味無臭の水溶性糊料を接合剤にしてコーティングし た緑茶粉末コーティング緑茶を考案した。

【０００９】 コーティングに使用する緑茶粉末は、請求項２に記載の通り、品質を保持する ために、特開昭和６２−１９０５１号広報に記載されている方法であるサイクロ デキストリンで包接した抹茶の製法を緑茶粉末に応用し、サイクロデキストリン で包接した茶粉末を使用する事により茶粉末の変質を常温にて長期に安定して防 止する事ができる。

【００１０】 コーティングに使用する接合剤の種類は、無味無臭の水溶性糊料なら何であっ ても構わないが、好ましくは水溶性糊料としてデキストリン、澱粉、プルラン、 寒天、カラゲーナン、ゼラチン、グルテン、及び卵白等の無味無臭の１種類又は ２種類以上の物質が適している。

【００１１】 本考案の緑茶粉末コーティング緑茶を製造する方法としては、緑茶表面に適当 量の水を噴霧したものに、緑茶粉末に適当量の水溶性糊料を混合したものを混合 攪拌してコーティングしたものを乾燥する。

【００１２】 また、緑茶の表面に適当な濃度に薄めた水溶性糊料の水溶液を噴霧したものに 、緑茶粉末を混合攪拌してコーティングしたものを乾燥するようにして製造する 。

【００１３】

【作用】

本考案によると、先ず緑茶の表面に水または糊料水溶液を噴霧してから、緑茶 粉末を混合攪拌するため、混合時に工場内への粉末の浮遊が少なくなる。また、 乾燥後の粉末の離脱も少ないので、フィルムの熱圧着時の包装性も良い。

【００１４】 しかも、緑茶粉末をサイクロデキストリンで包接したものを、緑茶にコーティ ングする事により、緑茶粉末の変質を常温にて長期に安定して防止する事ができ る。

【００１５】

【実施例】

以下、この考案の好適な製法例を説明する。

【００１６】 煎茶１００ｇにデキストリン（松谷化学製 商品名パインデックス＃１００） ２０％水溶液を煎茶表面に均一にスプレー等で噴霧し、煎茶粉末１０ｇを混合攪 拌しコーティングを行った。次に温風乾燥機で６０℃１０分間の乾燥を行って煎 茶粉末コーティング煎茶を得た。

【００１７】 玉露１００ｇの表面に水をスプレー等で均一に噴霧し、抹茶５ｇと上記デキス トリン５ｇを混合したものを混合攪拌しコーティングを行った。次に温風乾燥機 で６０℃１０分間の乾燥を行って抹茶コーティング玉露を得た。

【００１８】 煎茶粉末１重量部とサイクロデキストリン１重量部（塩水港精糖製 商品名ｋ −１００）を混合し５重量部の水を加えて、３０００ｒｐｍの回転数で３０分間 ホモジナイズを行った。それをディスクタイプの噴霧乾燥機にかけサイクロデキ ストリンで包接された煎茶粉末を得た。次に煎茶１００ｇに、上記デキストリン ２０％水溶液を煎茶表面に均一にスプレー等で噴霧し、先に作ったサイクロデキ ストリンに包接された煎茶粉末１０ｇを混合攪拌しコーティングを行った。次に 温風乾燥機で６０℃１０分間の乾燥を行ってサイクロデキストリン包接煎茶粉末 コーティング煎茶を得た。

【００１９】 煎茶粉茶１００ｇに上記デキストリン２０％水溶液を煎茶粉茶表面に均一にス プレー等で噴霧し、煎茶粉末１０ｇを混合攪拌しコーティングを行った。次に温 風乾燥機で６０℃１０分間の乾燥を行って煎茶粉末コーティング煎茶粉茶を得た これをナイロンメッシュフィルター内に３ｇ入れ、ティバック包装機にかけて煎 茶ティーバックを得た。

【００２０】 煎茶茎茶１００ｇに上記デキストリン２０％水溶液を煎茶茎茶表面に均一にス プレー等で噴霧し、抹茶１０ｇを混合攪拌しコーティングを行った。次に温風乾 燥機で６０℃１０分間の乾燥を行って抹茶コーティング煎茶茎茶を得た。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は上述の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。

【００２２】 請求項１の緑茶粉末コーティング緑茶は、これを製造するときに、緑茶粉末の 工場内への浮遊が少なくなる事から、製造作業環境や衛生面に於いて改善ができ る。

【００２３】 また、緑茶粉末と緑茶の接着力が強いので、包装工程で問題であった緑茶粉末 のフィルムへの付着が少なくなり、熱圧着性の改善が出来た。

【００２４】 また、緑茶粉末が製品袋の底に溜まったりすることがなくなり、ティーバック に於いては、緑茶粉末がフィルターよりこぼれ落ちる事がなくなり、付着の均一 性が良くなった。

【００２５】 緑茶粉末には、抹茶だけではなく、煎茶や玉露の粉末も使用するため、浸出液 の香味がコーティングされる茶の香味に強化され、濃厚な味わいが得られた。

【００２６】 請求項２に依ると、緑茶粉末をサイクロデキストリンで包接する事により、緑 茶粉末の酸化による変質を長期にわたって防止する事が出来、常温流通による正 味期間を長くする事が出来た。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１図は本発明に関わる緑茶粉末コーティング
緑茶の拡大断面図である。

【符号の説明】

１、緑茶 ２、緑茶粉末またはサイクロデキストリンで包接した緑
茶粉末 ３、水溶性糊料

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 緑茶の表面に、緑茶の粉末を無味無臭の
   水溶性糊料を接合剤にしてコーティングした緑茶粉未コ
   ーティング緑茶
2. 【請求項２】 緑茶粉末が、品質の保持のためにサイク
   ロデキストリンで包接した緑茶粉末である請求項１記載
   の緑茶粉末コーティング緑茶