JPH0774272B2 - 全芳香族共重合ポリアミド及びその成型物 - Google Patents
全芳香族共重合ポリアミド及びその成型物Info
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- JPH0774272B2 JPH0774272B2 JP1050029A JP5002989A JPH0774272B2 JP H0774272 B2 JPH0774272 B2 JP H0774272B2 JP 1050029 A JP1050029 A JP 1050029A JP 5002989 A JP5002989 A JP 5002989A JP H0774272 B2 JPH0774272 B2 JP H0774272B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、強度,モジュラス等の機械的物性に優れ、耐
熱性,難燃性、耐薬品性に富んだ、新規な全芳香族ポリ
アミド(アラミド)に関するものである。さらに詳しく
は、有機極性溶媒に可溶な、プロセス性の良好な、共重
合アラミドに関する。
熱性,難燃性、耐薬品性に富んだ、新規な全芳香族ポリ
アミド(アラミド)に関するものである。さらに詳しく
は、有機極性溶媒に可溶な、プロセス性の良好な、共重
合アラミドに関する。
[従来技術] アラミドは、高強力,高モジュラス、及び、高い耐熱性
を生かして、繊維、フイルム等に、幅広く用いられる。
とりわけ、パラ型のアラミドである、ポリ−p−フェニ
レレンテレフタラミド(PPTA)は、産業用資料、保護具
等に、その特徴を生かしアラミドの主流を成している。
を生かして、繊維、フイルム等に、幅広く用いられる。
とりわけ、パラ型のアラミドである、ポリ−p−フェニ
レレンテレフタラミド(PPTA)は、産業用資料、保護具
等に、その特徴を生かしアラミドの主流を成している。
然しながら、PPTAの製造,紡糸成型についてみれば、分
子の剛直性に起因する問題があり、例えば、重合反応溶
媒として、生体への毒性が強いヘキサメチルホスホルト
リアミドを使用しなければならないことや、濃硫酸によ
って、液晶性の紡糸原液を調製し、いわゆる液晶紡糸を
行わなければならない。しかも、この硫酸を中和するた
め、大量の中和剤を必要とし、製品中にこれら中和剤か
らの無機イオンが混入し、製品の品質を損なう。又、工
程的にも不利である。
子の剛直性に起因する問題があり、例えば、重合反応溶
媒として、生体への毒性が強いヘキサメチルホスホルト
リアミドを使用しなければならないことや、濃硫酸によ
って、液晶性の紡糸原液を調製し、いわゆる液晶紡糸を
行わなければならない。しかも、この硫酸を中和するた
め、大量の中和剤を必要とし、製品中にこれら中和剤か
らの無機イオンが混入し、製品の品質を損なう。又、工
程的にも不利である。
これに対して、重合溶媒として一般的な有機極性溶媒を
用い、等方性の紡糸原液を調製しプロセスの簡略化を図
る試みも提案されている。具体的には、エーテル結合を
分子鎖中に共重合し、溶解性を改良する方法(例えば、
特開昭51−76386号、特開昭51−134743号、特開昭51−1
36916号、特開昭61−252229号、特開昭62−27431号、特
開昭62−225530号、特開昭62−177022号、特開昭62−17
7023号各公報など)が数多く提案されている。これらの
うち、p−フェニレンジアミン(PPDA)と、3,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル(3,4′DAPE)とを共重合し
た、共重合アラミドは、強度、剛性率、耐薬品性に優れ
たポリマーであり、一般的な有機極性溶媒である。N−
メチルピロリドン(NMP)等を重合反応溶媒として用い
ることができ、しかも、この重合反応後のポリマー溶液
を直接用いて、紡糸等の成型ができ、プロセスの大幅な
改善が可能となる。
用い、等方性の紡糸原液を調製しプロセスの簡略化を図
る試みも提案されている。具体的には、エーテル結合を
分子鎖中に共重合し、溶解性を改良する方法(例えば、
特開昭51−76386号、特開昭51−134743号、特開昭51−1
36916号、特開昭61−252229号、特開昭62−27431号、特
開昭62−225530号、特開昭62−177022号、特開昭62−17
7023号各公報など)が数多く提案されている。これらの
うち、p−フェニレンジアミン(PPDA)と、3,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル(3,4′DAPE)とを共重合し
た、共重合アラミドは、強度、剛性率、耐薬品性に優れ
たポリマーであり、一般的な有機極性溶媒である。N−
メチルピロリドン(NMP)等を重合反応溶媒として用い
ることができ、しかも、この重合反応後のポリマー溶液
を直接用いて、紡糸等の成型ができ、プロセスの大幅な
改善が可能となる。
このような、柔軟な結合種であるエーテル結合をポリマ
ー鎖中に導入することは、溶解性向上の点で有効な手段
であるが、ポリマーの一次構造からも類推できるよう
に、耐熱性,剛性率,難燃性等の物性で、十分な性能を
発揮するに至っていない。更に高度の機械的物性、耐熱
性、難燃性を求めた場合、しかも、有機溶媒に可溶で、
簡便な製造プロセスが採用できるアラミドは、未だ提供
されていないのが現状である。
ー鎖中に導入することは、溶解性向上の点で有効な手段
であるが、ポリマーの一次構造からも類推できるよう
に、耐熱性,剛性率,難燃性等の物性で、十分な性能を
発揮するに至っていない。更に高度の機械的物性、耐熱
性、難燃性を求めた場合、しかも、有機溶媒に可溶で、
簡便な製造プロセスが採用できるアラミドは、未だ提供
されていないのが現状である。
さらに、近年にいたっては、安全性の観点より従来に増
して難燃性、不燃性が要求され、とりわけ、安全保護
具、航空機内装用の素材には特に必要な性能である。こ
の点においても既存のアラミドは、難燃性、不燃性能が
不十分であるため、利用分野が制限されるのが実状であ
る。
して難燃性、不燃性が要求され、とりわけ、安全保護
具、航空機内装用の素材には特に必要な性能である。こ
の点においても既存のアラミドは、難燃性、不燃性能が
不十分であるため、利用分野が制限されるのが実状であ
る。
[発明の目的] 本発明の目的は生体への毒性の少ない有機溶媒に可溶
で、製糸安定性にすぐれ、且つ高度の機械的物性、耐熱
性、および難燃性、不燃性を有するアラミドを提供する
ことにある。
で、製糸安定性にすぐれ、且つ高度の機械的物性、耐熱
性、および難燃性、不燃性を有するアラミドを提供する
ことにある。
[発明の構成] 重合段階での有機溶媒への溶解性を維持して、より優れ
た機械的物性,耐薬品性,難燃性を持つ共重合アラミド
について鋭意研究した結果PPDA,3,4′−DAPEに加えハロ
ゲン化ベンチジンを第三の成分としたジアミンと、テレ
フタル酸ハライド(TPC)とのアラミドが良好な性能を
持つ事を見いだし本発明に至った。
た機械的物性,耐薬品性,難燃性を持つ共重合アラミド
について鋭意研究した結果PPDA,3,4′−DAPEに加えハロ
ゲン化ベンチジンを第三の成分としたジアミンと、テレ
フタル酸ハライド(TPC)とのアラミドが良好な性能を
持つ事を見いだし本発明に至った。
即ち、本発明は(1) 主たる繰り返し単位が 但し、Xはハロゲン元素、m,nは4以下の整数 からなり、ジアミン成分(A)、(B)、(C)が、図
1で示した範囲内(CDEFGH)であり、且つ、ハロゲン濃
度が0.5重量%以上である全芳香族共重合ポリアミド。
1で示した範囲内(CDEFGH)であり、且つ、ハロゲン濃
度が0.5重量%以上である全芳香族共重合ポリアミド。
(2) ジアミン成分(A)が、クロロベンチジン基で
あるである請求項(1)の全芳香族共重合ポリアミド。
あるである請求項(1)の全芳香族共重合ポリアミド。
(3) ジアミン成分(A)が、3,3′−ジクロロベン
チジン基である請求項(2)の全芳香族共重合ポリアミ
ド。
チジン基である請求項(2)の全芳香族共重合ポリアミ
ド。
(4) 請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の全芳
香族共重合ポリアミドからなる成型物である。
香族共重合ポリアミドからなる成型物である。
本発明においてジアミン成分A,B,Cは構成成分として必
須の要件である。成分Aで示されるハロゲン化ベンチジ
ンとしては、例えば、3−クロロベンチジン,3−ブロモ
ベンチジン,3,3′−ジクロロベンチジン、3,3′−ジブ
ロモベンチジン、3,3′−ジフルオロベンチジン、2,2′
−ジクロロベンチジン、2,2′−ジフルオロベンチジ
ン、3,3′,5,5′−テトラフルオロベンチジン、3,3′,
5,5′−テトラクロロベンチジン等が挙げられるが合
成、製造の容易性から、3,3′−ジクロロベンチジンが
好ましい。
須の要件である。成分Aで示されるハロゲン化ベンチジ
ンとしては、例えば、3−クロロベンチジン,3−ブロモ
ベンチジン,3,3′−ジクロロベンチジン、3,3′−ジブ
ロモベンチジン、3,3′−ジフルオロベンチジン、2,2′
−ジクロロベンチジン、2,2′−ジフルオロベンチジ
ン、3,3′,5,5′−テトラフルオロベンチジン、3,3′,
5,5′−テトラクロロベンチジン等が挙げられるが合
成、製造の容易性から、3,3′−ジクロロベンチジンが
好ましい。
ジアミン成分A,B,Cの構成比率は重合反応時の溶解性を
左右する。NMPのごとき有機溶媒を用いる本発明におい
ては、第一図に示した領域CDEFGHである。ここにD〜H
の各点は下記組成を示す。
左右する。NMPのごとき有機溶媒を用いる本発明におい
ては、第一図に示した領域CDEFGHである。ここにD〜H
の各点は下記組成を示す。
この領域内の組成では、反応溶媒への溶解性が優れ、高
い重合度を持つポリマーが得られる。また、得られた成
型物の性能も特に優れており、工業的価値も高い。とり
わけ、難燃性,不燃性を付与するためには、アラミド中
のハロゲン濃度を高くする事が効果的であり、例えば、
0.5重量%以上好ましくは、1.0重量%以上が良い。
い重合度を持つポリマーが得られる。また、得られた成
型物の性能も特に優れており、工業的価値も高い。とり
わけ、難燃性,不燃性を付与するためには、アラミド中
のハロゲン濃度を高くする事が効果的であり、例えば、
0.5重量%以上好ましくは、1.0重量%以上が良い。
このアラミドを製造する方法は、溶融重合,固相重合,
界面重合,溶液重合などがあるが、溶液重合法が好まし
い。また、反応溶媒としては、一般に公知の有機極性溶
媒として知られる、ジメチルホルムアミド,ジメチルア
セトアミド,N−メチルピロリドン,N−メチルカプロラク
タム,ジメチルスルホン,テトラメチル尿素等から選ば
れた少なくとも一種を主成分として用いることができ
る。
界面重合,溶液重合などがあるが、溶液重合法が好まし
い。また、反応溶媒としては、一般に公知の有機極性溶
媒として知られる、ジメチルホルムアミド,ジメチルア
セトアミド,N−メチルピロリドン,N−メチルカプロラク
タム,ジメチルスルホン,テトラメチル尿素等から選ば
れた少なくとも一種を主成分として用いることができ
る。
この場合、溶解性を高めるために重合の前,途中,終了
時に一般に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えな
い。このような塩としては例えば塩化リチウム,塩化カ
ルシウム等があげられる。又、酸成分とジアミン成分と
の比は実質的に等モルで反応させるが重合度の制御のた
め何れかの成分を過剰に用いることもできる。さらに末
端封鎖剤として単官能性の酸成分,アミノ成分等を使用
しても良い。
時に一般に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えな
い。このような塩としては例えば塩化リチウム,塩化カ
ルシウム等があげられる。又、酸成分とジアミン成分と
の比は実質的に等モルで反応させるが重合度の制御のた
め何れかの成分を過剰に用いることもできる。さらに末
端封鎖剤として単官能性の酸成分,アミノ成分等を使用
しても良い。
さらに反応によって生成する塩化水素のごとき酸を捕束
するため脂肪族や芳香族のアミン,第四級アンモニウム
塩を併用できる。
するため脂肪族や芳香族のアミン,第四級アンモニウム
塩を併用できる。
反応の終了後、必要に応じて塩基性の無機化合物、たと
えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシ
ウム,酸化カルシウム等を添加し中和反応する。
えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシ
ウム,酸化カルシウム等を添加し中和反応する。
重合反応において生成するポリマーの溶媒に対する濃度
は重要である。均質な高重合度のポリマーを得るには生
成ボリマー濃度として20重量%以下が好ましい。とりわ
け数%から10%の範囲が安定したポリマーを得るのに好
都合である。
は重要である。均質な高重合度のポリマーを得るには生
成ボリマー濃度として20重量%以下が好ましい。とりわ
け数%から10%の範囲が安定したポリマーを得るのに好
都合である。
反応条件は特別な制限を必要としない。酸ハライドとジ
アミンとの反応は、一般に急速であり、反応温度は例え
ば−25℃〜100℃好ましくは−10℃〜80℃である。反応
系に混入する水等、反応を阻害する異物は避けなければ
ならないのは言うまでもない。
アミンとの反応は、一般に急速であり、反応温度は例え
ば−25℃〜100℃好ましくは−10℃〜80℃である。反応
系に混入する水等、反応を阻害する異物は避けなければ
ならないのは言うまでもない。
このようにして得られるアラミドはアルコール,水とい
った非溶媒に投入して、沈澱せしめ、パルプ状にして取
り出すことができる。これを再度他の溶媒に溶解して成
型に供することもできるが、重合反応によって得た溶液
をそのまま成型用溶液として用いることができる。
った非溶媒に投入して、沈澱せしめ、パルプ状にして取
り出すことができる。これを再度他の溶媒に溶解して成
型に供することもできるが、重合反応によって得た溶液
をそのまま成型用溶液として用いることができる。
特に本発明の組成のアラミドは溶解性に優れたものであ
り、重合反応中にポリマーが析出することがないので紡
糸等の成型用溶液として直接用いることができる。
り、重合反応中にポリマーが析出することがないので紡
糸等の成型用溶液として直接用いることができる。
成型法としては、先にのべたパルプ状あるいは粉体状と
したのち圧縮成型する方法、流延,キャスト法によるポ
リマー溶液からの製膜、湿式法による紡糸、製膜等が挙
げられる。
したのち圧縮成型する方法、流延,キャスト法によるポ
リマー溶液からの製膜、湿式法による紡糸、製膜等が挙
げられる。
溶液から成型する場合、凝固浴中に押し出し、成型物を
一旦固化せしめ、次いで水洗,延伸,熱処理を行うこと
によって繊維,フイルムを得ることができる。このばあ
い凝固浴としては有機極性溶媒/水系が好ましく用いら
れる。
一旦固化せしめ、次いで水洗,延伸,熱処理を行うこと
によって繊維,フイルムを得ることができる。このばあ
い凝固浴としては有機極性溶媒/水系が好ましく用いら
れる。
[発明の効果] 本発明のアラミドは、溶媒に対する溶解性が高く強度、
モジュラス等の機械的物性に優れ耐熱性、耐薬品性、難
燃性に富む成型品を提供する。
モジュラス等の機械的物性に優れ耐熱性、耐薬品性、難
燃性に富む成型品を提供する。
[実施例] 以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明がこれに限定されないのは言うまでもない。また
実施例でいう部とは重量部をいい重合度の目安となる対
象粘度ηinhは98.5重量%の濃硫酸に濃度0.5g/dlで溶か
した溶液を30℃にて通常の方法で測定したものである。
本発明がこれに限定されないのは言うまでもない。また
実施例でいう部とは重量部をいい重合度の目安となる対
象粘度ηinhは98.5重量%の濃硫酸に濃度0.5g/dlで溶か
した溶液を30℃にて通常の方法で測定したものである。
実施例1 十分に乾燥した攪拌装置付きの三つ口フラスコにN−メ
チルピロリドン(NMP)1888.5部、3,3′−ジクロロベン
チジン(DCB;成分A)33.534部、及びp−フェニレンジ
アミン(PPDA;成分B)23.687部、3,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル(3,4′−DAPE;成分C)17.545部を常温
下で添加し、窒素中で溶解した後攪拌しながらTPC88.94
5部を添加した。重合反応の進行に従って粘度は徐々に
上昇した。最終的には80℃で60分間反応せしめたとこ
ろ、透明性に優れた粘調なポリマー溶液が得られた。つ
いで、この生成物に22.5重量%の水酸化カルシュウムを
含有するNMP143.824部を添加し中和反応を行った。
チルピロリドン(NMP)1888.5部、3,3′−ジクロロベン
チジン(DCB;成分A)33.534部、及びp−フェニレンジ
アミン(PPDA;成分B)23.687部、3,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル(3,4′−DAPE;成分C)17.545部を常温
下で添加し、窒素中で溶解した後攪拌しながらTPC88.94
5部を添加した。重合反応の進行に従って粘度は徐々に
上昇した。最終的には80℃で60分間反応せしめたとこ
ろ、透明性に優れた粘調なポリマー溶液が得られた。つ
いで、この生成物に22.5重量%の水酸化カルシュウムを
含有するNMP143.824部を添加し中和反応を行った。
得られたポリマー溶液から析出せしめたポリマーについ
て測定した結果、ηinhは3.59であった。
て測定した結果、ηinhは3.59であった。
該アラミド溶液を孔径0.17mm孔数25ケのキャップを備え
たシリンダーにとり、80℃に保ちつつ、NMP30重量%の
水溶液である凝固浴中へ押しだした。紡糸した繊維は水
洗、乾燥したのち、熱板上、300℃及び460℃で全延伸倍
率9.5で二段延伸し、全繊度37deのフィラメントを得
た。
たシリンダーにとり、80℃に保ちつつ、NMP30重量%の
水溶液である凝固浴中へ押しだした。紡糸した繊維は水
洗、乾燥したのち、熱板上、300℃及び460℃で全延伸倍
率9.5で二段延伸し、全繊度37deのフィラメントを得
た。
この繊維の機械的物性は強度23.8g/de,伸度2.6%,モジ
ュラス910g/deであった。つぎに、このフィラメントを1
00本集束させて、銅線で作った直径10mmのコイルの中に
セットし45度に保って下部から火災をあて燃焼状態を観
察したところ火災の伝ぱんは認められず不燃性の繊維で
あった。また元素分析によるとポリマー中の塩素含有量
は7.3重量%であった。参考のため、PPTA(ポリ−p−
フェニレンテレフタルアミド)繊維についても同様の評
価をしたところ、火災は伝ぱんし、10cmの試験片は4回
着火することによって燃焼し尽した。
ュラス910g/deであった。つぎに、このフィラメントを1
00本集束させて、銅線で作った直径10mmのコイルの中に
セットし45度に保って下部から火災をあて燃焼状態を観
察したところ火災の伝ぱんは認められず不燃性の繊維で
あった。また元素分析によるとポリマー中の塩素含有量
は7.3重量%であった。参考のため、PPTA(ポリ−p−
フェニレンテレフタルアミド)繊維についても同様の評
価をしたところ、火災は伝ぱんし、10cmの試験片は4回
着火することによって燃焼し尽した。
実施例2 DCB50モル%,PPDA40モル%、3,4′−DAPE10モル%とな
るようにジアミン成分を計量し重合した。
るようにジアミン成分を計量し重合した。
即ち、DCB33.811部、PPDA11.449部、3,4′−DAPE5.300
部をNMP1932.7部にとり室温で溶解したのち、53.737部
のTPCを攪拌しながら添加し、室温で60分間、続いて80
℃で60分間重合した。重合の進行とともに粘調になるが
反応系は透明性がよく、濁りは認められなかった。
部をNMP1932.7部にとり室温で溶解したのち、53.737部
のTPCを攪拌しながら添加し、室温で60分間、続いて80
℃で60分間重合した。重合の進行とともに粘調になるが
反応系は透明性がよく、濁りは認められなかった。
反応終了後、水酸化カルシウム22.5重量%を含むNMPス
ラリー液86.892部を徐々に添加し、中和反応を終了し
た。得られたポリマーから析出して得たポリマーについ
て測定したηinhは3.36であった。このポリマー溶液を
用いて実施例1で示した方法で紡糸延伸(全延伸倍率3.
2)して全繊度73デニールの繊維を得た。この繊維は、
強度14.3g/de、伸度1.8%、モジュラス890g/deの優れた
機械的物性を示した。燃焼性の簡易評価(実施例1参
照)によると、本ポリマーも不燃性のポリマーであっ
た。又、ポリマー中の塩素は、11.17重量%であった。
ラリー液86.892部を徐々に添加し、中和反応を終了し
た。得られたポリマーから析出して得たポリマーについ
て測定したηinhは3.36であった。このポリマー溶液を
用いて実施例1で示した方法で紡糸延伸(全延伸倍率3.
2)して全繊度73デニールの繊維を得た。この繊維は、
強度14.3g/de、伸度1.8%、モジュラス890g/deの優れた
機械的物性を示した。燃焼性の簡易評価(実施例1参
照)によると、本ポリマーも不燃性のポリマーであっ
た。又、ポリマー中の塩素は、11.17重量%であった。
実施例3 DCB40モル%,PPDA30モル%、3,4′−DAPE30モル%とな
るようにジアミン成分を計量し重合した。
るようにジアミン成分を計量し重合した。
即ち、DCB48.633部、PPDA12.022部、3,4′−DAPE22.262
部をNMP1905.6部にとり室温で溶解したのち、75.289部
のTPCを攪拌しながら添加し、室温で60分間、続いて80
℃で60分間重合した。重合の進行とともに粘調になるが
反応系は透明性がよく、濁りは認められなかった。
部をNMP1905.6部にとり室温で溶解したのち、75.289部
のTPCを攪拌しながら添加し、室温で60分間、続いて80
℃で60分間重合した。重合の進行とともに粘調になるが
反応系は透明性がよく、濁りは認められなかった。
反応終了後、水酸化カルシュム22.5重量%を含むNMPス
ラリー液121.78部を徐々に添加し、中和反応を終了し
た。得られたポリマーから析出して得たポリマーについ
て測定したηinhは2.30であった。このポリマー溶液を
用いて実施例1で示した方法により、300℃、460℃の2
段で延伸(全延伸倍率22.0)して全繊度29デニールの繊
維を得た。この繊維は、強度12.5g/de、伸度2.0%、モ
ジュラス790g/deの優れた機械的物性を示した。ポリマ
ー中の塩素含有量は8.9重量%で難燃性に優れた繊維で
あった。
ラリー液121.78部を徐々に添加し、中和反応を終了し
た。得られたポリマーから析出して得たポリマーについ
て測定したηinhは2.30であった。このポリマー溶液を
用いて実施例1で示した方法により、300℃、460℃の2
段で延伸(全延伸倍率22.0)して全繊度29デニールの繊
維を得た。この繊維は、強度12.5g/de、伸度2.0%、モ
ジュラス790g/deの優れた機械的物性を示した。ポリマ
ー中の塩素含有量は8.9重量%で難燃性に優れた繊維で
あった。
実施例4 DCB60モル%,PPDA20モル%、3,4′−DAPE20モル%とな
るようにジアミン成分を計量し重合した。
るようにジアミン成分を計量し重合した。
即ち、溶解性を上げるため塩化カルシュム19.374部をNM
P1937.4部にとり溶解せしめ次いで、DCB37.709部、PPDA
5.320部、3,4′−DAPE9.852部を投入して室温で溶解し
たのち、49.944部のTPCを攪拌しながら添加し、室温で6
0分間、続いて80℃で60分間重合した。重合の進行とと
もに粘調になるが最終反応物はやや濁りのある黄色の溶
液となった。
P1937.4部にとり溶解せしめ次いで、DCB37.709部、PPDA
5.320部、3,4′−DAPE9.852部を投入して室温で溶解し
たのち、49.944部のTPCを攪拌しながら添加し、室温で6
0分間、続いて80℃で60分間重合した。重合の進行とと
もに粘調になるが最終反応物はやや濁りのある黄色の溶
液となった。
反応終了後、水酸化カルシュム22.5重量%を含むNMPス
ラリー液80.759部を徐々に添加し、中和反応を終了し
た。得られたポリマーから析出して得たポリマーについ
て測定したηinhは3.83であった。このポリマー溶液を
用いて実施例1で示した方法により、300℃、440℃の2
段で延伸(全延伸倍率2.50)して全繊度90デニールの繊
維を得た。この繊維は、強度17.3g/de、伸度1.8%、モ
ジュラス830g/deであり機械的性能に優れたものであっ
た。同様に測定した塩素含有量は11.2重量%であり、不
燃性の繊維であった。
ラリー液80.759部を徐々に添加し、中和反応を終了し
た。得られたポリマーから析出して得たポリマーについ
て測定したηinhは3.83であった。このポリマー溶液を
用いて実施例1で示した方法により、300℃、440℃の2
段で延伸(全延伸倍率2.50)して全繊度90デニールの繊
維を得た。この繊維は、強度17.3g/de、伸度1.8%、モ
ジュラス830g/deであり機械的性能に優れたものであっ
た。同様に測定した塩素含有量は11.2重量%であり、不
燃性の繊維であった。
実施例5 DCB5モル%,PPDA45モル%、3,4′−DAPE45モル%となる
ようにジアミン成分を計量し重合しηinh3.56のポリマ
ーをえた。
ようにジアミン成分を計量し重合しηinh3.56のポリマ
ーをえた。
次いで、実施例1と同様に300℃、490℃で全延伸倍率を
20.0として得られた33deのこの繊維は、強度23.5g/de、
伸度3.9%、モジュラス780g/deの優れた機械的物性を示
した。燃焼性の簡易評価(実施例1参照)によると、本
ポリマーは10cmの燃焼に12回の着火が必要であった。
尚、ポリマー中の塩素は、1.3重量%であった。
20.0として得られた33deのこの繊維は、強度23.5g/de、
伸度3.9%、モジュラス780g/deの優れた機械的物性を示
した。燃焼性の簡易評価(実施例1参照)によると、本
ポリマーは10cmの燃焼に12回の着火が必要であった。
尚、ポリマー中の塩素は、1.3重量%であった。
実施例6〜12 比較例1〜5 次いで組成を種々変更してポリマー溶液の溶解性を評価
した。何れも組成を変更した以外は実施例1の方法によ
った。
した。何れも組成を変更した以外は実施例1の方法によ
った。
ポリマーの溶液濁度は重合初期,中期に濁る場合を×、
反応後期で濁る場合を△、濁りがなく透明性の良い溶液
は○で表示した。何れも目視によって判定した。尚、表
1の参考例は本発明の範囲外の組成の場合である。
反応後期で濁る場合を△、濁りがなく透明性の良い溶液
は○で表示した。何れも目視によって判定した。尚、表
1の参考例は本発明の範囲外の組成の場合である。
図1はA(ハロゲン化ベンチジン)、B(PPDA)、C
(3,4′−DAPE)の3成分系組成物(モル比)を示す。
三角図中の実線で囲まれた部分のCDEFGHは本発明の範囲
である。
(3,4′−DAPE)の3成分系組成物(モル比)を示す。
三角図中の実線で囲まれた部分のCDEFGHは本発明の範囲
である。
Claims (4)
- 【請求項1】主たる繰り返し単位が 但し、Xはハロゲン元素、m,nは4以下の整数 からなり、ジアミン成分(A)、(B)、(C)のモル
比が、三角図に示したC点(0、0、100)、D点(6
5、0、35)、E点(65、30、5)、F点(45、50、
5)、G点(15、65、20)、H点(0、60、40)の範囲
内(CDEFGH、境界線を含む)であり、且つ、ジアミン成
分(A)のハロゲン基が占める全芳香族共重合ポリアミ
ド中のハロゲン濃度が0.5重量%以上である全芳香族共
重合ポリアミド。 - 【請求項2】ジアミン成分(A)が、クロロベンチジン
基である請求項(1)の全芳香族共重合ポリアミド。 - 【請求項3】ジアミン成分(A)が、3,3′−ジクロロ
ベンチジン基である請求項(2)の全芳香族共重合ポリ
アミド。 - 【請求項4】請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の
全芳香族共重合ポリアミドからなる成型物。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1050029A JPH0774272B2 (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 全芳香族共重合ポリアミド及びその成型物 |
US07/428,898 US5006629A (en) | 1988-11-01 | 1989-10-30 | Wholly aromatic polyamide copolymer |
DE68927235T DE68927235T2 (de) | 1988-11-01 | 1989-10-30 | Vollaromatisches Polyamidcopolymer |
EP89311179A EP0367535B1 (en) | 1988-11-01 | 1989-10-30 | Wholly aromatic polyamide copolymer |
DE68921844T DE68921844T2 (de) | 1988-11-01 | 1989-10-30 | Vollaromatisches Polyamidcopolymer. |
EP93101049A EP0541510B1 (en) | 1988-11-01 | 1989-10-30 | Wholly aromatic polyamide copolymer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1050029A JPH0774272B2 (ja) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | 全芳香族共重合ポリアミド及びその成型物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02229827A JPH02229827A (ja) | 1990-09-12 |
JPH0774272B2 true JPH0774272B2 (ja) | 1995-08-09 |
Family
ID=12847573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1050029A Expired - Lifetime JPH0774272B2 (ja) | 1988-11-01 | 1989-03-03 | 全芳香族共重合ポリアミド及びその成型物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0774272B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5707161B2 (ja) * | 2011-02-10 | 2015-04-22 | 国立大学法人東京工業大学 | メタアラミド繊維の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5332838A (en) * | 1976-09-08 | 1978-03-28 | Matsushita Electric Works Ltd | Restricted fluid and process for producinf the same |
-
1989
- 1989-03-03 JP JP1050029A patent/JPH0774272B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02229827A (ja) | 1990-09-12 |
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