JP2002054025A - 繊維用ポリアミド樹脂組成物ならびにポリアミド繊維 - Google Patents

繊維用ポリアミド樹脂組成物ならびにポリアミド繊維

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JP2002054025A
JP2002054025A JP2000387935A JP2000387935A JP2002054025A JP 2002054025 A JP2002054025 A JP 2002054025A JP 2000387935 A JP2000387935 A JP 2000387935A JP 2000387935 A JP2000387935 A JP 2000387935A JP 2002054025 A JP2002054025 A JP 2002054025A
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titanium oxide
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acid
polyamide resin
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Satoshi Otsubo
智 大坪
Tatsuya Kato
達也 加藤
Hideo Hori
秀夫 堀
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維用ポリアミド樹脂組成物の加熱溶融時の
ゲル化の進行を遅くし、よって、紡糸機内で加熱溶融し
た際、紡糸機内での異常滞留等に起因するゲル化が抑制
され、ゲルによる糸切れを少なくする。 【解決手段】 アジピン酸とヘキサメチレンジアミンに
イソフタル酸を共重合してなるポリアミド66共重合体
および酸化チタンを必須成分として含有するポリアミド
樹脂組成物であって、アジピン酸に対するイソフタル酸
の共重合率が1.5〜5mol%、アミノ末端基量が3
0〜50(meq/kg)であり、かつ、前記ポリアミ
ド樹脂組成物中における酸化チタン含有率を0.01〜
3重量%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタンを含有
したポリアミド樹脂組成物において、加熱溶融時のゲル
化の進行を遅くしたポリアミド樹脂組成物ならびに成形
品に関する。さらに詳細には、溶融紡糸の際のゲル化を
抑制したポリアミド樹脂組成物、ポリアミド繊維および
それから得られる製品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド繊維は、強度、耐久性、耐熱
性、ストレッチ性、染色堅牢性に優れており、ストッキ
ングやスポーツウェアなどの衣料用途では、隠蔽剤とし
て白色度の優れる酸化チタンを添加した、酸化チタン添
加ポリアミド樹脂が幅広く利用されている。特にε−カ
プロラクタムを重合してなるポリアミド6およびアジピ
ン酸とヘキサメチレンジアミンを重合してなるポリアミ
ド66は、汎用ポリアミドとして、品質面、コスト面の
点からも優れており広く用いられている。
【0003】しかし、ポリアミド66は、ポリアミド6
に比べてゲル化しやすく、重合工程における伝熱の低
下、紡糸機内の口金パックにゲル化物が付着し、糸切れ
の原因や口金パックの交換頻度が増える等の問題の原因
となる。
【0004】ポリアミド66のゲル化に関する問題を解
決するために、従来より様々な方法が提案されている。
例えば、ピロ亜リン酸塩を添加する方法(特公昭45−
11836号公報)、ホスフィン酸化合物および亜ホス
ホン酸化合物から選ばれたリン化合物と水酸化アルカリ
およびアルキルアルコラートから選ばれたアルカリ化合
物を添加する方法(特公昭51−24297号公報)、
銅化合物を含有し、かつポリマー中のヘキサメチレント
リアミンの量をポリマー1g当たり0.4mg以下に抑
制する方法(特開平5−25269号公報)、アルカリ
成分としてジカルボン酸またはアミノカルボン酸のモノ
あるいはジアルカリ塩を含有せしめて重合を行う方法
(特開平1−104654号公報)、ジアミンと芳香族
ジカルボン酸からなるアミド単位を共重合させる方法
(特開2000−53762号公報)などがある。
【0005】しかしながら、前記特公昭45−1183
6号公報の様にゲル化防止にリン系化合物を添加した場
合、ゲル化防止に効果を示すものの、添加量を増やすと
逆にゲル化を促進する問題が挙げられる。また、水酸化
アルカリ化合物はゲル化を抑制する効果はあるが、重合
を阻害してしまう問題がある。特開平1−104654
号公報に示すようにジカルボン酸またはアミノカルボン
酸のモノ或いはジアルカリ塩を含有せしめるとゲル化抑
制効果は少しは認められるが、添加量が少なすぎるた
め、ゲル化抑制効果は少ない。特開2000−5376
2号公報に示すように、芳香族ジカルボン酸は、ゲル化
抑制効果があるが、酸化チタンを多量に添加したポリア
ミド樹脂においては、ゲル化抑制効果が不十分であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、加熱
溶融時のゲル化を抑制した繊維用ポリアミド樹脂組成物
およびポリアミド繊維を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
検討した結果、隠蔽剤として添加する酸化チタンがポリ
アミド66のゲル化を促進させることが判った。そこ
で、本発明者らは、鋭意検討した結果、イソフタル酸を
特定範囲量共重合し、アミノ末端基量を特定範囲内にす
ることで、酸化チタンを添加しているポリアミド66に
おいてもゲル化を抑制することが可能であることを見出
した。本発明のポリアミド樹脂組成物は、主として次の
構成を有する。すなわち、(1)アジピン酸とヘキサメ
チレンジアミンにイソフタル酸を共重合してなるポリア
ミド66共重合体および酸化チタンを必須成分として含
有するポリアミド樹脂組成物であって、アジピン酸に対
するイソフタル酸の共重合率が1.5〜5mol%、ア
ミノ末端基量が30〜50(meq/kg)であり、か
つ、前記ポリアミド樹脂組成物中における酸化チタンの
含有率が0.01〜3重量%であることを特徴とする繊
維用ポリアミド樹脂組成物、(2)アジピン酸とヘキサ
メチレンジアミンにイソフタル酸を共重合してなるポリ
アミド66共重合体および酸化チタンを必須成分として
含有するポリアミド樹脂組成物であって、アジピン酸に
対するイソフタル酸の共重合率が1.5〜5mol%、
アミノ末端基量が30〜50(meq/kg)であり、
かつ、前記ポリアミド66樹脂組成物中における酸化チ
タンの含有率が0.01〜3重量%であることを特徴と
するポリアミド繊維、(3)前記のポリアミド繊維を加
工してなる繊維製品、を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明のポリアミド樹脂組成物中の酸化チ
タンの含有率は、0.01 〜3重量%であることが必
要であり、好ましくは、0.01〜1.5重量%、さら
に好ましくは0.01〜1重量%である。
【0009】このとき、酸化チタンの含有率が、ポリア
ミド樹脂に対して3重量%を超える場合、ポリアミドが
ゲル化し易くなる。また、酸化チタンの含有率が0.0
1重量%よりも低い場合、酸化チタンの隠蔽剤としての
効果が得られず、酸化チタンを添加する目的を果たすこ
とができない。
【0010】このポリアミド樹脂組成物に含有される酸
化チタンは、マンガン化合物で被覆されていることが好
ましい。マンガン化合物の被覆による作用の詳細は定か
でないが、ポリアミドのゲル化を促進すると考えられる
酸化チタンに起因するラジカルをマンガン化合物がトラ
ップするためと考えられる。そして、酸化チタンの表面
がマンガン化合物で被覆されることで、ラジカルトラッ
プの効果がより大きくなったと考えられる。酸化チタン
へのマンガン化合物の被覆方法として、コーティング対
象の酸化チタンをマンガン化合物溶液に浸した後、乾
燥、固着させる方法や酸化チタン粉末を攪拌しつつマン
ガン化合物含有溶液を噴霧しながら溶媒をとばす方法な
どがあるが、被覆方法については特に制限はない。この
酸化チタンを被覆するマンガン化合物の被覆量は、酸化
チタンに対してマンガン原子として0.01〜1重量%
であることが好ましく、更に好ましくは、0.01〜
0.5重量%である。マンガン化合物の被覆量が、1重
量%を超える場合、酸化チタンの着色剤、隠蔽剤として
の効果が落ちることがある。また、0.01重量%未満
の場合は、マンガン化合物を被覆することによるポリア
ミドのゲル化の更なる抑制に対する寄与は非常に小さ
い。
【0011】ポリアミド樹脂あるいはポリアミド繊維中
に添加されている酸化チタンの表面に被覆されているマ
ンガンの定量方法としては、酸化チタンにピロ硫酸カリ
ウムを加えて溶融して水溶性塩とし、それを4N硫酸お
よび蒸留水で処理した後85重量%燐酸と過ヨウ素酸カ
リウムで発色させ、吸光度法により定量する方法や、蛍
光X線分析、原子吸光分析によって測定する方法等が用
いられる。また、ポリアミド樹脂組成物中の酸化チタン
のマンガンの被覆割合の測定方法としては、ポリアミド
樹脂を98%ギ酸またはフェノール80gに対して99
%エチルアルコール20mlの割合で混合した混合溶媒
等のポリアミドを溶解し、かつ、マンガンは溶離しない
溶媒を用いてポリアミド樹脂を溶解した後、遠心分離ま
たは濾過によって酸化チタンを分離し、前記のマンガン
の定量方法を用いることで求めることができる。
【0012】酸化チタンをポリアミド樹脂組成物中に含
有せしめる方法について特に制限はないが、酸化チタン
を水スラリーの状態で重合系に添加することが好まし
い。添加時期は、該ポリアミドの原料を重合装置中で加
熱し、装置内圧が1.0MPa以上で制圧を行う状態に
なってから添加することが好ましい。
【0013】本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリア
ミド66共重合体を主成分とし、ポリアミド66共重合
体構成成分であるアジピン酸100重量部に対するイソ
フタル酸の共重合率は1.5〜5mol%であることが
必要である。好ましい共重合率は2〜4mol%であ
る。
【0014】イソフタル酸を共重合せしめることによっ
て加熱溶融時のポリアミド66樹脂のゲル化を抑制する
ことができるが、イソフタル酸の共重合率が1.5mo
l%より少ない場合、ゲル化抑制効果は認められない。
イソフタル酸の共重合率が5.0mol%より多い場
合、ゲル化抑制効果は認められるが、製糸したときのポ
リアミド66繊維としての機械的特性が失われてしま
う。
【0015】重合反応系にイソフタル酸を添加する時期
については特に制限はないが、重合開始前に他のポリア
ミド原料と一緒に添加するのが好ましい。
【0016】また、イソフタル酸を添加する際、イソフ
タル酸単独で添加しても良いが、任意のアミンまたはジ
アミンとの塩の状態で添加することが本発明で規定する
アミノ末端基量を保つ上で好適に採用される。アミンお
よびジアミンとしては、公知のものを用いることがで
き、ステアリルアミン、1,4−ジアミノブタン、1,
5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン(ヘ
キサメチレンジアミン)、1,3−ジアミノシクロヘキ
サン、1,4−ジアミノシクロヘキサン等があり、好ま
しくはヘキサメチレンジアミンが用いられる。
【0017】本発明においてポリアミド66共重合体中
のアミノ末端基量は、30〜50meq/kgであり、
好ましくは、40〜50meq/kgである。
【0018】アミノ末端基量を低くすると、ポリアミド
樹脂を加熱溶融した時にゲル化しにくくなるが、30m
eq/kgより低い場合、ポリアミド繊維としての優れ
た染色性が失われる。また、50meq/kgより大き
い場合、ポリアミド樹脂中のアミノ末端基が増加するた
め、加熱溶融時にアミノ末端基同士の反応による三級ア
ミンの生成が起こり、ゲル化しやすくなる。
【0019】本発明においては、アミノ末端基量を調整
するために末端基量調整剤を添加しても良い。末端基量
調整剤としては一般的にモノカルボン酸、ジカルボン
酸、モノアミン、ジアミン等があげられ、末端基量調整
はこれらの少なくとも1種またはこれらの任意の組み合
わせによって行われる。末端基量調整剤としては特に制
限はないが、酢酸、安息香酸、アジピン酸、セバシン
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ステアリルアミン、
ヘキサメチレンジアミン等の単独もしくはこれらの組み
合わせの添加が好ましい。また、添加の方法も特に制限
はなく、ポリアミドの原料に混合しても良いし、重合の
途中で添加しても良い。
【0020】本発明で使用するポリアミド66共重合体
の重合方法については、特に制限はなく、バッチ式でも
連続式でもよい。
【0021】本発明で使用するポリアミド66共重合体
の25℃、98重量%硫酸中での相対粘度ηrは、好ま
しくは2.0〜6.0であり、さらに好ましくは、2.
5〜4.0である。また、該ポリアミド66共重合体
は、固相重合によってηrを上記好適な値にすることも
できる。ηrが2.0より小さい場合、溶融粘度が低す
ぎるため溶融紡糸が困難である。また、ηrが6.0よ
り大きい場合、加熱溶融時にゲル化しやすくなる。
【0022】また、本発明のポリアミド樹脂組成物には
必要に応じ本発明の目的を阻害しない範囲内で公知の粘
度安定剤、耐光剤、耐熱剤、制電剤、分散剤等が添加さ
れていてもよい。
【0023】本発明のポリアミド樹脂組成物は公知の方
法を用いて、製糸することができ、また、公知の加工方
法により繊維製品とすることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はかかる実施例により限定されるわけではな
い。なお、実施例および比較例に記した分析および測定
は次の方法に従って行った。
【0025】1.相対粘度(ηr) 絶乾したポリアミド樹脂試料0.25gを98重量%濃
度の硫酸に対し、1g/100mlになるように溶解す
る。これをオストワルド粘度計を用いて25℃恒温中で
の流下秒数を計り、98重量%硫酸に対する流下秒数の
比として、下記式によって求めた。 ηr=(試料溶液の流下秒数)/(98重量%硫酸の流
下秒数)
【0026】2.アミノ末端基量 絶乾したポリアミド樹脂試料1gをフェノールとエタノ
ール混合溶媒(フェノール80gに対し、エタノール2
0mlを加えたもの)40mlに加えて室温で溶解す
る。これを自動記録式電位差滴定装置を用いて、pH
3.4を終点として0.02N塩酸溶液で滴定する。滴
定結果を基に下記式によって、アミノ末端基量を求め
た。 アミノ末端基量(meq/kg)=(T−Tb)×f×
0.02×10-2/W T :試料溶液の滴定に要した0.02N塩酸量(m
l) Tb :空試験に要した0.02N塩酸量(ml) f :0.02N塩酸の力価 W :絶乾試料重量(g)
【0027】3.ゲル化時間 絶乾したポリアミド樹脂試料10gを25mmφ試験管
に入れた後、窒素シール下、290℃で所定時間加熱す
る。加熱処理後、ポリマを取り出し粉砕し、65%硫酸
に50℃で15時間溶解させ、目開き10μmのメッシ
ュで濾過する。このとき、メッシュ上にゲル状の不溶解
物質が目視観察できる最小の加熱時間をゲル化時間とし
た。
【0028】4.酸化チタン含有率 ルツボを、800℃とした電気炉中で空焼きし、冷却後
精秤(a1)する。このルツボに絶乾した試料を量りと
り(s)、電気コンロで加熱しながら試料を炭化させ
る。次いで該ルツボを、電気炉中、800℃で恒量にな
るまで焼き、冷却後精秤(a2)する。このようにして
測定した結果より、含有率は、下記式に示す方法で求め
た。 酸化チタン含有率(%)=(a2−a1)/s ×10
【0029】5.酸化チタンに対するマンガン被覆率 ルツボに絶乾した酸化チタン50mgを量りとった後、
800℃で1時間加熱する。冷却後、ピロ硫酸カリウム
約10gを加え、加熱溶融を行い、溶融後、冷却固化さ
せる。該固化試料に4N硫酸15mlを加え、再度加熱
溶融させる。加熱溶融後冷却、濾過を行い、次いで85
%リン酸15ml、過ヨウ素酸カリウム0.1gを加
え、更に蒸留水を加えて70ml水溶液とする。該水溶
液を加熱して発色させ、約40mlまで濃縮する。この
濃縮液を50mlに希釈した後、分光光度計を用いて5
30nmにおける吸光度(対照液:蒸留水)を測定し、
マンガン標準液を用いて該方法により求めた検量線から
マンガン濃度を求めた。
【0030】6.樹脂中のマンガン含有率 ルツボに絶乾したポリアミド試料10gを量りとった
後、焼いて恒量になるまで灰化させる。灰化した試料を
冷却後、ピロ硫酸カリウム約10gを加え、加熱溶融を
行い、溶融後、冷却固化させる。該固化試料に4N硫酸
15mlを加え、再度加熱溶融させる。加熱溶融後冷
却、濾過を行い、次いで85%リン酸15ml、過ヨウ
素酸カリウム0.1gを加え、更に蒸留水を加えて70
ml水溶液とする。該水溶液を加熱して発色させ、約4
0mlまで濃縮する。この濃縮液を50mlに希釈した
後、分光光度計を用いて530nmにおける吸光度(対
照液:蒸留水)を測定し、マンガン標準液を用いて該方
法により求めた検量線からマンガン濃度を求めた。
【0031】実施例1 ポリアミド樹脂の重合は、80Lの重合缶で重合を行っ
た。アジピン酸(以下、AAと称する)とヘキサメチレ
ンジアミン(以下、HDと称する)の等モル塩(以下、
AH塩と称する)25kgに、イオン交換水4.4k
g、イソフタル酸がAA添加量に対して3.5mol%
となるようなHDとの塩(以下、6I塩と称する)およ
び安息香酸をAH塩に対して0.43mol%となるよ
うに仕込み昇温し、圧力が1.75MPaになるまで加
圧上昇せしめた。その後、1.75MPaでの制圧を行
っている途中に酸化チタンを20重量%の水スラリー状
態で、重合缶内に添加し、缶内温度が255℃になるま
で制圧を行った。そして、缶内温度が283℃に昇温す
るまで徐々に放圧後、重合缶内を70kPaまで減圧を
行った。その後、缶内を常圧に戻し、ポリマーをストラ
ンド状に排出し、ポリマーチップを得た。該チップを用
いて295℃で紡糸を行い20デシテックスの糸を得
た。得られたポリアミドチップおよびポリアミド繊維の
ゲル化時間を測定した結果、共に13時間であった。ポ
リマー特性値を表1に示す。
【0032】実施例2〜8、比較例1〜6、10 AH塩25kgに対して、表1,2に示す添加量のイソ
フタル酸を6I塩として、安息香酸を末端封鎖剤として
仕込み、イオン交換水を4.4kg添加して、表1,2
に示す酸化チタン粒子を用いて、実施例1と同様にして
重合を行った。得られたポリアミドチップのゲル化時間
を測定した。ポリマー特性値を表1,2に示す。比較例
1および比較例6について、295℃で紡糸を行い20
デシテックスの糸にして、その糸のゲル化時間を測定し
た結果、比較例1は8時間、比較例6は9時間であっ
た。
【0033】比較例7,8 AH塩25kgに対して、表1,2に示す添加量のテレ
フタル酸をHDとの塩として、および末端封鎖剤として
安息香酸を仕込み、また、表2に示す酸化チタン粒子を
用い、イオン交換水を4.4kg添加して、実施例1と
同様にして重合を行った。得られたポリアミドチップの
ゲル化時間を測定した。ポリマー特性値を表1,2に示
す。
【0034】実施例9、10、比較例9 AH塩25kgに対して、表1,2に示す添加量のイソ
フタル酸を6I塩として、安息香酸を末端封鎖剤として
仕込み、表1,2に示す酸化チタン粒子を用いて、ま
た、塩化マンガンを2%水溶液をマンガンとして表1,
2の状態となるように添加して、さらにイオン交換水を
4.4kg添加して、実施例1と同様にして重合を行っ
た。得られたポリアミドチップのゲル化時間を測定し
た。ポリマー特性値を表1,2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例2、6と比較例2、6との対比よ
り、酸化チタンが請求項に示す範囲にあるときは、ゲル
化時間が長くなっていることが判る。実施例3、4と比
較例1、3との対比より、アジピン酸に対するイソフタ
ル酸の共重合量が請求項に示す範囲にあるときにはゲル
化時間が長くなっていることが判る。 また、実施例
5、6と比較例7、8との対比より、イソフタル酸を共
重合量することでゲル化時間が長くなっていることが判
る。実施例5、6と比較例4、5との対比より、ポリア
ミドのアミノ末端基量が請求項の範囲にあるときにはゲ
ル化時間が長くなることが判る。実施例1〜8のいずれ
の例においても、AH塩と末端封鎖剤のみを添加したポ
リアミド66樹脂と対比させた場合、ゲル化時間が長く
なっており、ゲルの生成を抑制する効果があることが判
る。また、実施例1と実施例9、実施例4と実施例10
との対比により、マンガンを酸化チタンにコーティング
することによってゲル化時間をより長くできることが判
る。
【0038】
【発明の効果】本発明のイソフタル酸を共重合したポリ
アミド樹脂組成物は、加熱溶融時のゲル化の進行を遅く
することできる。よって、紡糸機内で加熱溶融した際、
紡糸機内での異常滞留等に起因するゲル化が抑制され、
ゲルによる糸切れを少なくすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J001 DA01 DB04 DC14 DD13 EB08 EB36 EC04 EC07 EC08 EC14 EE27C EE28C EE44C FB06 FC03 FD05 JA10 JB02 JC04 4J002 CL031 DE136 FB076 GK01 4L035 BB31 EE01 GG03 JJ05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アジピン酸とヘキサメチレンジアミンに
    イソフタル酸を共重合してなるポリアミド66共重合体
    および酸化チタンを必須成分として含有するポリアミド
    樹脂組成物であって、アジピン酸に対するイソフタル酸
    の共重合率が1.5〜5mol%、アミノ末端基量が3
    0〜50(meq/kg)であり、かつ、前記ポリアミ
    ド樹脂組成物中における酸化チタンの含有率が0.01
    〜3重量%であることを特徴とする繊維用ポリアミド樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 酸化チタンの含有率が0.01〜1重量
    %であることを特徴とする請求項1記載の繊維用ポリア
    ミド樹脂組成物
  3. 【請求項3】 前記酸化チタンがマンガン化合物で被覆
    されていることを特徴とする請求項1または2記載の繊
    維用ポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 マンガン化合物が前記酸化チタンに対
    し、マンガン原子として0.01〜1重量%の割合で被
    覆されていることを特徴とする請求項3記載の繊維用ポ
    リアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 アジピン酸とヘキサメチレンジアミンに
    イソフタル酸を共重合してなるポリアミド66共重合体
    および酸化チタンを必須成分として含有するポリアミド
    樹脂組成物であって、アジピン酸に対するイソフタル酸
    の共重合率が1.5〜5mol%、アミノ末端基量が3
    0〜50(meq/kg)であり、かつ、前記ポリアミ
    ド66樹脂組成物中における酸化チタンの含有率が0.
    01〜3重量%であることを特徴とするポリアミド繊
    維。
  6. 【請求項6】 酸化チタンの含有率が0.01〜1重量
    %であることを特徴とする請求項5記載のポリアミド繊
    維。
  7. 【請求項7】 前記酸化チタンがマンガン化合物で被覆
    されていることを特徴とする請求項5または6記載のポ
    リアミド繊維。
  8. 【請求項8】 マンガン化合物が前記酸化チタンに対
    し、マンガン原子として0.01〜1重量%の割合で被
    覆されていることを特徴とする請求項7記載の繊維用ポ
    リアミド繊維。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8いずれか記載のポリアミド
    繊維を加工してなる繊維製品。
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