JPH0772536A

JPH0772536A - 閃光発光装置内蔵型カメラ

Info

Publication number: JPH0772536A
Application number: JP5243586A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Terunuma; 宏志照沼; Shuji Iijima; 周司飯島
Original assignee: Nikon Corp
Current assignee: Nikon Corp
Priority date: 1993-09-06
Filing date: 1993-09-06
Publication date: 1995-03-17

Abstract

(57)【要約】【目的】影の発生が少なく、良好な閃光撮影を行なう
ことができるようにする。【構成】カメラ本体１に第１，第２の閃光発光装置
７，９を配置する。閃光撮影に際して、第１の閃光発光
装置７は被写体が所定距離よりも遠い位置にある場合に
発光する。第２の閃光発光装置９は被写体が所定距離よ
りも近い接写撮影時に第１の閃光発光装置７と共に発光
する。また第２の閃光発光装置９は被写体条件に応じて
左右方向にスライドされることにより照射領域を変え、
被写体の影を和らげる。予備発光釦２８を操作すると、
シャッタとは無関係に第１，２の閃光発光装置７，９を
同時に発光させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、閃光発光装置内蔵型カ
メラに関し、特に複数個の閃光発光装置を備えたカメラ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、閃光発光装置内蔵型カメラにおい
ては、極小型の閃光発光装置を１灯内蔵していた。

【０００３】しかしながら、上述した従来の閃光発光装
置内蔵型カメラでは、カメラを小型化するために閃光発
光装置も超小型のものを用いるため、閃光撮影の結果得
られる写真において、強い影が生じるという問題があっ
た。すなわち、通常撮影を行う場合は問題ないが、特に
接写撮影（近距離撮影）を行なう場合には、他に反射す
ることなく直接強力な光が被写体を照射するため、強い
影が被写体を縁取り、きわめて不自然な写真となる。

【０００４】図３および図４は１つの閃光発光装置を内
蔵した従来の閃光発光装置内蔵型カメラによる接写撮影
時の垂直方向と水平方向の影の発生の様子を示す図であ
る。これらの図において、１はカメラ本体、２はレンズ
鏡筒、３は撮影レンズ、４は撮影フィルム、５は被写
体、６は光軸、７は閃光発光装置で、この閃光発光装置
７は、通常カメラ本体１を正面から見てカメラ本体１の
前面右上に配設されている。閃光発光装置７を発光する
と被写体５の裏側と下側に影８（８ａ〜８ｄ）が発生す
る。この場合、影８ａ，８ｃは、撮影レンズ３から見て
被写体５の影となっているので写らないが、影８ｂ，８
ｄは被写体５の下側と右側にそれぞれ生じるため、被写
体５の下側と右側を縁取る影となって写り、良好な接写
写真が得られなくなる。

【０００５】そこで、最近では図５に示すように２つの
閃光発光装置７，９を内蔵し、これらを撮影条件に応じ
て個別にあるいは選択的に制御することにより影の発生
を軽減するようにしたカメラが提案されている。このよ
うなカメラにおいては、上記した１つの閃光発光装置７
によっては取り除くことができなかった影８ｄをもう１
つの閃光発光装置９によって照射することで和らげるこ
とができる利点を有している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、２つの
閃光発光装置７，９を内蔵した従来のカメラにおいて
も、これら閃光発光装置７，９をカメラ本体１に固定配
置しているので、照射領域を撮影条件に合わせて変える
ことができず、そのため配設位置によっては図５に示す
ように影８ｄの面積が広いと全体を照射することができ
ず、その上カメラの向かって右側に光源１０がある場合
には、光源１０による影１１が影８ｄの外側に発生する
が、この影１１に対しては全く無力で、良好な接写写真
を得ることができないという問題があった。

【０００７】本発明は上記したような従来の問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、被
写体条件に応じて照射領域を変えることができ、自然な
影を有する閃光撮影を可能にした閃光発光装置内蔵型カ
メラを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
第１の発明に係る閃光発光装置内蔵型カメラは、複数の
閃光発光装置を備え、そのうちの少なくとも１つの閃光
発光装置は左右方向にスライド自在に配置されているも
のである。第２の発明は、第１の発明において、スライ
ド自在な閃光発光装置は被写体が所定距離よりも近いと
きのみ他の閃光発光装置と共に発光するものである。第
３の発明は、第１又は第２の発明において、シャッタ機
構とは無関係に閃光発光装置を発光させる手段を備えた
ものである。

【０００９】

【作用】本発明において、スライド自在な閃光発光装置
は被写体条件に応じてスライドされて照射領域を変え、
被写体が所定距離以下の近距離撮影（接写撮影）時にお
いて他の閃光発光装置と同時に発光されることで、他の
閃光発光装置による影を照射し効果的に消す。閃光発光
装置を発光させる手段はシャッタ機構とは無関係に閃光
発光装置のみの発光を可能にする。したがって、撮影前
に被写体の影の生じかたを確認することができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図１は本発明に係る閃光発光装置内蔵
型カメラの一実施例を示す外観斜視図である。図２は閃
光発光装置による水平方向における影と撮影範囲を示す
図である。なお、図３〜図５と同一構成部材のものに対
しては同一符号をもって示す。これらの図において、本
実施例では、全体を符号２０で示すカメラとして、カメ
ラ本体１の前面略中央にレンズ鏡筒２を配設したコンパ
クトカメラである場合を例示している。

【００１１】レンズ鏡筒２に組み込まれた撮影レンズ３
は、たとえばズームレンズあるいは単焦点レンズによっ
て構成され、また撮影可能距離としては５０ｃｍ以内で
あると接写撮影において効果的であるが、通常撮影であ
るポートレート撮影では１〜１．５ｍ程度の撮影距離に
設定してもよいような構成となっている。

【００１２】また、上述したカメラ本体１の前面上部で
レンズ鏡筒２の両側にはＡＦ（オートフォーカス）の投
光窓２１とＡＦの受光窓２２が設けられ、さらにこれら
投光窓２１と受光窓２２の上方には、第１の閃光発光装
置７、ファインダー窓２３、第２の閃光発光装置９およ
び露出窓２５が、カメラ２０を正面から見て右側からこ
の順序で横一列に配設されている。また、カメラ本体１
の上面一側にはレリーズ釦２６と電源スイッチ２７が配
設され、これらリーズ釦２６および電源スイッチ２７と
は反対側の上面にはシャッタ機構とは関係なく２つの閃
光発光装置７，９を同時発光させる予備発光釦（手段）
２８が配設され、さらにカメラ本体１のレリーズ釦２６
とは反対側の側面上部には前記第２の閃光発光装置９の
スライド機構を構成する摘み２９が配設されている。Ａ
Ｆの投光窓２１と受光部２２は、被写体５までの焦点距
離を測距することにより、図示しない制御部からの駆動
制御で撮影レンズ３の自動焦点合わせを行なえるように
なっている。

【００１３】第１の閃光発光装置７は、従来と同様な位
置、すなわちカメラ本体１の前面上部で一側（図１中右
側）位置に水平に、かつ移動不能に配設されている。そ
して、この第１の閃光発光装置７は、被写体５が所定距
離より遠い遠距離撮影時には単独に発光し、被写体５が
所定距離よりも近い接写撮影時および被写体５の影の出
方を確認する時には第２の閃光発光装置９と同時に発光
するよう構成されている。

【００１４】第２の閃光発光装置９は、カメラ本体１の
前面上部中央から第１の閃光発光装置７とは反対方向に
長く凹設された凹部３０内に配設されており、前記摘み
２９によって左右方向にスライドされるように構成され
ている。第２の閃光発光装置９をスライドさせるスライ
ド機構としては、例えば前記摘み２９の回転をねじ棒に
よって第２の閃光発光装置９に伝達したり、あるいはま
た歯車、ワイヤ等を介して伝達するなど種々のスライド
機構が考えられる。また、必ずしもスライド機構を必要
とせず、手で直接スライドされるものであってもよい。
そして、この第２の閃光発光装置９は遠距離撮影時には
レリーズ釦２６を押しても発光されず、接写撮影時およ
び被写体５の影の出方を確認する時にのみ第１の閃光発
光装置７と共に用いられるよう構成されている。

【００１５】前記予備発光釦２８は、撮影前に影の発生
を確認する場合等に用いられるもので、この予備発光釦
２８を押し込み操作すると、ストロボ回路にトリガーを
加え、第１，第２の閃光発光装置７，９が同時に発光す
る。この時、レリーズ釦２６は操作されないので、シャ
ッタが開くことはない。

【００１６】このような構成からなるカメラにおいて、
接写撮影に閃光発光装置を使用した時の水平方向の影の
発生の様子を説明する。第１の閃光発光装置７を発光し
た場合、図２に示すように被写体５の後方の背景３０上
にａ，ｂの範囲で影８ｃ，８ｄが生じる。この時、第２
の閃光発光装置９も同時に発光して被写体５を照射する
ので、第２の閃光発光装置９を予め図２のＡ位置に移動
させておくと、第２の閃光発光装置９によって前記影８
ｄの全体を照射することができる。したがって、この影
８ｄは和らげられ、きわめて自然な接写撮影を可能にす
る。

【００１７】また、光源１０がカメラ２０の向かって右
側に存在する場合、この光源１０による影１１が前記影
８ｄの外側に生じる。この場合は第２の閃光発光装置９
を図２のＡ位置からＢ位置に移動させてその照射範囲内
に影１１が入るようにすると、光源１０による影１１も
影８ｄと同様に和らげることができる。一方、光源１０
がカメラ２０の向かって右側に存在せず、向かって左側
に存在する場合は、この光源１０による影３５が影８ｃ
を挟んで影８ｄの反対側に生じる。この場合は第２の閃
光発光装置９をＡ位置を挟んでＢ位置とは反対側の位
置、すなわちＣ位置に移動させればよい。また影を和
らげるため第２の閃光発光装置９をスライドさせると共
に、第１，第２の閃光発光装置７，９の光量を変えるよ
うにしてもよい。撮影前に被写体５の影の出方を確認し
たい場合は予備発光釦２８を押圧操作して第１、第２の
閃光発光装置７，９を同時に発光させ、その時の影の出
方を見て第２の閃光発光装置９の位置を決定すれがよ
い。

【００１８】なお、上記実施例は２つの第１の閃光発光
装置７，９を内蔵したカメラについて説明したが、本発
明はこれに何等特定されるものではなく、２つ以上であ
ってもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る閃光発
光装置内蔵型カメラによれば、少なくとも２つの閃光発
光装置を備え、そのうちの少なくとも１つを左右方向に
スライド自在に配設したので、被写体条件に応じてスラ
イド自在な閃光発光装置を移動させることにより、近距
離撮影時に最適な閃光撮影が可能となり、自然な影を有
する写真を撮ることができる。また、撮影前に閃光発光
装置のみを発光させると、被写体の影の出方を確認する
ことができため、スライド自在な閃光発光装置を最適位
置に移動させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る閃光発光装置内蔵型カメラの一実
施例を示す正面図である。

【図２】第１の閃光発光装置による水平方向の影と撮影
範囲を示す図である。

【図３】閃光発光装置を内蔵した従来カメラにおける接
写撮影時の垂直方向の影と撮影範囲を示す図である。

【図４】閃光発光装置を内蔵した従来カメラにおける接
写撮影時の水平方向の影と撮影範囲を示す図である。

【図５】２つの閃光発光装置を内蔵した従来カメラによ
る接写撮影時の水平方向の影の発生の様子を示す図であ
る。

【符号の説明】

１カメラ本体２レンズ鏡筒３撮影レンズ４撮影フィルム５被写体７第１の閃光発光装置９第２の閃光発光装置１０光源２１ＡＦ投光部２２ＡＦ受光部２３ファインダー窓２６レリーズ釦２８予備発光釦

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の閃光発光装置を備え、そのうちの
少なくとも１つの閃光発光装置は左右方向にスライド自
在に配置されていることを特徴とする閃光発光装置内蔵
型カメラ。
【請求項２】請求項１記載の閃光発光装置内蔵型カメ
ラにおいて、スライド自在な閃光発光装置は被写体が所
定距離よりも近いときのみ他の閃光発光装置と共に発光
することを特徴とする閃光発光装置内蔵型カメラ。
【請求項３】請求項１又は２記載の閃光発光装置内蔵
型カメラにおいて、シャッタ機構とは無関係に閃光発光
装置を発光させる手段を備えたことを特徴とする閃光発
光装置内蔵型カメラ。