JPH0772247A - 車載用車速計測装置 - Google Patents

車載用車速計測装置

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Publication number
JPH0772247A
JPH0772247A JP5219956A JP21995693A JPH0772247A JP H0772247 A JPH0772247 A JP H0772247A JP 5219956 A JP5219956 A JP 5219956A JP 21995693 A JP21995693 A JP 21995693A JP H0772247 A JPH0772247 A JP H0772247A
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JP
Japan
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timing
reflected wave
vehicle speed
road surface
vehicle
Prior art date
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Pending
Application number
JP5219956A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sato
和郎 佐藤
Mitsuhiro Sakamoto
光弘 坂本
Keiji Kuzutani
啓司 葛谷
Naoji Nakahara
直司 中原
Yasuyuki Aoki
康幸 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冠水路面から巻起す水飛沫の影響を除去し、
正確な車速が検出できること。 【構成】 受波した反射波の信号から、主に路面からの
反射波を受波するタイミングを決定するタイミング設定
手段と、第1のタイミング設定手段で決定されたタイミ
ングと所定の時間ずらせて、主に水飛沫からの反射波を
受波するタイミングを決定する第2のタイミング設定手
段とを具備し、第1のタイミング設定手段で決定された
タイミングでゲートを開放して得られた検出信号と第2
のタイミング設定手段で決定されたタイミングでゲート
を開放して得られた両速度信号により、主に水飛沫によ
るノイズ成分を除去して車速を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に取付けられ
て、ナビゲーションシステム、車速検出装置、ABS装
置等の各種速度情報を使用する車速計測装置に関するも
ので、特に、車輌に積載した超音波を利用する車載用車
速計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の超音波を使用した速度計測装置
としては、実開昭57−68574号公報に掲載の技術
がある。この公報に掲載の技術は、別体となった送波器
から連続的に超音波を送波し、反射体から反射して得ら
れる受波を連続受信し、送波と受波の差分でドプラー周
波数を検出するものであり、現在では周知の技術となっ
ている。
【0003】また、この種の超音波を使用した速度計測
装置としては、特開昭59−203973号公報に掲載
の技術がある。この公報に掲載の技術は、前記公報の技
術と同様、別体となった送波器と受波器とを有し、特
に、受波器を2台とし、車体の上下振動、ノーズアッ
プ、ノーズダウンによる誤差を軽減するものである。
【0004】これらの技術では連続的に超音波の送受信
を行なっているため、反射体の特定ができず多重反射波
等のノイズ除去が困難であった。
【0005】そして、この種の超音波を使用した別の速
度計測装置としては、特開昭58−39971号公報に
掲載の技術がある。この公報に掲載の技術は、超音波を
パルス状に送波し、特定の反射物体である路面から反射
して受波される時点でパルス幅に対応した受信ゲートを
開き、受信波の所定波長分の時間を計測することで、ド
プラーシフト量を求め、車速を計測するものである。
【0006】更に、この種の車載用車速計測装置として
は、特開平3−269388号公報に掲載の技術があ
る。
【0007】この技術は、送受波器から車輌の前方向或
いは前後方向の路面に所定の俯角度で超音波が放射さ
れ、放射された超音波と路面の突起の反射波の受信信号
から突起までの時間を計測し、また、路面の突起の反射
波の信号レベルと所定の閾値とを比較し、車輌前方の路
面の突起等の有無及びその大きさを検出している。そし
て、反射波が路面から帰来する時間における直線距離と
超音波の放射角度とから車高を検出し、得られたドプラ
ー周波数をもとに車速を検出している。
【0008】特に、前記公報に掲載の技術は、車体の前
後方向に等しい放射角度を有して超音波が放射され、そ
れぞれの反射波の受信信号のドプラー周波数を検出し、
その差のドプラー周波数を求めて、車体の垂直速度成分
が打消された車速を検出している。また、反射波が受信
されるまでの時間を計測することで車高を検出してい
る。
【0009】このようにして、超音波を用いて車輌の走
行時の前方路面の突起等が検出され、かつ、車高、車速
等を検出している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この種の超音波を路面
に送波し、その路面からの反射波を受波する車載用車速
計測装置は、車輪速から車輌速度を検出するスピードセ
ンサに比較して、車輪の空気圧及び積荷、タイヤサイ
ズ、スリップ等の影響を受けることなく車速検出でき、
信頼性の高い車速が得られる。しかし、車輌が冠水路面
の走行になると冠水路面から巻起す水飛沫によって、正
確に路面の検出が行ない難くなり、精度低下の要因にな
っていた。この現象は、冠水路面から巻起す水飛沫のみ
ならず、泥水の飛沫、雪、砂、塵埃についても同様の結
果をもたらす。
【0011】そこで、本発明は、冠水路面から巻起す水
飛沫の影響を除去し、正確な車速が検出できる車載用車
速計測装置の提供を課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる車載用車
速計測装置は、所定の俯角傾度を持って、間歇的に出力
される超音波信号を路面に送波し、その反射波を受波す
る超音波送受波器を有し、前記超音波送受波器で受波し
た反射波のドプラー周波数から車速を得る車載用車速計
測装置において、前記受波した反射波の信号から、主に
路面からの反射波を受波するタイミングを決定する第1
のタイミング設定手段と、その第1のタイミング設定手
段で決定されたタイミングと所定の時間ずらせて、主に
ノイズ成分の反射波を受波するタイミングを決定する第
1のタイミング設定手段とを具備し、前記第1のタイミ
ング設定手段で決定されたタイミングで受信ゲートを開
放して得られた速度信号と前記第2のタイミング設定手
段で決定されたタイミングで受信ゲートを開放して得ら
れた速度信号により、主に水飛沫等によるノイズ成分を
除去して車速を演算するものである。
【0013】
【作用】本発明においては、間歇的に出力される超音波
信号を路面に送波し、その受波した反射波の信号から、
主に路面からの反射波を受波するタイミングを第1のタ
イミング設定手段で設定し、また、その第1のタイミン
グ設定手段で決定されたタイミングと所定の時間ずらせ
て、主に水飛沫からの反射波を受波するタイミングを第
2のタイミング設定手段で設定する。そして、第1のタ
イミング設定手段で決定されたタイミングで受信ゲート
を開放して得られた速度信号と、前記第2のタイミング
設定手段で決定されたタイミングで受信ゲートを開放し
て得られた速度信号とにより、主に水飛沫等によるノイ
ズ成分を相殺して車速を演算する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例の車載用車速計測装置
について説明する。
【0015】〈基本的動作説明〉図1は本発明の実施例
の車載用車速計測装置の基本動作説明図で、(a)はシ
ングルビーム方式による車載用車速計測装置の側面図、
(b)はシングルビーム方式による車載用車速計測装置
の基本的動作説明図、(c)は水飛沫と路面との反射条
件を示す説明図である。
【0016】図1において、車輌100の進行方向に平
行し、反進行方向に対して俯角を45度に設定した超音
波送受波器TRは、200[KHz ]帯の超音波振動を所
定の超音波ビーム幅で路面に送波し、その反射波を受波
するものであり、車輌100の進行方向に対して平行す
る車速(速度ベクトル)Vを得るものである。具体的に
は、超音波送受波器TRは車輌100の前方中央に配設
している。
【0017】超音波送受波器TRは、図1(a)に示す
ように、プリント回路基板等と共にハウジングBに収容
して一体化している。そして、図1(b)に示すよう
に、ハウジングBは車輌100の下面に取付けられてい
る。また、この実施例の超音波を放射する高さはH
[m]である。
【0018】即ち、図1(b)の超音波送受波器TRで
送波及び受波する場合の動作原理図に示すように、超音
波を放射して路面に到達するまでの距離をL[m]、そ
の高さをH[m]、その放射角度をφ度とすれば、 L=H/sinφ ・・・・・・(1) となる。
【0019】また、間歇的に周波数f[Hz]の超音波を
路面に送波して、反射後、受波した周波数fo =f− d
f[Hz]からそのドプラー周波数 df[Hz]を算出する
と、 df=2f・(V/3.6)・cosφ/C [Hz] ・・・・(2) 但し、V:車速 [Km/h] C:音速 [m/s ] となる。
【0020】 V=1.8C・ df/f・cosφ ・・・・・・(3) このようにして、超音波を用いて車輌の走行時の路面の
突起等により、車速を検出している。
【0021】また、図1(c)のように、超音波送受波
器TRから路面に到達する前の反射波を得る距離Lw に
おいては、冠水路面Eからの反射波の影響よりも水飛沫
Wの速度を計測することになる。また、超音波送受波器
TRから冠水路面Eに到達する反射波を得る距離Lo に
おいては、水飛沫Wの影響を受けた冠水路面Eからの反
射波を計測することになる。
【0022】即ち、超音波送受波器TRから冠水路面E
に到達する反射波を得る距離Lo により速度Vo を求め
ると、また、超音波送受波器TRから路面に到達する前
の反射波を得る距離Lw により速度Vw を求めると、求
める車速Vは、一般に V=(Vo −αVw )/(1−α) ・・・・・・(4) であり、ここで、αは速度及び反射波を得る距離Lo と
距離Lw の間隔、受信レベル、超音波送受波器TRの設
置場所等で決定される定数であり、路面からの反射波と
水飛沫による反射波の混合の割合により関連するもので
ある。
【0023】因に、実験値に基づいてα=0.5を代入
すると、(4)式は V=2・Vo −Vw ・・・・・・(5) となる。
【0024】同様に、速度ベクトルの積分、微分を行な
うことにより距離、加速度が演算でき、このとき、車輌
の走行状態における車体の上下振動、ノーズアップ、ノ
ーズダウン、コーナリングによる車高変化により、超音
波送受波器TRに反射波が到来するまでの時間が変動す
ることになる。したがって、超音波送受波器TR毎に受
信ゲートを開くタイミングを調整することにより、目的
とする反射波を的確に捕え、それによってドプラー周波
数を演算し、正確な車速を得ることができる。
【0025】〈実施例の回路構成〉図2は本発明の実施
例の車載用車速計測装置の回路構成図である。
【0026】図2において、内部に8chのA/Dコン
バータを有するマイクロコンピュータ1は、内部に演算
制御に必要なRAM及びROM及び演算部等を有してい
る公知のものであり、その内部機能説明は後述する。超
音波送受波器TRは200[KHz ]帯び超音波振動を所
定の超音波ビーム幅で送波及び受波するものである。ま
た、送受切替回路3は超音波送受波器TRから超音波を
出力したり、受波したりする際の切替を行なうものであ
る。即ち、送受切替回路3は送信時に双方向ダイオード
ZD1 及びZD2 がオンし、超音波送受波器TRから信
号が出力されると共に、受信回路の保護を行ない、一
方、受信時に双方向ダイオードZD1 及びZD2 はオフ
して、受信信号がプリアンプ4に出力される。
【0027】送受切替回路3の双方向ダイオードZD1
は、トランス5の二次側に直列接続されており、そのト
ランス5の一次側はスイッチングトランジスタ6によっ
て、電源を供給するように接続されている。スイッチン
グトランジスタ6は10[MHz ]の外部発振周波数出力
を入力する分周回路7の出力による矩形波の200[KH
z ]を入力し、間歇的に200[KHz ]の信号でスイッ
チングトランジスタ6を開閉している。
【0028】したがって、マイクロコンピュータ1が間
歇的な出力P2 を“1”とすると、分周回路7の出力は
スイッチングトランジスタ6をオン・オフし、トランス
5の二次側には高電圧の200[KHz ]が発生し、それ
によって、超音波送受波器TRは超音波を発生する。
【0029】送受切替回路3を介して検出された超音波
送受波器TRからの信号は、プリアンプ4で増幅され、
車速等の速度変化に対応して変化する超音波周波数を持
つ受信波を通過させるバンドパスフィルタ8を介して放
射した超音波の反射波のみを検出し、それを更にアンプ
9で増幅してコンパレータ10に入力して2値化する。
このコンパレータ10の入力の一部は、ダイオードD11
及びコンデンサC11からなる受信レベル検出回路11に
入力され、そこで包絡線検波した後、それをマイクロコ
ンピュータ1が内蔵するA/Dコンバータに入力してい
る。
【0030】コンパレータ10の出力信号は第1のタイ
ミング設定回路120に入力し、その出力信号としてコ
ンパレータ10の出力に比例した繰返しパルス数を出力
する。
【0031】詳しくは、コンパレータ10の出力は車速
による速度変化に対応して変化する200±50[KHz
]程度の周波数を持つ受信波であり、必要な分解能
で、短時間に周波数検出をするため、周波数を逓倍する
構成としている。また、コンパレータ10の出力は後述
する受信ゲートが開いている時間だけ意味を持つもので
あるから、その間の時間信号により周波数に比例した電
圧をサンプリングホールドするものである。受信ゲート
が閉じており、有効でないときにはPLL回路としての
機能を停止させ、サンプリングホールドした電圧を保持
する。
【0032】具体的には、電圧制御発振回路VCOo の
出力を8分の1に分周したパルスとコンパレータ10の
出力を位相差検出回路PDo で比較し、その位相差をロ
ーパスフィルターLPFo を介して受信ゲートのアナロ
グスイッチング回路ASo に導き、その出力をサンプリ
ングホールド用の抵抗Ro 及びコンデンサCo に入力
し、また、電圧制御発振回路VCOo を介してマイクロ
コンピュータ1に入力している。電圧制御発振回路VC
Oo の出力は8分の1に分周する分周回路DEMo を介
して位相差検出回路PDo に入力している。結果的に、
電圧制御発振回路VCOo からは8倍したパルス繰返し
周波数がマイクロコンピュータ1に入力される。この回
路は、本実施例の第1のタイミング設定手段で決定され
たタイミングでアナログスイッチング回路ASo からな
る受信ゲートを開放して検出信号を得る第1のタイミン
グ設定回路120を構成する。
【0033】また、コンパレータ10の出力信号は第2
のタイミング設定回路121に入力し、その出力信号と
してコンパレータ10の出力に比例した繰返しパルス数
を出力する。
【0034】同様に、コンパレータ10の出力は受信ゲ
ートが開いている時間だけ意味を持つものであるから、
その間の時間信号により周波数に比例した電圧をサンプ
リングホールドするものである。受信ゲートが閉じてお
り、有効でないときにはPLL回路としての機能を停止
させ、サンプリングホールドした電圧を保持する。
【0035】具体的には、電圧制御発振回路VCO1 の
出力を8分の1に分周したパルスとコンパレータ10の
出力を位相差検出回路PD1 で比較し、その位相差をロ
ーパスフィルターLPF1 を介して受信ゲートとなるア
ナログスイッチング回路AS1 に導き、その出力をサン
プリングホールド用の抵抗R1 及びコンデンサC1 に入
力し、また、電圧制御発振回路VCO1 を介してマイク
ロコンピュータ1に入力している。電圧制御発振回路V
CO1 の出力は8分の1に分周する分周回路DEM1 を
介して位相差検出回路PD1 に入力している。結果的
に、電圧制御発振回路VCO1 からは8倍したパルス繰
返し周波数がマイクロコンピュータ1に入力される。こ
の回路は、本実施例の第2のタイミング設定手段で決定
されたタイミングでアナログスイッチング回路AS1 か
らなる受信ゲートを開放して検出信号を得る第2のタイ
ミング設定回路121を構成する。
【0036】外気温度はサーミスタ15により検出さ
れ、マイクロコンピュータ1の内蔵するA/Dコンバー
タの端子A1in に入力されている。
【0037】この種の超音波送受波器TR、送受切替回
路3、トランス5、スイッチングトランジスタ6、分周
回路7からなり超音波を送波する送信回路系と、超音波
送受波器TR、送受切替回路3、プリアンプ4、バンド
パスフィルタ8、アンプ9、コンパレータ10、受信レ
ベル検出回路11、第1のタイミング設定回路120か
らなり超音波を受波する第1の受信回路系とから、所定
の俯角傾度を持って、間歇的に出力される超音波信号を
路面に送波し、その反射波を受波する超音波送受波器T
Rを有し、前記超音波送受波器TRで受波した反射波の
ドプラー周波数から車速Vを得る本実施例の車載用車速
計測装置の基本構成としている。
【0038】なお、公知のペアビーム方式においては、
この種の回路を一対有することになるが、ここではその
説明を省略する。
【0039】図3は本発明の実施例の車載用車速計測装
置の回路構成で使用したマイクロコンピュータ1の機能
構成図である。
【0040】図3において、クロック発振器105によ
って駆動されている主演算制御回路(MCU)101
は、このマイクロコンピュータ1を駆動制御するプログ
ラムを格納したPROM102、及び主演算制御回路1
01の演算制御に必要なデータを格納するSRAM10
3、タイマ及びカウンタとして計数機能を有するタイマ
・カウンタ104、外部アナログ入力となる8chのA
/Dコンバータ106、外部ディジタル入出力となるパ
ラレルポート107、割込み制御を行なう割込みコント
ローラ108、車速演算結果をシリアルに出力するシリ
アルコミュニケーションインターフェース109等を有
しており、これらはデータ・アドレス・コントロールバ
ス110でバス結合されている。
【0041】〈回路構成の全体基本的動作〉本実施例の
車載用車速計測装置は、次のように動作する。
【0042】超音波送受波器TRからは周波数200
[KHz ]、継続時間1[msec]の間歇超音波を10[ms
ec]毎に送信するマイクロコンピュータ1のパラレルポ
ート107の端子P2 より間歇的出力のための送信ゲー
ト信号を出力する。分周回路7の出力によりスイッチン
グトランジスタ6をオン・オフ制御し、昇圧させた20
0[KHz ]の出力によって超音波送受波器TRから超音
波を発生させる。このとき、送受切替回路3は送信動作
中に受信側のプリアンプ4の入力に過大信号が加わらな
いようにしている。
【0043】まず、超音波送受波器TRが路面からの反
射波を受波すると、プリアンプ4でゲイン80[dB]程
度の増幅をした後、バンドパスフィルタ8により略20
0±50[KHz ]の信号のみを取出し、更に、それを増
幅した後、コンパレータ10によって2値化し、第2の
タイミング設定回路121に入力して、その路面からの
反射波の周波数を検出する。第2のタイミング設定回路
121は、コンパレータ10によって2値化したものを
入力して、主に水飛沫W等のノイズ要因からの反射波の
周波数を検出する。コンパレータ10の出力は第2のタ
イミング設定回路121によって、主に水飛沫Wからの
反射波を検出する時間だけサンプリングホールドし、そ
の電圧を保持することによって、路面からの反射波の特
定の検出周波数を保持する。電圧制御発振回路VCO1
の出力は8分の1に分周してフィードバックさせて位相
差検出回路PD1 に入力しており、これによって超音波
送受波器TRに入力される反射周波数の8倍の周波数に
ロックされるようになっている。したがって、マイクロ
コンピュータ1で電圧制御発振回路VCO1 の出力をカ
ウントすれば、放射した超音波周波数及び反射してきた
超音波周波数を基にドプラー周波数を検出できる。
【0044】また、同様に、コンパレータ10によって
2値化したものを第1のタイミング設定回路120に入
力して、その路面からの反射波の周波数を検出する。コ
ンパレータ10の出力は第1のタイミング設定回路12
0によって、主に路面からの特定の反射波を検出する時
間だけサンプリングホールドし、その電圧を保持するこ
とによって、路面からの反射波の特定の検出周波数を保
持する。電圧制御発振回路VCOo の出力は8分の1に
分周してフィードバックさせて位相差検出回路PDo に
入力しており、これによって超音波送受波器TRに入力
される反射周波数の8倍の周波数にロックされるように
なっている。したがって、マイクロコンピュータ1で電
圧制御発振回路VCOo の出力をカウントすれば、放射
した超音波周波数及び反射してきた超音波周波数を基に
ドプラー周波数を検出できる。
【0045】図4及び図5は本発明の実施例の車載用車
速計測装置のマイクロコンピュータ1が実行するメイン
プログラムのフローチャートである。また、図6は同じ
く割込み処理ルーチンのフローチャート、図7は同じく
車速演算処理ルーチンのフローチャート、図8は同じく
ゲート位置演算処理ルーチンのフローチャートである。
また、図9は本発明の一実施例の車載用車速計測装置の
制御のタイミングチャートである。
【0046】〈マイクロコンピュータによるメイン動作
(図4,5参照)〉まず、図示しない電源の投入によっ
て、パワーオンリセット回路の働きによって主演算制御
回路101にリセットパルスが入力され、このリセット
によってPROM102に格納されている図4及び図5
のメインプログラムの処理を開始する。
【0047】ステップS1で本実施例の車載用車速計測
装置で使用する各種メモリ及びカウンタ、タイマをクリ
ア或いは所定の値に設定し、各出力ポート等を初期設定
するイニシャライズ処理を行なう。特に、受信ゲートス
タート時間TG 及びサンプリングスタート時間Ts を設
定する。この受信ゲートスタート時間TG は、既定値と
して標準状態での車輌100の取付け高さに対応する超
音波信号の受信時間を設定する。例えば、取付高さ位置
をH=280[mm]とし、超音波の俯角傾度φ=45
度、放射角度をθ=30度、音速C=345[m/s ]と
した場合、 TG =2×0.28/sin45・sin60×1/345+0.3×10-3 =3.0[msec] として設定される。ここで、0.3[msec]が加算され
ているのは、送波パルス幅1[msec]に対して受信ゲー
ト幅0.5[msec]の位置を受波のほぼ中央に設定する
ためである。
【0048】また、サンプリングスタート時間Ts は車
高が低くなった状態でも路面からの反射波を受波しない
程度の時間、即ち、車高が低くなった状態でも、サンプ
リングスタート時間Ts に0.5[msec]加算された時
間で、主に水飛沫Wのみの反射波を検出するように設定
される。
【0049】ステップS2で10[msec]のシーケンス
の終了を判断する10msecシーケンス終了フラグF10及
びサンプリング許可フラグFs 、メインタイマTをクリ
アする。ステップS3で100[μsec ]毎に割込みを
行なう100μsec タイマ割込みを許可し、ステップS
4で10msecシーケンス終了フラグF10が降りているか
判断し、10msecシーケンス終了フラグF10が降りるま
で待機し、以降の処理を10[msec]毎に行なう。10
msecシーケンス終了フラグF10が降りると、ステップS
5でスイッチングトランジスタ6をオンとして送信ゲー
トを開き、ステップS6でメインタイマTで1[msec]
の経過を判断し、ステップS7でその送信ゲートを閉じ
る。これにより、1[msec]の超音波のバースト信号を
出力することになる。即ち、図9に示すように、ステッ
プS4からステップS7は送信ゲートの開閉をマイクロ
コンピュータ1の出力端子P2 の10[msec]毎に1
[msec]間の“1”によって行ない、その間、分周回路
2の出力e1 に示すバースト信号となり、超音波送受波
器TRの送波入力は出力e2 のようになる。また、その
反射波は超音波送受波器TRを介して出力e3 のように
なる。
【0050】ステップS8で超音波送受波器TRに反射
波の受波信号を入力する予測されたサンプリングスター
ト時間Ts を判断し、サンプリングスタート時間Ts が
到来したときステップS9でサンプリング許可フラグF
s を立て、そして、ステップS10で第2のタイミング
設定回路121の受信ゲート2のアナログスイッチング
回路AS1 を開とし、ステップS11で0.5[msec]
だけその受信ゲート2をオンとした後、ステップS12
で第2のタイミング設定回路121のアナログスイッチ
ング回路AS1 からなる受信ゲート2を閉じ、ステップ
S13の処理に入る。
【0051】初期設定した値またはゲート位置演算処理
ルーチンで得た各受信ゲートスタート時間TG の到来を
ステップS13で待つ。各受信ゲートスタート時間TG
が到来したとき、ステップS14で第1のタイミング設
定回路120のアナログスイッチング回路ASo からな
る受信ゲート1を開とし、ステップS15で0.5[ms
ec]だけ受信ゲート1をオンとした後、ステップS16
で第1のタイミング設定回路120の受信ゲート1を閉
とし、ステップS17の処理に入る。即ち、ステップS
8からステップS16では、第2のタイミング設定回路
121の受信ゲートスタート時間TG の到来を判断し、
主に水飛沫Wからの反射波を受波するタイミングを決定
するステップS8、ステップS10乃至ステップS12
からなる第1のタイミング設定手段と、ステップS13
で初期設定した値またはゲート位置演算処理ルーチンで
得た第1のタイミング設定回路120の受信ゲートスタ
ート時間TG の到来を判断し、主に路面からの反射波を
受波するタイミングを決定するステップS13、ステッ
プS14乃至ステップS16からなる第2のタイミング
設定手段とを有し、前者はアナログスイッチング回路A
S1 からなる受信ゲート2を、後者はアナログスイッチ
ング回路ASo からなる受信ゲート1を開閉制御するも
のである。
【0052】そして、ステップS17で主演算制御回路
101が内蔵するカウンタCOUNT1のゲートを開とし、ス
テップS18でサンプリングスタート時間Ts から3
[msec]の経過を判断する。即ち、サンプリングスター
ト時間Ts は受信ゲートのオン時間の中心から±1.5
[msec]だけ、マイクロコンピュータ1の内蔵するA/
Dコンバータの端子Aoin に超音波送受信器TRの検出
信号を入力し、到来する信号のサンプリングを行なう。
各サンプリングスタート時間Ts から3[msec]経過し
たとき、ステップS19でサンプリング許可フラグFs
を降ろす。ステップS20においてメインタイマTでカ
ウンタのゲートの開の時間が、超音波送受信器TRの受
信ゲートスタート時間TG から2.5[msec]の経過を
判断して、カウンタの計数値をステップS21で読込み
及びカウンタのゲートを閉じて、カウンタの計数値を読
込む。ステップS22で路面を超音波ビームの反射点と
する車輌100の車速Vの演算を行なうべく『車速演算
処理』ルーチンをコールする。また、車速ベクトルの積
分、微分を行なうことにより、距離、加速度が演算でき
る。
【0053】ステップS23で『ゲート位置演算処理』
ルーチンをコールする。そして、ステップS24でサン
プリングスタート時間Ts に受信ゲートスタート時間T
G から1.2[msec]だけ先にサンプリング時刻を設定
する。即ち、ゲート位置演算処理ルーチンは次回の受信
ゲートスタート時間TG を決定する。そして、ステップ
S25で10msecシーケンス終了フラグF10を立て、ス
テップS26で大気温度を読込み、次の車速演算に使用
する大気温度によって決定される係数Kの値を決定し、
ステップS4以降のルーチンを繰返し、実行する。
【0054】〈タイマ割込み処理(図6参照)〉ステッ
プS31でメインタイマTに+1インクリメントし、ス
テップS32でメインタイマTによって100[μsec
]毎の割込みのタイミングであるか判断し、ステップ
S32で割込みのタイミングであると判断されたとき、
ステップS33及びステップS34で10[msec]のシ
ーケンスの終了を判断する10msecシーケンス終了フラ
グF10を降ろし、メインタイマTをクリアする。割込み
のタイミングでないと判断されたとき、ステップS33
及びステップS34の処理を回避する。
【0055】また、ステップS35でサンプリング許可
フラグFs が立っているか判断し、サンプリング許可フ
ラグFs が立っているとき、ステップS36で受信レベ
ル検出回路11の出力によりA/D変換をスタートし、
ステップS37でそれをバッファに書込み、このルーチ
ンを脱する。また、ステップS35でサンプリング許可
フラグFs が立っていないと判断されたとき、このルー
チンを脱する。
【0056】即ち、このルーチンでは、メインタイマT
によって0.1[msec]毎に信号レベル検出回路11を
介して信号レベルをサンプリングし、その信号レベルを
主演算部101が内蔵するバッファに格納するものであ
る。
【0057】〈車速演算処理(図7参照)〉図5のステ
ップS22で『車速演算処理』ルーチンがコールされる
と、ステップS41で第2のタイミング設定回路121
のアナログスイッチング回路AS1からなる受信ゲート
側の受信レベルが所定の閾値ET 以下であるか判定し、
その第2のタイミング設定回路121側の受信レベルが
所定の閾値ET 以下のときには、主に水飛沫Wからの反
射波を受波する受信レベルが非常に低いことを意味する
から、ステップS43で車輌100の車速Vを、第1の
タイミング設定回路120のアナログスイッチング回路
ASo の受信ゲート側で検出した速度Vo を Vo =K・countXo ・・・・・・(5) 但し、countXo :カウンタの計数値 K:大気温度によって決定される係数 によって各速度Vo の演算を行ない、それを車速V=V
o とする。
【0058】また、第2のタイミング設定回路121側
の受信レベルが所定の閾値ET 以下でないときには、主
に水飛沫W等からの反射波を受波する受信レベルが非常
に高いことを意味するから、ステップS42で車輌10
0の車速Vを、第1のタイミング設定回路120側で検
出した(5)式の速度Vo と第2のタイミング設定回路
121側で検出した次式の速度Vw とを使用し、 Vw =K・countXw ・・・・・・(6) 得た速度Vo と速度Vw を前記(4)式に代入し、車速
Vを V=(Vo −αVw )/(1−α) として演算し、このルーチンを脱する。
【0059】〈ゲート位置演算処理(図8参照)〉0.
1[msec]毎の割込みによるサンプリングによってサン
プルされた受信レベルデータは、中央のサンプルデータ
の前後に15サンプル、即ち、計31個のサンプルデー
タが存在する。まず、ステップS51において全レベル
データの単純平均により平均値Xを算出し、ステップS
52で受信レベルデータは中央のサンプルデータのレベ
ル値をサンプル中心データ格納メモリXc に格納する。
ステップS53でこれが前後に15サンプルのレベル値
よりも平均値Xに所定量nだけ加算した値より大きいか
判断し、中央のサンプルデータのレベル値と前後に15
サンプルのレベル値が所定の平均値Xに所定量nだけ加
算した値より大きいとき、目的とする反射波が整然と反
射されているデータを意味することから、これを採用す
べくステップS54の処理に入る。しかし、中央のサン
プルデータのレベル値と前後に15サンプルのレベル値
が所定の平均値Xに所定量nだけ加算した値より大きく
ないとき、受信波形がランダムな干渉によって歪んでし
まったデータを意味することから、このデータの採用を
防止する。ステップS54で前記全レベルデータの平均
値Xに所定量nだけ加算した値を上回るデータ期間を前
後に探してその前時間T1 と後時間T2 を求める。ステ
ップS55でT2 −T1 の幅が1[msec]で、受信レベ
ルデータを得るタイミングを十分にカバーできているか
否か判断する。この判断も受信波形がランダムな干渉に
よって歪んでしまったデータを採用するのを防止するも
のである。そして、ステップS56で(T2+T1 )/
2を受信ゲートスタート時間TG として設定する。ステ
ップS53で中央のサンプルレベル値よりも平均値に所
定量nだけ加算した値より大きくないとき、また、ステ
ップS55でT2 −T1 の幅が1[msec]以上でなく
て、受信レベルデータを得るタイミングを十分にカバー
できていないとき、このルーチンを脱する。
【0060】このように、本実施例の車載用車速計測装
置は、所定の俯角傾度を持って、間歇的に出力される超
音波信号を路面に送波し、その反射波を受波する超音波
送受波器TRを有し、前記超音波送受波器TRで受波し
た反射波のドプラー周波数から車速Vを得る超音波送受
波器TR、送受切替回路3、トランス5、スイッチング
トランジスタ6、分周回路7からなる送信回路系及び超
音波送受波器TR、送受切替回路3、プリアンプ4、バ
ンドパスフィルタ8、アンプ9、コンパレータ10、受
信レベル検出回路11、第1のタイミング設定回路12
0からなる第1の受信回路系とからなる車載用車速計測
装置において、前記受波した反射波の信号から、主に路
面からの反射波を受波するタイミングを決定するステッ
プS13、ステップS14乃至ステップS16からなる
第1のタイミング設定手段と、前記第1のタイミング設
定手段で決定されたタイミングと所定の時間ずらせて、
主に水飛沫W等のノイズ成分からの反射波を受波するタ
イミングを決定するステップS8、ステップS10乃至
ステップS12からなる第2のタイミング設定手段と、
前記第1のタイミング設定手段で決定されたタイミング
で第1のタイミング設定回路120の受信ゲート1を開
放して得られた検出信号と前記第2のタイミング設定手
段で決定されたタイミングで第2のタイミング設定回路
121の受信ゲート2を開放して得られた速度Vo と速
度Vw の信号により、主に水飛沫W等のノイズ成分を除
去して車速Vを演算するステップS42からなる演算手
段とを具備するものである。
【0061】したがって、超音波送受波器TRから出力
e2 のように間歇的に超音波信号を路面に送波し、その
反射波を受波して信号e3 とし、その受波した信号e3
を増幅する。この信号e3 には水飛沫W等によるノイズ
成分及び路面からの反射による路面成分を有している。
そこで、ステップS8乃至ステップS12で超音波送受
波器TRに反射波を入力する予測されたサンプリングス
タート時間Ts が到来したとき、第2のタイミング設定
回路121のアナログスイッチング回路AS1からなる
受信ゲート2を開とし、0.5[msec]だけ受信ゲート
2をオンとした後、アナログスイッチング回路AS1 か
らなる受信ゲート2を閉じる。この間、その増幅信号を
サンプリングホールド用の抵抗R1 及びコンデンサC1
に入力し、サンプリングホールドした信号を電圧制御発
振回路VCO1 で電圧/周波数変換し、反射波に比例し
た周波数をマイクロコンピュータ1に入力して速度Vw
を得る。即ち、主に水飛沫Wによるノイズ成分を検出す
る。また、受信ゲートスタート時間TG が到来したと
き、ステップS13乃至ステップS16で超音波送受信
器TRの受信ゲートである第1のタイミング設定回路1
20のアナログスイッチング回路ASo からなる受信ゲ
ート1を開とし、0.5[msec]だけ受信ゲート1をオ
ンとした後、その受信ゲート1を閉じる。この間、その
増幅信号をサンプリングホールド用の抵抗Ro 及びコン
デンサCo に入力し、サンプリングホールドした信号を
電圧制御発振回路VCOo で電圧/周波数変換し、反射
波に比例した周波数をマイクロコンピュータ1に入力し
て速度Vo を得る。即ち、主に路面からの反射波成分を
検出する。この検出出力のうち、受信ゲートであるアナ
ログスイッチング回路AS1 を開して得た主に水飛沫W
によるノイズ成分の速度Vw が低いレベルにあるとき、
冠水路面Eの走行による水飛沫W等の発生がない走行で
あることを意味するから、ステップS41及びステップ
S43で受信ゲートのアナログスイッチング回路ASo
を開閉して得た速度Vo を、車速Vとする。しかし、主
に水飛沫Wによるノイズ成分の速度Vw が高いレベルに
あるとき、冠水路面Eの走行による水飛沫W等の発生が
ある走行であることを意味するから、ステップS41及
びステップS42で受信ゲートのアナログスイッチング
回路ASo を開閉して得た速度Vo 、及び受信ゲートの
アナログスイッチング回路AS1 を開閉して得た速度V
w から、車速Vを前記(4)式を用いてV=(Vo −α
Vw )/(1−α)で演算し、主に水飛沫Wによるノイ
ズ成分を路面から得た反射波に含まれている成分から除
去する。
【0062】故に、超音波送受波器TR付近に、路面か
ら巻起す水飛沫Wや泥水の飛沫、雪、砂、塵埃によって
ノイズが発生しても、そのノイズ成分を路面から得た反
射波に含まれているノイズ成分から除去し、車速Vを得
るものであるから、如何なる道路の走行において、正確
な車速Vの検出が可能となる。
【0063】勿論、超音波送受波器TRから反射波を受
波した信号e3 から水飛沫Wによるノイズ成分を抽出す
る予測されたサンプリングスタート時間Ts を、路面の
凹凸等により、車体の上下振動、ノーズアップ、ノーズ
ダウン、コーナリングによる車高変化が発生した場合に
も路面からの反射成分が入らない距離の反射時間に設定
しておけば、路面の凹凸等により、車体の上下振動、ノ
ーズアップ、ノーズダウン、コーナリングによる車高変
化が発生した場合にも精度良く車速Vが検出でき、車速
検出の信頼性を向上することができる。
【0064】ところで、上記実施例では、1個の超音波
送受波器TRによって車速Vを検出しているが、本発明
を実施する場合には、1個の超音波送受波器のみを有す
るものにも適用できるし、また、音速は車速Vに対して
無視できる程度に速くないため、送受波総合の利得を上
げようとして、超音波ビーム幅を狭くした場合には、送
波時のビームと受波時のビームにずれが生じるから、こ
のときには、低速走行時の車速Vの測定用に超音波送受
波器、また、高速走行時の車速Vの測定用に超音波受波
器で反射波を受波するようにしてもよい。更に、特に、
車輌100の走行方向に平行する車速Vを検出する超音
波送受波器を、2個の超音波送受波器、または、超音波
送波器及び超音波受波器とし、車速Vに応じて反射波を
受波する位置を変えると、信頼性の高い車速検出を行な
うことができる。当然、ペアビーム方式に適用すること
もできる。
【0065】また、上記実施例の第1のタイミング設定
手段は、受波した反射波の信号から、主に路面からの反
射波を受波するタイミングを決定するステップS13乃
至ステップS17からなるものであるが、本発明を実施
する場合には、受信ゲートスタート時間TG 設定後任意
の時間ゲートを開とするものであればよい。
【0066】そして、上記実施例の第2のタイミング設
定手段は、第1のタイミング設定手段で決定されたタイ
ミングと所定の時間ずらせて、主に水飛沫Wからの反射
波を受波するタイミングを決定するステップS8、ステ
ップS10乃至ステップS12からなるものとしたが、
本発明を実施する場合には、サンプリングスタート時間
Ts を基準としてゲートを開くものであり、サンプリン
グスタート時間Ts は車高が低くなった状態でも路面か
らの反射波を受波しない程度の時間、即ち、車高が低く
なった状態でも、サンプリングスタート時間Ts に0.
5[msec]加算された時間で、主に水飛沫Wのみの反射
波を検出するように設定されるが、本発明を実施する場
合には、上記実施例のように一義的に決定してもよい
が、また、第1のタイミング設定手段で決定した受信ゲ
ートスタート時間TG 設定した前後に所定の時間間隔で
サンプリングスタート時間Ts を設定してもよい。ま
た、車高に応じてサンプリングスタート時間Ts を設定
してもよい。
【0067】更に、上記実施例の演算手段は、ステップ
S41及びステップS42で速度Vo 及び速度Vw から
車速Vを前記(4)式のV=(Vo −αVw )/(1−
α)で演算し、主に水飛沫Wによるノイズ成分を路面か
ら得た反射波に含まれている成分から除去するものであ
るが、本発明を実施する場合には、αの値を任意に設定
することができる。また、この式に限定されるものでは
なく、主に水飛沫W等からなるノイズ成分を除去して車
速Vを演算できればよい。
【0068】なお、上記実施例の車載用車速計測装置
は、結果的に、その車速ベクトルの積分、微分を行なう
ことにより、距離、加速度が演算でき、計測装置及び制
御装置に使用できる。即ち、得られた速度成分を使用す
ることにより、ナビゲーションシステムの移動距離及び
移動方向の補正、ABS装置、左右の車輪側の路面と車
輌100との車高を調整するサスペンション装置等の各
種速度情報を使用する計測装置及び制御装置に使用でき
る。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明の車載用車速計測
装置は、間歇的に出力される超音波信号を路面に送波
し、その受波した反射波の信号から、主に路面からの反
射波を受波するタイミングを第1のタイミング設定手段
で設定し、また、その第1のタイミング設定手段で決定
されたタイミングと所定の時間ずらせて、主に水飛沫か
らの反射波を受波するタイミングを第2のタイミング設
定手段で設定する。そして、第1のタイミング設定手段
で決定されたタイミングでゲートを開放して得られた速
度信号と、前記第2のタイミング設定手段で決定された
タイミングでゲートを開放して得られた速度信号とによ
り、主に水飛沫等によるノイズ成分を相殺して車速を演
算するものである。
【0070】したがって、冠水路面から巻起す水飛沫を
含み、泥水の飛沫、雪、砂、塵埃によって超音波の反射
が発生しても、その影響を除去し、正確な車速が検出で
き、その車速の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の車載用車速計測装置
の基本原理説明図である。
【図2】図2は本発明の一実施例の車載用車速計測装置
の回路構成図である。
【図3】図3は本発明の一実施例の車載用車速計測装置
の回路構成で使用したマイクロコンピュータの機能構成
図である。
【図4】図4は本発明の一実施例の車載用車速計測装置
のマイクロコンピュータが実行するメインプログラムの
一部のフローチャートである。
【図5】図5は本発明の一実施例の車載用車速計測装置
のマイクロコンピュータが実行するメインプログラムの
他の一部のフローチャートである。
【図6】図6は本発明の一実施例の車載用車速計測装置
のマイクロコンピュータが実行するタイマ割込み処理ル
ーチンのフローチャートである。
【図7】図7は本発明の一実施例の車載用車速計測装置
のマイクロコンピュータが実行する車速演算処理ルーチ
ンのフローチャートである。
【図8】図8は本発明の一実施例の車載用車速計測装置
のマイクロコンピュータが実行するゲート位置演算処理
ルーチンのフローチャートである。
【図9】図9は本発明の一実施例の車載用車速計測装置
の制御のタイミングチャートである。
【符号の説明】
W 水飛沫 E 冠水路面 TR 超音波送受波器 1 マイクロコンピュータ 100 車輌 120 第1のタイミング設定回路 121 第2のタイミング設定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 直司 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 青木 康幸 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の俯角傾度を持って、間歇的に出力
    される超音波信号を路面に送波し、その反射波を受波す
    る超音波送受波器を有し、前記超音波送受波器で受波し
    た反射波のドプラー周波数から車速を得る車載用車速計
    測装置において、 前記受波した反射波の信号から、主に路面からの反射波
    を受波するタイミングを決定する第1のタイミング設定
    手段と、 前記第1のタイミング設定手段で決定されたタイミング
    と所定の時間ずらせて、前記路面以外からのノイズ成分
    の反射波を受波するタイミングを決定する第2のタイミ
    ング設定手段と、 前記第1のタイミング設定手段で決定されたタイミング
    で受信ゲートを開放して得られた検出信号と前記第2の
    タイミング設定手段で決定されたタイミングで受信ゲー
    トを開放して得られた検出信号により、ノイズ成分を除
    去して車速を演算する演算手段とを具備することを特徴
    とする車載用車速計測装置。
JP5219956A 1993-09-03 1993-09-03 車載用車速計測装置 Pending JPH0772247A (ja)

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