JPH077180Y2 - 冊子印字装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はフイードローラおよびプレスローラによつて
通帳等の冊子を挾持しつつ印字位置に搬送し、印字ヘツ
ドによつて冊子に印字を行う冊子印字装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の装置としては、種々のものが実施化され
ているが、例えば、第２図に示すようなものがある。

第２図は従来の装置の構成を示す構成図である。

同図において、１はプラテンであり、このプラテン１に
印字ヘツド２が対向して設けられている。

また、プラテン１の両側に通帳３を送り方向に搬送する
フイードローラ4a,4bが設けられ、このフイードローラ4
a,4bにプレスローラ5a,5bが対接して設けられ、揺動自
在なブラケツト6a,6bによつて押付けられている。

前記構成の装置の動作を説明すれば、通帳３の印字に際
し、フイードローラ4a,4bとプレスローラ5a,5bとによ
り、通帳３をクランプし、図示せぬフイードモータによ
りフイードローラ4a,4bを回転して通帳３を印字位置ま
で搬送し、印字ヘツド２により通帳３に必事事項を印字
する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記構成の装置では、第３図に示すように、搬
送方向に平行なセンターホールド部3aを有する縦型の通
帳３の印字に際しては、通帳３のセンターホールド部3a
の付近が浮き上つてしまうので、印字品位が低下すると
いう問題点があつた。

そこで、この考案は前記問題点に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、縦型通帳等の冊子を印字
する際、冊子のセンターホールド部付近の浮き上がりを
なくし、印字品位を向上させた冊子印字装置を提供する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本考案は、搬送方向に平行な
センターホールド部を有する冊子を開いた状態でプラテ
ン上に搬送し、該プラテン上で印字ヘッドにより前記冊
子に印字を行う冊子印字装置において、前記冊子のセン
ターホールド部の凸部に対応する逃げ部を有し、かつ対
を成すセンタプレスローラとの間に前記センターホール
ド部の両側を挟持できるようにしたセンターフィードロ
ーラを前記プラテンの前後に配置すると共に、前記セン
ターフィードローラと前記センタプレスローラの両側
に、それぞれ前記冊子を挟持して搬送を行うサイドフィ
ードローラとサイドプレスローラを配置したことを特徴
とする。

〔作用〕

このような構成を有する本考案は、開いた状態の冊子を
センターフィードローラとセンタプレスローラ、及びサ
イドフィードローラとサイドプレスローラによりそれぞ
れ挟持して、各ローラの回転により冊子の搬送を行う
が、その際、冊子のセンターホールド部の凸部がセンタ
ーフィードローラの逃げ部に入り込むと共に、センター
ホールド部の両側の部分がセンターフィードローラとセ
ンタプレスローラとで挟持されるため、センターホール
ド部の両側の部分の浮き上がりを抑えて冊子をプラテン
上に搬送することができ、そのためセンターホールド部
の両側の部分においても良好な印字を行うことができ
る。

また、搬送の際、冊子のセンターホールド部の凸部がセ
ンターフィードローラの逃げ部に入り込むことにより、
この凸部が逃げ部にガイドされることになるので、冊子
の斜行をも防止することが可能となる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図はこの考案の実施例に係る冊子印字装置の要部を
示す構成図である。

同図において、８は図示せぬフイードモータによつて回
転するフイードシヤフトであり、このフイードシヤフト
８は開状態の通帳９のセンターホールド部10に対応した
位置にセンターフイードローラ11を備えている。

このセンターフイードローラ11のローラ面13に通帳９の
センターホールド部10の凸部を逃がすリング状の溝12が
逃げ部として形成されている。

センターフイードローラ11にセンタープレスローラ14が
対接して設けられ、揺動自在なブラケツト15によつて押
付けられている。

センターフイードローラ11およびセンタープレスローラ
14の両側には、サイドフイードローラ16a,16bおよびサ
イドプレスローラ17a,17bが互いに対接して設けられ、
開状態の通帳９の両側部を挾持しつつ搬送できるように
なつている。

18は開状態の通帳９を芯出状態に案内する断面矩形状の
基準ガイドであり、この基準ガイド18はフイード板19上
に設置されている。

次に、前記構成の装置の動作を説明する。

前記構成の装置で通帳９に印字を行う場合、図示せぬフ
イードモータによつてセンターおよびサイドフイードロ
ーラ11,16a,16bを回転させると、通帳９は基準ガイド18
に沿つて印字位置へ搬送される。

印字位置では、通帳９のセンターホールド部10の凸部が
センターフイードローラ11の溝12に逃げた状態で、前記
センターホールド部10の近傍がセンターフイードローラ
11とセンタープレスローラ14との間に挾持される。

そのため、通帳９のセンターホールド部10の近傍が上方
に浮き上がることがない。

その結果、前記センターホールド部10の付近もプラテン
に密着し、印字ヘツドによつて良好に印字を行うことが
できる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるものでなく、
種々の改変が可能であることはもちろんである。

例えば、この実施例ではローラ面にリング状の溝を有す
るセンターフイードローラで説明したが、これに限られ
るものでなく、一対のセンターフイードローラを設け、
両ローラ間に一定の隙間を形成してセンターホールド部
の凸部を逃がす逃げ部としてもよい。

また、通帳に限られず、その他の冊子の使用に際して
も、この考案を適用できることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、冊子のセンターホールド
部の凸部に対応する逃げ部を有し、かつ対を成すセンタ
プレスローラとの間に前記センターホールド部の両側を
挟持できるようにしたセンターフィードローラをプラテ
ンの前後に配置すると共に、前記センターフィードロー
ラと前記センタプレスローラの両側に、それぞれ前記冊
子を挟持して搬送を行うサイドフィードローラとサイド
プレスローラを配置した構成として、冊子の搬送を行う
際、冊子のセンターホールド部の凸部がセンターフィー
ドローラの逃げ部に入り込むと共に、センターホールド
部の両側の部分がセンターフィードローラとセンタプレ
スローラとで挟持されるようにしているため、センター
ホールド部の両側の部分の浮き上がりを抑えて冊子をプ
ラテン上に搬送することができ、そのためセンターホー
ルド部の両側の部分にも良好な印字を行うことができる
と共に、前記搬送の際、冊子のセンターホールド部の凸
部がセンターフィードローラの逃げ部に入り込むことに
より凸部が逃げ部にガイドされるため、冊子の斜行をも
防止することが可能になる。

従って、これによれば、センターホールド部の凸部に対
応する逃げ部を有するセンターフィードローラとこのセ
ンターフィードローラと対を成すセンタプレスローラを
追加するだけの簡単な構成にて、冊子のセンターホール
ド部の両側の部分の浮き上がりを抑えて冊子をプラテン
上に搬送することができると共に、冊子の斜行をも防止
することが可能な冊子印字装置を実現できるという効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例に係る冊子印字装置を示す構
成図、第２図は従来の装置を示す構成図、第３図は従来
の装置の搬送状態を示す説明図である。 ９……通帳、10……センターホールド部、11……センタ
ーフイードローラ、12……溝、13……ローラ面、14……
センタープレスローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送方向に平行なセンターホールド部を有
   する冊子を開いた状態でプラテン上に搬送し、該プラテ
   ン上で印字ヘッドにより前記冊子に印字を行う冊子印字
   装置において、 前記冊子のセンターホールド部の凸部に対応する逃げ部
   を有し、かつ対を成すセンタプレスローラとの間に前記
   センターホールド部の両側を挟持できるようにしたセン
   ターフィードローラをプラテンの前後に配置すると共
   に、 前記センターフィードローラと前記センタプレスローラ
   の両側に、それぞれ前記冊子を挟持して搬送を行うサイ
   ドフィードローラとサイドプレスローラを配置したこと
   を特徴とする冊子印字装置。