JPH077176U - 電気機器のケース組立構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温の熱源近傍で使用されても、内蔵する発
熱電子部品の熱が放熱が比較的容易に行われる電気機器
のケース組立構造を提供する。 【構成】 一端を開口する断熱性の本体ケースと、この
開口部を閉塞する放熱性の良い平面状の蓋体と、この蓋
体内面に固定され蓋体による前記開口部に閉塞時に本体
ケース内に収容される発熱電子部品および電子部品搭載
用のプリント回路基板とよりなり、発熱電子部品のプリ
ント回路基板への半田実装は既にケースの一部である蓋
体に固定された後に形成され半田部分にクラックを生じ
る恐れがなく、更には、電気機器を高温の熱源近傍で使
用する場合には、熱源側に断熱性の本体ケースを、熱源
と離れた側に放熱性の良い蓋体が位置するように電気機
器を配置することによって電気機器に内蔵される発熱電
子部品への前記熱源からの熱の流入は断熱性の本体ケー
スによって防がれ、発熱電子部品の熱は比較的に低温の
外気に面し放熱性の良好な蓋体からケース外方へ逃され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、自動車のエンジンルームの隣りで使用するように高温の熱 源近傍で使用されても、内蔵する発熱電子部品の熱が放熱が比較的容易に行われ る電気機器のケース組立構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の実装構造としては、図５に示すようなものが一般的である。即ち、半 導体スイッチング素子のような自己発熱する発熱電子部品ａは、まず放熱板ｃに ビスｄによって固定され、発熱電子部品ａを一体化した放熱板ｃはビスｅをもっ てプリント回路基板ｆに固定される。これと同時にプリント回路基板ｆの電気接 続用のランドに発熱電子部品ａのリード端子ｇが半田付けによって接続されしか る後に放熱板ｃと発熱電子部品ａとプリント回路基板ｆのセットは、その放熱板 ｃが放熱性の良く、上方に開口する電気機器の本体ケースｈに密着するようにビ スｉをもって同ケース側壁内周面に固定され、しかる後に図示せぬ蓋体によって ケースの上方開口を閉塞するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような電気機器のケース組立構造にあっては、発熱電子部品のリード端子 がプリント回路基板のランドに半田実装された後に本体ケースの側壁内周面にビ ス止めされるものであるから、この固定作業によって半田部に機械的ストレスが 加わり半田付け部にクラックを生じて内部配線不良を起こす恐れがあるものであ った。

【０００４】 また、電気機器のケースは、放熱板からの熱をケース外方へ効率良く逃すため に放熱性の良い材料で形成されているために、電気機器の近傍に高温の熱源があ る場合には、電気機器のケースは熱源よりの輻射熱で帯熱し、放熱板からの熱を ケース外方へ逃すよりは、むしろ内蔵する発熱電子部品へ熱源よりの熱を伝えて しまうことになる。

【０００５】 本考案はかかる従来例の問題点を解決して、電気機器の近傍に高温の熱源があ る場合にも電気機器に内蔵する発熱電子部品の熱をケース外方へ逃すことができ 、併せて内蔵する発熱電子部品の実装時に半田付け部にクラックを生じて内部配 線不良を起こす恐れがないような電気機器のケース組立構造を提供するところに ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

一端を開口する断熱性の本体ケースと、開口部を閉塞する放熱性の良い平面状 の蓋体から電気機器のケースを構成し、放熱性の良い蓋体内面に発熱電子部品と プリント回路基板を固定し、発熱電子部品のリード端子をプリント回路基板のラ ンドに半田実装した後に蓋体によってケース開口が閉塞される。

【０００７】

【作用】

蓋体の内面に発熱電子部品とプリント回路基板を固定した上で、発熱電子部品 のリード端子をプリント回路基板のランドに半田実装し、半田実装は既にケース の一部である蓋体に固定された後に形成されるのでクラックを生じる恐れがない 。因みに、上記の従来例にあっては、放熱板と発熱電子部品とプリント回路基板 のセットを電気機器の本体ケースに固定した後では、本体ケース底面が半田実装 部を覆っているため事後の半田実装は不可能である。

【０００８】 電気機器を高温の熱源近傍で使用する場合には、図４に示すように熱源側に断 熱性の本体ケースＡを、熱源と離れた側に放熱性の良い蓋体Ｂが位置するように 電気機器を配置する。そして、電気機器に内蔵される発熱電子部品Ｃへの前記熱 源からの熱の流入は断熱性の本体ケースＡによって防がれ、また、発熱電子部品 Ｃの熱は比較的に低温の外気に面し且つ放熱性の良好な蓋体Ｂからケース外方へ 逃される。

【０００９】

【実施例】

図１は、本考案の第１の実施例を示す斜視図で、一端を開口する断熱性の本体 ケース１と、この本体ケース１の開口部１ａを閉塞する放熱性の良く平面状をな す蓋体２とから電気機器のケースが構成されている。放熱性の良い蓋体２の内面 には発熱電子部品３がビス４をもって固定され、同時にプリント回路基板５が図 示せぬビスをもって固定される。この蓋体２と発熱電子部品３とプリント回路基 板４との一体化されたセットは、発熱電子部品３のリード端子３’をプリント回 路基板５の図示せぬランドに半田実装した後に断熱性の本体ケース１と組み合わ される。

【００１０】 前記のプリント回路基板５には他の電子部品をも搭載するもので、蓋体２を本 体ケース１の開口部１ａを閉塞するように本体ケース１へ図示せぬ固定手段で固 定した状態時には、これら発熱電子部品と他の電子部品とプリント回路基板４は 総て断熱性の本体ケース１内に収容される。

【００１１】 図２は、本考案の第２の実施例を示す斜視図で、蓋体２ａの内面への発熱電子 部品３ａの固定が、蓋体２ａの一部に設けたスリット６と発熱電子部品３ａの側 面に両端を懸けたクリップ７によって行うもので、その他の構成は第１の実施例 と同様である。

【００１２】 図３は、本考案の第３の実施例を示す斜視図で、この実施例は発熱電子部品の 数が多く蓋体の内面に装着しきれない場合に有効である。即ち、蓋体２ｂは腕部 ８を一体物として延出し、この腕部８に装着しきれない発熱電子部品３ｂを装着 するものである。

【００１３】

【考案の効果】

この考案は、上述の通り一端を開口する断熱性の本体ケースと、開口部を閉塞 する放熱性の良い平面状の蓋体から電気機器のケースを構成し、放熱性の良い蓋 体内面に発熱電子部品とプリント回路基板を固定するようにしたから、発熱電子 部品のプリント回路基板への半田実装は既にケースの一部である蓋体に固定され た後に形成されるので半田部分にクラックを生じる恐れがないものである。

【００１４】 更には、電気機器を高温の熱源近傍で使用する場合には、熱源側に断熱性の本 体ケースを、熱源と離れた側に放熱性の良い蓋体が位置するように電気機器を配 置することによって電気機器に内蔵される発熱電子部品への前記熱源からの熱の 流入は断熱性の本体ケースによって防がれ、また、発熱電子部品の熱は比較的に 低温の外気に面し放熱性の良好な蓋体からケース外方へ逃され、発熱電子部品の 熱が放熱が比較的容易に行われる電気機器のケース組立構造が実現できる。

【００１５】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案の第２の実施例を示す斜視図である。

【図３】本考案の第３の実施例を示す斜視図である。

【図４】本考案の動作状態を示す説明図である。

【図５】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ 本体ケース ２ 開口部 ２ 蓋体 ３ 発熱電子部品 ５ プリント回路基板 ３’リード端子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端を開口する断熱性の本体ケースと、
   この開口部を閉塞する放熱性の良い平面状の蓋体と、こ
   の蓋体内面に固定され蓋体による前記開口部に閉塞時に
   本体ケース内に収容される発熱電子部品および電子部品
   搭載用のプリント回路基板とよりなる電気機器のケース
   組立構造。 【０００１】