JPH0771198A - 坑内搬送路線構造 - Google Patents

坑内搬送路線構造

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JPH0771198A
JPH0771198A JP5243890A JP24389093A JPH0771198A JP H0771198 A JPH0771198 A JP H0771198A JP 5243890 A JP5243890 A JP 5243890A JP 24389093 A JP24389093 A JP 24389093A JP H0771198 A JPH0771198 A JP H0771198A
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tunnel
space
segment
track section
section
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JP5243890A
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English (en)
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Norihiro Yato
徳弘 矢頭
Hideyuki Suda
英之 須田
Yoshiyuki Takahashi
義幸 高橋
Shinichi Fuji
振一 藤
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Mitsui Construction Co Ltd
Komatsu Ltd
Komatsu Forklift KK
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
Komatsu Ltd
Komatsu Forklift KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】トンネル空間の真中部分をトンネル全断面に亙
って占有することなく複線区間を設けることが出来るよ
うにした坑内搬送路線構造を提供する。 【構成】横断面形状円状のトンネル空間40sに敷設さ
れる搬送軌条43において、その単線区間43aを底部
40aに設けることによって該単線区間43aの搬送軌
条43の上側空間を、後方台車15や他のトンネル構築
設備等の配置スペースとして利用する一方で、複線区間
43bを、該底部40aより高い部分に配置させる。複
線区間43bは、単線区間43aの搬送軌条43が分岐
して形成された分岐部43cとすれ違い部43dによっ
て構成する。該すれ違い部43dにおいて、2台の台車
9、9がトンネル横断面左右方向に並ぶ形ですれ違うこ
とが出来るので、効率的な搬送作業が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールドトンネルを構
築する際に適用するに好適な坑内搬送路線構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シールドトンネルを構築する際に
は、トンネル構築方向に所定の間隔で設置した枕木上に
懸架する形でレールを敷設し、該レールを搬送路線とし
て用いて、シールド掘進によって生じるズリを坑口より
外側に搬出したり、或いは覆工用のセグメントをシール
ド本機内のセグメント建て込み位置まで搬送するための
運搬用鋼製台車を走行させている。この際、こういった
鋼製台車は、ズリやセグメント等を搬送しながら、当該
搬送によって空になった鋼製台車が該ズリやセグメント
の受取位置に戻る形で、シールド本機と坑口との間で行
き来する必要があるために、上述したような搬送路線は
複線をなすよう設けられていて、2台の鋼製台車が並ん
ですれ違うことが出来るようになっていることが望まし
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シールドトン
ネルにおいては、2台の鋼製台車が並んですれ違う幅を
確保するためには、トンネル横断面において左右の幅が
最大になるような該トンネル横断面の真中付近を搬送路
線として用いて、ここに鋼製台車を走行させることにな
る。ところが、こうしてトンネル横断面の真中付近を鋼
製台車がその走行用に占有してしまうと、トンネル構築
中の、その空間面積が限られた坑内においては、ここに
設置すべき他のトンネル構築設備や、或いは該坑内で行
うべき他の作業に障害が生じる、という不都合がある。
そこで、本発明は、搬送用の台車の走行用にトンネル横
断面の真中付近をトンネル全断面に亙り占有することな
く、複線区間を設けることが出来るようにした、坑内搬
送路線構造を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、その横断
面形状が円状をなす形のトンネル空間(40s)に、単
線区間(43a)と複線区間(43b)をなすよう敷設
される坑内搬送路線(43)において、前記単線区間
(43a)は前記トンネル空間(40s)の横断面にお
ける下部(40a)に位置し、前記複線区間(43b)
は前記トンネル空間(40s)の横断面における前記単
線区間(43a)より高い部分に配置するように設け
て、構成される。また、前記複線区間(43b)は、前
記単線区間(43a)に敷設される前記坑内搬送路線
(43)から分岐することにより形成される1対の分岐
部(43c、43c)、及び、それ等1対の分岐部(4
3c、43c)により分岐されたそれ等坑内搬送路線
(43、43)をそれぞれ接続するすれ違い部(43
d)からなるようにして、構成される。なお、( )内
の番号等は、図面における対応する要素を示す、便宜的
なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘
束されるものではない。以下の作用の欄についても同様
である。
【0005】
【作用】上記した構成により、本発明は、トンネル空間
(40s)の横断面形状が円状であることに起因して、
該トンネル空間(40s)においては単線区間(43
a)が設けられた下部(40a)より高い部分が該下部
(40a)より幅広なる状態を呈し、該幅広なる部分に
複線区間(43b)が配置するように作用する。また、
単線区間(43a)に敷設された坑内搬送路線(43)
は、一対の分岐部(43c、43c)を介して、トンネ
ル空間(40s)の下部(40a)より高い部分におい
てすれ違い部(43d)に接続するように作用する。
【0006】
【実施例】図1は本発明による坑内搬送路線構造を用い
たシールドトンネル構築設備の一例を示す断側面図、図
2は図1に示すシールドトンネル構築設備におけるシー
ルド本機及び後方設備の一例を示す側面図、図3は本発
明による坑内搬送路線構造の一実施例を示す平面図、図
4は図3に示す坑内搬送路線構造の側面図、図5は図1
に示すシールドトンネル構築設備に用いられるセグメン
トセットの一例を示す側面図、図6は図4に示す坑内搬
送路線構造により搬送中のセグメントセットを示す図、
図7は図1のVII、VII矢視図、図8は図1のVIII、VIII
矢視図、図9は図1のIX、IX矢視図である。
【0007】トンネル構築設備1には、図1に示すよう
に、地盤39の地面39aから掘り下げられた形で矩形
状に形成された立坑38が、コンクリート製或いは鋼矢
板等からなる地中壁37によって支保された形で設けら
れており、立坑38の図1右側に示す地面39a上には
セグメントピース41Pを3ヶづつ組みにしたセグメン
トセット41を保管しておいてこれをシールドトンネル
であるトンネル40の断面内に供給するためのストック
ヤード2が設けられている。トンネル構築設備1には、
立坑38とストックヤード2上を覆う形で防音性を有す
る膜屋根1aが設けられており、膜屋根1a下にはホイ
ストクレーン1bが、立坑38を利用した資材及び機材
揚重用に設けられている。立坑38内の図1左側壁面に
はエレベータ381が、作業員及び資材の搬送用に設け
られており、また、立坑38内のエレベータ381の図
1右方には泥水循環設備382が、トンネル40を掘進
構築するための例えば泥水シールド式のシールド装置5
に接続された形で設けられている。一方、立坑38の底
部38a近傍の側壁部分の地中壁37には、構築中のシ
ールドトンネルであるトンネル40の発進坑口40c
が、該立坑38の地中壁37から図1右側に向けてトン
ネル空間40sが、横転円柱状に形成された形、即ちそ
の横断面形状が円状をなす形で設けられており、トンネ
ル40は、セグメントピース41Pをトンネル周方向で
ある図1紙面と交差方向及びトンネル軸方向である図1
左右方向に複数接続した覆工410によって、そのトン
ネル空間40sが支保されている。なお、トンネル空間
40sにおいてその横断面形状を示す「円状」の用語
は、実施例において図示したような真円状のみを指すも
のではなく、楕円状、長円状をも含むものとして説明し
ていく。
【0008】ストックヤード2には、図1に示すよう
に、前記セグメントセット41を保管しておくためのセ
グメントストッカ3が設けられており、セグメントスト
ッカ3は、実施例においては図1左右方向に14棚×図
1上下方向に3段×図1紙面と交差方向に2列のセグメ
ント格納空間30を形成し得るように枠組みされた鋼製
のラック31と、該ラック31に対して図1左右方向に
移動自在なリフト32によって構成されている。ラック
31には、図1に示すように、前記覆工410を構成す
るためのコンクリート製のセグメントピース41Pが、
3ヶづつ1組になって、セグメントセット41としてパ
レット42上に積載された形で、各セグメント格納空間
30にそれぞれ格納保持されており、パレット42は、
図5に示すように、該パレット42の上端部に形成され
たセグメント支持部42aがセグメントピース41Pの
外周部に沿った形で、セグメントセット41を載戴支持
することが出来るように形成されている。なお、ラック
31の各セグメント格納空間30には、その1ヶ1ヶの
配置位置に応じた形で所定の所番地が予め設定されてお
り、各セグメント格納空間30には、各種の定型或いは
異型形状に形成されたセグメントピース41Pが、トン
ネル40の曲率に対応し得るようにそれぞれ組み合わせ
られて、3ヶづつのセグメントセット41としてパレッ
ト42に積載支持された形で、それぞれ格納されてい
る。また、パレット42にはフォーク係合部42bが、
図5紙面と交差方向に穿設形成されており、パレット4
2は、以下に述べるリフト32の各昇降フォーク32b
等が該フォーク係合部42bに差し込み係合されること
によって、該リフト32等に支持され得るように構成さ
れている。
【0009】リフト32は、図1に示すように、該リフ
ト32の図1下端部に装着された車輪32aを介して、
セグメントストッカ3の長手方向である図1左右方向に
沿って敷設されたガイドレール33上を走行自在な形に
なっており、またリフト32には、先に述べたようにパ
レット42のフォーク係合部42bと係合自在な昇降フ
ォーク32bが、該リフト32の本体フレーム部分に対
して上下方向に移動自在な形で設けられている。リフト
32の昇降フォーク32bは、ラック31の各セグメン
ト格納空間30に格納保持されたセグメントセット41
を、該セグメントセット41が積載されたパレット42
のフォーク係合部42bと係合することによって、該セ
グメント格納空間30から引き出して、該セグメントセ
ット41をパレット42ごとガイドレール33に沿って
搬送自在であると共に、図1に示すように、トンネル構
築設備1に供給される新たなセグメント41xを、パレ
ットに積載した状態のセグメントセット41として、空
のセグメント格納空間30に搬送装填し得るように構成
されている。
【0010】なお、セグメントストッカ3には、各格納
空間30におけるセグメントセット41の格納保持状態
を検出し得るセグメント管理装置21が設けられてお
り、また、セグメント管理装置21は、トンネル40の
掘進構築延長に対応した形で覆工410を構成すべきセ
グメントセット41の種別を判定し、該判定されたセグ
メントセット41が格納保持された格納空間30を検出
し、該検出された格納空間30においてリフト32の昇
降フォーク32bを、該格納空間30から所定のセグメ
ントセット41を取り出すように駆動させ得るように構
成されている。さらに、セグメント管理装置21は、セ
グメントセット41の取り出しによって空になったセグ
メント格納空間30を検出し、該空になったセグメント
格納空間30に新たなセグメントセット41を装填する
ようにリフト32を駆動させ得るように構成されてい
る。
【0011】セグメントストッカ3の図1左方には、図
1に示すように、セグメントヤード2とトンネル40を
繋ぐ形のセグメントエレベータ6が設けられており、セ
グメントエレベータ6は、前記立坑30の底部38aと
地面39aとを連絡するように、該立坑38の図1にお
いては右側壁部分の地中壁37に仮繋着された鋼製枠組
みからなるガイドフレーム61を有している。セグメン
トエレベータ6には、ガイドフレーム61の内方側に、
パレット42に積載されたセグメントセット41を地面
39aに整合した立坑38の上端位置から底部38a近
傍に搬送するための搬送空間6sが、上下方向に貫通す
る形で柱状に形成されており、搬送空間6sには、3ヶ
組のセグメントセット41が積載されたパレット42を
搭載支持し得るように形成されたパレット支持部材62
が、例えばチェーン63によって該搬送空間6s中を上
下に移動自在な形で設けられている。
【0012】また、セグメントエレベータ6には、図1
に示すように、地面39aに整合した位置であるGL階
と立坑38の底部38aに整合した位置であるB1階
に、それぞれ1基づつのスライドフォーク7A、7Bが
付設されており、スライドフォーク7A、7Bは、その
各々に設けられたパレットテーブルが水平方向に移動す
る動作を利用して、パレット42を、GL階のスライド
フォーク7Aはセグメントストッカ3とセグメントエレ
ベータ6との間で、また、B1階のスライドフォーク7
Bはセグメントエレベータ6と、トンネル空間40sを
走行する自走式の台車9との間で、それぞれ受け渡しす
ることが出来るように、それぞれ構成されている。従っ
て、該スライドフォーク7A、7Bを介して、前記セグ
メントエレベータ6は、セグメントストッカ3中でパレ
ット42に積載されたセグメントセット41をGL階の
ストックヤード2からB1階のトンネル空間40sの発
進坑口部分40cに搬送し、或いは、該B1階のトンネ
ル空間40sでセグメントセット41を荷降することに
よって空になったパレット42を該GL階のストックヤ
ード2側に搬送し得るようになっている。
【0013】一方、トンネル空間40sには、図1又は
図2に示すように、該トンネル空間40sを掘進形成中
のシールド装置5が、その前面側に設けられたカッタヘ
ッド51を図1右下端に示す切羽39bに向けた形で配
設されており、シールド装置5には、図2に示すよう
に、その隔壁53より後方側に配置する形で、エレクタ
54が設けられている。(なお、図2に示すシールド装
置5は、図面の都合上、図1に示すシールド装置5と、
その向きを図中左右方向に反転させた形で示されている
が、図1及び図2に示すシールド装置5は同一のもので
あり、シールド装置5は、いま、図1においては右端に
示し図2においては左端に示す切羽39bを、図1にお
いては右方に向けて図2においては左方に向けて掘進中
である。)隔壁53の図2左側に示すシールド装置5の
前部には、チャンバ55が、前記泥水管383を介して
所定圧力の泥水がここに充填された形で設けられてお
り、また、エレクタ54の図2右方に示すシールド装置
5の後部には、先に述べた台車9からセグメントピース
41Pを受け取るための前記ホイスト52が、該台車9
上のセグメントピース41Pを把持して、これをエレク
タ54に受け渡し自在な形で設けられている。また、シ
ールド装置5の内部には、アジテータ、シールド推進ジ
ャッキ、カッタヘッド駆動装置等が適宜設けられてお
り、さらに、シールド装置5の図2右方に示す後側に
は、該シールド装置5が地盤39を掘進するのに必要と
される後方設備13が、該シールド装置5の掘進動作と
共に、図2においては左方に向けて前進移動し得る形で
トンネル空間40s中に配設されている。
【0014】後方設備13は、図2に示すように、例え
ば、バルブユニット15A、クラッシャー15B、分流
器15C、オペレータユニット15D、ポンプユニット
15E、タンクユニット15F、制御バルブユニット1
5G、その他これ等に後続する各種の後方台車15、即
ち複数の後方台車15によって構成されており、各後方
台車15はその各々が図2においては左右方向に示すト
ンネル軸方向に前後移動自在な形で相互に連結されてい
る。各後方台車15は、図7に示すように、トンネル空
間40sの横断面形状に略沿ってここに配置し得るよう
に形成された鋼製の車体16を有しており、車体16の
内部には図7においては一対をなす装置搭載空間16
s、16sが、前記作業路床10上に形成された一対の
通路10a、10aの上方にそれぞれ位置する形で、図
7左右に振り分け形成されている。装置搭載空間16s
には、各後方台車15に搭載されるべきそれぞれの装置
類が搭載されているが、装置搭載空間16sは、これが
設けられた各後方台車15によって若干づつその形状が
異なるように形成されて、また、ここに搭載されるべき
装置類がない空の装置搭載空間16sも設けられてい
る。
【0015】各後方台車15の車体16の下部には、図
7に示すように、その各々がセグメントピース41Pに
よる覆工410面上を転動し得る形の、2ヶづつ一組み
をなすゴムタイヤ17A、17Aが、トンネル横断面方
向左右に一対に振り分けられた形でそれぞれ装着されて
おり、ゴムタイヤ17A、17Aは、前記台車9が走行
するための路面43から所定の高さH1をなす位置の覆
工410内面上において図7左右の側壁部分下部に一対
に設定された後方台車走行部位置をそれぞれ走行移動し
得るように、配置されている。また、後方台車15の車
体16の上部には、ゴムタイヤ17Aと同等材料から成
るガイドタイヤ17B、17Bが、トンネル断面方向左
右に一対に振り分けられた形でそれぞれ装着されてお
り、ガイドタイヤ17B、17Bは、アーチ部45にお
いてトンネル断面方向左右の覆工410の内周面410
a上を転動するようになっている。従って、各後方台車
15の車体16は、ゴムタイヤ17A、17A及びガイ
ドタイヤ17B、17Bが、トンネル空間40sの4か
所において覆工410の内周面410aに支持された形
で、該覆工410に対してトンネル軸方向に沿って移動
自在であるように構成されている。
【0016】また、各後方台車15の図7真中部分に
は、所定の幅W2をなす形の台車通過部160が、車体
16の装置搭載空間16s、16sの間に位置する形で
それぞれ、図7紙面と交差方向に貫通するよう空間形成
されており、台車通過部160には、セグメント搬送用
の台車9が、該後方台車15の車体16と干渉し得ない
ように走行自在であるようになっている。なお、車体1
6には台車通過部160の上側に位置する形で、梁状に
形成された補強部16aが設けられており、さらに、車
体16の上梁16bの上方には、覆工410のアーチ部
45との間に、換気用の風管19等が設置され得る形
で、若干の空間16qが配設されている。
【0017】また、トンネル空間40sには、図1又は
図8に示すように、該トンネル空間40sを構成してい
る覆工410のインバート部近傍に位置する形の作業路
床10、10が、該作業路床10、10上にトンネル軸
方向に伸延する通路10aをそれぞれ形成し得る形で、
図8左右に一対に振り分け配設されており、通路10a
は、図8に示すように泥水管383等を配管するための
スペースとして、或いは作業員の通行用として、或いは
シールド装置5の直後においては前記後方設備13の後
方台車15を配置させるためのスペースとして用いられ
ている。作業路床10、10はそれぞれ、図8に示すよ
うに、その各々が横断面形状L字型に形成されたフレー
ム11を、トンネル軸方向(図8紙面と交差方向)に沿
って接続するように覆工410上に複数仮設したものに
よって構成されており、図8左右に振り分けられた一対
の作業路床10、10間には、所定の幅W1をなす台車
走行空間10sが、図8紙面と交差方向であるトンネル
軸方向に伸延する形で、ここに形成されている。
【0018】台車走行空間10sには、セグメント搬送
用の台車9が走行するための搬送軌条43が、トンネル
軸方向に伸延する形の坑内搬送路線としてトンネル空間
40s中に敷設されており、搬送軌条43は、図3又は
図4に示すように、単線区間43aと複線区間43bが
相互に連通した形になるよう、該単線区間43a及び複
線区間43bによって構成されている。単線区間43a
は、図1又は図8に示すように、トンネル空間40sの
横断面における下部である底部40aに配置する形にな
っており、単線区間43aには1本の搬送軌条43が、
先に述べて図8に示すように、1台の台車9が走行する
ための1ヶの台車走行空間10sがここに形成された形
で設けられている。一方、複線区間43bは、図1又は
図9に示すように、トンネル空間40sの横断面におい
て底部40aより高い部分に配置するよう設けられてお
り、複線区間43bは図3に示すように、図3左部及び
右部に示す単線区間43a、43aにそれぞれ敷設され
る搬送軌条43、43から分岐することにより形成され
る形で図3左右に対をなす一対の分岐部43c、43c
及び、該一対の分岐部43c、43cにより分岐された
搬送軌条43、43をそれぞれ図3左右方向に接続する
形のすれ違い部43dによって構成されている。従っ
て、トンネル空間40sは、その横断面形状が円状であ
ることに起因して、単線区間43aの搬送軌条43が配
置する底部40a近傍の横幅(図9左右方向幅)が台車
9が2台並ぶに十分ではないが、該台車2台並ぶべき複
線区間43bにおいては、該複線区間43bの搬送軌条
43を単線区間43aより高い部分に配置させることに
よって、トンネル空間40s内に十分幅広なる横幅を確
保することが出来る。これによって、複線区間43bの
すれ違い部43dには、図9に示すように、2本の搬送
軌条43、43が、トンネル空間40sにおいて2台の
台車9、9が図9左右方向に並ぶ形ですれ違うことが出
来るように、2ヶの台車走行空間10s、10sがそれ
ぞれ所定の幅W1をなすように形成された形で、ここに
配置されている。
【0019】搬送軌条43は、その上面側に台車走行面
44aが形成されてトンネル構築方向に沿って所定の長
さをなす鋼板等からなる軌条板材44を有しており、軌
条板材44は、図3に示すように、その台車走行面44
aがトンネル構築方向に伸延するように複数接続した形
で、搬送軌条43を形成している。単線区間43aに位
置する各軌条板材44は、図6又は図8に示すように、
図8左右方向に振り分けられたように配置する前記フレ
ーム11、11の各台車支持部11a、11a間に懸架
された形で、トンネル空間40sの底部40aである覆
工インバート部上に直接載置されており、一方、先に述
べて図3に示すように一対の分岐部43cとすれ違い部
43dによって構成される複線区間43bに設けられた
軌条板材44の各々は、図9に示すように、覆工410
の図9左右の側壁部分にL字状に取り付けられたフレー
ム11、11の間に位置する形で該覆工410上に設け
られた補助フレーム14と、該フレーム11によって支
持された形で、その各々の台車走行面44aが底部40
aから所定の高さH2をなすように、即ち底部40aよ
り高い部分に位置するように配設されている。
【0020】即ち、トンネル空間40sにおいて複線区
間43bが設けられた部分に対応した位置には、ここに
敷設される搬送軌条43の各軌条板材44を支持するた
めの補助フレーム14が、図9に示すように、覆工41
0のインバート部上に立設された形で設けられており、
補助フレーム14と前記作業路床10のフレーム11の
間には、先に述べたようにフレーム11、11間に形成
される台車走行空間10sと同等に所定の幅W1をなす
台車走行空間10s、10sが、図9左右に並んだ形で
それぞれ形成されている。そして、複線区間43b及び
これに隣接する部分に配置する搬送軌条43は、フレー
ム11と補助フレーム14によって、該搬送軌条43を
構成している各軌条板材44の台車走行面44aが覆工
410内面のインバート部から高さHnをなすように配
設されている。複線区間43bにおいて、すれ違い部4
3dに設けられる搬送軌条43の各軌条板材44は、そ
の台車走行面44aの高さがH2をなすように、フレー
ム11及び補助フレーム14によって支持された形にな
っており、そして、該すれ違い部43dと前記単線区間
43aを連絡する形の分岐部43c及び該分岐部43c
に隣接する部分に設けられた搬送軌条43の各軌条板材
44は、図4に示すように、台車走行面44aの高さH
nが、単線区間43aにおいて底部40aに設けられた
搬送軌条43の高さから、すれ違い部43dの所定の高
さH2に移行する形で変化するように、各軌条板材44
が徐々に嵩上げされた形になっている。従って、複線区
間43b及びこれに隣接する単線区間43aの端部で
は、ここに設置された各軌条板材44の台車走行面44
aが図4に示すように、単線区間43aから複線区間4
3bのすれ違い部43dに向けて高く位置するよう若干
づつ傾斜する形になっている。
【0021】従って、トンネル空間40sに設けられる
搬送軌条43は、図3に示すように、図3左部と図3右
部に示す単線区間43a、43aがそれぞれ、分岐部4
3c、43cを介して分岐することによって、2本の搬
送軌条43、43が図3上下に並ぶ形のすれ違い部44
dが形成された形で、複線区間43bが配設されてい
る。そして、複線区間43bに設けられる2本の搬送軌
条43、43は、図3に示すように、例えば図3上側の
搬送軌条43は、発進坑口40cから切羽39b側に向
けて台車9がトンネル空間40sを走行するための下り
線用として、また図3下側の搬送軌条43は、切羽39
bから発進坑口40cに向かう形の上り線用として、複
線区間43b内での各搬送軌条43の台車走行方向がそ
れぞれ1方向に設定された形になっている。一方、単線
区間43aに設けられる搬送軌条43には、台車走行方
向が設定されておらず、単線区間43aの搬送軌条43
では、図3右方或いは左方のいずれかの方向に向けて台
車9が走行し得る形になっている。
【0022】そして、トンネル空間40sには所定台数
のセグメント搬送用の台車9が、単線区間43aと複線
区間43bが設けられた搬送軌条43を利用して、各軌
条板材44の台車走行面44aによって形成される台車
走行空間10sを走行する形で、図1左右方向に示すト
ンネル構築方向前後方向に行き来しており、台車9は、
先に述べたように下り線として、前記セグメントエレベ
ータ6によってGL階からB1階に搬送された、パレッ
ト42に積載された状態のセグメントセット41を、搬
送軌条43を介してシールド装置5位置まで搬送して、
該シールド装置5のホイスト52に受け渡し、これによ
って空になったパレット42を、上り線として、再びセ
グメントエレベータ6位置に搬送することが出来るよう
になっている。トンネル空間40sに設けられた搬送軌
条43を走行中の台車9は、フレーム11、11の台車
支持部11a、11aによって、或いはフレーム11と
補助フレーム14の台車支持部11a、14aによって
案内される形で、それぞれ台車走行面44a上を走行し
ており、トンネル空間40sに配設された所定台数の台
車9は、図3に示すように、図3右方に向けて走行中の
下り線の台車9と、図3左方に向けて走行中の上り線の
台車9が、単線区間43aにおいて衝突することなく、
分岐部43cを介して複線区間40bに進入してから、
すれ違い部43dですれ違うことが出来るように、その
各々が所定の間隔で走行するよう駆動制御されている。
【0023】なお、作業路床10のフレーム11には、
図8に示すように、図8紙面と交差方向であるトンネル
軸方向に伸延するガイド部材である歩道ガイド11b
が、台車支持部11a上に突設された形でここに配設さ
れており、歩道ガイド11bは、前記作業路床10上に
形成された通路10aと台車走行空間10sを遮断する
形で、該通路10a上を歩行する作業員の安全を確保し
得るように形成されている。さらに、トンネル空間40
sにおいてシールド装置5より所定距離分だけ後方側
(図1左方側)の作業路床10には、図8に示すよう
に、台車9を走行駆動させるための駆動電力を該台車9
に供給するための誘導ケーブル12が、それぞれのフレ
ーム11の台車支持部11aに設けられた形で、トンネ
ル軸方向に沿って伸延するよう延長自在に配線されてお
り、誘導ケーブル12の電源供給元側はジェネレータ等
の交流電源供給装置に接続されている。
【0024】トンネル空間40sの搬送軌条43上を自
走する前記台車9の各々は、図6又は図8に示すよう
に、鋼製の支持台91を有しており、支持台91の上部
にはパレット支持部9aが、セグメントセット41を積
載したパレット42を該支持部9a上に支持し得る形で
形成されている。支持台91の下部には4ヶの車輪92
がそれぞれ転動自在に装着されており、支持台91の内
部には、車輪92を駆動するためのモータ93が収納さ
れている。モータ93は、前述したように作業路床10
に設けられた誘導ケーブル12から電力供給され得る形
になっているが、さらに、支持台93の内部にはバッテ
リー94が埋設されている。バッテリー94は、台車9
が誘導ケーブル12から直接電力供給されることによっ
てモータ93を駆動させる形での走行中に、該台車9の
走行動作を介して充電され得る形になっており、台車9
は上述したように誘導ケーブル12から直接駆動電力を
供給されて走行する以外に、該走行中に充電されたバッ
テリー94によってもモータ93を駆動させ得る形で、
搬送軌条43上において誘導ケーブル12のない部分で
も走行し得るようになっている。
【0025】トンネル構築設備1は以上のような構成を
有しているので、該トンネル構築設備1を用いてシール
ド工法によってトンネル40を掘進構築していく際に
は、シールド装置5のチャンバ55に泥水を充填した状
態でカッタヘッド51を回転させて、該チャンバ55内
の泥水で切羽39bを支持しつつ該カッタヘッド51の
前面側に設けられた掘削刃を介して地盤39を、図1に
おいては右方側に向けて掘削していく。そして、地盤3
9をセグメント1リング分だけトンネル軸方向に掘削し
て、その分シールド装置5をトンネル軸方向に沿ったト
ンネル構築方向に前進させたところで、エレクタ54を
介してセグメントピース41Pを、実施例においては6
ヶ組み合わせるようにトンネル空間40sに建て込むこ
とによってセグメントリングを形成延長し、これによっ
て、覆工410の長さをセグメント1リング分づつトン
ネル構築方向に延長させていく。当該シールド掘進及び
覆工構築に必要とされる泥水、駆動及び照明用電力、エ
ア等は、シールド装置5に後続する後方設備13の各後
方台車15から、或いは、トンネル空間40sを介して
立坑38中或いは地面39a上に設置された設備等から
シールド装置5に供給する。一方、覆工410を形成す
るためのセグメントピース41Pは、立坑38に隣接す
る地面39a上のストックヤード2に設けられたセグメ
ントストッカ3から、該立坑38及び既に構築済みのト
ンネル40のトンネル空間40sを介して、シールド装
置5のエレクタ54に供給する。
【0026】このためトンネル構築施工時には、図1に
示すように、トンネル40においてその軸心が直線状を
呈するところの直線施工部に用いる定型のセグメントピ
ース41Pか、或いはカーブするところの曲率施工部に
用いる異型のセグメントピース41Pをそれぞれ選択し
て、3ヶ一組みのセグメントセット41をそれぞれ作
り、該セグメントセット41をパレット42に積載した
状態で、セグメントストッカ3の各セグメント格納空間
30にそれぞれ格納保持しておく。なお、トンネル40
の施工構築形状は予めその設計仕様で定められており、
よって、該トンネル40の覆工410を形成するための
各セグメントセット41は、該トンネル40の掘進長に
応じた形で所定のものが用いられるように定められてい
る。そこで、トンネル構築に必要とされる各セグメント
セット41の内容及びその搬出順序は予めセグメント管
理装置21に入力しておき、該セグメント管理装置21
を介して、所定のセグメントセット41を順次セグメン
ト格納空間30から取り出し、これをシールド装置5に
搬送していく。この際、搬送すべきセグメントセット4
1は、これが格納保持されたセグメント格納空間30の
所番地によって管理されているので、円滑に取り出され
る。また、セグメント管理装置21は、セグメントセッ
ト41の取り出しによって空になったセグメント格納空
間30の所番地を検出し得るので、これによって、該空
になったセグメント格納空間30には新たなセグメント
41xを、図1に示すように、3枚一組みにしてパレッ
ト42に積載した状態で、リフト32等を用いて再び装
填しておく。
【0027】各セグメント格納空間30からセグメント
セット41を取り出すには、ガイドレール33上のリフ
ト32を、セグメント管理装置21によって選定された
所定の所番地のセグメント格納空間30が位置する部分
に移動させて、その昇降フォーク32bを昇降させるこ
とによって、該所定の所番地のセグメント格納空間30
位置に整合配置させる。そして、トンネル掘進長に対応
した形で次にトンネル空間40sに搬入すべきセグメン
トセット41を、該セグメントセット41が積載された
パレット42のフォーク係合部42bに昇降フォーク3
2bを差し込み係合させてから、これをリフト32側に
引き込む形で、該リフト32に支持させるようにして、
セグメント格納空間30から取り出す。こうしてセグメ
ントセット41が積載されたパレット42を保持した昇
降フォーク32bを、一杯に下降させると共に、リフト
32をガイドレール33に沿って図1左方に向けて移動
させる形でセグメントストッカ3の図1左側端下部に示
すリフト待機位置まで搬送する。
【0028】そこで次に、図4に示すGL階側のスライ
ドフォーク7Aを介して、セグメントセット41が積載
されたパレット42を、リフト32の昇降フォーク32
bから、セグメントエレベータ6のパレット支持部材6
2に受け渡す。こうしてGL階において、セグメントセ
ット41が積載されたパレット42を支持したパレット
支持部材62を、次に、チェーン63を介して下降移動
させることによって、該セグメントセット41が積載さ
れたパレット42を、搬送空間6s中を図1矢印Dで示
すようにGL階からB1階まで垂直搬送する。すると、
セグメントセット41は、その垂直搬送時に、ホイスト
クレーン1b等のクレーン式の揚重装置によって玉掛け
される必要なく、簡単且つ安全に搬送空間6sを垂直搬
送される。即ち、セグメントピース41Pを3枚一組み
にしたセグメントセット41は、これがパレット42の
セグメント支持部42aに支持された形で該パレット4
2に積載されているので、安定した状態で、セグメント
エレベータ6の搬送空間6s中を降下することが出来、
これによって、玉掛けされて牽引される場合に各セグメ
ントピース41Pに生じ得るような偏荷重が載荷される
懸念が無く、また、搬送空間6s以外の他の立坑38中
の部材に衝突して、該セグメントピース41Pの縁部或
いはここに装着されたシールが欠ける危険性がない。さ
らに、立坑38におけるセグメントセット41の垂直搬
送は、セグメントエレベータ6を介してその搬送空間6
sのみで行われるので、該セグメントエレベータ6以外
の立坑38中では、セグメントセット41搬送以外の他
の作業を、例えば、ホイストクレーン1bを利用する形
で、安全且つ効率的に進行させることが出来る。
【0029】こうしてB1階まで搬送されたセグメント
セット41は、次に、B1階のスライドフォーク7Bを
介して、該セグメントセット41が積載されたパレット
42と共に、トンネル空間40sにおいて、発進坑口4
0cとシールド装置5との間を行き来する形で、搬送軌
条43上に所定台数走行している、セグメント搬送用の
台車9の支持台91に受け渡し搭載する。そして、該パ
レット42上のセグメントセット41を搭載した状態の
台車9を、モータ93を介して車輪92を駆動すること
によって、図1左方から右方に向かう形の下り線として
搬送軌条43を利用する形で、トンネル空間40s中
を、シールド装置5側に(図1においては右方に向け
て)水平搬送していく。この際、トンネル空間40sに
おいて搬送軌条43を走行する台車9は、発進坑口40
cとシールド装置5よりある距離分だけ後方側の所定位
置との間では、作業路床10を形成している各フレーム
11の台車支持部11a部分に設けられた誘導ケーブル
12を介して直接供給される電力によってモータ93を
駆動させる形で走行し、該走行中にバッテリー94に充
電を行う。そして、誘導ケーブル12が無いシールド装
置5近傍のトンネル空間40sでは、その走行中に充電
されたバッテリー94を介してモータ93を駆動するこ
とによって自力で走行しながら、シールド装置5のホイ
スト52位置まで、パレット42に積載されたセグメン
トセット41を搬送していく。すると、台車9は、トン
ネル40の掘進延長が長くなっても、バッテリー94に
蓄電する必要なく、長距離の搬送作業を行うことが出来
る。
【0030】なお、こうしてトンネル空間40s中の搬
送軌条43を走行する台車9は、そのパレット支持部9
1a上にコンクリート製のセグメントピース41Pを3
枚重ねてなるセグメントセット41を積載した状態で、
該搬送軌条43を構成している各軌条板材44の台車走
行面44a上を走行する。この際、台車9は、フレーム
11及び補助フレーム14によって所定の幅W1をなす
ように形成された台車走行空間10sを通過するよう
に、該フレーム11及び補助フレーム14の各台車支持
部11a、14aによって案内される形で走行するとこ
ろから、搬送軌条43の台車走行面43aに凹凸があっ
ても転倒する危険性なく、ここを円滑に走行することが
出来る。また、セグメントセット41は、パレット42
に積載された状態でトンネル空間40sを坑内搬送され
るところから、その搬送中に該セグメントセット41の
各セグメントピース41Pに傾きが生じることなく、或
いは、各セグメントピース41Pがトンネル空間40s
中に設置された何等かの設備に衝突する危険性なく、安
定した状態で坑内搬送される。
【0031】ところで、トンネル空間40sでは、上述
したように搬送軌条43を下り線として利用する形で、
台車9がセグメントセット41の搬送を行っている一方
で、既に該セグメントセット41をシールド装置5まで
搬送した空の台車9が、上り線として搬送軌条43を走
行している。即ち、セグメントセット41を搭載してい
る下り側の台車9は、図3左方から右方に向けて走行す
る形で、図3左部に示す単線区間43aから図3左側の
分岐部43cを介してすれ違い部43dにおける図3上
側の搬送軌条43を通過し、図3右側の分岐部43cを
介して図3右部に示す単線区間43に進入する。一方、
既にシールド装置5にセグメントセット41を受け渡し
て空になった上り側の台車9は、図3右方から左方に向
けて走行する形で、図3右部に示す単線区間43aから
図3右側の分岐部43cを介してすれ違い部43dにお
ける図3下側の搬送軌条43を通過し、図3左側の分岐
部43cを介して図3左部に示す単線区間43に進入す
る。このように、図3左方から右方に向けて走行する下
り側の台車9と図3右方から左方に向けて走行する上り
側の台車9の走行タイミングを同期させておくことによ
って、2台の台車9、9は、すれ違い部43dにおい
て、図9に示すようにトンネル横断面方向左右に2台並
んですれ違いながら、その各々が走行方向を違えた形で
トンネル空間40s中を行き来することが出来る。よっ
て、上り線の台車9と下り線の台車9は単線区間43a
において衝突する危険性なく、トンネル空間40s中に
複数の台車9が行き来することが出来る。従って、セグ
メントセット41の搬送及び該セグメントセット41の
搬送に用いられたパレット42の回収は、複数の台車9
によって円滑に行われる。
【0032】こうして、トンネル空間40sには、セグ
メントセット41の搬送を行うために走行する台車9
が、搬送軌条43を上り線と下り線として利用する形で
複数行き来するが、該搬送軌条43において上り線と下
り線の2台の台車9がすれ違うための複線区間43b以
外の部分は、単線区間43aになっており、該単線区間
43aでは、台車9が走行するための軌条板材44が覆
工410のインバート面上に直接載置された形で、トン
ネル空間40sの底部40aに搬送軌条43が設けられ
た形になっている。従って、該単線区間43aの搬送軌
条43において台車9が走行している台車走行空間10
sの上側のトンネル空間40sには、図8に示すよう
に、大きな空間SPが残留形成される。よって、該空間
SPを資材、機材の設置空間として、或いは作業空間と
して、広く利用することが出来る。そこで、例えば、各
作業路床10上に形成される通路10aを、泥水管38
3を配管するためのスペースとして用いたり、或いは作
業員がここを歩行したり、或いはシールド装置5の直後
に設置される後方設備13の各後方台車15の設置スペ
ースとして、該空間SPを有効に利用することが出来
る。なお、作業路床10の各フレーム11には歩道ガイ
ド11bが、左右のフレーム11、11間に形成される
台車走行空間10sと、該フレーム11、11上の通路
10a、10aとの間を遮断する形で設けられていると
ころから、該通路10aを歩行する作業員或いはここに
仮置きされた資材、機材等が台車走行空間10sに転落
する危険性が防止されている。さらに、台車9の走行駆
動動力を供給するために作業路床10に配線されている
誘導ケーブル12は、フレーム11の台車支持部11a
に設けられているところから、通路10a上の作業員が
該誘導ケーブル12に接触する危険性はない。
【0033】こうして、先に述べたようにセグメントセ
ット41が積載されたパレット42を搭載して、搬送軌
条43を下り線として走行した台車9は、シールド装置
5の後側(図1左側)において、図7に示すように、後
方設備13の各後方台車15の内側に形成された台車通
過部160を通過する形で、該シールド装置5の図1に
示すホイスト52位置まで、そのパレット支持部9aに
搭載支持した、該セグメントセット41が積載されたパ
レット42を、搬送する。この際、シールド装置5の直
後には、該シールド装置5の掘進及び覆工構築に必要と
される泥水、駆動及び照明用電力、エア等を該シールド
装置5に供給するための後方設備13が設けられている
が、トンネル構築設備1に設けられる搬送軌条43は、
シールド装置5の直後において後方設備13が配置して
いるトンネル空間40sでは、単線区間43aにしてお
いて、その軌条板材44を覆工410のインバート面上
に直接載置する形で、搬送軌条43をトンネル空間40
sの底部40aに配置させるようにしておけば、各後方
台車15が、先に述べたように台車9が走行するための
台車走行空間10sの上方のトンネル空間40sに広く
形成された空間SPに、十分なる余裕をもって配置する
ことが出来る。これによって、台車9は、シールド装置
5の掘進状態如何に拘らず、如何なるときも、後方設備
13の各後方台車15の下方を、該後方台車15のいず
れにも干渉されることなく円滑に通過して、ホイスト5
2位置までパレット42上のセグメントセット41を搬
送することが出来る。
【0034】そこで、ホイスト52は、台車9によって
搬送されたパレット42上のセグメントセット41を、
該パレット42上からシールド装置5側に受け取り、該
セグメントセット41のセグメントピース41Pを1枚
づつエレクタ54に受け渡す。そこで、エレクタ54
に、こうして搬送されたセグメントピース41Pを、ト
ンネル空間40sにおける所定の建て込み位置に設置さ
せることによって、先に述べたように6ヶのセグメント
ピース41Pで1リング分の覆工410を形成する。即
ち、シールド装置5が1リング分の覆工410の長さに
対応しただけ地盤39を掘進する毎に、セグメントピー
ス41Pを1リング分づつ建て込んでいく動作を繰り返
していく。すると、当該建て込みされるセグメントピー
ス41Pは、セグメント管理装置21が、予めトンネル
40の掘進延長に応じて定められた所定の組合せのセグ
メントセット41を、パレット42に積載したままの状
態で、セグメントストッカ3からセグメントエレベータ
6、台車9等を介してシールド装置5に安定的に搬送し
たものであるところから、その選定形状に間違いがな
く、また、その搬送中に破損する危険性がなく、常に確
実な状態のセグメントピース41Pが所定位置に建て込
まれる。これによって、トンネル40を構築する際に信
頼度の高い施工を行うことが出来る。
【0035】ところで、こうしてカッタヘッド51によ
って地盤2を掘進しつつセグメントピース41Pを実施
例においては6ヶづつ建て込むことによって1リングづ
つ覆工410を構築延長していく際には、該シールド装
置5がトンネル構築方向に前進する動作に後続する形で
後方設備13全体が前進移動する。この際、後方設備1
3においては、該後方設備13を構成している複数連結
された後方台車15のそれぞれの車体16にゴムタイヤ
17Aが設けられていて、該ゴムタイヤ17Aは覆工4
10の内周面410a上において該覆工410の底部か
ら所定の高さH1をなす2位置に設定された後方台車走
行部をそれぞれ転動し得ることによって、該覆工410
上にレール等が敷設されていなくとも、円滑にシールド
掘進に後続するよう前進移動することが出来る。
【0036】また、各後方台車15には、その車体16
の上部にガイドタイヤ17Bが設けられていて、該ガイ
ドタイヤ17Bはアーチ部45左右において覆工410
の内周面410aに対して転動自在であることによっ
て、当該各後方台車15の前進移動時、その車体16が
トンネル空間40sにおいて偏位して覆工410に衝突
する危険性がなく、また、その装置搭載空間16sに搭
載された様々な資材、機材、装置等は、車体16の傾き
によってこれ等の搭載物に支障を来すという危険性から
回避されている。さらに各車体16に形成配設されてい
る装置搭載空間16sは、トンネル空間40sにおいて
通路10a、10aの上方に位置する形でトンネル断面
方向左右に振り分けられて配設されているところから、
該左右に振り分けられた装置搭載空間16sの大きな横
断面積を有効に用いて、大容量の機械設備を搭載した
り、或いは、後方台車15のトンネル軸方向長さ、延い
ては後方設備13の長さを縮少化することが出来る。こ
うして各後方台車15において左右に振り分けられた装
置搭載空間16sを有効に用いてここに各装置類を搭載
しておくことによって後方設備13のトンネル軸方向長
さを少しでも縮少化することが出来れば、立坑38から
のシールド発進動作時に、該後方設備13をトンネル空
間40sに早く収容することが出来るので、施工効率が
良くなる。なお、後方台車15は、その左右に振り分け
られた装置搭載空間16sの両方に重量物を搭載する場
合であっても、車体16に設けられた補強部16a及び
上梁16bによって該車体16が補強された形で、該重
量物の搭載に十分耐えることが出来る。
【0037】また、こうして前進移動する各々の後方台
車15は、トンネル空間40sにおいてセグメント搬送
用の台車9が走行に使用している単線区間43aの搬送
軌条43に設けられた1台分の台車走行空間10sの上
方において、ここに形成された空間SPのみを通過し、
その車体16の内側に台車通過部160を所定の幅W2
をなすように形成確保し得るので、該後方台車15の配
置によって、セグメント搬送用の台車9の走行が阻害さ
れることはない。即ち、台車9が走行するための搬送軌
条43は、図1に示すように、後方設備13が配置して
いる部分では単線区間43aになっていて、該単線区間
43aはトンネル空間40sにおける底部40aに配置
しているところから、該単線区間43aの台車走行空間
10sの上側のトンネル空間40s中には各後方台車1
5の車体16が配置すべき広い空間SPが残留形成され
て、ここに車体16が十分余裕をもって配置することが
出来る。従って、セグメント搬送用の台車9は、該後方
設備13の各後方台車15が配置している下側の単線区
間43aにおいて2台並んですれ違う必要なく、該後方
設備13より後側に設けられた複線区間43bを介し
て、先に述べたように、そのすれ違い部43において2
台の台車9、9がすれ違うように、複数の台車9の走行
間隔が御されているところから、シールド装置5本体の
直後のトンネル空間40sにおいて、後方台車15とセ
グメント搬送用の台車9が、両者15、9が干渉するこ
となく同時に該トンネル空間40s中に配置して、その
役割、即ちシールド装置5への資機材の供給及びセグメ
ント搬送作業を継続することが出来る。
【0038】さらに、こうして後方設備13が配置して
いる部分の搬送軌条43は単線区間43aになっている
ことによって、ここに形成される台車走行空間10sは
トンネル空間40sの底部40aに位置することになる
ところから、該台車走行空間10sの上側に位置する各
後方台車15の上方には、覆工410のアーチ部45と
の間に空間16qが十分に形成された形になる。よっ
て、該空間16qを風管19や泥水管383等の設置ス
ペースとして有効に用いることが出来る。なお、各後方
台車15は先に述べたように、ゴムタイヤ17A及びガ
イドタイヤ17Bによって、トンネル空間40sにおけ
る配置位置及び前進移動時の走行安定性が確保されてい
るところから、該後方台車15の車体16が空間16q
に設置された風管19や泥水管383等に衝突してこれ
等の管路が破損する危険性はない。こうして、たとえト
ンネル空間40sが小断面であっても、極めて限定され
た作業空間である該トンネル空間40sを有効に用いな
がら、効率的にトンネル掘進構築作業を進めることが出
来る。
【0039】ところで、上述したように、シールド装置
5の掘進動作によって、覆工410の構築延長を行うと
共に、該シールド装置5に後続する後方設備13の後方
台車15を前進させたなら、これと共に、セグメント搬
送用の台車9が走行するための搬送軌条43を構築延長
する。これにはまず、予めトンネル坑外において所定形
状に形成されたフレーム11を、既にトンネル空間40
sに配設されている敷設済みのフレーム11の前方側に
新たなフレーム11を接続する形で、覆工410の内周
面410a上に設置することによって、トンネル断面左
右方向に対をなす一対の作業路床10、10をそれぞれ
延長する。当該フレーム11の敷設時には、覆工410
の底部に設定された路面43の上側に、幅W1分の台車
走行空間10sを形成し得るように、トンネル横断面方
向左右に一対に該フレーム11、11を据置すれば良
い。この際、トンネル横断面方向に左右一対をなすフレ
ーム11、11によって形成される通路10a、10a
の高さは正確に一致している必要はなく、また、トンネ
ル軸方向に隣接するフレーム11、11の上面が面一に
整合している必要はない。即ち、作業路床10を形成し
ているフレーム11は、単にこれによって形成される台
車走行空間10sを所定幅W1に形成することが出来れ
ば良いので、その据置作業に当たって精密なレベル出し
を行う必要がない。よって、作業路床10の延長作業は
簡単である。
【0040】そして、こうして作業路床10、10の形
成によって形成された台車走行空間10sに、搬送軌条
43を形成するための軌条板材44を、その台車走行面
44aが所定の高さHnをなすように設置していく。こ
の際、単線区間43aにおいては、単に軌条板材44
を、覆工410の内周面410aのインバート部に直接
据置するだけで搬送軌条43を構築延長し得るので簡単
である。なお、トンネル構築設備1においては、トンネ
ル空間40sにおける所定の位置に複線区間43bを設
けるように、搬送軌条43を形成していくが、この際に
は、フレーム11、11と共に補助フレーム14を用い
ることによって、該フレーム11及び補助フレーム14
を複線区間43bの軌条板材44を据付けしていく。な
お、補助フレーム14の設置はフレーム11の設置と同
様に行えば良く、該フレーム11と補助フレーム14を
用いることによって、複線区間43bの各軌条板材44
もまた簡単に設置することが出来る。そして、当該複線
区間43bはシールド装置5及びこれに後続する後方設
備13より後方側のトンネル空間40sに設置してしま
えば、その後該シールド装置5の前進と共に構築延長す
べき搬送軌条43は、単線区間43aで良く、トンネル
全長に亙って複線の搬送軌条43を敷設する必要がない
ので、搬送軌条敷設作業に要する手間が少ない。
【0041】なお、シールド装置5の直後において後方
設備13が配置しているより後方側の作業路床10に
は、誘導ケーブル12を配線していく。この際、本実施
例においては、先に述べたセグメント搬送用の台車9
が、その走行中に支持台91内に搭載されたバッテリー
94に充電しておいて、該充電された電力によってモー
タ93を駆動させる形で、自力走行し得るので、シール
ド装置5の直後に位置する作業路床10には誘導ケーブ
ル12を配設しておかなくとも構わない。即ち、シール
ド装置5の直後においては、ここに後方設備13の後方
台車15が、トンネル横断面方向に左右に振り分け配置
された通路10a、10aの上方のトンネル空間40s
に形成された空間SPに配置する形で、該空間SPが各
後方台車15の車体16によって塞がれる形になってし
まうが、該塞がれた部分の空間SPによって誘導ケーブ
ル12の設置を行うことが出来なくとも、バッテリー9
4によって台車9が自力走行し得れば、何等問題は生じ
ない。或いは、セグメントセット41が積載されたパレ
ット42を台車9からシールド装置5のエレクタ54側
に受け渡すために、何等かの手段を用いても構わない。
【0042】こうして、トンネル構築設備1において
は、先に述べたように覆工410を形成するための各形
状のセグメントピース41Pを、3枚一組みのセグメン
トセット41としてパレット42に積載した状態で、立
坑38に隣接するストックヤード2のセグメントストッ
カ3に保管しておき、該セグメントセット41としてパ
レット42に積載した状態で、セグメント管理装置21
を介して、リフト32、スライドフォーク7A、7B、
セグメントエレベータ6、台車9によって、該セグメン
トピース41Pのそれぞれが建て込まれるべきトンネル
位置に間違い無く対応した形で搬送されるので、当該セ
グメント搬送が効率的で且つ安全性が高い。また、セグ
メントピース41Pの保管管理が効率的且つ確実に行わ
れている。そして、台車9及び後方台車15が、互いに
干渉することなく、限定された空間であるトンネル空間
40sの横断面積を有効に用いて、複数の台車9が後方
台車15やその他のトンネル構築仮設備等と干渉するこ
となく好適に走行して、掘進作業及びセグメント搬送作
業を円滑に行っていくことが出来る。従って、施工の効
率性が高く、短い工期で安全にトンネル40を構築して
いくことが出来る。
【0043】なお、上述した実施例においては、搬送軌
条43が設けられるトンネル空間40sが横転円柱状に
形成されている例を述べたが、トンネル空間は、先に述
べたようにその横断面形状が円状である場合において、
該トンネル空間の底部40a等の下部より高い部分は該
下部より、その横断面左右方向に幅広になっているとこ
ろから、本発明が適用されるトンネル空間は、その横断
面形状が必ずしも真円状に形成されている必要はなく、
例えば楕円、横長円、縦長円、馬蹄形等の略円状をなす
その他の横断面形状のトンネル空間に用いられても同等
の効果を発現することが出来る。なお、搬送軌条43に
おいて複線区間43bが設けられるべき、単線区間43
aより高い部分とは、該搬送軌条43が位置する標高高
さを基準とするものではなく、トンネル空間の横断面に
おいてその下部より高い部分を相対的に指すものであ
り、トンネル全体がそのトンネル軸方向に勾配が形成さ
れている場合であっても、これは変わらない。また、搬
送軌条43を形成するための各軌条板材44及びこれを
支持するフレーム11或いは補助フレーム14の形態及
びその設置方法は、該搬送軌条43が単線区間43aと
複線区間43bをなすように形成し得る限りにおいて
は、実施例で述べられた以外であっても差し支えない。
【0044】また、上述した実施例においては、搬送軌
条43の複線区間43bは、シールド装置5が配置して
いるトンネル空間40sの切羽39b近傍と、坑口40
cとの間に設けられている例を述べたが、搬送軌条43
における複線区間43bの配設位置はこれ以外であって
も良い。例えば、搬送軌条43には複数の複線区間43
bが、単線区間43aと交互に設けられていても良く、
或いは、その大部分が複線区間43bになっていて、前
記後方設備13位置でのみ単線区間43aになっていて
も差し支えない。さらに、実施例においては複線区間4
3bが、一対の分岐部43c、43cと、該分岐部43
c43cにより分岐された搬送軌条43、43をそれぞ
れ接続するすれ違い部43dから構成されていることに
よって、該複線区間43bのすれ違い部43dにおいて
2台の台車9がすれ違うことが出来るように搬送軌条4
3が構成されている例を述べたが、搬送軌条43に設け
られる複線区間43bの構成はこれ以外であっても構わ
ない。即ち、搬送軌条43等の坑内搬送路線は、トンネ
ル空間40sにおける坑口40c付近においてのみ複線
区間43bになっていて、残りの全長分のトンネル空間
40cでは単線区間43aになっていても構わない。即
ち、搬送軌条43を走行する台車9は、必ずしも単線区
間43aを走行して後、一対の分岐部43c、43cの
一方を介して複線区間43bにおけるすれ違い部43d
の搬送軌条43を走行し、その後一対の分岐部43c、
43cの他方を介して単線区間43aを走行するように
なっていなくとも構わない。また、複線区間43bは必
ずしも、その各々の走行方向が相反する2台の台車9、
9のすれ違い用に用いられなくとも構わず、2台の台車
9、9の並走用或いは待機用に用いられても差し支えな
い。
【0045】さらに、上述した実施例においては、本発
明による坑内搬送路線構造を、泥水シールド装置である
シールド装置5を用いて、セグメント覆工により構築中
のトンネル40に適用した例を述べたが、当該坑内搬送
路線が適用されるトンネルの形態及びその構築方法並び
にこれに用いる装置、設備等の類は任意である。従っ
て、搬送軌条43を走行するのはセグメント搬送用の台
車9に限定されるものではなく、例えばズリ搬出用の鋼
車が走行しても構わない。また、トンネル40は必ずし
も、セグメントストッカ3に保管されたセグメントセッ
ト41をセグメント管理装置21を介して取り出し、こ
れをパレット42ごとセグメントエレベータ6で垂直搬
送したものを、所定の建て込み位置に建て込むことによ
って、その覆工410が構築形成されなくとも構わず、
トンネル覆工は、例えば、現場打設コンクリートにより
構成されても構わない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、そ
の横断面形状が円状をなす形のトンネル空間40sに、
単線区間43aと複線区間43bをなすよう敷設される
搬送軌条43等の坑内搬送路線において、前記単線区間
43aは前記トンネル空間40sの横断面における底部
40a等の下部に位置し、前記複線区間43bは前記ト
ンネル空間40sの横断面における前記単線区間43a
より高い部分に配置するように設けて構成したので、ト
ンネル空間40sの横断面形状が円状であることに起因
して、該トンネル空間40sにおいては単線区間43a
が設けられた下部より高い部分が該下部より幅広なる状
態を呈し、該幅広なる部分に複線区間43bが配置する
ことが出来る。従って、小断面のトンネルを構築する際
であっても、トンネル空間40sの横断面において単線
区間43aが設けられる下部より高い部分に複線区間4
3bを配置させることによって、該複線区間43bを利
用して、2台の搬送用台車をトンネル横断面方向に左右
に並べて走行させることが出来る。これによって、トン
ネル軸方向での効率的な搬送作業が可能となる。このよ
うに複線区間43bを用いる一方で、坑内搬送路線の単
線区間43aは、トンネル空間40sの横断面において
幅狭なる下部に敷設しておけば、該単線区間43aでは
ここに敷設された坑内搬送路線を介して走行する台車9
等の搬送用台車がトンネル横断面の真中部分を占有する
ことなく、該下部部分に設けられた単線区間43aの坑
内搬送路線を走行する。これによって、単線区間43a
に敷設された坑内搬送路線の上側のトンネル空間40s
には、空間SP等の空間部分が残留形成される。そこで
該空間を用いて、トンネル構築に必要な構築設備やシー
ルド後続台車等を、単線区間43aの坑内搬送路線の上
側部分のトンネル空間40sに配置させるように、該ト
ンネル空間40sを有効に利用することが出来る。従っ
て、本発明によれば、搬送用の台車の走行用にトンネル
空間40sの横断面真中部分をトンネル全断面に亙り占
有すること無く、複線区間43bを設けることが出来る
ので、限られたトンネル空間40sを有効に利用して、
効率的にトンネル構築作業を行っていくことが出来る。
【0047】また、本発明において、前記複線区間43
bは、前記単線区間43aに敷設される搬送軌条43等
の前記坑内搬送路線から分岐することにより形成される
1対の分岐部43c、43c、及び、それ等1対の分岐
部43c、43cにより分岐されたそれ等坑内搬送路線
をそれぞれ接続するすれ違い部43dからなるようにし
て構成すると、単線区間43aに敷設された坑内搬送路
線は、一対の分岐部43c、43cを介して、トンネル
空間40sの前記底部40a等の下部より高い部分にお
いてすれ違い部43dに接続することが出来る。従っ
て、坑内搬送路線においては、第1の単線区間43aを
走行した台車が一対の分岐部43c、43cの一方を介
してすれ違い部43dの坑内搬送路線に進入して後、他
方の分岐部43cを介して該分岐部43cと接続してい
る第2の単線区間43aに進入する形で第1の方向に走
行する一方で、他の台車が、該第2の単線区間43aか
ら該すれ違い部43dを経て第1の単線区間43aに進
入する形で第2の方向に走行することが、同時に出来
る。この際、第1の方向に走行する台車と第2の方向に
走行する台車は、複線区間43bに設けられたすれ違い
部43dにおいて2台の台車がトンネル横断面左右に並
ぶ形ですれ違うことが出来る。従って、複線区間43b
を分岐部43c、43cとすれ違い部43dからなるよ
うにした坑内搬送路線を用いることによって、相反する
2ヶのトンネル軸方向に向けて上り線と下り線の台車が
走行する形で、トンネル空間40sに複数の台車を行き
来させることが出来る。従って、搬送用の台車の走行用
にトンネル空間40sの横断面真中部分をトンネル全断
面に亙り占有すること無く、複線区間43bを設けるこ
とが出来ることによって、限られたトンネル空間40s
を有効に利用することが出来ることに加えて、トンネル
空間40sの坑口とシールド装置との間で、セグメント
や掘削ズリ等の被搬送物を搬送する台車と当該搬送によ
って空になった台車が、上り線と下り線として、トンネ
ル空間40s中を同時に走行することが出来るので、な
お一層効率的にトンネル構築作業を進行させることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による坑内搬送路線構造を用いたシール
ドトンネル構築設備の一例を示す断側面図である。
【図2】図1に示すシールドトンネル構築設備における
シールド本機及び後方設備の一例を示す側面図である。
【図3】本発明による坑内搬送路線構造の一実施例を示
す平面図である。
【図4】図3に示す坑内搬送路線構造の側面図である。
【図5】図1に示すシールドトンネル構築設備に用いら
れるセグメントセットの一例を示す側面図である。
【図6】図4に示す坑内搬送路線構造により搬送中のセ
グメントセットを示す図である。
【図7】図1のVII、VII矢視図である。
【図8】図1のVIII、VIII矢視図である。
【図9】図1のIX、IX矢視図である。
【符号の説明】
40s……トンネル空間 43……坑内搬送路線(搬送軌条) 43a……単線区間 43b……複線区間 43c……分岐部 43d……すれ違い部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須田 英之 東京都港区赤坂二丁目3番4号 小松フォ ークリフト株式会社内 (72)発明者 高橋 義幸 東京都千代田区岩本町3丁目10番1号 三 井建設株式会社内 (72)発明者 藤 振一 東京都千代田区岩本町3丁目10番1号 三 井建設株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その横断面形状が円状をなす形のトンネル
    空間に、単線区間と複線区間をなすよう敷設される坑内
    搬送路線において、 前記単線区間は前記トンネル空間の横断面における下部
    に位置し、 前記複線区間は前記トンネル空間の横断面における前記
    単線区間より高い部分に配置するように設けて構成し
    た、坑内搬送路線構造。
  2. 【請求項2】前記複線区間は、前記単線区間に敷設され
    る前記坑内搬送路線から分岐することにより形成される
    1対の分岐部、及び、それ等1対の分岐部により分岐さ
    れたそれ等坑内搬送路線をそれぞれ接続するすれ違い部
    からなる、請求項1記載の坑内搬送路線構造。
JP5243890A 1993-09-03 1993-09-03 坑内搬送路線構造 Pending JPH0771198A (ja)

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