JP2014224351A - シールドトンネルにおける坑内搬送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】各種設備と干渉することなくセグメント等資機材の搬入及び掘削ずりの搬出が可能で軌道の盛替が必要なく鋼製セグメントにも対応する。
【解決手段】本発明に係る坑内搬送システム1は、インバート軌条5,5と、該インバート軌条の上を走行する搬送台車6と、シールドマシン2に連結された設備配置用移動架台7a,7bと、該設備配置用移動架台に連結された乗入れ用移動架台8とを備える。設備配置用移動架台7aは、シールドマシン2の設備10aを載置板11aに載置してあるとともに、載置板11aには、設備10aの脇を通過する形で搬送台車6が走行できるように迂回軌条12,12を敷設してあり、その下面に取り付けたスキッド31,31をインバート軌条5,5の上で摺動させることで、設備配置用移動架台7aをインバート軌条5,5に沿って走行自在に構成してある。
【選択図】 図3
Description
本発明は、シールドトンネル、特に断面サイズが比較的小さなシールドトンネルにおける坑内搬送システムに関する。
シールドマシンを用いたトンネルの造成が国内外で多数行われているが、地下空間には多様な用途が求められており、その断面径は、道路分岐部のように数十mを越えるものから、上下水道や各種ケーブルが敷設される数mのものまで実にさまざまである。
シールドマシンを用いてトンネル空間を掘削形成するにあたっては、既に覆工が終了した後方のセグメント列から反力をとることでシールドマシンを前進させつつその前部に設けられたカッターヘッドで前方地山を掘削する一方、テール部であらたなセグメントを既設のセグメント列に連結する形で組み立てて掘削内面を覆工するという手順を連続的に繰り返し行うが、掘削が進行するにつれて坑口から切羽までの距離が長くなるため、覆工用のセグメントを立坑から坑口に搬入しこれを切羽手前まで搬送する作業や、掘削によって生じたずりを逆方向に搬送して坑口から搬出する作業は、工事全体の効率やコストに大きな影響を及ぼす。
セグメントや掘削ずりをトンネル坑内で搬送するには、円筒形に組み立てられた覆工セグメントの底面に低床軌道と呼ばれる軌条をトンネル軸方向に沿って敷設し、該軌条に沿ってセグメントや掘削ずりを積んだ搬送台車を走行させることで行われるが、切羽後方においては、シールドマシンを運転駆動するための設備をはじめ、裏込め設備や添加材設備といった各種設備が載置されたいわゆる後続台車が該シールドマシンに連結された状態でその後方に常に位置しており、搬送台車は、これら後続台車の脇を通過する形でシールドマシンのテール側まで走行させ、あるいは坑口まで逆方向に走行させる必要がある。
一方、断面径が2m程度のシールドトンネルの場合、覆工セグメントの底面直上に敷設した低床軌道では、後続台車の脇を搬送台車が通過できるだけの幅、換言すれば、後続台車と搬送台車とを並列配置させるだけの幅を確保することが難しいため、軌条の設置高さを高くすることで、トンネル空間の中央近傍を有効利用する手法が採用されるが、軌条の高さが高いと、上述のような小断面トンネルでは、トンネル空間を腰をかがめて歩行しなければならず、作業員の負担が大きい。
そのため、搬送台車を走行させるにあたり、従来においては、後続台車の脇を通過するいわば並列区間以外の標準区間では低床軌道上を走行させ、並列区間では、低床軌道よりも高い位置に設置された軌道を走行させていた(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1記載の搬送システムでは、トンネル掘削の進行による並列区間の前方移動に伴い、該並列区間を標準区間に接続するための斜路区間を随時盛り替えなければならないという問題を生じていた。
また、特許文献2の実施例1及び図1〜図4には、シールド掘進機A1に連結された複数の設備・軌道搭載台車3と、該設備・軌道搭載台車に連結された複数の軌道搭載台車2とからなる搬送システムであって、複数の軌道搭載台車2のうち、最後尾の軌道搭載台車のレールを低床軌道1に擦り付けてなるものが提案されている。
しかしながら、同特許文献記載の設備・軌道搭載台車3は、低床軌道1,1を跨ぐように配置してあるため、幅方向に十分な空間を確保することができる反面、低床軌道1,1を跨ぐ関係上、本来的に台車設置高さが高くなることに加え、車輪32,32の間隔、すなわち支点間距離が大きくなることに起因する剛性不足を補うべく、台車の厚みを十分に厚くする必要があるため、空頭については厳しく制限される結果となり、掘削ずりを坑外に搬出する場合においては、断面径が2m程度のシールドトンネルだと、台車上軌道31,31を用いて掘削ずりを搬送しようとしても、該軌道を走行するずり鋼車と呼ばれる搬送台車の直上に掘削ずりを積み込むためのベルトコンベヤを配置することはきわめて困難となる。
加えて、同特許文献記載の搬送システムでは、設備・軌道搭載台車3の鉛直荷重を車輪32,32で支持する構造になっているため、覆工セグメントが鋼製セグメントの場合には、たとえ車輪32をソリに代えたとしても、該鋼製セグメントの補剛リブが障害となり、あるいは補剛リブとの間に過大な摩擦力が発生して走行が不可能な事態となる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、どのようなセグメントで覆工セグメントが構成されていようと、各種設備と干渉することなくセグメント等資機材の搬入及び掘削ずりの搬出が可能でかつ軌道を盛り替える必要もないシールドトンネルにおける坑内搬送システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システムは請求項1に記載したように、シールドマシンによって掘削形成されたトンネル空間の内面を覆う覆工セグメントの底面近傍であって前記トンネル空間の軸方向に沿って敷設された低床軌条と、該低床軌条の上を走行する搬送台車と、前記シールドマシンにその後方で連結され少なくとも該シールドマシンの運転駆動に必要な設備が載置された設備配置用移動架台と、該設備配置用移動架台にその後方で連結された乗入れ用移動架台とを備え、前記設備配置用移動架台に前記設備の脇を通過する形で搬送台車が走行できるように該設備の側方位置にて迂回軌条を敷設するとともに、該迂回軌条につながる乗入れ用軌条を前記乗入れ用移動架台に敷設し、該乗入れ用軌条の後端を、前記低床軌条との間で前記搬送台車が相互に乗り入れることができるように該低床軌条に可動に接続してなるシールドトンネルにおける坑内搬送システムにおいて、
前記設備配置用移動架台及び前記乗入れ用移動架台の下面に走行部材を取り付けて該走行部材を前記低床軌条の上で転動又は摺動させることにより、前記設備配置用移動架台及び前記乗入れ用移動架台を前記低床軌条に沿って走行させることができるように構成したものである。
前記設備配置用移動架台及び前記乗入れ用移動架台の下面に走行部材を取り付けて該走行部材を前記低床軌条の上で転動又は摺動させることにより、前記設備配置用移動架台及び前記乗入れ用移動架台を前記低床軌条に沿って走行させることができるように構成したものである。
また、本発明に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システムは、前記シールドマシンに備えられたスクリューコンベアの吐出口直下から前記搬送台車が前記迂回軌条に位置する場合の該搬送台車の直上位置に至る経路に沿ってベルトコンベヤを配置したものである。
また、本発明に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システムは、前記設備配置用移動架台に載置板を設けて該載置板に前記設備及び前記迂回軌条を設置するとともに前記載置板の幅をその設置高さにおける覆工セグメントの水平内寸法にほぼ一致させ、前記載置板の側方縁部を覆工セグメントの内面に対して摺動自在に構成するとともに該載置板の側方先端部を内方に折り曲げ又は湾曲させたものである。
本発明に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システムにおいては、少なくともシールドマシンの運転駆動に必要な設備が載置された設備配置用移動架台をシールドマシンの後方に、該設備配置用移動架台の後方に乗入れ用移動架台をそれぞれ連結し、設備配置用移動架台には上述した設備の脇を通過する形で搬送台車が走行できるようにその側方位置にて迂回軌条を敷設するとともに、乗入れ用移動架台には迂回軌条につながる乗入れ用軌条を敷設し、該乗入れ用軌条の後端は、低床軌条との間で搬送台車が相互に乗入れできるように該低床軌条に可動に接続してある。
そのため、坑口側から低床軌条を走行してきた搬送台車は、乗入れ用軌条に乗り入れた後、迂回軌条に入って上述した設備の脇を通過し、シールドマシンの後方に到達し、あるいはその経路を逆にたどって坑口側に戻ることができるとともに、設備配置用移動架台及び乗入れ用移動架台は、シールドマシンが前進したとき、該シールドマシンに牽引される形で前方に移動するとともに、迂回軌条や乗入れ用軌条もそれらとともに前方に移動するので、シールドマシンが掘削によって前進しても、軌条の盛替えを行うことなく、搬送台車を坑口とシールドマシン後方との間で往復させることができる。
ここで、本発明においては、設備配置用移動架台及び乗入れ用移動架台の下面に走行部材を取り付けて該走行部材を低床軌条の上に転動又は摺動させることにより、それらの移動架台を低床軌条に沿って走行させることができるように構成してある。
そのため、覆工セグメントが鋼製セグメントで構成されるために補剛リブが内方に突出する場合であっても、設備配置用移動架台及び乗入れ用移動架台をスムーズに移動させることが可能となる。
また、設備配置用移動架台を低床軌条に沿って走行させるようにしたことにより、本来的に架台の位置が高くなりすぎないことに加え、低床軌条の幅が支点間距離となってそれらの荷重が支持されるため、低床軌条を跨ぐ構成に比べ、剛性を高める必要がなくなって架台の厚みを抑えることが可能となり、かくして迂回軌条が過剰に高く設置されるのを防止することができるとともに、その結果、空頭に余裕を持たせることが可能となる。
設備配置用移動架台は、少なくともシールドマシンの運転駆動に必要な設備が載置された移動架台であって、必要に応じて裏込め設備や添加材設備も載置されるものとする。
また、設備配置用移動架台は、単体又は複数台のいずれで構成してもかまわないし、シールドマシンとの間に別の移動架台を備えるようにしてもかまわない。この場合、設備配置用移動架台がシールドマシンに直接連結されるのか、上述した別の移動架台を介してシールドマシンに間接的に連結されるのかは任意である。
別の移動架台、すなわちシールドマシンとの間に介在する移動架台を単に作業用の架台として利用してもよいが、設備配置用移動架台の迂回軌条から延びる形で作業用軌条を敷設しておけば、搬送台車がセグメント台車である場合、シールドマシンに備えられたエレクターから遠くない位置がセグメントの荷卸し地点となるため、セグメント組立の作業性が向上する。
以下、かかる移動架台を作業用移動架台と呼ぶこととし、設備配置用移動架台と同様、その下面に設けられた走行部材を低床軌条の上に転動又は摺動させることで該低床軌条の上を走行できるように構成する。
乗入れ用移動架台は、設備配置用移動架台に直接的に連結される場合をはじめ、別の移動架台を介して設備配置用移動架台に間接的に連結される場合が包摂される。
ここで、別の移動架台、すなわち設備配置用移動架台との間に介在する移動架台には、迂回軌条と乗入れ用軌条とをつなぐ中間軌条を配置しておく。以下、かかる移動架台を中間移動架台と呼ぶこととし、設備配置用移動架台と同様、その下面に設けられた走行部材を低床軌条の上に転動又は摺動させることで該低床軌条の上を走行できるように構成する。
乗入れ用移動架台は、単体又は複数台のいずれで構成してもかまわないが、低床軌条と迂回軌条又は中間軌条とのレベル差を乗入れ用軌条が吸収できるように適宜傾斜を設けるとともに、乗入れ用軌条は、低床軌条と迂回軌条又は中間軌条との平面上の位置ずれを吸収できるように適宜湾曲させて構成する。
設備配置用移動架台や乗入れ用移動架台の下面に設ける走行部材は、車輪でもよいし、スキッドでもかまわない。作業用移動架台や中間移動架台を備える場合についても同様である。
上述したように、設備配置用移動架台は、その空頭に余裕を持たせることができるため、前記シールドマシンに備えられたスクリューコンベアの吐出口直下から前記搬送台車が前記迂回軌条に位置する場合の該搬送台車の直上位置に至る経路に沿ってベルトコンベヤを配置した構成を採用することが可能であり、かかる構成によれば、実際のシールド工事への適用性がさらに向上する。
上述した設備を設備配置用移動架台にどのように載置し、あるいは迂回軌条を設備配置用移動架台にどのように敷設するかは任意であるが、設備配置用移動架台に載置板を設けて該載置板に上述の設備及び迂回軌条を設置するとともに載置板の幅をその設置高さにおける覆工セグメントの水平内寸法にほぼ一致させ、載置板の側方縁部を覆工セグメントの内面に対して摺動自在に構成するとともに該載置板の側方先端部を内方に折り曲げ又は湾曲させた構成としたならば、設備配置用移動架台が移動する際の側方の安定性が高まり、トンネル軸線回りの設備配置用移動架台の揺動を抑制することが可能となる。
ここで、載置板の側方縁部における覆工セグメントへの摺動構成は、設備配置用移動架台や乗入れ用移動架台がそれらの前進移動に伴ってトンネル軸線回りに揺動し、それらの側方縁部が覆工セグメントの内面に接触したとき、該側方縁部が覆工セグメントの内面と摺動自在な構成であれば足りるものであって、必ずしも常時摺動自在でなければならないという意味ではなく、むしろ設備配置用移動架台や乗入れ用移動架台が揺動していないときには、覆工セグメントの内面との間にクリアランスが形成されている状態が望ましい。
以下、本発明に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システム1を示した全体平面図である。同図でわかるように、本実施形態に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システム1は、シールドマシン2によって掘削形成されたトンネル空間3の内面を覆う覆工セグメント4の底面近傍であってトンネル空間3の軸方向に沿って敷設された低床軌条5,5と、該低床軌条の上を走行する搬送台車6と、牽引ビーム9を介してシールドマシン2にその後方で連結された設備配置用移動架台7a,7bと、該設備配置用移動架台にその後方で連結された乗入れ用移動架台8とを備える。
設備配置用移動架台7a,7bは、シールドマシン2の運転駆動に必要な設備10a,10bを載置板11a,11bにそれぞれ載置して構成してあるとともに、載置板11a,11bには、設備10a,10bの脇を通過する形で搬送台車6が走行できるように該設備の側方位置にて迂回軌条12,12を敷設してある。
設備10a,10bは、従来であれば後方台車あるいは後続台車に搭載されるものであって、設備10aは例えば運転席や操作盤で、設備10bは油圧ユニットや電源ユニットで構成すればよい。
図2は、シールドマシン2から設備配置用移動架台7aまでの範囲における詳細平面図及び詳細側面図、図3はA−A線に沿った断面図である。これらの図でわかるように、設備配置用移動架台7aには、その前方にて作業用移動架台21を連結してあるとともに、該作業用移動架台には、設備配置用移動架台7aの迂回軌条12,12から延びる形で作業用軌条22,22を敷設してあり、搬送台車6がセグメント台車である場合、シールドマシン2に備えられたエレクター(図示せず)から遠くない位置にセグメント26を荷卸ししやすくなり、セグメント組立の作業性が向上する。
ここで、設備配置用移動架台7aを構成する載置板11aの下面には、走行部材としてのスキッド31,31を取り付けてあり、該スキッドを低床軌条5,5の上で摺動させることにより、設備配置用移動架台7aを低床軌条5,5に沿って走行させることができるようになっている。
スキッド31は、耐衝撃性や摺動性に優れたエンジニアリングプラスチック素材、例えば低反発の「MCナイロン」(登録商標)で構成すればよい。
設備配置用移動架台7bも同様、該設備配置用移動架台を構成する載置板11bの下面にスキッド31,31を取り付けて該スキッドを低床軌条5,5の上で摺動させることにより、設備配置用移動架台7bを低床軌条5,5に沿って走行させることができるようになっている。
また、作業用移動架台21も同様であり、該作業用移動架台を構成する載置板23の下面にスキッド31,31を取り付けて該スキッドを低床軌条5,5の上で摺動させることにより、作業用移動架台21を低床軌条5,5に沿って走行させることができるようになっているとともに、乗入れ用移動架台8についても、その下面にスキッド31,31を取り付けて該スキッドを低床軌条5,5の上で摺動させることにより、乗入れ用移動架台8を低床軌条5,5に沿って走行させることができるようになっている。
なお、低床軌条5,5は、トンネル空間3の坑口(図示せず)からシールドマシン2のテール部近傍までの範囲にわたって、従来と同様、覆工セグメント4の底面近傍に低床枕木32を所定間隔で配置して該低床枕木上に敷設して構成すればよい。
一方、シールドマシン2には、図2でよくわかるように該シールドマシンの前方に備えられたカッターヘッド(図示せず)で掘削された掘削ずりを後方に排出するためのスクリューコンベア24を備えてあるが、トンネル空間3には、スクリューコンベア24の吐出口直下から後方に向かうようにベルトコンベヤ25が配置してある。
ベルトコンベヤ25は図3でよくわかるように、搬送台車6が迂回軌条12,12に位置する場合の該搬送台車の直上を通るように配置してあり、スクリューコンベア24から吐出された掘削ずりをその吐出口直下から搬送台車6の直上位置に至る経路に沿って搬送し、搬送台車6のうち、積込み対象であるずり鋼車に掘削ずりを投入するようになっている。
設備配置用移動架台7aの載置板11aは図3でよくわかるように、その幅を載置板11aの設置高さにおける覆工セグメント4の水平内寸法にほぼ一致させた上、該載置板の側方縁部に沿って溝形鋼33を取り付けるとともに、該溝形鋼を、設備配置用移動架台7aが揺動していないときには、覆工セグメント4の内面との間に所定のクリアランスが形成され、揺動しているときには、覆工セグメント4の内面と摺動自在になるように構成してあるとともに、上述の摺動作用がスムーズに開始されるよう、図4に示すように、載置板11aの側方先端部41を内方に折り曲げて構成してある。
かかる構成によれば、設備配置用移動架台7aが前進移動に伴ってトンネル軸線回りに揺動し、それらの側方縁部が覆工セグメント4の内面に接触したときであっても、前進移動が困難になったり、設備配置用移動架台7aが損傷を受けたりといった事態を回避することができる。
設備配置用移動架台7bも同様、該設備配置用移動架台に設けられた載置板11bは、その幅を載置板11bの設置高さにおける覆工セグメント4の水平内寸法にほぼ一致させた上、該載置板の側方縁部に沿って溝形鋼33を添着して覆工セグメント4の内面に対し、設備配置用移動架台7aと同様に摺動自在に構成するとともに、載置板11bの側方先端部を側方先端部41と同様に内方に折り曲げて構成してある。
また、作業用移動架台21も同様であり、該作業用移動架台に設けられた載置板23は、その幅を載置板23の設置高さにおける覆工セグメント4の水平内寸法にほぼ一致させた上、該載置板の側方縁部に沿って溝形鋼33を添着して覆工セグメント4の内面に対し設備配置用移動架台7aと同様に摺動自在に構成するとともに、載置板23の側方先端部を側方先端部41と同様に内方に折り曲げて構成してある。
乗入れ用移動架台8は図1及び図5に示すように、迂回軌条12,12につながる乗入れ用軌条13,13を敷設して構成してあり、該乗入れ用軌条の後端は、低床軌条5,5との間で搬送台車6が相互に乗り入れることができるように該低床軌条に可動に接続してある。
乗入れ用移動架台8は、図5(b)に示すように低床軌条5,5と迂回軌条12,12とのレベル差を乗入れ用軌条13,13が吸収できるように適宜傾斜を設けてあるとともに、乗入れ用軌条13,13は図5(a)に示すように、低床軌条5,5と迂回軌条12,12との平面上の位置ずれを吸収できるように適宜湾曲させて構成してある。
本実施形態に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システム1においては、シールドマシン2の運転駆動に必要な設備10a,10bが載置された設備配置用移動架台7a,7bをシールドマシン2の後方に、該設備配置用移動架台の後方に乗入れ用移動架台8をそれぞれ連結し、設備配置用移動架台7a,7bには、上述した設備10a,10bの脇を通過する形で搬送台車6が走行できるようにそれらの側方位置にて迂回軌条12,12を敷設するとともに、乗入れ用移動架台8には、迂回軌条12,12につながる乗入れ用軌条13,13を敷設し、該乗入れ用軌条の後端を、低床軌条5,5との間で搬送台車10が相互に乗入れできるように該低床軌条に可動に接続してある。
そのため、搬送台車6がセグメント26を積み込んだセグメント台車である場合には、該セグメント台車は、トンネル空間3の坑口側から進入して低床軌条5,5を走行した後、乗入れ用移動架台8に敷設された乗入れ用軌条13,13に乗り入れ、次いで、迂回軌条12,12を走行しながら設備10a,10bの脇を通過し、さらに作業用軌条22,22を走行して作業用移動架台21に到達する。
セグメント26を降ろしたセグメント台車は逆の経路でトンネル空間3の坑口側に戻る。
また、搬送台車6がずり鋼車である場合には、空のずり鋼車を上述した搬入経路で設備配置用移動架台7aに設置された設備10a脇又は設備配置用移動架台7bに設置された設備10b脇の迂回軌条12,12まで走行させた上、ベルトコンベヤ25の機首、すなわちずり排出側が直上にくる位置でずり鋼車を停止させた状態で、掘削ずりが搬送されてくるのを待つ。
ここで、設備配置用移動架台7a,7bは、それらを構成する載置板11a,11bの下面に取り付けられたスキッド31,31が低床軌条5,5の上を摺動することで該低床軌条に沿った移動が可能な構成になっているので、設備配置用移動架台7a,7bの高さ、ひいてはそれらに敷設された迂回軌条12,12の設置高さが過度に高くなることはなく、空頭には余裕が生じる。
そのため、ベルトコンベヤ25は上述したように、ずり鋼車が迂回軌条12,12に位置する場合の該ずり鋼車の直上位置にくるように配置することができる。
掘削ずりがずり鋼車に積み込まれた後は、ずり鋼車を、迂回軌条12,12に沿って逆方向、すなわち坑口側に向けて走行させるとともに、乗入れ用軌条13,13を経由して低床軌条5,5に合流させ、次いで、低床軌条5,5に沿って坑口まで走行させる。
一方、シールドマシン2は、覆工セグメント4から反力をとりつつ推進ジャッキ(図示せず)を駆動させて前進移動するが、その際、設備配置用移動架台7aは、牽引ビーム9を介してシールドマシン2に牽引されることにより、該設備配置用移動架台の後方に連結されている設備配置用移動架台7b及び乗入れ用移動架台8並びに前方に連結されている作業用移動架台21とともに前進移動するとともに、作業用軌条22,22、迂回軌条12,12、乗入れ用軌条13,13もそれらとともに前方に移動する。
ここで、設備配置用移動架台7a,7b及び乗入れ用移動架台8並びに作業用移動架台21は、低床軌条5,5に沿って走行できるように構成してあるため、シールドマシン2に牽引されることでスムーズにトンネル空間3を移動することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システム1によれば、設備配置用移動架台7a,7b及び乗入れ用移動架台8並びに作業用移動架台21を低床軌条5,5に沿って走行自在となるように構成したので、覆工セグメント4を構成するセグメント26が鋼製セグメントで構成されるために補剛リブが内方に突出する場合であっても、上述した各移動架台をスムーズに移動させることが可能となる。
また、設備配置用移動架台7a,7bを低床軌条5,5に沿って走行させるようにしたことにより、本来的に架台の位置が高くなりすぎないことに加え、低床軌条5,5の幅が支点間距離となってそれらの荷重が支持されるため、低床軌条を跨ぐ構成に比べ、剛性を高める必要がなくなって架台の厚みを抑えることが可能となり、かくして迂回軌条12,12が過剰に高く設置されるのを防止することができる。
また、本実施形態に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システム11によれば、上述したように、設備配置用移動架台7aの空頭に余裕を持たせることができるため、シールドマシン2に備えられたスクリューコンベア24の吐出口直下から搬送台車6が迂回軌条12,12に位置する場合の該搬送台車の直上位置に至る経路に沿ってベルトコンベヤ25を配置することが可能となり、かくして実際のシールド工事への適用性がさらに向上する。
また、本実施形態に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システム11によれば、設備配置用移動架台7a,7b及び作業用移動架台21の載置板11a,11b,23の各幅をそれらの設置高さにおける覆工セグメント4の水平内寸法にほぼ一致させ、各載置板11a,11b,23の側方縁部を覆工セグメント4の内面に対して摺動自在に構成するとともに、該各載置板の側方先端部を内方に折り曲げる構成としたので、設備配置用移動架台7a,7b及び作業用移動架台21が移動する際の側方の安定性が高まり、トンネル軸線回りの揺動を抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係るシールドトンネルにおける坑内搬送システム11によれば、設備配置用移動架台7aの前方に作業用移動架台21を備えるとともに、該設備配置用移動架台の迂回軌条12,12から延びる形で作業用軌条22,22を敷設するようにしたので、搬送台車6がセグメント台車である場合、シールドマシン2に備えられたエレクターから遠くない位置がセグメント26の荷卸し地点となるため、セグメント組立の作業性が向上する。
本実施形態では、説明の便宜上、設備配置用移動架台7a,7bに載置する設備10a,10bを、シールドマシン2の運転駆動に必要な設備としたが、場合によっては裏込め設備や添加材設備を上述の設備に含めるようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、本発明の設備配置用移動架台を2台の設備配置用移動架台7a,7bで構成したが、このような複数構成に代えて、単体の構成としてもかまわないし、逆に3台以上の構成としてもかまわない。
また、本実施形態では、設備配置用移動架台7aの前方に作業用移動架台21を備えるとともに、該設備配置用移動架台の迂回軌条12,12から延びる形で作業用軌条22,22を敷設するようにしたが、場合によってはこれらを省略してもかまわない。
また、本実施形態では、乗入れ用移動架台8を設備配置用移動架台7bに連結するようにしたが、これに代えて、図6に示すよう中間移動架台61を介して設備配置用移動架台7bに連結するとともに、該中間移動架台を設備配置用移動架台7a,7bと同様、その下面に走行部材としてのスキッド31を設けて低床軌条5,5の上に摺動させることで該低床軌条の上を走行できるように構成し、迂回軌条12,12と乗入れ用軌条13,13とをつなぐ中間軌条62,62を中間移動架台61に配置した構成を採用することができる。
また、本実施形態及びその変形例では、設備配置用移動架台7a,7b、乗入れ用移動架台8、作業用移動架台21及び中間移動架台61の各下面に設ける走行部材をスキッド31で構成したが、これを車輪で構成して該車輪を低床軌条5,5の上で転動させる構成としてもかまわない。
1 シールドトンネルにおける坑内搬送システム
2 シールドマシン
3 トンネル空間
4 覆工セグメント
5 低床軌条
6 搬送台車
7a,7b 設備配置用移動架台
8 乗入れ用移動架台
10a,10b 設備
11a,11b 載置板
12 迂回軌条
13 乗入れ用軌条
21 作業用移動架台
22 作業用軌条
23 載置板
24 スクリューコンベア
25 ベルトコンベヤ
26 セグメント
31 スキッド(走行部材)
33 溝形鋼
61 中間移動架台
62 中間軌条
2 シールドマシン
3 トンネル空間
4 覆工セグメント
5 低床軌条
6 搬送台車
7a,7b 設備配置用移動架台
8 乗入れ用移動架台
10a,10b 設備
11a,11b 載置板
12 迂回軌条
13 乗入れ用軌条
21 作業用移動架台
22 作業用軌条
23 載置板
24 スクリューコンベア
25 ベルトコンベヤ
26 セグメント
31 スキッド(走行部材)
33 溝形鋼
61 中間移動架台
62 中間軌条
Claims (3)
- シールドマシンによって掘削形成されたトンネル空間の内面を覆う覆工セグメントの底面近傍であって前記トンネル空間の軸方向に沿って敷設された低床軌条と、該低床軌条の上を走行する搬送台車と、前記シールドマシンにその後方で連結され少なくとも該シールドマシンの運転駆動に必要な設備が載置された設備配置用移動架台と、該設備配置用移動架台にその後方で連結された乗入れ用移動架台とを備え、前記設備配置用移動架台に前記設備の脇を通過する形で搬送台車が走行できるように該設備の側方位置にて迂回軌条を敷設するとともに、該迂回軌条につながる乗入れ用軌条を前記乗入れ用移動架台に敷設し、該乗入れ用軌条の後端を、前記低床軌条との間で前記搬送台車が相互に乗り入れることができるように該低床軌条に可動に接続してなるシールドトンネルにおける坑内搬送システムにおいて、
前記設備配置用移動架台及び前記乗入れ用移動架台の下面に走行部材を取り付けて該走行部材を前記低床軌条の上で転動又は摺動させることにより、前記設備配置用移動架台及び前記乗入れ用移動架台を前記低床軌条に沿って走行させることができるように構成したことを特徴とするシールドトンネルにおける坑内搬送システム。 - 前記シールドマシンに備えられたスクリューコンベアの吐出口直下から前記搬送台車が前記迂回軌条に位置する場合の該搬送台車の直上位置に至る経路に沿ってベルトコンベヤを配置した請求項1記載のシールドトンネルにおける坑内搬送システム。
- 前記設備配置用移動架台に載置板を設けて該載置板に前記設備及び前記迂回軌条を設置するとともに前記載置板の幅をその設置高さにおける覆工セグメントの水平内寸法にほぼ一致させ、前記載置板の側方縁部を覆工セグメントの内面に対して摺動自在に構成するとともに該載置板の側方先端部を内方に折り曲げ又は湾曲させた請求項1又は請求項2記載のシールドトンネルにおける坑内搬送システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013103003A JP2014224351A (ja) | 2013-05-15 | 2013-05-15 | シールドトンネルにおける坑内搬送システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013103003A JP2014224351A (ja) | 2013-05-15 | 2013-05-15 | シールドトンネルにおける坑内搬送システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014224351A true JP2014224351A (ja) | 2014-12-04 |
Family
ID=52123214
Family Applications (1)
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JP2013103003A Pending JP2014224351A (ja) | 2013-05-15 | 2013-05-15 | シールドトンネルにおける坑内搬送システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014224351A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104890679A (zh) * | 2015-05-27 | 2015-09-09 | 天津亨通利铁道工程机械配件有限公司 | 复合隧道运输系统及运输方法 |
CN108150197A (zh) * | 2018-02-05 | 2018-06-12 | 中铁隧道集团处有限公司 | 弧形模板径向翻转仰拱栈桥及其安装定位脱膜方法 |
CN114483058A (zh) * | 2021-12-21 | 2022-05-13 | 淮安市中球盾构技术服务有限公司 | 一种基于斜口钢套筒用便于安装的盾构机始发基座 |
-
2013
- 2013-05-15 JP JP2013103003A patent/JP2014224351A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104890679A (zh) * | 2015-05-27 | 2015-09-09 | 天津亨通利铁道工程机械配件有限公司 | 复合隧道运输系统及运输方法 |
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