JPH0770945A - 酸性染料により染色可能な銀面を有した皮革様シート状物 - Google Patents

酸性染料により染色可能な銀面を有した皮革様シート状物

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JPH0770945A
JPH0770945A JP20750393A JP20750393A JPH0770945A JP H0770945 A JPH0770945 A JP H0770945A JP 20750393 A JP20750393 A JP 20750393A JP 20750393 A JP20750393 A JP 20750393A JP H0770945 A JPH0770945 A JP H0770945A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸性染料で着色可能な銀面を有し、高級感の
ある外観と柔軟性、耐久性などに優れた皮革様シート状
物を提供する。 【構成】 繊維質基体の表面に、顔料を含むポリウレタ
ン着色層、及び三級アミノ基含有ジオール(A)、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリラクトン、ポリエー
テルよりなる群より選ばれた少なくとも1種のポリマー
ジオール(B)および有機ジイソシアネート(C1)と
をNCO/OHの当量比が0.5〜0.99となる様な
量的関係で反応して得られた実質的に末端がOHの中間
体ジオール(D)と、低分子ジオール(E)およびジフ
ェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(C2)と
を反応せしめる事により得られたポリウレタンからなる
クリヤー層が順次積層された、酸性染料により染色可能
な銀面を有した皮革様シート状物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は染色性の優れた皮革様シ
ート状物に関する。さらに詳しくは、ポリウレタン樹脂
を構成する特定成分を特定の配合組成で特定の順序で配
合、反応せしむる事により得た力学特性、耐久性などの
諸物性、加工適性に優れ、かつ酸性染料により染色可能
なポリウレタン樹脂のクリヤー層及び顔料を含む着色層
を表面に有する皮革様シート状物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、染料による着色は顔料による
着色に比べて色相が鮮明なこと、透明性があることなど
の理由により深みのある色調が得られ、また、色の種類
も豊富であることから、表皮層が染料により着色された
ポリウレタンからなる皮革様シート状物が知られてい
る。
【0003】例えば、特開昭59−100778号公
報、特開昭59−100779号公報には基体層表面に
ポリカーボネート系架橋型ポリウレタン層、ポリカーボ
ネート/ポリエチレングリコール系ポリウレタン着色
層、ポリカーボネート系ポリウレタン層が順次積層され
た構造の皮革様シート状物が開示されている。しかしな
がら、該公報の皮革様シート状物は、着色層にポリカー
ボネート/ポリエチレングリコール系ポリウレタンを用
いているため、含金属錯塩染料では良好な着色が得られ
るが、酸性染料では十分な着色が得られない場合があ
る。また、着色層にポリエチレングリコールを使用して
いるため、酸化劣化により退色してしまう場合も多い。
【0004】このような欠点を改良する試みとして、3
級窒素原子やピペラジン環などを有する低分子化合物を
鎖伸長剤として用いてポリウレタン樹脂中に染着座席を
導入する事により、酸性染料に可染性のポリウレタンを
得る事が知られている。例えば、特開昭48−5599
5号公報および特公昭44−16386号公報には、分
子内に3級もしくは4級窒素原子を有する一価アルコー
ルあるいはアミンを用いて未反応のイソシアネート基の
反応を完結することにより染色性の良いポリウレタンが
得られる事が開示されている。しかしながら、該公報の
方法によっては染着座席を有する一価のアルコールまた
はアミンは1官能性であり、ポリウレタン重合体分子の
末端に導入される。そこで染色性を高める為に多量のア
ルコールまたはアミンを使用すると、ポリウレタンの分
子量が小さくなりすぎて力学的性能が低下し、また、十
分な力学的性能が得られるようポリウレタンの分子量を
大きくすると、十分な染着座席を確保するのに必要なだ
けの一価のアルコールまたはアミンを導入する事が出来
ないものであり、いずれにしても工業的に実施するには
難点が有った。
【0005】特開昭48−22602号公報には、N−
置換ジエタノールアミンを鎖伸長剤として用いたポリウ
レタンを使用した染色性に優れた人工皮革が開示されて
いる。しかしながら、該公報の方法によって得られたポ
リウレタンは、鎖伸長剤にN−置換ジエタノールアミン
が用いられているため、その立体障害により強固なハー
ドセグメントが形成されずポリウレタンの力学物性は脆
弱なものとなるばかりでなく、耐熱性、耐溶剤性などに
劣る。さらに、染色した場合、該ポリウレタンのバラン
スが悪いためか、風合いが硬くなったり、折れシワが大
きくなり外観不良となってしまう問題があった。
【0006】特公昭47−19189号公報には、環状
構造を有したN−置換ジエタノールアミンおよびジオー
ルを鎖伸長剤の一部として用いた染色性の良好なポリウ
レタンの製造法が開示されている。しかしながら、該公
報の方法によって得られたポリウレタンは前記特開昭4
8−22602号公報と同様鎖伸長剤として立体障害の
大きい環状アミンが用いられているため、その立体障害
により強固なハードセグメントが形成されずポリウレタ
ンの力学物性は脆弱なものとなるばかりでなく、耐熱
性、耐溶剤性などに劣るという問題があった。
【0007】本発明者らは、特願平5−2505号にお
いて三級アミノ基含有ジオール、ポリマージオール、及
びジイソシアネートを特定割合で反応させたOH末端の
プレポリマーをジイソシアネート及び低分子鎖伸長剤と
反応させて得たポリウレタンをし要した酸性染料で染色
可能な皮革様シート状物を提案した。しかし、該皮革様
シート状物は、染色性や各種物性には優れているもの
の、多孔質層を積層せずに乾式表面層のみからなる表面
層を有する銀付き調シートとした場合には、表面層の透
明性のために繊維質基体層の色が透けて見え、斑感がで
たりして商品価値の低いものとなってしまう場合があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年の消費生活におけ
る高級化指向ならびに感性重視、ファッション重視の傾
向には目を見張るものがある。人工皮革、合成皮革など
の皮革様シート物の分野においても同様であり、鮮明な
色合いを持ったファッション性やルックスの優れたもの
が要求されている。現在、銀付き調の皮革様シート状物
は主として乾式法、湿式法などの方法で製造されている
が、その際、着色には主に顔料が用いられている。従っ
て、色合いが鮮明でなく、消費者の要求に十分答えられ
るものではなかった。また、染料で着色可能な樹脂が用
いられても、物性、耐久性、発色性などのすべてを満足
するものは得られていなかった。本発明の目的は、上記
のような問題のない酸性染料で着色可能な銀面を有し、
高級感のある外観と柔軟性、耐久性などに優れた皮革様
シート状物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維質基体の
表面に、顔料を含むポリウレタン着色層、及び三級アミ
ノ基含有ジオール(A)、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリラクトン、ポリエーテルよりなる群より選ば
れた少なくとも1種のポリマージオール(B)および有
機ジイソシアネート(C1)とをNCO/OHの当量比
が0.5〜0.99となる様な量的関係で反応して得ら
れた実質的に末端がOHの中間体ジオール(D)と、低
分子ジオール(E)およびジフェニルメタン−4,4´
−ジイソシアネート(C2)とを反応せしめる事により
得られたポリウレタンからなるクリヤー層が順次積層さ
れた、酸性染料により染色可能な銀面を有した皮革様シ
ート状物である。
【0010】本発明においては、銀面層に用いるポリウ
レタンの染色性の改善のため、三級アミノ基含有ジオー
ル(A)をポリウレタンのハードセグメント(鎖伸長
剤)や分子末端にではなく、ソフトセグメントとなる中
間体ジオール(D)中に導入し、酸性染料の染着座席と
する。すなわち、本発明で用いるポリウレタンは分子量
やハードセグメントの結晶性になんら悪影響を与えるこ
となく必要な量の染着座席を導入することができる。従
って、三級アミノ基含有ジオール(A)の配合量は特に
制限はなく、その分子構造、必要とされる染色性、使用
染料等によって異なるが、三級アミノ基としてポリウレ
タンに対して1〜1000μeq/g、中でも1.5〜
500μeq/g、さらに好ましくは2〜200μeq
/gの範囲である。
【0011】本発明で用いる三級アミノ基含有ジオール
(A)は、例えば次の様なものが挙げられる。
【化1】 (ただし、YはHもしくは炭素数1〜6の低級アルキル
基、R1は同一もしくは異なる炭素数2〜6の低級アル
キレン基、R2は炭素数1〜6の低級アルキル基もしく
はフェニル基、m,nは1〜10の整数である)
【0012】
【化2】 (但し、R3は脂肪族アルキル基もしくはフェニル基で
ある)
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】 (ただし、R4は分岐を有していても良い炭素数2〜1
2のアルキレン鎖、R5はアルキル基、R6はアルキル
基、またはR5と一緒になってつくられるアルキレン
基、R7はアルキル基、xは2〜6の整数である)
【0015】また、本発明においては、三級アミノ基含
有ジオール(A)として、2個の水酸基および1個のチ
オール基を含有する化合物の存在下に三級アミノ基含有
アクリル酸および/またはメタクリル酸のアルキルエス
テルをラジカル重合して得られる三級アミノ基含有ジオ
ールを用いることができる。
【0016】このような三級アミノ基含有ジオールは公
知の方法によって得られる。例えば、3−メルカプト−
1,2−プロパンジオールの存在下に、三級アミノ基含
有アクリル酸および/またはメタクリル酸のアルキルエ
ステルとして、例えば、ジイソプロピルアミノエチルメ
タクリレート、t−ブチルメチルアミノエチルメタクリ
レート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)−1−メチル
エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、ジイソプロピルアミノエチルアクリレート、t
−ブチルメチルアミノエチルアクリレート、2−(ジ−
n−プロピルアミノ)−1−メチルエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルアクリレートなどの単量体を
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニト
リル、ベンゾイルパーオキサイドなどの開始剤を用いて
重合する事ができる。また、本発明の目的を損なわない
範囲でブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、エチルアクリレートなどのパーフ
ルオロアルキルを含有しないメタクリレート、アクリレ
ート、さらには共重合可能な他のビニルモノマーを併用
する事は何等差し支えない。
【0017】このような三級アミノ基含有ジオール
(A)の分子量に特に制限はないが、用いる単量体にも
よるが、400〜20000が、中でも500〜400
0のものが好ましい。20000を越えてあまりに大き
いと製造に際し、水酸基を持たない重合体が生成し易
く、ポリウレタンに有効に利用され難くなり、工業的製
造の難点となる場合がある。
【0018】本発明に用いられるポリマージオール
(B)はポリエステル、ポリカーボネート、ポリラクト
ン、ポリエーテルよりなる群より選ばれる。その数平均
分子量は500〜3000であるが、より好適には70
0〜2500の範囲が選ばれる。500未満であるとポ
リウレタンの柔軟性が損なわれるとか、耐熱性が低下す
るとかの傾向にあり、好ましくない。3000を越えた
ものは、必然的にウレタン基濃度が減少するためか、力
学的物性、柔軟性、耐寒性、耐熱性、耐久性のバランス
のとれたポリウレタン樹脂が得にくいのみならず、該ポ
リマ−ジオールの工業的製造に難点があり、好ましくな
い。また、分子量が500未満の低分子ジオールを本発
明の目的を損なわない範囲で混合して用いることはなん
ら制限はないが、エチレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオールなどの低分子直鎖ジオール、キシ
リレングリコールなどの芳香族ジオールのごとき通常は
鎖伸長剤として用いられる成分は実質的に含まないほう
がポリウレタン樹脂の力学物性、柔軟性、耐寒性などの
面で好ましい。
【0019】本発明に使用されるポリエステルジオール
はアルカンジオールとジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体とを通常のポリエステル生成反応に採用さ
れる条件下で反応させることによって得る事ができる。
アルカンジオールとしてはエチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−
ノナンジオール、1,10−デカンジオール、などが挙
げられる。該アルカンジオールにおいて、耐久性、物性
などを考慮した場合、炭素数6以上10以下のアルカン
ジオールが特に好ましい。炭素数が6より小さいと、得
られるポリウレタンの耐久性、特に耐湿熱性が悪くなっ
てしまう場合がある。また、炭素数が10より大きい
と、得られたポリウレタンが硬くなり、皮革様シート状
物の風合いが悪くなったり、耐寒性が劣るものとなる場
合がある。
【0020】ジカルボン酸としてはコハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪
族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ
る。これらのジカルボン酸は単独であるいは2種以上を
混合して用いる事ができる。なかでも脂肪族二塩基酸
が、とりわけアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸が
好適に用いられる。これらのジカルボン酸はエステル形
成性誘導体の形で用いても構わない。このようなエステ
ル形成性誘導体としては上記ジカルボン酸のメチル、エ
チルエステルなどの低級アルキルエステル等が挙げられ
る。上記のジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体は単独であるいは2種以上の混合物として用いても構
わない。
【0021】ポリカーボネートジオールは、アルキレン
グリコールと炭酸エステルのエステル交換反応あるいは
ホスゲンまたはクロル蟻酸エステルとアルキレングリコ
ールとの反応などにより製造される。アルキレングリコ
ールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−
ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレ
ングリコールなどのアルキレン部に酸素原子を介在させ
ていてもよい炭素数2〜10の直鎖アルキレングリコー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペン
チルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの炭素
数4〜10の分岐アルキレングリコールなどが単独であ
るいは2種以上を混合物して使用される。炭酸エステル
としては例えばジフェニルカーボネート、ジエチルカー
ボネートエチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
トなどが挙げられる。
【0022】ポリラクトンジオールは、例えば、ポリ−
ε−カプロラクトンジオール、ポリ−β−メチル−δ−
バレロラクトンジオールなどが挙げられる。これらポリ
ラクトンジオールはアルキレングリコールなどを開始剤
として用いてラクトンを開環重合させることによって製
造される。また、ポリエーテルジオールは例えば、ポリ
エチレングルコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0023】有機ジイソシアネート(C1)は、例え
ば、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、
2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、メ
タまたはパラフェニレンジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネートなどの非芳香族ジイソシアネー
トなどが用いられる。なかでもジフェニルメタン−4,
4´−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートの場合が得られる
シ−ト状物の表面性、風合が良いので好ましい。
【0024】実質的に末端がOHの中間体ジオール
(D)は、得られるポリウレタンの実質的にソフトセグ
メントを構成するものであり、(A)成分とポリマージ
オール(B)と有機ジイソシアネート(C1)とをNC
O/OHの当量比が0.5〜0.99となる様な量的関
係で反応して得られる。NCO/OHの当量比が0.5
未満であると、(A)成分の配合量、ポリマージオール
(B)の分子量、有機ジイソシアネート(C1)の種類
によっても異なるが、実質的に末端がOHの中間体ジオ
ールに組み込まれるウレタン結合量が少なすぎたり、さ
らには分子量が小さくなり過ぎるためか、皮革様シート
状物の風合、柔軟性、耐寒性、耐熱性のバランスがとれ
にくく、本発明の効果が十分に得られない。またNCO
/OHの当量比が0.99を越えると、(A)成分の配
合量、ポリマージオール(B)の分子量、有機ジイソシ
アネート(C1)の種類によっても異なるが、実質的に
末端がOHの中間体ジオールに組み込まれるウレタン結
合量が多すぎたり、さらには中間体ジオール(D)の分
子量が大きくなり過ぎるためか、皮革様シート状物の表
面性、風合、柔軟性、耐寒性、耐熱性のバランスがとれ
にくく、好ましくない。
【0025】低分子ジオール(E)としては、低級アル
コールで置換されていてもよいエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ
ール、デカンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族
ジオール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレング
リコールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール
などの芳香族ジオール、さらにはジエチレングリコール
などの一種もしくは二種以上の混合物が用いられるが、
なかでも脂肪族ジオールが、とりわけエチレングリコー
ル、ブタンジオールが皮革様シート状物の風合、柔軟
性、耐寒性、耐熱性などのバランスの面で好適に用いら
れる。
【0026】低分子ジオール(E)の使用量は特に制限
はないが、その分子構造、(A)成分の配合量、ポリマ
ージオール(B)の分子量、有機ジイソシアネートの種
類、NCO/OH当量比によっても異なるが、通常はポ
リマージオール(B)に対し、(E)/(B)の当量比
で0.5〜7.0、なかでも1.0〜5.5が得られた
皮革様シート状物の風合、柔軟性、耐寒性、耐熱性の面
で好適である場合が多い。
【0027】ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシア
ネート(C2)の使用量は特に制限はなく、ポリウレタ
ン溶液の粘度、三級アミノ基含有ジオール(A)、ポリ
マージオール(B)と有機ジイソシアネート(C1)の
NCO/OHの当量比、反応溶媒、ポリマージオール
(B)、低分子ジオール(E)中に含まれる水分などに
よっても異なるが、通常は(C1)と(C2)よりのN
COとアミノ基含有ジオール(A)、ポリマージオール
(B)と低分子ジオール(E)よりの水酸基の当量比N
CO/OHが0.95〜1.2、なかんずく0.97〜
1.1であることが好ましい。
【0028】また、本発明に用いられる重合法を行うと
きに触媒は必ずしも必要ではないが、通常のポリウレタ
ンの製造に用いられる触媒類、例えばチタンテトライソ
プロポキサイド、ジブチルスズジラウレート、スズオク
テ−トなどの金属化合物、テトラメチルブタンジアミ
ン、1,4−ジアザ(2,2,2)ビシクロオクタンな
どの三級アミン類などを用いる事ができる。
【0029】本発明に用いられる方法で得られたポリウ
レタンの溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、トルエ
ン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ランなどの通常使用されている溶剤が用いられる。
【0030】本発明に用いられる方法で得られたポリウ
レタンは、使用にあたって従来のポリウレタンに使用さ
れる各種添加剤、例えばリン系化合物、ハロゲン含有化
合物などの難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、
染料、可塑剤、界面活性剤などを添加する事ができる。
【0031】本発明のポリウレタンクリヤー層の厚さ
は、5〜100μmの範囲であることが好ましく、より
好ましくは10〜50μmである。クリヤー層が5μm
より薄いと、染色しても良好な色目が得られない場合が
ある。また、100μmより厚いと得られた皮革用シー
ト状物の風合いが硬いとか、折れシワ感が悪いといった
不都合を生じる場合がある。ポリウレタンクリヤー層に
は基本的には顔料を含まないが、本発明の効果を損なわ
ない範囲で少量であれば添加してもよい。
【0032】ポリウレタンクリヤー層と繊維質基体の間
に位置するポリウレタン着色層は、実質的に多孔質被覆
層を有さない本発明の皮革用シート状物においては繊維
質基体の色斑を銀面層から隠蔽するために必須の層であ
る。すなわち、表面クリヤー層を酸性染料で染色しただ
けでは繊維質基体を構成する繊維と樹脂の混在状態が表
面から透けて見え、外観不良となってしまう。ポリウレ
タン着色層に用いるポリウレタンは必ずしも酸性染料で
染色される必要はなく、三級アミノ基を有している必要
はないが、クリヤー層と同等の物性を有していることが
好ましく、クリヤー層に用いるポリウレタンと同種のソ
フトセグメントを有するポリウレタンを使用することが
好ましい。また、クリヤー層にしようするポリウレタン
と同じポリウレタンを使用した場合にはポリウレタン着
色層も酸性染料により染色されるため、より深みのある
色調が得られるため好ましい。
【0033】ポリウレタン着色層には、繊維質基体との
密着性や剥離強度の向上のために多官能ポリイソシアネ
ートを配合することも好ましい。ポリウレタンの合成に
鎖伸長剤を用いない場合には本手法が特に有効であり、
かかる多官能ポリイソシアネートとして、トリレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネートなどの有機ジイソシアネートと
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリ
トールなどの3〜4価のアルコールとのアダクト等が挙
げられる。該多官能ポリイソシアネートの添加量はポリ
ウレタン100重量部に対して5〜50重量部の範囲が
好ましく、10〜30重量部の範囲がより好ましい。添
加量が5重量部より少ないと剥離強力の改善効果が得ら
れにくく、また、50重量部より多くなると、組み合わ
せる顔料と染料の色目の違いや染色濃度によっては顔料
の色目が強くでて透明感が劣る場合があり、また、風合
いが硬くなる場合がある。
【0034】ポリウレタン着色層用のポリウレタンとし
てセグメント化ポリウレタンを用いた場合繊維質基体と
の密着性や剥離強度が十分得られない場合がある。かか
る場合には、前記鎖伸長剤を用いないポリウレタンと多
官能性ポリイソシアネートとの組み合わせよりなる接着
剤をポリウレタン着色層と繊維質基体の間に介在させて
も構わない。この場合は該接着剤層は顔料を含まないク
リヤー層であってもよい。
【0035】ポリウレタン着色層の厚さは5〜100μ
mの範囲であることが好ましく、10〜50μmの範囲
がより好ましい。5μmより薄いと顔料の添加量を多く
しても繊維質基体による色斑を隠蔽することができない
場合があり、また、着色層の厚み斑が色斑として影響し
易く、外観不良となる場合がある。また、100μmよ
り厚いと得られた皮革様シート状物の風合い、折れシワ
感などが悪くなる場合がある。
【0036】ポリウレタン着色層に使用される顔料の添
加量は、着色層及びクリヤー層の厚さ、顔料の種類や色
目などによっても異なり、本発明の目的を達する限り特
に限定されるものではないが、通常、顔料純分/樹脂分
の重量比が0.01以上であることが好ましい。例え
ば、ポリウレタン着色層の厚さが10〜50μmの場合
には、該重量比が0.01〜0.70の範囲が好まし
く、0.02〜0.30の範囲がより好ましい。該重量
比が0.01より小さいと着色層の厚さを厚くしても繊
維質基体の色斑を隠蔽することができず、外観が不良と
なり商品価値が損なわれる場合がある。また、該重量比
が大きくなると、酸性染料で染色しても顔料による色目
が強く影響し、酸性染料による染色効果が十分に得られ
ない場合がある。着色層を5μm程度と薄くし、クリヤ
ー層を厚めとすれば、顔料添加量を1.5程度に高めて
も風合いや物性、染色性、隠蔽性に特に問題はない。
【0037】繊維質基体は、ポリアミド、ポリエステ
ル、ビニロン、ポリアクリロニトリルなどの合成繊維、
レーヨン、キュプラ、アセテートなどの人造繊維、絹、
綿、羊毛、麻などの天然繊維からなる編布、織布、不織
布などいずれも使用する事ができる。中でも3次元絡合
不織布、特に平均繊度0.1デニール以下、さらには
0.005〜0.1デニールの極細繊維束からなる不織
布が好適に適用出来る。また、繊維質基体を構成する繊
維は必ずしも染色されている必要はないが、皮革様シー
ト状物の断面の異色感を生じさせないためには酸性染料
で染色される繊維からなるものが好ましい。
【0038】繊維質基体は、上記の編布、織布、不織布
などにポリウレタンの溶液を含浸し、湿式凝固あるいは
乾式凝固したものであることがより好ましい。この場
合、繊維質基体に占めるポリウレタンの量は特に制限は
ないが、重量分率で3〜60%、なかでも10〜30%
であることが、また、繊維質基体の見かけ密度は0.4
〜0.8g/cm3の範囲であることが得られる皮革様シ
ート状物の風合いと腰のバランスがとり易く好ましい。
【0039】本発明の皮革様シート状物は、上記繊維質
基体に顔料による着色層、クリヤー層を積層して得られ
るが、面の平滑性、塗布量のコントロールのしやすさな
どの点から、いわゆる乾式法により製造することが有利
である。すなわち、シボ付きの離型紙上にクリヤー層用
のポリウレタン溶液を所望量塗布・乾燥し、次いで顔料
を添加した着色層用のポリウレタン組成液を塗布し、必
要に応じてさらに接着層用のポリウレタンを塗布し、ウ
エットラミネーションやドライラミネーションの方法で
繊維質基体と貼り合わせ、所定時間熟成した後、離型紙
を剥すことにより本発明の皮革用シート状物が得られ
る。クリヤー層あるいは着色層は、1層のみに限られ
ず、鮮明さや隠蔽性の向上のため、それぞれの合計厚み
が前記した厚みの範囲内であれば、組成を変えてあるい
は同一組成で2層以上積層することもできる。
【0040】得られた皮革用シート状物は、染色による
着色のほか、表面タッチや外観の改善のため従来仕上げ
処理として行われている揉み処理、グラビアやスプレー
による各種仕上げ剤処理などを行って仕上げることがで
きる。このような仕上げ処理を行う場合、染色性を阻害
する場合があるので染色処理は仕上げ処理に先立って行
うことが好ましい。この様にして得られた本発明の皮革
様シート状物はその銀面層が酸性染料で染色可能であ
り、その優れた力学的諸物性、耐久性、良好な風合いを
生かして衣料、靴、鞄、家具、車両内装材、雑貨などの
各種用途に用いることができる。
【0041】
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
なお、実施例中、化合物を下記の略号で示すことがあ
る。 DMF:N,N−ジメチルホルムアミド MEK:メチルエチルケトン MDI:ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネー
ト TDI:トリレンジイソシアネート EG:エチレングリコール PHC:ポリヘキシレンカーボネートジオール PMPA:ポリメチルペンタンアジペートジオール PTG:ポリテトラメチレングリコール PBA:ポリブチレンアジペートジオール MDEA:N−メチルジエタノールアミン
【0042】〈ポリウレタンの製造例〉 PU−1 三級アミノ基含有ジオール(A)としてMDEA4.0
重量部、ポリマージオール(B)として数平均分子量2
000のPHC200重量部、数平均分子量2000の
PMPA200重量部、および数平均分子量2000の
PTG200重量部、有機ジイソシアネート(C1)と
してMDI63重量部(NCO/0H=0.75)、お
よびDMF667重量部をジムロート冷却管付き三口フ
ラスコに仕込み、窒素気流下に所定温度で所定時間反応
させ中間体ジオール(D)を得た。イソシアネート基が
反応して消失した事を確かめた後、該中間体をゲルパー
ミエイションクロマトグラフィー(以下GPC)を用い
て重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したとこ
ろ40000であった。この中間体ジオールに低分子ジ
オール(E)としてEG62重量部、およびMDI(C
2)275重量部を添加し反応させ、さらに反応溶剤と
してDMF334重量部、MEK556重量部を添加し
反応させ、濃度30%、重量平均分子量260000の
ポリウレタン(PU−1)溶液を得た。
【0043】PU−2 MDEA4.0重量部、数平均分子量2000のPHC
200重量部、数平均分子量2000のPMPA200
重量部、数平均分子量2000のPTG200重量部、
MDI338重量部、EG62重量部、DMF1000
重量部、およびMEK556重量部をジムロート冷却管
付き三口フラスコに仕込み、窒素気流下に所定温度で所
定時間反応させ、濃度30%、重量平均分子量2800
00のポリウレタン(PU−2)溶液を得た。
【0044】PU−3 数平均分子量2000のPHC200重量部、数平均分
子量2000のPMPA200重量部、および数平均分
子量2000のPTG200重量部、MDI300重量
部、EG59重量部、DMF1440重量部、およびM
EK800重量部をジムロート冷却管付き三口フラスコ
に仕込み、窒素気流下に所定温度で所定時間反応させ、
濃度30%、重量平均分子量260000のポリウレタ
ン(PU−3)溶液を得た。
【0045】PU−4 三級アミノ基含有ジオール(A)として、ジメチルアミ
ノエチルアクリレートとブチルアクリレートの1:1の
混合物と3−メルカプト−1,2−プロパンジオールよ
り得られた平均分子量2000のポリマージオール20
0重量部、ポリマージオール(B)として数平均分子量
1000のPHC300重量部と数平均分子量1000
のPBA600重量部、有機ジイソシアネート(C1)
として2,4−TDIと2,6−TDIの混合物(重量
比80:20)165重量部(NCO/OH=0.9
5)、及びDMF5490重量部をジムロート冷却管付
き三口フラスコに仕込み、窒素気流下に所定温度で所定
時間反応させ中間体ジオール(D)を得た。イソシアネ
ート基が反応して消失した事を確かめた後、該中間体ジ
オールをGPCを用いて重量平均分子量(ポリスチレン
換算)を測定したところ65000であった。この中間
体ジオール(D)のDMF溶液に低分子ジオール(E)
としてEG106重量部、MDI(C2)459重量部
を添加し反応させ、重量平均分子量350000のポリ
ウレタン溶液を得た。
【0046】PU−5 三級アミノ基含有ジオール(A)として1,4ビス(2
−ヒドロキシエチル)ピペラジン8.7重量部、ポリマ
ージオール(B)として数平均分子量2000のPHC
200重量部と数平均分子量2000のPBA367重
量部、有機ジイソシアネート(C1)としてMDI6
6.7重量部(NCO/0H=0.80)、及びDMF
1767重量部をジムロート冷却管付き三口フラスコに
仕込み、窒素気流下に所定温度で所定時間反応させ中間
体ジオール(D)を得た。イソシアネート基が反応して
消失した事を確かめた後、該中間体ジオールをGPCを
用いて重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定した
ところ48000であった。この中間体ジオールのDM
F溶液に低分子ジオール(E)としてEG98.3重量
部、MDI(C2)437重量部、およびMEK981
重量部を添加し反応させ、濃度30%、重量平均分子量
270000のポリウレタン(PU−59)溶液を得
た。
【0047】PU−6 数平均分子量2000のPHC700重量部、数平均分
子量2000のPEG300重量部、MDI375重量
部、EG62重量部、DMF2156重量部、およびM
EK1198重量部をジムロート冷却管付き三口フラス
コに仕込み、窒素気流下に所定温度で所定時間反応さ
せ、濃度30%、重量平均分子量240000のポリウ
レタン(PU−6)溶液を得た。
【0048】PU−7 数平均分子量1000のPHC1000重量部、数平均
分子量1000のPTG1000重量部、TDI330
重量部、DMF780重量部、およびトルエン780重
量部をジムロート冷却管付き三口フラスコに仕込み、窒
素気流下に所定温度で所定時間反応させ、濃度60%、
重量平均分子量120000のポリウレタン(PU−
7)溶液を得た。
【0049】実施例1 100重量部のPU−1に対してDMF25重量部、M
EK25重量部を加えてクリヤー層用組成液とした。ま
た、100重量部のPU−3に対してDMF25重量
部、MEK25重量部、白顔料20重量部を加えて(顔
料/樹脂比率(P/R)=0.25)着色層用組成液と
した。ポリエチレンを海成分、ポリエチレンテレフタレ
ートを島成分(平均単繊度0.08dr)とする極細繊
維発生型繊維の三次元絡合不織布にポリエチレン・プロ
ピレンアジペート/DMF/EGを1/5/4の当量比
で重合したポリウレタンのDMF溶液を含浸し、湿式凝
固後ポリエチレン成分を抽出除去して得た厚さ1.2m
m、見かけ密度0.42g/cm3のポリエチレンテレフタ
レート極細繊維束と多孔質ポリウレタンよりなる(ポリ
ウレタン比率:55%)繊維質基体とした。シボ付き離
型紙上に上記クリヤー層用組成液150g/cm2コート
した後、110℃で2分間乾燥しポリウレタンクリヤー
層とした。その上に上記着色層用組成液を120g/cm
2コートし、ウエット状態で上記繊維質基体に貼り合わ
せ、100℃で2分間乾燥を行った。さらに、60℃で
2日間熟成を行った後、離型紙を剥離し本発明の皮革用
シート状物を得た。
【0050】得られた皮革用シート状物を下記の条件で
染色した。評価結果を表1に示した。 染 料 :Kayanol Cyanine Green G 染料濃度 :0.8g/リットル 酢酸アンモニウム:1.0g/リットル 酢 酸 :0.2g/リットル 浴 比 :50:1
【0051】実施例2〜5、比較例1〜5 クリヤー層及び着色層のポリウレタンの種類及び着色層
の顔料添加量を変える以外は実施例1と同様にして皮革
様シート状物を得、同様に染色した。ただし、実施例5
の着色層においては、接着性改良のため多官能ポリイソ
シアネートを、PU−7固形分100重量部に対して1
8重量部添加した。評価結果を表1に合わせて示した。
【0052】
【表1】
【0053】なお、表中の各評価は官能評価により下記
の基準によって区分した。 染色性:銀面が鮮やかな緑色に染色されたものを良好と
し、染色濃度の低いものや顔料の白色が強く感じられる
ものを不良とした。 透明感:透明感が高く色に深みの感じられるものを良好
とした。 隠蔽性:基体層の色目や繊維、樹脂による模様などが透
けて見えないものを良好とした。 風合い:手触りによる柔軟性。柔らかいものが良好。 折れシボ:シートを折り曲げたときに銀面に現れる折れ
シワの状態。細かいものが良好。
【0054】本発明の実施例1〜5の皮革様シート状物
は、酸性染料により染色することにより、鮮やかな色に
染色され、透明感、基体層の隠蔽性に優れ、かつ柔軟な
風合いと細かい折れシボを有しバランスのとれた皮革様
シート状物であった。比較例1のシートは、染色による
鮮明さや透明性には優れているものの、顔料による着色
層がないため、基体層が表面に透けて見え、商品価値の
ないものであった。比較例2のシートは、銀面層が染色
されず商品価値のないものであった。比較例3のシート
は、酸性染料による染色性はあるものの、ポリウレタン
のバランスが悪いためか染色により銀面表面が荒れてし
まい、透明感もなくしかも風合い、折れシボが不良であ
った。比較例4のシートは、染色性に劣り商品価値のな
いものであった。
【0055】
【発明の効果】本発明の皮革様シート状物は、酸性染
料、含金錯塩染料などいわゆる酸性染料で所望の鮮明色
に染色可能であり、かつ力学特性、耐久性などの諸物
性、風合い、折れシボなどに優れたものである。本発明
の皮革様シート状物は、原反での染色のほか、製品染め
が可能であり、優れた発色性と耐久性を有し、衣料、
靴、鞄、家具、車両内装材、雑貨など各種用途に有用で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質基体の表面に、顔料を含むポリウ
    レタン着色層、及び三級アミノ基含有ジオール(A)、
    ポリエステル、ポリカーボネート、ポリラクトン、ポリ
    エーテルよりなる群より選ばれた少なくとも1種のポリ
    マージオール(B)および有機ジイソシアネート(C
    1)とをNCO/OHの当量比が0.5〜0.99とな
    る様な量的関係で反応して得られた実質的に末端がOH
    の中間体ジオール(D)と、低分子ジオール(E)およ
    びジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(C
    2)とを反応せしめる事により得られたポリウレタンか
    らなるクリヤー層が順次積層された、酸性染料により染
    色可能な銀面を有した皮革様シート状物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR970027138A (ko) * 1995-11-29 1997-06-24 이명환 염색성이 향상된 폴리우레탄 수지 조성물
JP2007231459A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Basu Corporation:Kk 着色加工用半製品、染料により着色加工した製品およびそれらの製造方法
JPWO2021084923A1 (ja) * 2019-10-28 2021-12-09 Dic株式会社 ウレタン樹脂組成物、合成皮革、及び、合成皮革の製造方法

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JP2007231459A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Basu Corporation:Kk 着色加工用半製品、染料により着色加工した製品およびそれらの製造方法
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