JPH0770419A - ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル

Info

Publication number
JPH0770419A
JPH0770419A JP21776693A JP21776693A JPH0770419A JP H0770419 A JPH0770419 A JP H0770419A JP 21776693 A JP21776693 A JP 21776693A JP 21776693 A JP21776693 A JP 21776693A JP H0770419 A JPH0770419 A JP H0770419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
bottle
resin composition
polyester resin
segment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21776693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3274749B2 (ja
Inventor
Koji Nakamachi
町 浩 司 中
Koji Takahashi
橋 浩 二 高
Koji Niimi
美 宏 二 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP21776693A priority Critical patent/JP3274749B2/ja
Publication of JPH0770419A publication Critical patent/JPH0770419A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3274749B2 publication Critical patent/JP3274749B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0207Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高い結晶化速度を有し、ボトルの口栓部を効
率よく結晶化させるとができるとともに、透明性に優れ
たボトルを形成することができるようなポリエステル樹
脂組成物およびボトル。 【構成】 ポリエステル樹脂組成物は、[A]飽和ポリ
エステル樹脂 99.99〜96重量%と、[B]ポリ
エステルエラストマー 0.01〜4重量%とからなる
ことを特徴としている。この[B]ポリエステルエラス
トマーは、[B-1](i) 芳香族ポリエステルセグメント
と、(ii)ポリエーテルセグメントとからなるポリエステ
ル・ポリエーテルブロック共重合体であるか、または
[B-2](i) 芳香族ポリエステルセグメントと、(iii)
脂肪族ポリエステルセグメントとからなるポリエステル
・ポリエステルブロック共重合体である。ボトルは、射
出成形したプリフォームの口栓部を加熱・結晶化させた
後、胴部および底部を加熱軟化させた後に二軸延伸ブロ
ー成形することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリエステル樹脂組成物
およびこのポリエステル樹脂組成物からなるボトルに関
し、さらに詳しくは、透明性および耐熱性に優れたボト
ルを生産性よく製造することができるようなポリエステ
ル樹脂組成物およびこのポリエステル樹脂組成物からな
るボトルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエチレンテレフタレートなど
の飽和ポリエステルは、透明性および機械的強度に優れ
るため、ボトルなどの容器として広く利用されている。
【0003】特にポリエチレンテレフタレートを二軸延
伸成形して得られるボトルは、透明性、機械的強度、耐
熱性およびガスバリヤ性に優れており、ジュース、清涼
飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器(PETボトル)
として広く用いられている。
【0004】このような飽和ポリエステルからボトルを
製造するには、一般的に、飽和ポリエステルを射出成形
してプリフォームを成形し、次いでこのプリフォームを
所定形状の金型に挿入して延伸ブロー成形して胴部を形
成して、口栓部と胴部とを有するボトルを得ている。
【0005】このようにして得られるボトル特にジュー
スなどの飲料用途に用いられるボトルでは、内容物の加
熱殺菌処理に対応しうる耐熱性が要求されるため、通常
ブロー成形後にさらにボトルを熱処理(ヒートセット)
して耐熱性を向上させている。
【0006】またこのようにして得られるボトルでは、
口栓部は未延伸状態にあり、延伸状態にある胴部と比較
すると機械的強度および耐熱性に劣っている。このため
通常ブロー成形前にプリフォームの口栓部を加熱・結晶
化処理するか、あるいはブロー成形により得られたボト
ルを熱処理(ヒートセット)するなどして、口栓部など
の機械的強度および耐熱性などを向上させている。
【0007】ところで近年ポリエステル樹脂(特にポリ
エチレンテレフタレート)から製造されるボトルは大型
化しており、またボトルの製造工程は高速化されている
が、上述のような口栓部の加熱結晶化速度あるいはボト
ルの熱処理(ヒートセット)を短時間に行うことは難し
く、ボトルの製造工程を高速化して生産性を向上させる
には、ボトル口栓部の結晶化工程を高速化することが望
まれていた。
【0008】このような結晶化速度の大きいポリエステ
ル樹脂としては、新たに製造されたポリエステル樹脂
と、一旦ボトル形状に成形された後に細断されたリプロ
ポリエステル樹脂とからなるポリエステル樹脂組成物が
用いられているが、このポリエステル樹脂組成物から得
られるボトルは、口栓部の結晶化速度を速めることはで
きるが、一方得られるボトルの透明性が低下してしまう
という問題点があった。
【0009】このため透明性および機械的強度に優れる
とともに、加熱結晶化速度の大きいポリエステル樹脂組
成物特にポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の出現
が望まれている。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、高い結晶化速度を有し、ボト
ルの口栓部を効率よく結晶化させるとができるととも
に、透明性に優れたボトルを形成することができるよう
なポリエステル樹脂組成物およびこのポリエステル樹脂
組成物からなるボトルを提供することを目的としてい
る。
【0011】
【発明の概要】本発明に係るポリエステル樹脂組成物
は、[A]飽和ポリエステル樹脂 99.99〜96重
量%と、[B]ポリエステルエラストマー 0.01〜
4重量%とからなることを特徴としている。
【0012】この[B]ポリエステルエラストマーは、 [B-1](i) テレフタル酸を50モル%以上含有する芳
香族ジカルボン酸成分と、炭素数2〜10のアルキレン
グリコールとから誘導される、芳香族ポリエステルセグ
メントと、(ii)分子量が300〜6000のポリ(アル
キレンオキサイド)グリコールからなるポリエーテルセ
グメントとからなるポリエステル・ポリエーテルブロッ
ク共重合体であるか、または [B-2]上記のような(i) 芳香族ポリエステルセグメン
トと、(iii) 脂肪族ジカルボン酸成分と、炭素数2〜1
0のアルキレングリコールとから誘導される脂肪族ポリ
エステルセグメントとからなるポリエステル・ポリエス
テルブロック共重合体であることが好ましい。
【0013】本発明に係るボトルは、上記のようなポリ
エステル樹脂組成物を二軸延伸ブロー成形して得られ
る。このようなボトルは、ポリエステル樹脂組成物を、
射出成形してプリフォームを形成し、次いでこのプリフ
ォームの口栓部を加熱・結晶化させた後、プリフォーム
の胴部および底部を加熱軟化させた後に二軸延伸ブロー
成形することにより製造されることが好ましい。
【0014】上記のような本発明に係るポリエステル樹
脂組成物は、優れた加熱結晶化速度を有し、ボトルを形
成する際に、プリフォームの口栓部を高速で結晶化させ
ることができ、しかも透明性および耐熱性に優れた胴部
を形成することができる。
【0015】したがってこのポリエステル樹脂組成物か
らは、透明性および耐熱性に優れたボトルを生産性よく
製造することができる。
【0016】
【発明の具体的説明】本発明に係るポリエステル樹脂組
成物は、[A]飽和ポリエステル樹脂と、[B]ポリエ
ステルエラストマーとからなる。
【0017】まずこれら各成分について説明する。[A]飽和ポリエステル樹脂 本発明で用いられる[A]飽和ポリエステルは、テレフ
タル酸またはそのエステル誘導体(たとえば低級アルキ
ルエステル、フェニルエステルなど)などのジカルボン
酸と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体
(たとえばモノカルボン酸エステルエチレンオキサイド
など)などのジオールとから誘導される構成単位から形
成されている。
【0018】この飽和ポリエステルは、テレフタル酸ま
たはそのエステル誘導体以外のジカルボン酸および/ま
たはエチレングリコールまたはそのエステル誘導体以外
のジオールから誘導される構成単位を10モル%未満の
量で含有していてもよい。
【0019】テレフタル酸以外のジカルボン酸として
は、具体的に、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエ
タンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸な
どが挙げられる。
【0020】これらテレフタル酸以外のジカルボン酸
は、そのエステル誘導体として用いてもよい。またエチ
レングリコール以外のジオールとしては、具体的には、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、トリメチレングリコール(プロ
ピレングリコール)、ブタンジオール、ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ドデカメチレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノー
ルなどの脂環族グリコール、ビスフェノール類、ハイド
ロキノン類などの芳香族ジオール類などが挙げられる。
【0021】これらのジオールは、そのエステル誘導体
として用いてもよい。これらは、2種以上の組合わせで
あってもよい。また本発明で用いられる飽和ポリエステ
ル樹脂[A]は、必要に応じて、トリメシン酸、ピロメ
リット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールな
どの多官能化合物から誘導される構成単位を少量、たと
えば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0022】本発明で用いられる飽和ポリエステル樹脂
は、上記のようなジカルボン酸とジオールとから従来公
知の製造方法により製造される。このような飽和ポリエ
ステル樹脂[A]は、実質上線状であり、このことは該
飽和ポリエステルが、o-クロロフェノールに溶解するこ
とによって確認される。
【0023】本発明で用いられる飽和ポリエステル樹脂
[A]は、o-クロロフェノール中で25℃で測定される
固有粘度IVが、通常0.3〜1.5dl/g、好ましく
は0.5〜1.5dl/gであることが望ましい。
【0024】[B]ポリエステルエラストマー 本発明で用いられる[B]ポリエステルエラストマーと
しては、従来公知のポリエステルエラストマーが制限さ
れることなく用いられるが、このポリエステルエラスト
マーは、結晶性であって高融点を有するハードセグメン
トと、ソフトセグメントとを有する熱可塑性エラストマ
ーであって、このハードセグメントが(i) 芳香族ポリエ
ステルからなり、ソフトセグメントが(ii)ポリエーテル
からなる[B-1]ポリエステル・ポリエーテルブロック
共重合体、またはソフトセグメントが(iii) 脂肪族ポリ
エステルからなる[B-2]ポリエステル・ポリエステル
ブロック共重合体であることが望ましい。
【0025】このような[B-1]ポリエステル・ポリエ
ーテルブロック共重合体または[B-2]ポリエステル・
ポリエステルブロック共重合体は、(i) 芳香族ポリエス
テルと、(ii)ポリエーテルまたは(iii) 脂肪族ポリエス
テルとを、公知の方法により共縮合させて得られる。
【0026】(i) 芳香族ポリエステルセグメントは、芳
香族ジカルボン酸とジオールとから誘導される構成単位
からなっている。芳香族ジカルボン酸としては、具体的
に、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸などが挙げられる。
【0027】またジオールとしては、具体的に、エチレ
ングリコール、トリメチレングリコール(プロピレング
リコール)、ブタンジオール、ペンタメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、2,2-ジメチルトリメチレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチ
レングリコールなどの脂肪族ジオール、p-キシレングリ
コールなどの芳香族ジオール、シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環族ジオールが挙げられる。
【0028】この(i) 芳香族ポリエステルセグメント
は、テレフタル酸と1種のアルキレングリコールとのホ
モポリエステルであってもよく、ジカルボン酸成分とジ
オール成分とのいずれか一方が2種以上からなるか、あ
るいは両成分がそれぞれ2種以上からなる共重合ポリエ
ステルであってもよい。
【0029】本発明では、(i) 芳香族ポリエステルセグ
メントは、ジカルボン酸成分を100モル%とするとき
に、テレフタル酸を50モル%以上の量で含有するジカ
ルボン酸成分と、炭素数2〜10のアルキレングリコー
ルからなるジオール成分とから形成されていることが好
ましい。
【0030】[B-1]ポリエステル・ポリエーテルブロ
ック共重合体を形成する(ii)ポリエーテルセグメント
は、分子量300〜6000のポリ(アルキレンオキサ
イド)グリコールから形成される。このようなポリ(ア
ルキレンオキサイド)グリコールとしては、具体的に、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリブチレングリコールなどが挙げられる。
【0031】また[B-2]ポリエステル・ポリエステル
ブロック共重合体を形成する(iii)脂肪族ポリエステル
セグメントは、脂肪族ジカルボン酸成分と、炭素数2〜
10のアルキレングリコールとから誘導される構成単位
からなる。
【0032】脂肪族ジカルボン酸としては、具体的に、
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカル
ボン酸などが挙げられる。炭素数2〜10のアルキレン
グリコールとしては、具体的には、上記に(i) 芳香族ポ
リエステルセグメントを形成するジオールとして示した
ものが挙げられる。
【0033】このようなポリエステルエラストマー
[B]では、〔ハードセグメント(i) 〕/〔ソフトセグ
メント(ii)または(iii) 〕比が、90/10〜10/9
0(モル比)であることが望ましい。
【0034】また本発明で用いられるポリエステルエラ
ストマー[B]は、o-クロロフェノール中で25℃で測
定される固有粘度IVが、通常0.3〜1.5dl/g、
好ましくは0.5〜1.5dl/gであることが望まし
い。
【0035】本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、
上記のような[A]飽和ポリエステル 99.99〜9
6重量%、好ましくは99.95〜98重量%、さらに
好ましくは99.9〜99重量%と、[B]ポリエステ
ルエラストマー 0.01〜4重量%、好ましくは0.
05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%と
からなる。
【0036】ポリエステル樹脂組成物中、このポリエス
テルエラストマー[B]の量が0.01重量%未満であ
ると、ポリエステル樹脂組成物の昇温結晶化速度は充分
に向上されないことがあり、一方5重量%を超えると、
ポリエステル樹脂組成物の成形時の熱安定性が低下する
ことがある。
【0037】このような本発明に係るポリエステル樹脂
組成物は、ボトルを効率よく製造することができるよう
な適切な結晶化速度を有している。具体的に、このポリ
エステル樹脂組成物は、昇温半結晶化時間が、10〜2
00秒、好ましくは20〜100秒であることが望まし
い。
【0038】なお昇温半結晶化時間は、下記のように測
定される。乾燥ポリマーを、290℃で5分間加熱して
溶融し、次いで320℃/分の冷却速度で50℃まで急
冷して5分間放置し、非晶性試料を作成する。この試料
を320℃/分の昇温速度で140℃まで加熱・保持し
て、半結晶化時間を測定する。
【0039】飽和ポリエステル[A]およびポリエステ
ルエラストマー[B]からポリエステル樹脂組成物を調
製するには、公知の任意の方法を採用することができ
る。たとえば、飽和ポリエステル[A]とポリエステル
エラストマー[B]とを、タンブラーブレンダー、ヘン
シェルミキサーなどの混合機で直接混合して溶融混練す
る方法、また予め飽和ポリエステル[A]とポリエステ
ルエラストマー[B]とを溶融混練してポリエステルエ
ラストマー[B]を高濃度に含むマスターバッチを調製
しておき、このマスターバッチを飽和ポリエステル
[A]に適宜配合する方法などによりポリエステル樹脂
組成物を調製することができる。
【0040】上記のような本発明に係るポリエステル樹
脂組成物は、必要に応じて、他の添加剤、例えば着色
剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、滑
剤を含有していてもよい。またこれら他の添加剤は、予
めこれら添加剤とポリエステル樹脂組成物とから調製さ
れたマスターバッチとしてポリエステル樹脂組成物にブ
レンドされてもよい。
【0041】ボトル 本発明に係るボトルは、上記のようなポリエステル樹脂
組成物を二軸延伸ブロー成形することにより得られる。
【0042】このようなボトルは、具体的には、上記の
ポリエステル樹脂組成物を、射出成形してプリフォーム
を形成し、次いでこのプリフォームの口栓部を加熱・結
晶化させた後、プリフォームの胴部および底部を加熱軟
化させた後に二軸延伸ブロー成形することにより製造さ
れる。
【0043】プリフォーム口栓部の加熱・結晶化は、1
00〜200℃、好ましくは120〜180℃の温度で
行われる。プリフォームの胴部および底部の加熱軟化
は、通常、飽和ポリエステル樹脂のガラス転移温度(T
g)以上であってかつ結晶化温度(Tc)以下である温
度で行われ、具体的に、70〜160℃、好ましくは8
0〜140℃で行われることが望ましい。
【0044】プリフォームの二軸延伸ブロー成形は、樹
脂温度70〜150℃、好ましくは80〜140℃の温
度で、金型温度が室温〜220℃、好ましくは90〜1
80℃の温度で行われる。
【0045】このようにして得られたボトルは、さらに
加熱処理(ヒートセット)されると、耐熱性がさらに向
上する。ヒートセットは、100〜240℃、好ましく
は110〜220℃の温度で行われることが望ましい。
【0046】本発明では、上記のようなプリフォーム口
栓部の加熱・結晶化処理を高速で行うことができるとと
もに、二軸延伸ブロー成形およびヒートセットを、ボト
ルの胴部の透明性を低下させることなく行うことができ
る。
【0047】なお本発明では、プリフォーム口栓部の加
熱・結晶化を行わずにプリフォームの二軸延伸ブロー成
形を行ってボトルを製造し、次いで得られたボトルの口
栓部を加熱処理(ヒートセット)してもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明に係るポリエステル樹脂組成物
は、優れた結晶化速度を有し、透明性および耐熱性に優
れ、しかも口栓部の耐熱性、機械的強度に優れたボトル
を生産性よく製造することができる。
【0049】また本発明によればこのようなボトルを、
高速で生産性よく製造することができる。
【0050】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例により限定されるものではな
い。
【0051】なお実施例において、各特性は以下のよう
に測定した。固有粘度[IV] オルトクロロフェノール溶媒を用いて8g/dlの試料溶
液を調製し、25℃で測定した溶液粘度から固有粘度
[IV]を算出した。
【0052】透明性(ヘイズ値) 乾燥ポリマーから、シリンダー温度280℃の射出成形
機を用いて金型温度10℃の条件で5mm厚の角板を成形
し、成形物の透明性をヘイズ値(白色光の光線乱反射
率)で比較した。
【0053】結晶化速度 上述のようにして昇温半結晶化時間を測定した。この半
結晶化時間の短いものほど効率的に結晶化が進行する。
【0054】ボトル成形 射出成形機M−100A(名機製作所製)により、シリ
ンダー設定温度280℃、金型温度10℃の条件で28
mmφのプリフォームを成形した。
【0055】得られたプリフォームの口栓部を、オイル
バスによって170℃で5分間加熱することにより結晶
化させた後、プリフォームの胴部および底部を110℃
で加熱軟化させた。
【0056】次いでこのプリフォームを、成形機LB0
1(CORPOPLAST社製)により、延伸温度110℃、ブロ
ー金型温度150℃の条件で延伸ブロー成形することに
より、1.5リットルのボトルを成形した。
【0057】このボトルについて、耐熱性および外観を
下記のように評価した。耐熱性 上記のようにして得られた1.5リットルのボトルを、
40℃、湿度90%の条件下に1週間放置した後、ボト
ル内に90℃の熱水を10分間充填して、充填前後の内
容量を測定した。
【0058】充填前後の内容量から、収縮率(%)を下
式により求めた。
【0059】
【数1】
【0060】このようにして求めた収縮率(%)値か
ら、耐熱性を下記の基準で評価した。 〇 … 0≦収縮率(%)<0.5 × … 0.5≦収縮率(%)ボトル外観 上記のようにして得られた1.5リットルのボトルの、
下(底部側)から83mmの高さのボトル側面のヘイズ
値(白色光の光線乱反射率)を測定した。
【0061】このヘイズ値(%)から、ボトル外観を下
記のように評価した。 〇 … 0≦ヘイズ値(%)<5 × … 5ヘイズ値(%)
【0062】
【実施例1】[A]飽和ポリエステルとして下記のよう
な(A-1) ポリエチレンテレフタレート995重量部と、
[B]ポリエステルエラストマーとして下記のような(B
-1) ポリエステル・ポリエステルブロック共重合体 5
重量部とからなるポリエステル組成物を得た。
【0063】(A-1) ポリエチレンテレフタレート: ジエチレングリコール含量;1.33重量% 固有粘度[IV]=0.775dl/g) (B-1) ポリエステル・ポリエステルブロック共重合体: ハードセグメント;ジカルボン酸成分(テレフタル酸) ジオール成分(ブタンジオール) ソフトセグメント;脂肪族ポリエステル ジカルボン酸成分(デカンジカルボン酸) ジオール成分(ブタンジオール) ハードセグメント/ソフトセグメント;81/19(モ
ル比) 固有粘度[IV]=0.950dl/g このポリエステル組成物を、溶融後射出成形して上記の
ような角板を得た。
【0064】この角板について物性を測定した。またこ
のポリエステル組成物から上記のようにボトルを成形
し、得られたボトルについて、耐熱性および外観を上記
のように評価した。
【0065】結果を表1に示す。
【0066】
【実施例2】実施例1において、(A-1) ポリエチレンテ
レフタレートを980重量部の量で、(B-1) ポリエステ
ル・ポリエステルブロック共重合体を20重量部の量で
用いた以外は、実施例1と同様にして角板およびボトル
を得た。
【0067】結果を表1に示す。
【0068】
【実施例3】実施例1において、[B]ポリエステルエ
ラストマーとして(B-1) ポリエステル・ポリエステルブ
ロック共重合体に代えて、下記のような(B-2) ポリエス
テル・ポリエーテルブロック共重合体を用いた以外は、
実施例1と同様にして角板およびボトルを得た。
【0069】(B-2) ポリエステル・ポリエーテルブロッ
ク共重合体: ハードセグメント;ジカルボン酸成分 (テレフタル酸/イソフタル酸=76/24) ジオール成分(ブタンジオール) ソフトセグメント;ポリテトラメチレングリコール ハードセグメント/ソフトセグメント;25/75(モ
ル比) 固有粘度[IV]=1.448dl/g 結果を表1に示す。
【0070】
【実施例4】実施例1において、[B]ポリエステルエ
ラストマーとして(B-1) ポリエステル・ポリエステルブ
ロック共重合体に代えて、下記のような(B-3) ポリエス
テル・ポリエーテルブロック共重合体を用いた以外は、
実施例1と同様にして角板およびボトルを得た。
【0071】(B-3) ポリエステル・ポリエーテルブロッ
ク共重合体: ハードセグメント;ジカルボン酸成分(テレフタル酸) ジオール成分(ブタンジオール) ソフトセグメント;ポリテトラメチレングリコール ハードセグメント/ソフトセグメント;47/53(モ
ル比) 固有粘度[IV]=1.259dl/g 結果を表1に示す。
【0072】
【実施例5】実施例2において、[B]ポリエステルエ
ラストマーとして(B-1) ポリエステル・ポリエステルブ
ロック共重合体に代えて、上記のような(B-3) ポリエス
テル・ポリエーテルブロック共重合体を用いた以外は、
実施例2と同様にして角板およびボトルを得た。
【0073】結果を表1に示す。
【0074】
【比較例1】(A-1) ポリエチレンテレフタレートのみか
らなる角板およびボトルを、実施例1と同様にして作成
した。
【0075】結果を表1に示す。
【0076】
【比較例2】(A-1) ポリエチレンテレフタレートと、固
有粘度[IV]の異なる(A-2) ポリエチレンテレフタレ
ート(ジエチレングリコール含量;1.33重量%、固
有粘度[IV]=0.706dl/g)とからなるポリエ
ステル樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にし
て角板およびボトルを得た。
【0077】結果を表1に示す。
【0078】
【比較例3】実施例1において、[B]ポリエステルエ
ラストマーとして(B-1) ポリエステル・ポリエステルブ
ロック共重合体に代えて、上記のような(B-2) ポリエス
テル・ポリエーテルブロック共重合体を表1に示すよう
な量で用いた以外は、実施例1と同様にして角板および
ボトルを得た。
【0079】結果を表1に示す。
【0080】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]飽和ポリエステル樹脂 99.99
    〜96重量%と、[B]ポリエステルエラストマー
    0.01〜4重量%とからなることを特徴とするポリエ
    ステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記[B]ポリエステルエラストマーは、 [B-1](i) テレフタル酸を50モル%以上含有する芳
    香族ジカルボン酸成分と、 炭素数2〜10のアルキレングリコールとから誘導され
    る、芳香族ポリエステルセグメントと、 (ii)分子量が300〜6000のポリ(アルキレンオキ
    サイド)グリコールからなるポリエーテルセグメントと
    からなるポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体
    であるか、または [B-2]上記のような(i) 芳香族ポリエステルセグメン
    トと、 (iii) 脂肪族ジカルボン酸成分と、炭素数2〜10のア
    ルキレングリコールとから誘導される脂肪族ポリエステ
    ルセグメントとからなるポリエステル・ポリエステルブ
    ロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載
    のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物
    からなることを特徴とするプリフォームおよび二軸延伸
    ブロー成形ボトル。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物
    を、射出成形してプリフォームを形成し、次いでこのプ
    リフォームの口栓部を加熱・結晶化させた後、プリフォ
    ームの胴部および底部を加熱軟化させた後に二軸延伸ブ
    ロー成形することを特徴とするボトルの製造方法。
JP21776693A 1993-09-01 1993-09-01 ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル Expired - Lifetime JP3274749B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21776693A JP3274749B2 (ja) 1993-09-01 1993-09-01 ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21776693A JP3274749B2 (ja) 1993-09-01 1993-09-01 ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0770419A true JPH0770419A (ja) 1995-03-14
JP3274749B2 JP3274749B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=16709403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21776693A Expired - Lifetime JP3274749B2 (ja) 1993-09-01 1993-09-01 ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3274749B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0731030A1 (en) * 1995-03-09 1996-09-11 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Bottle from polyester composition and process for producing the same
WO2022004811A1 (ja) * 2020-07-01 2022-01-06 キリンホールディングス株式会社 ポリエチレンフラノエート、高粘度ポリエチレンフラノエートの製造方法、ポリエステル組成物、ポリエステル製ボトル、ポリエステル製ボトルの製造方法及び飲料製品
WO2023120596A1 (ja) * 2021-12-23 2023-06-29 キリンホールディングス株式会社 マスターバッチ、プリフォーム、ブロー成形ボトル、飲料製品、フィルム、プリフォームの製造方法及びブロー成形ボトルの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0731030A1 (en) * 1995-03-09 1996-09-11 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Bottle from polyester composition and process for producing the same
CN1064891C (zh) * 1995-03-09 2001-04-25 三井化学株式会社 聚酯组合物瓶子和它的制备方法
WO2022004811A1 (ja) * 2020-07-01 2022-01-06 キリンホールディングス株式会社 ポリエチレンフラノエート、高粘度ポリエチレンフラノエートの製造方法、ポリエステル組成物、ポリエステル製ボトル、ポリエステル製ボトルの製造方法及び飲料製品
WO2023120596A1 (ja) * 2021-12-23 2023-06-29 キリンホールディングス株式会社 マスターバッチ、プリフォーム、ブロー成形ボトル、飲料製品、フィルム、プリフォームの製造方法及びブロー成形ボトルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3274749B2 (ja) 2002-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100348238B1 (ko) 신규 폴리에스테르 및 그의 제조방법
AU723993B2 (en) Process for making pen/pet blends and transparent articles therefrom
US6485804B1 (en) Polyester compositions and laminates and processes for producing biaxially stretched polyester bottles
US20020177686A1 (en) Process for making PEN/PET blends and transparent articles therefrom
JP3594379B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JP3274749B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル
JP3606631B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル
JPH11310629A (ja) 新規なポリエステルおよびポリエステルの製造方法
JPH11106617A (ja) ポリエステル組成物、ボトルおよびその製造方法
JP3498939B2 (ja) ポリエステル、該ポリエステルからなるプリフォームおよび二軸延伸ボトルならびにポリエステル製二軸延伸ボトルの製造方法
JP3522043B2 (ja) ポリエステル、該ポリエステルからなるプリフォームおよび二軸延伸ボトルならびにポリエステル製二軸延伸ボトルの製造方法
JPH1045886A (ja) ポリエステル、該ポリエステルからなるプリフォームお よび二軸延伸ボトルならびにポリエステル製二軸延伸ボ トルの製造方法
JPH0770418A (ja) ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル
JP2004263195A (ja) ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル
JPH0770420A (ja) ポリエステル樹脂組成物およびこれからなるボトル
JP3606671B2 (ja) ポリエステルからなるプリフォームおよび二軸延伸ボトルならびにポリエステル製二軸延伸ボトルの製造方法
JP3790046B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2953726B2 (ja) 飽和ポリエステル製ボトルの製造方法
JP3742644B2 (ja) ポリエステル
JP3808631B2 (ja) ポリエステルボトルの製造方法
JP3889841B2 (ja) ポリエステル組成物
JP2002294055A (ja) ポリエステル組成物、その製造方法および該組成物からなる成形体
JP4140991B2 (ja) ポリエステル樹脂製ボトル
JP2003136584A (ja) 中空成形体およびその成形方法
JPH10264239A (ja) ポリエステル製ボトル

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100201

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140201

Year of fee payment: 12