JPH0770385B2 - 強磁性体低損失マンガン―亜鉛フェライト - Google Patents

強磁性体低損失マンガン―亜鉛フェライト

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JPH0770385B2
JPH0770385B2 JP2306834A JP30683490A JPH0770385B2 JP H0770385 B2 JPH0770385 B2 JP H0770385B2 JP 2306834 A JP2306834 A JP 2306834A JP 30683490 A JP30683490 A JP 30683490A JP H0770385 B2 JPH0770385 B2 JP H0770385B2
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史明 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、スイッチング電源、ディスプレイモニター電
源用等のトランスコア材料に求められる低電力損失特性
を有するMn−Znフェライトに関するものである。
(従来の技術) 低電力損失特性を有するMn−Znフェライトに関しては、
その組成としてFe23を50〜56mol%、MnOを30から40mo
l%、ZnOを5〜20mol%を主成分に、CaO、SiO2に代表さ
れる様々な添加物を副成分とするものが実施されてい
る。
しかし近年の電源等の小型化、高周波化に対して、従来
よりさらに低電力損失特性を有するトランスコア材が求
められており、従来のMn−Znフェライト材では、そのよ
うな条件下では電力損失の増大等に起因する、使用不可
或いは発熱による信頼性の低下が大きな問題となってい
る。
電力損失を低減する上で、焼成後のフェライトのイオン
の分布は重要な意味を持っている。特に2価のFeイオン
含有量は、結晶磁気異方性、磁歪或いは比抵抗に直接関
係しており、電力損失に最も大きな影響を及ぼす因子で
ある。
しかし、従来の一般的なMn−Znフェライトに対する技術
開示においては、単に配合原料の割合或いは焼成雰囲気
のみを明示したもののみであり、具体的に配合原料に対
して、どのようにイオンの分布を調整すればよいのかの
明示はなかった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記の問題を解決するために電力損失が改善
され、高周波、高負荷下でも信頼性の高いMn−Znフェラ
イトからなる低電力損失磁性材料を提供することを目的
とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、次の関係を満足することに特徴がある。
▲Zn2+ a▼▲Mn2+ b▼▲Mn3+ c▼▲Fe2+ d▼▲Fe3+ e▼ZfVc
g▲O2- 4▼ …(1) 0.004≦x−d+c≦0.03 …(2) xは、組成のみによってきまる。つまり原料の配合比の
みによってきめられる変数で、 x={2(α−β−γ)+δ}/2α+β+γ+δ) …
(3) の関係式で与えらえる。ここでα,β,γ,δそれぞれ
Fe23,MnO,ZnO及び微量添加元素のモル%を意味する。
又、上記関係が有効であるのは 51≦α≦55, 33≦β≦40, 7≦α≦13, 0<δ≦2 …(4) である。
又、スピネル構造を満足するため、原子空孔を含んだ形
では、陽イオンのサイトは、分子式上で a+b+c+d+e+f=3 …(5) を満足する。
ここで、重要であるのは(2)式の関係であり、与えら
れた組成によってきまる変数xに対して、分子式上の変
数cとdの関係をある範囲におくことを特徴としてい
る。
分子式上の値(d−c)は、材料中の有効な2価のFeイ
オンということができる。つまり事実上は、2価のFeと
3価のMnは3価のFeと2価のMnと平行関係にあるが、
(d−c)は3価のMnが、存在しない場合の2価のFe量
に相当するといえる。
x−d+cが、0.004未満の場合には、例えば焼成時に
粒界からZnが蒸発して、粒界近傍に応力が発生し、磁気
的特性を劣化させ、又、0.03を超えた場合には、例えば
スピネル相以外の第2相が析出し、この場合も磁気的特
性を劣化させるという問題があり、望ましくない。
又、上記に加えて透磁率は一般にx−d+cが低いほど
高く、渦電流損は、x−d+cが高いほど低いために、
x−d+cの最適な範囲が存在する。
さらに、分子式(1)において、上記の関係に加えて、
a,b,c,d,e,の変数が以下の関係を満たす場合には、さら
に良好な損失特性が得られる。
0.14≦a≦0.27 0.63≦b+c≦0.77 2.01≦d+e≦2.15 …(6) これらの成分範囲は、材料のもつ結晶磁気異方性、磁歪
等が低く、低損材に対して有効である範囲であるが、そ
の範囲に対しても、上記の(2)の関係式を満たすこと
により、さらに優れた低損失特性が得られることが確認
された。Znの範囲a、或いはMnの範囲b+cが、Feの範
囲に比して広いのは、単に低損失のみを優先するのか、
或いは低損失と高飽和磁束密度の両方を満足するかによ
って成分範囲が異なるためである。
さて、高周波域での損失は、渦電流損を減少させること
のできる高抵抗が有効であるが、上記(2),(6)式
の関係に加えて、次式の条件を満足するp重量%のSiO2
と、a重量%のCaOを添加することにより、粒界に抵抗
層が形成され損失は大きく減少する。
0.01≦p≦0.03、 0.02≦a≦0.1 …(7) これらの元素は同時存在することが肝要で、共に上記範
囲より少ないと、損失の改善は認められず、多いと異常
結晶粒成長により損失は著しく悪化する。
さらに抵抗改善のために、粒内抵抗及び粒界抵抗を上昇
させるTiO2及びV25を以下の範囲で上記条件に加え
て、r及びs重量%だけ添加した場合にも、著しい渦電
流減少の効果が確認された。
0.1≦r≦0.8、 0.005≦S≦0.1 この場合Tiの添加は一般的にイオンのチャージバランス
という観点からは1モルのTi添加に対して、1モルの2
価のFeイオンが増加するものであるが、その場合も上記
の式(1)に示したような関係式を、2価のFeイオンが
満足することが重要である。つまり式(1)の関係は添
加物の有無にかかわらず満足すべき条件ということがで
きる。
25は、低い融点であるため高温焼成時に粒界層が液
相化し、それにより均一な抵抗層が粒界に形成される。
次に、d及びcを本発明の組成範囲に制御する方法につ
いて説明する。
まず所望の磁気的特徴例えば、飽和磁束密度、透磁率等
を達成するのに有効なα、β、γ、δ等の範囲を決定す
る。言いかえれば、低損失材の中でも飽和磁束密度によ
り重点を置いたものか、透磁率により重点を置いたもの
かによって、最適なα,β,γ,δの範囲を選択する。
これによってxの値が決定される。xの値が決定された
場合に、c及びdを制御するためには、焼成条件つま
り、焼成温度、焼成雰囲気を制御しなければならない、
制御する場合には、目標配合比によるxの値よりも、焼
成ロットに対応したそれぞれの原料粉の直前の分析結果
によるxの値を用いた方がより望ましい。x−d+cは
焼成雰囲気を酸素富化側で行うと増加し、又焼成温度を
低温側で焼成することによっても増加する。
(実 施 例) 実施例 1 第1表に示す成分系において、x−d+cを指標として
の電力損失曲線を測定した。
x−d+cを算出するにあたり、d−cは、第1表の配
合原料を焼成温度1250℃で保持時間4時間、焼成雰囲気
酸素濃度を0.6%から4.8%まで焼成条件により変化させ
た。尚、c,dの値、焼成したフェライトコアを湿式化学
分析法により測定した。
この場合湿式化学分析の値は、直接的にd−cつまり3
価のMnによって酸化された分を除く有効な2価のFcと考
える。
第1図に示すように、x−d+cを指標とすることによ
り、試料A,B,Cのそれぞれの最も電力損失の低い領域を
表わすことができる。最も良い範囲は0.004≦−d+c
≦0.030で示される。
実施例 2 実施例1の3つの試料の成分範囲において、微量添加物
であるSiO2,CaOの量を変化させて電力損失の変化を測定
した。尚、焼成条件は、1250℃に4時間保持し、雰囲気
下の酸素濃度は1.5%近傍に制御して、x−d+cの値
が0.010になるように焼成した。
その結果電力損失値において、100kHz,200mTで450〜500
mW/cm3の特性が得られた。
SiO2においては、重量%において0.01≦p≦0.03の範囲
を逸脱した場合に、又、CaOにおいては重量%におい
て、0.02≦a≦0.1の範囲を逸脱した場合には、電力損
失そのものが全体的に大きくなり、x−d+cを指標と
して整理した場合に明確な差異を見い出すことはできな
かった。
具体的にはSiO2は低添加側では50ppm、高添加側では350
ppm、CaOにおいては低添加側では100ppm、高添加側では
1200ppmで実験を行った。
高添加側での試料においては、いずれの場合も電力損失
が100kHz、200mTで測定した場合1000mW/cm3を超えてし
まい、又、顕微鏡観察により、巨大粒成長が確認され
た。
実施例 3 実施例1の3つの試料の成分範囲において、実施例2と
同じ焼成条件により微量添加物としてTiO2及びV25
添加した。電力損失はV25の添加量を150ppmと固定し
てx−d+cが0.010近傍の場合、第2図に示すよう
に、ほぼ重量%において、0.1≦r≦0.8の範囲で良好な
結果が得られた。
低添加側では、十分なTiの添加効果であるところの抵抗
の増加が得られず、高添加側では、抵抗の増加が飽和か
ら減少に移ったことと、異常粒成長により損失は急増す
る。
TiO2添加量を一定値と2000ppmとして、V25の添加量
を変化させて同様にx−d+cが0.010近傍で実験を行
った。
25の効果は50ppm程度という非常に微量な添加の領
域からあらわれる。ただし1000ppmを超えるあたりから
異常粒成長による損失悪化が顕著となる。
25の損失改善に対する寄与もTiO2と同じく、抵抗の
増大によるものである。
実施例 4 実施例2と同じ焼成条件により、Fe2352.6mol%、MnO
35.8mol%、ZnO 11.7%に対して微量添加物として、重
量ppmでCaO 450ppm、SiO2 100ppm、TiO2 2000ppm、V2
5 200ppmを添加してフェライトコアを製造した。
この場合イオン分布としてx−d+cを指標として整理
すると、0.010近傍で最も良い電力損失特性を示した。
ちなみに周波数100kHzで磁束密度200mTの場合、電力損
失値は340mW/cm3を温度80℃近傍のところで達成した。
又、高周波である500kHzにおいても、100mTの磁束密度
時に930mW/cm3と従来材に比べて非常に低い値を示し
た。ちなみに最大飽和磁束密度は500mTであった。
(発明の効果) 以上から明らかなように、Mn−Znフェライトにおいて、
最適イオン分布範囲、特に2価のFe、3価のMnの関係を
規定、そしてそれに微量添加物とを併用することによ
り、従来法では得られなかった安定した商品質、低損失
の電力用フェライトを得ることができる。
又、従来法では、混合前、或いは、焼成前成分を規定し
ているのみで、フェライトコアのイオン分布範囲をフェ
ライト成分に対して規制していなかったため、成品とし
て所定の特性が満足できない場合、直接的に対応ができ
なかった。
本発明により大幅に電力損失の向上したMn−Znフェライ
トを電源コアとして用いれば、例えば、スイッチングコ
ンバーター等の小型化及び軽量化に多大の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、x−d+cの指標と電力損失の関係を示す図
表、第2図は、TiO2,V25をさらに微量添加物として加
えた場合のTiO2添加量の変化に伴うx−d+cの指標が
一定の場合の電力損失の変化を示す図表である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mn−Znフェライトコアにおいて、以下の関
    係を満足することを特徴とする強磁性体低損失マンガン
    ‐亜鉛フェライト。 ▲Zn2+ a▼▲Mn2+ b▼▲Mn3+ c▼▲Fe2+ d▼▲Fe3+ e▼ZfVc
    g▲O2- 4▼ a+b+c+d+e+f+g=3 0.004≦x−d+c≦0.03 ここで、 Z=微量添加元素 Vc=陽イオン空孔 但し、 51≦a≦55 33≦β≦40 7≦γ≦14 0≦δ≦2 α,β,γ,δは配合原料、Fe23,MnO,ZnO,そしてそ
    の他の微量添加元素のモル%である。
  2. 【請求項2】下記条件を満たす請求項1記載の強磁性体
    低損失マンガン‐亜鉛フェライト。 0.14≦a≦0.27 0.63≦b+c≦0.77 2.01≦d+e≦2.15
  3. 【請求項3】Zとして下記範囲のSiO2とCaOを添加する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の強磁性体低損失
    マンガン‐亜鉛フェライト。 0.01≦p≦0.03 0.02≦a≦0.1 但し、pはSiO2(重量%)、aはCaO(重量%)であ
    る。
  4. 【請求項4】Zとして下記範囲のTiO2とV25を添加す
    ることを特徴とする請求項1,2又は3記載の強磁性体低
    損失マンガン‐亜鉛フェライト。 0.1≦r≦0.8 0.005≦s≦0.1 但し、rはTiO2(重量%)、SはV25(重量%)であ
    る。
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