JPH0770221A - 重合性組成物およびその硬化物の製造方法 - Google Patents

重合性組成物およびその硬化物の製造方法

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JPH0770221A
JPH0770221A JP21763893A JP21763893A JPH0770221A JP H0770221 A JPH0770221 A JP H0770221A JP 21763893 A JP21763893 A JP 21763893A JP 21763893 A JP21763893 A JP 21763893A JP H0770221 A JPH0770221 A JP H0770221A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ある特定の構造を持ったピリジニウム錯体を重
合開始剤に含んだ重合性組成物に関する。光または熱に
対して有効かつ高感度な重合性組成物を提供することを
目的とする。 【構成】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有
する化合物と重合開始剤として一般式(1)で表される
ピリジニウム錯体を含む重合性組成物。 一般式(1) 【化1】 および、上記重合性組成物に光または熱エネルギーを与
えることにより重合させることを特徴とする硬化物の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合性組成物および重
合方法に関する。さらに詳しくは、ラジカル重合可能な
エチレン性不飽和結合を有する化合物を光および/また
は熱により短時間に重合させ、例えば、インキ、感光性
印刷板、フォトレジスト、ダイレクト刷版材料、ホログ
ラム材料、封止剤、接着剤等の分野において良好な物性
を持った硬化物を得るための重合性組成物および重合方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、さまざまなヨードニウム化合物や
スルホニウム化合物をカチオン重合用の開始剤として用
いる例が多数報告されており、これについては例えば、
ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市
場」、79頁(1989年、シーエムシー)やJ.V.Criv
ello著、「Advances in Polymer Science」、第62巻、In
itiators-Poly-Reactions-Optical Activity、(1984年、
Springer-Verlag)等にまとめられている。また、近年こ
れらスルホニウムおよびオキソスルホニウム化合物をラ
ジカル重合用の開始剤として用いる例が報告されてお
り、例えば、特公昭63−2081号にはトリフェニル
スルホニウムヘキサフルオロホスフェートが、特開昭5
9−140203号にはトリアリールおよびジアリール
スルホニウム化合物が、特開昭63−243102号の
各種スルホニウムおよびオキソスルホニウム化合物等が
開示されている。
【0003】一方、有機ホウ素アニオンを有する錯体を
ラジカル重合用の開始剤として用いる例としては、特開
平2−4804号ならびに特開平2−3460号記載の
金属ボレート錯体が、USP第4343891号記載の
アンモニウムボレート錯体が、特開昭62−14304
4号記載の陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体が、特
開平2−157760号、特開平2−166451号お
よび特開平3−704号記載のジアリールヨードニウム
ボレート等が開示されており、これらはいずれもボレー
トアニオンの炭素−ほう素結合部分が熱もしくは光の作
用で分解しラジカルを発生すると考えられる。
【0004】ところで、近年、重合性組成物の重合触媒
を目的としたさまざまなピリジニウム化合物の報告がな
されている。例えば、ケミストリー・レターズ(Chem.L
ett.)、935頁(1988年)には、スチレンのカチ
オン重合触媒として、N−ベンジル−p−シアノピリジ
ニウムヘキサフルオロアンチモネートが、また、ケミス
トリー・レターズ(Chem.Lett.)、1861頁(198
9年)、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、第2
3巻、431頁(1990年)およびマクロモレキュル
ズ(Macromolecules)、第24巻、2689頁(199
1年)には、グリシジルフェニルエーテルのカチオン重
合触媒として、いくつかのN−ベンジルピリジニウム塩
が報告されている。しかしながら、これらの文献に報告
されているピリジニウム錯体は、いずれもカチオン重合
触媒を目的として開発されたものであるため、いずれも
そのアニオン部は、塩素原子、臭素原子、SbF6等の
無機系アニオンからなっている。しかし、アニオン部が
有機ホウ素アニオンからなるピリジニウム錯体として
は、特開平2−157760号公報に、N−メチルピリ
ジニウムトリフェニル(n−ブチル)ボレートに関する
記載がある。
【0005】上記従来の技術で開示した重合性組成物の
問題点を以下に挙げる。まず、特公昭63−2081号
および特開昭59−140203号記載のトリアリール
およびジアリールスルホニウム化合物や、特開昭63−
243102号の各種スルホニウムおよびオキソスルホ
ニウム化合物をラジカル重合用の開始剤として用いる検
討がなされているが、これらはいずれも、そのアニオン
部はBF 4 、PF6 、SbF6 、SbCl6 、ClO4
等の無機系アニオンもしくはトリフルオロメチル硫酸、
p−トルエンスルホネート等のスルホン酸もしくはカル
ボン酸等の有機酸のアニオンであることから、これらア
ニオン部分はラジカル発生には寄与せず感度的に不十分
である。
【0006】また、特開昭62−143044号には、
陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体が開示されている
が、これらはいずれも可視光領域に吸収を持っているた
め、通常の蛍光灯下等ではこれらは分解してしまい、陽
イオン染料−ボレート陰イオン錯体の合成から一貫して
暗所下で操作しなければならないこと、陽イオン染料−
ボレート陰イオン錯体の光吸収波長域はその陽イオン染
料部分に依存しているため、所望の光吸収波長域に感光
性を有する錯体をそれぞれ合成しなければならないこ
と、露光しようとする光に対する吸光度を高めようとし
て重合性組成物中の陽イオン染料−ボレート陰イオン錯
体の含有量を多くすると、ラジカルを発生するボレート
部分もそれに応じて多く含有される結果になり、重合性
物質の重合度を低下させる原因となること、さらに感度
的にも不十分である点等の諸問題が挙げられる。
【0007】また、特開平2−4804号および特開平
2−3460号記載の金属ボレート錯体、USP第43
43891号記載のアンモニウムボレート錯体、特開平
2−157760号記載のスルホニウムボレート錯体お
よびピリジニウムボレート錯体は、いずれも感度的に不
十分である。さらに特開平2−157760号、特開平
2−166451号および特開平3−704号記載のジ
アリールヨードニウムボレート等は熱的に不安定であ
り、重合性組成物の保存安定性が良くないことがあげら
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光お
よび/または熱により短時間に重合させうる高感度なラ
ジカル重合可能な重合性組成物およびその重合方法を提
案することにある。良好な物性を持った硬化物、例え
ば、インク、封止剤や、高感度を必要とする感光性印刷
板、フォトレジスト、ダイレクト刷版材料、ホログラム
材料等の記録媒体を提供することにある。また、ラジカ
ル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物を一
定条件のもとに重合させ、接着剤等の実用的なオリゴマ
ーやポリマーを工業的に提供し、その重合性組成物およ
び重合方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以上の諸問
題点を考慮し解決すべく、鋭意、研究、努力を重ねた結
果、本発明に至った。即ち、本発明は、光および/また
は熱エネルギーにより短時間に重合させうるラジカル重
合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物と重合開
始剤として下記一般式(1)で表されるピリジニウム錯
体を含む重合性組成物およびその硬化物を製造する方法
に関する。 一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】(ただしR1は、置換基を有してもよいベ
ンジル基もしくは置換基を有してもよいフェナシル基
を、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有しても
よいアルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボキシ
基、アセチル基、カルバモイル基、置換基を有してもよ
いアリール基より選ばれる基を、R7は置換基を有して
もよいアルキル基もしくは置換基を有してもよいベンジ
ル基を、R8、R9およびR10はそれぞれ独立に、置換基
を有してもよいアリール基を示す。) まず初めに、一般式(1)で表される重合開始剤につい
て説明する。
【0012】一般式(1)のR1において、置換基を有
してもよいベンジル基としては、ベンジル基、p−クロ
ロベンジル基、p−ブロモベンジル基、p−シアノベン
ジル基、m−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル
基、p−メチルベンジル基、p−tert−ブチルベン
ジル基、1−メチルベンジル基、ベンズヒドリル基等
が、また、置換基を有してもよいフェナシル基として
は、フェナシル基、p−クロロフェナシル基、p−ブロ
モフェナシル基、p−シアノフェナシル基、m−ニトロ
フェナシル基、p−ニトロフェナシル基、p−メチルフ
ェナシル基等があげられる。
【0013】次に、一般式(1)のR2、R3、R4、R5
およびR6において、ハロゲン原子としては、弗素原
子、塩素原子、臭素原子が、置換基を有してもよいアル
キル基としては、メチル基、トリクロロメチル基、トリ
ブロモメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が、ア
ルコキシカルボキシ基としては、メトキシカルボキシ
基、エトキシカルボキシ基、ブトキシカルボキシ基等
が、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニ
ル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニ
ル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アンスリル基、フ
ェナントリル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル
基、フルオロフェニル基等があげられる。
【0014】次に、一般式(1)のR7において、置換
基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イ
ソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基等が、置換基を有してもよいベンジル基としては、ベ
ンジル基、p−シアノベンジル基、p−メチルベンジル
基、p−tert−ブチルベンジル基、1−フェニルエ
チル基等があげられる。次に、一般式(1)のR8、R9
およびR10において、置換基を有してもよいアリール基
としては、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、メ
シチル基、クメニル基、ナフチル基、クロロフェニル
基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、p−メト
キシフェニル基等があげられる。
【0015】したがって本発明に該当する化合物の具体
例としては、カチオン部が、N−ベンジルピリジニウ
ム、N−(p−シアノベンジル)ピリジニウム、4−ク
ロロ−N−ベンジルピリジニウム、2−シアノ−N−ベ
ンジルピリジニウム、4−シアノ−N−ベンジルピリジ
ニウム、4−シアノ−N−(p−メトキシベンジル)ピ
リジニウム、3−カルボキシ−N−ベンジルピリジニウ
ム、3−メトキシカルボキシ−N−(p−メトキシベン
ジル)ピリジニウム、4−メチル−N−ベンジルピリジ
ニウム、4−シアノ−N−(1−フェニルエチル)ピリ
ジニウム、N−[(パーフルオロフェニル)メチル]ピ
リジニウム、N−フェナシルピリジニウム、N−(p−
クロロフェナシル)ピリジニウム、N−(p−ブロモフ
ェナシル)ピリジニウム、N−(p−シアノフェナシ
ル)ピリジニウム、4−ブロモ−N−フェナシルピリジ
ニウム、4−シアノ−N−フェナシルピリジニウム、3
−カルボキシ−N−フェナシルピリジニウム、4−カル
バモイル−N−フェナシルピリジニウム、4−メトキシ
カルボキシ−N−フェナシルピリジニウム、4−アセチ
ル−N−フェナシルピリジニウム、4−メチル−N−フ
ェナシルピリジニウム、4−フェニル−N−フェナシル
ピリジニウム等の各ピリジニウムカチオンと、アニオン
部が、(n−ブチル)トリフェニルボレート、(sec
−ブチル)トリフェニルボレート、ベンジルトリフェニ
ルボレート、(p−シアノベンジル)トリフェニルボレ
ート、(n−ブチル)トリス(p−メトキシフェニル)
ボレート、(n−ブチル)トリ(p−フルオロフェニ
ル)ボレート等の各ボレートアニオンとの組み合わせよ
り構成されるピリジニウム錯体が挙げられるが、本発明
はこれらの例に限定されるわけではない。
【0016】また、本発明の重合性組成物は、種々の増
感剤と組み合わせた組成物とすることによって、紫外か
ら近赤外領域にかけての光に対する活性を高め、極めて
高感度な重合性組成物とすることが可能である。本発明
でいう増感剤の具体例としては、カルコン誘導体やジベ
ンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジ
ルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン
誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフト
キノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導
体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキ
サントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導
体、シアニン誘導体、スチリル誘導体、メロシアニン誘
導体、オキソノール誘導体等のポリメチン色素、アクリ
ジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジ
ン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレ
ニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘
導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリー
ルメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テ
トラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘
導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキ
サリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導
体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チ
オピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン
誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導
体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機
ルテニウム錯体等が挙げられ、その他さらに具体的には
大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講
談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(198
1年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材
料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および
増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではな
く、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸
収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じ
て任意の比率で二種以上用いてもかまわない。
【0017】また、本発明の重合性組成物におけるラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物と
は、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合
を少なくとも一つ以上を有する化合物であればどのよう
なものでも良く、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の
化学形態を持つものである。これらはただ一種のみ用い
ても、目的とする特性を向上するために任意の比率で二
種以上混合した系でもかまわない。このようなラジカル
重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボ
ン酸およびそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや
無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不
飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリア
ミド、不飽和ポリウレタン等のラジカル重合性化合物が
挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0018】具体的には、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエ
チルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリ
レート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキ
シポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポ
リプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリス
リトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロー
ルメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレ
ート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導
体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタ
クリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメ
チルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフ
ェニル)プロパン等のメタクリル酸誘導体、その他、ア
リルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリア
リルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体等が挙げ
られ、さらに具体的には、山下晋三ら編、「架橋剤ハン
ドブック」、(1981年、大成社)や加藤清視編、
「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、(198
5年、高分子刊行会)、ラドテック研究会編、「UV・
EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、
シーエムシー)、赤松清編、「新・感光性樹脂の実際技
術」、(1987年、シーエムシー)、遠藤剛編、「熱
硬化性高分子の精密化」、(1986年、シーエムシ
ー)、滝山榮一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブッ
ク」、(1988年、日刊工業新聞社)に記載の市販品
もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモ
ノマー、オリゴマー、ポリマーが挙げられる。
【0019】本発明の一般式(1)で表されるピリジニ
ウム錯体は、前記ラジカル重合可能なエチレン性不飽和
結合を有する化合物100重量部に対して0.01から
30重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1から1
0重量部である。本発明の重合性組成物は有機高分子重
合体等のバインダーと混合し、ガラス板やアルミニウム
板、その他の金属板、ポリエチレンテレフタレート等の
ポリマーフィルムに塗布して使用することが可能であ
る。本発明の重合性組成物と混合して使用可能なバイン
ダーとしては、ポリアクリレート類、ポリ−α−アルキ
ルアクリレート類、ポリアミド類、ポリビニルアセター
ル類、ポリホルムアルデヒド類、ポリウレタン類、ポリ
カーボネート類、ポリスチレン類、ポリビニルエステル
類等の重合体、共重合体があげられ、さらに具体的に
は、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、
ポリエチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアセテート、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、アルキッド樹脂その他、赤松清監修、「新
・感光性樹脂の実際技術」、(シーエムシー、1987
年)や「10188の化学商品」、657〜767頁
(化学工業日報社、1988年)記載の業界公知の有機
高分子重合体があげられる。また、本発明の重合性組成
物はさらに感度向上の目的で他の重合開始剤と併用する
ことが可能である。
【0020】本発明の重合性組成物と混合して併用可能
な他の重合開始剤としては、特公昭59−1281号、
特公昭61−9621号ならびに特開昭60−6010
4号記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号
ならびに特開昭61−243807号記載の有機過酸化
物、特公昭43−23684号、特公昭44−6413
号、特公昭47−1604号ならびにUSP第3567
453号記載のジアゾニウム化合物、USP第2848
328号、USP第2852379号ならびにUSP第
2940853号記載の有機アジド化合物、特公昭36
−22062号、特公昭37−13109号、特公昭3
8−18015号ならびに特公昭45−9610号記載
のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162
号、特開昭59−140203号ならびに「マクロモレ
キュルス(Macromolecules)」、第10巻、第1307頁
(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとす
る各種オニウム化合物、特開昭59−142205号記
載のアゾ化合物、特開平1−54440号、ヨーロッパ
特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712
号、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス
(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)
記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号記
載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリ
ー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」、第
84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特
開平2−182701号記載のルテニウム等の遷移金属
を含有する遷移金属錯体、特開平3ー209477号記
載のアルミナート錯体、特開平2−157760号記載
のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号ならび
に特開昭60−202437号記載の2,4,5−トリ
アリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59
−107344号記載の有機ハロゲン化合物等があげら
れ、これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン
性不飽和結合を有する化合物100重量部に対して0.
01から10重量部の範囲で含有されるのが好ましい。
【0021】また、本発明の重合性組成物は保存時の重
合を防止する目的で熱重合防止剤を添加することが可能
である。本発明の重合性組成物に添加可能な熱重合防止
剤の具体例としては、p−メトキシフェノール、ハイド
ロキノン、アルキル置換ハイドロキノン、カテコール、
tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等をあげ
ることができ、これらの熱重合防止剤は、ラジカル重合
可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物100重量
部に対して0.001から5重量部の範囲で添加される
のが好ましい。また、本発明の重合性組成物はさらに重
合を促進する目的で、アミンやチオール、ジスルフィド
等に代表される重合促進剤や連鎖移動触媒等を添加する
ことが可能である。
【0022】本発明の重合性組成物に添加可能な重合促
進剤や連鎖移動触媒の具体例としては、例えば、N−フ
ェニルグリシン、トリエタノールアミン、N,N−ジエ
チルアニリン等のアミン類、USP第4414312号
や特開昭64−13144号記載のチオール類、特開平
2−291561号記載のジスルフィド類、USP第3
558322号や特開昭64−17048号記載のチオ
ン類、特開平2−291560号記載のO−アシルチオ
ヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類が
あげられる。本発明の重合性組成物はさらに目的に応じ
て、染料、有機および無機顔料、ホスフィン、ホスホネ
ート、ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、カブリ防
止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、
界面活性剤、着色剤、増量剤、可塑剤、難燃剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、発砲剤、防カビ剤、帯電防止剤、
磁性体やその他種々の特性を付与する添加剤、希釈溶剤
等と混合して使用しても良い。
【0023】本発明の重合性組成物は重合反応に際し
て、これら重合開始剤およびラジカル重合可能なエチレ
ン性不飽和結合を有する化合物に対して不活性な溶媒中
で紫外線や可視光、近赤外線等の光エネルギーおよび/
または加熱やサーマルヘッド等による熱エネルギーの付
与により重合し、目的とする重合物を得ることが可能で
ある。なお本明細書でいう、紫外線や近紫外線、可視
光、近赤外線、赤外線等の定義は久保亮五ら編「岩波理
化学辞典第4版」(1987年、岩波)によった。した
がって、本発明の重合性組成物は、低圧水銀灯、中圧水
銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カ
ーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タン
グステンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカド
ミウムレーザ、ヘリウムネオンレーザ、クリプトンイオ
ンレーザ、各種半導体レーザ、YAGレーザ、発光ダイ
オード、CRT光源、プラズマ光源等の各種光源や光エ
ネルギーおよび/または加熱やサーマルヘッド等による
熱エネルギーの付与により目的とする重合物や硬化物を
得ることができる。
【0024】故に、バインダーその他とともに基板上に
塗布して各種インキ、各種刷版材料、フォトレジスト、
電子写真、ダイレクト刷版材料、ホログラム材料等の感
光材料やマイクロカプセル等の各種記録媒体、さらには
接着剤、粘着剤、粘接着剤、封止剤および各種塗料に応
用することが可能である。
【0025】
【作用】本発明で使用される一般式(1)で表されるピ
リジニウム錯体は、光および/または熱エネルギーの付
与により励起し、さらにカチオン部分であるピリジニウ
ムカチオンと、アニオン部分であるボレートアニオンと
の両イオンがそれぞれ分解することにより、フリーラジ
カルを発生し、その結果、前記ラジカル重合可能なエチ
レン性不飽和結合を有する化合物を、極めて有効に重合
するものと考えられる。すなわち、光および/または熱
の作用により、一般式(1)において、ピリジニウムカ
チオン部の、R1とピリジニウム環上の窒素原子との間
の結合が開裂してラジカルが発生し、一方、ボレートア
ニオン部の、R7とホウ素原子との間の結合が開裂して
ラジカルが発生し、ここで発生したラジカルが、ラジカ
ル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物を攻
撃し、重合せしめるものと考えられる。 ここで、R1
は、置換基を有してもよいベンジル基もしくは置換基を
有してもよいフェナシル基のいずれかである必要があ
り、その他の置換基、例えばメチル基やエチル基等のよ
うなアルキル基では、ラジカル重合可能なエチレン性不
飽和結合を有する化合物を有効に重合することができな
い。この詳しい理由は不明であるが、おそらくメチル基
やエチル基等のようなアルキル基では、R1とピリジニ
ウム環上の窒素原子との間の結合が有効に開裂せず、し
たがって、重合に必要なラジカルが発生しにくいものと
思われる。
【0026】また、ボレートアニオン上の置換基の組合
わせとしては、R7は置換基を有してもよいアルキル基
もしくは置換基を有してもよいベンジル基であり、かつ
8、R9およびR10が置換基を有してもよいアリール基
である組合わせが好ましく、例えば、R7ないしR10
てが、置換基を有してもよいアリール基であるような組
合わせの場合では、R7ないしR10とホウ素原子との間
の結合が有効に開裂せず、したがって、重合に必要なラ
ジカルが発生しにくいものと思われる。また、これらの
一般式(1)で表されるピリジニウム錯体は、通常、可
視域より長波長に吸収を示さないため、可視から近赤外
の光に対しては活性が乏しいが、先に示した適当な増感
剤と組み合わせることにより、近紫外から近赤外領域に
かけての光に対しても、極めて高感度な重合性組成物と
して機能する。
【0027】詳細な光反応メカニズムについては明かで
はないが、反応機構は、増感剤を用いた場合には、増感
剤と一般式(1)で表される重合開始剤との間で分子間
電子移動あるいは分子間エネルギー移動によって、また
一般式(1)で表される重合開始剤単独で用いた場合
は、分子内電子移動あるいは分子内エネルギー移動によ
って、一般式(1)で表される重合開始剤のカチオン部
とアニオン部の双方の結合部位の開裂が生じ、その結果
フリーラジカルを発生し、前記のラジカル重合可能なエ
チレン性不飽和結合を有する化合物の重合もしくは架橋
反応を引き起こすものと考えられる。
【0028】また、ピリジニウムカチオン上の置換基を
工夫することによって、結晶性、安定性、種々の有機溶
剤に対する溶解性の向上が得られ、重合可能なエチレン
性不飽和結合を有する化合物を含んだ重合性組成物の重
合に対して感度の向上に対し良好な結果を与える。
【0029】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細にするが、本
発明は下記のみに限定されるものではない。尚、例中、
部は重量部を示す。 (実施例1)ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合
を有する化合物としてペンタエリスリトールトリアクリ
レート50部と重合開始剤として、N−フェナシルピリ
ジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート1部を希
釈溶剤としてジオキサン100部に溶解し、この混合物
をガラス板上に約5ミクロンの厚さに塗布し、これを7
0℃の熱風オーブン中で2分間乾燥した後、さらにこの
上に厚さ約25ミクロンのポリエチレンテレフタレート
フィルムを密着させたサンプルを作成した。このサンプ
ルを100℃のオーブン中で10分間保持したところ、
このサンプルは硬化し明らかに重合生成物を与えた。 (実施例2〜実施例20)N−フェナシルピリジニウム
(n−ブチル)トリフェニルボレートのかわりに重合開
始剤として、N−(p−シアノフェナシル)ピリジニウ
ム(n−ブチル)トリフェニルボレート、1−フェナシ
ル−4−シアノピリジニウム(n−ブチル)トリフェニ
ルボレート、1−フェナシル−4−メチルピリジニウム
(n−ブチル)トリフェニルボレート、N−(p−ブロ
モフェナシル)ピリジニウム(n−ブチル)トリフェニ
ルボレート、N−(p−トリクロロメチルフェナシル)
ピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート、N
−(1−ナフチルカルボニルメチル)ピリジニウム(n
−ブチル)トリフェニルボレート、1−フェナシル−3
−カルボキシピリジニウム(n−ブチル)トリフェニル
ボレート、1−フェナシル−4−メトキシピリジニウム
(n−ブチル)トリフェニルボレート、1−フェナシル
−4−アセチルピリジニウム(n−ブチル)トリフェニ
ルボレート、N−ベンジルピリジニウム(n−ブチル)
トリフェニルボレート、N−(p−シアノベンジル)ピ
リジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート、N−
(p−クロロベンジル)ピリジニウム(n−ブチル)ト
リフェニルボレート、1−ベンジル−3−メトキシカル
ボニルピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレー
ト、1−(p−メトキシベンジル)−4−シアノピリジ
ニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート、1−(1
−フェニル)エチル−4−シアノピリジニウム(n−ブ
チル)トリフェニルボレート、N−(ペンタフルオロフ
ェニル)メチルピリジニウム(n−ブチル)トリフェニ
ルボレート、N−フェナシルピリジニウム(sec−ブ
チル)トリフェニルボレート、N−フェナシルピリジニ
ウム(n−ブチル)トリス(p−メトキシフェニル)ボ
レート、N−フェナシルピリジニウムベンジルトリフェ
ニルボレートを含む各サンプルを調製し、実施例1と同
様な実験をそれぞれ行ったところ、いずれの場合もサン
プルは硬化し明らかに重合生成物を与えた。 (実施例21〜実施例34)ラジカル重合可能なエチレ
ン性不飽和結合を有する化合物としてペンタエリスリト
ールトリアクリレートのかわりに、ブトキシエチルアク
リレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジ
メタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン、ジアリルフタレートを含む各サンプルを
調製し、実施例1と同様な実験をそれぞれ行ったとこ
ろ、いずれの場合もサンプルは硬化し明らかに重合生成
物を与えた。 (比較例1〜比較例3)比較例として、N−フェナシル
ピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレートのか
わりに重合開始剤として、N−メチルピリジニウム(n
−ブチル)トリフェニルボレート、N−フェナシルピリ
ジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−4−
シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネートを含
む各サンプルを調製し、実施例1と同様な実験をそれぞ
れ行ったところ、いずれの場合も同条件下では重合生成
物を与えなかった。 (実施例35)ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結
合を有する化合物としてペンタエリスリトールトリアク
リレート50部と重合開始剤として、N−フェナシルピ
リジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート1部を
希釈溶剤としてジオキサン100部に溶解し、この混合
物をガラス板上に約5ミクロンの厚さに塗布し、これを
70℃の熱風オーブン中で2分間乾燥した後、さらにこ
の上に厚さ約25ミクロンのポリエチレンテレフタレー
トフィルムを密着させたサンプルを作成した。このサン
プルを500mWの高圧水銀ランプにより、サンプルの
ガラス面より10cmの距離から5分間照射したとこ
ろ、このサンプルは硬化し明らかに重合生成物を与え
た。 (実施例36〜実施例54)N−フェナシルピリジニウ
ム(n−ブチル)トリフェニルボレートのかわりに重合
開始剤として、N−(p−シアノフェナシル)ピリジニ
ウム(n−ブチル)トリフェニルボレート、1−フェナ
シル−4−シアノピリジニウム(n−ブチル)トリフェ
ニルボレート、1−フェナシル−4−メチルピリジニウ
ム(n−ブチル)トリフェニルボレート、N−(p−ブ
ロモフェナシル)ピリジニウム(n−ブチル)トリフェ
ニルボレート、N−(p−トリクロロメチルフェナシ
ル)ピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレー
ト、N−(1−ナフチルカルボニルメチル)ピリジニウ
ム(n−ブチル)トリフェニルボレート、1−フェナシ
ル−3−カルボキシピリジニウム(n−ブチル)トリフ
ェニルボレート、1−フェナシル−4−メトキシピリジ
ニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート、1−フェ
ナシル−4−アセチルピリジニウム(n−ブチル)トリ
フェニルボレート、N−ベンジルピリジニウム(n−ブ
チル)トリフェニルボレート、N−(p−シアノベンジ
ル)ピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレー
ト、N−(p−クロロベンジル)ピリジニウム(n−ブ
チル)トリフェニルボレート、1−ベンジル−3−メト
キシカルボニルピリジニウム(n−ブチル)トリフェニ
ルボレート、1−(p−メトキシベンジル)−4−シア
ノピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート、
1−(1−フェニル)エチル−4−シアノピリジニウム
(n−ブチル)トリフェニルボレート、N−(ペンタフ
ルオロフェニル)メチルピリジニウム(n−ブチル)ト
リフェニルボレート、N−フェナシルピリジニウム(s
ec−ブチル)トリフェニルボレート、N−フェナシル
ピリジニウム(n−ブチル)トリス(p−メトキシフェ
ニル)ボレート、N−フェナシルピリジニウムベンジル
トリフェニルボレートを含む各サンプルを調製し、実施
例35と同様な実験をそれぞれ行ったところ、いずれの
場合もサンプルは硬化し明らかに重合生成物を与えた。 (実施例55〜実施例68)ラジカル重合可能なエチレ
ン性不飽和結合を有する化合物としてペンタエリスリト
ールトリアクリレートのかわりに、ブトキシエチルアク
リレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジ
メタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン、ジアリルフタレートを含む各サンプルを
調製し、実施例35と同様な実験をそれぞれ行ったとこ
ろ、いずれの場合もサンプルは硬化し明らかに重合生成
物を与えた。 (比較例4〜比較例6)比較例として、N−フェナシル
ピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレートのか
わりに重合開始剤として、N−メチルピリジニウム(n
−ブチル)トリフェニルボレート、N−フェナシルピリ
ジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−4−
シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネートを含
む各サンプルを調製し、実施例35と同様な実験をそれ
ぞれ行ったところ、いずれの場合も同条件下では重合生
成物を与えなかった。 (実施例69〜実施例88および比較例7〜比較例1
0)希釈溶剤として1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン2400部、バインダーとしてポリメチルメタクリレ
ート100部、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結
合を有する化合物としてペンタエリスリトールトリアク
リレート100部、増感剤として3,3’−カルボニル
ビス(7−ジエチルアミノクマリン)(化合物(a))
5部からなる溶液26gに、重合開始剤として下記第1
表に示したピリジニウム錯体1.2×10ー4モルを加え
感光液とした。この感光液をスピンコーターにて約1.
5μmの厚さにガラス板上に塗布、乾燥後、さらにこの
上に酸素遮断層として10%ポリビニルアルコール水溶
液をスピンコーターにて約5μmの厚さに塗布し感光板
とした。この感光板にビーム径1.5mmのアルゴンイ
オンレーザ光(488nm)を照射時間を変えて露光し
た後、水およびトルエンにて現像処理を行い、レーザビ
ーム径と同等の大きさの硬化スポット径を与える露光エ
ネルギーを感度として第1表に示した。
【0030】比較例として、重合開始剤に公知のN−メ
チルピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレー
ト、N−フェナシルピリジニウムテトラフルオロボレー
ト、1−ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキサフル
オロアンチモネートならびにテトラ(n−ブチル)アン
モニウム(n−ブチル)トリフェニルボレートを用いた
場合の感度を第2表に示した。第1表ならびに第2表の
結果より明かなように、一般式(1)で表されるピリジ
ニウム錯体を重合開始剤に用いた場合、公知のN−メチ
ルピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート、
N−フェナシルピリジニウムテトラフルオロボレート、
1−ベンジル−4−シアノピリジニウムヘキサフルオロ
アンチモネートならびにテトラブチルアンモニウム(n
−ブチル)トリフェニルボレートを重合開始剤に用いた
場合よりもいずれも感度が向上していることがわかる。 化合物(a)
【0031】
【化3】
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】(実施例89〜実施例94)希釈溶剤とし
て1,1,2,2−テトラクロロエタン2400部、バ
インダーとしてポリメチルメタクリレート100部、ラ
ジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物
としてペンタエリスリトールトリアクリレート100
部、増感剤として下記に示した化合物(b)〜化合物
(g)2部からなる溶液26gに、重合開始剤としてN
−フェナシルピリジニウム(n−ブチル)トリフェニル
ボレート1.2×10ー4モルを加え感光液とした。この
感光液をスピンコーターにて約1.5μmの厚さにガラ
ス板上に塗布、乾燥後、さらにこの上に酸素遮断層とし
て10%ポリビニルアルコール水溶液をスピンコーター
にて約5μmの厚さに塗布し感光板とした。この感光板
にビーム径1.5mmのアルゴンイオンレーザ光(51
4nm)もしくはヘリウムネオンレーザ光(633n
m)を照射時間を変えて露光した後、水およびトルエン
にて現像処理を行いレーザビーム径と同等の大きさの硬
化スポット径を与える露光エネルギーを感度として第3
表に示した。 化合物(a)〜化合物(g)
【0035】
【化4】
【0036】
【表3】
【0037】(参考例)本重合性組成物の熱安定性を検
討するため、実施例1〜実施例20で使用したサンプル
の保存安定性試験を行った。これらのサンプルはいずれ
も、暗所、25℃で2ヶ月保存しても、なんら重合が認
められなかった。一方、実施例1で使用したN−フェナ
シルピリジニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート
のかわりに、公知の重合開始剤としてジフェニルヨード
ニウム(n−ブチル)トリフェニルボレートを含んだサ
ンプルで同様に保存安定性試験を行ったところ、重合が
認められ、完全にゲル化していた。
【0038】したがって本発明の重合性組成物はいずれ
も、公知の重合開始剤であるジフェニルヨードニウム
(n−ブチル)トリフェニルボレートを含んだ重合性組
成物よりも、保存安定性が良好であることがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明の一般式(1)で表されるピリジ
ニウム錯体は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結
合を有する化合物の重合開始剤として有効であり、これ
らを含む重合性組成物は光および/または熱エネルギー
の付与により重合、硬化することが可能である。したが
って、本発明の重合性組成物は、低圧水銀灯、中圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カー
ボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タング
ステンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカドミ
ウムレーザ、ヘリウムネオンレーザ、クリプトンイオン
レーザ、各種半導体レーザ、YAGレーザ、発光ダイオ
ード、CRT光源、プラズマ光源等の各種光源や光エネ
ルギー、また加熱やサーマルヘッド等による熱エネルギ
ーの付与により目的とする重合物や硬化物を得ることが
できる。
【0040】故に、バインダーその他とともに基板上に
塗布して刷版材料、フォトレジスト、電子写真、ダイレ
クト刷版材料、ホログラム材料等の感光板やマイクロカ
プセル等の心材として用い、各種記録媒体や接着剤に応
用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安池 円 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結
    合を有する化合物と、重合開始剤として一般式(1)で
    表されるピリジニウム錯体を含む重合性組成物。 一般式(1) 【化1】 (ただしR1は、置換基を有してもよいベンジル基もし
    くは置換基を有してもよいフェナシル基を、R2、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
    ゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル
    基、カルボキシ基、アルコキシカルボキシ基、アセチル
    基、カルバモイル基、置換基を有してもよいアリール基
    より選ばれる基を、R7は置換基を有してもよいアルキ
    ル基もしくは置換基を有してもよいベンジル基を、
    8、R9およびR10はそれぞれ独立に、置換基を有して
    もよいアリール基を示す。)
  2. 【請求項2】 さらに増感剤を含む請求項1記載の重合
    性組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の重合性組成物に
    光または熱エネルギーを与えることにより重合させる硬
    化物の製造方法。
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