JPH0769877A - 分枝鎖アミノ酸を有効成分とする経口投与薬 - Google Patents

分枝鎖アミノ酸を有効成分とする経口投与薬

Info

Publication number
JPH0769877A
JPH0769877A JP25022293A JP25022293A JPH0769877A JP H0769877 A JPH0769877 A JP H0769877A JP 25022293 A JP25022293 A JP 25022293A JP 25022293 A JP25022293 A JP 25022293A JP H0769877 A JPH0769877 A JP H0769877A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bitterness
chain amino
amino acid
tryptophan
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25022293A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Akiyama
義亮 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP25022293A priority Critical patent/JPH0769877A/ja
Publication of JPH0769877A publication Critical patent/JPH0769877A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】分枝鎖アミノ酸のL−イソロイシン、L−ロイ
シンおよびL−バリンを有効成分とする経口投与薬の苦
味のマスキング。 【構成】上記経口投与薬にトリプトファンのD−体を添
加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分枝鎖アミノ酸のL−
体を有効成分とし、かつその苦味がD−トリプトファン
でマスキング(矯正)されている経口投与薬に関する。
【0002】
【従来の技術】L−イソロイシン、L−ロイシンおよび
L−バリンの分枝鎖アミノ酸は、その混合物を主体とし
た医薬の形で、肝硬変などの肝疾患あるいは腎疾患、各
種の筋萎縮症等の如く分枝鎖アミノ酸の代謝の異常を重
要な症候とし、その改善が治療手段の一部を構成するよ
うな各種の疾患に対する治療薬として、顕著な薬効を奏
するものとして広く使用されている。
【0003】そして、分枝鎖アミノ酸を有効成分とする
薬剤の剤型としては、輸液(静注)などの液体剤型や、
錠剤、糖衣錠、カプセル、顆粒、粉末などの固体剤型
や、溶液(水薬)の液体剤型等を考えることができる。
【0004】これらのうち、顆粒状および粉末状のもの
は、そのままで、またはオブラートで包み、あるいは
水、温湯、牛乳、ジュースなどに溶かすかもしくは分散
させて溶液もしくは懸濁液とするかして、またはゼリ
ー、スープ、味噌汁などの他の食品に混ぜて、経口摂取
されるが、分枝鎖アミノ酸が固有の苦味を呈するので、
その経口摂取に当たっては苦味のマスキングが必要であ
る。この事情は、水薬の剤型の場合も全く同じである。
【0005】従来、デキストリン、グリチルリチン酸二
ナトリウムなどで分枝鎖アミノ酸のL−体の苦味をマス
キングすることが試みられており、例えば、「アミフ
ル」、「アミノレバンEN」、「ヘパンED」など(以
上、いずれも粉末状製剤)として既に市販されている。
【0006】しかしながら、分枝鎖アミノ酸のL−体の
もつ特異な苦味をマスキングすることは容易ではなく、
上述の市販品についても苦味のマスキングの更なる改良
の望まれるところが大である。
【0007】更に、分枝鎖アミノ酸のL−体の投与の有
効性をよりよく確保するためには、分枝鎖アミノ酸のL
−体の高濃度投与が望まれるところであるが、これは、
分枝鎖アミノ酸の溶解性が悪く、かつ、上に述べた固有
の特異な苦味のために困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の技術的背景
の下において、本発明の目的は、分枝鎖アミノ酸のL−
体を有効成分とする経口投与薬の苦味の、優れたマスキ
ング手段を開発し、ひいては分枝鎖アミノ酸のL−体を
高濃度に含有しながらもその苦味のマスキングされた経
口摂取の容易な液剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前項記載の
目的を達成すべく鋭意研究の結果、トリプトファンのD
−体が非常に甘味が強く、しかも効果的かつ有効に分枝
鎖アミノ酸のL−体の苦味をマスキングする優れた作用
のあることを見出し、このような知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、イソロイシン、ロイ
シンおよびバリンのL−体を有効成分として含有し、そ
の苦味をマスキングするためにD−トリプトファンが添
加されていることを特徴とする経口投与薬、及びこのよ
うな経口投与薬の、剤型が液体であるものに関する。
【0011】以下、本発明を詳しく説明する。
【0012】分枝鎖アミノ酸のL−体を有効成分とす
る、各種疾患治療用の医薬そのものは、先に述べたよう
に、既に広く使用され、その薬理効果、有効量および投
与方法は公知であり、その安全性についても問題のない
ことは周知の通りである。その経口投与剤の形態のもの
も、先に述べたように、既に粉末剤が市販されており、
本発明の経口投与薬も、その投与量はこれらに準ずるこ
とができ、特別の制限はない。分枝鎖アミノ酸の使用割
合は、例えば、L−イソロイシン1重量部に対し、L−
ロイシン1〜10重量部、そしてL−バリン0.5〜5
重量部とすることができる。
【0013】苦味のマスキング剤であるD−トリプトフ
ァンは、周知の如く、アミノ酸の1種であるトリプトフ
ァンのD−体であるが、苦味のマスキングのためには、
これが100%D−体である必要はなく、L−体がD−
体に等モルを超えない量で混入していてもなんら差し支
えない。因みに、本発明に謂うトリプトファンのD−体
がDL−体の形態のものは、DL−トリプトファンが食
品添加物として既に認可されているので、この意味から
も好ましい。
【0014】また、苦味のマスキングはD−トリプトフ
ァンのみによって完全に行うこともできるが、D−トリ
プトファンによってある程度苦味をマスキングし、なお
残る苦味を調剤に常用される甘味料、酸味料などを補助
的マスキング剤として使用してマスキングを完全にする
こともできる。いずれにしろ、本発明の特徴であるD−
トリプトファンを使用せずに、調剤に常用の甘味料、酸
味料などのみで分枝鎖アミノ酸のL−体の苦味をマスキ
ングすることは、この苦味が特異な、分枝鎖アミノ酸の
L−体に固有のものであるために極めて困難であること
に留意すべきである。
【0015】D−トリプトファンの使用量は、D−トリ
プトファンでどの程度苦味をマスキングしようとするか
にもよるが、例えば、使用する分枝鎖アミノ酸の全量1
重量部に対し、0.003重量部、すなわち、DL−ト
リプトファンの形態では0.006重量部以上とするこ
とができる。
【0016】分枝鎖アミノ酸のL−体およびD−トリプ
トファンならびに所望により適宜適当な添加剤を使用し
て顆粒状、粉末状または液体状の経口投与薬を調製する
にも、格別の困難はなく、それぞれ調製法そのものは公
知の方法によることができる。
【0017】このようにして調製された本発明の経口投
与薬は、顆粒状または粉末状のものは、そのまま口に含
んで嚥下しても、苦味がマスキングされていて服用し易
く、また、先に述べたような水、温湯、牛乳、ジュース
などに溶かしまたは分散させても服用し易いものであ
る。
【0018】剤型が液体である本発明の経口投与薬につ
いては、分枝鎖アミノ酸のL−体の1日当たり合計摂取
量を12〜16gを想定した場合、1回の摂取量を3〜
8gとするのが望ましいが、溶解性を考慮すると3〜5
%程度の濃度の溶液とするのが実用的である。濃度がこ
れより高いと、分枝鎖アミノ酸のL−体およびトリプト
ファンが流通段階などにおいて析出することがあり、好
ましくない。
【0019】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に説明す
る。
【0020】実施例1 L−イソロイシン0.95g、L−ロイシン1.15g
およびL−バリン0.90g(合計3.00g)を蒸留
水100mlに溶解した溶液に、DL−トリプトファン
を下記第1表に示す種々の量で溶解して5種の溶液を作
成した。
【0021】
【表1】
【0022】5種の溶液の呈味を10名から成るパネル
による官能検査に付した結果は、溶液NO.1(コント
ロール)はかなり強い苦味を呈するのに対し、溶液N
O.2は甘味を感じるが、苦味が残り、溶液NO.3は
かなりの甘味を感じるが、ほろ苦さがあり、溶液NO.
4は、甘さを強く感じるが、極く僅かのほろ苦さが残
り、そして、溶液NO.5は苦味はなく、甘味が強い、
との評価であった(以上、パネル10名中7名以上の一
致した評価による)。
【0023】実施例2 L−イソロイシン1.25g、L−ロイシン1.55g
およびL−バリン1.20g(合計4.00g)を蒸留
水100mlに溶解した溶液に、DL−トリプトファン
を下記第2表に示す種々の量で溶解して5種の溶液を作
成した。
【0024】
【表2】
【0025】実施例1におけると同じ官能検査に付した
結果は、溶液NO.6(コントロール)は非常に苦いの
に対し、溶液NO.7は苦味の中に、うっすらと甘味を
感じ、溶液NO.8は甘味の中にほろ苦さを感じ、溶液
NO.9はかなりの甘さを感じるが、極く僅かのほろ苦
さが残り、そして、溶液NO.10は、甘味を強く感
じ、苦味はない、との評価であった。
【0026】実施例3 L−イソロイシン1.60g、L−ロイシン1.95g
およびL−バリン1.45g(合計5.00g)を蒸留
水100mlに溶解した溶液に、DL−トリプトファン
を下記第3表に示す種々の量で溶解して6種の溶液を作
成した。
【0027】
【表3】
【0028】実施例1におけると同じ官能検査に付した
結果は、溶液NO.11(コントロール)は、非常に苦
く、渋味も感じられるのに対し、溶液NO.12はうっ
すらと甘味を感じるが、かなり苦く、溶液NO.13は
甘いが、苦さも残り、溶液NO.14はかなり甘いが、
極く僅かのほろ苦さを感じ、溶液NO.15は甘味を強
く感じるが、極く僅かのほろ苦さが残り、そして、溶液
NO.16は甘味を強く感じ、苦味はない、との評価で
あった。
【0029】これらの実施例から明らかなように分枝鎖
L−アミノ酸の苦味は、D−トリプトファンによって非
常によくマスキング(矯正)することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明により、分枝鎖L−アミノ酸の苦
味がマスキングされた経口投与薬が容易に提供されると
ころとなった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソロイシン、ロイシンおよびバリンのL
    −体を有効成分として含有し、その苦味をマスキングす
    るためにD−トリプトファンが添加されていることを特
    徴とする経口投与薬。
  2. 【請求項2】剤型が液体であることを特徴とする請求項
    1記載の経口投与薬。
JP25022293A 1993-08-31 1993-08-31 分枝鎖アミノ酸を有効成分とする経口投与薬 Pending JPH0769877A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25022293A JPH0769877A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 分枝鎖アミノ酸を有効成分とする経口投与薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25022293A JPH0769877A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 分枝鎖アミノ酸を有効成分とする経口投与薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0769877A true JPH0769877A (ja) 1995-03-14

Family

ID=17204656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25022293A Pending JPH0769877A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 分枝鎖アミノ酸を有効成分とする経口投与薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0769877A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003063856A1 (fr) * 2002-01-30 2003-08-07 Ajinomoto Co., Inc. Preparation de gelee contenant des acides amines ramifies
JP2006028194A (ja) * 2001-09-26 2006-02-02 Ajinomoto Co Inc 耐糖能異常用医薬組成物及び飲食品
JP2009179633A (ja) * 2001-09-26 2009-08-13 Ajinomoto Co Inc 耐糖能異常用医薬組成物及び飲食品
WO2015171944A1 (en) * 2014-05-07 2015-11-12 Chromocell Corporation Compounds, compositions, and methods for reducing or eliminating bitter taste

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006028194A (ja) * 2001-09-26 2006-02-02 Ajinomoto Co Inc 耐糖能異常用医薬組成物及び飲食品
JP2009179633A (ja) * 2001-09-26 2009-08-13 Ajinomoto Co Inc 耐糖能異常用医薬組成物及び飲食品
JP4715423B2 (ja) * 2001-09-26 2011-07-06 味の素株式会社 耐糖能異常用医薬組成物及び飲食品
JP2012158603A (ja) * 2001-09-26 2012-08-23 Ajinomoto Co Inc 耐糖能異常用医薬組成物及び飲食品
WO2003063856A1 (fr) * 2002-01-30 2003-08-07 Ajinomoto Co., Inc. Preparation de gelee contenant des acides amines ramifies
WO2015171944A1 (en) * 2014-05-07 2015-11-12 Chromocell Corporation Compounds, compositions, and methods for reducing or eliminating bitter taste

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9271521B2 (en) Inhibitor for liver cancer onset and progress
JPS58126767A (ja) 肝臓病患者用栄養組成物
KR960008651B1 (ko) 간 장해 치료제
JPWO2004019928A1 (ja) 肝疾患治療剤
CA2446748A1 (en) Anxiolytic marcgraviaceae compositions containing betulinic acid, betulinic acid derivatives, and methods
CN101014334B (zh) 丙型肝炎病毒阳性人肝硬化患者用肝癌发生和发展抑制剂
JPH07118150A (ja) 分枝鎖アミノ酸を有効成分とする、呈味の調整された経口投与薬
JPH08503964A (ja) 食餌療法の低コレステロール血組成物
JPH0769877A (ja) 分枝鎖アミノ酸を有効成分とする経口投与薬
KR100927254B1 (ko) 분지쇄 아미노산을 포함하는 액상 조성물 및 이의 제조방법
KR100562739B1 (ko) 저알부민 상태의 개선제
JP2003212766A (ja) 分岐鎖アミノ酸含有液剤の製造方法
US20040022827A1 (en) Remedy for hepatopathy
JP2004210639A (ja) 経口栄養剤
JPH01287035A (ja) 薬物並びにアルコール性中毒の予防剤とその治療剤
JPH0215032A (ja) 肝疾患治療、予防剤及び強肝機能性飲食、し好物
JP2891738B2 (ja) アルコール吸収抑制剤
JP3712539B2 (ja) 肝疾患治療剤
JP5434907B2 (ja) 栄養改善用組成物
JP2000229853A (ja) 生理痛改善用組成物
KR960016569B1 (ko) 알라닌 및 글루타민 함유 식품 조성물
JP2004147630A (ja) 食品
JP3486755B2 (ja) 高燐血症予防・治療剤
JP2003306443A (ja) コレステロール低減ペプチド
JPH0692846A (ja) アルコール摂取量減少剤