JPH0769723A - 圧電材料組成物 - Google Patents

圧電材料組成物

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JPH0769723A
JPH0769723A JP5217537A JP21753793A JPH0769723A JP H0769723 A JPH0769723 A JP H0769723A JP 5217537 A JP5217537 A JP 5217537A JP 21753793 A JP21753793 A JP 21753793A JP H0769723 A JPH0769723 A JP H0769723A
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JP
Japan
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piezoelectric
piezoelectric material
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amount
composition
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JP5217537A
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English (en)
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Takenobu Sakai
酒井  武信
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電特性及び機械的特性に優れた圧電体を与
える材料組成物を提供する。 【構成】 下式により表される組成: Pb1-x-y-z Srx Bay Laz (Zra Ti1-a-b b )O3 (上式において、0.09≦x≦0.13、 0.01≦y≦0.04 0<z≦0.01 0.540<a≦0.555 、 0.005≦b≦0.03であり MはSb又はNbである) を有することを特徴とする圧電材料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電材料組成物に関
し、さらに詳しく述べるならば、アクチュエータのよう
な圧電素子において有利に用いることのできる圧電材料
組成物に関する。本発明による圧電材料組成物は、従来
の圧電材料組成物と比較して、圧電特性と機械的特性の
両者が大幅に向上する。
【0002】
【従来の技術】圧電材料組成物についての研究はかなり
以前から行われており、またかかる圧電材料組成物を利
用した製品は多岐にわたりかつさまざまな分野において
広く用いられている。このような圧電材料組成物を利用
した製品としては、例えば、セラミックフィルタ、ガラ
ス遅延線、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユ
ニット、超音波モータ、圧電ファン、圧電センサ、及び
圧電アクチュエータ等を挙げることができる。ここで、
圧電アクチュエータは、圧電現象を介して発生する変位
及び力を機械的駆動源として利用するものであり、特に
最近、メカトロニクスの分野において注目されてきてい
るものの1つである。この圧電アクチュエータは、圧電
効果を利用した固体素子であるため、磁性体にコイルを
巻いた構成を有する従来の電磁式アクチュエータと比較
して、消費電力が少ない、応答速度が速い、変位量が大
きい、発熱が少ない、寸法及び重量が小さい、等の優れ
た特徴を有している。
【0003】上記のような圧電素子に用い得るものとし
て、種々のタイプの圧電材料組成物が公知である。例え
ば、昭和35年に発行された特許第275421号に記載され
たPZT系セラミックスに単純酸化物を点火する技術か
ら始まって、数多くの圧電材料組成物が公知となってい
る。米国特許第 2,911,370号は、PZT系セラミックス
にニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、希土類金属等の
元素を添加したり、Pbの一部をストロンチウム(S
r)、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属の元素
で置換したりして、得られる組成物の圧電定数及び誘電
率を高めることを教示している。特開昭62−298192号公
報は、アクチュエータ素子に用いられる圧電材料組成物
として、Pb(Zrx Tiy )O3 の基本組成を有する
ものを教示しており、この組成物がアクチュエータ用材
料として使用可能な圧電歪定数を有し、かつ誘電損失が
極めて低いものであることを報告している。
【0004】さらに、特開平4−260662号公報は、Pb
0.89-xSr0.11Bax (Zr a Tib Sbc )O3(式中、0.01≦x
≦0.04、0.545 ≦a≦0.555 、0.445 ≦b≦0.455 、0.
005 ≦c≦0.015 、a+b+c=1である)の組成を有
する、圧電特性が高く、特にキュリー温度の高い、自動
車の圧電アクチュエータ用として適した圧電材料組成物
を教示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、圧電材料である
PZTをアクチュエータ等に利用する場合、その圧電特
性を基準として材料を選択していた。しかし、アクチュ
エータ等においては、応力負荷やその変化が大きく、従
って自発分極の90度ドメインスイッチングにより変位特
性が低下したり、機械的応力によってクラックが発生す
る問題があった。これは圧電体の粒径が約10μm と大き
いため、ドメインウォールが移動しやすいことによる変
位低下が考えられる。また、圧電体の機械的強度が低い
ため、荷重負荷下における電界印加により生ずる圧電体
の伸び縮みから起こる応力集中によってクラックが発生
することがわかってきた。
【0006】本発明は、従来の圧電体の有する前記の如
き欠点を解消し、得られる圧電体の圧電特性と機械的強
度を共に向上させる圧電材料組成物を提供しようとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく鋭意研究の結果、PZT系組成物におい
て、Laを所定量添加することにより、得られる圧電体
の比誘電率、三点曲げ強度、機械的品質係数等の特性が
大幅に向上することを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の圧電材料組成物は、下
式 Pb1-x-y-z Srx Bay Laz (Zra Ti1-a-b b )O3 (上式において、0.09≦x≦0.13、 0.01≦y≦0.04 0<z≦0.01 0.540<a≦0.555 、 0.005≦b≦0.03であり MはSb又はNbである) で表される組成を有することを特徴とする。
【0009】本発明の圧電材料組成物は、優れた特性、
例えば、3000以上の比誘電率εr、60以上の電気機械結
合係数Kp、70Mpa以上の三点曲げ強度、及び50以上
の機械的品質係数を有し、これは従来の圧電材料組成物
には認められない優れた特性である。
【0010】本発明の圧電材料組成物は、特に自動車の
圧電アクチュエータ用として、及びその他の圧電素子用
としても利用することができる。例えば、圧電アクチュ
エータは、公知の方法を用いて、例えば圧電材料の薄板
を2枚張り合わせてバイモルフ型構造とすることによ
り、又は圧電材料の薄板を数十〜数百枚積層し、かつそ
の1枚1枚を厚み方向の分極が逆になるように交互に積
層固着させて積層型構造とすることにより製造すること
ができる。
【0011】
【作用】PBZにSbを添加すると電気機械結合係数や
比誘電率が向上することが知られており、またPbTiO3-P
bZrO3 系固溶体のPbをSrで置換することにより比誘
電率が向上することも知られている。しかしながら、従
来提案されている圧電材料組成物においては、特に自動
車圧電アクチュエータに適した特性、すなわち圧電特性
と機械的特性が共に高いこと、は十分ではなかった。こ
の理由として、各添加元素の圧電特性に及ぼす効果は既
に知られているが、そのような元素が複合して添加され
た場合に、それによって導かれる効果がいまだ明確にな
っていないことが考えられる。
【0012】本発明者は、特に自動車圧電アクチュエー
タに適した圧電特性を有する組成物を提供すべく研究し
ていく過程において、前記特開平4−260662号公報に示
された、Pb0.89-xSr0.11Bax (Zr a Tib Sbc )O3 で表さ
れる組成物のPbの一部をLaで置換することにより、
1モル%までのLa添加量において、3点曲げ強度を向
上させることを見出した。
【0013】
【実施例】以下、本発明をその実施例により説明する。
Pb1-x-y-z Srx Bay Laz (Zra Ti1-a-b
b )O3 で表される組成式において、x=0.11、y=
0.016 、a=0.550 及びb=0.01となるように原料Pb
O、SrCO3 、BaCO3 、ZrO2 、Sb2 5
びTiO2 を所定量計量し、さらに以下の表1に示すL
a量を与えるような量のLa2 5 を用い、ボールミル
において48時間湿式混合した。次いで得られた混合粉末
を乾燥後、800 ℃において2時間仮焼し、再度ボールミ
ルにおいて48時間粉砕し、乾燥した。
【0014】こうして製造した粉末に、PVA(ポリビ
ニルアルコール)を1重量%加え、98MPa の圧力におい
て直径18mm、厚さ2mmの円板に成形し、1250℃において
2時間、鉛雰囲気調整下で焼結した。得られた焼結体を
切削加工し、直径15mm、厚さ1mmのペレットを形成し
た。
【0015】このペレットの両面に常法により銀電極を
焼付け、4kVの印加電圧において 100℃のシリコンオイ
ル中で30分間分極処理を行い、圧電ペレットを得た。
【0016】得られたそれぞれの圧電ペレットの比誘電
率(εr ) 、電気機械結合係数(Kp)、キューリー温
度(Tc),三点曲げ強度(σ3b)を測定し、その結果
を以下の表1及び図1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1及び図1より明らかなように、Laの
添加量の増加に伴い、Kp及びTcが低下する。しか
し、La添加量 0.5%、すなわちZ=0.005 付近におい
てεrが最大になった。
【0019】圧電体を自動車用等へのアクチュエータ及
び超音波発振子等に応用することを考慮する場合、Kp
は60以上、εr は3000以上であることが必要である。こ
のような条件を満たすzの範囲は、図1より0≦z≦0.
01である。しかし、アクチュエータにおいては、圧電体
は10〜30MPaの高荷重において用いられることがあ
り、従って圧電体の三点曲げ強度(σ3b、φ15、t=0.5m
m のペレットにおけるスパン10mmの3点曲げ強度)が70
MPa 以上及び機械的品質係数(Kp)が50以上であるこ
とが必要である。この条件を満たさないと、アクチュエ
ータの繰り返し作動耐久時において自発分極の90度方向
へのスイッチングや、繰り返し応力の負荷によるクラッ
クの発生が起こる。又、結晶構造はできるだけ小さいこ
とが有利である。このような条件を満足するため、La
の量、すなわちzの範囲として0<z≦0.01が選択され
る。
【0020】次に、Laの量を0.5 %、すなわちz=0.
05にし、以下の表2に示す量を与えるような量のSb2
5 を用い、その他は前記と同様にして圧電ペレットを
製造した。この圧電ペレットの特性を測定し、その結果
を表2及び図2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】KpはSbの添加量、すなわちbが0.02〜
0.025 付近において、またεr は0.025 においてそれぞ
れ最大を示した。図2より、前記の条件、すなわちKp
60以上、εr 3000以上を示す範囲として、0.005 ≦b<
0.03が選択される。
【0023】一方、Tcはb>0.02の範囲においては20
0 ℃を下回るが、用途によっては(例えば冷却機構)、
このようなキューリー点を有するものでも選択可能であ
るため、このようなTcの低下はSbの量を制限するも
のではない。前記と同様に圧電体をアクチュエータとし
て用いる際の条件を考慮すると、Sbの量、すなわちb
の範囲は0.005 ≦b≦0.03であることが必要である。
【0024】
【発明の効果】本発明の圧電材料組成物は、従来の圧電
材料組成物と比べ、比誘電率、三点曲げ強度、機械的品
質係数が大幅に向上し、従ってアクチュエータや超音波
発振子等に用いるに最適である。また、本発明の圧電材
料組成物は、従来の材料に比べ、圧電体における変位量
が約20%向上し、駆動電圧を20%低下させることができ
るため、駆動用電源容量を小さくすることができ、従っ
て低コスト化、小型計量化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】La添加量変化による圧電体の特性変化を示す
グラフである。
【図2】Sb添加量変化による圧電体の特性変化を示す
グラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式により表される組成: Pb1-x-y-z Srx Bay Laz (Zra Ti1-a-b b )O3 (上式において、0.09≦x≦0.13、 0.01≦y≦0.04 0<z≦0.01 0.540<a≦0.555 、 0.005≦b≦0.03であり MはSb又はNbである) を有することを特徴とする圧電材料組成物。
JP5217537A 1993-09-01 1993-09-01 圧電材料組成物 Pending JPH0769723A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04260662A (ja) * 1991-02-08 1992-09-16 Toyota Motor Corp 圧電セラミックス組成物
JPH04262581A (ja) * 1991-02-18 1992-09-17 Toyota Motor Corp 積層型圧電素子
JPH0524846A (ja) * 1991-07-25 1993-02-02 Hitachi Metals Ltd 圧電磁器組成物
JPH05163063A (ja) * 1991-06-26 1993-06-29 Mitsubishi Kasei Corp アクチュエータ用圧電セラミック組成物

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