JP2825029B2 - 圧電セラミックス組成物 - Google Patents

圧電セラミックス組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電セラミックス組成物
に関し、さらに詳しく述べると、例えば圧電アクチュエ
ータなどのような圧電素子において有利に用いることが
できる圧電セラミックス組成物に関する。本発明による
圧電セラミックス組成物は、従来の圧電セラミックス組
成物に比較して、圧電特性及びキュリー温度の両面にお
いてすぐれている。
【0002】
【従来の技術】圧電材料、すなわち、圧電セラミックス
組成物についての研究はかなり以前から行われており、
また、したがって、かかる圧電セラミックス組成物を利
用した製品は多岐にわたりかついろいろな分野で広く用
いられている。圧電セラミックス組成物を利用した製品
としては、例えば、セラミックフィルタ、ガラス遅延
線、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニッ
ト、超音波モータ、圧電ファン、圧電センサ、そして圧
電アクチュエータなどをあげることができる。ここで、
圧電アクチュエータは、圧電現象を介して発生する変位
や力を機械的駆動源として利用するものであり、特に最
近、メカトロニクスの分野において注目されているもの
の1つである。圧電アクチュエータは、圧電効果を利用
した固体素子であるので、磁性体にコイルを巻いた構成
の従来の電磁式アクチュエータと比較して、消費電力が
少ない、応答速度が速い、変位量が大きい、発熱が少な
い、寸法及び重量が小さい、などのすぐれた特徴を有し
ている。
【0003】ところで、上述のような圧電素子に用い得
るものとして、いろいろなタイプの圧電セラミックス組
成物が公知である。すなわち、昭和35年に発行された
特許第275421号に記載される如きPZT系セラミックス
(PbTiO3-PbZrO3系固溶体)に単純酸化物を添加する技術
からはじまって、数多くの圧電セラミックス組成物が特
許文献から公知である。例えば、米国特許第 2,911,370
号は、PZT系セラミックスに対して、ニオブ(N
b)、タンタル(Ta)、希土類金属等の元素を添加し
たりPbの一部をストロンチウム(Sr)、カルシウム
(Ca)等のアルカリ土類金属の元素に置き換えたりし
て、得られるセラミックス組成物の圧電定数及び誘電率
を高めることを教示している。また、特開昭62−298192
号公報は、アクチュエータ素子に用いられている圧電磁
器組成物として、Pb(Zr x Ti y )O3なる基本組成を有す
るものを教示するとともに、記載の組成物は、アクチュ
エータ用材料として使用可能な圧電歪定数を有し、かつ
誘電損失が極めて小さいものであると報告している。な
お、特開昭62−298192号公報に記載の圧電磁器組成物
は、組成式中のxとyの和が1であり、0.54≦x≦0.57
であり、Pb 原子の10〜15モル%をCa, Sr及びBa の少
なくとも一種で置換し、これにSb を、Sb2O3 に換算し
て0.3〜3.0重量%含有せしめたものであり、かつMn,
Cr,Feの少なくとも一種をそれぞれMnO2, Cr2O3, Fe2O3
に換算して0.05〜1.0重量%含有せしめたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】圧電セラミックス組成
物は、もしもそれを例えば圧電アクチュエータなどのよ
うな圧電歪を利用した素子において利用するのであるな
らば、より大きな圧電特性を有することが望ましい。ま
た、もしもこの圧電アクチュエータを自動車等の部品と
して利用するのであるならば、使用温度が 150℃近くに
まで上昇することから、分極劣化の目安であるキュリー
温度は 200℃以上であることが必要である。しかし、従
来の圧電セラミックス組成物において、圧電特性が大き
く、しかもキュリー温度が高い材料は皆無である。例え
ば、先に述べた従来の技術のセラミックス組成物は、い
ずれも 200℃以下のキュリー温度を示すので、自動車用
として高温部で使用することが困難である。
【0005】本発明の目的は、したがって、圧電特性及
びキュリー温度の両面においてすぐれた圧電セラミック
ス組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく鋭意研究の結果、PZT系セラミック
ス、すなわち、PbTiO3-PbZrO3 系固溶体にSr, Ba, Sbの
3種の元素を同時に添加することによってセラミックス
組成物を構成するのが有効であるという知見を得、本発
明を完成するに至った。
【0007】本発明は、次式により表される組成: Pb0.89-xSr0.11Bax (Zr a Tib Sbc )O3 (上式において、0.01≦x≦0.04、 0.545 ≦a≦0.555 、 0.435 ≦b≦0.445 、そして 0.005 ≦c≦0.015 であり、但し、a,b及びcの和は
1である)を有していることを特徴とする圧電セラミッ
クス組成物にある。
【0008】本発明による圧電セラミックス組成物は、
今までの圧電セラミックス組成物には認められないすぐ
れた特性、例えば、3500以上の比誘電率εr 、70以上の
電気機械結合係数Kp、 200℃以上のキュリー温度Tc
、そして 600×10-12 m/V以上の圧電定数d33を有
している。本発明による圧電セラミックス組成物は、前
記した通り、特に自動車の圧電アクチュエータ用とし
て、そしてその他の圧電素子用としても、有利に利用す
ることができる。例えば圧電アクチュエータは、公知な
技法を用いて、例えば、圧電セラミックスの薄板を2枚
貼り合わせてバイモルフ型構造とすることにより、ある
いは圧電セラミックスの薄板を数10〜数 100枚積層しか
つ、その際、その1枚1枚を厚み方向の分極が逆になる
ように交互に積層固着して積層型構造とすることによ
り、製造することができる。
【0009】
【作用】PbTiO3-PbZrO3系固溶体にSb を添加すると電
気機械結合定数(いわゆるK定数)や比誘電率が向上す
ることが知られており、また、PbTiO3-PbZrO3 系固溶体
のPb をSr で置換することにより比誘電率が向上する
ことも知られている。しかし、先にも述べたように、今
まで提案されている圧電セラミックス組成物において
は、特に自動車用圧電アクチュエータに適した圧電特性
を奏するもの、すなわち、圧電定数とキュリー温度がと
もに高いものは全く見あたらない。この理由として、各
添加元素単体の圧電特性に及ぼす効果は既に知られてい
るけれども、そのような元素が複合して添加された場
合、それによって導かれる効果がまだ明確になっていな
いことが考えられる。
【0010】本発明者は、特に自動車用圧電アクチュエ
ータに適した圧電特性を有するセラミックス組成物を提
供すべく研究していく過程で、 PbTiO3-PbZrO3系固溶体
にSb を添加すると、Sb 添加量が0.5〜1.5モル%の
間にある時にK定数のピークを得ることができること、
そしてまた、Sr を添加すると比誘導率が向上するとい
うこと、さらにまた、この固溶体にBa を1〜4モル%
の量で添加すると、Sb 又はSr を単独で添加するより
も比誘電率を大いに向上することができるということ、
を見い出した。また、本発明者は、Sr, Ba, Sbを記載の
量で同時に添加した場合、得られるセラミックス組成物
のキュリー温度が 200℃以上と顕著に向上するというこ
とも見い出した。
【0011】
【実施例】以下、本発明をその実施例及び比較例につい
て説明する。なお、比較例では、以下に記載するよう
に、Sr, Ba及びSb のうち2種類を添加した。例 1 組成(Pb0.89-x Sr0.11Bax )(Zr0.55Ti0.44Sb0.11)O3
有する圧電体とその特性評価 PbO, ZrO2, TiO2, SrCO3, BaCO3 、そしてSb2O5 を原料
として使用した。これらの原料の粉末を、(Pb0.89-x Sr
0.11Bax )(Zr0.55Ti0.44Sb0.01)O3(x =0,1,2,
3,4又は5モル%)となるように秤量した後、ボール
ミルで48時間にわたって湿式混合した。次いで、これを
乾燥した後、 800℃で8時間にわたって仮焼し、再び48
時間にわたって湿式混合し、粉砕し、そして乾燥した。
このようにして得られた圧電原料に1重量%のPVA
(ポリビニルアルコール)を加え、98MPaの圧力下に円
板形に成形した後、1250℃で2時間にわたって焼成して
直径15mm及び厚さ1mmの円板を得た。標記の組成を有す
る圧電体(圧電セラミックス)が得られた。
【0012】得られた圧電体の電気特性を評価するた
め、圧電体に銀電極を取り付け、 100℃で50KV/cmの印
加電圧下にシリコンオイル中で30分間にわたって分極処
理した。次いで、この分極処理後の圧電体の電気特性を
インピーダンスアナライザで測定し、評価した。なお、
本例で実施した評価項目は、以下の表1に示されるよう
に、比誘電率εr 、電気機械結合係数(K定数)Kp及
びK33、キュリー温度Tc 、そして圧電定数d33であっ
た。そして、評価項目のデータから、TC>200 ℃及び
33>66で自動車の圧電アクチュエータ用として有効と
考えられるものを○ (可) で評価し、一方、○の範囲か
ら外れるものを△(不可) 及び×(不良)の2段階で評
価した。得られた評価結果を以下の表1に示すが、この
表から、Ba の添加量は1〜4%の範囲が好ましいこと
が理解される。例 2 組成(Pb0.87Sr0.11Ba0.02)(Zr0.55Ti0.45-x Sbx )O3
有する圧電体とその特性評価 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、(Pb
0.87Sr0.11Ba0.02)(Zr0 .55Ti0.44-x Sb x )O3(x=0,
1又は2モル%)となるように原料粉末を秤量した。得
られた評価結果を以下の表2に示すが、この表から、S
b の添加量は1モル%が好ましいことが理解される。例 3 組成(Pb0.89-x Srx Ba0.02)(Zr0.55Ti0.44Sb0.01)O3
有する圧電体とその特性評価 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、(Pb
0.89-x Srx Ba0.02)(Zr 0.55Ti0.44Sb0.01)O3(x=10,1
1又は12モル%)となるように原料粉末を秤量した。得
られた評価結果を以下の表3に示すが、この表から、S
r の添加量は11モル%が好ましいことが理解される。比較例1 組成(Pb0.89Sr0.11)(Zr0.55Ti0.45-x Sbx )O3 を有する
圧電体とその特性評価 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、比較
のため、Pb0.89Sr0.11(Zr0.55Ti0.44-x Sbx )O3(x=
0,1,2又は3モル%)となるように原料粉末を秤量
した。得られた評価結果を以下の表4に示すが、この表
から、いずれの場合にも満足し得る結果が得られなかっ
たことが理解される。比較例2 組成Pb1-x Srx (Zr0.55Ti0.44Sb0.01)O3を有する圧電体
とその特性評価 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、比較
のため、Pb1-x Srx (Zr0.55Ti0.44Sb0.01)O3(x=10,11
又は12モル%)となるように原料粉末を秤量した。得ら
れた評価結果を以下の表5に示すが、この表から、いず
れの場合にも満足し得る結果が得られなかったことが理
解される。比較例3 組成Pb1-x Bax (Zr0.55Ti0.44Sb0.01)O3を有する圧電体
とその特性評価 前記例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、比較
のため、Pb1-x Brx (Zr0.55Ti0.44Sb0.01)O3( x=1,
2,3,4又は5モル%)となるように原料粉末を秤量
した。得られた評価結果を以下の表6に示すが、この表
から、いずれの場合にも満足し得る結果が得られなかっ
たことが理解される。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
【表5】
【0018】
【表6】
【0019】
【発明の効果】PbTiO3-PbZrO3 系圧電体を自動車部品と
して使用する場合、エンジン周辺部等の高温部での使用
が考えられる。ここでもしも冷却を行っても、 100℃以
上の場合になる可能性が大きく、圧電体の実使用領域を
考慮すると、材料のキュリー温度は 200℃以上が必要と
考えられる。本発明では、以上に詳述したように、キュ
リー温度を 200℃以上とすることにより、エンジン周辺
部分の高温部での使用が可能となる。また、したがっ
て、冷却の必要を少なくすることができる。さらにま
た、アクチュエータとして使用する場合、圧電定数が大
きいため、歪が大きく、積層枚数が小さくすみ、コンパ
クトにできる。加えて、一定電圧下での歪が大きいため
に、使用電圧を小さくすることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式により表される組成: Pb0.89-xSr0.11Bax (Zr a Tib Sbc )O3 (上式において、0.01≦x≦0.04、 0.545 ≦a≦0.555 、 0.435 ≦b≦0.445 、そして 0.005 ≦c≦0.015 であり、但し、a,b及びcの和は
    1である)を有していることを特徴とする圧電セラミッ
    クス組成物。
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