JPH04262581A - 積層型圧電素子 - Google Patents
積層型圧電素子Info
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- JPH04262581A JPH04262581A JP3023044A JP2304491A JPH04262581A JP H04262581 A JPH04262581 A JP H04262581A JP 3023044 A JP3023044 A JP 3023044A JP 2304491 A JP2304491 A JP 2304491A JP H04262581 A JPH04262581 A JP H04262581A
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Landscapes
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- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層型圧電素子に関する
。本発明の圧電素子においては、素子の中心部から周辺
部にかけての素子駆動時の温度勾配による発生歪量の変
化がないので、素子内部における応力の発生を防止でき
る。本発明の圧電素子は、したがって、圧電アクチュエ
ータなどとしていろいろな分野で、例えばインクジェッ
トプリンタ、VTRの磁気ヘッド、電子顕微鏡あるいは
光学顕微鏡のスキャナー、半導体製造装置の微小位置決
め機構などにおいて、有利に利用することができる。
。本発明の圧電素子においては、素子の中心部から周辺
部にかけての素子駆動時の温度勾配による発生歪量の変
化がないので、素子内部における応力の発生を防止でき
る。本発明の圧電素子は、したがって、圧電アクチュエ
ータなどとしていろいろな分野で、例えばインクジェッ
トプリンタ、VTRの磁気ヘッド、電子顕微鏡あるいは
光学顕微鏡のスキャナー、半導体製造装置の微小位置決
め機構などにおいて、有利に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】積層型圧電素子は、周知の通り、PbT
iO3−PbZrO3系セラミックス(以下、PZTと
記す)からなる板状の圧電体と内部電極とを交互に積層
及び一体化して構成したもので、圧電体の積層枚数は数
10枚から数100 枚の広範囲に及ぶ。また、圧電体
の形状を本願明細書ではまとめて“板状”なる語で記載
するけれども、この語には薄膜からシート、板までいろ
いろな厚さのものが含まれることを理解されたい。かか
る積層型圧電素子は、微小変位を高速かつ高精度で制御
できる、小型軽量化がはかれる、低消費電力である、発
熱や雑音の発生が少ない、等の多くの特長を有している
。
iO3−PbZrO3系セラミックス(以下、PZTと
記す)からなる板状の圧電体と内部電極とを交互に積層
及び一体化して構成したもので、圧電体の積層枚数は数
10枚から数100 枚の広範囲に及ぶ。また、圧電体
の形状を本願明細書ではまとめて“板状”なる語で記載
するけれども、この語には薄膜からシート、板までいろ
いろな厚さのものが含まれることを理解されたい。かか
る積層型圧電素子は、微小変位を高速かつ高精度で制御
できる、小型軽量化がはかれる、低消費電力である、発
熱や雑音の発生が少ない、等の多くの特長を有している
。
【0003】しかし、従来の積層型圧電素子の場合、素
子の駆動時にその素子の中心部と周辺部にかけて温度勾
配が発生することが屡々であり、もしも温度勾配が存在
すると、素子内部で歪の発生にばらつきが生じ、応力発
生の原因となる。この積層型圧電素子の温度勾配に原因
する発生歪のばらつきに対する対策として、いくつかの
方法が考えられている。一般的な方法は、圧電素子に各
種のセンサを組み合わせて、測定された温度勾配につい
てのデータを駆動電源にフィードバックする方法である
。もう1つの方法は、例えば特開昭63−169777
号公報に記載されているように、駆動時に発生する歪の
温度依存性が異なる少くとも2種の電歪式変位素子ユニ
ットから積層型圧電素子を構成する方法である。さらに
もう1つの方法は、公開技法第88−05838 号及
び同第88−05839 号に記載されているように、
圧電素子に放熱部を設けて発熱を抑制する方法である。
子の駆動時にその素子の中心部と周辺部にかけて温度勾
配が発生することが屡々であり、もしも温度勾配が存在
すると、素子内部で歪の発生にばらつきが生じ、応力発
生の原因となる。この積層型圧電素子の温度勾配に原因
する発生歪のばらつきに対する対策として、いくつかの
方法が考えられている。一般的な方法は、圧電素子に各
種のセンサを組み合わせて、測定された温度勾配につい
てのデータを駆動電源にフィードバックする方法である
。もう1つの方法は、例えば特開昭63−169777
号公報に記載されているように、駆動時に発生する歪の
温度依存性が異なる少くとも2種の電歪式変位素子ユニ
ットから積層型圧電素子を構成する方法である。さらに
もう1つの方法は、公開技法第88−05838 号及
び同第88−05839 号に記載されているように、
圧電素子に放熱部を設けて発熱を抑制する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】積層型圧電素子の温度
分布により発生歪が場所場所で異なることに対する上記
した対策は、しかし、依然として改良の余地を残してい
る。例えば、圧電素子に各種のセンサを組み合わせる方
法はシステムが複雑となり、取り扱い及び経費の両面か
ら不都合である。また、少くとも2種の電歪式変位素子
ユニットを積層する方法は、発生歪の温度依存性が有意
に低減されるというものの、素子の軸に垂直な方向に対
して効果がない。そしてまた、圧電素子に放熱部を併設
する方法は、温度分布を小さくすることはできるという
もののこれを解消するまでに至らず、また、放熱部の大
きさに相当する分だけ素子のサイズが大きくなること等
の問題を回避することができない。
分布により発生歪が場所場所で異なることに対する上記
した対策は、しかし、依然として改良の余地を残してい
る。例えば、圧電素子に各種のセンサを組み合わせる方
法はシステムが複雑となり、取り扱い及び経費の両面か
ら不都合である。また、少くとも2種の電歪式変位素子
ユニットを積層する方法は、発生歪の温度依存性が有意
に低減されるというものの、素子の軸に垂直な方向に対
して効果がない。そしてまた、圧電素子に放熱部を併設
する方法は、温度分布を小さくすることはできるという
もののこれを解消するまでに至らず、また、放熱部の大
きさに相当する分だけ素子のサイズが大きくなること等
の問題を回避することができない。
【0005】本発明の目的は、したがって、素子の中心
部から周辺部にかけての素子駆動時の温度勾配(温度分
布)による発生歪量の変化が不存在であるような改良さ
れた積層型圧電素子を提供することにある。
部から周辺部にかけての素子駆動時の温度勾配(温度分
布)による発生歪量の変化が不存在であるような改良さ
れた積層型圧電素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、本発明
によれば、発明が解決しようとする課題の項において説
明した従来の技術の問題点を伴なわないで、達成するこ
とができる。本発明は、PbTiO3−PbZrO3系
セラミックスからなる板状の圧電体と内部電極とを交互
に積層及び一体化してなる積層型圧電素子であって、前
記圧電体が、それぞれ、PbTiO3−PbZrO3系
セラミックスに周期表第IIA族、第Va 族又は第V
b 族に属する金属M* の少くとも1種を添加したも
のからなり、その際、前記金属Mの濃度は、圧電体の中
心部から周辺部に向かって徐々に増加しているかもしく
は減少している勾配せる濃度分布を有していることを特
徴とする積層型圧電素子にある。
によれば、発明が解決しようとする課題の項において説
明した従来の技術の問題点を伴なわないで、達成するこ
とができる。本発明は、PbTiO3−PbZrO3系
セラミックスからなる板状の圧電体と内部電極とを交互
に積層及び一体化してなる積層型圧電素子であって、前
記圧電体が、それぞれ、PbTiO3−PbZrO3系
セラミックスに周期表第IIA族、第Va 族又は第V
b 族に属する金属M* の少くとも1種を添加したも
のからなり、その際、前記金属Mの濃度は、圧電体の中
心部から周辺部に向かって徐々に増加しているかもしく
は減少している勾配せる濃度分布を有していることを特
徴とする積層型圧電素子にある。
【0007】本発明の積層型圧電素子において、内部電
極とともに交互に積層されるべき圧電体は、前記した通
り、薄膜からシート、板までの任意の厚さを有するもの
であり、また、その形状も、矩形板、円板、角柱、円柱
等、任意であることができる。この圧電体の形状に応じ
て、得られる圧電素子の形態も任意に変更可能である。
極とともに交互に積層されるべき圧電体は、前記した通
り、薄膜からシート、板までの任意の厚さを有するもの
であり、また、その形状も、矩形板、円板、角柱、円柱
等、任意であることができる。この圧電体の形状に応じ
て、得られる圧電素子の形態も任意に変更可能である。
【0008】また、圧電体は、通常、PbTiO3−P
bZrO3系セラミックス(PZT)に金属M* の少
くとも1種を添加したxPZT+yM* (x+y=1
)なる組成で用いられるけれども、必要に応じて、得ら
れる圧電体に対して別の特性を付与するため、金属M*
に加えて別の金属M**を副成分として添加して、x
PZT+yM* +zM**(x+y+z=1)なる組
成としてもよい。
bZrO3系セラミックス(PZT)に金属M* の少
くとも1種を添加したxPZT+yM* (x+y=1
)なる組成で用いられるけれども、必要に応じて、得ら
れる圧電体に対して別の特性を付与するため、金属M*
に加えて別の金属M**を副成分として添加して、x
PZT+yM* +zM**(x+y+z=1)なる組
成としてもよい。
【0009】内部電極は、この技術分野において一般的
に用いられるように、例えば銀ペースト、白金ペースト
などの導体ペーストをスクリーン印刷等の手法で適用す
ることにより、薄膜の形で、すなわち、内部電極層とし
て形成するのが好ましい。本発明は、そのもう1つの面
において、上述のような積層型圧電素子を製造する方法
であって、下記の工程:PbTiO3−PbZrO3系
セラミックスに周期表第IIA族、第Va 族又は第V
b 族に属する金属M* の少くとも1種を添加したも
のであってそれぞれ金属M* の含有量を異にする複数
種類の出発セラミックス材料を調製し、前記出発セラミ
ックス材料から板状の圧電体を成形し、その際、得られ
る圧電体の中心部から周辺部に向かって前記金属M*
の濃度が徐々に増加しているかもしくは減少している勾
配せる濃度分布が得られるように、前記出発セラミック
ス材料を前記金属M* の含有量に応じて使い分けて成
形機に適用し、得られた圧電体と別に調製した内部電極
とを交互に積層して一体化すること、を含んでなること
を特徴とする積層型圧電素子の製造方法にある。
に用いられるように、例えば銀ペースト、白金ペースト
などの導体ペーストをスクリーン印刷等の手法で適用す
ることにより、薄膜の形で、すなわち、内部電極層とし
て形成するのが好ましい。本発明は、そのもう1つの面
において、上述のような積層型圧電素子を製造する方法
であって、下記の工程:PbTiO3−PbZrO3系
セラミックスに周期表第IIA族、第Va 族又は第V
b 族に属する金属M* の少くとも1種を添加したも
のであってそれぞれ金属M* の含有量を異にする複数
種類の出発セラミックス材料を調製し、前記出発セラミ
ックス材料から板状の圧電体を成形し、その際、得られ
る圧電体の中心部から周辺部に向かって前記金属M*
の濃度が徐々に増加しているかもしくは減少している勾
配せる濃度分布が得られるように、前記出発セラミック
ス材料を前記金属M* の含有量に応じて使い分けて成
形機に適用し、得られた圧電体と別に調製した内部電極
とを交互に積層して一体化すること、を含んでなること
を特徴とする積層型圧電素子の製造方法にある。
【0010】この方法の実施において、出発セラミック
ス材料の調製は、金属M* の含有量が所望のものとな
るような形で原料(PbO、他)を秤量し、混合するこ
とによって行うことができる。混合後、得られた混粉を
乾燥し、仮焼し、再び粉砕及び乾燥する。このようにし
て得られる出発セラミックス材料は粉末状、顆粒状など
であり、xPZT+yM* (x+y=1)なる組成で
yの値を異にする。
ス材料の調製は、金属M* の含有量が所望のものとな
るような形で原料(PbO、他)を秤量し、混合するこ
とによって行うことができる。混合後、得られた混粉を
乾燥し、仮焼し、再び粉砕及び乾燥する。このようにし
て得られる出発セラミックス材料は粉末状、顆粒状など
であり、xPZT+yM* (x+y=1)なる組成で
yの値を異にする。
【0011】次いで、この出発セラミックス材料を一軸
プレス、ホットプレス等の成形機を用いて成形し、積層
型圧電素子用の板状の圧電体を形成する。この成形の際
に、圧電体の中心部から周辺部に向かって金属M* の
含有量の少ないものから多いものへと、あるいはその反
対に金属M* の含有量の多いものから少ないものへと
、圧電体内のM* の含有量に勾配をもたせる。また、
前記したように、圧電体の特性に変化をもたせるために
追加の金属M**の任意量を添加してもよい。
プレス、ホットプレス等の成形機を用いて成形し、積層
型圧電素子用の板状の圧電体を形成する。この成形の際
に、圧電体の中心部から周辺部に向かって金属M* の
含有量の少ないものから多いものへと、あるいはその反
対に金属M* の含有量の多いものから少ないものへと
、圧電体内のM* の含有量に勾配をもたせる。また、
前記したように、圧電体の特性に変化をもたせるために
追加の金属M**の任意量を添加してもよい。
【0012】上記のようにして圧電体を成形した後、圧
電体と内部電極とを交互に積層して一体化する。この際
、圧電体を予め焼成して焼結体としてもよく、あるいは
、積層の完了後に全体を焼成して焼結体としてもよく、
あるいはこれらの両方の方法を併用してもよい。積層一
体化後、外部電極の接続を行って一連の圧電素子の製造
工程を完了する。
電体と内部電極とを交互に積層して一体化する。この際
、圧電体を予め焼成して焼結体としてもよく、あるいは
、積層の完了後に全体を焼成して焼結体としてもよく、
あるいはこれらの両方の方法を併用してもよい。積層一
体化後、外部電極の接続を行って一連の圧電素子の製造
工程を完了する。
【0013】
【作用】積層型圧電素子は、通常、図1に断面で図示す
るように構成される。すなわち、素子10の大半は便宜
上省略されているけれども、板状圧電体1と層状の内部
電極2とが交互に積層されて一体化構造体を構成してい
る。なお、図示していないが、この素子10にはさらに
外部電極が付設される。
るように構成される。すなわち、素子10の大半は便宜
上省略されているけれども、板状圧電体1と層状の内部
電極2とが交互に積層されて一体化構造体を構成してい
る。なお、図示していないが、この素子10にはさらに
外部電極が付設される。
【0014】ところで、積層型圧電素子を構成する圧電
体は特異な温度特性を有しており、図2に示されるよう
に、温度の上昇とともに圧電特性が上昇する。このよう
に圧電体の圧電特性には温度依存性があるので、通常の
場合、温度変化に対する特性変化が急すぎる部分を避け
る目的で、図2のAで示される部分(ほぼ平坦部)の温
度が利用されている。しかし、圧電体は、素子駆動時、
それによる発熱の結果として、図3に略示されるように
圧電体1の中央部と周辺部の間で明確な温度分布(図示
の例では約50℃)を生じてしまう。このような温度分
布は、理解されるように、それぞれの圧電体における圧
電特性の不所望な分布をひきおこし、よって、圧電体内
部で歪の発生にばらつきを生じる。このようを発生歪の
分布を示したものが図4である。このような発生歪の分
布は応力発生の原因となり、ひいては圧電体の割れにつ
ながる。
体は特異な温度特性を有しており、図2に示されるよう
に、温度の上昇とともに圧電特性が上昇する。このよう
に圧電体の圧電特性には温度依存性があるので、通常の
場合、温度変化に対する特性変化が急すぎる部分を避け
る目的で、図2のAで示される部分(ほぼ平坦部)の温
度が利用されている。しかし、圧電体は、素子駆動時、
それによる発熱の結果として、図3に略示されるように
圧電体1の中央部と周辺部の間で明確な温度分布(図示
の例では約50℃)を生じてしまう。このような温度分
布は、理解されるように、それぞれの圧電体における圧
電特性の不所望な分布をひきおこし、よって、圧電体内
部で歪の発生にばらつきを生じる。このようを発生歪の
分布を示したものが図4である。このような発生歪の分
布は応力発生の原因となり、ひいては圧電体の割れにつ
ながる。
【0015】本発明者は、このたび、PbTiO3−P
bZrO3系セラミックス(PZT) に特定の金属M
* を添加する場合、その添加量の多少を調節すること
によって圧電体の圧電特性の温度依存性を任意にコント
ロールし得るということを見い出した。すなわち、図5
に示されるように、金属M* の添加量の違いにより、
温度歪曲線を左右に移動することができる。したがって
、本発明では、図6に示されるように、PZTからなる
圧電体1(ここでは圧電体ペレットとして使用)に対す
る金属M* の段階添加を提案する。図6の例では、図
6(A)に示されるように金属M* の添加量を小(中
心部)、中(中間部)及び大(周辺部)の3段階に区分
した。この金属M* の含有量の圧電体内分布を圧電体
成形時についてみると図6(B)の通りであり、また、
焼成後についてみると図6(C)の通りである。すなわ
ち、焼成後、圧電体内の金属M* の濃度において勾配
を得ることができる。このような金属M* 含有の圧電
体を使用した場合、今まで予想もされなかったことであ
るが、素子の駆動時に中心部から周辺部にかけて温度勾
配が生じるにもかかわらず、発生する歪量は図7に示さ
れるように中心部と周辺部で差が生じない。
bZrO3系セラミックス(PZT) に特定の金属M
* を添加する場合、その添加量の多少を調節すること
によって圧電体の圧電特性の温度依存性を任意にコント
ロールし得るということを見い出した。すなわち、図5
に示されるように、金属M* の添加量の違いにより、
温度歪曲線を左右に移動することができる。したがって
、本発明では、図6に示されるように、PZTからなる
圧電体1(ここでは圧電体ペレットとして使用)に対す
る金属M* の段階添加を提案する。図6の例では、図
6(A)に示されるように金属M* の添加量を小(中
心部)、中(中間部)及び大(周辺部)の3段階に区分
した。この金属M* の含有量の圧電体内分布を圧電体
成形時についてみると図6(B)の通りであり、また、
焼成後についてみると図6(C)の通りである。すなわ
ち、焼成後、圧電体内の金属M* の濃度において勾配
を得ることができる。このような金属M* 含有の圧電
体を使用した場合、今まで予想もされなかったことであ
るが、素子の駆動時に中心部から周辺部にかけて温度勾
配が生じるにもかかわらず、発生する歪量は図7に示さ
れるように中心部と周辺部で差が生じない。
【0016】
【実施例】例1
PbO, TiO2, ZrO2 、そして Nb2O
5の粉末をPb1−x Srx (Zr0.55Ti0
.44Nb0.01)O3となるように秤量し、これら
の粉末をボールミルにて24時間混合した。なお、上記
組成式のxは10.5モル%、11モル%又は11.5
モル%とした。得られた混粉を乾燥した後、 800℃
で5時間仮焼し、再びボールミルにて混合し、乾燥した
。
5の粉末をPb1−x Srx (Zr0.55Ti0
.44Nb0.01)O3となるように秤量し、これら
の粉末をボールミルにて24時間混合した。なお、上記
組成式のxは10.5モル%、11モル%又は11.5
モル%とした。得られた混粉を乾燥した後、 800℃
で5時間仮焼し、再びボールミルにて混合し、乾燥した
。
【0017】上記のようにして得られたSr 量を異に
する圧電材料から直径15mmの積層型圧電素子用圧電
体ペレット(図6参照)を製造した。圧電材料を、中心
部のSr =10.5モル%、中間部のSr =11モ
ル%及び周辺部のSr =11.5モル%となるように
型に配置して一軸プレスを用いて成形し、これを125
0℃で焼成して焼結体とした。この焼結体を所定の厚み
に研摩し、両面にAg 電極をAg ペーストから印刷
焼付けた後、30kV/cmで分極し、積層型圧電素子
を構成した。この圧電素子について、電圧 500Vで
駆動時、素子端部から中心にかけての変位量を表面粗さ
計を用いて測定したところ、ほぼ一定(約0.4μm)
であることが確認された(図8参照)。 比較のため、Sr 量を固定した場合(Sr =11モ
ル%)の結果を「比較例」として示すが、変位量が一定
でないことが理解されるであろう。例2 PbO, TiO2, ZrO2, BaCO3, S
rCO3 、そして Sb2O5の粉末をPb0.89
−x Sr0.11Ba x (Zr0.55Ti0.
44Sb0.01)O3となるように秤量し、これらの
粉末をボールミルにて24時間混合した。なお、上記組
成式のxは1モル%、3モル%又は5モル%とした。得
られた混粉を乾燥した後、 800℃で5時間仮焼し、
再びボールミルにて混合し、乾燥した。
する圧電材料から直径15mmの積層型圧電素子用圧電
体ペレット(図6参照)を製造した。圧電材料を、中心
部のSr =10.5モル%、中間部のSr =11モ
ル%及び周辺部のSr =11.5モル%となるように
型に配置して一軸プレスを用いて成形し、これを125
0℃で焼成して焼結体とした。この焼結体を所定の厚み
に研摩し、両面にAg 電極をAg ペーストから印刷
焼付けた後、30kV/cmで分極し、積層型圧電素子
を構成した。この圧電素子について、電圧 500Vで
駆動時、素子端部から中心にかけての変位量を表面粗さ
計を用いて測定したところ、ほぼ一定(約0.4μm)
であることが確認された(図8参照)。 比較のため、Sr 量を固定した場合(Sr =11モ
ル%)の結果を「比較例」として示すが、変位量が一定
でないことが理解されるであろう。例2 PbO, TiO2, ZrO2, BaCO3, S
rCO3 、そして Sb2O5の粉末をPb0.89
−x Sr0.11Ba x (Zr0.55Ti0.
44Sb0.01)O3となるように秤量し、これらの
粉末をボールミルにて24時間混合した。なお、上記組
成式のxは1モル%、3モル%又は5モル%とした。得
られた混粉を乾燥した後、 800℃で5時間仮焼し、
再びボールミルにて混合し、乾燥した。
【0018】上記のようにして得られたBa 量を異に
する圧電材料から直径15mmの積層型圧電素子用圧電
体ペレット(図6参照)を製造した。圧電材料を、中心
部のBa =1モル%、中間部のBa =3モル%及び
周辺部のBa =5モル%となるように型に配置して一
軸プレスを用いて成形し、これを1250℃で焼成して
焼結体とした。この焼結体を所定の厚みに研摩し、両面
にAg 電極をAg ペーストから印刷焼付けた後、3
0kV/cmで分極し、積層型圧電素子を構成した。こ
の圧電素子について、電圧 500Vで駆動時、素子端
部から中心にかけての変位量を表面粗さ計を用いて測定
したところ、ほぼ一定(約0.8μm)であることが確
認された(図9参照)。比較のため、Ba 量を固定し
た場合(Ba =3モル%)の結果を「比較例」として
示すが、変位量が一定でないことが理解されるであろう
。
する圧電材料から直径15mmの積層型圧電素子用圧電
体ペレット(図6参照)を製造した。圧電材料を、中心
部のBa =1モル%、中間部のBa =3モル%及び
周辺部のBa =5モル%となるように型に配置して一
軸プレスを用いて成形し、これを1250℃で焼成して
焼結体とした。この焼結体を所定の厚みに研摩し、両面
にAg 電極をAg ペーストから印刷焼付けた後、3
0kV/cmで分極し、積層型圧電素子を構成した。こ
の圧電素子について、電圧 500Vで駆動時、素子端
部から中心にかけての変位量を表面粗さ計を用いて測定
したところ、ほぼ一定(約0.8μm)であることが確
認された(図9参照)。比較のため、Ba 量を固定し
た場合(Ba =3モル%)の結果を「比較例」として
示すが、変位量が一定でないことが理解されるであろう
。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、圧電体の組成を変更す
ることで発生歪に対する対策をとっているので、多くの
顕著な効果を得ることができる。例えば、圧電素子に冷
却部等を付設する必要がなく、したがって素子をコンパ
クトに構成することができる。また、発生歪が圧電体内
で均一になるので、発生する応力を均一に伝えることが
できるというメリットもある。さらにまた、発生歪が圧
電体内で均一になることにより、素子駆動時の応力分布
を低減し、素子の耐久性を向上することができる。
ることで発生歪に対する対策をとっているので、多くの
顕著な効果を得ることができる。例えば、圧電素子に冷
却部等を付設する必要がなく、したがって素子をコンパ
クトに構成することができる。また、発生歪が圧電体内
で均一になるので、発生する応力を均一に伝えることが
できるというメリットもある。さらにまた、発生歪が圧
電体内で均一になることにより、素子駆動時の応力分布
を低減し、素子の耐久性を向上することができる。
【図1】積層型圧電素子の構成を示した断面図である。
【図2】圧電特性の温度依存性を示したグラフである。
【図3】素子駆動時における圧電体の温度分布を示した
略示図である。
略示図である。
【図4】従来の圧電体における発生歪の分布を示した略
示図である。
示図である。
【図5】圧電特性の金属M* 量依存性を示したグラフ
である。
である。
【図6】圧電体における金属M* の段階添加を示した
略示図である。
略示図である。
【図7】本発明の圧電体における発生歪の分布を示した
略示図である。
略示図である。
【図8】圧電素子における変位量分布を示したグラフで
ある。
ある。
【図9】圧電素子における変位量分布を示したグラフで
ある。
ある。
1…板状圧電体
2…内部電極
10…積層型圧電素子
Claims (1)
- 【請求項1】 PbTiO3−PbZrO3系セラミ
ックスからなる板状の圧電体と内部電極とを交互に積層
及び一体化してなる積層型圧電素子であって、前記圧電
体が、それぞれ、PbTiO3−PbZrO3系セラミ
ックスに周期表第IIA族、第Va 族又は第Vb 族
に属する金属M* の少くとも1種を添加したものから
なり、その際、前記金属Mの濃度は、圧電体の中心部か
ら周辺部に向かって徐々に増加しているかもしくは減少
している勾配せる濃度分布を有していることを特徴とす
る積層型圧電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3023044A JPH04262581A (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 積層型圧電素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3023044A JPH04262581A (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 積層型圧電素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04262581A true JPH04262581A (ja) | 1992-09-17 |
Family
ID=12099458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3023044A Pending JPH04262581A (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 積層型圧電素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04262581A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0748172A (ja) * | 1993-08-05 | 1995-02-21 | Toyota Motor Corp | アクチュエータ用圧電材料組成物 |
JPH0769723A (ja) * | 1993-09-01 | 1995-03-14 | Toyota Motor Corp | 圧電材料組成物 |
US7876023B2 (en) * | 2006-07-04 | 2011-01-25 | Ngk Insulators, Ltd. | Piezoelectric/electrostrictive membrane sensor |
-
1991
- 1991-02-18 JP JP3023044A patent/JPH04262581A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0748172A (ja) * | 1993-08-05 | 1995-02-21 | Toyota Motor Corp | アクチュエータ用圧電材料組成物 |
JPH0769723A (ja) * | 1993-09-01 | 1995-03-14 | Toyota Motor Corp | 圧電材料組成物 |
US7876023B2 (en) * | 2006-07-04 | 2011-01-25 | Ngk Insulators, Ltd. | Piezoelectric/electrostrictive membrane sensor |
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