JP3095155B2 - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型圧電アクチュエ
ータに用いられる圧電素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁力を利用したアクチュエータ
に代わって、例えば特開昭62−291187号公報、
実開昭64−30865号公報などに開示されているよ
うに、圧電効果を利用した圧電アクチュエータが多用さ
れている。この圧電アクチュエータは発熱が少なく、ま
た小型で高速駆動が可能なため、各種の機械的駆動素子
として極めて有望である。ただ圧電効果による機械的変
位は本質的に極めて小さいので、大きな変位量を得るた
めに圧電板と電極板とを交互に多重に積層し絶縁保護層
で被覆された構造の圧電積層体として提供されている。
【0003】圧電板と電極板とを交互に積層する場合、
圧電板と電極板との導通を確実とすることが望ましい。
そこで特開昭60−121784号公報などには、圧電
板の両表面に導電性の銀ペーストなどからなる内部電極
層を形成した圧電素子が積層された圧電積層体が開示さ
れている。この内部電極層は、圧電板の表裏両面にスク
リーン印刷などで銀ペーストを付着させ、700〜80
0℃で焼成して形成される。そして室温〜150℃の雰
囲気中で内部電極層を介して圧電板に600〜1000
Vの電圧を印加し、分極して圧電素子とした後、電極板
と交互に積層して圧電積層体としている。また、積層後
に複数の圧電素子を同時に分極する方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧電積層体
に電圧を印加して駆動する場合、例えば高荷重・高電圧
の条件で駆動すると圧電体内にクラックが生じる場合が
あった。このようにクラックが生じそれが進行すると、
所望の変位量が得られなくなったり、短絡が生じたりす
る場合がある。なおこの原因としては、発生応力のばら
つき、温度のばらつきによる体積変化のばらつき、など
が考えられている。
【0005】本発明者らは、この駆動時のクラックの発
生原因について鋭意研究したところ、圧電板の反りも原
因の一つであることを見出した。すなわち圧電素子に僅
かな反りが生じていることが明らかとなり、荷重を付与
すると径方向及び周方向の引張り応力が圧電素子内部に
作用することが明らかとなったのである。圧電素子に反
りが無く平坦であればこのような応力は作用せず、クラ
ックも防止される。
【0006】そこで本発明者は圧電素子の反りの原因に
ついて研究を進めた結果、平坦に形成された圧電素子で
あっても分極時に反りが生じることを突き止めたのであ
る。例えば直径17mm、厚さ0.5mm、内部電極層
の直径15mmのPZTセラミックからなる圧電素子に
ついて、100℃のシリコンオイル中にて2kv/mm
の電圧を印加して20分間保持する分極処理を行うと、
プラス極側で中心部が約3μm凹んだ断面湾曲形状とな
ることが分かった。しかも圧電素子を積層する場合に
は、隣接する圧電素子の分極時の電圧の方向がプラス極
どうし及びマイナス極どうしを互いに対向するように積
層するのが通常である。また積層後に分極する場合は必
然的にこのようになる。したがって反りの生じた圧電素
子の凹部どうし及び凸部どうしが対向することとなり、
荷重付与時の変形量が大きくなるため、作用する応力も
大きくなっていることが明らかとなったのである。
【0007】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たものであり、分極後の圧電素子の反りを無くすことを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の圧電素子の製造方法は、一表面が凸状で他表面が凹
状の断面湾曲形状をなし厚さが一定の圧電板を形成し、
一表面及び他表面にそれぞれ電極を形成した後、一表面
側がプラス極他表面側がマイナス極となるように電圧を
印加して分極することを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の圧電素子の製造方法では、予め反った
断面湾曲形状に圧電板を形成し、その両表面に内部電極
層を形成後、凸形状の一表面がプラス極、凹形状の他表
面がマイナス極となるように電圧を印加して分極処理を
行う。するとプラス極側では凹みマイナス極側では出っ
張るような変形が生じるので、分極処理後の変形は処理
前の圧電板の反り形状と相殺され、得られる圧電素子は
ほぼ平坦な形状となる。
【0010】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)<原料調製工程>PbO:60重量部、Z
rO2 :22重量部、TiO2 :13重量部に、焼結助
剤としてのSrCO3:5重量部を加え、混粉装置中に
水35リットルと合わせて投入し、4時間粉砕した。そ
の後120℃で真空乾燥して圧電体原料を得た。 <成形工程>上記圧電体原料90重量部に対して、10
重量部のポリビニルアルコール水溶液(濃度3重量%)
を加えて混合した。これを乾燥させ、篩いに通した後造
粒を行った。得られた造粒粉を金型に2.5g投入し、
98MPaの面圧をかけて直径21mm、厚さ1mmの
円板状の成形体を得た。 <焼成工程>この成形体をるつぼに入れ、昇温速度30
0℃/hで1200℃まで加熱し、1200℃で2時間
保持して焼成した。 <加工工程>得られた焼成体を研削して外径を17mm
とした。さらに曲率半径18750mmの凸面及び凹面
をもつ砥石を用い、焼成体の両表面をそれぞれ研磨して
厚さが0.5mmの均一な圧電板を形成した。この曲率
半径18750mmは、直径15mmで約3μmの反り
に相当する。
【0011】得られた圧電板の模式的断面図を図2に示
す。この圧電板1は、一表面10が凸状で他表面11が
凹状の断面湾曲形状をなし、厚さは一定である。 <電極形成工程>この圧電板1を洗浄後乾燥し、スクリ
ーン印刷により銀ペーストを一表面10及び他表面11
の中央に直径15mmの円形に塗布し、500℃で30
分保持して焼き付けて図1に示すように一対の内部電極
層2,2’を形成した。 <分極工程>得られた圧電素子を100℃のシリコンオ
イル中に浸漬した状態で、図1に示すように一表面10
側がプラス極、他表面11側がマイナス極となるように
2kv/mmの電圧を印加し、20分間保持した。
【0012】得られた圧電素子の反りを測定したとこ
ろ、一表面10側及び他表面11側の両方とも平均で0
μmとなり、ほぼ平坦となっていた。なお、図1は電圧
印加前の状態を示している。 <耐久試験>上記で分極された圧電素子を、図4に示す
ように一表面10どうし及び他表面11どうしが対向す
るようにしてステンレス製電極板3と交互に積層し、公
知の方法で圧電積層体を形成した。圧電素子の積層枚数
は50枚である。電極板3からは均等に3方向へ舌片部
30が突出し、角度60度ずつずらせながら積層する。
そして軸方向に並んだ舌片部30を軸方向に延びる導電
リボン31で接続し、リード線を形成する。これにより
それぞれの圧電素子の一表面10と他表面11とは、そ
れぞれ同一極に接続可能となる。
【0013】この圧電積層体を、一表面10がプラス極
で他表面11がマイナス極となるように接続し、電圧:
0〜800V、プリセット面圧:28MPa、雰囲気温
度:25℃の条件で1×107 回作動させる耐久試験を
行った。耐久試験後のそれぞれの圧電素子について透過
X線による観察を行ったところ、クラックの発生は認め
られなかった。 (実施例2)実施例1と同様にして、凸状の一表面10
と凹状の他表面11とをもつ圧電板1を形成し、同様に
内部電極層2,2’を形成して圧電素子を得た。この圧
電素子を、図3に示すように、一表面10どうし及び他
表面11どうしが対向するようにしてステンレス製電極
板3と交互に積層し、積層体とした。
【0014】この積層体を100℃のシリコンオイル中
に浸漬し、一表面10がプラス極で他表面11がマイナ
ス極となるように電圧を印加して全部の圧電素子を同時
に分極した。分極後の圧電素子の反りは平均で0μmで
あり、ほぼ平坦となっていた。得られた圧電積層体につ
いて実施例1と同様に耐久試験を行ったが、実施例1と
同様にクラックの発生は認められなかった。
【0015】この実施例2の製造方法によれば、複数の
圧電素子を同時に分極でき、かつ反りを無くすことがで
きるので、工数が低減され特に好ましい。 (比較例)実施例1と同様の圧電体原料から、直径21
mm、厚さ1mmの平坦な成形体を形成した。そして実
施例1と同様に焼成し、研削加工して直径17mm、厚
さ0.5mmの平坦な円板状の圧電体を形成した。
【0016】そして同様に内部電極層を形成し、同様に
分極処理を行って反りを測定したところ、分極時にプラ
ス極側の表面が平均で−3μm凹み、マイナス極側の表
面が平均で+3μm出っ張った断面湾曲形状となってい
た。この圧電素子を実施例1と同様に積層して圧電積層
体とし、同様に耐久試験を行ったところ、圧電板にクラ
ックの発生が認められた。なお、分極処理前の平坦な圧
電素子を図4のように実施例1と同様に積層し、その後
に全部の圧電素子を同時に分極した場合でも、耐久試験
後にクラックの発生が認められた。
【0017】
【発明の効果】すなわち本発明の製造方法によれば、分
極処理後には両表面がほぼ平坦な圧電素子が得られる。
したがってその圧電素子が積層された圧電積層体は、荷
重付与時の引張り応力の発生が小さいので、使用中のク
ラックの発生が防止され長寿命とすることができる。
【0018】また反りが少ないので、圧電積層体の変位
のばらつきが少なく、基本的特性が安定するとともに特
性の劣化も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で得られた圧電素子の分極処
理方法を示し分極処理前の断面図である。
【図2】本発明の一実施例で得られた圧電板の断面図で
ある。
【図3】本発明の第二の実施例における積層体の分極処
理方法を示し分極処理前の断面図である。
【図4】本発明の第一の実施例で得られた圧電素子の積
層方法を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1:圧電板 2,2’:内部電極層
3:電極板 10:一表面 11:他表面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一表面が凸状で他表面が凹状の断面湾曲
    形状をなし厚さが一定の圧電板を形成し、該一表面及び
    該他表面にそれぞれ電極を形成した後、該一表面側がプ
    ラス極該他表面側がマイナス極となるように電圧を印加
    して分極することを特徴とする圧電素子の製造方法。
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