JPH0769391A - 精密部品搬送用トレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数のトレー単体を屈曲可能なヒンジ部を介
して連鎖状に連結して一体的な帯状体で形成することに
より、コストの低減化と小型化をはかると共に、ＩＣチ
ップをトレー単体上面に設けた左右の物品係合突部の間
に押し込むだけの簡単な操作によって確実に保持させる
ことができ、しかもＩＣチップを前後左右の何れかの方
向からロボットハンドの爪を確実に咬ませて取り出すこ
とのできるトナーを提供する。 【構成】 屈曲可能なヒンジ部(7)…を介して連鎖状に
一体連結された板状の合成樹脂製トレー単体(1)…の夫
々の上面に、搬送対象物品を挟着保持する少なくとも左
右一対の物品係合突部(2)、(2)が互いに適当な間隔をあ
けて配置されており、前記基板(1)の左右側縁(3),(3)の
少なくとも一方に、所定の間隔を隔てて搬送機構のコマ
送り用係合部(4)…が形成されている構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、集積回路、記憶回路等
の半導体素子や各種の異形部品（例えばコネクタ、スイ
ッチ、発信器）など種々の電子機器もしくは精密機械組
立て用の比較的小型の精密部品等（これらを総称して
「ＩＣチップ」という）個別に保持して自動組立機等に
搬入するに適した精密部品搬送用のトレーに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子機器の作動信頼性と組立て能
率とを向上すべく殆どの主要回路部品がチップ化される
傾向にある。そのため、種々の中間加工ラインや最終組
立てライン等へのＩＣチップ供給には、チップ収容用の
凹部を縦横複数列に配置した比較的大型の搬送容器が使
用されている。このような大型容器にあっては、搬送ラ
インの一方の側縁の近傍に並置されるロボットハンド等
により前記加工もしくは組立てラインへのチップ個別移
載が行われるが、搬送ラインの他方の側縁に近い部位の
ＩＣチップを該容器から取り出す際にはロボットハンド
が長い距離を往復せねばならない。これは加工ライン側
における待ち時間を長くするので能率向上にとってマイ
ナスであるばかりでなく、掴み位置を毎回変えねばなら
ないため、万一掴みそこないが起こればチップ破損や加
工ライン混乱を招く虞れがある。そのような弊害を避け
るには、ロボットハンドの位置制御を高精密に行わねば
ならず、制御のためのコストも増大する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、多数
のトレー単体を屈曲可能なヒンジ部を介して連鎖状に連
結して一体的な帯状体で形成することにより、コストの
低減化と小型化をはかると共に、ＩＣチップをトレー単
体上面に設けた左右の物品係合突部の間に押し込むだけ
の簡単な操作によって確実に保持させることができ、し
かもＩＣチップを前後左右の何れかの方向からロボット
ハンドの爪を確実に咬ませて取り出すことのできるトナ
ーを提供することを主たる目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係るトレーにあっては、屈曲可能なヒンジ部(7)…
を介して連鎖状に一体連結された板状の合成樹脂製トレ
ー単体(1)…の夫々の上面に、搬送対象物品を挟着保持
する少なくとも左右一対の物品係合突部(2)、(2)が互い
に適当な間隔をあけて配置されており、前記基板(1)の
左右側縁(3),(3)の少なくとも一方に、所定の間隔を隔
てて搬送機構のコマ送り用係合部(4)…が形成されてい
る構造としたものである。

【０００５】

【作用】上記のごとく形成された帯状のトレー(A)は、
夫々連鎖状に一体連結されたトレー単体(1)の物品係合
突部(2)、(2)の間にＩＣチップを保持させて自動組立ラ
インに搬入される。ＩＣチップは上方から物品係合突部
(2)、(2)の間に単に押し込むだけの操作によって嵌合保
持される。この場合、その先端に係合膨大部(2b)を設け
てＩＣチップの上縁に係合するようにするのが好まし
い。このようにして物品係合突部(2)、(2)にＩＣチップ
を挟着保持させた時、前記物品係合突部(2)、(2)が適当
な間隔をあけて配置されているので、この物品係合突部
(2)、(2)の間からロボットハンドの爪を咬ませることに
よって容易にＩＣチップを掴んで取り出すことができ
る。

【０００６】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１は本発明に係るトレー(A)の第一の実施例をし
めすものであって、円形の部品を搬送するのに用いられ
る。このトレー(A)は屈曲可能なヒンジ部(7)…を介して
多数の板状のトレー単体(1)が連鎖状に一体連結されて
形成されている。夫々のトレー単体(1)は平面視略四角
形に形成され、その上面に、搬送対象物品を挟着保持す
る左右一対の物品係合突部(2)、(2)が設けられている。
該物品係合突部(2)、(2)は適当な間隔をあけて配置され
ており、その向かい合う内面は搬送すべきＩＣチップを
嵌合保持するに適した形状、例えば図示のような円形凹
状の嵌合係合面(2a)、(2a)を備えている。勿論、この物
品係合突部(2a)、(2a)は、搬送すべき物品に応じて種々
の形状が考えられ、例えば、四角形のＩＣチップに用い
るものであれば、図４のような平行な板状の形状でもよ
い。

【０００８】更に前記トレー単体(1)の左右側縁(3),(3)
には所定の間隔を隔てて搬送機構のコマ送り用係合部
(4)…が形成されている。この実施例では係合部(4)…は
穴で形成されているが、突起体でもよい。又、該コマ送
り用係合部(4)は左右側縁の何れか一方だけでもよい。
前記夫々のトレー単体(1)…を前後に連鎖状に一体連結
するヒンジ部(7)は図示するようにＶ溝で形成するのが
よい。このＶ溝によって形成される肉薄となった部分で
トレー単体(1)…が相互に屈曲することができるこれに
よって多数のトレー単体を連結した帯状のトレー(A)を
リール状に巻回することが可能となり、自動機装填やト
レー自体の保管に便利である。

【０００９】上記帯状のトレー(A)は合成樹脂材料で一
体成型される。樹脂材料として、トレー単体(1)がそれ
自身適度な固さで形状保持できる材料、例えばポリアセ
タール（ＰＯＭ）が好ましい。又、図４や図５に示すよ
うに、トレー単体(1)のＩＣチップ載置面に相当する部
分にＩＣチップ突き上げ用の開口部(5)を形成しておけ
ばＩＣチップの取り出しに便利である。

【００１０】前記物品係合突部(2)、(2)は図１及び図２
で示すようにトレー接続方向に沿って前後方向に配列す
ることが好ましく、これにより基板(1)の補強を兼ねる
ことができるが、必ずしもその方向性に限定されない。
例えば図５に示すように、物品係合突部(2)、(2)を基板
(1)の巾方向（横方向）に沿って配置することも可能で
ある。又、図６に示すように、先端に係合部(2b)を有す
る棒状体によって四つの物品係合突部(2)…を設け、こ
れを四角形のコーナー部分に配置するようにしてもよ
い。このようにすればこれら物品係合突部(2)…によっ
て保持されるＩＣチップの四方が側方に露出され、ロボ
ットハンドを四方から咬ますことができて便利である。

【００１１】上記の帯状のトレー(A)は、予め必要な長
さに形成して使用するものであるが、若し必要であれ
ば、長尺のトレー(A)を更に連結してされる。その連結
手段として、例えば図２に示すように、トレー(A)のそ
の前後終端部の一方に連結片(6)を延設してこれを隣接
する他方のトレー(A)の端縁に載せて熱融着する手段が
ある。又、他の連結手段として図３に示すように隣接す
るトレー(A)、(A)の端縁上面に屈曲可能な接合テープ
(8)を貼付けて連結することも可能である。何れにして
もこの連結手段は種々の方法が考えられるものであり、
この点に本発明は限定されない。

【００１２】上記のごとく形成されたトレー(A)は夫々
のトレー単体(1)…の物品係合突部(2)…に図６に示すよ
うにＩＣチップ（B)を保持させて自動組立ラインに搬入
される。ＩＣチップ(B)は上方から物品係合突部(2)、(2)
の間に押し込むことによってこれら物品係合突部(2)、
(2)により嵌合保持される。この場合、その先端に係合
膨大部(2b)を設けてＩＣチップの上縁に係合するように
するのが好ましい。

【００１３】以上本発明の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものでなく、前記の構成要件を備え、
かつ前記の目的を達成し、下記の効果を有する限りにお
いては適宜に改変して実施することができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明のトレーは上記のごとく、多数の
トレー単体を屈曲可能なヒンジ部を介して連鎖状に連結
して一体的な帯状体で形成することにより、コストの低
減化と小型化をはかると共に、自動組立ライン上でのロ
ボットハンドによる操作領域を小さくできてその操作を
容易にすることができ、加えて、ＩＣチップを単に物品
係合突部の間に押し込むだけの簡単な操作によって確実
にトレ−単体に保持させることができ、しかも物品係合
突部が適当な間隔をあけて配置されているので、この物
品係合突部の間から嵌合保持されたＩＣチップの側面が
露出し、ここからロボットハンドの爪を咬ませることが
できるので容易にＩＣチップを掴んで取り出すことがで
きてロボットハンドの操作性を一層容易にすることがで
きる等の種々顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るトレーの一実施例を示す斜視図。

【図２】本発明に係るトレーの連結手段の一例を示す拡
大断面図。

【図３】本発明に係るトレーの他の連結手段を示す拡大
断面図。

【図４】本発明に係るトレーの他の実施例を示す斜視
図。

【図５】本発明に係るトレーの更に他の実施例を示す斜
視図。

【図６】本発明に係るトレーの更に他の実施例を示す斜
視図。

【符号の説明】

（１）トレー単体 （２）物品係合突部 （３）左右側縁 （４）コマ送り用係合部 （７）ヒンジ部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屈曲可能なヒンジ部(7)…を介して連鎖
   状に一体連結された板状の合成樹脂製トレー単体(1)…
   の夫々の上面に、搬送対象物品を挟着保持する少なくと
   も左右一対の物品係合突部(2)、(2)が互いに適当な間隔
   をあけて配置されており、前記基板(1)の左右側縁(3),
   (3)の少なくとも一方に、所定の間隔を隔てて搬送機構
   のコマ送り用係合部(4)…が形成されている精密部品搬
   送用トレー。