JPH0768986A - 可視記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面に光反射層２または着色層を形成した基
材１と、一面には透明状態と不透明状態との可逆変化を
生じる記録層４と保護層５とを順次形成し他面には印刷
６を施した透明フイルム３とを、基材１の光反射層２ま
たは着色層と透明フイルム３の印刷６面を対向させて積
層したことを特徴とする可視記録媒体。 【効果】 表示印刷が媒体内部に形成されるので、繰り
返し使用しても印字・消去装置により印刷が削られるこ
とがなく、表示が読み取れなくなるという問題が解消さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、定期券、入場許可証、
各種プリペイドカードなどの繰り返し使用される記録媒
体に、可視画像を繰り返し表示および消去することが可
能な可視記録媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】交通機関の定期券、催し会場や建物への
入場許可証などは、毎日繰り返し使用されるが、管理上
不正乗車、不正入場をチエツクする手段がない。近年、
一部で磁気カードによるチエツク法も採用されつつある
が、チエツクの有無が目視できないため、装置上のトラ
ブルによるチエツクもれのおそれがあり、管理者、利用
者とも不便を感じていた。また各種プリペイドカードに
おいても、磁気カードやＩＣカードが使用されている
が、記録内容が直接目視できないため、支払い金額や残
額を簡単にチエツクできず、使用者に対する内容保証の
点で問題があった。

【０００３】そのため従来、記録媒体に目視可能な記録
を行い、またそれを消去する方法が提案されている。例
えば、合成樹脂母材の中に有機低分子物質を分散させ、
温度により透明状態と不透明（白濁）状態に変化する材
料（特開昭５５−１５４１９８）を使用することが提案
されている。この材料は、特定の温度域Ｔ₁ から常温に
冷却すると透明になり、Ｔ₁ よりも高い温度域Ｔ₂ から
常温に冷却されると白濁する性質を有するため、それを
利用して可視画像を可逆的に印字・消去することができ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】これらの透明状態と不
透明状態との可逆変化により記録を行う記録媒体におい
ては、繰り返し印字・消去を行うため、印字・消去装置
を通るときに記録媒体の表面が擦られ、記録媒体の表面
に印刷された表示が削られて表示が読み取れなくなると
いう問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明はこの問題を解決
し、繰り返し使用によっても表示印刷が損傷しない可視
記録媒体を提供するものであって、その要旨は、表面に
光反射層または着色層を形成した基材と、一面には透明
状態と不透明状態との可逆変化を生じる記録層と保護層
とを順次形成し他面には印刷を施した透明フイルムと
を、基材の光反射層または着色層と透明フイルムの印刷
面を対向させて積層したことを特徴とする可視記録媒体
にある。

【０００６】また、基材と、一面には透明状態と不透明
状態との可逆変化を生じる記録層と保護層とを順次形成
し他面には印刷を施した透明フイルムとを、基材と透明
フイルムの印刷面を対向させて周縁部において部分的に
接着して積層したことを特徴とする可視記録媒体を提供
するものである。

【０００７】以下、本発明を図面を参照して詳細に説明
する。図１は本発明の可視記録媒体（カード）を構成す
る素材の一例の断面図、図２は本発明のカードの別の例
の断面図である。図１において、１はポリエチレンテレ
フタレートシート、紙などからなる基材であって、この
基材１の表面にアルミ蒸着などで光反射層２を設けてあ
る。一方、透明フイルム３には、その一面に記録層４お
よび保護層５を形成し、他面には印刷６を施してある。
また図示しないが一般に、磁気記録層などの情報記録層
を有している。

【０００８】基材１は通常剛性を有しているが、透明フ
イルム３はコーテイングなどの加工に耐える程度の厚さ
があればよく、例えば１０〜１００μｍ程度の厚さとす
る。そして、基材１の光反射層２と、透明フイルム３の
印刷６を施した面を対向させて接着剤などにより全面的
に接着積層することにより本発明記録媒体が構成され
る。

【０００９】このようにして作成された記録媒体は、ま
ず保護層５側から記録領域を加熱スタンプなどの加熱手
段にてＴ₁ ℃に加熱し記録領域全面を透明化する。次に
サーマルヘツドなどの部分加熱手段によりＴ₂ ℃（Ｔ₂
＞Ｔ₁ ）にて部分的に文字などを加熱すると文字部のみ
が白濁化し、表示画像が浮かび上がる。このようにして
得られた画像は光反射層２を背景に、白濁した白色文字
などがコントラストよく浮かび上がって視認性の高い表
示が得られる。またこのようにして得られた印字は同様
の操作にて再度消去・印字の繰返しが可能となる。

【００１０】そしてこのような印字・消去を繰り返す
が、本発明においては印刷６が表面に露出しないため、
印字・消去装置と擦れ合っても消えることがない。図２
に示す例においては、透明フイルム３の一面に記録層４
および保護層５を形成し、他面には印刷６を施し、これ
を周縁部において接着層７により基材１と積層してあ
る。その結果、内部に薄い空気層８が形成され、この層
が記録の視認性を高める作用をする。したがってこの場
合には、光反射層は必ずしも必要ない。

【００１１】本発明において、記録層４を構成する樹脂
としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、他の酢酸ビニル化合物、塩化ビニル系共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン系共重合体、
ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチル
（メタ）アクリレートまたはその共重合体などが好まし
い。

【００１２】またこの樹脂中に分散させる有機低分子物
質としては、各種高級脂肪酸、ジカルポン酸、脂肪酸エ
ステル、アルコール、ケトン、エーテル、あるいはこれ
らの誘導体などがある。これらの材料は、例えば７０〜
１００℃（Ｔ₁ ）に加熱し常温まで冷却すると透明状態
を保持し、１００℃を越える温度（Ｔ₂ ）に加熱し、常
温に冷却すると白濁化する。

【００１３】光反射層２としては、アルミ、銀、錫など
の金属の蒸着層、あるいは箔、金属粉入り塗料などを用
い得る。また光反射層２のかわりに、あるいはこれと併
用して着色層を形成してもよい。また保護層５として
は、紫外線硬化塗料の塗布や、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリサルフオン、ポリフエニレンサルフアイド、ポ
リアリレート、ポリエーテルサルフオンなどのフイルム
貼り合わせなどの方法により耐熱性の高い材料を使用す
ることができる。

【００１４】本発明記録媒体は、例えば入場、買物、レ
ンタルなどのプリペイドカードとして使用することがで
き、使用の都度、使用金額および残額を磁気記録ととも
に記録層に可視的に表示することにより、常に正確な残
額を知ることができる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明可視記録媒体は、表
示印刷を媒体内部に形成したので、繰り返し使用しても
印字・消去装置により印刷が削られることがなく、表示
が読み取れなくなるという問題が解消される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明可視記録媒体の一例の断面図。

【図２】本発明可視記録媒体の別の例の断面図。

【符号の説明】

１ 基材 ２ 光反射層 ３ 透明フイルム ４ 記録層 ５ 保護層 ６ 印刷 ７ 接着剤 ８ 空気層

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に光反射層または着色層を形成した
   基材と、一面には透明状態と不透明状態との可逆変化を
   生じる記録層と保護層とを順次形成し他面には印刷を施
   した透明フイルムとを、基材の光反射層または着色層と
   透明フイルムの印刷面を対向させて積層したことを特徴
   とする可視記録媒体。
2. 【請求項２】 基材と、一面には透明状態と不透明状態
   との可逆変化を生じる記録層と保護層とを順次形成し他
   面には印刷を施した透明フイルムとを、基材と透明フイ
   ルムの印刷面を対向させて周縁部において部分的に接着
   して積層したことを特徴とする可視記録媒体。