JPS6128201Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、身分証明書用カードとして適切なラ
ミネート写真に関する。さらに詳しくは、リバー
サルフイルム等のトランスペアレンシー型写真フ
イルムで画像形成した写真にラミネート部材を貼
り合わせて、反射型写真とすることができ、且つ
改ざん防止、写真保存性の向上および筆記記録性
を付与したラミネート写真に関する。

写真等のシート状物をプラスチツクフイルムで
封入する技術については従来より多種多様な手段
が提案されている。これらの技術は、通常２枚の
プラスチツクフイルムの表面に接着層を塗設した
ものを接着層を内面にして重ね合わせ、四辺に余
白部を残して内部に写真等のシート状物を封入す
る手段が知られている。そしてその具体的な構成
は、実開昭52−129782号および同52−129783号公
報等に記載されている。

しかるに、封入されるシート状物が透明性プラ
スチツクフイルムを支持体とする透過型写真であ
り、この写真を身分証明書用カードとして使用で
きるようにする場合、次のような要請を満足する
ことが望まれる。

ラミネート部材を貼り合わせることにより、
透過型写真を反射型写真とすることができるこ
と。

写真の改ざんを防止できること。即ち、改ざ
んの目的でラミネート部材と写真とを剥離した
りすると、写真の画像面が破壊されること。

写真の保存性が高いこと。即ち、例えば封入
する写真がカラー写真である場合には、カラー
画像の変・褪色を防止できること。

封入写真に関する筆記記録が可能であるこ
と。

ところが、これら〜の全べての要請を満足
するラミネート写真技術は、未だ開発されていな
いのが現状である。

そこで、本考案の目的は、前記，，およ
びの全べての要請を満足することができるラミ
ネート写真を提供するにある。

本考案の上記目的および後述するその他の目的
は、写真に接着層およびプラスチツクフイルムを
有するラミネート部材を貼り合わせたラミネート
写真において、前記写真が画像透視面としての透
明性ポリエステル系フイルムを支持体とする透過
型写真であり、前記ラミネート部材が〔Ａ〕前記
プラスチツクフイルム、〔Ｂ〕接着層、または
〔Ｃ〕中間層に反射剤を含有しており、前記写真
の画像面側に前記ラミネート部材の接着層側を貼
り合わせて反射型写真とし、且つ前記ラミネート
部材のプラスチツクフイルムの外側面に筆記可能
な記録層を設けてあることを特徴とするラミネー
ト写真によつて達成される。

本考案の好ましい一実施例態様に従えば、ラミ
ネート部材のプラスチツクフイルムが、写真の支
持体と同じく、ポリエステル系フイルムであるこ
と、また、ラミネート部材の接着層がホツトメル
トタイプ接着剤層であることである。また筆記可
能な記録層については、ラミネート部材のプラス
チツクフイルムに、接着層を介して接着された紙
または合成紙によつて記録層が形成されることで
ある。

以下、図示する代表的実施例に基いて本考案を
さらに詳述するが、本考案の実施態様はこれらに
限定されない。

第１図および第２図はそれぞれ本考案の実施例
を示す拡大断面図であり、図中、１は透過型写真
であつて、透明性ポリエステル系フイルム２を支
持体とする画像面３（乳剤層）を有しており、像
様露光に際しては、画像面（乳剤層）３側から露
光する場合には光学系により撮像を左右逆転させ
ればよく、または、支持体２側からそのまま像様
露光してもよい。４は接着層５およびプラスチツ
クフイルム６を有するラミネート部材であつて、
前記写真１の画像面３側に前記ラミネート部材４
の接着層５側を貼り合わせてある。また７は筆記
可能な記録層であつて、プラスチツクフイルム６
の外側面に、接着層８を介して紙または合成紙等
の筆記可能部材を貼り合わせて形成するか（第１
図およよび第２図参照。）、またはプラスチツクフ
イルム６の外側面をマツト加工等の筆記可能加工
化すること（図示せず。）により形成してある。

本考案に係るラミネート写真は、リバーサルフ
イルム等のトランスペアレンシー型写真フイルム
で画像形成した写真１に、ラミネート部材４を貼
り合わせることにより、透過型写真を反射型写真
にすることを、１つの特徴とする。本考案におい
てラミネート部材４に含有せしめられる反射剤９
は、〔Ａ〕プラスチツクフイルム６、〔Ｂ〕接着層
５もしくは８、または〔Ｃ〕必要に応じて設けた
中間層１０（第２図参照。）に添加含有せしめら
れる。この本考案に用いられる反射剤としては、
例えば、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
ステアリン酸バリウム塩、銀フレーク、酸化ケイ
素、アルミナ、酸化ジルコニウム、アセチル酢酸
ジルコニウム塩、硫酸ナトリウムジルコニウム、
カオリン等が挙げられる。

本考案の反射剤９は、前記〔Ａ〕，〔Ｂ〕，〔Ｃ〕
の中の少なくとも１つの手段により、ラミネート
部材４に添加含有せしめられればよく、例えば
〔Ａ〕の手段によるときはプラスチツクフイルム
６の製造中に練り込み（第１図参照。）〔Ｂ〕の手
段によるときは、塗布前の接着剤５もしくは８に
混同させればよいし、また〔Ｃ〕の手段によると
きは適当なバインダー（油溶性又は水溶性ポリマ
ー等）に混在させて中間層（反射剤含有層）１０
としてプラスチツクフイルム６に塗設すればよい
（第２図参照。） 本考案に用いられるラミネート部材４のプラス
チツクフイルム６は、写真１の支持体２と同じ
く、ポリエステル系フイルムであることが望まし
い。この考案に用いられるポリエス系フイルムと
しては、エステル基を主鎖に有する線状重合体の
疎水性フイルム状樹脂であつて、例えばテレフタ
ル酸とエチレングリコールの重縮合で得られるも
の、テレフタル酸とエチレングリコールから一旦
ビスヒドロキシエチルテレフタレート（BET）
を合成した後その縮合あるいはジメチルテレフタ
レートとエチレングリコールからエステル交換し
たもの、アルキツド樹脂、変性アルキツド樹脂等
の飽和ポリエステル、または不飽和ジカルボン
酸、飽和ジカルボン酸およびグリコールからなる
不飽和ポリエステル等を用いることができ、これ
らの中、酸素透過率が低いものが好ましく用いら
れる。

封入写真がカラー写真である場合のカラー画像
の変褪色が酸素に起因するであろうことは考えら
れていたことであるが、本考案に用いられるポリ
エステル系フイルムは、後述のホツトメルトタイ
プ接着層５と組合わせると、その変褪色を顕著な
効果として防止することができる。

本考案に用いられる接着層５はホツトメルトタ
イプ接着剤層であることが望ましく、このホツト
メルトタイプ接着層は、固形の熱可塑性樹脂を加
熱融解してアプリケーターの如き熱融解塗布機等
を用いて塗布し、冷却固化により接着されるもの
であつて、例えばポリオレフイン系樹脂等が好ま
しく用いられる。また、本考案において記録層７
を貼着するために用いられる他の接着層８は、記
録層７としての紙、合成紙等を貼着するのに有効
な感圧型接着剤層であることが望ましい。

前記構成を有する本考案に係るラミネート写真
は、記録層７に、汎用筆記具（例えば鉛筆、万年
筆、ボールペン等）を用いて自由に記録（筆記）
することができるし、封入写真の画像面３はフイ
ルム２上より透視できる。

なお、記録層６に、記録（筆記）を容易にする
ための罫線や、「被撮影者の住所、氏名」、「身分
証明者の住所、名称」、「証明事項」等の記録すべ
き事項の指示文章や、あるいは所望の絵画、記
号、標章等を予じめ表示しておくこともできる。

本考案は前記構成および作用を有するので、冒
頭に述べた，，およびの目的を全べて達
成することができるし、写真がカラー画像を有す
る写真の場合においては、厳しい条件下で保存し
てもカラー画像の変褪色を防止することができ
て、写真の有する記録性をさらに向上させること
ができるし、ラミネート部材を貼着するだけで、
透過型写真を記録（筆記）可能な反射型写真とす
ることができて、身分証明書用カードとして適切
である等の効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るラミネート写真の一実施
例を示す拡大断面図、第２図は本考案の他の実施
例を示す拡大断面図である。 図中、１は透過型写真、２は透明性支持体、３
は画像面、４はラミネート部材、５，８は接着
層、６はプラスチツクフイルム、７は記録層、９
は反射剤、１０は反射剤含有中間層である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 写真に接着層およびプラスチツクフイルムを
   有するラミネート部材を貼り合わせたラミネー
   ト写真において、前記写真が画像透視面として
   の透明性ポリエステル系フイルムを支持体とす
   る透過型写真であり、前記ラミネート部材が
   〔Ａ〕前記プラスチツクフイルム、〔Ｂ〕接着
   層、または〔Ｃ〕中間層に反射剤を含有してお
   り、前記写真の画像面側に前記ラミネート部材
   の接着層側を貼り合わせて反射型写真とし、且
   つ前記ラミネート部材のプラスチツクフイルム
   の外側面に筆記可能な記録層を設けてあること
   を特徴とするラミネート写真。 (2) ラミネート部材のプラスチツクフイルムが、
   ポリエステル系フイルムであることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のラミネ
   ート写真。 (3) ラミネート部材の接着層が、ホツトメルトタ
   イプ接着層であることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項または第２項記載のラミネ
   ート写真。 (4) 筆記可能な記録層が、ラミネート部材のプラ
   スチツクフイルムに接着された紙または合成紙
   であることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項、第２項または第３項記載のラミネー
   ト写真。 (5) 筆記可能な記録層が、ラミネート部材のプラ
   スチツクフイルムの外側表面をマツト加工する
   ことにより形成されていることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項、第２項または第
   ３項記載のラミネート写真。