JP2825639B2 - 人物画像入り冊子 - Google Patents

人物画像入り冊子

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、人物画像入り冊子に関し、特に人物画像が
表装材の裏面側において、加熱下で透明なフィルムと接
合されてなる人物画像入り冊子であって、表装材の耐熱
性が大幅に改善され、端部の波打ちや表装部のシワが発
生しない人物画像入り冊子に関する。
〔従来の技術〕
ID冊子、例えばパスポートや学生手帳、あるいは従業
員手帳等には、手帳もしくは小冊子の一部に顔写真と共
に、氏名、所属、個人コードなど本人を確認するために
種々の個人情報が記載されている。従来から、このよう
な個人情報の確認には、専ら人の目による判定のみに頼
るケースがほとんどであり、このようなID冊子の不正使
用を防止するために、種々の偽造防止、変造防止手段が
組み込まれており、これらの手段の大部分も人の目によ
る判別手段が採られることが多かった。
特に、パスポートに関しては、高度な偽造や変造に対
する防止手段が要求されており、従来から採用されてい
る人間の手段による可視的な判別方法以外に、OCR文字
による判別も最近では試みられつつある。
本発明は、このようなパスポート等のOCR読み取りさ
れる人物画像入り冊子に関するものであり、OCR読み取
り可能な人物画像入り冊子における問題点を解決するた
めになされたものである。
すなわち、MRP(マシン・リーダブル・パスポート)
等のように機械的に読み取り可能な人物画像入り冊子に
おいては、読み取り精度の確保が非常に重要である。読
み取り精度は種々の要因で劣化する。例えばOCR文字自
体の文字品質やOCR文字が印字されている背景の汚れの
有無、あるいは読み取り機械の安定性等の他に、冊子自
体の物理的特性に伴う読み取り精度の劣化がある。具体
的には冊子端部の凹凸(波打ち)や冊子の表面の凹凸等
はOCRリーダーによる文字認識に大きな影響を及ぼす。
例えば、通常OCR文字や人物画像を記録した画像記録
面はかいざん防止のために透明な樹脂フィルム等により
ラミネートされるが、この場合、偽造や変造を有効に防
止する観点から、フィルム等によるラミネートは加熱下
で行うことが好ましい。すなわち、粘着層を設けてラミ
ネートを行う場合には、適当な有機溶剤を使用したり、
またある場合には非常にゆっくりラミネートフィルムを
剥がすことにより、比較的きれいにフィルムを剥がすこ
とができ、偽造されやすいという欠点がある。これに対
して、加熱下でラミネートして接合する場合には、加熱
表面が比較的強固に接合され、また、接合面の間で物質
移動や組成変化を起こしやすいために、接合面が非常に
剥がれにくくなったり、また剥がれてもきれいな面を残
しにくい利点がある。このため特にパスポート等のよう
にきわめて偽造や変造のしにくい特性(以下適宜「偽造
・変造耐性」と称する)が要求される人物画像入り冊子
においては、人物画像記録面のラミネートは加熱下で行
うことが好ましい。
しかしながら、加熱下でラミネートされた人物画像入
り冊子において、十分な機械読み取り精度を確保するた
めに、ラミネート面に気泡が入るのは好ましくなく、そ
のためにある程度以上の圧力がラミネートする際に加え
られる。通常ラミネート面には1cm2あたり、約0.5kg以
上の圧力が加えられる。このような加熱・加圧条件でラ
ミネートを行った場合には、表装材が伸びたり、あるい
は表装材とラミネートフィルムの間に設けられた紙層か
ら発生する水蒸気により表装材が膨らんだりして、表装
面の端部に波打ち現象が生じたり、あるいは表装面にシ
ワが発生する問題がある。もちろん、あらかじめ冊子を
比較的低湿下に保存することにより、このような問題は
ある程度改善されるが、完全には解決されない。
特に、OCR文字を機械で読み取る際には、通常端部を
基準にして当該端部から一定の距離にある領域を読み取
るようにしているが、上記のように端部が波打ち現象を
起こしている冊子では、読み取り領域の位置が変動して
しまうために著しく読み取り精度が低下する。また、冊
子の表装にシワが発生する場合には、単に人物画像入り
冊子の商品価値を損なうだけでなく、OCR文字を記録し
ている面において、厚みが変動して読み取り精度が低下
する問題がある。
しかるに従来では、このような人物画像入り冊子にお
いて、表装を構成する樹脂に対しては、格別の工夫がさ
れていなかった。例えば特開平2−111590号公報には人
物画像入り冊子が開示されており、表装を構成する樹脂
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、アセチルセルロース、セルロースエステル、ポリ
ビニルアセタール、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナ
イロン、ポリエチレン、ポリプロピレンが開示されてい
る。また、上記公報には、表装材と紙とこれらのフィル
ムとを貼り合わせたものを用いることも記載されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記フィルムを、通常の手帳などを作
製するように接着剤を用いて紙と貼り合わせた場合に
は、上記問題点、すなわち表装面の端部に波打ちが生じ
たり、表装面にシワが発生することが分かった。
そこで、本発明の第1の目的は、透明なフィルムを加
熱下で表装材と接合する際に端部の波打ちが生ぜず、ま
た表装面にシワ等が発生しない人物画像入り冊子を提供
することにある。
また本発明の第2の目的は、高い偽造・変造耐性を有
し、しかも簡易に作製することのできる人物画像入り冊
子を提供することにある。
さらに本発明の第3の目的は、高いOCR読み取り精度
を有する人物画像入り冊子を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の上記目的は、少なくとも着色された表装材
と、画像記録層と、透明なフィルムとがこの順に接合さ
れて冊子の一部が構成された人物画像入り冊子であっ
て、前記透明なフィルムが、前記画像記録層を挟んで前
記表装材に加熱下で接合され、前記表装材は、親水性バ
インダーを含有する塗布組成物または少なくともポリウ
レタンを含有する樹脂組成物を、紙または布基体上に塗
布して得られることを特徴とする人物画像入り冊子によ
って達成される。
〔発明の具体的構成〕
以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明に用いられる表装材は、親水性バインダーを含
有する塗布組成物または少なくともポリウレタンを含有
する樹脂組成物を、紙または布基体上に溶剤の非存在下
または存在下に塗布して得られるものであって、当該塗
布組成物または樹脂組成物中には、表装材を適宜の色に
着色させるために顔料や染料が含有されていてもよい。
前記塗布組成物を構成する親水性バインダーとして
は、でんぷん、カゼイン、アラビアゴム、ポリビニルア
ルコール、水溶性ポリエステル、ポリビニルピロリドン
等が挙げられる。中でも、デンプンおよびカゼインが好
ましい。
また、上記樹脂組成物には少なくともポリウレタンが
含有されるが、必要に応じて他の樹脂を組合せて用いて
もよい。そのような他の樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリアクリ
ル酸エステル等の樹脂が挙げられる。他の樹脂を併用す
る場合には、樹脂組成物の全体においてポリウレタンが
60重量%以上であることが好ましく、特に80重量%以上
であることが好ましい。
上記親水性バインダーを含有する塗布組成物におい
て、少なくとも当該親水性バインダーは当該塗布組成物
中に溶解状態で含有される。また上記少なくともポリウ
レタンを含有する樹脂組成物においても、当該ポリウレ
タンは樹脂組成物中に溶解状態で含有される。
上記親水性バインダーを含有する塗布組成物は、水を
溶剤として含有するものである。一方、ポリウレタンを
含有する樹脂組成物は、メチルエチルケトン、アセト
ン、テトラヒドロフラン、ジメチルフォルムアミド、ジ
オキサン等の有機溶媒を単独でまたは併用して含有する
ものである。そしてこれらの溶剤は、塗布組成物または
樹脂組成物中において、親水性バインダーまたはポリウ
レタンを溶解するのに十分な量だけ用いられる。
上記塗布組成物または樹脂組成物は、親水性バインダ
ーまたはポリウレタンの塗布量が表装材1m2当り好まし
くは5〜200g、さらに好ましくは10〜100gとなるような
割合で使用される。
上記塗布組成物において、親水性バインダーを硬化さ
せるために、公知の硬化剤を用いることが好ましい。ま
た硬化剤を用いることにより、表装材の表面の耐水性を
高めることもできる。そのような硬化剤としては、分子
中に少なくとも1個のエポキシ基、エチレンイミノ基、
活性ビニル基、アルデヒド基等のように親水性バインダ
ーが有する水酸基やアミノ基、あるいはイミノ基等と反
応し得る基を含有する化合物が挙げられる。これらの硬
化剤の使用量は、親水性バインダー1g当り0.005〜0.2g
が好ましく、特に0.01〜0.1gが好ましい。
さらに、上記塗布組成物には、親水性バインダーのほ
かに、疎水性重合体ラテックスが添加されていてもよ
い。この場合には、冊子に良好な柔軟性が付与される。
この重合体ラテックスとしては、酢酸ビニル、アクリ
ル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリ
ル酸、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、スチレン、
ジビニルベンゼン、クロトン酸、クロトン酸エステル、
マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸、イタコ
ン酸エステル、ビニルエーテル、グリシジルエステル、
ビニルケトン、塩化ビニリデン等の単独あるいは共重合
体、あるいはポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリエーテル等の縮重合体等が挙げられる。これ
らの中でも、ガラス転移点Tgが40℃以上のものが好まし
く、特に60℃以上のものが好ましい。重合体ラテックス
は、親水性バインダーに対して、5〜60重量%の範囲で
用いることが好ましく、特に10〜40重量%の範囲が好ま
しい。
上記塗布組成物または樹脂組成物中には、着色顔料、
染料のほか、必要に応じて可塑剤、活性剤が含有されて
いてもよい。
上記可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチ
ルフタレート等のフタル酸エステル類、トリクレジルフ
ォスセート等のリン酸エステル類、ステアリン酸ブチル
等の脂肪族カルボン酸エステル類等が挙げられる。
また上記活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニ
オンのいずれであってもよい。
上記塗布組成物または樹脂組成物を紙または布基体上
に塗布する際には、公知の塗布方法、例えばディップコ
ーティング、ナイフコーティング、リバースロールコー
ティング、押し出しコーティング、カーテン塗布等の方
法が用いられる。
上記塗布組成物または樹脂組成物を基体上に塗布した
後は、通常、40〜150℃の範囲の温度で乾燥される。
上記表装材は、それ自体が光反射支持体を兼ねていて
もよいし、あるいは表装材に別の光反射支持体を貼り合
わせてもよい。
表装材が光反射支持体を兼ねている場合には、上記塗
布組成物または樹脂組成物を塗布する支持体はそれ自身
が十分な白色度と光に対する隠蔽性を有している基体で
あることが好ましい。
一方、光反射支持体を表装材と貼り合わせる場合に
は、公知の接着剤が用いられる。この場合は偽造・変造
耐性を高めるために光反射支持体は紙支持体であること
が好ましい。
次に本発明の人物画像入り冊子の作製方法を機械読み
取り可能な旅券を例にとって説明する。
第1図は、本発明の人物画像入り冊子を旅券の形態と
した場合の完成図であり、筆記可能な頁11を有する冊子
部2と、顔写真情報等が記載されているID部1とからな
る。ID部1には、個人の顔写真領域20、個人文字情報領
域(○印で表示)21、OCR文字情報領域(△印で表示)2
2、補助分(「住所」、「氏名」等があらかじめ印刷さ
れている文字、×印で表示)23、彩紋(図示せず)が記
載もしくは印刷されている。10は糸綴じ部である。
第2図は、第1図の人物画像入り冊子の完成前の状
態、すなわち透明なフィルムをラミネートする前の状態
を示したものである。この人物画像入り冊子は、透明な
フィルム(以下適宜「ラミネートフィルム」と称する)
4と、人物画像31が転写されているシート3と、筆記可
能な複数の頁11を有する冊子部2とからなる。
ラミネートフィルム4は、透明な支持体41を有してい
る。かかる支持体41としては、例えば厚さが約50〜100
μm程度の透明なポリエチレンテレフタレートが用いら
れる。このラミネートフィルム4には、人物画像31が記
録されているシート3と接着可能な層43を設けることが
好ましい。この接着可能な層43は熱的に接着可能な層で
ある。この熱的に接着可能な層43はいわゆるホットメル
ト型接着剤層や熱溶着層であることが好ましいが、熱溶
着層であることが特に好ましい。支持体41と、接着可能
な層43は、下引層42を介して接着されているが、この下
引層42は必ずしも必要ではない。
ホットメルト型接着剤としては、例えば「接着剤デー
タブック」(日刊工業新聞社発行,1990年2月28日発
行、日本接着学会編)第139頁〜第170頁に記載されてい
るものが挙げられる。
シート3とラミネートフィルム4との接合は、熱溶着
方法により行うのが好ましい。この「熱溶着方法」と
は、ラミネートフィルム4に設けられた熱溶着可能な層
と人物画像が記録されたシート3に設けられた熱溶着可
能な層とが別個の接着剤層を介することなく直接加熱下
でそれぞれの熱溶着可能な層の少なくとも一部が相互に
混ざり合って完全な溶着状態を作る方法である。このよ
うな熱溶着方法で接合された場合には、ラミネートフィ
ルムによりラミネートされた画像を破壊することなく偽
造や変造することがほとんど不可能であり、極めて高い
偽造・変造耐性を有する。
このような熱溶着層は、例えばポリ塩化ビニル、ポリ
カーボネート、ポリイソフタル酸エステル等のような熱
可塑性樹脂により構成されることが好ましい。これらの
熱可塑性樹脂と共に、必要に応じてポリ塩化ビニリデ
ン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル等の共重合体等を
併用してもよい。また上記熱可塑性樹脂との混合物を用
いてもよい。
シート3とラミネートフィルム4とを加熱下で接合す
る場合の温度は、通常、100℃以上であり、好ましくは1
20℃以上、特に好ましくは130℃以上である。このよう
な接合温度であれば、接合がより完全に行われ、ラミネ
ートフィルム4の剥離がほとんど不可能となり、優れた
偽造・変造耐性が得られる。
また、ラミネートフィルム4をシート3に接合するに
際しては、0.1〜20kg/cm2の圧力を加えることが好まし
い。この圧力を加える手段としては、気泡の発生を有効
に防止するために、通常冊子の一方の方向から他方の方
向に向かって加熱しながら加圧する加熱・加圧ローラ等
を用いることが好ましい。
ラミネートフィルム4は、特開平1−177749号公報に
記載されているように、冊子の人物画像が記録されてい
るシート3の少なくとも一部にあらかじめ接合されてい
てもよい。
第2図において、人物画像31の形成されている画像記
録層51は、それ自身がラミネートフィルム4の層43と熱
的に接合可能な層であることが好ましい。そのような接
合可能な画像記録層51は、ラミネートフィルム4の層43
や接合方法によって広範に変わるが、例えば写真印画紙
の乳剤層等のゼラチンを主体とする親水性バインダーか
らなる層や、熱的に拡散転写された画像色素を受容し得
る熱可塑性樹脂からなる色素受像層であってもよい。当
該画像記録層51が前者の場合には特にホットメルト型接
着により接合されることが好ましい。また、当該画像記
録層51が後者の場合には、特に感熱転写方式によって色
素画像が転写された色素受像材料や、特開平1−193844
号公報に記載された熱現像型ハロゲン化銀感光材料を用
いて画像形成された色素受像層を有する色素受像材料で
あることが好ましい。
第2図において、人物画像31が形成されている画像記
録層51には、さらに必要に応じて個人情報や共通情報等
の文字や記号や彩紋等が、人物画像31と同時にまたは別
個に当該人物画像31の記録手段とは異なる記録手段によ
って記録してもよい。これらの文字や記号や彩紋等は、
ラミネートフィルム4の層43に記録することも可能であ
る。なお、第2図の例では、ラミネートフィルム4の層
43に文字や記号や彩紋等(第2図において32で示す)が
記録されている。
人物画像31が記録されている画像記録層51には、好ま
しくは白色の光反射支持体52が接合されている。通常
は、これらの光反射支持体52の上に画像記録層51が公知
の適当な塗布手段によりあらかじめ塗設されている。
光反射支持体52は、着色している表装材53の色を十分
に隠蔽できる程度の不透明性を有していることが好まし
く、具体的にはこの光反射支持体52の不透明度(透過濃
度)は、0.7以上であることが好ましく、特に0.8以上で
あることが好ましい。
表装材53に接合される光反射支持体52は、紙支持体、
白色ポリエチレンテレフタレート、白色ポリ塩化ビニル
等のフィルムであることが好ましく、特に紙支持体であ
ることが好ましい。紙支持体によれば、優れた偽造・変
造耐性が発揮され、また透明なラミネートフィルム4を
人物画像31の記録されたシート3にラミネートする際に
剛度が維持される。さらに紙支持体によれば、人物画像
31の記録面にラミネートされた透明なラミネートフィル
ム4を機械的に無理やり剥離しようとしてもほとんどの
場合、紙層が破壊されるために優れた偽造・変造耐性が
発揮される。
また、本発明では、第2図の例とは別に、表装材53を
作製する際に、直接塗布組成物または樹脂組成物を当該
光反射支持体52に塗設してもよい。
第3図は、第1図の人物画像入り冊子の完成前の状
態、すなわち透明なラミネートフィルム4をラミネート
する前の状態を示したものである。この例では、画像記
録面は透明なラミネートフィルム4に設けられた画像記
録層に記録されており、また人物画像31以外の文字や彩
紋等は表装材53に接合されている光反射支持体52上の接
合面に記録されている。
第2図および第3図において、文字、記号、彩紋等
は、それぞれ人物画像31の記録手段と同様の手段で記録
してもよいが、異なった手段で記録してもよい。また、
これらの文字、記号、彩紋等はそれぞれ接合面の一方の
側のみに記録してもよく、また接合面の両側の面に記録
してもよい。
透明なラミネートフィルム4、表装材53と接合された
光反射支持体52および各々が接合される表面の層には、
必要に応じて各種の添加剤が含有されていてもよい。そ
のような添加剤としては、例えば蛍光増白剤、画像安定
剤、背景の色調を調整する着色剤等の公知の化合物が挙
げられる。
本発明の人物画像入り冊子は、必要に応じてホログラ
ム(反射型および透過型)、割り印、彩紋を有していて
もよい。
第4図は、彩紋の一例を示す。彩紋60は、線幅が0.1m
m程度以下の細線で精密に描かれており、この彩紋60が
印刷されている頁を後で改造した場合にはその修復が困
難なことから、旅券等のように偽造・変造耐性が要求さ
れる各種の証明書等にはしばしば用いられているが、本
発明の人物画像入り冊子においても有用である。特に、
第4図に示したように、個人の顔写真領域20に彩紋60が
部分的に重なり合わされている場合には偽造・変造耐性
がさらに高まる。
ホログラムは反射型であっても透過型であってもよ
く、反射型の場合にはホットスタンプ方式により、作製
された人物画像入り冊子の適宜の箇所に接合される。ま
た透過型の場合にはラミネートフィルムそのものがホロ
グラムシートであってもよく、また、作製された人物画
像入り冊子の表面に接合して使用してもよい。特に、透
過型のホログラムを完成した人物画像入り冊子に接合す
る場合には、個人の顔写真領域に部分的に重なるように
することが偽造・変造耐性を高める観点から好ましい。
第4図において15で示される領域は、ホログラムが形成
される領域の例を示している。
なお、透明なラミネートフィルム4をシート3に加熱
・加圧下でラミネートする場合には、ラミネートローラ
によるラミネート方式を採用することが好ましい。ま
た、最終的な冊子としてみた場合に端部の加熱による変
形が少ない点で、ラミネートは冊子先端部から糸綴じ部
の方向に向けて行うのが好ましい。特に、表装材53の端
部を基準にしてOCR読み取りを行う旅券等においては、
冊子の端部に変形が生じているとOCR読み取りの正読率
を低下させるため好ましくなく、従って、冊子の端部か
ら中央部にかけて溶着を行うことは重要である。
冊子の画像記録部において、透明なラミネートフィル
ム4によりラミネートされる領域は、全面であることが
好ましいが、実際上は位置合わせの精度や糸綴じ部10の
ラミネートが完全に行えないこと、あるいは加熱下でラ
ミネートする場合には表装材53やラミネートフィルム4
が僅かに熱収縮・熱膨張を伴うこと等の点から、透明な
ラミネートフィルム4は、表装材53が一体になったシー
ト3に対して、それぞれの端部において約2mm程度以下
で狭いことが好ましく、さらに外観上からの点も考慮す
ると、糸綴じ部10以外では0.3〜1mmの範囲でラミネート
フィルム4の方が端部において短いことが好ましい。ま
た、糸綴じ部10においては、透明なラミネートフィルム
4が1〜2mmの範囲で短いことが好ましい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明がこれら
の実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕 〔色素受像材料の作製〕 下記の組成の受像層用塗布液を、100g/m2の写真用バ
ライタ紙(透過濃度;青0.76,緑0.71,赤0.68)支持体上
に、湿潤膜厚が120μmになるように塗布し、受像材料
を作製した。
受像層用塗布液 ポリ塩化ビニル 80 g メチルエチルケトン 918 cc 下記画像安定剤−1 5.5g 下記画像安定剤−2 5.5g 下記画像安定剤−3 5.5g 下記現像促進剤−1 2.0g 〔熱現像感光材料の作製〕 下記表−1に示す層構成を有するカラー用の熱現像感
光材料を作製した。なお、感光性ハロゲン化銀乳剤およ
びベンズトリアゾール銀は各々銀に換算し、それぞれ1
m2当りの量で示した。以下においても同様である。
前記表−1中の熱溶剤等は下記の構造式で表されるも
のである。
なお、ラテックス下引層を除く各層には硬膜剤として
ビスビニルスルホニルメチルエーテルを各々ゼラチン1g
当り0.04g添加した。
〔表装材−1の作製〕 デンプン6kgと、カゼイン2kgと、ポリビニルアルコー
ル0.4kgとを純水50リットルに溶解し、これに炭酸カル
シウム2kgと、赤色顔料2kgとを添加して全量を60リット
ルとした。これに少量の界面活性剤を添加し、これを80
g/m2の紙の上に固形分が30g/m2になるように塗布し、こ
れを80〜160℃の温度で乾燥して表装材−1を作製し
た。
〔表装材−2の作製〕 表装材−1において、硬化剤として下記の化合物0.18
kgを添加した以外は表装材−1と同様にして表装材−2
を作製した。
〔表装材−3の作製〕 表装材−2において、ポリ塩化ビニル水性ラテックス
(Tg=50℃)を固形分として3kg添加した以外は表装材
−2と同様にして表装材−3を作製した。
〔表装材−4の作製〕 表装材−3において、ポリ塩化ビニル水性ラテックス
3kgを、ポリスチレン−ポリアクリル酸ブチルエステル
水性ラテックス(Tg=70℃)3kgに変更した以外は表装
材−3と同様にして表装材−4を作製した。
〔表装材−5の作製〕 ポリウレタン4kgを、メチルエチルケトン20リットル
と、テトラヒドロフラン20リットルと、N,N−ジメチル
フォルムアミド10リットルの混合溶剤中に溶解した後、
赤色顔料2kgを添加し、写真用バライタ紙(100g/m2)の
上に固形分が30g/m2になるように塗布し、これを55〜90
℃で乾燥して表装材−5を作製した。
〔表装材−6の作製〕 表装材−5において、可塑剤として、トリクレジルフ
ォスフェート0.6kgを添加した以外は表装材−5と同様
にして表装材−6を作製した。
〔表装材−7の作製〕 表装材−6において、シリカ粉末(平均粒径約0.5μ
m)を0.4kg添加した以外は表装材−6と同様にして表
装材−7を作製した。
〔比較表装材−1の作製〕 表装材−1で使用した80g/m2の紙支持体上に、厚さ0.
3mmのポリ塩化ビニルフィルム(可塑剤としてトリクレ
ジルフォスフェートを28重量%含有)を塩化ビニル−酢
酸ビニル系の接着剤(水系ラテックス)を用いて貼り合
わせて、比較表装材−1を作製した。なお、貼り合わせ
は、0.2kg/cm2の圧力をかけながら45℃の温度で16時間
保存して行った。
〔比較表装材−2の作製〕 表装材−1で使用した80g/m2の紙支持体上に、ポリ塩
化ビニルをメチルエチルケトンに溶解し、これに赤色顔
料を分散した塗布組成物をポリ塩化ビニルが20g/m2とな
るように塗布し、乾燥して比較表装材−2を作製した。
〔ラミネートフィルムの作製〕 透明な厚さが約50μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム支持体上に、下引加工を施した後、厚さが約12
μmのポリ塩化ビニル層を塗設して、ラミネートフィル
ムを作製した。
〔人物画像入り冊子の作製〕
第2図に示す構成の人物画像入り冊子を以下の方法に
より作製した。
前記受像材料の色素受像層面上に第4図のような彩紋
をUV硬化性インクを用いて印刷した。この印刷は、完成
した冊子で人物画像がその周辺の2辺において幅約2.5m
mで彩紋が重なり合うような位置で行った。
次いで、この印刷済みの受像材料と筆記可能な複数の
頁に相当する上質紙6枚を重ね合わせ、ポリ塩化ビニル
受像層面が筆記可能な紙面に重なり合うように重ね合わ
せた。次いで、中心部を糸で綴じ合わせた後、受像材料
の裏面(バライタ紙の色素受像層面とは反対側の面)を
上記表装材と塩化ビニル−酢酸ビニル系のラテックス系
の接着剤により貼り合わせた。この時、貼り合わせ面
は、40℃に保持した恒温槽に加圧下(0.2kg/cm2)で一
昼夜保存した。
この貼り合わされたものを、糸綴じ部を中心に2つに
折り込んだ後、所定のサイズに裁断して、人物画像入り
冊子を作製した。
〔画像記録および個人別の人物画像入り冊子の作製〕
上記方法で得られた熱現像感光材料に人物画像をCRT
プリンターで露光を行った後、熱現像機により150℃で7
0秒間、熱現像を行った。次いで、この現像済みの熱現
像感光材料を上記人物画像入り冊子にあらかじめ綴じ込
んである受像材料のPVC色素受像層面に重ね合わせて、1
35℃にて8秒間重ね合わせて受像材料面上への色素転写
を行った。
次いで、熱現像感光材料を受像材料から剥離した後、
文字、記号等の必要な事項を溶融型感熱転写記録方法に
よって記録した後、前記ラミネートフィルムを色素受像
層面にラミネートした。ラミネートフィルムとしては、
色素受像層面に対して端部が約0.5mm程度内側になるよ
うにあらかじめ打ち抜いておいたものを使用した。な
お、ラミネートフィルムのラミネート(熱溶着)は、加
圧力が約5kg/cm2、温度が150℃に加熱してある上下に対
向して配置されているヒートローラー間を通すことによ
り行った。ラミネート面の最高到達温度はヒートラベル
を用いた測定から、135℃であった。
〔人物画像入り冊子の評価〕
上記方法で作製した人物画像入り冊子について、 (1)端部の波打ち状況 (2)表装部のシワの発生状況 (3)表装部の光沢変化 を調べた。その結果を表−2に示した。
評価基準は以下の方法によった。
(1)端部の波打ち ○:波打ちが全くなし △:波打ちがわずかに発生しているが実用上は許容でき
るレベル ×:波打ちが大きく実用上許容できないレベル (2)表装部のシワ ○:シワの発生が皆無 △:シワの発生確率が冊子1冊当り0.2個未満 ×:シワの発生確率が冊子1冊当り0.2以上で実用上許
容できないレベル (3)表装部の光沢変化 ○:光沢変化が全くなし △:僅かに光沢の変化が認められるが、実用上は許容で
きるレベル ×:光沢変化が大きく実用上許容できないレベル 結果を後記表−2に示した。
この表−2から、本発明に係る人物画像入り冊子は、
端部の波打ち、表装部のシワ、表装部の光沢変化のいず
れも生ぜず、耐熱性が良好であることが分かる。
〔発明の効果〕 本発明によれば、画像記録層を挟んで透明なフィルム
と加熱下で接合される表装材が、親水性バインダーを含
有する塗布組成物または少なくともポリウレタンを含有
する樹脂組成物を紙または布基体上に塗布して得られる
ものであるので、端部の波打ち、表装部のシワ、表装部
の光沢変化の問題の生じないきれいな人物画像入り冊子
が得られる。
また、本発明の人物画像入り冊子は、高い偽造・変造
耐性を有し、しかも簡易に作製することができる。
さらに、本発明の人物画像入り冊子は、OCR読み取り
精度が高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の人物画像入り冊子の一例の斜視図、 第2図および第3図はそれぞれ本発明の人物画像入り冊
子の完成前の状態を示す側面図、 第4図は彩紋の一例を示す正面図である。 1…ID部、2…冊子部 3…シート 4…透明なフィルム(ラミネートフィルム) 10…糸綴じ部、11…頁 20…個人の顔写真領域、21…個人文字情報領域 22…OCR文字情報領域 23…補助分、31…人物画像 32…文字や記号や彩紋等 41…支持体、42…下引層 43…接着可能な層、51…画像記録層 52…光反射支持体、53…表装材 60…彩紋

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも着色された表装材と、画像記録
    層と、透明なフィルムとがこの順に接合されて冊子の一
    部が構成された人物画像入り冊子であって、 前記透明なフィルムが、前記画像記録層を挟んで前記表
    装材に加熱下で接合され、 前記表装材は、親水性バインダーを含有する塗布組成物
    または少なくともポリウレタンを含有する樹脂組成物
    を、紙または布基体上に塗布して得られることを特徴と
    する人物画像入り冊子。
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