JPH0768783A - インク供給装置 - Google Patents

インク供給装置

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Publication number
JPH0768783A
JPH0768783A JP24642193A JP24642193A JPH0768783A JP H0768783 A JPH0768783 A JP H0768783A JP 24642193 A JP24642193 A JP 24642193A JP 24642193 A JP24642193 A JP 24642193A JP H0768783 A JPH0768783 A JP H0768783A
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JP
Japan
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ink
chamber
absorber
pressure
meniscus forming
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Application number
JP24642193A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Oda
和之 小田
Junichi Yoshida
淳一 吉田
Atsushi Takagi
淳 高木
Yoshihiko Fujimura
義彦 藤村
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により、インク供給性能の安定化
および周囲環境変化による影響の抑制の両立を図った、
高効率のインク供給装置を提供する。 【構成】 インクタンク3は、インク室5と、大気連通
孔9が設けられ、インク吸収体8を配置したインク吸収
体室6から構成されている。はじめにインク吸収体8内
のインクが消費され、インク吸収体8内のインクがほぼ
終了すると、空気がメニスカス形成部10を通過する際
に気泡となり、インク室5へ移動する。メニスカス形成
部10の表面張力により、インク圧を一定に保つ。メニ
スカス形成部10は、インク室5の側壁の底面付近のイ
ンク吸収体室6との連通口に設けられるので、ほぼ垂直
に設置され、発生する気泡はすぐに上方に移動するので
表面が気泡に覆われてしまうことはなく、また、常にイ
ンク室5内のインクに触れて濡れた状態となっており、
メニスカスが破壊されることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タにおいて、記録ヘッドにインクを供給するインク供給
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタにおいて
用いられていたインク供給機構としては、インクジェッ
トヘッドに連通接続されるインクタンクの内部全域にス
ポンジもしくは繊維状材料であるフェルト等のインク吸
収体を装填し、このインク吸収体にインクをあらかじめ
含浸保持させておき、インク吸収体内のインクを記録ヘ
ッドに供給するようにしたものが知られている。このタ
イプのインク供給機構においては、インク吸収体の毛細
管力によってインクを保持するものであるため、インク
タンクの内容積の約40%〜60%のインク量しか使用
することができず、使用効率が低いという問題がある。
そのため、インクタンクの使用寿命を伸ばそうとする
と、必然的にインクタンクが大型化してしまい、小型化
の要請に沿わないという技術的課題が生じていた。ま
た、インクが消費されるにつれて、インク吸収体で保持
されるインク量が減少すると、インク水頭圧の減少か
ら、インク吸収体に含浸したインクに作用する負圧が上
昇し、記録ヘッドへのインクの供給が妨げられるという
問題が発生する。このような現象が顕著になると、記録
ヘッドにインクが供給されない状態でインクの吐出動作
が行なわれるため、結果的に印字ノズル部より気泡が逆
流し、画質欠陥を引き起こすという問題を生ずる。
【0003】このような問題を解決するインク供給装置
としては、例えば、特開昭62−231759号公報に
記載されているインクジェットプリントヘッドがある。
このインク供給装置においては、密閉したインクタンク
内にインクのみを充填し、このインクタンクと記録ヘッ
ドとの間に圧力制御弁を設けることによって、記録ヘッ
ドに一定の圧力でインクを供給している。このような圧
力制御弁を設けるタイプでは、微少な負圧の作用によっ
て完全開閉する制御弁を、実際に作成することは非常に
困難であり、装置が大型化、高価格化してしまうという
問題があった。また、長期にわたり使用すると、制御弁
の部分にインクが固着し、完全開閉しなくなるなどのト
ラブルが発生し、信頼性は低かった。
【0004】また、特開平1−148559号公報に記
載されているインクジェットペンにおいては、密閉した
インクタンク内にインクのみを充填し、毛管流路と溢れ
だめを設けることによって、インクタンク内圧を一定負
圧に保つように構成している。この毛管流路と溢れだめ
を有するタイプでは、印字の初期段階においては、イン
クタンク内のインクが消費されるにしたがって、インク
タンク内の負圧が増加すると、毛細管を通じて空気がイ
ンクタンク内に導入され、インクタンク内の負圧値はほ
ぼ一定に保たれ、インクタンク内のインクが記録ヘッド
に安定供給される。しかし、周囲環境が変化し、例え
ば、インクタンク内の上方空間の空気が膨張した場合に
は、インクタンク内のインクは毛細管を通じて溢れだめ
へ移動し、インクタンク内のインクが一時的に溢れだめ
側へ待避することになる。このため、記録ヘッドには溢
れだめ内のインクが形成する自由表面と記録ヘッド部分
との高低差分だけの正圧が発生することになる。このよ
うな状態では、ヘッド面が少しでも汚れていると、ノズ
ルからのインク漏れを引き起こすというトラブルが発生
してしまうという問題があり、信頼性に欠けていた。ま
た、密閉したインクタンクに対して、かなりの長さの毛
細管を介して、溢れだめを連通接続しているため、毛細
管を適宜屈曲させる等、装置構成が複雑化してしまう。
また、インクタンク内のインクの消費にともなって、イ
ンクタンク内の負圧値が増加したとしても、毛細管内に
ゴミや乾燥したインクが詰まると、毛細管からの気泡の
導入が不確実になってしまう。この結果、インクタンク
内の負圧値が不安定になりやすく、ヘッドにインクを安
定供給することが難しいという技術的課題が生じてい
た。
【0005】さらに、従来の別のインク供給装置とし
て、図3に示したものがある。図3は、従来のインク供
給装置の一例の断面図である。図中、11は記録ヘッ
ド、12はインクタンク、13はインク、14はインク
室、15は連通路、16はインク吸収体室、17は連通
孔、18は大気連通孔、19はインク吸収体、20はフ
ィルタ、21は棒状部材、22は供給路である。インク
タンク12と記録ヘッド11とは供給路22により接続
されている。インクタンク12内は、インク室14と、
インク吸収体19を配置したインク吸収体室16が隣接
しており、インク吸収体室16の下部に設けられた連通
路15によって、インク室14とインク吸収体室16と
が接続されている。インク吸収体室16の上部には、大
気連通孔18が設けられている。また、インク吸収体室
16の底面には、連通孔17を形成する凸部があり、連
通孔17を覆うように、フィルタ20が設けられてい
る。フィルタ20にインク吸収体19が圧接されてい
る。フィルタ20の底面には、インクの吸収性のよい棒
状部材21が配置されており、棒状部材21は連通路1
5の底面まで延びている。
【0006】このインク供給装置の使用開始時から暫く
の間は、インク吸収体19は、自身の毛細管力によりイ
ンク圧力を一定に保つ。インクの消費に伴い、はじめに
インク吸収体室16内のインクが消費される。インク吸
収体19に吸収されているインクが消費されると、イン
ク吸収体室16内の空気が、フィルタ20に形成されて
いるインクのメニスカスを通過する際に気泡となり、連
通路15を通って、インク室14へ移動する。フィルタ
20の表面張力により、インク圧を一定に保つ。フィル
タ20の裏面に気泡が満たされた場合や、インク残量が
少なくなった場合であっても、棒状部材21により連通
路15内のインクがフィルタ20に供給され、フィルタ
20は常に濡れた状態となり、フィルタ20に形成され
るインクのメニスカスによりインク圧を保つことができ
る。また、気温が上昇し、あるいは、大気圧が低下し、
インク室14内の空気が膨張した場合でも、インクがイ
ンク吸収体室16に移動し、インク圧は保たれる。
【0007】このようなインク供給装置によれば、イン
クの収容効率を高めるとともに、記録ヘッドにかかるイ
ンク圧をほぼ一定に保つことができ、また、周囲の環境
の変化による影響を抑えて、良好な印字を行なうことが
できる。しかし、フィルタ20の下部に棒状部材21を
設けなければならず、部品点数が増加するとともに、イ
ンク吸収体室16の下部に、気泡で塞がれない程度の連
通路15を設ける必要があり、構成が複雑であるという
問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、簡単な構成により、インク
供給性能の安定化および周囲環境変化による影響の抑制
の両立を図った、高効率のインク供給装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクジェッ
トヘッドに連通接続されインクをインクジェットヘッド
へ供給するインク供給装置において、インクを貯留する
ためのインク室と、該インク室の側壁の底面近くに設け
られた連通口と、該連通口によりインク室と連通しイン
ク吸収体を収容するとともに内部を大気圧に解放するた
めの開口を有するインク吸収体室と、前記連通口に設け
られ前記インク吸収体と接するように配置されたメニス
カス形成部を有することを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明によれば、初期の状態においては、イン
クはインク吸収体室から使用され始める。インク吸収体
の毛細管力によって、インク室内にも負圧が発生し、記
録ヘッドに適度な負圧が発生され、良好な印字が補償さ
れる。また、インク吸収体室のインクがほとんどなくな
った時点で、インク吸収体室とインク室とを連結する連
通口に設けられたメニスカス形成部を通して、気泡がイ
ンク室内に供給されることによって、インク室内の負圧
の上昇を抑え、良好な印字を補償する。このとき、メニ
スカス形成部は、インク室側壁に設けられた連通口に設
けられ、垂直方向に設置されているので、メニスカス形
成部の下方に発生した気泡は、すぐに鉛直上向き方向に
移動を開始し、インク室の上部に貯留される。そのた
め、従来のインク供給装置のように、気泡がフィルタ下
面に残留し、フィルタとインクとの連通を阻害し、フィ
ルタに形成されているインクのメニスカスを破壊するこ
とはない。また、連通口はインク室側壁の底面近くに配
置されているので、インク室内のインクがなくなるまで
は、メニスカス形成部は常にインクに浸漬しているた
め、メニスカス形成部に形成されているインクのメニス
カスが破壊されることはない。このとき、従来必要であ
った棒状部材は不要である。
【0011】
【実施例】図1は、本発明のインク供給機構の一実施例
を示す断面図である。図中、1は記録ヘッド、2はヒー
トシンク、3はインクタンク、4はマニホールド、5は
インク室、6はインク吸収体室、7はフィルタ、8はイ
ンク吸収体、9は大気連通孔、10はメニスカス形成部
である。この実施例におけるインク供給機構は、記録ヘ
ッドと一体型の構成を示している。
【0012】記録ヘッド1は、ヒートシンク2に取り付
けられ、インクタンク3と一体に構成されている。イン
クタンク3と記録ヘッド1は、マニホールド4により連
結されている。記録ヘッド1には、図示しない多数のノ
ズルが高密度で形成されている。例えば、128個のノ
ズルを300spiの密度で形成することができる。各
ノズルには、通電によって気泡を発生させ、インク滴を
噴射するための発熱体が設けられている。図1におい
て、インク滴の噴射は下向きに行なわれる。また、記録
ヘッド1に電気信号を供給する図示しないプリント配線
基板等も存在している。
【0013】インクタンク3は、インク室5とインク吸
収体室6から構成されている。インクタンク3の筐体
は、剛性をもち、長期のインク保持を可能にするため、
耐インク性のよい材料が選択される。インク室5には、
初期状態においてインクが充満されている。インク室5
とマニホールド4の接続部分には、フィルタ7が設けら
れている。フィルタ7は、記録ヘッド1へのゴミ、異
物、インクの凝集分子、気泡の混入を防ぐために設けら
れている。フィルタ7としては、濾過精度20μmのも
のを使用することができる。この濾過精度は、記録ヘッ
ド1中のインク流路径よりも大きい異物をトラップする
という考えから決定される。
【0014】インク吸収体室6には、インクを保持する
ためのインク吸収体8が収容されているとともに、大気
連通孔9によって大気圧解放されている。大気連通孔9
は、インクが流出するのを防止するために、微細孔とな
っている。インク吸収体8としては、例えば、密度が8
00g/cm3 のポリエステルフェルトを用いることが
できる。しかし、インク吸収体8はこれに限定されるも
のではなく、インクとの界面で適度な毛細管力を発生さ
せる部材であれば、どのような部材であってもよく、例
えば、ポリウレタン、メラミンフォーム等の多孔質性部
材や、1次元、2次元状の繊維構造体なども用いること
ができる。インク吸収体8は、初期状態において、イン
クタンク3の内部に負圧を発生させ、インクを保持す
る。また、周囲の環境が変化した場合に、インクを保持
してインクタンク3の内部の負圧をほぼ一定に保つ働き
をする。
【0015】インク室5とインク吸収体室6との間の壁
のインク室5の底面付近には、連通口が設けられてお
り、その連通口に、メニスカス形成部10が配設されて
いる。この実施例では、メニスカス形成部10は連通口
のインク吸収室6側に、側壁に沿ってほぼ垂直に設けら
れている。このメニスカス形成部10は、インク吸収体
室6内のインク吸収体8に接するように設けられてい
る。メニスカス形成部10は、例えば、金網や樹脂性の
網等の網目状体や、多孔質体等を用いることができる。
特に、金属や樹脂繊維による編み物であるフィルタを用
いることができ、例えば、畳綾織の金網を用いることが
できる。メニスカス形成部10は、インク吸収体8より
も高い濾過精度を有しており、例えば、濾過精度70μ
mのものを使用することができる。また、メニスカス形
成部10は、フィルタ7よりも粗い濾過精度を有してい
る。これは、周囲環境の変化により、インク室5内の負
圧が減少したときに、インク室5内のインクが記録ヘッ
ド1から漏れ出さずに、インク吸収体室6へ移動させる
ためである。
【0016】このメニスカス形成部10によって、イン
ク吸収体室6の内部にインクが残留している状態で空気
がメニスカス形成部10上に到達した際には、メニスカ
ス形成部10の方がインク吸収体8よりも濾過精度が高
いので、空気はメニスカス形成部10の表面でトラップ
され、空気のインク室5への侵入を防ぐ。この状態とな
っても、インク吸収体8内のインクがインク室5へ移動
して消費されるので、インク吸収体8に保持されている
インクを有効に利用することができ、インク使用効率を
向上させることができる。また、インク吸収体室6の内
部のインクがほぼなくなった後は、メニスカス形成部1
0は空気にさらされることになるが、メニスカス形成部
10上にインクと空気のメニスカスが形成され、このメ
ニスカスにより、空気を気泡としてインク室5側に取り
込み、インク室5内の負圧を調整する。気泡発生時の気
泡発生圧力(バブルポイント圧)は、メニスカス形成部
10の濾過精度に依存するが、この濾過精度を最適にす
ることによって、これ以後の記録ヘッドへのインクの供
給圧を一定に保つことができる。メニスカス形成部10
は、インク室5の側壁の底面付近の連通口に設けられて
いるので、インク室5内のインクがなくなるまで、常に
インクと接することができ、インクによって濡れた状態
が保持される。これにより、インクのメニスカスは、イ
ンクを使いきるまで形成されるので、最後まで良好なイ
ンク圧を保持することができる。
【0017】メニスカス形成部10は、インク吸収体室
6側に突出させて配置することもできる。この場合、イ
ンク室5の連通口をインク吸収体室6側へ突出させたジ
ョイントを設け、ジョイントの先端面にメニスカス形成
部10を設けることができる。このジョイントを設けた
場合には、ジョイントの長さだけ(例えば、4.0mm
だけ)、メニスカス形成部10がインク吸収体8に没入
した状態となり、良好な流体的接合が得られる。
【0018】図1では、インク吸収体室6は、インクタ
ンクの下方に配置されているが、インク室5とインク吸
収体室6の配置はこれに限らず、インク室の側壁の底面
付近にインク吸収体室6との連通口を設けることができ
る配置構成であればよく、もちろん、図3に示した従来
のインク供給装置のように、インクタンク3を仕切っ
て、一方をインク室5、他方をインク吸収体室6として
もよい。また、例えば、インク吸収体室6をインク室5
内部に形成したり、あるいは、インク吸収体室6の3
方、又は、2方がインク室5に囲まれるように形成され
ている構成とすることもできる。この構成の場合に、イ
ンクタンクの筐体を透明あるいは一部透明とすることに
より、インク室5内のインク量を目視あるいは光学的に
知ることができる。一般的に、配線を短くするために、
記録ヘッドが取り付けられている位置に最も近い側面が
プリンタ本体側とのコンタクトに用いられる。このよう
なときにも、ユーザはコンタクト部の反対側からインク
残量を目視によって確認することができる。さらに、連
通口がインク吸収体室6の側壁の中程や、上部に配置さ
れる構成であっても良い。この場合でも、連通口のイン
ク室5側は、インク室の底面付近である必要がある。
【0019】図1に示したインク供給装置は、インクジ
ェットプリンタに組み込んで使用することも可能である
が、カートリッジとしてインクジェットプリンタに着脱
自在に構成することができる。このとき、カートリッジ
上にインクジェットプリンタの本体から電気信号を受理
可能なコンタクト部を有する構成とすれば良い。また、
上述の実施例では、インクタンク3と記録ヘッド1が一
体となった構成を示しているが、これに限らず、記録ヘ
ッドとインクタンクを別体とした構成とすることもでき
る。このとき、記録ヘッド1はインクジェットプリンタ
に固定し、インクタンクのみを交換可能とすることもで
きるし、インクタンク部分をインクカートリッジとし、
記録ヘッド部分をヘッドカートリッジとして、それぞれ
が着脱自在な分離型として構成することもできる。
【0020】本発明のインク供給装置の一実施例におけ
る動作について説明する。まず、工場出荷時において、
インクタンク3はインク室5の内容積の100%、イン
ク吸収体室6の内容積の80%がインク充填された状態
となっている。工場出荷時の状態としては、インク使用
効率向上の観点から、できる限りインクタンク3内にイ
ンクを満たすことが望ましいが、インク吸収体室6内の
インク吸収体8によって負圧を発生させるために、イン
ク吸収体室6には、ある程度のインク未充填部分が必要
である。記録ヘッド1におけるインク圧力は、例えば、
−20mmH2 Oとなっており、インクをインク吸収体
8の毛細管力で保持している。この状態で、記録ヘッド
ノズル部および大気連通口部には気密シールが貼られ
て、パッケージングされている。
【0021】印字が始まり、インク吸収体室6内にイン
クがある間は、インク吸収体室6内のインクが消費さ
れ、大気連通口9から徐々に空気がインク吸収体室6内
に広がって行く。さらにインクが消費され、空気がイン
ク吸収体8を通過してメニスカス形成部10上に到達し
た際にも、メニスカス形成部10の濾過性度がインク吸
収体8よりも細かいため、空気はメニスカス形成部10
の表面でトラップされるので、空気のインク室への侵入
が防止され、インク吸収体8内のインクがインク室5へ
移動して消費されるので、インク吸収体8内のインク残
量を少なくすることが可能である。
【0022】さらに、インクが消費され、インク吸収体
室6の内部のインク残量がほぼなくなると、メニスカス
形成部10上にインクと空気のメニスカスを形成され
る。さらにインクが消費されると、インク水頭圧の減少
から、インク室5内の負圧が大きくなるが、メニスカス
の気泡発生圧力(バブルポイント圧)を越えると、メニ
スカス形成部10を通って気泡がメニスカス形成部10
のインク室5側に発生する。発生した気泡は、すぐに上
方へ移動を開始し、付近の気泡と結合して次第に大きく
なりながら、メニスカス形成部10の表面を離れ、イン
ク室5の上部に溜まる。発生した気泡の分だけ、インク
室5内の負圧は減少し、インク室5内の負圧はほぼ一定
に保たれることになる。従来のように、発生した気泡が
メニスカス形成部10のインク室5側に滞留することは
ないので、インク室5内のインクにより、メニスカス形
成部10はインクにより濡れた状態が維持される。
【0023】さらにインクが消費されて、メニスカス形
成部10の一部がインク室5内に滞留する空気に触れる
ようになっても、メニスカス形成部10が配設された連
通口が、インク室5の側壁の底面付近に設けられている
ので、メニスカス形成部10のインク室5内のインクに
触れている部分から、メニスカス形成部10全体にイン
クが吸い上げられ、メニスカスが破壊されることはな
い。そのため、インク室5内部のインクがほぼなくなる
まで、記録ヘッドへのインクの供給圧は一定に保たれ
る。このように、インク室5及びインク吸収体室6内に
充填されたインクをほぼ使いきることができるので、効
率の良いインク供給装置を実現することができる。
【0024】周囲の環境が変化した場合にも、本発明の
インク供給装置は対応することができる。周囲の環境が
変化した場合でも、インク室5内に空気が滞留していな
い状態では、インク吸収体8の毛細管力により負圧を発
生しているため、あまり影響はない。インク室5内に空
気が滞留している場合には、周囲の環境の変化、例え
ば、周囲の温度変化により、インク室5内の空気が膨張
あるいは収縮するため、インク室5内の負圧が変動する
場合がある。また、気圧の変動によって、インク室5内
の負圧が相対的に変動することになる。
【0025】まず、周囲の気温が低下し、あるいは、気
圧が上昇した場合には、インク室5内の負圧が相対的に
大きくなる。この場合には、インクが消費された場合と
同様に、メニスカス形成部10から気泡が発生し、イン
ク室5内の空気の量が増加することにより、負圧の増大
を打ち消し、ほぼ一定の負圧が保たれる。
【0026】周囲の気温が上昇し、あるいは、気圧が低
下する場合には、インク室5内の負圧が相対的に小さく
なる。この場合には、インク室5内のインクは、メニス
カス形成部10を通過してインク吸収体室6へ移動し、
インク室5内の負圧はほぼ一定に保たれる。この状態で
再び周囲の気温が低下し、気圧が上昇し、あるいは、イ
ンクが消費されると、インク吸収体室6へ移動していた
インクがインク室5へ移動し、負圧が保たれるととも
に、インク吸収体室6へ移動したインクが残留してしま
うことはない。
【0027】図2は、インク量に対するインクジェット
ヘッドにおけるインク圧力の関係の説明図である。記録
ヘッドにおけるインク圧力の変動は、ノズルからのイン
クの噴射特性に影響を与えることとなる。図2では、図
1に示した本発明の実施例のインク供給装置を用いて計
測したインク量に対する記録ヘッドにおけるインク静圧
とインク動圧の変動を太線および太い点線で示してい
る。インク静圧とは、印字を行なっていないときの圧力
のことである。この圧力は、インク吸収体またはメニス
カス形成部の毛管力が発生する圧力と、インクの液面か
らの水頭圧によって発生する。また、インク動圧は、イ
ンクの流量と流路系の流体抵抗によって発生する圧力損
失と、インク静圧の和だと考えることができる。図中の
インク動圧の測定は、ベタ印字時のものである。
【0028】また、図2には、計測で用いた本発明の実
施例のインク供給装置と同寸法であり、従来のインク吸
収体を内容積全部に装填したインクタンクを使用して、
同様に計測した。このときのインク量に対するインク静
圧とインク動圧の変動を、比較のために細線および細い
点線で示した。
【0029】図2を参照すると、流路系の流体抵抗によ
って発生する圧力損失、すなわち、実線と破線の差につ
いては、両者間に大きな差は認められないが、インク静
圧についてはかなり異なっている。まず、本発明の実施
例の方が、インクの初期充填量が多くなっているが、こ
れは、インク室に100%インクを充填でき、より多く
のインクをインクタンクに充填できるためである。
【0030】また、従来のインクタンクでは、インク残
量の減少にほぼ比例して、インク静圧が上昇してしまっ
ている。これは、インクのヘッド面からの水頭圧が減少
してしまうためである。しかし、本発明の実施例の場合
には、始めのうちは同じような傾きでインク静圧の上昇
が見られるが、インク吸収体からインクが消費され、メ
ニスカス形成部から気泡が発生するようになると、イン
ク静圧は一定となる。このときのインク圧は次の式のよ
うに表されると考えられる。 Phead=Pair−4γcosθ/D+ρ・g・h2 ここで、Pheadは記録ヘッドにおける圧力、Pair は大
気圧、γはインクとメニスカス形成部との界面張力、θ
はぬれ角、Dはメニスカス形成部の空隙径、ρはインク
の密度、gは重力加速度、h2はメニスカス形成部のイ
ンク液面から記録ヘッドまでの高さである。この式の1
項目と2項目は、大気圧と、メニスカス形成部によって
決まる。3項目のインクのヘッド面からの水頭圧も、高
さh2が一定となるために一定値となるので、インク静
圧は一定となる。その結果、インクの流量と流路系の流
体抵抗によって発生する圧力損失とインク静圧の和であ
るインク動圧も一定となって、使用可能インク量の多い
効率的なインク供給装置を実現している。
【0031】この例では、記録ヘッドでの負圧値が、1
25mmH2 Oを超過すると、インクのリフィルが阻害
されて、ノズルから吐出されるインク滴量の減少を引き
起こし、かすれと呼ばれる印字画質の低下を起こすこと
が判明している。このことから、本発明の実施例では、
インク残量の変化に対して、インク圧は適正な範囲に保
たれており、インクを使いきるまで良好な印字が可能で
ある。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、従来のインク供給装置で用いていた棒状部材
を用いず、また、インク吸収体室の下部に連通路を設け
るといった複雑な構成は必要なく、インク室の側壁の底
面付近に連通孔を設けてインク室とインク吸収体室とを
接続し、その連通孔にメニスカス形成部を設けるといっ
た簡単な構成により、記録ヘッドに作用するインク圧力
の変動を適正な値の範囲内にとどめ、インクの使用効率
の向上を図るとともに、周囲環境変化による影響の抑制
を図ることによって、高い信頼性を有し、効率の良いイ
ンクジェットプリンタのインク供給装置を提供すること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインク供給機構の一実施例を示す断
面図である。
【図2】 インク量に対するインクジェットヘッドにお
けるインク圧力の関係の説明図である。
【図3】 従来のインク供給装置の一例の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 記録ヘッド、2 ヒートシンク、3 インクタン
ク、4 マニホールド、5 インク室、6 インク吸収
体室、7 フィルタ、8 インク吸収体、9 大気連通
孔、10 メニスカス形成部。
フロントページの続き (72)発明者 藤村 義彦 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッドに連通接続されイ
    ンクをインクジェットヘッドへ供給するインク供給装置
    において、インクを貯留するためのインク室と、該イン
    ク室の側壁の底面近くに設けられた連通口と、該連通口
    によりインク室と連通しインク吸収体を収容するととも
    に内部を大気圧に解放するための開口を有するインク吸
    収体室と、前記連通口に設けられ前記インク吸収体と接
    するように配置されたメニスカス形成部を有することを
    特徴とするインク供給装置。
JP24642193A 1993-09-07 1993-09-07 インク供給装置 Pending JPH0768783A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0791464A2 (en) * 1996-02-21 1997-08-27 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply device and recording apparatus
US5821965A (en) * 1995-02-21 1998-10-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply unit and recorder

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