JPH0789088A - インク供給装置 - Google Patents

インク供給装置

Info

Publication number
JPH0789088A
JPH0789088A JP25913893A JP25913893A JPH0789088A JP H0789088 A JPH0789088 A JP H0789088A JP 25913893 A JP25913893 A JP 25913893A JP 25913893 A JP25913893 A JP 25913893A JP H0789088 A JPH0789088 A JP H0789088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
chamber
main
sub
core member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25913893A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Takagi
淳 高木
Junichi Yoshida
淳一 吉田
Kazuyuki Oda
和之 小田
Yoshihiko Fujimura
義彦 藤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP25913893A priority Critical patent/JPH0789088A/ja
Priority to US08/291,554 priority patent/US6000790A/en
Publication of JPH0789088A publication Critical patent/JPH0789088A/ja
Priority to US08/602,325 priority patent/US6007191A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク供給性能の安定化および周囲環境変化
による影響を抑え、インクの体積効率を向上させたイン
ク供給装置を提供する。 【構成】 インクタンク2内は、主インク室4と、吸収
部材9を配置した副インク室6から構成され、副インク
室6の上部に大気連通孔8がある。吸収部材9は、自身
の毛細管力によりインク圧力を一定に保つ。インクの消
費に伴い、はじめに副インク室6内のインクが消費され
る。所定のインク量が消費されると、空気が吸収部材9
内を通過してインク芯部材10を通過する際に気泡とな
り、主インク室4へ移動し、インク圧を一定に保つ。イ
ンク芯部材10は常にインクに接し、メニスカスが破ら
れることはない。副インク室6の底面の周囲には、凹部
11が設けられ、副インク室6の側面から侵入する空気
をトラップし、副インク室6内のインクを使いきること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置において、インクジェットヘッドにインクを供給する
インク供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置における
インク供給装置の構造としては、インクタンク内部にス
ポンジ等の多孔質材料や、フェルト等の繊維状材料を、
インクタンク内部容積のほぼ全体にわたって装填し、イ
ンクを含浸保持する構造のものが知られている。このよ
うなインク供給装置では、インクタンクの内容積の約4
0%〜60%のインク量しか使用することができないた
め、効率が悪いという問題点を有していた。さらに、こ
のインク供給装置では、インクが多孔質材料、繊維状材
料の毛細管力のみにより保持し、インクジェットヘッド
に対する適正な負圧を発生させていた。したがって、イ
ンクの消費に伴い、多孔質材料、繊維状材料などのイン
ク含浸材の毛細管力全体が増加し、インクジェットヘッ
ドにかかる負圧は徐々に増大し、インクジェットヘッド
へのインク供給を妨げる。よって、インクの消費ととも
にインクジェットヘッドにかかる負圧がある一定値以上
になると、インクジェットヘッドヘッドの印字ノズル部
より気泡が逆流し、画質欠陥が発生する。この現象も、
インクの使用効率を低下させる一因であり、問題点であ
った。
【0003】このような問題点を解決するインク供給装
置としては、例えば、米国特許第5,010,354号
明細書および特開平3−180357号公報には、密封
したインクタンク内にインクのみを充填し、このインク
タンクに一端が大気に解放された小穴と、毛細管力を発
生させる部材を配置した小室を具備したインク供給装置
が記載されている。この構造によれば、インクタンク内
部の圧力は、小穴から選択的に空気を導入することによ
り、ある一定の負圧に維持することが可能となる。ま
た、周囲環境の変化により、インクタンク内部の圧力が
上昇した際には、インクは小室に移行し、インクタンク
内部の圧力が低下した際には小穴から空気を導入し、圧
力を正常化する動作を行なっている。
【0004】しかし、この構造のインク供給装置では、
毛管素子の入った小室がインクタンクの下部に配置され
ているので、インクタンク内部の圧力変動を緩和するた
めにインクタンクから小室へ移動したインクが再度イン
クタンクに戻る際には、毛管力に打ち勝ち、さらに重力
方向に逆らって移動させる必要があった。そのため、小
室内のインクは完全にはインクタンクへ移行しきれず、
小室に残留してしまい、体積効率を低下させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、インク供給性能の安定化お
よび周囲環境変化による影響を抑え、インクの体積効率
を向上させたインク供給装置を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクジェッ
トヘッドに連通接続されインクをインクジェットヘッド
へ供給するインク供給装置において、前記インクジェッ
トヘッドに連通しインクが収容される主インク収容室
と、該主インク収容室と連通孔を介して連通しかつ大気
連通口が開設された副インク収容室と、該副インク収容
室の内壁に密着して配置されたインク吸収部材と、前記
副インク収容室の連通孔に設けられ一端が前記インク吸
収部材と接触し他端が前記主インク収容室内のインクと
液的に連通しているインク芯部材を有することを特徴と
するものである。前記副インク収容室の底面の周囲に凹
部を設けることができる。
【0007】
【作用】本発明によれば、インクのみが収容される主イ
ンク収容室と、インク吸収部材を配置した副インク収容
室が設けられ、副インク収容室の上部にはインク吸収部
材と大気連通可能な大気連通孔が設けられている。イン
ク吸収部材は、それ自身が毛細管力を発生させる部材で
あり、インクジェットヘッドにかかるインク圧力を周囲
の大気圧以下に保っている。インク吸収部材の内部に
は、あらかじめインクが充填されており、初期はインク
室として機能する。
【0008】インクジェットヘッドからインクを噴射
し、インクが消費される場合、始めに副インク収容室内
のインクが消費される。副インク収容室内のインクがな
くなり、さらにインクが消費されると、大気連通孔から
導入された空気がインク吸収部材の内部を通過し、さら
にインク芯部材の目に形成されたインクのメニスカスを
通過する際に気泡となる。発生した気泡は連通孔から主
インク収容室へ移動する。主インク収容室内に入った気
泡は気泡の浮力により、自然に上昇し上部にて空気層を
形成し、主インク収容室内の負圧の増加を抑え、圧力を
ほぼ一定に保つ。これにより、常にインクジェットヘッ
ドに適度な負圧が発生し、良好な印字を補償することが
できる。
【0009】次に、周囲の環境が変化し、主インク収容
室の内部の空気層が膨張する場合には、主インク収容室
内のインクはインク芯部材により吸い上げられ、インク
吸収部材に吸収されることにより、主インク収容室の内
部の大気圧との差圧を保つ。一方、主インク収容室の内
部の空気層が収縮する場合には、大気連通口からインク
吸収部材を通過し、さらにインク芯部材を通過する際に
気泡となって、連通孔を通って主インク収容室の内部に
空気が導入されることによって、主インク収容室内の差
圧を保ち、インクは漏れない。
【0010】インク芯部材は、主インク収容室内のイン
クと液的に連通しているので、常にインク芯部材がイン
クにより湿潤し、インク芯部材の目はインクによるメニ
スカスが形成されて、安定した気泡生成を行なうことが
できる。
【0011】副インク収容室の底面の周囲には、凹部を
設けることができ、この凹部により副インク収容室の側
面を伝わって侵入する空気をトラップするので、副イン
ク収容室内にインクが残った状態で、インク芯部材の表
面が空気に覆われ、インクの主インク収容室への移動を
妨げることがなく、インクの使用効率を向上させること
ができる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明のインク供給装置の一実施例
を示す断面図、図2は、副インク室の下部の拡大図であ
る。図中、1はインクジェットヘッド、2はインクタン
ク、3はインク、4は主インク室、5は連通路、6は副
インク室、7は連通孔、8は大気連通孔、9は吸収部
材、10はインク芯部材、11は凹部、12は供給路、
13は緩衝部材、14はフィルタである。この実施例で
は、インクジェットヘッド1とインクタンク2とが一体
に構成されている。インクジェットヘッド1の周囲に
は、ヘッド自身が取り付けられた図示しないヒートシン
ク、インクジェットヘッド1に電気信号を供給する図示
しないプリント配線基板等が存在している。インクジェ
ットヘッド1には、図示しない多数のノズルが高密度で
形成されている。例えば、128個のノズルを300s
piの密度で形成することができる。各ノズルには、通
電によって気泡を発生させ、インク滴を噴射するための
図示しない発熱体が設けられている。図1において、イ
ンク滴の噴射は下向きに行なわれる。
【0013】インクタンク2の内部は、主インク室4
と、副インク室6に分けられている。インクタンク2の
筐体は、剛性を持ち、長期のインク保持を可能にするた
め、耐インク性の良い材料が選択される。主インク室4
には、インクのみが収容される。主インク室4から供給
路12を介してインクジェットヘッド1へインクが供給
される。主インク室4と供給路12の間に、緩衝部材1
3およびフィルタ14が挿入されている。フィルタ14
は、緩衝部材13の下部に配置されている。これによ
り、インクジェットヘッド1へつながる供給路12の最
後での濾過が可能となり、ゴミ、異物の除去を確実に行
なうことができる。フィルタ14は、超音波融着、もし
くは、熱融着等により、供給路12の上部に確実に接着
される。フィルタ14の材料としては、濾過粒度が5μ
mから50μmとなるようなSUSメッシュ、もしく
は、SUSの細線をフェルト状にし、さらに、圧縮焼結
させたものを基材としたフィルタ等を使用することがで
きる。濾過粒度は、インクジェットヘッド中のインク流
路径よりも大きい異物をトラップする程度に決定され
る。なお、フィルタ14は、振動および衝撃、加速度に
よりインクジェットヘッド1に過度な圧力変動を与えな
い効果も一部有する。
【0014】緩衝部材13は、例えば、吸収部材9と同
様のポリエステル繊維を一方向に束ねた中綿材等により
構成される。緩衝部材13は、供給路12の口部の直前
に配置することが望ましく、振動および衝撃、加速度に
よる圧力変動、および、インクジェットヘッド1のノズ
ル側からの気泡混入を防止する。この緩衝部材13は、
供給路12の直前部に配置することが望ましい。
【0015】副インク室6の下部には、連通孔7が設け
られており、連通路5を介して主インク室4と連通して
いる。連通孔7の断面形状としては、円形、楕円形、多
角形、星形、十字形、スリット形状等、種々の形状とす
ることができる。副インク室6の内部には、吸収部材9
が配置されている。吸収部材9の材料としては、2次元
構造を持つ繊維状材料、3次元構造を持つ多孔質体材
料、繊維状材料を3次元状に紡績したフェルトおよび不
織布材料等を使用することができる。具体的には、例え
ば、ポリエステル繊維を一方向に束ねた中綿材を使用す
ることができる。この中綿材としては、例えば、密度
(=重量/体積)が5%〜15%の間のものを用いるこ
とができ、流体抵抗、毛細管力の観点からこの程度の値
のものを用いるのが望ましい。なお、材料の構成はポリ
エステル繊維に限定されるものではなく、適度な毛細管
力を有し、インク耐性のある材料であれば、インクに合
わせ、他の材料を用いることができる。
【0016】副インク室6の上部には、吸収部材9と大
気連通可能な、大気連通孔8が設けられている。この実
施例では、大気連通孔8の径は、吸収部材9の孔もしく
は繊維間の隙間より大きく構成されている。吸収部材9
は、その上部で大気と連通し、大気圧解放されている。
吸収部材9内のインクは大気圧により押され、また、吸
収部材9の下方から負圧により主インク室側へ引き出さ
れるため、効率よく吸収部材9のインクを使用すること
ができる。このとき、吸収部材9の毛細管力により、主
インク室4内の負圧は一定に保たれる。大気連通孔8か
らインクが飛び出さないように、インクは通さず、空気
を透過させるシートを大気連通孔8に設けることも可能
である。または、大気連通孔8を、インクが流出しない
微細孔を多数配すことにより構成することもできる。吸
収部材9の周囲は、副インク室6の内壁に密着するよう
に挿入されている。この目的は、大気連通孔8から導入
される空気が、副インク室6の内壁に沿って侵入するこ
とを避けるためである。吸収部材9の形状は、副インク
室6の形状に合わせればよく、直方体や円柱等の形状と
することができる。
【0017】また、副インク室6の底面には、周囲に凹
部11が設けられている。副インク室6内部のインク量
が減少したときには副インク室6の内壁に沿って空気が
侵入しやすい状態になるが、副インク室6の底面の周囲
に設けられた凹部11により、吸収部材9の周囲から侵
入した空気をトラップし、それ以上の侵入を阻止するこ
とができる。
【0018】副インク室6の底面には、インク芯部材1
0が配置されている。インク芯部材10は、吸収部材9
の底部に接触すべく配置されている。インク芯部材10
としては、例えば、ポリエステル繊維を一方向に束ねた
中綿材や、ポリウレタン、メラミンフォーム等の多孔質
性部材、2次元、3次元状の繊維構造体等を使用するこ
とができる。具体的には、例えば、旭化成製の「サンフ
ァイン」等を使用することができる。このインク芯部材
10は、フィルタ14よりも粗い濾過粒度を有する。
【0019】図3は、インク芯部材10の一例の概略図
である。図3(A)は上面図、図3(B)は側面図であ
る。インク芯部材10の上部は、連通孔7を塞ぐ程度の
大きさを有している。インク芯部材10の底面側は、連
通路5に延在する長さを有している。望ましくは、連通
路5の底面まで延在する長さとすることができる。この
ような構成により、インク芯部材10は、連通路5にイ
ンクのある限り、インクを吸収して、インクで濡れた状
態を保持する。これにより、副インク室6内にインクが
なくなり、空気がインク芯部材10に達した場合、イン
ク芯部材10の目にメニスカスが形成され、このメニス
カスを空気が通過する際に気泡となって主インク室4側
に取り込まれる。気泡発生後は、再びメニスカスが形成
されて、空気は遮断される。
【0020】また、インク芯部材10の底面側は、連通
孔7の径よりも小さく構成されている。図2に示すよう
に、インク芯部材10を配置したときに、連通孔7の側
壁との間に隙間Aが形成されるように構成されている。
隙間Aは、例えば、0.5mm以上が望ましい。インク
芯部材10を空気が通る際に発生する気泡は、連通路5
を通って主インク室4へ移動するが、この隙間Aによ
り、気泡の発生及び移動を容易にしている。また、隙間
Aに気泡が溜まった場合でも、インク芯部材10の連通
路5に延在する部分により、インクが吸い上げられるの
で、隙間Aに溜まった空気と副インク室6内の空気と
は、インクのメニスカスにより遮断するため、主インク
室4内が大気に解放されることはない。
【0021】このように、インク芯部材10は、インク
のメニスカスによる主インク室4内の圧力調整と、イン
ク芯部材10全体へのインクの供給という2つの機能を
併せ持っている。この機能を別々の部材により構成する
こともできるが、本発明のようにインク芯部材10を用
いることにより、部品点数を減少させ、少ない工数で作
成することができ、低価格のインク供給装置を作成する
ことができる。インク芯部材10の形状は、図3に示し
たような円柱を重ねた形状に限らず、種々の形状とする
ことができ、例えば、連通孔7の形状に合わせた形状と
することができる。
【0022】次に、体積効率について説明する。この実
施例においては、主インク室4と副インク室6の容積比
を1:1に設定している。インクタンク2内部の初期状
態は、主インク室4内が100%インクで満たされてお
り、副インク室6内部は吸収部材9が含浸可能なインク
量が充填されている。吸収部材9の材料として、例え
ば、ポリエステル繊維を一方向に束ねた中綿材を使用し
た場合、インク保液効率(=インク充填量/全インク室
内容積)は約80%である。また、副インク室6の内部
のインク使用効率(=供給可能インク量/インク充填
量)は約70%である。一方、主インク室4内のインク
保液効率(=インク充填量/インク吸収部材体積)は約
100%であり、インク使用効率(=供給可能インク量
/インク充填量)も約100%である。したがって、イ
ンクタンク2の体積効率(=供給可能インク量/全イン
ク室内容積)は約78%となる。
【0023】本発明のインク供給装置の一実施例におけ
る動作を説明する。上述の図1に示した状態がインク充
填時を示している。この状態において、インクタンク2
には、吸収部材9による毛細管力によって保持できる限
界までインクが充填されている。また、主インク室4に
は、内容積の100%にインクが充填されている。イン
クジェットヘッド1におけるインク圧力は、例えば、−
20mmH2 Oとすることができる。このインク圧力
は、吸収部材9の毛細管力により実現され、インクが保
持されている。使用開始時の状態としては、インク使用
効率上の観点から、できる限りインクタンク2内にイン
クを満たすことが望ましいが、吸収部材9の毛細管力に
よって負圧を発生させるために、吸収部材9にはある程
度のインク未充填部分が必要である。使用前には、イン
クジェットヘッド1のノズル部および大気連通孔8には
気密シールを貼っておくことができる。この状態で、パ
ッケージングされている。
【0024】印字が始まると、インクジェットヘッド1
においてインクが消費され、消費されたインクの量だ
け、主インク室4から供給路12を介してインクがイン
クジェットヘッド1に補給される。それに伴って、吸収
部材9でインクを保持している間は、吸収部材9間に保
持されているインクが連通路5を介して主インク室4へ
移動し、大気連通孔8から徐々に空気が吸収部材9に広
がってゆく。
【0025】図4は、インクの消費の過程の説明図であ
る。図4(A)は、インクが消費され、空気がインク芯
部材10上に到達した状態を示している。この状態とな
るまで、インク芯部材10によって主インク室4への空
気の侵入が防止される。そのため、吸収部材9に保持さ
れているインク残量を少なくすることが可能である。こ
の時点で、インクと空気の接するメニスカスがインク芯
部材10上に形成される。インク芯部材10の上面に空
気が接触した状態でも、インク芯部材10の濾過精度が
吸収部材9よりも細かく設定しておくことにより、空気
はインク芯部材10上にトラップされたままインクの移
動が続く。
【0026】さらにインクが消費されるに従って、イン
ク水頭圧の減少から、徐々に負圧が増大し、ある一定の
負圧値(インク芯部材10の濾過精度によって決定され
るフィルタとインクのバブルポイント圧)がインク芯部
材10に加わると、インク芯部材10上に形成されてい
るインクのメニスカスを通して空気が細かな気泡となっ
て、連通孔7とインク芯部材10の隙間に発生する。発
生した細かな気泡は、隣接して発生した細かな気泡や、
後続の気泡などと合体し、大きな気泡となりながら、連
通路5を通って、主インク室4の内部に移動する。この
ときの気泡発生圧力(バブルポイント圧)は、インク芯
部材10の濾過精度に依存するが、この濾過精度を最適
にすることによって、これ以後のインクジェットヘッド
1へのインクの供給圧を一定に保つことができる。主イ
ンク室4に移動した気泡は、気泡の浮力により、自然に
上昇し、主インク室4の上部に溜まることになる。この
状態を図4(B)に示している。
【0027】さらにインクが消費されると、インクの液
面が連通路5を満たさなくなる。この状態を図4(C)
に示す。この状態では、インク芯部材10の径の大きい
部分が両面とも空気にさらされることになる。しかし、
インク芯部材10の連通路5内に延在した部分がインク
内に浸っているので、この部分の毛細管現象によってイ
ンクが吸い上げられ、インク芯部材10が濡れた状態に
保たれる。そのため、インク芯部材10には、インクの
膜が形成され続け、気泡発生による主インク室4の圧力
の保持動作は有効に作動する。この状態から、主インク
室4内のインクが完全になくなるまで、インクジェット
ヘッド1へのインクの供給圧は一定に保たれる。よっ
て、高効率のインク供給装置を実現できる。
【0028】このように、インク芯部材10は、常にイ
ンクに浸漬しているため、気泡発生開始後、インクがな
くなるまで、インク芯部材10上に形成されているイン
クのメニスカスが破壊されることはなく、主インク室4
内の負圧はほぼ一定に保たれる。
【0029】ところで、外気圧が変動したり、また、外
気温が変動するなど、周囲の環境が変化する場合があ
る。まず、主インク室にインクが満杯に充填されてお
り、副インク室からインクを供給しているときには、大
気連通孔から吸収部材が受ける大気圧と、インクジェッ
トヘッドのノズルの先端が受ける大気圧が同じであるの
で、大気圧が変化しても圧力バランスは崩れず、影響は
少ない。
【0030】次に、主インク室内に空気の層が形成され
ている場合を考える。図5,図6は、周囲環境の変化に
よるインクタンク内部の状態の説明図である。図中、1
5は空気層である。外気圧が下降するとき、または外気
温が上昇する際には、主インク室4の上部の空気層15
の体積が膨張するために、主インク室4内の負圧値が相
対的に小さくなろうとする。そのため、図5に示すよう
に、主インク室4内のインクは、連通路5を介し、イン
ク芯部材10を通過し、副インク室6内の吸収部材9で
保持される。これにより、主インク室4内の圧力と大気
圧との差圧を保ち、かつ、インクは漏れることはない。
このとき、フィルタ14の方がインク芯部材10よりも
濾過粒度が細かいので、フィルタ14を通過してインク
ジェットヘッド1からインクが漏れ出すことはない。
【0031】外気圧が上昇するとき、または外気温が下
降する際には、主インク室4の上部の空気層15が収縮
するために、主インク室4内の負圧値は相対的に大きく
なろうとする。この場合には、図6に示すように、イン
クの消費時と同様に、空気が大気連通孔8から吸収部材
9を通過し、さらにインク芯部材10を通過する際に気
泡となり、連通路5を介して主インク室4内に導入され
ることによって、主インク室4の内部の差圧を一定に保
つ。また、副インク室6内にインクが存在するときは、
インクの主インク室4内への移動が生じ、主インク室4
内の負圧は保たれる。どちらの場合も、インクが漏れる
ことはない。
【0032】例えば、主インク室4内の空気が膨張し、
主インク室4から副インク室6へインクが移動した後、
主インク室4内の空気が収縮した場合、副インク室6か
らインクが主インク室4へ戻るので、副インク室6へ待
避したインクが使用されずに残留してしまうことはな
い。
【0033】図7は、本発明のインク供給装置の第1の
実施例を用いたインクジェット記録ユニットの概略構成
図である。図中、21はインクジェット記録ユニット、
22はインクタンク、23は放熱板、24は流路形成部
材、25は基板、26はインクジェットヘッド、27は
配線パッド、28は副インク室、29は大気連通孔、3
0は吸収部材、31はインク芯部材、32は主インク室
である。
【0034】インクジェット記録ユニット21は、イン
クタンク22、放熱板23、流路形成部材24、基板2
5、インクジェットヘッド26、配線パッド27等から
構成される。インクタンク22は、副インク室28、大
気連通孔29、吸収部材30、インク芯部材31、主イ
ンク室32により構成されている。放熱板23上にイン
クジェットヘッド26と基板25を配置させ、ワイヤボ
ンド等により電気的な接続を行なう。図示しない記録装
置本体からの電気信号の享受は、基板25上の配線パッ
ド27を介して行なわれる。基板25上には、駆動回路
などが配置されており、インクジェットヘッド26に設
けられている発熱体の制御を行ない、インクをノズルか
ら吐出させる。一方、インクタンク22からのインク
は、流路形成部材24により形成されたインク供給路を
介して、インクジェットヘッド26に送られ、ノズルか
ら吐出されて印字が行なわれる。
【0035】上述の実施例において、種々の変形が可能
である。まず、上述の説明では、インクタンクとインク
ジェットヘッドが一体に構成された場合を示した。この
ような構成により、図7に示したように、インク利用率
の良い、コンパクトな記録ユニットを構成することが可
能となっている。この場合の記録ユニットは記録装置本
体に着脱自在に構成される。そのため、インク切れとと
もに、インクジェットヘッドも交換することになるが、
使用可能なインク量も従来より多くできるので、交換の
間隔を長くすることができ、コストの低減、および、廃
棄物の少量化を図ることができる。しかし、インクタン
ク部とインクジェットヘッド部を別体として構成するこ
ともできる。このとき、インクタンク部のみを交換可能
に構成したり、インクジェットヘッド部も交換可能に構
成することもできる。また、インクジェットヘッドのイ
ンクの吐出方向は、下向きに限らず、横向きにすること
も可能である。また、緩衝部材13及びフィルタ14
も、それぞれの機能が必要ない場合には、省いて構成す
ることが可能である。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、印字によるインクの消費に伴って発生する主
インク収容室内の圧力低下に応じて、主インク収容室内
へ空気を導入することにより、インク圧をほぼ一定に保
ち、安定したインク供給を行なうことができる。また、
周囲環境の変化によって発生する主インク収容室内の圧
力変化に対しても、主インク収容室内への空気の導入又
は副インク室内へのインクの待避により、圧力変化を抑
え、インク漏れ等を引き起こすことなく、適正な印字が
可能である。このような圧力の調整は、インク吸収部材
とインク芯部材であり、少ない部品点数で実現すること
ができ、安価なインク供給装置を提供することができる
という効果がある。また、副インク収容室の底面の周囲
に凹部を配置することにより、副インク収容室内のイン
クを使いきることができ、インクの体積効率を向上させ
てランニングコストを低減させることができるという効
果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインク供給装置の一実施例を示す断
面図である。
【図2】 本発明のインク供給装置の一実施例における
副インク室の下部の拡大図である。
【図3】 インク芯部材10の一例の概略図である。
【図4】 インクの消費の過程の説明図である。
【図5】 周囲環境の変化によるインクタンク内部の状
態の説明図である。
【図6】 周囲環境の別の変化によるインクタンク内部
の状態の説明図である。
【図7】 本発明のインク供給装置の第1の実施例を用
いたインクジェット記録ユニットの概略構成図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド、2 インクタンク、3 イ
ンク、4 主インク室、5 連通路、6 副インク室、
7 連通孔、8 大気連通孔、9 吸収部材、10 イ
ンク芯部材、11 凹部、12 供給路、13 緩衝部
材、14 フィルタ、15 空気層、21 インクジェ
ット記録ユニット、22 インクタンク、23 放熱
板、24 流路形成部材、25 基板、26 インクジ
ェットヘッド、27 配線パッド、28 副インク室、
29 大気連通孔、30 吸収部材、31 インク芯部
材、32 主インク室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 義彦 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッドに連通接続されイ
    ンクをインクジェットヘッドへ供給するインク供給装置
    において、前記インクジェットヘッドに連通しインクが
    収容される主インク収容室と、該主インク収容室と連通
    孔を介して連通しかつ大気連通口が開設された副インク
    収容室と、該副インク収容室の内壁に密着して配置され
    たインク吸収部材と、前記副インク収容室の連通孔に設
    けられ一端が前記インク吸収部材と接触し他端が前記主
    インク収容室内のインクと液的に連通しているインク芯
    部材を有することを特徴とするインク供給装置。
  2. 【請求項2】 前記副インク収容室の底面の周囲に凹部
    を設けたことを特徴とする請求項1に記載のインク供給
    装置。
JP25913893A 1993-08-19 1993-09-22 インク供給装置 Pending JPH0789088A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25913893A JPH0789088A (ja) 1993-09-22 1993-09-22 インク供給装置
US08/291,554 US6000790A (en) 1993-08-19 1994-08-16 Ink supply device
US08/602,325 US6007191A (en) 1993-08-19 1996-02-16 Ink supply unit

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25913893A JPH0789088A (ja) 1993-09-22 1993-09-22 インク供給装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0789088A true JPH0789088A (ja) 1995-04-04

Family

ID=17329859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25913893A Pending JPH0789088A (ja) 1993-08-19 1993-09-22 インク供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0789088A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0728586A2 (en) * 1995-02-21 1996-08-28 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply unit and recorder
EP0791464A2 (en) * 1996-02-21 1997-08-27 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply device and recording apparatus
US6270207B1 (en) 1998-03-30 2001-08-07 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink cartridge and remaining ink volume detection method
JP2003175619A (ja) * 1998-03-30 2003-06-24 Brother Ind Ltd インクカートリッジ
CN100404264C (zh) * 2002-09-30 2008-07-23 佳能株式会社 一种墨盒以及具有该墨盒的供墨系统
JP2009528184A (ja) * 2006-03-03 2009-08-06 シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド 能動式の流体アーキテクチャを備えるプリンタ
JP2020093502A (ja) * 2018-12-14 2020-06-18 Bs—1グローバルシステムズ株式会社 濾過器、湿し水の循環システム、及び湿し水の循環方法
JP2020093521A (ja) * 2019-08-07 2020-06-18 Bs—1グローバルシステムズ株式会社 濾過器、湿し水の循環システム、湿し水の循環方法、メラミン樹脂発泡体の使用方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0728586A2 (en) * 1995-02-21 1996-08-28 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply unit and recorder
EP0728586A3 (en) * 1995-02-21 1998-04-08 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply unit and recorder
US5821965A (en) * 1995-02-21 1998-10-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply unit and recorder
EP0791464A2 (en) * 1996-02-21 1997-08-27 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply device and recording apparatus
EP0791464A3 (en) * 1996-02-21 1998-04-08 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply device and recording apparatus
US5856838A (en) * 1996-02-21 1999-01-05 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink supply device and recording apparatus
US6874874B2 (en) 1998-03-30 2005-04-05 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink cartridge and remaining ink volume detection method
JP2003175619A (ja) * 1998-03-30 2003-06-24 Brother Ind Ltd インクカートリッジ
US6270207B1 (en) 1998-03-30 2001-08-07 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink cartridge and remaining ink volume detection method
US6951388B2 (en) 1998-03-30 2005-10-04 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink cartridge and remaining ink volume detection method
US7014304B2 (en) 1998-03-30 2006-03-21 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink cartridge and remaining ink volume detection method
US7108362B2 (en) 1998-03-30 2006-09-19 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink cartridge and remaining ink volume detection method
US7210772B2 (en) 1998-03-30 2007-05-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink cartridge and remaining ink volume detection method
US7434922B2 (en) 1998-03-30 2008-10-14 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink cartridge and remaining ink volume detection method
CN100404264C (zh) * 2002-09-30 2008-07-23 佳能株式会社 一种墨盒以及具有该墨盒的供墨系统
JP2009528184A (ja) * 2006-03-03 2009-08-06 シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド 能動式の流体アーキテクチャを備えるプリンタ
JP2020093502A (ja) * 2018-12-14 2020-06-18 Bs—1グローバルシステムズ株式会社 濾過器、湿し水の循環システム、及び湿し水の循環方法
JP2020093521A (ja) * 2019-08-07 2020-06-18 Bs—1グローバルシステムズ株式会社 濾過器、湿し水の循環システム、湿し水の循環方法、メラミン樹脂発泡体の使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3356818B2 (ja) インクジェット記録装置のインク供給装置
US5289212A (en) Air vent for an ink supply cartridge in a thermal ink-jet printer
US6773097B2 (en) Ink delivery techniques using multiple ink supplies
JP2817656B2 (ja) インク供給装置および記録装置
JP3156319B2 (ja) インク・ジェット印刷機用のインク・カートリッジ
JP2002321387A (ja) インクジェットヘッドの保管形態、およびインクジェットヘッドの保管時の液体充填方法
US5696546A (en) Ink supply cartridge with ink jet printhead having improved fluid seal therebetween
JPH0691889A (ja) サーマル・インクジェット・プリンタのインク供給装置
JPH08207304A (ja) インク供給カートリッジ及びインクジェットプリンタ
JP2005161635A (ja) インクタンクおよびインク供給装置
US6000790A (en) Ink supply device
JPH07311058A (ja) インクカートリッジ
JP3039358B2 (ja) インク供給装置および記録装置
JPH0789088A (ja) インク供給装置
JPH0768785A (ja) インク供給装置
JP3163864B2 (ja) インク供給装置
JP4623255B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3104491B2 (ja) インク供給機構
JP3434497B2 (ja) インク容器にインクを補充する装置および方法
JP3232816B2 (ja) インク供給装置及びインクジェット記録ユニット
JP3405151B2 (ja) 液体噴射記録装置
JP2936697B2 (ja) インクタンク
JPH0760985A (ja) インクジェット用カートリッジおよび一体型カートリッジ
JP3298588B2 (ja) インクジェット記録装置のインク供給装置
JPH07227973A (ja) インク供給装置およびインクジェット記録ユニット