JP3298588B2 - インクジェット記録装置のインク供給装置 - Google Patents

インクジェット記録装置のインク供給装置

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JP3298588B2
JP3298588B2 JP2001218636A JP2001218636A JP3298588B2 JP 3298588 B2 JP3298588 B2 JP 3298588B2 JP 2001218636 A JP2001218636 A JP 2001218636A JP 2001218636 A JP2001218636 A JP 2001218636A JP 3298588 B2 JP3298588 B2 JP 3298588B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インクジェットヘッ
ドにインクを供給するインクジェット記録装置のインク
供給装置に係り、特に、インク供給性能の安定化及び周
囲環境変化による影響を抑えることを企図した新規なイ
ンク供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置において
用いられていたインク供給装置としては、インクジェッ
トヘッドに連通接続されるインクタンク内部全域にスポ
ンジ若しくは繊維状材料であるフェルト等のインク吸収
体を装填し、このインク吸収体にインクを予め含浸保持
させておき、インク吸収体内のインクをインクジェット
ヘッドへ供給するようにしたものが知られている。しか
しながら、このタイプにあっては、インク吸収体の毛細
管力にてインクを保持するものであるため、インクタン
クの内容積の約40%〜60%のインク量しか使用する
ことができず、根本的に使用効率が低いばかりか、イン
クタンクの使用寿命を延ばそうとすると、必然的にイン
クタンクが大型化してしまい、小型化の要請に沿わない
という技術的課題が生ずる。また、インクが消費される
につれてインク吸収体で保持すべきインク量が少なくな
ると、インク吸収体に含浸したインクに作用する負圧が
増大し、その分、インクジェットヘッドへのインクの供
給動作が妨げられ易くなってしまう。すると、インクジ
ェットヘッドの印字ノズル部にてインクが供給されない
状態でインクの吐出動作が行なわれる懸念があり、結果
的に印字ノズル部より気泡が逆流し、画質欠陥につなが
り易いという技術的課題が生ずる。
【0003】このような技術的課題を解決するインク供
給装置としては、密封したインクタンク内にインクのみ
を充填し、このインクタンクを一端が大気に開放された
毛細管に連通接続したものが既に提供されている(例え
ば、特表昭59−500609号,特開平1−1485
59号)。このタイプによれば、インクタンク内のイン
クが消費されるにつれてインクタンク内の負圧レベルが
増加すると、毛細管を通じて空気がインクタンク内に導
入され、インクタンク内の負圧レベルは略一定に保た
れ、インクタンク内のインクがインクジェットヘッドに
安定供給される。また、周囲環境が変化し、例えばイン
クタンク内の上方空間の空気が膨張したとすると、イン
クタンク内のインクは毛細管へ移動することになるた
め、インクジェットヘッドからインク洩れが生ずる事態
は有効に阻止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、密封したイ
ンクタンクに対してかなりの長さの毛細管を介して小室
を連通接続したものであるため、毛細管を適宜屈曲させ
る等装置構成が複雑化してしまうばかりか、インクタン
ク内のインク消費に伴ってインクタンク内の負圧レベル
が増加したとしても、毛細管内にゴミや乾燥したインク
がつまると、毛細管からの気泡の導入がより不確実なも
のになってしまう。この結果、インクタンク内の負圧レ
ベルが不安定になり易く、インクジェットヘッドへイン
クを安定供給することが難しいという技術的課題が生ず
る。
【0005】この発明は、以上の技術的課題を解決する
ために為されたものであって、装置構成の簡略化及び小
型化という要請を満足させながら、インクの収容効率を
高め、インクジェットヘッドへのインク供給性能の安定
化を図ると共に、周囲環境変化による影響を確実に抑え
ることができるインクジェット記録装置のインク供給装
置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
図1に示すように、インクジェットヘッド1に連通接続
されるインクタンク2を有し、このインクタンク2内に
収容されたインク3をインクジェットヘッド1へ供給す
るようにしたインクジェット記録装置のインク供給装置
において、上記インクタンク2には、その下部に接続さ
れたインクジェットヘッド1に連通路5を介して連通し
インク3が収容される密封状態の主インク収容室4と、
この主インク収容室4の下部空間に連通路7を介して連
通し且つ上部側に大気連通口8が開設された副インク収
容室6とを具備させ、上記副インク収容室6内部に多孔
質部材9を充填し、副インク収容室6の下面に上記多孔
質部材9の下端部を接触配置することを特徴とする。
【0007】このような技術的手段において、上記イン
クジェットヘッド1としては、インクタンク2に一体的
に設けたものでもよいし、インクタンク2に対して着脱
自在に取り付け得るものであってもよい。また、インク
ジェットヘッド1のインク吐出方式については、画像信
号に応じた熱エネルギをインク3に与え、その気泡成長
によってインク3を吐出させるようにしたもの、画像信
号に応じた静電力によってインク3を吐出させるように
したもの、ピエゾ素子によって画像信号に応じた振動を
インク3に与えてインク3を吐出させるようにしたもの
等適宜選定して差し支えない。尚、図1中、符号1aは
インクジェットヘッド1のノズルを示す。更に、インク
タンク2を形成する材料については耐インク性のもので
あれば適宜選定して差し支えないが、内部の残留インク
3を目視確認するという観点からすれば、インクタンク
2の全部若しくは一部を透明若しくは半透明部材で構成
することが好ましい。
【0008】また、副インク収容室6は連通路7を介し
て主インク収容室4の下部空間に連通していればよく、
主インク収容室4及び副インク収容室6の形状、レイア
ウトは任意である。この場合において、主インク収容室
4及び副インク収容室6としては、一つのインクタンク
ケース内に設けるようにしてもよいし、複数のインクタ
ンクケースに夫々分離して設けるようにしてもよい。こ
こで、一つのインクタンクケース内に両インク収容室
4、6を設ける態様としては、インクタンク2内部空間
を仕切部材にて仕切り、主インク収容室4と副インク収
容室6を区画する(並列区画のみならず一方が他方を囲
繞区画するものも含む)ようにしたり、あるいは、主イ
ンク収容室4の一部に副インク収容室6を直立区画形成
するものが挙げられる。特に、後者のタイプにあって
は、主インク収容室4の上壁から副インク収容室6区画
用の筒状部材を直立垂下させ、筒状部材の下端部を主イ
ンク収容室の下壁から離間配置するようにしてもよい
し、あるいは、インクタンク2側に多孔質部材9の保持
部を設け、多孔質部材9の被覆部材で副インク収容室6
の周壁を構成するようにしてもよい。
【0009】また、上記連通路7としては、主インク収
容室4と副インク収容室6との区画部材の下部に孔を開
設したものでもよいし、また、主インク収容室4と副イ
ンク収容室6とが分離している場合連通接続部材で接続
するようにしたものでもよい。更に、インク3の収容効
率を考慮すると、主インク収容室4の容積を可能な限り
多く確保することが好ましいが、周囲環境変化に伴う主
インク収容室4の内部上方の負圧空間の圧力変動分を考
慮し、当該圧力変動分に伴う主インク収容室4内のイン
ク3のあふれ量を副インク収容室6内の多孔質部材9で
有効に吸収できるように設計することが必要である。
【0010】また、多孔質部材9としては、毛細管現象
が発生するような孔を多数有する部材であれば、複数の
繊維を束ねた繊維束のようなものであってもよいし、繊
維材料を二次元あるいは三次元構造のフェルト状に形成
したり、連続気泡のスポンジ素材を用いる等適宜選定し
て差し支えない。更に、多孔質部材9の下端部位置につ
いては副インク収容室6の下面まで延びていればよく、
この場合には、多孔質部材9の下端部はインクタンク2
内のインク3液面が最下部に達するまで浸漬した状態に
あるため、インク3液面が最下部に達するまで多孔質部
材9の毛細管部分に保持されたインク3が乾燥すること
はなく、主インク収容室4の負圧レベルは略一定に保た
れる。
【0011】また、多孔質部材9の気泡発生機能(後述
する作用欄参照)により副インク収容室6から連通路7
を通じて主インク収容室4内に気泡が入り込んでくる
が、この気泡がインクジェットヘッド1側へ向かう事態
を確実に回避するという観点からすれば、上記連通路7
の主インク収容室4側開口端位置を上記インクジェット
ヘッド1への連通路5から離間配置するようにしたり、
あるいは、上記連通路7の主インク収容室4側開口端位
置とインクジェットヘッド1への連通路5との間に気泡
ブロック部材を設けるようにすることが好ましい。ま
た、インクジェットヘッド1の走査時にはインクタンク
2がインクジェットヘッド1と共に移動することになる
ので、インクタンク2内のインク3液面が振動し、気泡
が生成されてしまう懸念があるが、この気泡の生成を有
効に抑えるという観点からすれば、主インク収容室4内
壁に複数のリブを突出形成し、インク3の振動を抑える
ように設計することが好ましい。この場合において、複
数のリブは上述した気泡ブロック部材としても機能し得
る。
【0012】また、インクジェットヘッド1への連通路
5を通じてインクタンク2内に空気が混入したり、イン
クタンク2内のインクの振動に伴うインクジェットヘッ
ド1からのインク洩れを有効に回避するという観点から
すれば、インクジェットヘッド1への連通路5部分にイ
ンク吸収体10を装填するようにすることが好ましい。
【0013】
【作用】上述したような技術的手段において、インク供
給装置の使用開始時の状態としては、効率上の観点から
主インク収容室4内にインク3を満杯とすることが好ま
しく、後述する毛細管現象で背圧を発生させるという観
点から、副インク収容室6内の多孔質部材9の上部にイ
ンク3が充填されていない部分が存在するように、副イ
ンク収容室6内にはインク3を満杯付近(略満杯)とす
ることが好ましい。このような状態において、インクジ
ェットヘッド1の印字動作が行なわれると、インクタン
ク2内のインク3が消費されるが、このとき、副インク
収容室6内のインク3が徐々に減少し、ついには、連通
路7の近傍を残して空になる。更に、インク3が消費さ
れると、多孔質部材9中に多数存在する毛細管部に形成
されたインク−空気界面から気泡状の空気が主インク収
容室4に導入される。すると、主インク収容室4の内圧
が上昇して所定のレベルに回復する。また、周囲環境の
変動によって、主インク収容室4上方の空気が膨張する
と、インク3が主インク収容室4から副インク収容室6
へと移動する。このように、本発明では、インク3を保
持し易い多孔質部材9中に常にインク−空気界面が形成
されているため、多孔質部材9の毛細管部のインク3が
乾燥し難い。このため、主インク収容室4の内圧の上
昇、下降によるインク−空気界面の変動にかかわらず、
主インク収容室4の内圧は安定的に維持される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいてこの発明を詳細に説明する。 ◎実施の形態1 図2〜図4は実施の形態1に係るインクジェット記録装
置のインク供給装置を示す。同図において、インク供給
装置はインクジェットヘッド20が連通接続されるイン
クタンク30を有している。この実施の形態において、
上記インクジェットヘッド20としては、例えば画像信
号に応じた熱エネルギを各ノズル部内のインクに印加す
ることにより生成される気泡にてインクを吐出させる方
式のものが用いられる。また、上記インクタンク30は
耐インク性材料にて構成され、上方が開口したタンク本
体31と、このタンク本体31の上部開口を塞ぐ蓋部材
35とで構成されている。
【0015】この実施の形態に係るタンク本体31は、
ボックス状のアウタケース32の内部空間の一部に仕切
壁33を立設し、この仕切壁33にて主インク収容室4
0及び副インク収容室50を区画したものである。そし
て、主インク収容室40の下壁の一部には連通孔41が
開設されると共に、この連通孔41にはインク供給管2
1を介してインクジェットヘッド20が一体的に連通接
続されている。また、上記主インク収容室40の幅方向
の両側壁には相手側側壁に向かって複数のリブ42が一
体的に突設され、櫛歯状に相互に噛み合うように配列さ
れている。一方、上記蓋部材35はその周縁に上記タン
ク本体31に嵌合する突起部36を有し、また、副イン
ク収容室50に対応した箇所には大気連通孔37を開設
したものである。更にまた、上記仕切壁33の下部には
主インク収容室40と副インク収容室50とを連通する
連通孔34が開設されている。
【0016】また、この実施の形態において、上記副イ
ンク収容室50には多孔質部材60が充填されており、
この多孔質部材60は、マーキングペンの芯材のような
ものであり、例えば熱融着ポリエステル繊維をバインダ
とし、通常ポリエステル繊維とミックスし、所定の大き
さに束ね融着したもので、多数の毛細管部を有する。
尚、ポリプロピレン、アクリル、ナイロン繊維等とミッ
クスさせたものでもよく、繊維の材料は使用するインク
との相性に合わせて適宜選定すればよい。より具体的に
述べると、上記多孔質部材60は、副インク収容室50
の上部に僅かな空間を残し、副インク収容室50の周壁
に密接した状態で充填されており、副インク収容室50
の下端部に接触配置されている。従って、多孔質部材6
0と副インク収容室50の周壁との間には空気流通路が
形成されず、主インク収容室40は多孔質部材60の毛
細管部を通じてのみ大気圧領域に通じている。また、副
インク収容室50の容積は温度、気圧等の環境条件によ
って適宜選択されるが、多孔質部材60の実質使用効率
(=保水率×使用効率)を約60%とすれば、主インク
収容室40の容積の約50%程度あればよい。
【0017】更に、この実施の形態においては、上記イ
ンクジェットヘッド20に通ずる連通孔41の主インク
収容室40側には塵埃除去フィルタ70が超音波融着若
しくは熱融着にて接着されている。この塵埃除去フィル
タ70は濾過粒度が5μm〜50μm程度となるような
メッシュ若しくは細孔を持ったもので、具体的には、S
USメッシュ若しくはSUSの細線をフェルト状にし、
更に圧縮焼結させたものを基材としたものである。
【0018】次に、この実施の形態に係るインク供給装
置の性能を評価する。先ず、インクジェットヘッドの印
字動作が行なわれた際の印字品質を調べたところ、イン
ク25が完全に消費されるまで、かすれ等の印字不良は
全く見られず、極めて良好なものが得られた。この間の
インクタンク30の主インク収容室40の内圧を調べた
ところ、略一定に保たれていることが確認された。更
に、この実施の形態では、塵埃除去フィルタ70によっ
てインクジェットヘッド20側にインク25内の塵埃
(多孔質部材60の繊維等)が浸入することは有効に防
止されることが確認された。更にまた、主インク収容室
40に形成された複数のリブ42は、インクジェットヘ
ッド20走査時においてインク25が振動する事態を抑
えるため、インク25表面での振動に伴う気泡の発生は
有効に阻止される。しかも、上記リブ42は多孔質部材
60側から浸入する気泡がインクジェットヘッド20側
へ向かう現象をも抑えるものである。
【0019】◎実施の形態2 図5〜図7は実施の形態2に係るインク供給装置を示
す。同図において、インク供給装置は、実施の形態1と
同様に、インクジェットヘッド20がインク供給管21
を介して連通接続されるインクタンク30を有し、この
インクタンク30をタンク本体31と蓋部材35とに分
離形成したものであるが、インクタンク30の構成が実
施の形態1と異なっている。尚、実施の形態1と同様な
構成要素については同様な符号を付してここではその詳
細な説明を省略する。すなわち、この実施の形態に係る
インクタンク30のタンク本体31はボックス状の主イ
ンク収容室40のみを有するものであり、一方、蓋部材
35の大気連通孔37に面した部位には例えば円筒状パ
イプ38が一体的に直立垂下形成されており、その円筒
状パイプ38の下端は主インク収容室40の下壁から離
間配置されている。この実施の形態では、上記円筒状パ
イプ38が副インク収容室50を区画し、円筒状パイプ
38と主インク収容室40の下壁との間の隙間39が副
インク収容室50と主インク収容室40との連通路とし
て機能するようになっている。そして、多孔質部材60
が上記円筒状パイプ38内に周囲が密接するように充填
され、多孔質部材60の下端部が主インク収容室40の
下壁に接触配置されている。また、上記主インク収容室
40の下壁の一部には凹部43が下方に向かって膨出形
成されており、この凹部43の底部にインクジェットヘ
ッド20への連通孔41が開設されると共に、塵埃除去
フィルタ70が設けられ、更に、塵埃除去フィルタ70
の上にはインク吸収体80(この実施の形態では多孔質
部材60と同様な素材が用いられている)が凹部43に
嵌合した状態で装着されている。更に、この実施の形態
では、図7に示すように、タンク本体31が透明若しく
は半透明部材にて形成され、そのアウタケース32の一
部にインク残量に対応した目盛90が付されている。
【0020】従って、この実施の形態に係るインク供給
装置にあっては、蓋部材35側の円筒状パイプ38に多
孔質部材60を充填した後、タンク本体31の上部開口
を蓋部材35で塞ぐようにすれば、インク供給装置が構
成される。この後、インク供給装置にインク25を初期
充填すれば、実施の形態1と略同様な作用を奏する。ま
た、この実施の形態においては、インクジェットヘッド
20への連通孔41部分にインク吸収体80を装備して
いるため、以下のような効果を奏する。すなわち、第一
に、インクタンク30を傾けたような場合であっても、
インク吸収体80はインク25が浸透した状態を維持す
るので、主インク収容室40の負圧空間空気層とインク
ジェットヘッド20との間に空気流通路が確保されるこ
とはない。従って、振動、衝撃力が加わっても簡単にイ
ンクジェットヘッド20のノズルからインクタンク30
内に空気が混入することはない。言い換えれば、インク
吸収体80が液体シールの働きをする。第二に、何らか
の外的作用により、インク25液面に振動が発生したよ
うな場合においても、インクジェットヘッド20のノズ
ル部内のインクに作用する圧力は上記インク吸収体80
を介して作用するため、圧力緩衝材の働きによりインク
25の振動は減衰し、ノズルのメニスカスによるインク
保持力を崩すことはなく、インクがノズルから洩れるこ
とは有効に回避される。
【0021】◎変形形態 図8は実施の形態2の変形形態を示すものであり、イン
クタンク30のタンク本体31及び蓋部材35の一部に
多孔質部材60の保持部65を設け、一方、多孔質部材
60の周囲を下端部60aのみを除いて非インク浸透性
の被覆部材61で被覆し、この被覆部材61にて被覆し
た多孔質部材60をインクタンク30の保持部65に保
持させるようにしてもよい。この場合には、上記多孔質
部材60の被覆部材61が副インク収容室50の周囲区
画部材として機能する。
【0022】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
の発明によれば、以下の基本的効果を奏する。すなわ
ち、第一に、インクタンク内の主インク収容室にはイン
クのみが充填され、副インク収容室の多孔質部材にはイ
ンクが浸透保持されることから、主インク収容室及び副
インク収容室のいずれもがインク収容部として機能し得
ることになり、その分、インクタンクに対するインクの
収容効率を向上させることができる。第二に、インクの
消費に伴って主インク収容室の負圧空間の圧力が低減し
ようとすると、副インク収容室内に充填された多孔質部
材は、その毛細管部分を通じて気泡を主インク収容室側
へ導入し、主インク収容室の負圧空間の圧力を略一定に
維持するように働くので、インクジェットヘッドに供給
されるインク圧力を常時一定に保つことが可能になり、
その分、インクの供給性能を安定させることができる。
第三に、周囲環境が変化し、主インク収容室の負圧空間
の空気が膨張したとすると、負圧空間の圧力増加に伴っ
てインク押し出し力が作用することになるが、副インク
収容室内の多孔質部材がインクを適宜浸透させ、主イン
ク収容室内のインクを一時的に副インク収容室側へ退避
させることになるので、主インク収容室の負圧空間の容
積増加によって負圧空間の圧力が安定レベルに復帰させ
ることが可能になり、その分、インクジェットヘッド側
からのインク洩れを確実に回避することができる。第四
に、インクタンクに主インク収容室と副インク収容室と
を具備させ、副インク収容室側に多孔質部材を充填させ
るという構成なので、構成そのものが不必要に複雑化
し、装置自体が大型化するという懸念はない。
【0023】特に、請求項1に係る発明によれば、多孔
質部材の下端部を副インク収容室の下端部に接触配置し
ているため、インク液面が略最下部に達するまで多孔質
部材がインクに浸漬した状態を維持することが可能にな
り、上述した多孔質部材による気泡導入機能及びインク
退避機能をインクが完全に消費されるまで確実に発揮す
ることができる。
【0024】更に、請求項2記載の発明によれば、多孔
質部材を繊維束で構成するようにしたので、多孔質部材
の構成の簡略化を図ることができるばかりか、多孔質部
材の体積調整を容易に行なうことができる。
【0025】更にまた、請求項3記載の発明によれば、
インクタンクの内部に適宜仕切部材を設けることによ
り、主インク収容室と副インク収容室とを区画するよう
にしたので、主インク収容室及び副インク収容室を極め
て簡単に確保することができる。また、請求項4記載の
発明によれば、主インク収容室の上壁から副インク収容
室の区画用の筒状部材を直立垂下させ、筒状部材の下端
部を主インク収容室の下壁から離間配置するようにした
ので、例えばインクタンクをタンク本体と蓋部材とに分
離して形成し、上記蓋部材に上記筒状部材を一体的に形
成するようにすれば、筒状部材に多孔質部材が充填され
た蓋部材にてタンク本体を閉じることによりインク供給
装置を容易に構成することができる。そしてまた、請求
項5記載の発明によれば、副インク収容室の周壁を多孔
質部材の被覆部材にて構成するようにしたので、インク
タンク側に副インク収容室の周壁区画部材を設ける必要
がなくなり、その分、インクタンクの構成を簡略化する
ことができる。
【0026】また、請求項6記載の発明によれば、主イ
ンク収容室と副インク収容室との間の連通路の主インク
収容室側開口端位置をインクジェットヘッドへの連通路
から離間配置するようにしたので、多孔質部材からイン
ク内に気泡が浸入したとしても、当該気泡がインクジェ
ットヘッド側へ向かって印字不良の原因になる事態を確
実に回避することができる。そしてまた、請求項7記載
の発明によれば、主インク収容室内壁に複数のリブを突
出形成するようにしたので、インクジェットヘッドの走
査時においてインクが不必要に振動し、気泡が発生する
事態を有効に回避することができるほか、多孔質部材か
ら浸入する気泡がインクジェットヘッド側へ向かう事態
をも有効に阻止することができる。
【0027】また、請求項8記載の発明によれば、イン
クジェットヘッドへの連通路部分にインク吸収体を装填
したので、インク吸収体の液体シール作用により、振
動、衝撃力が加わっても、インクジェットヘッドのノズ
ルからインクタンク内に空気が混入する事態を有効に回
避することができ、また、インク吸収体の圧力緩衝作用
により、インクタンク内のインクの振動を減衰させ、ノ
ズルのメニスカスによるインク保持力を崩すことはな
く、インクがノズルから洩れる事態を有効に回避するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るインクジェット記録装置のイ
ンク供給装置の構成を示す説明図である。
【図2】 実施の形態1に係るインクジェット記録装置
のインク供給装置の概要を示す斜視図である。
【図3】 図2中III−III線断面図である。
【図4】 図3中IV−IV線断面図である。
【図5】 実施の形態2に係るインクジェット記録装置
のインク供給装置の図3と同様な断面図である。
【図6】 図5中VI−VI線断面図である。
【図7】 図5中VII方向から見た矢視図である。
【図8】 実施の形態2の変形形態に係るインクジェッ
ト記録装置のインク供給装置の図5と同様な断面図であ
る。
【符号の説明】
1…インクジェットヘッド,1a…ノズル,2…インク
タンク,3…インク,4…主インク収容室,5…連通
路,6…副インク収容室,7…連通路,8…大気連通
口,9…多孔質部材,10…インク吸収体

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッド(1)に連通接続
    されるインクタンク(2)を有し、このインクタンク
    (2)内に収容されたインク(3)をインクジェットヘ
    ッド(1)へ供給するようにしたインクジェット記録装
    置のインク供給装置において、 上記インクタンク(2)には、その下部に接続されたイ
    ンクジェットヘッド(1)に連通路(5)を介して連通
    しインク(3)が収容される密封状態の主インク収容室
    (4)と、この主インク収容室(4)の下部空間に連通
    路(7)を介して連通し且つ上部側に大気連通口(8)
    が開設された副インク収容室(6)とを具備させ、 上記副インク収容室(6)内部に多孔質部材(9)を充
    填し、上記多孔質部材(9)の下端部は副インク収容室
    (6)の下面に接触配置されていることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置のインク供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、多孔質部
    材(9)は繊維束にて構成されていることを特徴とする
    インクジェット記録装置のインク供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のものにおいて、主インク
    収容室(4)及び副インク収容室(6)はインクタンク
    (2)内部空間を仕切部材で区画したものであることを
    特徴とするインクジェット記録装置のインク供給装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のものにおいて、副インク
    収容室(6)は、主インク収容室(4)の上壁から筒状
    部材を直立垂下させ、筒状部材の下端部を主インク収容
    室(4)の下壁から離間配置したことを特徴とするイン
    クジェット記録装置のインク供給装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のものにおいて、副インク
    収容室(6)の周壁が多孔質部材(9)の被覆部材にて
    構成されていることを特徴とするインクジェット記録装
    置のインク供給装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のものにおいて、主インク
    収容室(4)と副インク収容室(6)との間の連通路
    (7)の主インク収容室(4)側開口端位置が上記イン
    クジェットヘッド(1)への連通路(5)から離間配置
    されていることを特徴とするインクジェット記録装置の
    インク供給装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のものにおいて、主インク
    収容室(4)内壁に複数のリブが突出形成されているこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置のインク供給装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のものにおいて、インクジ
    ェットヘッド(1)への連通路(5)部分にインク吸収
    体(10)を装填したことを特徴とするインクジェット
    記録装置のインク供給装置。
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