JPH0768669B2

JPH0768669B2 - 濃縮型柔軟仕上剤

Info

Publication number: JPH0768669B2
Application number: JP2268070A
Authority: JP
Inventors: 正明山村; 淳一猪腰; 和隆白土; 徹早瀬
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1990-10-05
Filing date: 1990-10-05
Publication date: 1995-07-26
Anticipated expiration: 2010-07-26
Also published as: EP0479608A3; US5242607A; JPH04174770A; MX9101449A; EP0479608A2

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は柔軟仕上剤、更に詳細には、各種繊維に対して
優れた柔軟性と帯電防止性を付与することができ、かつ
空気中に開放された状態で保存されても経時的なハンド
リング性の変化の少ない濃縮型の衣料用柔軟仕上剤に関
する。

〔従来の技術及びその課題〕

衣料は、着用及び洗濯を繰り返し行う間に繊維処理剤が
洗い落とされたり、あるいは繊維自体の劣化により硬く
なったりして好ましからざる風合を生ずる。そのため、
近年、多くの家庭において、繊維に柔軟性、帯電防止性
を付与することができる柔軟仕上剤が多用されている。

現在、家庭用柔軟仕上剤として市販されているものは、
その殆どが、一分子中に１〜２個の長鎖アルキル基を有
するカチオン性活性剤、なかんずくジ（硬化牛脂アルキ
ル）ジメチルアンモニウム塩を主成分とするものであ
る。

これらの第４級アンモニウム塩を主成分とする柔軟基剤
は水に難溶であり、通常、３〜５重量％の水分散液又は
乳濁液の形で製造されている。柔軟仕上剤を使用する対
象衣料の増加に伴い、流通コストや包装コストの減少、
家庭や販売店等での在庫スペースの縮小を目的に、高濃
度の水分散液である濃縮型の衣料用柔軟仕上剤が強く要
望されている。

しかしながら、濃度が５重量％以上になると、上記の水
分散液は著しく増粘し、ハンドリング上、種々のトラブ
ルを生ずる。

従来から、このような高濃度の柔軟仕上剤を製造するた
めには１）水溶性のカチオン活性剤を添加する方法２）高級アルコールやアルキルフェノールのエチレンオ
キシド付加物を添加する方法３）尿素やエチレングリコールなどを添加する方法４）水溶性の塩を添加する方法などが知られている。

しかしながら、１）〜３）の場合は濃縮の程度が不十分
であったり、経時的増粘を生じ十分な効果は得られな
い。

４）の場合は初期の粘性の低下効果は認められるもの
の、経時的な増粘に対する抑制効果が少ない、又、塩を
多量に添加すると水分散液が分離し易くなる傾向があ
る。

又、最近第４級アンモニウム塩と特定のポリエーテル化
合物の併用により経時的な粘度変化の少ない濃縮型柔軟
仕上剤が開示されている（特開昭64−26788号公報、特
開平２−19573号公報）が、空気中に開放された状態で
放置されると、水分の蒸発に伴う溶存状態が生じ経時的
に著しいハンドリング性の低下を招き、ボトルに保存さ
れた場合もキャップを開放したままでは増粘したり、ゲ
ル化したり、膜が張ったりし、満足できる濃縮型の衣料
用柔軟仕上剤は得られていない。

〔課題を解決するための手段〕

かかる実情において、本発明者らは上記の問題点を解決
せんと鋭意研究を行った結果、濃縮型の衣料用柔軟仕上
剤に関する本発明を完成するに至った。

即ち本発明は（ａ）次の何れかのアミン化合物（以下、アミン化合物
（Ａ）という）の無機酸又は炭素数６以下の有機酸によ
る中和物７〜30重量％（Ａ−８）R²COOH２〜３モルと、窒素数４〜５のポリエ
チレンポリアミン又はポリエチレンイミン又はＮ−短鎖
アルキル又はアルケニルポリアルキレンポリアミン１モ
ルの脱水縮合アミド化物。

（Ａ−９）R²COOH１〜２モルと、窒素数４〜５のＮ−長
鎖アルキル又はアルケニルポリアルキレンポリアミン１
モルの脱水縮合アミド化物。

〔式中、 R¹；炭素数12〜22の炭化水素基、アルカノイル基又はア
ルケノイル基、好ましくは炭化水素基 R²，R⁶；炭素数11〜21の炭化水素基 R³，R⁴；炭素数12〜22の炭化水素基 R⁵;H、炭素数１〜３の炭化水素基、ヒドロキシアルキル
基又はC_nH_2nR⁷P、好ましくはＨ、炭素数１〜３の炭化水
素基、ヒドロキシアルキル基好ましくは R⁹;H、炭素数１〜３の炭化水素又はヒドロキシアルキル
基 m;1〜３ n;2〜３ X;OH、NH₂又はR⁷P を意味する。〕（ｂ）活性水素を３ケ以上有する化合物にエチレンオキ
シドを必須成分として含むアルキレンオキシドを付加
し、かつポリオキシエチレン鎖の部分の合計の重量が全
重量の50％以上であり、さらに、分子量が5,000〜2,00
0,000であるポリエーテル化合物又はその誘導体の一種
又は二種以上を有効成分として含有することを特徴とする濃縮型の衣
料用柔軟仕上剤を提供するものである。

本発明において、衣料用柔軟基剤として用いられる
（ａ）成分の前駆体であるアミン化合物（Ａ）は、上記
式（Ａ−１）〜（Ａ−９）で表されるものであり、二種
以上を混合して用いてもよい。

これらの化合物のうち、特に分子内にを有する化合物が好ましい。特に（Ａ−２）〜（Ａ−
７）で表される化合物が好ましく、更に好ましくは（Ａ
−２）、（Ａ−３）、（Ａ−４）、（Ａ−７）で表され
る化合物である。

これらのアミン化合物（Ａ）から本発明の中和物を得る
ための酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機
酸や、酢酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、マレイン
酸等の炭素数６以下の有機酸が挙げられるが、塩酸が最
も安価で高性能である。また、中和工程はアミン化合物
（Ａ）を予め中和したものを水に分散してもよいし、酸
水溶液中にアミン化合物（Ａ）を液状又は固体状で投入
してもよい。もちろんアミン化合物（Ａ）と酸成分を同
時に投入してもよい。

本発明の（ｂ）成分として用いるポリオキシアルキレン
付加物の出発物質である活性水素を３ケ以上有する化合
物としては、多価アルコールでは、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、ソルビトール、ショトウ、ポリグリセ
リン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケ
ン化物等があり、多価フェノール類としてはフェノール
樹脂やアルキルフェノールのホルマリン縮合物などがあ
り、ポリアミン化合物としてはジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ペンタエチレンヘキサミンなどやポリエチレンイミンな
どがある。又、これらのポリアミンの誘導体である部分
アミド化物やＮ−アルキル置換ポリアミンであって、活
性水素の数が３ケ以上残存するものであれば使用でき
る。

ポリオキシアルキレン付加物であるポリエーテル化合物
の製造は、活性水素を３ケ以上有する化合物に通常の方
法によりエチレンオキシドを必須として含むアルキレン
オキシドを付加することにより容易に得られる。そのう
ち特にエチレンオキシド単独又はエチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドとのブロックまたは一部ブロック状の
付加物が好ましく、その付加の順序はいずれが先でも良
いが、プロピレンオキシド（以後POと略記する）を先に
付加させた後エチレンオキシド（以後EOと略記する）を
付加させた場合が良好な濃縮型の衣料用柔軟仕上剤が得
られる。

ポリエーテル化合物又はその誘導体の分子量は5,000〜
2,000,000であり、好ましくは5,000〜1,000,000、特に
好ましくは5,000〜200,000の範囲である。またEO鎖の部
分の合計の重量は全分子量の50重量％以上であり、好ま
しくは80重量％以上、更に好ましくは85重量％以上であ
る。

本発明に用いられるポリエーテル化合物としては、R¹⁰N
H(C_SH_2SNH)_rH 〔R¹⁰は炭素数12〜22の炭化水素基、アルカノイル基又
はアルケノイル基、ｓは２又は３、ｒは１〜３であ
る。〕で表される化合物のアルキレンオキシド付加物が特に好
ましい。

本発明のポリエーテル化合物の誘導体としてはポリエー
テル化合物の末端水素基の硫酸化物、リン酸化物、カル
ボキシアルキル化物、脂肪酸エステル化物あるいは窒素
原子の一部をカチオン化したものが挙げられる。その中
でも特に脂肪酸エステル化物とカチオン化物が好まし
い。

脂肪酸エステル化の場合、用いる脂肪酸としては炭素数
７〜23個であることが好ましいが、２重結合の数、枝分
かれなどは性能上大きな影響は無い。

カチオン化物としては、ポリエーテル化合物をジアルキ
ル硫酸やハロゲン化アルキル等によりカチオン化した化
合物や酢酸、アルキルベンゼスルホン酸等により中和し
たカチオン化物が挙げられる。

本発明の濃縮型の衣料用柔軟仕上剤中の（ａ）、（ｂ）
の含有量は（ａ）成分が７〜30重量％、好ましくは10〜
20重量％、（ｂ）成分は0.2〜５重量％、好ましくは0.5
〜３重量％が適当である。

（ａ）成分が７重量％に満たない場合は従来技術による
通常濃度の柔軟剤に比して、濃縮による利点が少なく、
30重量％を超えると、粘度が高くなり、ハンドリング
上、種々のトラブルを生ずる。

（ｂ）成分が0.2重量％に満たない時は、初期の粘性が
高く開放系での膜張り等のハンドリング性での抑制効果
が低く、５重量％を超えると経済的に不利となる。

本発明の（ａ）成分は（ｂ）成分との相互作用により通
常広く使用されているジアルキルカチオン系柔軟剤に比
べて柔軟剤粒子間の反発が少なくなるため、粒子間の距
離が短くなり得る結果、開放系に保存された場合に水分
の蒸発による膜張り等のハンドリング不良を抑制するも
のと思われる。

本発明の濃縮型柔軟仕上剤には更に（ｃ）成分として炭
素数11〜21の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水
素基を有する脂肪酸を0.1〜５重量％、好ましくは0.1〜
２重量％配合することにより特に長期保存時における本
発明の効果をより高めることができる。

本発明の濃縮型の衣料用柔軟仕上剤には通常の衣料用柔
軟仕上剤に使用されている香料、色素、ポリオキシエチ
レン（５〜50モル）アルキル又はアルケニル
（C_12〜24）エーテル等の非イオン活性剤、シリコーン
化合物、抗菌剤、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの
溶剤や、食塩、塩化アンモニウム、塩化カルシウムなど
の水溶性塩を添加しても良い。

〔発明の効果〕

本発明の濃縮型柔軟仕上剤は柔軟剤を保存するボトルや
キャップを開放系にした場合の経時的な膜張り性やハン
ドリング性の低下を抑制できる。又、近年普及しつつあ
る柔軟仕上剤の自動投入口付き洗濯機に適用する場合に
生じる投入口周辺での柔軟剤の堆積や詰まりの問題も大
幅に改善できる。

〔実施例〕

以下に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。

実施例１〜33、比較例１〜４第１表に示す（ａ）成分、第２表に示す（ｂ）成分及び
第３表に示す（ｃ）成分を含む第４表に示す柔軟仕上剤
を用い、以下の評価を行った。

１）安定性第４表に記載の柔軟仕上剤を密閉して−10℃、室温、50
℃にて20日間保存し、密閉条件での外観及び流動性を測
定した。又、直径8cmのシリンダーに柔軟仕上剤を500cc
入れ、室温にて１日及び２日間開放系にて保存し、外観
及び流動性を測定した。結果を第４表に示した。

本発明の濃縮型の衣料用柔軟仕上剤は、いずれも経時的
な変化も殆ど無く良好であった。

第２表中、１）POプロピレンオキシド,EOエチレンオキシド２）重量比３）末端水酸基に対するエステル化率を示す４）窒素原子を１ケ当たりのカチオン化率を示す実施例34〜36 実施例15の配合組成にＣ−１成分を配合した場合の室温
での開放系での長期保存安定性を表５に示す。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）次の何れかのアミン化合物の無機酸
又は炭素数６以下の有機酸による中和物７〜30重量％（Ａ−８）R²COOH２〜３モルと、窒素数４〜５のポリエ
チレンポリアミン又はポリエチレンイミン又はＮ−短鎖
アルキル又はアルケニルポリアルキレンポリアミン１モ
ルの脱水縮合アミド化物。（Ａ−９）R²COOH１〜２モルと、窒素数４〜５のＮ−長
鎖アルキル又はアルケニルポリアルキレンポリアミン１
モルの脱水縮合アミド化物。〔式中、 R¹；炭素数12〜22の炭化水素基、アルカノイル基又はア
ルケノイル基 R²，R⁶；炭素数11〜21の炭化水素基 R³，R⁴；炭素数12〜22の炭化水素基 R⁵;H、炭素数１〜３の炭化水素基、ヒドロキシアルキル
基又はC_nH_2nR⁷P R⁹;H、炭素数１〜３の炭化水素又はヒドロキシアルキル
基 m;1〜３ n;2〜３ X;OH、NH₂又はR⁷P を意味する。〕（ｂ）活性水素を３個以上有する化合物にエチレンオキ
シドを必須成分として含むアルキレンオキシドを付加
し、かつポリオキシエチレン鎖の部分の合計の重量が全
重量の50％以上であり、さらに、分子量が5,000〜2,00
0,000であるポリエーテル化合物又はその誘導体の一種
又は二種以上 0.2〜５重量％を含有することを特徴とする濃縮型柔軟仕上剤。
【請求項２】アミン化合物が分子内に炭素数11〜22の炭
化水素基を２個とを有する化合物である請求項１記載の濃縮型柔軟仕上
剤。
【請求項３】ポリエーテル化合物が、 R¹⁰NH(C_SH_2SNH)_rH 〔R¹⁰は炭素数12〜22の炭化水素基、アルカノイル基又
はアルケノイル基、ｓは２又は３、ｒは１〜３であ
る。〕で表される化合物のアルキレンオキシド付加物である請
求項１又は２記載の濃縮型柔軟仕上剤。
【請求項４】更に（Ｃ）成分として炭素数11〜21の炭化
水素基を有する脂肪酸を0.1〜５重量％含有することを
特徴とする請求項１〜３の何れか１項記載の濃縮型柔軟
仕上剤。