JPH0768489B2 - 高透湿性水性塗料組成物 - Google Patents

高透湿性水性塗料組成物

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JPH0768489B2
JPH0768489B2 JP63147107A JP14710788A JPH0768489B2 JP H0768489 B2 JPH0768489 B2 JP H0768489B2 JP 63147107 A JP63147107 A JP 63147107A JP 14710788 A JP14710788 A JP 14710788A JP H0768489 B2 JPH0768489 B2 JP H0768489B2
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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は高透湿性水性塗料組成物にかかり、さらに詳し
くは水分散型アクアリル樹脂エマルションと親水性微小
粒子との組み合わせからなる樹脂ビヒクルを含み、貯蔵
安定性、耐久性などの一般的塗料性能に加えて、従来に
ない新たな特徴として高透湿性と優れた耐水性、柔軟性
を合わせ持つ、有用な高透湿性塗膜を形成しうる水性塗
料組成物に関するものである。
従来技術 近年、コンクリート建造物の保護、美観向上に対する社
会的要請が高まっているが、これらコンクリート建造物
のもつ弱点の一つに種々の原因により発生するひび割れ
が挙げられる。そこでこれらのひび割れに対処するた
め、数多くの柔軟性のある塗料が一般に弾性塗料と称せ
られて上市されている。しかしこれら弾性塗料はTgが室
温以下の塗料用ビヒクルを用い低PVC配合にて処方され
ているため、高光沢で柔軟性があり、適度な伸び性を有
し、下地のひび割れにはよく対応するが、透湿性が低
く、そのためにコンクリートの内部結露で上塗のブリス
ターや剥離の原因となったり、内壁に結露を生じされる
などの欠点があった。
一方、従来から外装材として一般的に用いられる砂壁状
吹付材(JIS−A−6909)などは臨界PVCを超える配合処
理で設計されているため、塗膜中に無数の微細な空孔が
あいており、非常に高い透湿性を有している反面、柔軟
性に乏しく、下地のひび割れに追従できないばかりか、
外面の降雨などに対する防水性にも乏しく、コンクリー
トの保護機能が充分ではなかった。
発明が解決しようとする問題点 そこで高光沢で柔軟性があり、適度の伸び性を有し、下
地のひび割れに充分追従することができ、しかも透湿
性、耐水性に優れた水性塗料組成物が要望されており、
かかる課題に応えることが本発明目的である。
問題点を解決するための手段 本発明に従えば上記目的が平均粒径0.05〜5μの水分散
型アクリル樹脂エマルション(A)と、平均粒径0.01〜
3μの親水性微粒子(B)を固形分重量比で(A)/
(B)=99/1〜50/50の割合で含む高透湿性水性塗料組
成物、より好ましくは、平均粒径0.05〜5μの水分散型
アクリル樹脂エマルション(A)と構成モノマーとして
親水性モノマーを0.05mmol/g以上含む非造膜性アクリル
樹脂粒子で、平均粒径0.03〜3μの親水性微小粒子
(B)とを固形分重量化で(A)/(B)=99/1〜50/5
0の割合で含み、塗膜伸度100%以上、塗膜透温度100g/m
2、24時間以上の塗膜を与えうる高透湿性水性塗料組成
物により達成せられる。
本発明で使用せられる水分散型樹脂エマルションは平均
粒径が0.05〜5μの水分散型アクリル樹脂エマルション
で、α,β−エチレン性不飽和単量体の乳化重量、後乳
化法などにより得られる。α,β−エチレン性不飽和単
量体としては、通常アクリル樹脂の製造に用いられる分
子内で1個以上の重合性エチレン性不飽和結合を有する
化合物の任意のものが用いられ、これらは次の如きグル
ープに大別される。
1)アルキルアクリレートまたはメタクリレート 例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルアクリレート,エチルメタクリレート、n−ブチル
アクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート等、 2)重合性芳香族化合物 例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、t−ブチルスチレン等、 3)ビニル化合物 例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン等、 4)α−オレフィン 例えばエチレン、プロピレン等、 5)ジエン化合物 例えばブダジエン、イソプレン等、 6)カルボキシル基含有単量体 例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸等、 7)ヒドロキシル基含有単量体 例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキ
シブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、アリルアルコール、メタアリルアルコール等、 8)重合性ニトリル 例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等、 9)含窒素アルキルアクリレートまたはメタクリレート 例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート等、 10)重合性アミド 例えばアクリル酸アミド、メタクリル酸アミド等、 これらの少なくとも1種類以上の単量体を重合して得ら
れる樹脂組成物は、本発明においては常乾または焼き付
け時の温度で粒子が融着し、造膜する造膜性を有してい
ることが必要である。所望により、この造膜を助けるた
め各種の溶剤、可塑剤などからなる造膜助剤を用いるこ
とができる。尚、該重合体は所望により、その造膜性を
損なわない程度において架橋重合体とすることもでき
る。その場合には前記のエチレン性不飽和単量体に相互
に反応性の基、例えばエポキシとカルボキシル;アミン
とカルボキシル;エポキシとカルボン酸無水物;アミン
と酸無水物;アルキレンインとカルボニル;オルガノア
ルコキシシランとカルボキシル;ヒドロキシルとイソシ
アナートなどを担時せしめるか、あるいは前記の重合性
単量体以外に分子内に2個以上のラジカル重合可能なエ
チレン性不飽和基を有する化合物(以下、架橋性単量体
と称す)を共重合せしめる。かかる架橋性単量体として
は多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステ
ル、多塩基酸の重合性不飽和アルコールエステル、およ
び2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物などが
あり、具体例としては例えばエチレングリコールジアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、1,3−ブチレエングリコ
ールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトー
ルジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタク
リレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、グリセロールジメタクリレート、グリセロールジア
クリレート、グリセロールアリロキシジメタクリレー
ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレ
ート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアク
リレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメ
タクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン
トリメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチル
プロパンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメ
チルプロパントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロ
キシメチルプロパンジメタクリレート、1,1,1−トリス
ヒドロキシメチルプロパントリメタクリレート、トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ
アリルトリメリテートジアリルテルフタレート、ジアリ
ルフタレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
尚、本発明での水分散型アクリル樹脂エマルションは、
その平均粒径が0.05〜5μ、好ましくは0.1〜3μの範
囲内にあるものでなくてはならない。というのは平均粒
径が0.05未満で安定なエマルションを得るために多量の
界面活性材を必要とし、その結果塗膜の吸水率が高くな
りすぎ耐水性が不具合となり好ましくない。また、5μ
を超えるとエマルションの粒径が大きくなりすぎ、造膜
均一化が不充分で、光沢、耐久性に不具合を生じるた
め、建築外装用塗膜としては好ましくない。エマルショ
ン樹脂の粒子径は、レーザー光散乱法(Coulter Model
N4)により測定せられる平均粒径を意味する。また、か
かるエマルション樹脂の分子量は通常塗料分野で使用せ
られる範囲のものであればよく、特段の制限はないが、
一般的に10,000以下では充分な耐久性と伸び性が得られ
ない傾向が認められ、好ましくない。
本発明においては上記の水分散型アクリル樹脂エマルシ
ョンが粒径0.01〜3μの親水性微小粒子と組み合わせて
使用せられる。尚、ここで言う粒径とはレーザー光を光
源とする動的光散乱法によって測定される粒径の平均値
をもって当てるものとする。(Coulter Model N4)。か
かる微小粒子は有機質、無機質のいずれでもよい。有機
質微小粒子としては乳化重合法、NAD法、樹脂粉砕法に
より得られる前記範囲にある微小粒子が用いられる。ま
た無機質粒子としては後述の如きコロイダルシリカなど
が用いられる。有機質あるいは無機質いずれであって
も、かかる微粒子は塗料が使用せられる温度条件下にお
いて微小粒子の形状を保持しうるものでなくてはならな
い。したがって有機質微小粒子の場合、粒子内部が化学
結合で三次元的に架橋しているか、結晶化しているか樹
脂のTgが使用温度以上でなければならない。また微小粒
子はその平均粒径が0.01〜3μ、このましくは0.03〜1
であることと、水分散型アクリル樹脂エマルション中に
均一安定に分散含有せしめるため、充分な親水性である
ことを必須とする。平均粒径が0.01μに満たぬと粒子表
面が広くなりすぎ、粒子そのものの安定性が不充分で使
用に耐えない。また、3μを超えると粒子の表面積が少
なくなり、系中で有効に作用する親水性官能基の量が少
なくて充分な効果が期待できない。
かかる有機質微小粒子は製法の容易さから、乳化重合手
法により得られるアクリル樹脂微粒子であることが特に
好ましい。乳化重合に際しては、α,β−エチレン性不
飽和単量体の一部として、例えば カルボン酸基含有モノマー アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、
イタコン酸、フマル酸およびそのアルカリ金属塩、アン
モニウム塩など 含窒素アルキルアクリレートまたはメタクリレート ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエ
チルメタクリレートなど 含燐アルキルアクリレートまたはメタクリレート メタクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリ
ロキシエチルフォスフェート、メタクリロキシエチルフ
ェニールアシッドフォスフェートなどの親水性モノマー あるいは 式 (式中R1は水素原子またはメチル基;R2は低級アルキル
基、フェニル基またはSO3Na基;nは1〜50の整数) で表されるポリオキシエチレン基含有マクロポリマー、 特開昭62−161742及び特開昭62−11534に開示されて
いる如き、末端親水性官能基含有マクロマー、 (式中R1は水素原子またはメチル基;R3は置換基を有し
ていてもかまわない炭素数2〜10の脂肪族炭化水素、炭
素数6〜7の脂環族炭化水素、炭素数6の芳香族炭化水
素;Aは−R4−O−(CO−R5−O−)あるいは−(R6
O)−; R4はエチレンまたはプロピレン;R5は置換基を有してい
てもかまわない炭素数2〜7のアルキレン;R6は置換基
を有していてもかまわない炭素数2〜5のアルキレン;1
は1〜10;mは2〜50) (式中R1,R2は水素原子または炭素数1〜25のアルキル
基;R3,R4は炭素数1〜25のアルキル基、ベンジル基、ま
たはスチレン基;pは0〜2;Z1,Z2はポリアルキレンオキ
シ基;Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ア
ンモニウムまたはアミンカチオン;Xは水素原子あるいは
メチル基) これらの親水性モノマー及びマクロマーをポリマー中に
0.05mmol/g以上含有せしめうることにより、充分な親水
性が得られ、また所定の微小粒子を容易に得ることがで
きる。微小粒子の使用温度条件下での粒子形態保持目的
に対しては,微小粒子の内殻を形成するポリマーはガラ
ス転位点が塗料、塗膜の乾燥、使用される温度以上であ
るものを共重合するか、または架橋性(二官能以上)の
共重合モノマーを使用して三次元架橋させる手法が好適
に使用せられる。
これら粒子を重合形成するための重合開始剤としては、
例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシド、
クメンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物;アゾ
ビスシアノ吉草酸、アゾビスイソブチロニトリル、アゾ
ビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル、アゾビス(2
−アミノジノプロパン)ハイドロクロライドなどの有機
アゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム、過酸化水素などの無機水溶性ラジカル
開始剤;レドックス系開始剤などが好適に使用せられ、
また連鎖移動剤としては例えば、エチルメルカプタン、
ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメル
カプタン類;四臭化炭素、四塩化炭素などのハロゲン化
炭素類を使用することができる。
これらの界面活性剤、乳化剤、重合開始剤、連鎖移動
剤、水媒体の使用割合、重合手法などはすべて従来技術
によることができる。通常の乳化重合では水系媒体が用
いられ、水不溶性樹脂微粒子の分散されたエマルション
が得られるが、本発明ではこのエマルションをそのまま
ベースエマルションと混合することも、あるいはエマル
ションを濃縮してから混ぜることもできる。あるいはま
たエマルションから樹脂粒子を単離し、使用することも
できる。したがって反応媒体としては水に限定されるも
のではなく、非水系媒体を使用するところのNAD法によ
り該当粒子を得ることも可能である。尚、樹脂微小粒子
は表面に親水性官能基を効率よく担持せしめることが好
ましいので、そのためには通常の乳化重合法で単量体の
親水性度の差により充分目的を達成しうるが、場合によ
ってはシード重合などの多段乳化重合手法によることも
好適である。
水分散型アクリル樹脂エマルション(A)と親水性微小
粒子(B)とは塗料作製時に混合しても、あるいはエマ
ルション(A)の製造時に微小粒子(B)を存在させる
ことにより両者を組み合わせることも自由である。しか
しながら本発明の塗料組成物においては、上記の水分散
型エマルション樹脂と微小粒子とが固形分として、前者
99〜50重量%、後者1〜50重量%の範囲で配合せられる
ことが必要である。というのは水分散型エマルションが
多く微小粒子が1重量%未満では、伸度、光沢などは保
持されるが、膜に親水性を付与する程度が少なすぎるた
め本発明の目的である透湿性を付与することができな
い。また微小粒子が50重量%を超えて配合せられると、
微小粒子には造膜性がないため本エマルション樹脂の造
膜性だけでは完全な塗膜を形成することができず、光
沢、伸度が低下するし、著しい場合には塗膜にクラック
を生じる場合もある。特に好ましい範囲は前者90〜60重
量%、後者10〜40重量%である。また、前記水分散型エ
マルション樹脂(A)の粒子径と微小粒子(B)との粒
径との比は、50/49〜50/1であることが効果があり、用
いられる。粒径比(A)/(B)が50/49以下である
と,ベースエマルション内に形成される微小粒子の親水
性表面積が少なすぎて、充分な透湿性が得られない。ま
た粒径比(A)/(B)が50/1以上であると、膜の透湿
性は充分に得られるが、微小粒子の親水性表面の活性が
相対的に高くなりすぎ、膜の耐水性が悪くなったり、安
定的に配合する事ができないため塗膜の光沢が低下する
問題点が発生する。したがって本発明の好ましい実施態
様に於いては粒径比50/49〜50/1が好適に用いられ、特
に好ましくは2/1〜10/1である。
本発明の塗料組成物にあっては、水分散型アクリル樹脂
ならびに親水性微小粒子の顔料体積濃度(PVC)が50%
以下のレベルに制御せられ、塗膜の充分な光沢、外観が
保持せられる。しかも上述の如く、良好な可撓性、密着
性、ひび割れ追従性、耐水性、透湿性が得られ、コンク
リート建造物の保護、美観向上に極めて有用である。
以下、実施例により本発明を説明する。特にことわりな
き限り、部および%は重量による。
尚、塗料組成物の顔料体積濃度PVC(通常顔料と親水性
微粒子の和の体積濃度を意味する)はテンプル シー
パットン著「塗料の流動と顔料分散」141頁、1971(共
立出版)記載の方法に従い、下記計算式により求めた。
参考例1 撹拌器、冷却装置、温度計および窒素導入管を備えた反
応容器に無水コハク酸60部と、ε−カプロラクトンと2
−ヒドロキシエチルメタクリレートの5:1モル付加物440
部および全仕込み量に対して500ppmのヒドロキノンモノ
メチルエーテルを仕込んだ。次いで空気を導入管より吹
き込みながら温度を150℃で60分間撹拌することによっ
て反応を行った。反応終了後、生成物を熱濾過して未反
応物を除去した。反応生成物は酸価70の半固形物(25
℃)であった。
撹拌器、冷却装置、温度計および窒素導入管を備えた反
応容器に脱イオン水298.5部を仕込み、撹拌下温度を80
℃で保持しながら、これに過硫酸アンモニウム1.5部、
脱イオン水20部からなる混合溶液を添加した。次いで同
温度で上記反応組成物30部、ジメチルエタノールアミン
4.5部、N−(3−スルホピロピル)−N−メタクロイ
ロキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン20
部および脱イオン水174.8部からなる第1混合溶液と、
メチルメタクリレート55部、スチレン55部、ブチルアク
リレート40部およびネオペンチルグリコールジメタクリ
レート30部からなる第2混合溶液とをそれぞれ60分間を
要して同時に滴下した。滴下後、さらに過硫酸アンモニ
ウム0.5部、脱イオン水30部からなる混合溶液を添加
し、100分間撹拌を継続して、固形分濃度30%、粒径0.0
42μのエマルションを得た。
参考例2 撹拌器、冷却装置、温度計および窒素導入管を備えた反
応容器に無水コハク酸150部と、ε−カプロラクトンと
2−ヒドロキシエチルメタクリレートの1:1モル付加物3
85部および全仕込み量に対して500ppmのヒドロキノンモ
ノメチルエーテルを仕込んだ。次いで空気を導入管より
吹き込みながら温度を150℃で40分間撹拌することによ
って反応を行った。反応終了後、生成物を室温まで冷却
すると少量の未反応の酸無水物の結晶が析出するのでこ
れを濾過により除去し、目的の反応組成物を得た。この
反応組成物は酸価172、粘度250cp(25℃)であった。反
応組成物の酸価測定から反応率を求めたところ96%であ
った。
撹拌器、冷却装置、温度計および窒素導入管を備えた反
応容器に脱イオン水164部を仕込み、撹拌下温度を80℃
に保持しながら、これに過硫酸アンモニウム0.3部、脱
イオン水20部からなる第1混合溶液を90分間を要して滴
下した。次いで同温度で上記反応組成物20部、LiOH・H2
O(水酸化リチウム)2.44部、水120部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ60%水溶液20部、スチレン110部を
混合撹拌した第2混合溶液をまた90分間を要して同時に
滴下した。滴下後、100分間撹拌を継続して、固形分濃
度30%、粒径0.064μのエマルションを得た。参考例3 撹拌器、冷却装置、温度計および窒素導入管を備えた反
応容器に、脱イオン水40部を仕込み、撹拌下温度を80℃
に保持しながら、これに過硫酸アンモニウム0.3部、脱
イオン水20部からなる第1混合溶液を130分を要して滴
下した。次いで同温度で同時に脱イオン水70部RA−1024
(ポリオキシエチレン基と−SO3 Na基含有マクロマー
(分子量=1600)、有効成分90%日本乳化剤社製、20
部、25%アンモニウム水5部、スチレン85部、エチレン
グリコールジメタクリレート4部、Na2−スルホエチル
メタクリレート8部を混合した第2混合溶液を120分間
要して滴下した。滴下後、100分間、同温度下で、撹拌
を継続して、固形分濃度46%、粒径0.15μのエマルショ
ンを得た。
実施例1 常法により合成した粒径0.5μ、数平均分子量50,000、
ガラス転位点2℃のアクリルエマルション(AcEM−1)
80部(固形分40部)に対し、参考例1で合成した粒径0.
04μ、表面に親水性官能基としてカルボキシルアミン基
を0.16mmol/g、ツビツター基を0.3mmol/g含有し、架橋
密度0.54mmol/gの水分散性ゲル粒子を含むエマルション
(PE−1)16.6部(固形分5部)を配合してなる塗料用
樹脂組成物に下記に示す顔料ペーストを配合し、且つ若
干の可塑剤、増粘剤を配合して塗料化した。顔料ペースト配合 水 2.4部 チタン白 15 部 分散剤 1 部消泡剤 0.1部 合計 18.5部塗料配合 塗料用合成樹脂組成物 AcEM−1 80 部 PE−1 16.6部 顔料ペースト 18.5部 テキサノール(注1) 2 部 ブチルセロソルブ 2 部増粘剤 3 部 合計 122.1部 尚、上記塗料組成物の顔料体積濃度(PVC)は17.7%で
あった。
このようにして得られた塗料をポリプロピレン板上に1m
mの厚みで塗布し、伸び率、透湿性を試験した。その結
果を第1表に示す。
注1:テキサノール 2,2,4−トリメチル,1,3−ベンタンジオールモノイソブ
チレート 実施例2 常法により合成した、粒径0.3μ、数平均分子量70,00
0、ガラス転位点0℃のアクリルアマルション(AcEM−
2)80部(固形分40部)に対し、参考例2で合成した粒
子径0.06μ、表面に親水性官能基としてカルボキシルリ
チウム基を0.4mmol/g、界面活性剤を0.24mmol/g含有
し、主鎖がポリスチレンからなり、常乾型塗料としての
使用温度範囲において粒子形態を保持しうる水分散性ゲ
ル粒子を含むエマルション(PE−2)33部(固形分10
部)を配合してなるところの塗料用合成樹脂組成物を実
施例1と同様の処方で塗料化し、試験した。その結果を
第1表に示す。尚、本実施例の塗料組成物のPVCは25.3
%であった。
実施例3 常法により合成した、粒径0.2μ、数平均分子量90,00
0、ガラス転位点−2℃のアクリルエマルション(AcEM
−3)80部(固形分40)部に対し、水分散性コロイダル
シリカで粒径0.03μ、表面にアニオン性SiO基を含有
し、対イオンとしてNaをNaO/SiO2比で0.5/30含有するこ
とを特徴とする微小粒子を23.3部(固形分7部)配合し
てなる塗料用樹脂組成物を実施例1と同様の処方で塗料
化し、実施例1と同様の試験を実施した。その結果を第
1表に示す。尚、本実施例の塗料組成物PVCは13.7%で
あった。
実施例4 常法により合成した、粒径2μ、数平均分子量80,000、
ガラス転位点1℃のアクリルエマルション(AcEM−4)
80部(固形分40部)に対し、参考例2で合成した粒子径
0.06μ、表面に親水性官能基としてカルボキシルリチウ
ム基を0.4mmol/g、界面活性剤を0.24mmol/g含有し、主
鎖がポリスチレンからなり、常乾型塗料としての使用温
度範囲において粒子形態を保持しうる水分散性ゲル粒子
を含むエマルション(PE−2)16.7部(固形分5部)を
配合してなるところの塗料用合成樹脂組成物を実施例1
と同様の処方で塗料化し、試験した。その結果を第1表
に示す。尚、本実施例の塗料組成物のPVCは17.7%であ
った。
実施例5 常法により合成した粒径0.5μ、数平均分子量50,000、
ガラス転位点2℃のアクリルエマルション(AcEM−1)
80部(固形分40部)に対し参考例1で合成した粒子径0.
04μ、表面に親水性官能基としてカルボキシルアミン基
を0.16mmol/g、ツビッター基を0.3mmol/g含有し、架橋
密度0.54mmol/gの水分散性ゲル粒子を含むエマルション
(PE−1)66.7部(固形分20部)を配合してなるところ
の塗料用合成樹脂組成物を実施例1と同様の処方で塗料
化し、試験した。その結果を第1表に示す。尚、本実施
例の塗料組成物のPVCは37.1%であった。
実施例6 常法により合成した粒径0.1μ、数平均分子量90,000、
ガラス転位点3℃のアクリルエマルション(AcEM−6)
70部(固形分35部)に対し、参考例2で合成した非造膜
性微小粒子を含むエマルション(PE−2)66部(固形分
20部)を配合してなるところの塗料用合成樹脂組成物を
実施例1と同様の処方で塗料化し、試験した。その結果
を第1表に示す。尚、本実施例の塗料組成物のPVCは40
%であった。
実施例7 常法により合成した、粒径2μ、数平均分子量80,000、
ガラス転位点1℃のアクリルエマルション(AcEM−4)
80部(固形分40部)に対し、参考例3で合成した粒子径
0.15μ、表面に親水性官能基としてRA−1024から来るポ
リオキシエチレン基とスルホニウム基をそれぞれ0.098m
mol/g含有し、Na2スルホエチレメタクリレートから来る
スルホニウム基を0.3mmol/g(親水性官能基総計0.398mm
ol/g)を含有し、主鎖が架橋せるポリスチレンから成る
非造膜性粒子を含むエマルション(PE−3)10.9部(固
形分5部)を配合して成るところの塗料用合成樹脂組成
物を実施例1と同様の処方で塗料化し、試験した。その
結果を第1表に示す。尚、本実施例の塗料組成物のPVC
は17.7%であった。
実施例1〜7で得られた各塗料組成物について下記試験
を行い、評価した。
塗膜透湿度(M.V.P.) ASTM−E−96−66(1972)手法Bに準じ、下記方法で試
験した。即ち 試料作製方法: ポリプロピレン板に被験塗料を厚さ1mmで塗布し、常乾
は20℃、60%の室内に1週間乾燥し、脱着した単離膜を
試験フィルムとして用いる。強制乾燥は80℃×10分乾燥
した後、同様に室内で1週間乾燥した。
透湿度試験: JIS−Z−0208に定められた透湿カップに、塗膜に水面
が接しないように水を入れ、単離した被験塗膜を装着し
た。この被験体をASTMに定められた23℃、50%の雰囲気
に保たれたチャンバーに入れ、一定時間毎の重量減少量
を測定し続け、24時間当りの変化量(減少量)がほぼ一
定になった時間帯のデーターを平均して下記式にによ
り、M.V.Pを算出した。
試験結果を第1表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−139556(JP,A) 特開 昭57−57757(JP,A) 特開 昭62−25178(JP,A) 特開 昭56−57860(JP,A) 特開 昭61−47766(JP,A) 特開 昭62−241965(JP,A) エマルジョン・ラテックスハンドブック P.837(昭和50年3月25日 株式会社 大成社発行)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径0.05〜5μの水分散型アクリル
    樹脂エマルション(A)と、 平均粒子径0.03〜3μの、粒子内が三次元的に架橋され
    ているか、結晶化しているかあるいは樹脂のTgが使用温
    度以上であるかのいずれかであり、且つ分子内に親水性
    モノマーを0.05mmol/g以上含有する親水性非造膜性アク
    アリル樹脂粒子(B)とを、固形分重量比で(A)/
    (B)=99/1〜50/50の割合で含み、水分散型アクリル
    樹脂エマルション(A)と親水性非造膜性アクアリル樹
    脂粒子(B)との粒径比が50/49〜50/1である、高透湿
    性水性塗料組成物。
JP63147107A 1987-06-15 1988-06-15 高透湿性水性塗料組成物 Expired - Lifetime JPH0768489B2 (ja)

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