JP3806417B2 - 水性コーティング組成物及び被膜の耐溶剤性を向上させる方法 - Google Patents

水性コーティング組成物及び被膜の耐溶剤性を向上させる方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナノサイズの粒子(無機又は有機粒子)をコアとし、ビニル重合体をシェルとする複合粒子で構成された水性コーティング組成物(塗料組成物など)およびその組成物を用いて被膜の耐溶剤性又はゲル分率を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コロイド状シリカと有機ポリマーとを複合化し、被膜の特性を向上させることが提案されている。例えば、特開昭59−71316号公報、特開昭63−37168号公報には、シラン系モノマー及びコロイド状シリカを共重合することにより、無機物としてのコロイド状シリカと有機ポリマーとを化学結合させた水性樹脂分散体が開示されている。特開平9−194208号公報には、コロイド状シリカとオルガノアルコキシシランとをカップリングさせた後、ビニルモノマーを重合し、コア−シェル状複合粒子の水性分散体を製造することが提案されている。しかし、平均粒子径が50nm以下のコロイド状シリカを使用すると、固形分40重量%以上の水性分散体を得ることが困難であり、高固形分では粘度が著しく増加するとともに、成膜性が劣る。また、安定したコア−シェル状複合粒子を得るには、メタクリロイル基を有する特殊なシラン化合物を多く使用する必要があり、コスト的に不利である。さらには、全反応時間が10時間以上となり、塗料用の水性分散体やバインダーを工業的に有利に製造することができない。
【0003】
特開2000−290464号公報および特開2001−335721号公報には、無機又は有機粒子とノニオン界面活性剤とを含む分散系の温度を、前記ノニオン界面活性剤の曇点以上の温度に高め、ビニル単量体を重合し、前記無機又は有機粒子の表面にビニル重合体が結合したコロイド状微粒子を得ることが開示されている。この文献には、ノニオン界面活性剤として少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する界面活性剤も記載されている。これらの文献の発明では、シラン化合物を用いることなくコア−シェル構造の複合粒子を生成でき、分散安定性、貯蔵安定性が高く、固形分濃度が高くても成膜性を向上できる。しかし、これらの文献には、硬化剤や架橋剤を用いることなく、水性コーティング剤において、耐有機溶剤性を向上させる方法について記載がない。
【0004】
一液型水性組成物の耐有機溶剤性を向上させるため、エチレングリコールジメタアクリレートなどの多官能性単量体による分子内架橋や、ヒドラジド化合物による分子間架橋が利用されている。しかし、これらの方法では、架橋度が低く、高い耐溶剤性の被膜を形成することが困難である。
【0005】
そのため、被膜の耐有機溶剤性を高めるためには、硬化剤や架橋剤を併用し、二液硬化型組成物を構成する必要がある。しかし、二液硬化型組成物はポットライフが短く、しかも再使用できないため、コーティング組成物の有効利用性を低下させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、一液水性組成物でありながら、耐溶剤性及びゲル分率を大きく向上できる水性コーティング組成物及び被膜の耐溶剤性又はゲル分率を向上できる方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、硬化剤や架橋剤を併用しなくても高い耐溶剤性の被膜を形成できる水性コーティング組成物及び被膜の耐溶剤性又はゲル分率を向上できる方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、ナノサイズ粒子を含み、被膜形成性、耐溶剤性の高い水性コーティング組成物及び被膜の耐溶剤性又はゲル分率を大きく向上できる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意検討の結果、ナノサイズ粒子が水性媒体中に分散した分散系でビニル単量体を重合すると、硬化剤や架橋剤を併用しなくても、耐溶剤性及びゲル分率の高い被膜を形成できること、官能基を有する少量の単量体を含むビニル単量体を用いると、二液硬化型被膜に匹敵する高い耐溶剤性の被膜を形成できることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明の水性コーティング組成物は、分散粒子を含む水性コーティング組成物であって、前記分散粒子が、直接又はノニオン界面活性剤を介して、ナノサイズの粒子とビニル重合体とが結合した粒子であり、前記ビニル重合体が、エポキシ基、ヒドロキシル基及び加水分解性シリル基から選択された官能基を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル系単量体、ビニルエステル系単量体から選択された少なくとも一種の単量体との重合体であって、前記官能基を有する単量体の割合が、ナノサイズ粒子100重量部に対して0.01〜10重量部であり、前記分散粒子が、ノニオン界面活性剤の曇点未満の温度でノニオン界面活性剤とナノサイズの粒子が水中で負に帯電したナノサイズ粒子分散液とを混合した後、曇点以上の温度に昇温し、ビニル単量体を重合することにより得られたものであり、被膜の耐溶剤性又はゲル分率向上できる。本発明では、ビニル重合体と組み合わせる粒子がナノサイズ粒子であるため、水性の一液コーティング組成物でありながら、硬化剤や架橋剤を用いることなく、ゲル分率を向上できる。また、ビニル重合体の調製に官能基を有する単量体を使用したとしても、少量、例えば、ナノサイズ粒子100重量部に対して0.01〜10重量部(例えば、0.1〜5重量部)程度の官能基を有する単量体を使用しても、被膜の耐有機溶剤性を向上できる。前記ナノサイズ粒子は、水中で負に帯電した粒子であってもよい。ナノサイズ粒子には、コロイド状シリカ(例えば、平均粒子径3〜50nmのコロイド状シリカ)、顔料などを包含する。ノニオン界面活性剤は、例えば、曇点0〜80℃のポリオキシアルキレンエーテル又はその誘導体であってもよく、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有していてもよい。前記分散粒子は、ナノサイズ粒子をコアとし、ビニル重合体をシェルとするコア−シェル構造の球状複合粒子である場合が多く、分散粒子の平均粒子径は5〜200nm程度であってもよい。前記水性コーティング組成物は、種々の用途、例えば、耐溶剤性が要求される用途、例えば、屋内、外壁又は屋根用塗料であってもよい。また、これらの水性コーティング組成物(塗料など)は、多孔質材、金属、セラミックスから選択された基材に適用できる。
【0011】
本発明は、直接又はノニオン界面活性剤を介して、ナノサイズの粒子とビニル重合体とが結合した分散粒子を含む水性コーティング組成物を基材に適用し、被膜の耐溶剤性又はゲル分率を向上させる方法であって、前記ビニル重合体が、エポキシ基、ヒドロキシル基及び加水分解性シリル基から選択された官能基を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル系単量体、ビニルエステル系単量体から選択された少なくとも一種の単量体との重合体であって、前記官能基を有する単量体の割合が、ナノサイズ粒子100重量部に対して0.01〜10重量部であり、前記分散粒子が、ノニオン界面活性剤の曇点未満の温度でノニオン界面活性剤とナノサイズの粒子が水中で負に帯電したナノサイズ粒子分散液とを混合した後、曇点以上の温度に昇温し、ビニル単量体を重合することにより得られた分散粒子である水性コーティング組成物を基材に適用し、被膜の耐溶剤性又はゲル分率を向上させる方法も含む。この方法において、前記ナノサイズ粒子に対して、特定量の官能基を有する単量体を用いて生成した水性コーティング組成物を用いると、被膜のゲル分率を60重量%以上に向上できる。さらに、硬化剤及び架橋剤を併用することなく、被膜のゲル分率を70重量%以上に向上できる。
【0012】
なお、本明細書において「ナノサイズ」とは「ナノメータ(nm)サイズ」を意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の水性コーティング組成物の分散粒子は、直接又はノニオン界面活性剤を介して、ナノサイズの粒子とビニル重合体とが結合した複合粒子で構成されており、この複合粒子は水性媒体中に分散している。
【0014】
[ナノサイズ粒子]
ナノサイズの粒子としては、無機又は有機粒子のいずれであってもよい。無機粒子としては、種々の機能性粒子、例えば、シリカ、無機顔料、導電体(例えば、金、銀、白金、アルミニウム又はこれらの合金など)、磁性体(例えば、フェライトなど)などが使用できる。これらの機能性粒子は、コロイド状(例えば、コロイド状シリカ)であってもよい。
【0015】
コロイド状シリカ粒子(コロイダルシリカ)の平均粒径は、5nm〜150nm(例えば、5〜100nm)、好ましくは3〜50nm(例えば、10〜40nm)、さらに好ましくは5〜30nm程度であってもよい。
【0016】
コロイド状シリカはゾル−ゲル法で調製して使用することもでき、市販品(例えば、旭電化工業(株)製「アデライトAT−40」「アデライトAT−50」、日産化学(株)製「スノーテックス40」「スノーテックス50」など)を利用することもできる。コロイド状シリカは、主成分が二酸化ケイ素であり、少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含んでいてもよい。また、コロイド状シリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類など)を含んでいてもよい。コロイダルシリカは、通常、水中で負に帯電している。
【0017】
無機顔料としては、白色顔料(例えば、酸化亜鉛、リトポン、酸化チタンなど)、黄色顔料(例えば、クロムエロー、ニッケルチタンエロー、酸化鉄黄、黄色酸化鉛など)、赤色顔料(例えば、酸化鉄赤、赤色酸化鉛、モリブデンレッドなど)、橙色顔料(例えば、モリブデートオレンジなど)、緑色顔料(例えば、クロムグリーン、酸化クロムなど)、青色顔料(例えば、紺青、群青、コバルトブルー)、紫色顔料(例えば、マンガンバイオレットなど)、黒色顔料(例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック、黒色酸化鉄など)などが挙げられる。さらに、体質顔料(例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなど)を使用してもよい。
【0018】
有機粒子としては、有機顔料、有機ポリマー粒子(例えば、シリコーン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、メラミン系樹脂、架橋スチレン系樹脂など)などが使用できる。
【0019】
有機顔料としては、アゾ顔料(例えば、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、バルカンファストイエロー、パーマネントイエローなどの黄色顔料、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、パーマネントオレンジなどの橙色顔料、トルイジンレッド、パーマネントレッド、ブリリアントファストスカーレット、バルカンファストレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、リソ−ルレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、レーキボルドーなどの赤色顔料など)、フタロシアニン顔料(例えば、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルーなどの青色顔料、フタロシアニングリーンなどの緑色顔料)、レーキ顔料(例えば、ローダミンレーキなどの赤色顔料、メチルバイオレットレーキ、ビクトリアピュアーブルーレーキなどの青色顔料、ファイナルイエローグリーンなどの緑色顔料)などが挙げられる。また、有機顔料として、キナクリドン系、ペリレン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、スレン系顔料などの有機顔料を使用してもよい。
【0020】
これらのナノサイズ粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。また、これらのナノサイズ粒子は、必要により、表面処理されていてもよい。通常、ナノサイズ粒子としては、コロイド状シリカ、顔料(無機又は有機顔料)が使用される。特に、ナノサイズの粒子としては、通常、水中で負に帯電した粒子(コロイド状シリカ又は顔料)が使用される。
【0021】
前記ナノサイズ粒子の平均粒子径は、ナノサイズである限り特に制限されず、例えば、5〜2000nm、好ましくは10〜1000nm、さらに好ましくは10〜500nm(例えば、10〜100nm)程度の範囲から選択できる。
【0022】
[ビニル重合体]
ビニル重合体は、単独又は共重合体であってもよい。ビニル重合体を形成する単量体(ビニル単量体)には、例えば、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル系単量体、ビニルエステル系単量体などが含まれる。これらの単量体は単独で又は二種以上組合わせて使用できる。
【0023】
ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル類]、シクロアルキル(メタ)アクリレート[シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど]、アラルキル(メタ)アクリレート[ベンジル(メタ)アクリレートなど]、多環式(メタ)アクリレート[2−イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、5−ノルボルネン−2−イル−メチル(メタ)アクリレートなど]、アルコキシ基又はフェノキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類[アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなど]、ハロゲン含有(メタ)アクリル酸エステル類[2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレートなど]、(メタ)アクリルアミド類[例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど]、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレートなど]、シアン化ビニル類[(メタ)アクリロニトリルなど]、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニルなど)、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど)、不飽和多価カルボン酸誘導体(マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステルなどのエステル類、N−フェニルマレイミドなどのN−置換マレイミド類など)、N−ビニル多価カルボン酸イミド[N−ビニルスクシンイミドなど]、ジエン類(例えば、ブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン)、複素環式ビニル単量体(N−ビニルピロリドン、1−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジンなど)、N−ビニルアミド類(N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなど)、ハロゲン含有ビニル単量体(ビニルクロライド,ビニリデンクロライドなど)、ビニルアルキルエーテル類、オレフィン類(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなど)などが例示できる。これらのビニル単量体は単独で又は二種以上組合わせて使用できる。
【0024】
好ましいビニル単量体には、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル系単量体、ビニルエステル系単量体(有機酸ビニルエステル)などが含まれる。特に、少なくとも(メタ)アクリル系単量体を用いる場合が多い。
【0025】
ビニル単量体は複数の不飽和基を有する多官能性ビニル単量体と併用してもよい。多官能性ビニル単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、C2-10アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性ビニル単量体も単独で又は組合わせて使用できる。これらの多官能性ビニル単量体のうち、ジビニルベンゼン,2以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体(エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)が一般に使用される。
【0026】
前記ビニル単量体を重合してビニル重合体を形成しても高いゲル分率を実現できるが、官能基を有する単量体と組み合わせて重合すると、被膜の耐有機溶剤性を著しく改善でき、一液型水性組成物でありながら、二液型油性組成物に匹敵する耐有機溶剤性の被膜が得られる。単量体の官能基は、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、加水分解性シリル基などであってもよく、これらの官能基は、水性組成物の安定性を損なわない限り反応性基や架橋性基であってもよい。単量体は、前記官能基を1つ有していてもよく、同種又は異種の官能基を複数有していてもよい。官能基を有する単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0027】
カルボキシル基を有する単量体としては、重合性モノカルボン酸((メタ)アクリル酸,イタコン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステルなど)、多価カルボン酸(マレイン酸,フマル酸など)、これらの塩や酸無水物などが例示できる。ヒドロキシル基を有する単量体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが例示できる。エポキシ基を有する単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示できる。
【0028】
加水分解性シリル基を有する単量体としては、(メタ)アクリロイルC2-3アルキルトリC1-2アルコキシシラン[(メタ)アクリロイルエチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルエチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルプロピルトリエトキシシランなど]、これらに対応する(メタ)アクリロイルC2-3アルキルC1-6アルキルジC1-2アルコキシシラン、ビニルトリC1-2アルコキシシラン、ビニルC1-6アルキルジC1-2アルコキシシラン、これらの化合物に対応するハロシラン類などが例示できる。
【0029】
なお、必要であれば、スルホン酸基含有単量体(ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウムなど)などの他の官能基を有する単量体を用いてもよい。また、前記官能基を有する単量体(加水分解性シリル基を有する単量体など)と共に、必要により、トリアルコキシシラン(トリメトキシシランなど)、モノ又はジハロ−ジ又はモノアルコキシシラン、トリハロシランなどを併用してもよい。
【0030】
前記ビニル単量体と前記官能基を有する単量体との割合(重量比)は、通常、前者/後者=100/0〜90/10、好ましくは99.9/0.1〜93/7、さらに好ましくは99.9/0.1〜95/5(例えば、99.9/0.1〜97/3)程度である。特に、前記ナノサイズ粒子に対して少量の官能基を有する単量体を用いると、被膜の耐溶剤性及びゲル分率を著しく高めることができる。ナノサイズ粒子100重量部に対する官能基を有する単量体の割合は、例えば、固形分換算(又は単量体換算)で、0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部(例えば、0.1〜5重量部)、さらに好ましくは0.01〜3重量部(0.1〜3重量部)程度であり、通常、0.5〜2重量部程度であってもよい。
【0031】
さらに、ビニル単量体は、紫外線吸収能、酸化防止能などの安定化機能を有する反応性安定化剤であってもよい。このような反応性安定化剤としては、慣用の紫外線吸収剤や酸化防止剤(ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、リン酸エステル系などの紫外線吸収剤や酸化防止剤など)に重合性基(ビニル基、ビニルエステル基、(メタ)アクリロイル基など)が導入された有機化合物が挙げられる。このような反応性安定剤としては、例えば、反応性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなど]、反応性ヒンダードアミン系光安定剤[4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなど]などが挙げられる。なお、反応性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、例えば、「RUVA-93」などとして大塚化学(株)から入手可能であり、反応性ヒンダードアミン系光安定剤は、例えば、アデカスタブLA−82,LA−87などとして旭電化工業(株)から入手可能である。
【0032】
反応性安定化剤の使用量は、例えば、単量体全体に対して1〜10000ppm、好ましくは5〜5000ppm、さらに好ましくは10〜3000ppm程度である。
【0033】
[ノニオン界面活性剤]
ナノサイズ粒子表面には、直接又はノニオン界面活性剤を介してビニル重合体が結合し前記複合粒子を形成している。また、好ましいナノサイズ粒子は、通常、水性媒体中で負に帯電している。そのため、曇点未満の温度でノニオン界面活性剤とナノサイズ粒子分散液とを混合した後、曇点以上の温度にすることにより、ノニオン界面活性剤をナノサイズ粒子表面に吸着させて、ビニル単量体の重合の場を提供する。なお、ノニオン界面活性剤の吸着により、ナノサイズ粒子表面を疎水化できる。前記ノニオン界面活性剤を第1のノニオン界面活性剤という場合がある。
【0034】
ノニオン界面活性剤の曇点とは、ノニオン界面活性剤の存在下、ナノサイズ粒子が水性媒体中に分散した系において、昇温過程で前記分散系に白濁が生じる温度を意味する。曇点は、ノニオン界面活性剤の濃度、電解質の影響などを受けることから各反応条件において測定できる。ノニオン界面活性剤の曇点は、例えば、0〜80℃、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは20〜60℃程度である。
【0035】
ノニオン界面活性剤(分散剤又は分散安定剤)としては、例えば、蛋白質(ゼラチン、レシチンなど)、糖誘導体(寒天、デンプン誘導体等)、セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロースなど)、多価アルコールの脂肪酸エステル類[エチレングリコールモノ脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸モノエステル、ステアリン酸モノエステルなど)、ポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸モノグリセリドなど)、グリセリンジ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(商品名スパン)など]、合成親水性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、末端長鎖アルキル基変性ポリビニルアルコール、ポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン)又はその誘導体[ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、前記脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加体(例えば、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル(商品名トウィーン)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなど)]などが挙げられる。分散剤としては、グラフトポリマー,ブロックポリマー(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロツク共重合体など)やマクロマーを用いてもよい。これらのノニオン界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0036】
不飽和結合(例えば、ビニル、イソプロペニル、(メタ)アクリロイルなど)を有するノニオン界面活性剤を用いると、ナノサイズ粒子表面に吸着したノニオン界面活性剤とビニル単量体とを重合できる。
【0037】
好ましいノニオン界面活性剤には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル[例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンC6-20アルキルエーテル]、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル[例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンC6-20アルキルフェニルエーテルなど]、ポリオキシエチレンショ糖C12-20脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンC12-20脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンブロック共重合体[例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(旭電化工業(株)製,プルロニックL61、プルロニックL−64)など]、アリル基などのエチレン性不飽和基(重合性不飽和合)を少なくとも1つ有するポリオキシエチレンC6-20アルキルフェニルエーテル[例えば、1−アリルオキシメチル−2−ノニルフェニルオキシエタノールエチレンオキサイド付加体(旭電化工業(株)製)など]などが含まれる。
【0038】
また、ノニオン界面活性剤の親水性−親油性バランス(HLB)は、広い範囲で選択でき、例えば、1〜30、好ましくは3〜25、さらに好ましくは5〜20程度である。
【0039】
ノニオン界面活性剤の使用量は、固形分換算で、ビニル重合体100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度であってもよい。
【0040】
前記分散系において、ビニル単量体が重合する過程で、ノニオン界面活性剤はナノサイズ粒子表面に吸着していることが好ましい。従って、ビニル単量体の重合温度は、ノニオン界面活性剤の曇点を越える温度であることが好ましく、例えば、20〜110℃、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは60〜100℃、特に70〜90℃程度である。
【0041】
なお、前記ビニル単量体は、被膜に要求される特性(成膜性,ガラス転移温度など)に応じて選択でき、通常、ガラス転移温度−30℃〜80℃、好ましくは−20℃〜50℃、特に0〜50℃程度のビニル重合体を形成する。
【0042】
ビニル重合体とナノサイズ粒子との割合は、成膜性などに応じて選択でき、例えば、ビニル重合体100重量部に対して、ナノサイズ粒子3〜500重量部、好ましくは10〜300重量部、さらに好ましくは20〜200重量部(例えば、30〜200重量部)程度である。
【0043】
[複合粒子とその製造方法]
分散粒子は、ナノサイズ粒子をコアとし、ビニル重合体をシェルとするコア−シェル構造の球状複合粒子を形成している。複合粒子の平均粒子径は、5〜500nm(例えば、20〜500nm)程度の範囲から選択でき、例えば、5nm〜200nm、好ましくは10nm〜200nm(例えば、20〜150nm)、さらに好ましくは30〜200nm程度である。
【0044】
前記各成分の割合は、例えば、ナノサイズ粒子100重量部に対して、ビニル重合体10〜200重量部(例えば、25〜150重量部)、ノニオン界面活性剤(第1のノニオン界面活性剤)0.1〜10重量部(例えば、0.5〜5重量部)程度の範囲から選択できる。
【0045】
なお、全ての分散粒子が前記コア−シェル複合粒子である必要はなく、コア−シェル複合粒子と、ビニル重合体粒子およびナノサイズ粒子から選択された少なくとも一種の粒子との混合物であってもよい。好ましい分散粒子は、粒子の80重量%以上が、ナノサイズ粒子をコアとし、ビニル重合体をシェルとするコア−シェル構造の複合粒子で構成されている。
【0046】
なお、前記分散粒子(複合粒子)が分散した水性分散体は、ノニオン界面活性剤(第1のノニオン界面活性剤)の存在下、ナノサイズ粒子が水性媒体中に分散した系において、曇点以上の温度でビニル単量体を重合することにより得ることができる。特に、曇点未満の温度で第1のノニオン界面活性剤とナノサイズ粒子分散液とを混合した後、曇点以上の温度に昇温し、ナノサイズ粒子表面に第1のノニオン界面活性剤を吸着させ、ビニル単量体を重合することにより、ナノサイズ粒子とビニル重合体とが有効に結合した複合粒子を得ることができる。
【0047】
前記分散系では、第1のノニオン界面活性剤がナノサイズ粒子表面に吸着するにつれて、又はビニル単量体の重合が進行するにつれてナノサイズ粒子が疎水化し、分散安定性が低下する場合がある。そのため、第2のノニオン界面活性剤を反応系に添加してもよい。第2のノニオン界面活性剤は、混合初期に添加してもよく、昇温時、重合初期、又は重合後に添加してもよい。特に、第1のノニオン界面活性剤の曇点以上の温度になった後、第2のノニオン界面活性剤を添加するのが好ましい。
【0048】
第2のノニオン界面活性剤の曇点は、第1のノニオン界面活性剤が吸着したナノサイズ粒子を分散安定化させるために、第1のノニオン界面活性剤の曇点を越える場合が多い。さらに、ビニル単量体が重合する過程で、ナノサイズ粒子を安定化させるためには、重合温度を越える温度の曇点を有していることが好ましい。第2のノニオン界面活性剤は、疎水化されたナノサイズ粒子表面に配向し、ナノサイズ粒子を安定化し、さらには第1のノニオン界面活性剤とともに、ビニル単量体の重合の場を提供する。
【0049】
第2のノニオン界面活性剤の使用量は、ミセルを形成してビニル重合体単独粒子が生成するのを防ぐために、臨界ミセル濃度(CMC)以下であるのが好ましく、例えば、固形分換算で、ナノサイズ粒子100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部程度である場合が多い。
【0050】
また、乳化重合に一般的に使用されるアニオン界面活性剤を、分散安定化のために使用してもよい。なお、第1のノニオン界面活性剤をナノサイズ粒子表面に有効に吸着させるために、第1のノニオン界面活性剤をナノサイズ粒子表面に吸着させた後に、アニオン界面活性剤を添加するのが好ましい。例えば、ノニオン界面活性剤がナノサイズ粒子へ均一に吸着した後、あるいはビニル単量体が重合し、安定化されたシード状複合粒子が生成した後に、アニオン界面活性剤を添加してもよい。前記のように、ナノサイズ粒子は、通常、水性媒体中、負に帯電しているため、アニオン界面活性剤との吸着効率は低いものと予想されるが、負の電荷を有するアニオン界面活性剤は、負に帯電しているナノサイズ粒子に対し、単独でミセルを形成する場合がある。そのため、混合初期にアニオン性界面活性剤を添加すると、ポリマー単独粒子が多数生成する虞がある。
【0051】
本発明において、ビニル単量体は、前記分散系で重合可能な種々の方法で重合できる。好ましい重合方法は、水性媒体(特に、水)中でビニル単量体を重合する乳化重合法である。乳化重合法において、ビニル単量体を連続的あるいは段階的に反応系に仕込む方法が好ましい。ノニオン界面活性剤の存在下、ナノサイズ粒子が分散した系に一括に単量体を仕込むと、コア−シェル複合粒子の生成する可能性が小さくなる場合がある。なお、シードとして、安定な粒子が生成した後、ビニル単量体を一括に仕込んでもよい。また、反応系に単量体を添加する場合、単量体の組成は同一であってもよく、変化させてもよい。
【0052】
重合開始剤としては、過酸化物(例えば、過酸化水素など)、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム)、水性アゾ化合物やレドックス重合開始剤が使用できる。
【0053】
重合体の分子量を調整するため、連鎖移動剤、例えば、ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素など)、メルカプタン類(又はチオール類)などを用いてもよい。連鎖移動剤の使用量は、例えば、ビニル単量体に対して5重量%以下である。
【0054】
なお、必要であれば、pH調整剤(例えば、酸(硫酸、塩酸など)、アンモニア、アミンなど)を重合過程又は反応終了後の水性分散体に添加してもよい。重合系又は水性分散体のpHは、例えば、pH7〜9(例えば、7.5〜8.5)程度に調整してもよい。
【0055】
特開2000−290464号公報に記載のように、ノニオン界面活性剤の曇点や臨界ミセル濃度(CMC)又は使用量を組合わせて調整することにより、コア−シェル複合粒子/ビニル重合体粒子/ナノサイズ粒子の比率を任意にコントロールできる。
【0056】
なお、本明細書において、臨界ミセル濃度(CMC)とは、ナノサイズ粒子の存在下、ノニオン界面活性剤を添加したとき、水相にミセルが生成する濃度を意味する。この臨界ミセル濃度はナノサイズ粒子の含有量や電解質濃度などにより変化するが、界面活性剤の濃度と表面張力との関係から、表面張力が極小値となる濃度を見掛けの臨界ミセル濃度の指標とすることができる。例えば、ナノサイズ粒子や電解質が存在しない場合に比べて、これらの成分が存在すると、ノニオン界面活性剤の臨界ミセル濃度は大きくなる。なお、飽和吸着量は、慣用の方法で予め測定することができる。平均粒子径が50nm以下のナノサイズ粒子の場合、固形分換算でナノサイズ粒子100重量部に対して、0.5〜5重量部(例えば、1〜2重量部)程度である場合が多い。
【0057】
[水性コーティング組成物]
本発明の水性コーティング組成物は、前記複合粒子を含むため、被膜形成性及びゲル分率が高く、特に硬化剤や架橋剤を用いなくても耐溶剤性の高い被膜を形成できる。
【0058】
水性コーティング組成物の固形分濃度は、用途などに応じて選択でき、例えば、10〜60重量%、好ましくは30〜55重量%、特に45〜55重量%程度である。
【0059】
なお、水性コーティング組成物は、ナノサイズ粒子の含有量が50重量%であっても高い被膜形成性、汚染性、耐熱性などに優れる被膜を形成できる。また、前記コア−シェル複合粒子/ビニル重合体粒子/ナノサイズ粒子の割合をコントロールすることにより、被膜の光沢を高めたり、ツヤを消したりすることもできる。例えば、水性コーティング組成物において、複合粒子とナノサイズ粒子との割合を、複合粒子/ナノサイズ粒子=100/0〜50/50(固形分換算の重量比)の範囲で変化させると、シリカなどのツヤ消し剤を用いることなく、入射角60°での光沢(グロス)を85〜3程度の範囲で調整することもできる。
【0060】
水性コーティング組成物には、水性コーティング剤で通常使用される種々の成分、例えば、分散剤、湿潤剤、増粘剤、可塑剤、表面調整剤、消泡剤、粘度調整剤、難燃剤、帯電防止剤、水溶性有機溶媒などが使用できる。また、水性コーティング組成物は、必要により顔料、水溶性又は水分散性バインダー樹脂、架橋剤,硬化剤,架橋又は硬化助剤などを含んでいてもよい。
【0061】
前記顔料としては、前記例示のナノサイズ顔料(例えば、二酸化チタン、フタロシアニンブルーなどの着色顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質顔料)を使用してもよく、アルミ粉、マイカフレークなどの光輝剤などを使用してもよい。塗料組成物中の顔料重量濃度(PWC)は、固形分換算で、通常、1〜70重量%、好ましくは10〜65重量%、さらに好ましくは20〜60重量%程度である。固形分濃度が少なすぎると隠蔽性が低下する虞があり、多すぎると被膜の光沢が低下したり、粘度上昇に伴って耐水性や機械強度が低下する虞がある。
【0062】
水性コーティング組成物のうち、複合粒子(バインダーとしても機能する)を主成分(80重量%以上)とする組成物は、ビニル単量体100重量部に対して、ナノサイズ粒子3〜500重量部(好ましくは50〜500重量部、さらに好ましくは100〜500重量部)程度の広い範囲で高い被膜形成性を有しており、ゲル分率も高い。なお、このような組成物は、耐汚染性や難燃性も高い。また、ナノサイズ粒子の含有割合を高めることにより難燃性を向上させてもよい。
【0063】
本発明では、前記水性コーティング組成物を基材に適用して被膜を形成することにより、被膜の耐溶剤性及び/又はゲル分率を大幅に改善できる。例えば、硬化剤及び/又は架橋剤を併用しなくても、被膜のゲル分率を60重量%以上、好ましくは70重量%以上に向上することもできる。
【0064】
本発明の水性コーティング組成物は、塗料組成物、特に、屋内(床材)、外壁又は屋根用塗料などとして有用であり、例えば、多孔質材(コンクリートパネル、セメント板、石膏ボート、木材など)、金属(ステンレスプレートなどの金属板、金属網など)、セラミックス(多孔質ガラス、タイルなど)、プラスチック[ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン(ポリエチレンなど)、エンジニアリングプラスチックなどの樹脂で形成された成形品(フィルム又はプレート、例えば、ポリエチレンプレートなど)など]などの基材に適用するのに適している。
【0065】
【発明の効果】
本発明では、水性分散物(水性分散体、水性コーティング組成物)が、特定の複合粒子を含むので、一液水性組成物でありながら、水性分散物の被膜の耐溶剤性及びゲル分率を大きく向上できる。また、硬化剤や架橋剤を併用しなくても高い耐溶剤性の被膜を形成できる。さらに、ナノサイズ粒子を含み、水性コーティング組成物の被膜形成性、及び耐溶剤性を改善できるとともに、前記組成物で形成された被膜の耐溶剤性又はゲル分率を大きく向上できる。
【0066】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0067】
実施例1
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却管を装着した1000mlのガラス製四つ口フラスコに、蒸留水100gおよびコロイド状シリカ(旭電化工業(株)製、アデライトAT−50、固形分50重量%、平均粒子径20〜30nm)200gを入れ、窒素気流下、第一のノニオン界面活性剤(旭電化工業(株)製、アデカリアソープNE−10、曇点40℃、反応性)3.0gを撹拌しながら添加した。2N−H2SO4でpH8.0〜8.5に調整した後、70℃に昇温した。過硫酸アンモニウム0.6gを添加し、メタクリル酸メチル(MMA)/アクリル酸n−ブチル(n−BA)/メタクリル酸(MAA)/反応性光安定剤(4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン,旭電化工業(株)製,アデカスタブLA−82)=49/50/0.5/0.5(重量比)の混合単量体5gを10分間滴下し、60分間放置した。さらに、第2のノニオン界面活性剤(花王(株)製、エマルゲン1135S−70、固形分70重量%、曇点100℃以上)2.1gを加え、温度70℃で前記の混合単量体と同様の組成の混合単量体95gを4時間に亘り連続滴下した。反応温度を70℃に保持し、滴下終了後、さらに70℃で1時間保持し撹拌を続けた。この後冷却し、25重量%アンモニア水で、pH8.5に調整し、複合微粒子分散物(水性コーティング組成物)402gを得た(収率98%、固形分50重量%、平均粒子径79nm)。
【0068】
実施例2
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却管を装着した1000mlのガラス製四つ口フラスコに、蒸留水100gおよびコロイド状シリカ(旭電化工業(株)製、アデライトAT−50、固形分50重量%、平均粒子径20〜30nm)200gを入れ、窒素気流下、第一のノニオン界面活性剤(旭電化工業(株)製、アデカリアソープNE−10、曇点40℃、反応性)3.0gを撹拌しながら添加した。2N−H2SO4でpH8.0〜8.5に調整した後、70℃に昇温した。過硫酸アンモニウム0.6gを添加し、MMA/n−BA/グリシジルメタクリレート(GMA)/アデカスタブLA−82=49/50/0.5/0.5(重量比)の混合単量体5gを10分間滴下し、60分間放置した。さらに、第2のノニオン界面活性剤(花王(株)製、エマルゲン1135S−70、固形分70重量%、曇点100℃以上)2.1gを加え、温度70℃で前記の混合単量体と同様の組成の混合単量体95gを4時間に亘り連続滴下した。反応温度を70℃に保持し、滴下終了後、さらに70℃で1時間保持し撹拌を続けた。この後冷却し、25重量%アンモニア水で、pH8.5に調整し、複合微粒子分散物(水性コーティング組成物)400gを得た(収率98%、固形分50重量%、平均粒子径75nm)。
【0069】
実施例3
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却管を装着した1000mlのガラス製四つ口フラスコに、蒸留水100gおよびコロイド状シリカ(旭電化工業(株)製、アデライトAT−50、固形分50重量%、平均粒子径20〜30nm)200gを入れ、窒素気流下、第一のノニオン界面活性剤(旭電化工業(株)製、アデカリアソープNE−10、曇点40℃、反応性)3.0gを撹拌しながら添加した。2N−H2SO4でpH8.0〜8.5に調整した後、70℃に昇温した。過硫酸アンモニウム0.6gを添加し、MMA/n−BA/シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング・シリコン(株)製,SZ−6030)/アデカスタブLA−82=49/50/0.5/0.5(重量比)の混合単量体5gを10分間滴下し、60分間放置した。さらに、第2のノニオン界面活性剤(花王(株)製、エマルゲン1135S−70、固形分70重量%、曇点100℃以上)2.1gを加え、温度70℃で前記の混合単量体と同様の組成の混合単量体95gを4時間に亘り連続滴下した。反応温度を70℃に保持し、滴下終了後、さらに70℃で1時間保持し撹拌を続けた。この後冷却し、25重量%アンモニア水で、pH8.5に調整し、複合微粒子分散物(水性コーティング組成物)400gを得た(収率98%、固形分50重量%、平均粒子径75nm)。
【0070】
実施例4〜7
実施例1の混合単量体に代えて、表1に示す組成の混合単量体を用いる以外は実施例1と同様に操作を行い、複合微粒子分散物(水性コーティング組成物)を得た。収率、固形分、平均粒子径も併せて表1に示す。なお、表1中の2HEMAは、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを示す。
【0071】
比較例1
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却管を装着した1000mlのガラス製四つ口フラスコに、蒸留水200gおよびノニオン界面活性剤(花王(株)製、エマルゲン1135S−70、固形分70重量%、曇点100℃以上)2g、アニオン界面活性剤(花王(株)製、エマール20C、固形分25重量%)1gを入れ、窒素気流下、温度80℃に昇温し、撹拌しながら、過硫酸アンモニウム0.4gを添加して溶解した。次いでMMA/n−BA/MAA/アデカスタブLA−82=49/50/0.5/0.5(重量比)の混合単量体20gを10分間滴下し、60分間放置した。さらに、MMA/n−BA/MAA/アデカスタブLA−82=49/50/0.5/0.5(重量比)の混合単量体180gおよび、蒸留水8g、過硫酸アンモニウム0.4g、ノニオン界面活性剤(花王(株)製、エマルゲン1135S−70、固形分70重量%、曇点100℃以上)9g、アニオン界面活性剤(花王(株)製、エマール20C、固形分25重量%)4gの混合物を4時間に亘り連続滴下した。反応温度を80℃に保持し、滴下終了後、さらに80℃で1時間保持し撹拌を続けた。この後冷却し、25重量%アンモニア水で、pH8.5に調整し、アクリルエマルジョン(水性コーティング組成物)412gを得た(収率98%、固形分50%、平均粒子径141nm)。
【0072】
比較例2〜3
比較例1の混合単量体に代えて、表1に示す組成の混合単量体を用いる以外は比較例1と同様に操作を行い、水性コーティング組成物を得た。収率、固形分、平均粒子径も併せて表1に示す。
【0073】
下記の手順に従って、実施例及び比較例で得られた水性コーティング組成物を用いて、ゲル分率及び耐溶剤性を評価した。
【0074】
(ゲル分率)
実施例及び比較例で得られた水性コーティング組成物を、ポリエチレン製板上にバーコーターを用いて塗布し、室温で7日間乾燥して、厚さ約50μmのフィルムを作製し、試験片とした。この試験片の重量(W1)を測定した後、3日間酢酸エチルに浸漬した。酢酸エチルに溶解した固形分の重量(W2)を求め、次式によりゲル分率を算出した。
【0075】
ゲル分率(%)=[(W1−W2)/W1]×100
(耐溶剤性の評価)
実施例及び比較例で得られた水性コーティング組成物100重量部に造膜助剤(大阪有機化学工業(株)製,酢酸ブチルジユーキゾール)6重量部を加え、試料調製後、70×150mmのスレート板に塗布量200g/m2になるようスプレーガンで塗装し、常温で7日間放置して被膜を形成した。この被膜表面をキシレンを含んだガーゼで往復10回こすり、被膜の状態を目視により観察し、下記の基準で評価した。
【0076】
そして、下記のようにして、耐溶剤性を評価した。結果を表に示す。
【0077】
A:被膜の変化が全くなく、著しく良好
B:被膜の変化がほとんどなく、良好
C:被膜の変化が小さく、実用上問題ないレベル
D:被膜の変化がやや大きく、実用上やや問題の生じるレベル
E:被膜の変化が大きく、実用性に乏しい
ゲル分率及び耐溶剤性の評価結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
Figure 0003806417
【0079】
表から明らかなように、いずれの実施例においても、比較例に比べて被膜のゲル分率が高く、耐溶剤性にも優れていた。

Claims (9)

  1. 分散粒子を含む水性コーティング組成物であって、前記分散粒子が、直接又はノニオン界面活性剤を介して、ナノサイズの粒子とビニル重合体とが結合した粒子であり、前記ビニル重合体が、エポキシ基、ヒドロキシル基及び加水分解性シリル基から選択された官能基を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル系単量体、ビニルエステル系単量体から選択された少なくとも一種の単量体との重合体であって、前記官能基を有する単量体の割合が、ナノサイズ粒子100重量部に対して0.01〜10重量部であり、前記分散粒子が、ノニオン界面活性剤の曇点未満の温度でノニオン界面活性剤とナノサイズの粒子が水中で負に帯電したナノサイズ粒子分散液とを混合した後、曇点以上の温度に昇温し、ビニル単量体を重合することにより得られたものである、被膜の耐溶剤性又はゲル分率向上した水性コーティング組成物。
  2. 分散粒子が、ナノサイズ粒子をコアとし、ビニル重合体をシェルとするコア−シェル構造の球状複合粒子であり、分散粒子の平均粒子径が5〜200nmである請求項記載の水性コーティング組成物。
  3. ナノサイズの粒子が、コロイド状シリカ又は顔料であり、ノニオン界面活性剤が、曇点0〜80℃のポリオキシアルキレンエーテル又はその誘導体である請求項1記載の水性コーティング組成物。
  4. ノニオン界面活性剤が、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する請求項1又は記載の水性コーティング組成物。
  5. ナノサイズの粒子が、平均粒子径3〜50nmのコロイド状シリカであり、ビニル重合体が、エポキシ基、ヒドロキシル基及び加水分解性シリル基から選択された官能基を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル系単量体、ビニルエステル系単量体から選択された少なくとも一種の単量体との重合体であり、前記官能基を有する単量体の割合が、固形分換算で、コロイド状シリカ100重量部に対して0.1〜5重量部である請求項1記載の水性コーティング組成物。
  6. 屋内、外壁又は屋根用塗料であって、多孔質材、金属、セラミックスから選択された基材に適用するための請求項1〜のいずれかの項に記載の水性コーティング組成物。
  7. 直接又はノニオン界面活性剤を介して、ナノサイズの粒子とビニル重合体とが結合した分散粒子を含む水性コーティング組成物を基材に適用し、被膜の耐溶剤性又はゲル分率を向上させる方法であって、前記ビニル重合体が、エポキシ基、ヒドロキシル基及び加水分解性シリル基から選択された官能基を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル系単量体、ビニルエステル系単量体から選択された少なくとも一種の単量体との重合体であって、前記官能基を有する単量体の割合が、ナノサイズ粒子100重量部に対して0.01〜10重量部であり、前記分散粒子が、ノニオン界面活性剤の曇点未満の温度でノニオン界面活性剤とナノサイズの粒子が水中で負に帯電したナノサイズ粒子分散液とを混合した後、曇点以上の温度に昇温し、ビニル単量体を重合することにより得られた分散粒子である水性コーティング組成物を基材に適用し、被膜の耐溶剤性又はゲル分率を向上させる方法
  8. ビニル重合体が、エポキシ基、ヒドロキシル基及び加水分解性シリル基から選択された官能基を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル系単量体、及びビニルエステル系単量体から選択された少なくとも一種の単量体との重合体であり、前記官能基を有する単量体の割合が、ナノサイズ粒子100重量部に対して0.01〜3重量部である水性コーティング組成物を用い、被膜のゲル分率を60重量%以上に向上させる請求項記載の方法。
  9. 硬化剤及び架橋剤を併用することなく、被膜のゲル分率を70重量%以上に向上させる請求項7又は8記載の方法。
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