JPH0767538A - 気泡が吹き込まれた粒状の菓子製品 - Google Patents

気泡が吹き込まれた粒状の菓子製品

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JPH0767538A
JPH0767538A JP6143376A JP14337694A JPH0767538A JP H0767538 A JPH0767538 A JP H0767538A JP 6143376 A JP6143376 A JP 6143376A JP 14337694 A JP14337694 A JP 14337694A JP H0767538 A JPH0767538 A JP H0767538A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 砂糖不使用の、気泡が吹き込まれた粒状の菓
子製品で、優れた安定性と、さくさくしたたれにくいき
めを有する菓子製品を製造する。 【構成】 セルロースより誘導されるセルロース化合物
を含まず、マンニトール、エリトリトール、およびこれ
らの混合物からなる群から選ばれたポリオールを含み、
乾燥状態においてこの菓子製品の甘味成分の13.5%
〜28%が上記のポリオールで構成されていることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は適量のマンニトールおよび/また
はエリトリトールを用いて得られる新規な気泡を吹き込
んだ粒状の菓子製品、およびその製造方法に関する。
【0002】”気泡を吹き込んだ粒状の菓子製品”とい
う言葉は、当業者にとっては、常に製造が非常に過酷だ
と思われる特別な類の菓子製品を意味する。これらの製
品は物理的にとても複雑な構造を有し、その構造は発泡
体および分散体の両方の構造と類似点があり、時にはエ
マルジョンの構造とも類似点がある。
【0003】第一にこれらの菓子製品は、その中に、一
般に空気の泡からなるガス状の網状組織があるという理
由で、発泡体であるとみなされる。そして、その網状組
織があるために、これらの品物は大多数の菓子製品類よ
りも密度が低いものとなる。気泡を吹き込む加工は、例
えば、引張、泡立てといった特別な機械的操作や、ある
いは特定の適当な材料、とりわけ促進剤(overru
n agent)を選択して用いることによって行われ
る。
【0004】気泡を吹き込んだ粒状の菓子製品はまた、
その中に、味覚芽では感知できない非常に細かい結晶が
あり、この結晶は可溶性分子からなる飽和砂糖シロップ
中に一様に分布している。そのために、この菓子製品は
安定した分散体であるともみなされる。砂糖菓子の場
合、問題の微細結晶はスクロースからなっている。
【0005】最後にこれらの菓子製品は、その製品が脂
肪を含んでいるときは水中油滴型のエマルジョンでもあ
るともいえる。その時、脂肪相は連続した水相中に小滴
の状態で分散している。
【0006】本発明の主題を形成するタイプの菓子製品
は、水分含有量が通常3〜15%、一般には7〜10%
であること、および柔らかく、歯にくっつくことなく噛
める、さらにはぼろぼろして溶けるといった、さくさく
して、たれにくいきめ(テクスチャー;textur
e)を有することを特徴とするものである。チュウイン
グガムと対比すると、これらの菓子製品は、口の中に不
溶の固体のかすを残すことなく完全に溶けるものであ
る。
【0007】明確に言えば、本発明の主題を形成する菓
子製品は、以下の列記するものに限られるわけではない
が、フォンダン、粒状のマシュマロ、細く絞り出したト
フィーまたはファッジ、結晶化されたトフィー、ヌガ
ー、トロン(torrones)、ファッジチュウ(f
udge chews)、あるいは微細結晶化され、香
り付けされたムースなどである。
【0008】これらの品物は、時には、ピーナッツ、ゴ
マの実、刻まれたウォールナッツ、アーモンド、膨らま
せた米、またはココナッツフレーク、あるいは、充填物
質、リキュール、脂肪充填物、またはチョコレートペー
ストのような飾りを含んで成る。さらにこれらの品物
は、他の菓子製品およびチョコレート製造用製品を飾り
付けたり、被覆するのにも用いることができ、ビスケッ
ト製造用製品にも同様に用いることができるということ
も注目されるべきである。
【0009】一方、気泡が吹き込まれない製品および結
晶化された状態での甘味料を含まない製品、例えば柔ら
かいトフィー、柔らかいヌガーまたクロカン(croc
ansts)、チョコレートマシュマロやマシュマロの
動物などの伝統的なマシュマロ、およびチューイングガ
ムは、本発明から除外される。
【0010】現在、菓子や甘い食べ物に関しては、その
消費に新しい強い傾向があらわれているように見える。
現代の食べ物において、栄養のバランスやヘルシーなラ
イフスタイルの概念が、意識的にあるいは無意識に考慮
されている。砂糖に付随する欲求は依然として非常にし
っかりと残っているが、相当多くの消費者が砂糖の消費
に付随する問題を避けたがっている。この目的のため
に、菓子類にあっては、砂糖不使用の製法の開発が進む
にいたり、ポリオール、時には糖アルコールという、
が、歯に関して無害であり、スクロースに比べてカロリ
ー価も低いという理由で、正当な地位を得るようになっ
たのである。
【0011】砂糖不使用の菓子類の製法が逃れることが
できない大きな困難の1つは、産業的に確立された設備
や手順を事実上修正したり、さらに複雑にしたりするこ
となく、すべての点で伝統的な製品と間違うほど、似た
製品の製造を成功させることの困難さである。このこと
は、本発明の主題である菓子製品にもあてはまる。
【0012】この方向での活発な研究を証拠付ける様々
な文書が知られている。主要な記述を以下に示す。−米
国特許第4,597,981号および米国特許第4,9
63,359号はいずれも、ゼラチンを含有してなる砂
糖不使用の柔らかい菓子製品に関するものである。これ
らは結晶化可能な甘味分子を使用していないので、粒状
ではない。
【0013】−フランス特許第2,522,936号、
米国特許第4,323,588号および米国特許第4,
450,179号は砂糖不使用のマシュマロおよびヌガ
ー、あるいは殻と芯を有する砂糖不使用の柔らかい製品
に関するもので、これらは出願人によりリカシン(LY
CASIN、登録商標)という名称で市販されている結
晶化できない水素化グルコースシロップと、結晶化でき
る水素化イソマルツロースisomaruturo−s
u(isomaltulose)とを結合させて得られ
る。これらの菓子製品は気泡が吹き込まれ柔らかいもの
であるが、さくさくとしたきめを有する製品の製造に関
しては全く記載がなく、貯蔵で崩壊してしまうような、
軟弱な、吸湿性の高い製品に関する記載があるだけであ
る。それはともかく、このさくさくとしたきめは、その
出願人が意見を述べているように、単に、菓子製品にお
いて水素化イソマルツロースの濃度が非常に高ければ、
このポリオールを用いることによって得られるものであ
る。このポリオールは、低分子量ポリオール類に共通の
特性のために、予めその傾向がある患者においては消化
不良を誘発するというリスクを生じる。そして、これら
の菓子製品が、その特別なきめのために消費されやすい
という事実によって、なおさら上記のような現象が拡大
されるものである。このようにこの文書に記載されてい
る製品は全ての見地から満足されるものではない。
【0014】−フランス特許出願第2,338,651
号には、結晶構造を有する柔らかい甘い菓子類を製造す
るための、新規な製法がクレームされている。この製法
は伝統的な製品および砂糖不使用の製品を得るのにも同
様に適したものである。マンニトールは砂糖の代用品と
して使用可能な多くのもののなかに記載されているが、
キシリトールが、これは口の中でさわやかな感覚が得ら
れるために好ましものであるが、ひとつのそして唯一の
砂糖とグルコースシロップとの混合物の代用品として用
いられている。この出願人は、マンニトールでは、砂糖
とグルコースシロップとの混合物の代用品として用いる
ことはできないと認識している。
【0015】−欧州特許出願第377,278号は、食
事制限用の甘味組成物に関するもので、キシリトールも
含有する粒状のチュウ(chew)類が記載されてい
る。後者は、普通甘味成分の少なくとも38%に相当
し、これはその市場価格のために、製造者が、このよう
な適用に使用することを思いとどまるような傾向にあ
る。さらに、きめと安定性の見地からみて、きわめて有
益な製品を得るには、165℃付近の非常に高い加熱温
度だけでなく、再び加工に供される前に、加熱された塊
を一晩熟成させることが必要である。そのような製法の
工業的確立は非常に厳しいということが理解できる。
【0016】−欧州特許出願第9,325号は、エリト
リトールに基づく抗カリエス組成物、特にファッジおよ
びマシュマロに関するものである。ここに記載されてい
る実施例によって得られる製品は、貯蔵中に完全に結晶
化してしまう、そして口の中でざらざらとした砂のよう
なきめをもたらすという不適切な傾向を有するものであ
る。
【0017】−欧州特許第273,001号および米国
特許第4,911,935号は、ヌガータイプの製品を
開示している。このヌガータイプの製品は、水素化グル
コースシロップとマンニトールとからなる加熱されたシ
ロップを、マンニトールを含まないが、不溶性のセルロ
ースと可溶性の改質セルロースとを必要として含む、冷
やされた製造物に加えることによって得られるものであ
る。実際、欧州特許第273,001号に記載されてい
る発明は、水素化グルコースシロップを含む菓子製品に
十分粘性のある構造を与えるために、天然の、あるいは
改質されたセルロースを使用することに基づくものであ
る。このようにすることによって、その製品が貯蔵中に
流れにくいようにするとともに、くっつきやすいという
好ましくない性質を抑えるのである。この特許には、さ
くさくした、たれにくいきめを有する、気泡が吹き込ま
れた粒状の菓子製品を製造することについては全く述べ
られていない。注目されるべきことは、この文書の記載
には、本発明のタイプの菓子であって、質的に受け入れ
られるものを、マンニトールと水素化グルコースシロッ
プを用い、そして絶対に必要なものとしてセルロースを
用いずに得ることができるというのは信じられないと、
暗示する傾向がみられるのである。これらの後者を菓子
に用いるのは困難であるということは当業者には知られ
ていることである。その理由は、加熱すると、それらは
本物ではない味と色、および口の中でざらざらするとい
った質的に好ましくない性質を生じるためで、このよう
に、提案された方法は不十分なものである。
【0018】ゆえに、現在のところ、上述のような質的
特徴を有する気泡が吹き込まれた粒状の菓子製品を製造
できるような、技術的あるいは経済的に実用できる方法
はない。
【0019】本発明はこのような状況においてなされた
もので、本出願人は そのような菓子の製造に用いられ
る結晶化ポリオール類の量をできるだけ減らすという基
本的方針に向いながら、この欠陥を取り除くことに注意
を傾けた。このことは、製造のしやすさに関連する技術
的性質だけでなく、経済的性質および代謝の性質、特
に、いわゆる消化耐性の理由により、正しいということ
が証明された。さらに、結晶化ポリオール類の混入をで
きるだけ制限することは特に有用である。結晶化ポリオ
ール類は、一般に認められているように砂糖よりも低エ
ネルギーであるが、このような菓子の製法にも関与しう
る他の増量剤よりもエネルギー価が高いものである。そ
してその結果、もし望まれるならば、エネルギー含有量
を明かに大きく減らすことができる。
【0020】最後に、少量の結晶化ポリオール類を用い
ることによって、ミネラル、ビタミンおよび必須脂肪酸
のような、栄養学的あるいは薬理学的に有益な性質を有
する物質を、少なからず導入することをもくろむことが
可能となる。
【0021】多くの試行の後、本出願人は当然の報いと
して、驚いたことに、また予想外に、集められた結晶化
ポリオールの中で、マンニトールとエリトリトールだけ
が、これを菓子中の甘味成分に関して述べられている特
に低い使用量で用いることによって、優れた安定性とさ
くさくしたきめの菓子を製造できることを見い出した。
【0022】ゆえに本発明の内容は、砂糖不使用の、気
泡が吹き込まれた粒状の菓子製品である。この菓子製品
は、セルロースより誘導されるセルロース化合物を含ま
ず、マンニトール、エリトリトール、およびこれらの混
合物からなる群から選ばれたポリオールを含み、乾燥状
態において上記菓子製品の甘味成分の13.5%〜28
%が上記のポリオールで構成されていることを特徴とす
る。
【0023】本出願人は、これら2種のポリオールの一
方あるいは他方の含有量が少ない場合、すなわち甘味成
分に比して13.5%より少量である場合は、常に流動
性のたれやすいきめおよび包装紙にくっつく性質の製品
が得られることを見出していた。
【0024】逆に、上記甘味料の含有量が多く、本菓子
製品の総甘味料の28%を越える場合、それでも依然と
してこの種の伝統的な菓子製品の甘味成分が通常50〜
75%であることと比較すれば少量の糖であるが、マン
ニトールおよびエリトリトールを用いた際は、ソルビト
ール、水素化イソマルツロースあるいはマルチトールに
おいて観察されたこととは全く異なり、大半の場合、菓
子製品を完全に粒化するまでより長時間観察したとこ
ろ、結局得られたのは口の中で砂のようにざらつき砕け
やすい製品であった。時には、またこのようなことはエ
リトリトールを用いた際に特に起りやすいのであるが、
逆に、加熱処理の後に過度に流動性を有する塊が高濃度
で得られる。この塊は機械による取扱が困難である。こ
の問題は、処理温度を上げること、あるいは天然または
合成の多糖類の様な増粘剤を加えることによって部分的
には解消されることが一般に知られているが、こうした
方法は有利ではない。
【0025】ゆえに、気泡が吹き込まれた粒状の本菓子
製品のきめが、最初から適切な状態であって、その結果
機械操業に適合し、このきめが保存中も変質しないため
には、マンニトールあるいはエリトリトールの含有量は
少な過ぎたり、多過ぎたりしてはならない。マンニトー
ルあるいはエリトリトールの正確な含有量は、製造され
る製品の性質により異なるが、しかしまた、望ましい最
終的なきめに従うものである。後者は、他の原料の選択
および菓子製品の水の含有量によって調整されうるもの
である。
【0026】一般的には、必要なマンニトールの量は、
チュウの場合の方が固いヌガーの場合よりも少量であ
る。この規則はエリトリトールにも適合するが、類似の
きめを有する製品を得るためにここで紹介される量は、
マンニトールの量よりも僅かに多い。実際には、マンニ
トールは甘味成分に比して13.5〜25%であること
が望ましく、より望ましくは13.7〜20%、14〜
17%であればさらによい。エリトリトールに関して
は、その使用量は40%を越えてはならず、望ましくは
13.5〜28%、より望ましくは14〜27%で、1
6〜25%であればさらによい。
【0027】また、マンニトールとエリトリトールのい
ずれか一方の結晶化を他方によって制御するために、マ
ンニトールとエリトリトールを組み合わせることも可能
である。この場合も、これらポリオールの含有量は、本
菓子製品の甘味成分の総量に比して、乾燥状態において
13.5〜28%であることが望ましい。マンニトール
あるいはエリトリトールの最適な量は、その産業工場が
菓子の製法に、注入法、型入れ法、切取り法のいずれ
か、あるいはまた押出し法を認可しているかによって異
なるが、当業者が数度の定型試験を行なうことで容易に
決定することができる。
【0028】本発明によれば、気泡が吹き込まれた粒状
の菓子製品を構成する甘味成分は、マンニトールとエリ
トリトールに限らず、ポリオールシロップあるいはオリ
ゴ糖あるいは多糖シロップを、望ましくは水素化され
て、含有するものである。ここでは、ポリオールシロッ
プは、水素化された単糖類あるいは二糖類のシロップ、
なかでも特にキシリトール、ソルビトールおよびマルチ
トールのシロップを意味する。オリゴ糖あるいは多糖の
シロップは、ソルビトールおよびマルチトールには乏し
い水素化澱粉水解物、イヌリンおよびその誘導体、デキ
ストリンおよびその誘導体、とりわけデキストリン水解
物で望ましくは水素化されたもの、およびポリデキスト
ロース、ポリグルコースとして一般に知られる生成物で
やはり望ましくは水素化されたものを意味する。
【0029】前記甘味成分は単独であるか混合物である
かによらず、圧倒的に上記のシロップによってなる。上
記のシロップと同一の生成物を脱水状態あるいは結晶状
態で用いることになんら問題はないが、その際には費用
が限定要因となる。前記甘味成分は少量の成分として、
アラビアガムのような増粘剤、あるいはグリセロールの
ような水分活性調整剤、アスパルテームまたはアセサル
フェーム(acesulfame)のような強化代替甘
味料を包含してもよい。実際にはこの甘味成分は、本菓
子製品が市販される際には、乾燥状態において本菓子製
品の60〜96%に相当するが、この割合が70〜90
%であることが望ましく、75〜88%であることがよ
り望ましい。
【0030】本発明の気泡が吹き込まれた粒状の菓子製
品は、常に1.5以下の比重を有するものとする。前記
の菓子製品は、特にヌガー、チュウ、トフィーおよび粒
状のマシュマロである場合、発泡体に匹敵する構造の生
成を促進するために促進剤を含んでいる。これらの促進
剤は、ゼラチン、乳蛋白、魚蛋白、グルテン水解物、大
豆蛋白および卵白アルブミンのような、動物あるいは植
物からとった蛋白質である。
【0031】ゼラチンに関して、一様なゲルを与える能
力の有無は、すなわち、当業者のいう乳白化数は、用量
と関連して考慮される。このように、蛋白質の摂取を制
限することが望まれる場合、あるいはまた弾力性のある
きめを得ることが望まれる場合は、非常に高い乳白化数
を有するゼラチンを選択することが望ましい。それどこ
ろか、例えば食事制限用のあるいは薬品としての菓子製
品などのような増量製品(bulking produ
cts)に、蛋白質を用いることに何の問題もない。低
乳白化数のゼラチンおよび乳蛋白および卵白の蛋白が、
望ましく選択される。これらの促進剤は、市販される際
の本菓子製品の0.5〜15%を占めることが望まし
い。
【0032】チュウおよびヌガーはいずれも、伝統的製
法の慣例として適切な比率で脂肪を含んでいることが、
当業者には知られている。その性質に関しては、乳脂あ
るいは、ヤシまたはコプラまたは代用として大豆からと
られる水素化植物油が望ましい。官能基的には、これら
の脂肪の優れている点は、おおむねバッカル温度領域内
に融点を有していることであり、これらの脂肪を1〜1
0%の量で用いられるのが望ましい。
【0033】乳化剤の使用は任意であり、蛋白質含有量
が多い場合にはなおさらである。それにもかかわらず、
本発明による菓子製品の製法において、僅かとはいえな
い量の脂肪が使用された場合は常に、本菓子製品に比し
て0.1〜2%の量の乳化剤の添加を考慮するのが望ま
しい。この乳化剤は、特にレシチンおよび、グリセロー
ルまたはスクロースまたはソルビトールの脂肪エステル
より選択して用いられる。
【0034】なお、気泡が吹き込まれた粒状の本菓子製
品は、一般的に3〜15%で変化する量の水分を含有す
るが、この水分の含有量は4〜10%であることが望ま
しく、さらに望ましくは5〜8%である。チュウあるい
はヌガーに対してはかなりの少量が選択され、フォンダ
ンあるいはまた粒状のマシュマロに対してはより多い量
が選択される。伝統的な配合に比べ、一般的に水分の含
有量が僅かに少ないということは注目に値する。
【0035】本発明による気泡が吹き込まれた粒状の菓
子製品は、既に当産業において確立されている従来公知
の方法によって得ることができるという特徴を有する点
で優れている。これらの方法は、加熱処理、あるいはま
た上述のフランス特許第2,338,651号に記載さ
れているような冷却法、あるいはチューイングガムの製
造に用いられる冷却法を必要とする方法であってもよ
い。しかし、その製造条件は、最終的に菓子製品の水の
含有量が3〜15%になるように微調整される必要があ
る。
【0036】結晶化ポリオールの可溶化および、マンニ
トールまたはエリトリトールを包含する甘味成分の少な
くとも75%の加熱処理は、105℃以上で行なわれる
ことが望ましく、通常は110〜135℃で、望ましく
は110〜128℃で行なわれる。加熱処理の際の厳密
な温度は、設置された蒸発器の形式によって、特に用い
られる減圧の程度によって異なるが、得ようとする菓子
製品の種類によっても異なる。香料、脂肪、増粘剤、酸
味料、着色料、乳化剤、増量剤および促進剤のような菓
子製品の構成に加えることのできる他の材料は、加熱処
理され加熱温度よりも低く冷却された塊に加える。これ
らの材料は、混入を促進するために溶液の形態で導入さ
れる。この工程の変形としては、甘味成分の混合物を、
熱処理に弱くない製法で用いられる材料とともに、加熱
することもできる。
【0037】さくさくしたきめを得るために必要とされ
る結晶化は、自発的に起こるものでもよい。加熱された
塊を単に冷やしたり、または後者を単に機械的に移した
りすることが、事実上結晶作用のきっかけとなりがちで
ある。しかしながら、後者は、加熱された甘味成分の混
合物に、平均の直径が100ミクロン以下のマンニトー
ルまたはエリトリトールの粉末を加えることによって、
あるいは、これらの結晶化ポリオールからなるフォンダ
ンを加えることによって引き起こされることが好まし
い。この添加物は、本菓子製品の甘味成分の0.1〜2
5%に相当してもよい。
【0038】加熱された塊は、その後、結晶化を広める
目的だけでなく、それに気泡を吹き込む目的で加工が行
われる。例えば、空気圧泡立て器または引張機が用いら
れてもよい。これら機械での加工は、塊の粘性を適切な
ものとするために、適切な温度で行われるように注意し
なければならない。この操作は、一般的には0.4〜
1.3、そして好ましくは、0.6〜1.25の比重を
有する菓子製品が得られるように管理される。粒状のマ
シュマロの場合には、この値は、たいていの場合は、
0.4〜0.8、一方ファッジ、ヌガー、またはチュウ
では、0.8〜1.20の間であり、一般的には1.0
5に近似する。この比重が、望ましい最終製品を得るた
めに、伝統的な菓子製品のそれよりわずかに低くされて
いるということは、注意すべきことである。
【0039】最後に、適切に冷やされ熟成されたこの塊
は、例えば澱粉に流しこんだり、または押し出された
り、型を用いたりして成形された後で、切断される。そ
の後、冷やされた品物が包装される。
【0040】第二の製造方法によれば、これは冷却工程
とみなされるが、一方はマンニトールおよび/またはエ
リトリトールの非常に微細な粒径の粉末、そしてもう一
方は、濃縮されたシロップ状で導入される補充の甘味成
分が、適切な割合で、かつ45〜90℃の間の温度で、
単純に完全に混合される。菓子製品が口の中でざらざら
したきめを持たないようにするために、微細粉末の大き
さは、100ミクロン以下であることが好ましい。補充
の甘味料のシロップの乾燥物の含有量は85%より大き
いことが好ましく、90%であればさらによい。菓子製
品の他の可能な材料も加えられる。この場合、促進剤も
シロップ状の形態で導入される。この第二の製造方法に
よれば、マンニトールまたはエリトリトールの種やフォ
ンダンを加えることにより結晶化を引き起こすことによ
って、なんの目的も満たされないことに注意するべきで
ある。この冷却工程に応じて、気泡を吹き込む工程およ
び成形の工程は、上述したように行われる。
【0041】
【実施例】本発明のより深い理解が、以下の実施例から
得られる。 実施例1 異なる結晶化ポリオールの作用、および総甘味成分に対
するポリオールの濃度の影響 ソルビトール、水素化イソマルツロース、キシリトー
ル、マンニトール、エリトリトールおよびマルチトール
の高純度粉末の作用が、以下に示す3種類のチュウの製
法で比較される。これは、これらの結晶化ポリオールの
うちのどれを用いると、甘味成分に対する使用量が、伝
統的なチュウにおける砂糖の使用量より少ない量で、さ
くさくしてたれにくいきめを得ることができるかを決め
るためである。ここで選択された基本的な製法は、製法
A、製法B、製法Cと呼ばれ、それぞれ以下の通りであ
る: 製法A −マルチトールシロップ リカシン(登録商標) 80/55(DM:75%) 5000g −結晶化ポリオール 3200g −ラクトースが除かれた乳蛋白 1120g −水素化コプラ(融点 32℃) 395g −グリセリル モノステアリン酸塩 39g −ゼラチン 180 ブルーム(bloom)の溶液 (DM:40%) 196g −結晶化ポリオール、細かくひいたもの(種) 50g 甘味成分に比較して、結晶化ポリオールのレベルは、乾
燥物/乾燥物として表現され、46.5%である。
【0042】製法B この製法は、次に示すもの以外は、製法Aと同様であ
る: −リカシン(登録商標) 80/55 シロップは64
00gまで加えられる。 −さらに、結晶化ポリオールは、1800gだけ加えら
れる。この製法における結晶化ポリオールのレベルは、
28%である。
【0043】製法C この製法も、使用される量以外の点において、製法Aと
同様である: −リカシン(登録商標) 80/55 シロップは、7
330g −結晶化ポリオールは、870g 結晶化ポリオールのレベルは、14.3%である。
【0044】チュウを製造するために、製法A、Bおよ
びCを用いて、以下のことが行われる: −リカシン(登録商標) 80/55と結晶化ポリオー
ルの混合物を、およそ120℃で加熱する。 −加熱された混合物を冷却する間に、乳蛋白を約100
℃で加え、脂肪および乳化剤を約90℃で、ゼラチン溶
液を約85℃で、そして最後に結晶化の種としてのポリ
オール粉末を約80℃で加える。 −得られたチュウを1分間引っ張り、1.04に近い比
重を得る。 −チュウを成形、切断し、最後にその製品をかわいらし
い紙で包装する。 製品の水分含有量は、全ての場合において6.5%程度
である。
【0045】異なるポリオールを用いて得られるチュウ
(全部で18種)は、周囲を取り巻く温度および湿度の
条件下で、二ヶ月間保存される。この期間の終わりに、
製品が互いに比較される。製品が紙に粘着する傾向や、
そのきめに対して特別な注意が払われる。
【0046】ソルビトール、キシリトールおよびマルチ
トールを用いて製造された製品は全て、非常にくっつき
やすい。これらのきめは、柔らかく、たれやすいもので
ある。それゆえに、これらの使用量では、これらのポリ
オールを用いて望ましい特徴を得ることはできない。
【0047】水素化イソマルツロースを用いた製品は、
製法Aによるものだけが満足いくものである。製法Bを
用いた場合には、チュウは柔らかくてたれやすい、また
わずかにくっつきやすい。製法Cで作られたものは、ソ
ルビトール、キシリトールおよびマルチトールを用いた
上記のものにひどく似ている。
【0048】マンニトールとエリトリトールを用いた場
合には、製法Bおよび製法Cによるチュウは、ちょうど
望ましい特徴を備えている。すなわち、くっつきにく
く、さくさくしたきめである。一方、マンニトールを用
いた製法Aのものは、完全に粒状であり、味わったとき
に非常に不快である。エリトリトールを用いた製法Aの
ものは、微細結晶化されているものの、くっつきやす
い。
【0049】製造された全ての製品の中で、エリトリト
ールまたはマンニトールを使用し、甘味成分に対して、
乾燥物で表して14.3%と28%の結晶化ポリオール
を含むチュウだけが、望ましい製品に相当することがわ
かる。
【0050】3つの付加的な実験が、以下に示す製法D
によって実行される。これは、結晶化ポリオールとし
て、マンニトール、エリトリトール、または80%のマ
ンニトールと20%のエリトリトールとの混合物を使用
し、結晶化ポリオールのレベルが、乾燥した甘味成分に
対し、13%に近くなるようにしたものである。
【0051】 製法D −マルチトールシロップ リカシン(登録商標) 80/55(DM:75%) 7420g −結晶化ポリオール 780g −ラクトースが除かれた乳蛋白 1120g −水素化コプラ(融点 32℃) 395g −グリセリル モノステアリン酸 39g −ゼラチン 180 ブルームの溶液 (DM:40%) 196g −結晶化ポリオール 50g 周囲を取り巻く条件下で二ヶ月間の保存された後のチュ
ウは、三つの場合全てにおいて、くっつきにくいもの
の、さくさくしたきめが不十分なものである。これら
は、望ましい製品に正確に一致するものではない。
【0052】実施例2 本発明によるチュウ マンニトールを使用した、さらに2種類のチュウの製造
が、上記の実施例で示された製法Cを再び用いて行われ
る。第一の場合は、ゼラチン 180 ブルームの溶液
のかわりに、ゼラチン 100 ブルームの乾燥物を4
0%含む同量の溶液が用いられる。上記の手順は、その
ままである。第二の場合は、ラクトースが除かれたタン
パクの量が300gに減らされ、乾燥物を50%含むゼ
ラチン 0 ブルームの溶液820gが補足として加え
られる。加熱温度が130℃であること以外は、前記実
施例に示された手順に従う。
【0053】両方の場合において、得られた製品は非常
に安定しており、望ましいきめの特徴を有している。ゼ
ラチン 180 ブルームを含む製品に比較して、ゼラ
チン100 ブルームを使用したものはより柔らかく、
乳蛋白の含有量がより少ないものは、口の中でより弾力
がある。
【0054】実施例3 本発明によるヌガー 乾燥物と見なされる甘味成分に対し、約16%のマンニ
トールを含み、細かく切られたヌガーの製造は、次に示
す製品を使用して行われる: パートA: マルチトールシロップ リカシン(登録商標) 80/55 6800g マンニトール 800g パートB: 33%の乾燥物を含む卵白アルブミン溶液 240g パートC: マンニトール SF(平均直径 100ミクロン) 160g アーモンド 2000g
【0055】この目的のために、パートAは、大釜の中
で120℃で加熱される。冷却する間に、パートBが、
加熱されたシロップに約110℃で加えられ、その後、
泡立てられて、発泡体の構造に似た、気泡が吹き込まれ
た構造が得られる。パートCは約75℃で添加され、そ
の塊は、約40℃まで冷却されて、細かく切断される。
こうして、伝統的なモンテリマー(Montelima
r)ヌガーによく似た、気泡が吹き込まれた粒状のヌガ
ーが得られる。これらの製品は安定しており、数カ月間
の保存の後でも、当初と同様のさくさくしてたれにくい
きめを維持している。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース化合物を含まず、マンニトー
    ル、エリトリトール、およびこれらの混合物からなる群
    から選ばれるポリオールを含む、気泡が吹き込まれた粒
    状の菓子製品であって、上記ポリオールが、上記製品に
    含まれる甘味成分の13.5〜28%を構成してなるこ
    とを特徴とする気泡が吹き込まれた粒状の菓子製品。
  2. 【請求項2】 マンニトールが用いられ、上記製品に含
    まれる甘味成分の13.5〜25%、好ましくは13.
    7〜20%、さらに好ましくは14〜17%を構成して
    なることを特徴とする請求項1記載の菓子製品。
  3. 【請求項3】 エリトリトールが用いられ、上記製品に
    含まれる甘味成分の14〜27%、好ましくは16〜2
    5%を構成してなることを特徴とする請求項1または2
    のいずれかに記載の菓子製品。
  4. 【請求項4】 上記菓子製品に含まれる上記甘味成分
    が、該菓子製品の60〜96%、好ましくは70〜90
    %、さらに好ましくは75〜88%に相当することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の菓子製品。
  5. 【請求項5】 比重が0.4〜1.3、好ましくは0.
    6〜1.25、さらに好ましくは0.8〜1.20であ
    り、かつ促進剤を0.2〜15%の割合で含むことを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の菓子製品。
  6. 【請求項6】 脂肪を1〜10%、および乳化剤を0.
    1〜2%の割合で含有してなることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の菓子製品。
  7. 【請求項7】 水分含有量が3〜15%、好ましくは4
    〜10%、さらに好ましくは5〜8%であることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載の菓子製品。
  8. 【請求項8】 上記甘味成分が、マンニトールおよび/
    またはエリトリトールの他に、ポリオールシロップ類、
    オリゴ糖および多糖シロップ類から選ばれる少なくとも
    1つを含有し、強化甘味料、増粘剤、または水分活性調
    整剤と適切に組み合わせて用いられることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の菓子製品。
  9. 【請求項9】 マンニトールおよび/またはエリトリト
    ールを溶解した状態で含有してなる菓子製品の甘味成分
    の少なくとも75%を、110〜135℃の温度で加熱
    し、 マンニトールおよび/またはエリトリトールを含有して
    なる粉体またはフォンダンを、加熱された塊に0.1〜
    25%の割合で添加し、 得られた塊に気泡を吹き込むたための加工を行い、その
    後、成形し、得られた菓子製品を包装することを特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載の菓子製品を製造す
    る方法。
  10. 【請求項10】 一方では細かい粒子サイズのマンニト
    ールおよび/またはエリトリトール粉体を、他方では濃
    縮されたシロップ状の補充の甘味成分を用意し、これら
    を正確な割合で、45〜90℃の温度で完全に混合さ
    せ、 得られた塊に気泡を吹き込むための加工を行い、その
    後、成形し、得られた菓子製品を包装することを特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載の菓子製品を製造す
    る方法。
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